奈緒「そう言えば、なんて呼べばいい？」

奈緒「呼び方……呼び方か。なんやろ？　奈緒……は、さすがに紛らわしすぎるか」

奈緒「さっき呼んでたけどな」

奈緒「うーん……かみやん、やったっけ？」

奈緒「あー……そう呼んでる人もいるな」

奈緒「じゃあ決まり！　私、かみやんのことかみやんって呼ぶわ！」

奈緒「『かみやんのことかみやん』って噛みそうだな……」

奈緒「……あっ。い、今のは駄洒落ちゃうで？　私でも、そんなしょうもない駄洒落は言わんからな！」

奈緒「いや、そもそも駄洒落って思ってなかったんだが」

奈緒「そう？　あ、それでかみやんは私のことなんて呼ぶ？」

奈緒「んー……奈緒、じゃダメか？」

奈緒「ダメダメ。わかりにくいやろ？」

奈緒「そう言われても、思いつかないんだよなぁ……」

奈緒「思いつかない……それじゃ、私も一緒に考えるわ」

奈緒「お、ありがとう」

奈緒「ととのいました」

奈緒「はやっ！　あとそれ大喜利とかの時の言い方じゃないか？」

奈緒「かみやんが神谷奈緒でかみやん……ということは、私は横山奈緒でよこやん！」

奈緒「よこやん」

奈緒「そう！　ほらほら、呼んでみて？　よこやんって！」

奈緒「……恥ずかしいな」

奈緒「ええやんええやん！　減るもんやないんやし～！」

奈緒「マンガとかでセクハラするオッサンキャラみたいなこと言うなよ」

奈緒「げへへ」

奈緒「それもう完全にオッサンキャラだよ！」

奈緒「ということで、神谷奈緒・横山奈緒のラジオ、なおなおラジオ！　始まるでー！」

奈緒「唐突！」

～♪～

奈緒「さて、なおなおラジオもめでたく54回を迎えたわけやけども」

奈緒「迎えてない！　今回が第1回だし、2回あるかどうかも決まってないし！」

奈緒「かみやんは噂通り打てば響くって感じやな～。それでは最初のコーナーいってみよか」

奈緒「ん。それでは、最初のコーナー、普通のお便り、略してふつおたのコーナーです」

奈緒「はいはい。番組が放送されるということで、色んなお便りもらってますー。リスナーの皆さん、ありがとさん♪」

奈緒「それでは最初のお便り、『かれん』さんから……加蓮？」

奈緒「可憐？」

奈緒「ん？　ああ、『かれん』って……篠宮さん？」

奈緒「そう言えばそっちにもおったなー。北条さん？　それじゃ、このメールはいったいどっちから……」

奈緒「どっちかなら加蓮だろうけど、どっちかって決まっているわけではないからな」

奈緒「それもそうか。まあ、とりあえず読んでみて」

奈緒「ん。えー……『奈緒ちゃん、奈緒ちゃん、おはようございます』」

奈緒「紛らわしいわ！」

奈緒「『奈緒と奈緒でなおラジという企画が通るなら加蓮と可憐でかれラジも通るのではないでしょうか』……これ加蓮じゃないか？」

奈緒「北条さん？」

奈緒「たぶん」

奈緒「でもまだわからへんやん。とりあえず最後まで読んでからやって」

奈緒「それはそうだが……『ですから、篠宮さん側にもお話を通しておいてくれると嬉しいです。加蓮より』――加蓮じゃん！」

奈緒「わかりました。こちら側からも話を通しておきます」

奈緒「わかっちゃった！　そっちのプロデューサーさんに話とか聞かなくてもいいの？」

奈緒「大丈夫大丈夫。話だけなら大丈夫やろ」

奈緒「まあ、そうか……」

奈緒「それに、こうやって話を出すことによって二人のファンもリスナーに引き込める……完璧な作戦や！」

奈緒「それ言ったら意味なくない！？」

奈緒「でも、結構私らの事務所って名前被ってる子多いよなー」

奈緒「あー……まあ、そうだな。結構いるかも」

奈緒「その全員がラジオー、っていうのはさすがになぁ」

奈緒「ファンのみんなの希望があれば、ってことで」

奈緒「そんなこと勝手に言っていいん？　でも、そういう声が多かったら偉いさんたちも考慮してくれるんちゃうかな。リスナーの皆さん、みたいコンビがあればバシバシ声をお届け下さい」

奈緒「バシバシて」

奈緒「ヘン？　それじゃ、次のお便り。ラジオネーム、『ナオ』さんから」

奈緒「紛らわしい！」

奈緒「『奈緒ちゃん、奈緒ちゃん、こんにちは。ナオと申します。この度はラジオ放送、おめでとうございます』」

奈緒「ありがとうございます」

奈緒「『お二人は名前が同じという共通点を持っていますが、それ以外にも何か共通点があったりするのでしょうか？　お教え下さい』だそうです」

奈緒「共通点……あるか？」

奈緒「どうやろ？」

奈緒「んー……年齢、とか？」

奈緒「あ、そういやかみやんも17やったっけ」

奈緒「そうだな。それ以外は……あるか？」

奈緒「うーん……あんまり思いつかへんなー」

奈緒「だよな。あたしたちって、べつに共通点は……え？　アイドル？」

奈緒「それはそうやけど……なぁ？」

奈緒「うん。今言ってるのはそれとはちょっと違うような気がする」

奈緒「というわけで、私たちの共通点は名前と年齢。それ以外は凸凹……凸凹？　な二人のラジオ、これからもお楽しみに！」

奈緒「今回限りかもしれないけどな」

奈緒「しーっ」

～♪～

奈緒「ということで、早いけどお別れのお時間です」

奈緒「あんまり喋ってない感じするな」

奈緒「まあ、お試し番組みたいなもんやからなー。この番組が続くかどうかはリスナーの皆さんの声にかかってます！」

奈緒「楽しかったから続いてくれてもいいけどな」

奈緒「うんうん。ラジオは続かなくても、かみやんとはこれからも一緒に仕事したり遊んだりしたいわ」

奈緒「あたしも。あとで連絡先交換するか」

奈緒「そんでこのあとはごはん食べに行こな！」

奈緒「だな。それじゃ、この番組は神谷奈緒と」

奈緒「横山奈緒でお送りしました。……せーの」

「「ばいばーい」」


終

終わりです。今回限りです。ありがとうございました。