陽奈「ストライカーナビ2ndトライアル!」[スクストSS] (81)

前作
陽奈「ストライカーナビ?」[スクストSS]
http://ssmatomesokuho.com/thread/read?id=347732
の続編

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1507127347

[現実世界・街中]


陽奈「…そういえばさー、なに食べるか決めてなかったよね」


陽奈「さっちゃんは何食べたい?」


幸子「わ、私は陽奈さんと一緒なら…その…どこでも…」


陽奈「うーん、じゃあどうしよっかなー…」


幸子「そそ、そうですね…」


幸子「あっ、あのっ…!こういう時こそ…ストライカーナビを使ってみてはいかがでしょうか…?」


陽奈「なるほど…例えば誰のナビが良いとかある?」


幸子「そうですね…ランチでしたら山吹楓さんのナビ…楓ナビなら良いかと…」


陽奈「じゃあそれでいってみよー!」タップ


楓〈はい、よろしくお願いしますね


陽奈「ええっと…この辺りで美味しいランチを出すお店は…と」タップ

楓〈ランチだったら…そうね


楓〈この辺りだと…オススメはこんな感じね ポーン


陽奈「おっ!地図上にお店のマークが出てきた!」


陽奈「ってか陽奈でも知ってるような有名店(非チェーン店)ばっかりだね」


楓〈どのお店もお取り寄せでも美味しいから味は保証するわ


陽奈「あー、そういえば楓さんってスイーツとか料理とか色々と取り寄せてくれてるんだっけ」


幸子「…は、はい!楓ナビはお取り寄せのサイトで人気・高評価な物の実店舗を紹介してくれるナビでして…」


陽奈「確かにお取り寄せで美味しいならお店で食べたらもっと美味しいだろうね!」


幸子「また、お店の味をお取り寄せとして楽しむのにも役にたつかと…」

陽奈「確かにお取り寄せで食べ物を買う時ってどんな味か分からないから買うのに勇気がいるけど…」


陽奈「これなら、このお店で食べた料理が美味しいから家でも食べたい!って出来るよね!」


幸子「そ、そうですね…!」


陽奈「さて、どのお店にしよっかなー」タップ


陽奈「…って、ちょっと高いお店ばっかりだね」


陽奈「えーっと、料金別設定とかは…これだね!」


幸子「あっ…そういえば…」


楓〈一人当たりの予算を設定してちょうだい


陽奈「今回は…ななひゃ…いや!奮発して900円で!」タップ


楓〈ごめんなさい、一人当たり三桁の予算で食べられるようなお店は存じ上げないわ


陽奈「!?」


幸子「す、すみません…」

幸子「お取り寄せをしているようなお店で食事すると、どうしても高額になってしまうのを忘れてました…」


陽奈「さっちゃんは悪くないよ!?謝らないで!?」


陽奈「どっちかっていうとビンボーなのにその辺考えなかったお姉が悪いから!」


幸子「あぅぅ…」


陽奈「でも、よく考えてみたらカーナビなんだしターゲットは大人なんだからその方がウケが良いよね」


陽奈「お姉は良く考えてるのか考えてないのかイマイチわかんないなぁ」


幸子「それは私も思います…」


陽奈「じゃ、じゃあ気を取り直してと…」


陽奈「そうだなぁ…雪枝ちゃんならそこまで高額なお店に案内しないんじゃないかな!」


陽奈「頼むぞ雪枝ちゃん!」タップ

雪枝〈はっ、はいぃ!


陽奈「ナビでもテンパってるんだね」


雪枝〈こっ、今回はどこへ行きますか?


陽奈「この辺りでランチ…と!」タップ


雪枝〈ランチ…でしたら…こんなお店はいかがでしょうか? ポーン


陽奈「おっ、今回も色々出てきたね!」


陽奈「えーっとアイコンからして和食にイタリアンに中華…ん?」


陽奈「ねぇさっちゃん、このやたら多い炎のマークって何のお店?焼肉?」


幸子「事故物件ですね」


陽奈「へー、事故ぶっけ…」


陽奈「えっ」

幸子「事故物件です」


陽奈「事故物件って…あの?」


幸子「ええっと…事故や事件が起きて誰かしら亡くなった…という意味でしたらそうですね」


陽奈「なんでランチ検索したら事故物件紹介してくんの!?」


幸子「あっ、いえ!ランチだからという訳ではなく…どこを検索してもこのマークは表示されるので…」


陽奈「それ必要!?」


幸子「雪枝さんのナビを使用する人はオカルト好きが多い(降神あから調べ)との事ですので…」


幸子「まぁ、名所みたいな感覚かと…」


陽奈「だからって“おっ!このお店の近くに事故物件あるじゃん!ついでに寄ってこ!”とはならないと思うよ!?」


幸子「ですよね…」

陽奈「まぁ、お店は普通にリーズナブルなのを紹介してくれてるけどさ…」


陽奈「てかさ、この事故物件ってどうやって調べたの?」


幸子「ネット上にそういう地図があるので…それを流用してるだけですね」


陽奈「怖っ…」


陽奈「そういう地図作る人もその地図を無断で使おうとしてるお姉も怖っ…」


雪枝〈どのお店に向かいますか?


陽奈「あぁ、ゴメンすっかり忘れてた」


陽奈「えーっと…そうだなー」


陽奈「どうせなら普段食べれないもの…イタリアンかな!」


幸子「陽奈さんは普段イタリアン食べれないんですか?」


陽奈「お姉は基本的に和食と中華とハンバーグとカレーしか作れないからね
ー」


幸子「あぁ…そういう」

陽奈「もう降神家の食卓はだいたい茶色だかんね」


雪枝〈イタリアンでしたら…このお店なんかどうでしょうか…?


陽奈「へー、なかなかオシャレでいいじゃん!うん!そこに決定ー!」タップ


雪枝〈でっ、では案内を開始します!


雪枝〈しばらく直進して事故物件のホテル前を左折です!


陽奈「左折したくないなぁ!」


陽奈「ホテルで事故物件って絶対ヤバいやつだもん!」


陽奈「事故物件自体ヤバいやつだけどさ!」


幸子「現在地も事故物件に囲まれてますけどね…」


陽奈「マジだ!怖っ!」


陽奈「てか多くない!?」


幸子「かなり昔の事件・事故もネタ的に表示されてるので…」


陽奈「マジだ!ここに赤穂事件とかあるじゃん!」

幸子「いわゆる忠臣蔵ですね」


陽奈「もう、この地図を作った人の目的がわかんないね」


~15分後~


[イタリアンレストラン前]


雪枝〈目的地へ到着しましたぁ!


