【安価】女冒険者メイカー【R-18】 (460)

 ガタガタガタガタ___
 軋む車輪の音を聞きながら、少女は沈鬱な気分で荷台に縮こまっていた。
 彼女を載せた馬車は、夜の街道をのんびり進んでいた。目指すは北東、この国で一番の港町。鞭を弄る御者の男が鼻歌を歌うのは、『仕事』の後の酒のことでも考えているからであろう。無論、少女にそのような楽しみは無い。彼女は今まさに、『出荷』されているところだからだ。

 彼女は、内陸にある小さな貴族の生まれであった。幼い頃から自然に親しみ、農民の子らと遊び、時には綺麗な服を着てダンスを踊った。上に兄がいたため家のしがらみも少なく、いずれは似たような境遇の男と結婚するのかと、漠然と考えながらも満ち足りた日々を過ごしていた。

 ことの始まりは、父の不倫が発覚したことだった。彼は、大して多くもない財産に多額の借金までして、ある粉挽きの娘に貢いでいた。おまけにそれが明るみに出た後で、目減りした財産の補填のために税を上げようとしたものだから、領民は怒り狂った。
 昼夜に及ぶ運動の末、結局父は家督を息子に譲って隠居。無論税はそのままで、借金のカタに娘を娼館に売ることになった。

 その『娘』が、彼女である。

「…」

 そっと、両手を目の前に掲げた。幌の隙間から差し込む月明かりに、木でできた手枷が照らし出される。脚の方にも枷があって、そちらは重たい鉄球に鎖で繋がっていた。



↓1 筋力判定

↓2 技術判定

筋力…3 貴族の娘らしい、か弱い腕
技術…3 衣服の脱ぎ着は従者任せ



「っ、くぅっ…」

 ぐいぐい引っ張ってみるが、枷はびくともしない。当然である。貴族の娘とした生まれ育った彼女に、頑丈な枷を破壊する程の力があるはずがない。目立つ位置に鍵穴が見えるが、それを外す術も彼女は知らない。鍵穴は鍵で開けるものに決まっていた。

「うっ、はぁ…」

 諦めて、がっくりうなだれる。
 外からは、相変わらず車輪の音が聞こえてくる。彼女は、自然に耳を澄ましていた…



↓1 知覚判定

↓2 知恵判定

知覚…5 人並みの知覚
知恵…3 お勉強は苦手



 ___コト コト コト

「…?」

 車輪の音に混じって、似たような音が後ろの方から聞こえてくる。

「!」

 幌の隙間から覗くと、後ろの方から黒い馬に曳かれた馬車が、足早に近づいていた。
 お世辞にも知恵が回るとは言い難い彼女は、考えるよりも前に叫んでいた。

「助けてー!」

「!?」

 後ろの馬車の御者が、ぎょっとしてこちらを見た。

「お願い、助けて!!」

「何騒いでやがる!」

「ひっ…」

 自分の乗る馬車の男に怒鳴られて、彼女は竦み上がった。
 一方、追いかける馬車はずんずん距離を縮め、いよいよこちらに追いついてきた。

「こっちだ!」

「えっ…」

 若い男の声に再び顔を出すと、御者台の男がこちらに向かって手を伸ばしていた。

「…っ、えーい!!」

 肩で幌を押し開くと、彼女はなりふり構わず荷台を飛び出した!



↓1 敏捷判定

敏捷…7 領内でも指折りの俊足



「うおっとお!?」

 四肢を拘束されているにも関わらず、彼女は恐るべき跳躍を見せた。腕力こそ人に劣る彼女であるが、脚力だけは誰にも負けない自身があった。
 男は夢中で突き出された少女の手を掴むと、ぐいと引き寄せた。そうして、初めて鉄球の存在に気がついた。

