愚王 (53)

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軽い設定
投稿する文と矛盾はしないように気をつけたけど何かあれば指摘して!
俺←主人公、語り手
拾い子、小さな家で一人暮らし、最終的な年齢20歳予定
お前←親友、俺を訪ねてきた
片親(母)、負けず嫌い、真面目、主人公と同い年
母ちゃん←母ちゃん
親友の母ちゃん、俺には小屋を貸し何かと世話をしている
司祭ちゃん←ヒロイン
女幼馴染枠、司祭に憧れてるから司祭ちゃん
師範←司祭の父ちゃん
面倒くさがり、根はいい人、顔が怖い

上の5人が出番多いです

やあ、久しぶり、十年ぶりくらいじゃないか?
何しにきたのだい?
喧嘩だなんておっかないなぁ、久しぶりなんだしさ ゆっくりしていってよ
なんだ、顔を見せたと思ったら湿気た面しやがって、とりあえず飲みもんでも出すよ

こうして面と向かうと昔話したくなるよな
懐かしいよな、俺とお前がこんっな小さい頃に同じ道場で知り合ってさ、お前だけには何故か負けたくないって思って頑張って練習したんだぜ?
なに?お前もだったのか、それであの時はよく挑んできたのか!てっきり司祭ちゃんにカッコつけるためかと思ったよ!って、それもあるのかよ…

今日はスレ立てで寝るつもりだったのでここまでで、見てみると読みづらいので明日から少し行間開けます

やれ、随分と席を外してしまったな、どこまで話しただろうか

あー、そうそう、子供の頃といえば

そう言えばあの時語り合った夢を今でも覚えてるか?

え、んな昔の事忘れたって?

何言ってんだ、お前が将来は薬屋さんになってみんなを助けるんだって言うもんだからさ、そんな奴が道場になんできてるんだと思って可笑しくて可笑しくて笑ったらお前が怒ってさ、大喧嘩したんだよ

お!思い出してくれたか!

結局2人とも満身創痍になって司祭ちゃんに無茶苦茶怒られたんだから

あの時の司祭ちゃんと来たら怖くて怖くてね

あちこち痛む体を抑えて道場内を駆け回ったもんさ

憶えてるか?俺とお前が12になる時だったか、俺は今でも憶えてるよ

お!お前も憶えてるみたいだな、ただその引きつった顔は辞めとけ、周りから引かれるぞ

あの頃は訓練だーってお前の母ちゃんの口車の乗せられて薪拾ってはどっちが速く多く割っれるかやってたよな

もうそれが日課のようになっていたある日、突然お前が『わっ!』って大声出してどさって音がするもんだから(あ、転んだ)と思って様子を見に行ったんだ

案の定お前は尻をついてたが顔が正面を向いて固まってたよ

俺も視線の先が気になってそっちに向いたらスライムがいたよな

初めてモンスターというものを見たけど、あれは、衝撃だったよ

話す内容をメモしてたんだがコピーとカットを間違えてしまったな、

話を少し構成し直すからその間少し飲み直そうか

では、俺は少し席を外そう



ほんとすんませんo┐ペコリ

ふむ、少し時間は早いが続きの話をしよう

大きさはうさぎより少し大きい位なのに中のうさぎが消化されてる途中だったんだよな

骨に肉がまだついててさ、血のせいで1部赤くなってるスライムを見てどうしようも無く怖くてさ、おかげで今でもスライムの捕食シーンは慣れないな

俺は急いで拾った薪を適当にとってさ怖くて腰抜かしたお前の前に立ってスライムと退治した時何故か凄い勝てる気がしたんだよ

あんなに道場で練習したんだ

あんなに小さいモンスターなんだ

一振りしてやればすぐ逃げてく

そう思ってスライムに木の棒で一振りしてやったのさ

どこぞの村にはひのきの棒でスライムを倒した人がいると聞いたから真似をしたんだ

その後の事はお前も知っての通りさ、ジェル状のスライムは木の棒が当たった感覚すらなく俺にまとわりつき顔まではい上がってきて包んだんだ、怖くて目は開けられなかったな

どうしようも無く気持ち悪くて手で顔についたのを剥がそうとするけど手にはぬるぬるした感覚、時々骨か肉に当たって手が止まった

結局スライムは顔からはがせなかった

後悔する暇もなく次の瞬間には何故か苦しさがなくなってたんだ

恐る恐る目を開けるとカッコイイ剣を持ったお兄さんが立ってたね

あまりに一瞬のことで何が起きたのかわからなかったけど、とりあえず木の棒でスライムが倒せないことと、べとっとまとわりついたジェル状の液、頭から垂れる自分のモノではなく獣臭い血の匂いは確かだったね

少し気分が悪くなってしまったよ

風に当たってくるから少し待っててくれ

やあ、待たせたね

なに、もう大丈夫だよ

続きの話をしよう

その後のことはさっぱり覚えてなくてね

目が覚めたら家の布団で寝てたよ、横で何故かお前も寝てたけどあれは何してたんだ?

看病だと?

男にされても嬉しくなかったよ!

まあ、安心はしたさ、何も怪我してなくてさ

俺はぐーすか寝てるお前を見てちょっとムカついたから1発頭を叩いてやったんだ

するとさ、お前が行き良いよく飛び上がってこっちを見た途端さ

『旅に出よう!さっきの人みたいになりたい!きっと王国騎士だって!もっと強くなるんだって!』

そんの時にお前の夢が薬屋さんから王国騎士になったんだっけ?

まあ、口癖は相変わらず『みんなの役にたちたい!』だったけどな

だけどその時の俺はもう外に出る事が出来なくなったんだ

モンスターに殺されかけた、その事実が

何より今までやってきたことが通用しなかった

自分の無力さを知って、次は無いそう思った

だから、今まで頑張った特訓も通い続けた道場も、あんだけ降ってた剣さえも置いたんだ

何とか強気に振舞ってなんともないように見せようとしたんだ

まあ、こんな状況でバレないはずがないんだよな、何せ家から一歩も出なくなったのだから

ただいつもお前はやりすぎなんだよな

家に乗り込み部屋にづけづけ入って来てさ、椅子に座ってた俺におはようと言ってさ

最初は笑顔だったのにいきなり表情が歪み始めて、静かに泣き始めたよな

『ごめん、ごめんなって、俺だけ夢みてごめんな』

そう繰り返してたよな

本当は『お前のせいじゃないよ』『気にしてんじゃねーよ』そんな10文字程の言葉すら出すことが出来ずかっこ悪く泣き出してしまったよな

自分がどうしようもなくカッコ悪くて下向いて泣いてたらお前が背に手を回して抱いてくれたんだよな

いつもなら気持ちわりー言って突き飛ばしてたのにさ、背に回された手が暖かくて声を出して今度は上を向きワンワン泣いたことを今でも憶えてるよ

その後からだよな、お前が毎日家に来てその日あった話や夢の話、みんなの話をよくするようになったのは

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