陽奈「ところどころ事故物件が案内の目印になってるだけで普通にナビしてくれたね」


陽奈「じゃあ食べてこっか!」


幸子「そうですね…!」


~割愛~


陽奈「いやー!美味しかったー!」


幸子「はい!美味しかったです!」


幸子「それで…これからどうしましょうか?」


陽奈「まだ時間も早いし…ストライカーナビの使用も兼ねて色々と見て行こっかな!」


幸子「そうですね…!」


陽奈「まずはひな、スイーツ食べに行きたいなー」

陽奈「そういえばこの辺に話題のパンケーキ屋さんがあったっけ」


陽奈「ただどこにあるか…までは覚えてないからストライカーナビの出番だね!」


陽奈「ここは依咲里ちゃんで!」タップ


依咲里〈はぁ?なぜ私が二穂様以外の者の案内をしないといけないのですか?


依咲里〈案内を終了します


陽奈「待てーい!」


陽奈「もうナビすらしてくれないんだ!?」


幸子「依咲里さんのナビはマゾなサド向けのナビですので…」


陽奈「マゾなサド向けってなに!?」


幸子「とりあえず何回か案内を頼んでいけばフラグが立ちますので、そうしていただけると分かるかと…」


陽奈「カーナビでフラグ立てるってなに!?」


陽奈「ギャルゲー!?ギャルゲーなの!?」

幸子「ま、まぁとりあえずフラグを…」


陽奈「いや、やるけどさぁ…」タップ


依咲里〈はぁ?なぜ私が二穂様以外の(ry


陽奈「…」タップ


依咲里〈はぁ?なぜ私が二穂(ry


陽奈「…」タップ


依咲里〈はぁ?なぜ私が(ry


陽奈「心が辛い」タップ


依咲里〈くっ…!しつこいですね!


陽奈「おっ!来た!」タップ


依咲里〈はぁ…これ以上は時間の無駄ですね


陽奈「これは進展してるのかな?」タップ


依咲里〈誠に不本意ではありますが、案内をするほか無いようですので、さっさと目的地を設定してください


陽奈「ようやくだね!」


陽奈「ここまで来るのにひなのハートはズタズタだけどね!」


陽奈「さて、この近くのパンケーキ屋さんをと…」タップ

依咲里〈目的地はこのお店でよろしいでしょうか?


陽奈「そう!これこれ!ここね!」


依咲里〈ではルートを表示しますので後はご自身でどうぞ


陽奈「ナビの存在意義は!?」


陽奈「もうこれただの地図じゃん!」


幸子「あっ、ルートをよーく見てください」


陽奈「ええ?」


陽奈「うわっ…何か曲がらなくてもいい角曲がってたり凄い遠回りばっかりしてるし」


幸子「依咲里ナビは最短ルートに遠回りする迂回路を付け足すんです」


陽奈「それ嫌がらせ以外の何物でもないよね!?」


幸子「一見そう見えますが…実はルートを無視して目的地に向かう事で依咲里ナビの真価が現れるんです!」


陽奈「あー、椿芽ちゃんパターンね」

陽奈「てか本当に無駄に迂回路多いね」


幸子「真っ直ぐ行けば良い所をわざわざ左折→右折→右折したりしてますからね…」


陽奈「まぁ、目的地までの方角は分かるからナビされなくても行けるっちゃ行けるけどさ」


陽奈「じゃあルートは無視して目的地まで行ってみよー!」


………………


…………





陽奈「ここが最初の迂回路だね」


幸子「この迂回路だけで普通に行くより500mくらい距離が足されてますね」


陽奈「逆に考えると、普段通らないような道ばっかりだからルート通りに行くのも新しい発見があっていいかもね」


幸子「街ぶらには最適かもしれないですね」


陽奈「えーっとルートだと左折だから真っ直ぐと…」

依咲里〈わざわざルートを設定してさしあげましたのに、ルート通りに行くことすら出来ないのですか?


陽奈「胃がキリキリする」


依咲里〈…新しいルートを設定しましたのでこれ以上はルートから外れないように


陽奈「うわっ、もう何か迂回路っていうか迷路みたいになってるし」


幸子「あえてルートを無視しやすいようにですね」


陽奈「歪んでるなぁ…」


陽奈「早速ルート無視と」


依咲里〈一度ならず二度もルートから外れるとはあなたの脳みそはダチョウ以下ですか?


陽奈「ごふっ…!」グハッ! 


幸子「陽奈さん!」


陽奈「キツいわー…いわれのない罵倒マジキツいわー…」


幸子「あ、あと一歩ですから!」


陽奈「うん」

陽奈「じゃあ三度目のルート無視…と」


依咲里〈なっ…!二度ならず三度もルートを無視するとは嫌がらせのつもりですか!?そうなのですね!?


依咲里〈ハアハア…!ここまで罵られてなお私の事を無視するなんて!


陽奈「…ん?」


依咲里〈はぁぁん!もっと私の心を踏みにじってくださいましぃぃ!


陽奈「えぇ…」


幸子「こうしてルートを無視…もしくは間違い続ける事で従順になり、更に入り組んだルートを表示してきます」


陽奈「ごめん、素直な感想言っていい?」


陽奈「気持ち悪いよ!」


陽奈「何でひな、街中の往来で調教プレイさせられてるの!?」


陽奈「あと何でルートがさっきよりぐっちゃぐちゃになってるの!?」

幸子「あからさん曰わく“依咲里さんのドMな部分を表現した”との事でして…」


陽奈「待って!?そもそもの話、依咲里ちゃんってドMなの!?」


陽奈「普段あんなに態度キツいのに!?」


幸子「らしいですね…」


陽奈「うっわー…今後どう接したらいいのか悩むー…」


陽奈「てか現状、どの道選んでもルート無視扱いされそうでどうしよう」


陽奈「あと、ぶっちゃけ周りの目が痛い」


幸子「白昼堂々に喘ぎ声みたいの出てますからね」


陽奈「もう収集つかないから別のナビに変えていい?」


幸子「まぁ、ルート無視し続けても悦ぶだけですからね」


陽奈「うわぁ」


陽奈「…いちおう聞くけどさ、華賀利ちゃんのナビって…」

幸子「ルートから外れさえしなければ、とても楽しいナビですよ!」


陽奈「その言い方が楽しそうに聞こえないよ!」


陽奈「ルートから外れるとどうなっちゃうの!?」


幸子「ルートから外れる毎に破竹の勢いで罵倒されます」


陽奈「普段あんなにのほほんしてる華賀利ちゃんが!?」


幸子「本当の顔は結構なサドらしいです…」


幸子「…のでルートから外れないようにビクビクするも良し、あえて外れて罵倒されるも良しのマゾ仕様ナビ…がコンセプトだそうです」


陽奈「コンセプトが気持ち悪いよ!」


幸子「ちなみに罵倒されるだけでルートに意地悪とかはしてこないです」


陽奈「だったら安心して使えるね!とはならないからね!?」

陽奈「というか、お姉はサドとかマゾな人に対する偏見がありすぎる」


陽奈「…いや、詳しくても気持ち悪いけどさ!」


幸子「それで華賀利さんナビ…使ってみますか?」


陽奈「うーん…さすがにそこまで緊張感持ってナビされたくないし…」


幸子「でしたら…誰のナビで行きましょうか?」


陽奈「そうだなー…シリウス繋がりで二穂ちゃんにナビしてもらおうかな!」タップ


二穂〈何だ?