「うわあっ!?」

「きゃああっ!?」

 少女の体は御者台に上がりきらず、走りながら足を引きずる形になってしまった。異常に気付いた黒馬が、嘶きながら走行を止めた。

「あ、ああぁ…」

 見ると、今しがた逃げてきた馬車も前進を止め、降りてきた御者の男が怒りに顔を歪めながら歩いてくるところであった。



↓1 魅力判定

↓2 幸運判定

魅力…4 普通より僅かに下
幸運…6 神は見てくれている



「おいこら、何勝手に逃げようとしやがる…」

 肩を怒らせて歩いてくる御者の男。少女は震えながら、自らを救おうとした男の顔を見た。それは間近に見ると、意外に若い青年であった。

「た、たたた、助け、て…」

「大丈夫だ」

 青年の言葉に、彼女はほっと息をついた。

「おい、坊主。そのガキを返しな」

「断る。少女の助けには応じるものだ」

「ハッ、ふざけやがって。こちとら、ちゃんとした手続きを踏んで運んでるんだ。仕事なんだよ」

「…どうなんだ?」

 青年に目を向けられ、少女は必死に首を横に振った。

「嫌! 娼館送りなんて…」

「! 貴様、女衒か! だったら尚更、返すわけにはいかない!」

「人攫いと一緒にするんじゃねえ! その娘は血統書付きの貴族の子だ。金に困った親に売り飛ばされたんだよ。よくある話じゃねえか」

「…」

 青年はしばし、黙って男の顔を見つめていた。少女は、何もできず震えてた。上に立つものの気魄やカリスマが少しでもあれば、自身に有利なように口を挟むこともできようが…

「…よし、分かった」

「! 嫌…」

「この娘は、いくらで売られた」

「…大金貨30枚」

「いいだろう」

 彼は懐から一枚の羊皮紙と墨片を出すと、呆然と見守る少女の前で何かを書き留めた。それから中指に嵌った指輪を外すと、羊皮紙と一緒に男に差し出した。

「? ……!!」

 怪訝な目で内容を読んだ男の顔色が、にわかに変わった。次の瞬間、彼は羊皮紙を握りしめ、なんとその場にひれ伏した。

「帝都騎士団の、百人隊長様でございましたか! そうと知らず、ご無礼を…」

「指輪と一緒に、その証文を銀行に出すと良い。娼館の主と、お前への迷惑料も含めておいた。だが」

 キッと男を睨み、言い放った。

「今後一切、この娘に手出ししないと誓え。破ったならば、その生命は無いと思うことだ」



「あ、ありがとうございました!」

 翌朝。港町に着いた彼女は、青年に頭を下げた。手枷も足枷も、今は綺麗に外されている。

「何、礼には及ばないさ。私も、久々の休暇で母の顔を見に来たんだ。そのついでだと思えば…」

 と、ここで少女の表情が曇ったのに気付いて、口をつぐんだ。

「…済まない」

「いえ、良いんです…それより、わたしはどうしたら」

「船着き場の北に、君のような寄るあての無い人を保護してくれる施設がある。そこへ行くといい。帝都騎士団百人隊長、キースの紹介と伝えてくれれば、早く進む筈だ」

「は、はい! その…本当に、ありがとうございました!」

 再び頭を下げてから、彼女は思い出したように付け加えた。

「あっ、その…わたしは____」



↓2 少女の名前、種族、年齢(人間以外なら見た目年齢も)

「あっ、その…わたしは、アリアって言います! この御恩は、いつか必ずお返ししますので…」



 目当ての建物は、簡単に見つかった。半ば熱に浮かされた状態で、その門をくぐる。
 受付では、中年の女がにこやかに挨拶してきた。

「ごきげんよう。国立互助会は、悩める全ての人の味方です」

「あの…わたし、キース様という方に教えていただいて来たんですけど…」

 すると、女の眉がピクリと動いた。『またか』とでも言いたげな顔である。

「…詳しい事情は、後ほど伺います。きっと、長旅でお疲れでしょうから、上の階で休んでくださいな。大部屋しかありませんが、よろしいですか?」

「は、はい。ありがとうございます…」

 女の目を見ないようにしながら、こそこそと階段を登る。踊り場のところに、誰かが寄贈したらしい大きな鏡が置かれていた。そこで、しばらくぶりに彼女は自分の姿をまじまじと見た。



↓1~3でコンマ最大
 アリアの容姿 体型など



 そして今夜はここまで。超絶不定期で、緩やかな安価進行でいこうと思ってます。

【名前】アリア
【種族】ワーラビット
【職業】無し
【容姿】痩せ気味の体 ピンク色のロングヘアー 赤と黒のバイアイ
【能力】筋力3 敏捷7 技術3 知覚5 知恵3 魅力4 幸運6