陽奈「えーっと、○○ってパンケーキ屋さんまで案内を…と」


二穂〈ふむ…パンケーキか、悪くないな


二穂〈よし、案内してやろう


陽奈「カーナビにあるまじき態度のデカさだね」


幸子「案内というより“私についてこい!”って感じですね」

陽奈「まあ、このくらいの方が二穂ちゃんらしいかなー」


陽奈「ほら、帝王学?っていうの学んでるっていうしさ」


陽奈「将来、人の上に立つ人としては堂々としてた方が良い的な?」


二穂〈そこ、右な


陽奈「前言撤回ー!」


陽奈「これはただの無礼だよ!」


陽奈「二穂ちゃんちょっと男口調なだけで、ここまで無礼じゃないよ!」


幸子「いやぁ…もうちょっとマイルドな方が良いんじゃないでしょうか?って提案はしたんですけどね…」


陽奈「またお姉の仕業か!」


幸子「このくらい生意気じゃないと他のナビと差別化出来ないって…」


陽奈「だからって尖らせすぎだよ!」

幸子「ちなみに二穂ナビはサトカナビに似て、付近のパン屋さん…特に焼きそばパンが美味しいお店を紹介してくれます」


陽奈「あー、そういえば焼きそばパンが好きなんだってね」


陽奈「“お嬢様だから意外”ってよく言われるとか」


幸子「むしろお嬢様だからこそ、そういうのが好きって可愛いですよね…」


陽奈「わかる」コクン


二穂〈…おっ、近くにパン屋があるな


陽奈「噂をすればなんとやらだね」


二穂〈あのパン屋は焼きそばパンが美味しくてだな!


陽奈「可愛い」


二穂〈おい、焼きそばパン買ってこい


陽奈「全然可愛くなかった!」


陽奈「パシりじゃん!」


二穂〈ダッシュな


陽奈「パシりじゃん!!!」

陽奈「これじゃあ態度デカいとか無礼とかじゃなくて、ただのいじめっ子だよ!」


二穂〈もうよい、飽きた


二穂〈案内を終了する


陽奈「自分勝手過ぎる!」


陽奈「歩きだから良いけどさぁ!車とかだったらヤバいよ!?」


幸子「やっぱりもう少しマイルドにしないとですね…」


陽奈「帰ったらお姉にはキツく言っておくよ」


陽奈「キャラの設定がピーキー過ぎるって」


陽奈「てかパンケーキ屋まで全然距離が進んでないよ…」


幸子「もう普通に行きましょうか」


陽奈「それは負けた感じがするから誰かしらのナビで行きたいかなぁ」


幸子「陽奈さんは誰と戦ってるんですか?」


陽奈「お姉」


幸子「あぁ…」

陽奈「あと残ってるのでマトモそうなのは…あおいさんかな!」


陽奈「生徒会長ー!」タップ


カーナビ[このナビは対応していません]


陽奈「ありっ?」


幸子「あっ、あおいさんのナビは自動車とバイクの専用ナビなんです…」


陽奈「ほほぅ」


陽奈「じゃあ後回し…っていうのもモヤモヤするしデモモードで試してみよっかな!」タップ


あおい〈よし、今日も安全に行こう


陽奈「いつも言ってる事と一文字しか違わないっていうね」


幸子「これを言わせたいがため感ありますよね」


あおい〈この辺りでは事故が多いようだから気をつけるように


陽奈「あー、こういう系ね」

あおい〈おっと、ここから先は車線変更禁止だ、気をつけるように


あおい〈それから、くれぐれも制限速度を超えないようにな


幸子「あおいナビはこうして安全運転を促してくれるナビなんです」


陽奈「運転に慣れた人からするとちょっとお節介に感じるかもだけど、初心者ドライバー的にはありがたいね!」


幸子「また、実際に走行中に使った際には端末のGPSから速度を計測してくれるので、もし制限速度を超えそうになると…」


あおい〈速度の出し過ぎだ!交通ルールを守れバカ者が!


幸子「こうして注意してくれます!」


陽奈「ちょっと口悪いけどありがたいね!」

あおい〈明日から運転しなくていいぞ!


陽奈「ダメだ!厳しすぎる!」


陽奈「初心者ドライバーだと心折れちゃうよ!」


幸子「これもマイルドにしないとですね…」


陽奈「全体的に濃すぎるんだよ!」


陽奈「原液のカルピスってくらい濃いんだからさ!」


陽奈「もっとあっさり…っていうか普通にナビしてくれるのはないの?」


幸子「栞さんのナビなら…」


陽奈「じゃあ栞さんにナビってもらおうかな!」

陽奈「副会長ー!」タップ


栞〈よろしくね


栞〈どこへ行くのかしら?


陽奈「行き先はこのパンケーキ屋さん…と」


栞〈ええ、わかったわ


栞〈案内するわね


栞〈50メートル先を左折よ


陽奈「すっごい普通にナビしてくれてる」


幸子「ナビ自体は普通にナビしてくれますからね」


陽奈「“ナビ自体は”?」


栞〈ここを左折よ


陽奈「ここを左…と」スタスタ


栞〈しばらく道なりね


陽奈「あいあい」スタスタ

栞〈この辺りは歩道が狭いから前後左右に十分に注意してね


陽奈「優しい」


幸子「栞ナビはこうして不測の事態に備えて想定されうる危険をあらかじめ教えてくれるんです」


陽奈「あー、車両専門のあおいナビでは補えない危険をこっちで賄うってわけだね」


陽奈「確かに徒歩のナビで道路の危険性を教えてくれるナビってないし助かるかな!」


栞〈ここから先は長い上り坂ね


陽奈「おっ!息切れしないように…とかかな?」


栞〈坂の上からオレンジとかリンゴとかが転がってくるかもしれないから注意してね


陽奈「それテレビでよく見る人間性が出るドッキリのやつ!」


陽奈「不測の事態にもほどがあるよ!」

栞〈場合によっては丸い岩とかが転がってくるから注意よ


陽奈「どこのインディジョーンズだ!」


幸子「いやぁ…最初はもっと普通な危機的状況を設定してたんですけど、途中から考えるのが面白くなってしまって…」


陽奈「いやまあ面白いけどさ!」


栞〈そろそろ次の交差点を右折よ


栞〈横断歩道の白線以外を踏むと死ぬかもしれないから気をつけて


陽奈「ひな達は小学生か!」


幸子「RPGをやった後だと白線以外はマグマとか毒沼とかって思っちゃいますよね」


陽奈「わかるけど!」


栞〈気をつけて!すぐ近くでダルヴァザが開いているわ!


陽奈「どうした!?」


栞〈くれぐれもウァレフォルの誘惑に負けちゃダメよ!

陽奈「誰ってか何!?」


栞〈リア・デル・カドゥケス!


陽奈「急に何!?」


栞〈…ふぅ!危ないところだったわね


栞〈案内を再開するわ


陽奈「何があったの!?」

          イカズチ
幸子「最強の杖による雷の力で悪魔を追い払ったようですね」


陽奈「えぇ…」


~割愛~


栞〈目的地に到着よ


栞〈案内を終了するわ


陽奈「結局ナビ自体は普通だったね」


陽奈「てかめっちゃ面白かった」


陽奈「三割くらい何言ってんだかわかんなかったけど」


幸子「楽しんでいただけたなら何よりです」

~割愛~


陽奈「美味しかったー!」


幸子「はいっ…!」


陽奈「さーて、これからどうしよう」


幸子「ナビの残りはアマンドの5人とミラの3人…それとアザーズの3人ですから、もう少しぶらぶらしていきましょうか」


陽奈「ウィンドウショッピングだね!」


陽奈「えーっとミラから順に行くと…次は夕依ちゃんかな!」


幸子「あっ!夕依さんのナビは帰宅用なので最後に…」


陽奈「へぇー、じゃあチカちゃんで行ってみよー!」タップ


チカ〈合点承知の助だよっ!


陽奈「可愛い」


幸子「可愛いですよねぇ」


チカ〈どこに行こっか?


陽奈「うーん、明確な目的地はないから…とりあえず適当に街中に設定…と」

チカ〈わかったよ!


チカ〈目的地まではしばらく道なりだね!


チカ〈案内することもないから落語を一題披露するよ!


陽奈「おおっ!なるほど!」


幸子「チカナビはこうして案内の合間に落語を披露してくれます」


幸子「地方の高速道路や外環道、後は電車など単調で暇な時など役にたつかと…!」


陽奈「落語ってなかなか聞くのに一歩踏み出しづらいし、こうしてチカちゃんの可愛い声で聞けるのはいいね!」


幸子「それに最近は若い人にも落語が流行っているそうなので売れるんじゃないか、とあからさんが」


陽奈「金の亡者か!」


幸子「あと、個人的には演目のデータを入力するだけだったので楽に作れて助かりました!」

陽奈「それってチカナビ以外は作るの大変だったって事だよね!?」


陽奈「お姉が迷惑かけてゴメンね!」


幸子「いい、いえ!私も楽しかったですし…」


チカ〈えー、では“猫の皿”!


陽奈「ほほぅ」


チカ〈えー、昔から骨董品の価値は素人にはわかりづらいものです


チカ〈これは江戸時代にそんな骨董品の売買を生業としていたある古美術商の男の話


チカ〈男はある地方に掘り出し物を探しに出かけたんだが、どうにもいいものが見つからず、茶屋で休憩していた


チカ〈ああ、このまま手ぶらで帰るわけにはいかねぇ、どこかにお宝は無いものか…


チカ〈そんな男の目に茶屋近くの家の前で猫が食事をしているのが見えた

チカ〈猫か…疲れた時には猫を見るに限るってもんだ…ってやや!?


チカ〈あの猫の食事が置かれている皿はもしや…!


チカ〈間違いない!あれは柿右衛門の皿だ!百両はする逸品だ!


チカ〈しかもそんな高級品を猫の食事用に使ってるとくれば猫の飼い主は皿の価値を知らないに決まってる!


チカ〈こうして男は猫の飼い主を騙して皿を安く買い叩く事にしたわけで


陽奈「悪いやつだなぁ」


チカ〈しかし…いきなり猫の皿を売ってくれといったら価値がある事が飼い主にバレちまうかもしれねぇ…


幸子「まぁ怪しいですよね」


チカ〈…よし!そうだ!こうしよう!


チカ〈名案を思いついた男は猫の飼い主に話をつける事に

チカ〈ガラガラ…おほん、何か用ですかな?


チカ〈ああ実はダンナの家にいるあの猫が大層気にいったんで二両で譲って欲しいんだが…


陽奈「まさかのアプローチ!」


チカ〈ええ、かまいませんよ


陽奈「いいの!?」


幸子「実は飼い猫じゃなくて餌付けしてただけなんですよ」


陽奈「なるほど」


チカ〈ありがてぇ!じゃあ二両だ!


チカ〈はい、確かに受け取りました


チカ〈そうだ!食事は慣れた皿であげたいからその皿も貰っていってもいいかい?


チカ〈それはダメです


チカ〈猫の餌用の安物だろ?ケチケチしなさんな


チカ〈いえ、これは高価な柿右衛門の皿ですので渡す事は出来ないのですよ


陽奈「知ってたんだ!」


チカ〈ダンナあんたそれを知っていながらなんで猫の皿なんかに…

チカ〈呆気にとられた男がこういうと飼い主はニヤリと笑ってこう答えました


チカ〈こうしていると


チカ〈目的地に到着したよっ!


チカ〈案内を終了するねっ!


陽奈「待てーい!!!」


陽奈「オチは!?」


幸子「予測よりちょっと早く目的地に到着してしまったみたいで…」


幸子「本来は目的地までの到着時間から逆算して最も近い時間の噺をするようになっているんですが…」


幸子「今回は10秒ほど到着が早かったようで…」


陽奈「時間にシビアすぎるよ!」


陽奈「目的地に到着してもオチが気になって目的どころじゃなくなっちゃうよ!」


幸子「もうちょっと時間にゆとりが必要ですね」


陽奈「ゆとり大事!」

陽奈「結局今の噺のオチってなんだったの?」


幸子「飼い主が最後にこう言って終わるんですよ」


幸子「こうしているとたまに猫が二両で売れるもので」


陽奈「ははぁ!なるほど!」


幸子「騙そうとした男よりも飼い主の方が一枚上手で逆に騙されてただの猫に二両払うハメになった…という噺ですね」


陽奈「人を騙そうとすると痛い目みるよって噺だね!」

陽奈「それはそうとまたどっかブラブラしないとだよねー」


陽奈「とはいえもう特に見るところもないしなぁ」


陽奈「来た道を戻るのも癪だし…」


幸子「目的地が無いのならほたるさんのナビを起動してみませんか?」


陽奈「案内じゃなくて起動だけ?」


幸子「むしろほたるナビはルート案内が出来ない仕様なので」


陽奈「それはナビと呼んでいい代物なのかな?」


幸子「ルート案内は出来ませんがナビは出来るので…」


陽奈「なにそれこわい」


幸子「とりあえず起動だけでもしてみましょう」


陽奈「いや、するけどさ…」タップ

ほたる〈こんにちは!賢宮ほたるです!


陽奈「名乗ったよ」


ほたる〈えへへ!よろしくお願いしまぁす!


陽奈「あざといなぁ」


ほたる〈ああっ!ここは渋谷区じゃないですか!


ほたる〈渋谷区といえばやはりスクランブル交差点ですね!