 こんなところでしょうか。ちなみに、能力はそこまで厳密なものじゃないです。
 次は今後の行動指針を決めますので、うすらぼんやり考えておいてくださるとスムーズにいくと思います
 
 もちろん、R板らしい感じになる予定です

 この世界は、人間だけのものではない。ワーキャットやゴブリンなど、様々な生物が人間に混じって生活している。そして、彼女も。
 鏡に映るのは、桃色の長い髪、痩せた身体、そして頭から突き出た、2本の長い耳。飾り気のない白いワンピースから覗く脚は、すらりと長いながらもしっかりした筋肉に覆われてる。何より、彼女は踵を地面に付けずに歩いていた。
 彼女は、兎から進化したワーラビットであった。なればこそ、やんごとなき生まれながら健脚を見せたのも、頷けるというものである。

 さて、鏡の前から離れると、彼女は階段を登り上の階へ辿り着いた。突き当たりにある大きな扉を開けると、刺激臭が彼女の鼻を突いた。

「うっ…」

 香水の匂いだ。だが、彼女やその家族が用いるものよりもずっと強いし、何より何種類も混ざり合っていかにも下品な臭気を放っていた。
 改めて見回すと、広い部屋はいくつものカーテンや衝立に仕切られていた。一番入り口に近いカーテンをめくると、白いベッドが目に入った。その暖かそうなシーツを目にした途端、今まで感じなかった疲労感がどっとアリアの体を襲った。

「…ふぁ」

 あくびを一つ。ふらふらとベッドに倒れ込むと、毛布も掛けずに彼女は眠りに落ちた…



「ちょっと」

「すぅ…すぅ…」

「ちょっとあんた!」

 いきなり肩を掴まれて、彼女ははっと目を覚ました。

「ごっ、ごめんなさいお母様! わたしったら、また寝坊して……?」

 ところが、目の前にあるのは母親ではなく、白粉で塗り固めたような顔をした女だった。彼女はあからさまに不機嫌な顔で、アリアをベッドから引きずり下ろした。

「きゃっ」

「ここはあたしのテリトリーよ。あんた、新入り? だったら、ルールぐらい守りなさいよ」

「…ごめんなさい」

 憮然としながらも、彼女は立ち上がった。いつの間にか女の他にも、この部屋で寝泊まりしていると思しき女たちが、ぞろぞろと入ってきていた。揃いも揃って、品の無い装飾品を身に着けて、むせ返るほどに香水を振りかけている。
 やり切れなくなって、彼女は部屋を出た。後ろの方で、ひそひそ話が聞こえる。

「…そんなことより、キース様! 一瞬ちらっと見えたわ!」

「私なって、目の前を横切ってくださいましたよ!」

「甘いわね。あたしは落としたハンカチを…」



 1階に降りると、受付にいた女が彼女に気付いた。

「おや、まだ1刻も経っていませんよ? もう少しお休みになっても」

「いえ、大丈夫です…」

「そうですか。では、今からお話を伺っても?」

 アリアが頷くと、女は立ち上がって手招きした。

「どうぞ。奥の部屋へ参りましょう」



「あの…キース様って、有名人なんですね」

 奥まったところにある応接間にて。湯気を立てる紅茶のカップを見つめながら、アリアがぼそっと言った。
 すると、女が溜め息を吐いた。

「……ええ。あのお方は、騎士道精神を体現したような方です。身寄りのない、困窮した方々を拾っては、『良かれと思って』ここに連れていらっしゃる」

「じゃあ、上にいたのは」

 女が頷く。

「お会いになったなら話が早い。ええ、あの方々もキース様に拾われてここに来ました。ですが、それ故にと言いますか、その一部がキース様に入れ込んでしまいまして…稼ぎを全て装飾品につぎ込んで、一向に独り立ちせず、今日のようにキース様が町にいらっしゃるとなれば、仕事を放り出してうろつき回る始末」