ほたる〈東京を舞台にした作品では必ずと言っても良いほど登場する聖地中の聖地です!


ほたる〈東京が舞台の漫画といえば東京ESPに東京カラスに東京レイヴンズ…あっ!東京喰種も外せませんね!


ほたる〈あとはアニメだと新海誠監督作品とも縁が深い場所ですね!


幸子「ほたるナビはこうして現在地周辺が舞台となっている漫画・アニメ・ゲーム作品を紹介してくれます」

陽奈「あー、いわゆるセーチジュンレーってヤツだね!」


幸子「意外な場所が作品の舞台となってたりするので聖地巡礼目的の旅行は勿論、生活圏内で聖地を探すのも楽しいかと思いまして…」


陽奈「映画とかドラマのロケ場所とか行くとテンション上がるようなもんだね!」


幸子「はい!」


ほたる〈ああもう!紹介したい作品がいっぱいで時間が足りません!


ほたる〈とりあえずここで色々見れるので、是非見てみてください! パッ


陽奈「おっ、なんか画面に出てきたね」


陽奈「これは…電子書籍と映像配信のサイトへのリンク広告かな?」


幸子「ええ、該当する作品が配信されているとここから試し読みやPVを見たりが出来ます」

陽奈「ふーん、なかなかいいんじゃない?」


陽奈「ほら、電子書籍とか映像配信を見る為にタブレット端末を買う…とかよりナビの1機能として使えるとかだったらお得な気もするしさ」


幸子「ナビとして使う分、出かけ先にはほぼ必ず持って行くでしょうしね」


陽奈「…てか、この表示はどうしたら消えるの?」タップ


陽奈「さっきからリンク以外の部分をタップしても消えないんだけど…」


幸子「ああ、それならリンク先で試し読みをするかPVを30秒見ると消えますよ」


幸子「消しても時間が経つとまた表示されますけど」


陽奈「基本無料のに良くあるやつじゃん!」


幸子「ちなみにリンク先で有料会員になると以降表示されなくなります」

陽奈「だから基本無料のに良くあるやつじゃん!!!」


幸子「あれユーザー側には不評でしょうし、企業側には悪いイメージつくでしょうにで双方デメリットなのに一向に減らないですよね」


陽奈「急に毒づいてどうしたさっちゃん!?」


幸子「基本無料=広告収入で運営が主なのはわかりますけど、ゲーム中とかに広告が出てくるとイラってきますよね」


陽奈「落ち着こ!一端落ち着こ!」


幸子「あっ!すみません…つい本音が…」


陽奈「本音なんだ」


幸子「今のは聞かなかった事にしてください…」


陽奈「そうする」


陽奈「てか、良くそんなサイトと提携出来たね」


幸子「してませんよ?」


陽奈「無許可なの!?」

幸子「発売が正式に決定したらリンク先に説明して広告収入を貰えるようにする…と、あからさんが」


陽奈「事後報告よりはマシだけど危ない橋を渡りすぎだよ!」


陽奈「なんでそんなギリギリ攻めるの!?」


ほたる〈ギリギリ~じゃないとボク駄目なんだよ~♪


ほたる〈おーねがい~寒い目で見つめーないでー♪ パッ


陽奈「うるさいなぁ!」


陽奈「なんで急にB'z!?」 


陽奈「てかコナンの広告出てるし!」


幸子「言い忘れてましたが、音声認識も出来るので、大きな声でセリフや歌詞を言うと反応してくれます」


陽奈「それは面白いっていうか楽しいけども!」


ほたる〈たのし~!るんるん♪ パッ


陽奈「うるさいよ!」

陽奈「なんか今度はアプリゲームのインストール画面に飛ばされてるし!」


幸子「この端末はゲームに対応していないのでインストール出来ませんけどね」


陽奈「もう嫌がらせ以外の何物でもないよ!」


陽奈「バカなの!?」


ほたる〈バカなの? パッ


陽奈「僕だけがいない街とか紹介してくれなくてもいいよ!」


幸子「原作もアニメも良かったですよねぇ」


陽奈「ハア…もう疲れたからナビ切るからね?」タップ


ほたる〈 アリーヴェデルチ!(さよならだ!)


[ナビを終了しました]


陽奈「これはその手の人じゃないと手に負えないね」


陽奈「疲れる」


幸子「ハマる人はハマると思いますけどね」

陽奈「えーっと、後は夕依…ちゃんのは帰宅用としてアマンド、さっちゃん、モルガナ様、先生かぁ」


幸子「もう前もって言いますが…このナビを作った時はアマンドの皆さんのキャラがよくわからなくてですね…」


陽奈「まぁほとんど絡み無かったからね」


幸子「それでもの凄くステレオタイプな出来になってしまって…」


陽奈「わからないなら収録しなきゃいいのにね」


幸子「そう言ったんですけどねぇ」


陽奈「じゃあアマンドからサクッと処理していこう!」


陽奈「まずはフェイちゃん!」タップ


フェイ〈フェイちゃんアルヨー


陽奈「クオリティが酷い!」


フェイ〈タイチョさん案内するヨー


陽奈「誰だよ!」


幸子「今時アニメや漫画やゲームでもこんな中国人キャラ見ないですよねぇ」

陽奈「これ絶対○○無いアルヨーとか言って、有るのか無いのかどっちなんだよ!って突っ込ませるヤツだよ!」


幸子「あるあるですね」


フェイ〈へいへい!まじかるてんぷてーしょん…イェイ!


フェイ〈いやー、フェイちゃん可愛すぎてゴメンアルヨー!


フェイ〈じゃあ案内するアルヨー


フェイ〈どこの激辛料理を食べに行くアルかー?


陽奈「時々普通になるんだね」


幸子「数少ないボキャブラリーからわかるところは抽出したので…」


陽奈「あと激辛料理ねぇ…」


幸子「今…というより近年は激辛ブームが続いていますからね」


幸子「中華を中心に話題の激辛料理店を紹介してくれます」


陽奈「辛いもの好きには喜ばれるだろうね」

陽奈「まぁ、ひな達はもう食事したあとだから案内はいいかな」


陽奈「次…は、アマンドの良心、ターニャちゃんで!」タップ


ターニャ〈ズトラストヴィーチェ


陽奈「すまねぇ、ロシア語はさっぱりなんだ」


幸子「どうしましたか!?」


陽奈「ちょっと言ってみたかっただけ」テヘペロ


幸子「はぁ」


陽奈「まぁ、おふざけはともかくロシア語は本当にさっぱりわかんないからナビされてもねぇ…」


幸子「ロシア語が出るのは挨拶程度なので問題ないかと…」


陽奈「なら良いけど…」


幸子「ちなみに先ほどのロシア語はこんにちはです」


陽奈「へぇ」


ターニャ〈アー…隊長さん、こんにちは


ターニャ〈私の名前、ターニャいいます

陽奈「ターニャちゃんはここまで日本語たどたどしくないよ!」


ターニャ〈パパはロシア人なの


陽奈「どこの道民アイドルだよ!」


ターニャ〈オススメのロシア料理店、紹介します


陽奈「それはちょっと興味ある」


幸子「ロシア料理店はなかなか無いですからね」


幸子「少なすぎてインプットするのが楽で良かったです」


陽奈「下手したら市に一件あるかないかってレベルじゃない?」


陽奈「こういうニッチなところは一定の需要があるだろうし、紹介してる雑誌とかホームページも少ないだろうから普通にアリだと思う」


ターニャ〈ハラショー


陽奈「日本語さえちゃんと話してたらだけど」


幸子「ロシア成分が濃すぎますよね」

陽奈「ロシア成分にターニャちゃん要素が埋もれちゃってるもん」


陽奈「ただコンセプトは良かった」


陽奈「ターニャちゃん事ある毎にシチ美味しい、シチ美味しいって言うからそのシチっていうのを食べたくてしょうがなくてさ」


幸子「異国の料理って気になりますよね」


陽奈「まぁ、ひな達はもう食事したあとだから案内はいいかな(二回目)」


陽奈「次は…モニカかな」


陽奈「フェイとターニャの感じからしてなんとなく予想がつくし」タップ


モニカ〈よろしく~


モニカ〈じゃあどこのハンバーガー食べに行こっか~?


陽奈「やっぱりアメリカ=ハンバーガーだったね」


陽奈「でもこれもコンセプトは良いね」

陽奈「ほら、ハンバーガー屋さんってチェーン店以外はなかなか見かけないしさ」


幸子「一時期は佐世保バーガーとか流行りましたけどねぇ」


陽奈「チェーン店の食べやすいハンバーガーもいいけど、アメリカ!って感じのゴチャゴチャしてるやつとか食べてみたいよね」


モニカ〈オススメのお店はマックかな~


陽奈「なんでよりによってマックかなぁ!」


陽奈「オススメされるまでもないぐらいご存知だよ!」


幸子「まあまあ…アメリカでハンバーガーといえばマックですから…」


モニカ〈あとはモスだね


陽奈「それ日本のやつじゃん!」


陽奈「アメリカですらないよ!」


陽奈「てかチェーン店ならスマホ検索と十分じゃん!」

幸子「そこはほら、声がモニカさんという付加価値がありますから…」


陽奈「そうだけどさぁ…」


陽奈「なんかどうせならもっとちゃんとしたもの作りたくない?」


幸子「陽奈さんも乗り気になってきましたか?」


陽奈「いや、買ってくれる人に申し訳ないって気持ちだけだね」


陽奈「さて、モニカナビは…」


陽奈「まぁ、ひな達はもう食事したあとだから案内はいいかな(三回目)」


陽奈「次いってみよー」


陽奈「次はノエルかロッティか…」


陽奈「フランス…ベルばら的なやつかな?」


陽奈「とりあえずノエルで!」タップ


ノエル〈なんですの?


陽奈「あれっ?ノエルナビは何か専用とかじゃないんだ」

>>52
陽奈「てかチェーン店ならスマホ検索と十分じゃん!」

陽奈「てかチェーン店ならスマホ検索とかで十分じゃん!」
その他の誤字脱字と合わせて失礼しました

幸子「意外とフランス要素少ないですからね」


陽奈「ノエルはフランス要素って要素があんまりないからね」


陽奈「初対面の時とかフランス?イギリス?って感じだったしさ」


陽奈「まぁフランス要素って何だって話しだけど」


幸子「なんでしょうねぇ」


ノエル〈どこへ向かいますの?


陽奈「おっと、忘れてた」


陽奈「うーん、そろそろ歩き疲れてきたしカフェでも寄ってこうかな」


陽奈「って事で、よろー!」タップ


ノエル〈かしこまりました


ノエル〈ナウなヤングにバカうけのチョベリグなサテンに案内いたしますわ!


陽奈「ちょいちょいちょーい!」

陽奈「何て言ったの!?」


幸子「えー…今の言葉で言うと“今時の若者に人気の素敵なカフェ”ですかね」


陽奈「えっ、日本語だったの!?」


幸子「ええ、日本語でも現代では使われていない言葉…いわゆる死語ですね」


幸子「ノエルさんのナビはこうして死語を多様するナビ、デッドランゲージナビです」


陽奈「なんか無駄にかっこいい名前だね!?」


ノエル〈案内をガンバルンバですわ!


陽奈「中身は大変な事になってるけど!」


ノエル〈まもなく左方向ですわ


ノエル〈左折してちょんまげ


陽奈「ヤバい意味わかんない」


幸子「むしろ深い意味は無いですからその反応で正しいかと…」


陽奈「えぇ…」

ノエル〈バッチグーですわ!


陽奈「まぁ、逆に色々聞いてみたい感はあるよね」


陽奈「ワザとルートから外れてみようかな」


ノエル〈あらあら困ったちゃんですこと


ノエル〈おニューのルートを設定するのでちょっちタンマですわ!


陽奈「もうどこまでが死語なんだか」


幸子「生まれた年代が古くても生き残ってる言葉とかは死語かそうでないか判断が難しいですよね」


ノエル〈余裕のよっちゃんですわ!


陽奈「こういうのは死語ってわかるけど」


~割愛~


ノエル〈目的地に到着ですわ!


ノエル〈お先にドロンさせていただきますわ!


[案内を終了しました]


陽奈「なんかね、割と教養になりそうな感じだったよね」

陽奈「この先、使う事は無い教養だろうけど」


幸子「ですね」


~割愛~


陽奈「…ふぅ、一息ついたし、そろそろ帰ろうかな」


陽奈「あとはロッティ、モルガナ様、さっちゃん、先生、夕依ちゃんか…」


陽奈「ロッティは…ドイツか」


陽奈「…ドイツってなんだろう」


陽奈「パッと浮かぶものが無いよね」


幸子「有名なところだとビールとかですからねぇ」


陽奈「あとロッティってなんか要素あったっけ?」


陽奈「まぁ、やってみればわかるか!」タップ


シャルロッテ〈了解デス!


陽奈「とりあえず帰り道の方向へ…と」


シャルロッテ〈ふむ、では状況開始デス!


シャルロッテ〈まずは100m先、3時の方向デス!