「はぁ…」

「どうか」

 ぐいと身を乗り出し、小声で囁く。

「あんな風には、ならないでくださいね」

「も、もちろんですっ」

 アリアの返答に、彼女は安心したように息を吐いた。そうして再び穏やかな笑みを浮かべると、本題に戻った。

「失礼しました。では、お聞きしますが……貴女は、どういった経緯でこちらに?」



「なるほど、針葉樹林地帯のご出身ですか。そちらに戻られるご予定は?」

「分かりません…でも、多分戻れないと思います」

「そうですか。では…当面の仕事はこちらで斡旋します」

「働かないと、ダメですよね…」

 がっくりうなだれるアリアに、女は優しく言葉をかけた。

「気に病むことはありませんよ。元が貴族だとしても、貴女が心から取り組めばすぐに馴染めます。それに、兎人らしく足が早いそうですね。それなら、丁度いい仕事があるでしょう」

「はぁ…」

 沈んだ調子の彼女に、ふと女が真顔になって問うた。

「ところで……しばらくはこちらでお世話もしますが、ゆくゆくはご自分で自立していただく必要があります。そのための施設ですから。そこで、お聞きしますが…アリアさん、将来的に何をなさるか、考えておられますか?」

「…」

 女の質問に、アリアは黙って考え込んだ。

「私は___」



↓ 21:00に最も近い書き込み 

  アリアの目的、長期的目標(店を開きたい、旅に出る、自分を捨てた家族に復讐 etc)

「まだお決まりでないなら、無理には…」

「いえ」

 アリアは、首を横に振った。それから、おずおずと切り出した。

「その……これは、わたしたちワーラビット特有の話になるんですけど」

「構いませんよ?」

「兎って、一度繁殖期を迎えると、死ぬまで発情しっぱなしなんです」

「らしいですね」

「それは、わたしたちも同じと言いますか…いえ、今がそうというわけではなくて…その」

「アリアさん」

 口ごもるアリアに、女は静かに言う。

「ここは、絶対に安全です。誰も聞き耳を立てることはありません。ですから、どうか正直に」

「……はい」

 覚悟を決めて、アリアは言った。

「…つまり、一度性交渉を持つと、発情期が始まってしまうんです。だからこそ、わたしたちの種族では『初めて』がとても大事ということで……その」

「早く身を固めたいと?」

「そう、そうです!」

 我が意を得たりと、アリアは話し出す。

「獣と違って、理性を重んじるワーラビットだからこそ、貞操には厳しいんです。このまま身寄りの無いまま暮らして、もし悪い人に捕まってしまうことがあれば…」

 故郷や家族との別れ。縛られた自分を馬車に乗せた男の、嫌らしい笑み。彼女は思い出して、身震いした。

「分かりました」

 女は頷いた。

「では、貴女がご自分に相応しい配偶者を得るまで、私たちもお手伝いいたします。それまでは、ここで暮らしても構いませんから、ご自分で仕事をこなして生活してくださいね」



「今日から、よろしくお願いします!」

 翌日。施設の職員に連れられて彼女がやってきたのは、町の郵便局であった。

「よろしくね、ええと…アリアちゃん?」

「は、はい…」

 恰幅の良い、温和そうな郵便局長に呼ばれて、アリアは縮こまった。

「局長、彼女の私情については、できるだけ伏せたいと思っておりますが、この通り市井の暮らしに慣れない方で」

「いえ、良いんです。わたしも、生まれ変わった気持ちで頑張ります!」

「いい返事だ。じゃあ、早速仕事を教えよう。なあに心配するな。しばらくは先輩と一緒に行動してもらうから…」

短期目標『郵便配達で食い扶持を稼ぐ』

中長期目標『処女を守りながら結婚相手探し』



【名前】アリア
【種族】ワーラビット
【職業】郵便配達員見習い
【容姿】痩せ気味の体 ピンク色のロングヘアー 赤と黒のバイアイ
【能力】筋力3 敏捷7 技術3 知覚5 知恵3 魅力4 幸運6
【装備】
『配達員の制服』通気性と堅牢性を両立した動きやすい作業着。港町らしい爽やかな青色。




では役者を増やしていこう

↓1~3でコンマ最大 郵便配達の先輩について(性別、種族、年齢、その他)

↓1 アリアの働きぶり 敏捷+知覚+知能+(コンマ一桁)≧16で成功 ≧30で大成功

しまった
名前もお願いします
安価下



 紹介されたのは、背の高い若い女だった。袖なしの制服からは腕の代わりに灰色の翼が飛び出し、下半身は茶色い羽毛に覆われていて、鋭い爪の生えた鳥の足を持っていた。半人半鳥の、いわゆるハーピーという種族であった。