陽奈「どっち方向!?」


幸子「今のは右折ですね」


陽奈「3時が右折なの?」


幸子「○時の方向、というのはアナログ時計の文字盤に方角を当てはめたものでして…」


幸子「進行方向を12時と考え、前後左右ではわかり辛い方角をわかり易く伝えるものなんです」


陽奈「へぇ」


幸子「一般的にはあまり使われていない表現ですが、軍隊などでは良く使われていますね」


陽奈「あー、そういえば戦争映画とかで聞いた事があったかな」


陽奈「3時の方向に敵機!みたいな」


幸子「そういうわけでシャルロッテさんのナビは軍人っぽくしてみました」


陽奈「確かにドイツといえば軍隊が強い国ってイメージがあったね」

陽奈「まぁでも、今みたいな表現は場所によっては助かるよね」


陽奈「分岐が多い上にゴチャゴチャしてる交差点とかで“斜め左手前を左折です”とか言われても、どっちだよ!ってなるしさ」


陽奈「その点、意味さえわかれば○時の方向の方がわかり易いと思う」


幸子「ゲーマー的にもわかり易いですね」


陽奈「そうなの?」


幸子「はい!」


シャルロッテ〈ランデブーポイントまではしばらく直進デス


シャルロッテ〈ここはグリーンゾーンとはいえ、気を抜くんじゃねーデス


シャルロッテ〈特に6時の方向には注意するデス!


陽奈「一気にわかり辛い用語がドッサリきたね」

幸子 「今のは簡単に言うと…」


幸子「目的地まではしばらく直進」


幸子「ここは安全地帯だけど気を抜くな」


幸子「特に背後に気をつけろ…ですね」


陽奈「後半2ついる?」


幸子「雰囲気です」


陽奈「なら仕方ないかぁ」


幸子「もう突っ込むの面倒くさくなってますよね?」


陽奈「多少ね」


陽奈「しかしナビの為にそういう系の用語を覚えるところから始めないといけないっていうのはちょっとね…」


陽奈「まぁ一定の需要はあるとは思うけど」


シャルロッテ〈ランデブーポイント到着!状況完了デス!


シャルロッテ〈褒美として二階級特進してやるデス!


陽奈「ナビされただけで殉職と同等の昇進しちゃったよ!」

幸子「何回かナビしてもらうとシャルロッテさんの上官になれます」


陽奈「ナビされる度に二階級特進してたらそりゃね」


幸子「上官になるとシャルロッテさんが語尾にサー!とつけてくれます」


陽奈「特典が微妙!」


幸子「こんな感じですね」タップ


シャルロッテ〈上官殿!案内をさせていただくでありますデスサー!


陽奈「言い回しが回りくどいってか、しつこいよ!」


幸子「ですよね…」


陽奈「よし、えっと次は…先生で行ってみよっかな」


陽奈「これはなんとなく予想出来てるけどね」


陽奈「せんせー!」タップ


ティエラ〈はいはーい


ティエラ〈どちらへ向かわれますか?


陽奈「まぁ例によって帰り道の方向…と」タップ

ティエラ〈はいっ!先生、はりきって案内しちゃいますよっ!


ティエラ〈まずは次の交差点を左折ですねー


陽奈「…ん?それは帰る方向とは逆な気が…」


幸子「えー…先生のナビはですね」


幸子「全ての曲がり角で正しいルートとは逆の方向を案内してしまうドジっ子ナビとなっています」


陽奈「とうとう本当に使えないナビが出てきたね!」


幸子「いえ、全て逆の方向を案内するので、逆にいえば案内の逆を行けば逆に正しいルートに行けるんです!」


陽奈「逆逆言いすぎだよ!」


陽奈「というか面倒くさいよ!」


陽奈「なにその天の邪鬼!」


幸子「いいえ、ドジっ子です」


陽奈「ドジの範疇じゃないよ!」

陽奈「全部間違えるとか、わざとやってるレベルだよ!」


陽奈「むしろわざとじゃなかった場合が怖いよ!」


幸子「その場合、何かしら患ってる可能性大ですからねぇ」


陽奈「さすがにこれは怖くて使えないってか使いたくないからキャンセルします」


幸子「先生の名誉の為にもその方がいいかもしれませんね」


陽奈「…じゃあ代わりに…モルガナ様かなー」


陽奈「ナビとはいえモルガナ様に案内してもらうのも申し訳ない気がするけどね」タップ


モルガナ〈あら、何かご用ですか?


陽奈「えっと、ここらへんまで案内を…と」


モルガナ〈なるほど、試運転というわけですか


陽奈「まぁそうなるね…って、えっ?」


モルガナ〈何か?

陽奈「なんか普通に会話してない?」


モルガナ〈そうですね


陽奈「ほら!」


陽奈「ねぇどういう事!?」


幸子「えーっとですね?モルガナさんのナビを作るにあたって悩んでいましたらモルガナさんが…」


モルガナ〈わざわざナビを作るぐらいでしたら私が直接案内しますよ?と申し出たわけです


陽奈「えっ?何?何これモルガナ様本人と繋がってるの?」


モルガナ〈そういう事ですね


陽奈「凄ぇ!」


陽奈「ヤバい、あまりの衝撃で口調がヤンキーみたいになっちゃった」


陽奈「てか凄くない!?」


陽奈「これだけで元取れるよ!」


幸子「いわばモルガナさんとのホットラインですからねぇ」

陽奈「あっ、でも今はこの一台だけだから良いけど、商品化したらモルガナ様大変じゃない?」


モルガナ〈それでしたら少しチャンネルをズラせば時間や場所を自在に行き来できるので心配いりませんよ


陽奈「なんか良くわかんないけど説得力ある!」


モルガナ〈ところで案内はどうしますか?


陽奈「うーん、あくまでテストだから、わざわざモルガナ様に案内してもらうほどでもないかなー」


モルガナ〈でしたら案内を終了させていただきますね


モルガナ〈では失礼します


陽奈「ありがとうごさいましたー!」


[案内を終了しました]


陽奈「いやぁ…凄いね」


陽奈「もうモルガナ様だけでいいんじゃないかな」


幸子「ですね」

陽奈「商品名も、モルガナビとかにしてさ」


幸子「どことなくモンハンに出てきそうな名前ですね」


陽奈「そう?」


幸子「ええ」


陽奈「まあ、それは置いておいてと…」


陽奈「遂に残りはさっちゃんと夕依ちゃんだよ!」


陽奈「はー、やっと帰れる」


幸子「では夕依さんのは帰宅用ですので…先に私のナビですよね?」


陽奈「そうなるね」


幸子「ちょっと御手洗いに行ってきてもいいでしょうか?」


陽奈「うん、大丈夫だよ」


幸子「では失礼して…」トトトトッ


陽奈「急にトイレって…我慢してたのかな?」


陽奈「言ってくれれば…」


オディール「はーっはっはっはっ!黒鳥の騎士オディール参上っ!」ビシィ!


陽奈「!?」

オディール「おいおい、そんな鳩が“夢見る月のロマンティカ”を喰らったような顔でどうした?」


陽奈「オーバーキル!鳩死んじゃうよ!」


陽奈「てか、ここ街中!街中でオディールはヤバいって!」


陽奈「秋服にHMDSヘッドギアは職質受けるって!」


オディール「そん時はそん時よ」


オディール「逃げる」


陽奈「陽奈は!?」


オディール「まあ、そんな事よりもカーナビの話をしようじゃあないか」


陽奈「確かにさっさと話を終わらせてオディールは終わりにしてもらわないとひなの方が何か終わる気がする」


オディール「ああそうそう、田中さんなら腹痛を痛めたそうでしばらく戻れないそうだ」


陽奈「腹痛を痛めたの!?」

オディール「えー、本日ご紹介しますのはストライカーナビの田中幸子モードでございます」


オディール「基本的には通常のナビと同じように田中さんが案内してくださいます」


陽奈「口調」


オディール「それでは実際に使ってみましょう」タップ


幸子〈よ…よろしくお願いします…


幸子〈案内ですか…?あっ…はい…


幸子〈こっ…この先しばらく直進です…


幸子〈…ひぅぅ…


陽奈「かーわーいーいー!」


幸子〈…失礼しますっ…!


陽奈「あっ、画面から消えちゃった」


オディール「えー、ご存知の通り田中さんはとてもシャイな方です」


オディール「一定時間案内が続くと視線に耐えられなくなり画面外に避難してしまいます」

オディール「えっ?これではナビとして使えないですって?」


陽奈「そんな事言ってないよ?」


オディール「ご安心下さい、こうなった場合…」


オディール〈田中さんは現在クールダウン中だ!ここからは私が案内してくれよう!


オディール「この私!黒鳥の騎士オディーィィィィルッ!が超絶怒涛の案内をしてやんよ!」


オディール〈早速曲がり角だな!


オディール〈いいか絶対に左折するなよ!?絶対だぞ!


オディール〈馬鹿め!今のはフェイントだ!


オディール「マトモに案内すると思ったら大間違いだがな!」


陽奈「ウザい!!!」


オディール「田中さんのとは違ってとにかく私が喋りまくるだけナビだからな!」

オディール「曲がり角でも何でもない場所でも所かまわず案内してくるから騙されないように注意だ!」


陽奈「悪質!」


オディール「そして本当の曲がり角でも同じテンションだからスルーする可能性大だぞ!」


陽奈「喋り過ぎでオオカミ少年みたいになっちゃってるじゃん!」


陽奈「てか、さっちゃんは!?いつ戻ってくるの!?」


オディール「安心したまえ!一定時間経てば戻ってくるぞ!」


陽奈「それなら、まぁ…」


オディール「ちなみにナビ中の割合は田中3:オディール7だ!」


陽奈「オディールの方が多いじゃん!もうオディールがメインじゃん!」


オディール「田中さんだけに田中3割ってな!」


陽奈「くだらない!」

オディール「おーっとバイトの時間だ!これにて失敬!」トトトトッ


フハハハハハ…


陽奈「去りながらめっちゃ笑ってるし」


陽奈「いやぁ、やっぱり中身わかっててもね、ウザいわオディール」


陽奈「クセになるウザさだけど」


幸子「お待たせしましたぁ…」トトトトッ


陽奈「お疲れ」


幸子「はて…?何の事でしょうか?」


陽奈「うん、何でもない」


陽奈「んじゃ、後は夕依ちゃんのナビを使って帰るだけだねー」


幸子「そうですね」


陽奈「早速起動っと」タップ


夕依〈ご自宅への案内は任せてください!


陽奈「そういえば自宅とか設定してないけど大丈夫なの?」

幸子「この端末にはあらかじめエテルノの宿直室を自宅に設定しているので大丈夫ですよ」


陽奈「待って!?エテルノまで対応してるの!?」


幸子「ええ、夕依ナビだけですけどね」


陽奈「夕依ナビ凄いね!」


夕依〈お帰りのルートはこちらになります パッ


夕依〈これより案内を開始します


陽奈「…うん?」


陽奈「なんか途中でルート途切れてるんだけど…」


幸子「それは仕様ですね」


陽奈「いやいや!?これじゃ帰れないじゃん!?」


幸子「ええっとですね…とりあえず案内通り行ってもらえればちゃんと帰れますので…」


陽奈「はぁ」


夕依〈まもなく右折です

…………

………




夕依〈この先を右折、路地へと入ってください


陽奈「帰るどころかどんどん街中のディープな所に…」


陽奈「ええっと…路地ってここかな」


陽奈「ほっそ…」


陽奈「ここを直進って…」


パッ


陽奈「こんな所を通って帰れるわけが…」


あから「やぁ、お帰り!陽奈!」


陽奈「えっ」


あから「田中君もお帰り!」


幸子「先程ぶりですね…」


[エテルノ・宿直室]


陽奈「えっ」


陽奈「…えっ?」


あから「どうかしたかい?」


陽奈「どうかしたかい?じゃないよ!」


陽奈「なんなの!?マジで何が起こったの!?」


あから「はっはっは」


陽奈「笑ってんじゃないよ!」

陽奈「説明して!?」


幸子「説明といわれると難しいんですよねぇ…」


あから「そうなんだよね」


陽奈「作ったのお姉とさっちゃん達でしょ!?」


幸子「それはそうなんですけど…」


あから「とりあえず概要から説明すると、夕依ナビは一度行った事がある場所にならどこからでもワープ出来るナビなんだ」


陽奈「ワープ!?」


幸子「要はルーラですね」


陽奈「ますます混乱してきたんだけど」


あから「実を言うとワープ出来る仕組みは良くわかんないんだよね」


あから「夕依君のキャラを設定したらいつの間にかこうなってたっていうかさ」

幸子「あえて言うなら、夕依さん本人及びそれに準ずる物は、この世界のバグ的なものに干渉出来るじゃないかと…」


陽奈「ごめん意味わかんない!てか怖いよ!」


あから「だから説明といわれると難しいって言っただろ?」


陽奈「何でそんなわけわかんないものをナビに組み込んだの!?」


あから「便利だからさ」


陽奈「そんな理由で実装していい機能じゃないよ!」


陽奈「いい!?こんなの絶対に販売しちゃダメだからね!?」


あから「いやいやいや!?」


幸子「それだけは…!」


陽奈「まさかのひな少数派!?」


陽奈「お姉はともかくさっちゃんも乗り気だったの!?」


幸子「だってせっかく作ったのに…」

陽奈「うっ…そんなAnimation Channel7話の冒頭みたいな可愛い顔したってダメなもんはダメだからね!」


あから「まあまあ、田中君がここまで言うんだから売らせてあげようじゃないか」


陽奈「何どさくさに紛れて責任転嫁してんの!?」


あから「そこをどうにか」


陽奈「どうにもならないよ!」


あから「陽奈の味噌汁には具を多くよそってあげるからさ」


陽奈「はい、じゃあ先生にチクりまーす」


あから「それだけは勘弁してくれ」ドゲザ


陽奈「うむ、わかればよろしい」


幸子「最悪、ここから追い出されちゃいますからね…」


陽奈「ひな的にも痛い両刃の剣だったから上手くいってよかったよ…」


あから「じゃあ新たなビジネスを考えないと…」


陽奈「やめて!!!」


END

ストライカーナビようやく完結です

次回作はベガ短編を予定しています

読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m

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