「リーエだよ。これからよろしくね。困ったことがあったら、何でもお姉さんに言ってね!」

「はい、よろしくお願いします…」

「よし、じゃあまずは、この町の地形を身体で覚えてもらおうかな。お姉さんに付いてきてっ!」

「ふぇっ!? ま、待ってくださ~い!!」

 いきなり飛翔したリーエに、アリアは必死に追いすがる。

「アハハっ、ごめんね、意地悪して…ん?」

 すぐに切り返して、気付く。

「あの娘……アタシに結構付いてきてる…これは見どころあるかも」



 果たして、リーエの見立ては正しかった。
 数週間後、一人での配達を任されるようになったアリアに、リーエは自信満々に言った。

「大丈夫、キミならできるよ。こんなに飲み込みが早い子は初めてさ。お姉さんほどじゃないけど、この仕事、向いてるんじゃない?」

7+5+3+9≧16 成功!
9が出たためクリティカルです! 判定に使用した敏捷、知覚、知能の内、どれか一つを1上げることができます。



↓1 どれを上げるか

短期目標『郵便配達で食い扶持を稼ぐ』

中長期目標『処女を守りながら結婚相手探し』



【名前】アリア
【種族】ワーラビット
【職業】郵便配達員
【容姿】痩せ気味の体 ピンク色のロングヘアー 赤と黒のバイアイ
【能力】筋力3 敏捷7 技術3 知覚5 知恵4 魅力4 幸運6
【装備】
『配達員の制服』通気性と堅牢性を両立した動きやすい作業着。港町らしい爽やかな青色。



「お仕事は何とか軌道に乗ってきましたが…肝心のお婿さん探しは、どうしましょう…」

↓1~3でコンマ最大 結婚相手探しをどうしよう
 ①先輩(リーエ)に相談だ
 ②休みの日に街に出てみよう
 ③……キース様…
 ④その他、要記述

↓1 アリアの働きぶり 敏捷+知覚+知能+(コンマ一桁)≧16で成功 ≧30で大成功

7+5+4≧16 成功
しかし0が出たためファンブルです…



という訳で今夜はここまで。

ペナルティどうしよう
クリティカルみたいに成功とは分けて扱いたいし、単純に能力ダウンで良いものか…

ちなみに大成功だとお給料が増えてやれることが増えます

オーソドックスに微エロエピソード挟むのでもいいような

>>71 それいいね 採用
という訳で、以降ファンブルが出たら主人公がちょっとエッチな目に遭います

 一人で配達するようになって、4日になる。地図もすっかり頭に入って、難なく配達をこなせるようになってきた。
 そんな彼女は今、薄暗い路地の入り口で逡巡していた。

「ほ、本当にここを通るんですか…?」

 記憶した地図と、周りの地形を照らし合わせると、確かに目的の住所にはこの道を通らないと行けないらしい。覗き込むと、塀に挟まれた狭い通りには人の気配はない。思い切って、アリアは路地に足を踏み入れた。



「ふぅ、何とか届けられました」

 ほっと安心して、帰路につく。と

「…!」

 今まで誰もいなかった路地に、一人の男が座り込んでいた。汚れた服装がいかにも物乞いらしい。こういうのは無視するに限る。ところが…

「あの…」

 売られたとは言え、彼女は貴族であった。支配階級の一員として、彼女は当然のように財布から銅貨を数枚取り出し、男に差し出した。

「少ないですけど、これで」

 その手を、いきなり男が掴んだ。

「ひっ!?」

「優しいんだね、お嬢さん」

 振り払おうとするが、思いの外力が強い。

「もののついでに、哀れな乞食の『こっち』にもお情けをくれないかい」

 言いながら男は、やおら片手を自分の股間に伸ばした。それから下履きを器用にずらすと、膨れ上がった己のイチモツをさらけ出した。

「いやあぁっ!? し、仕舞ってっ!」

「おや、見るのも初めてかい。じゃあお勉強だ。その綺麗なオッドアイで、よーく見てるんだな」

「兎だからバイアイですっ! いいから離して!」

 男はニタニタ嗤いながら、肉棒を扱く。

「嫌、嫌ぁ、やめてください…」

「あぁ、イくっ、イくぞ……っっ!?」

 ごっ。
 妙な音がした。

「えっ…?」

 次の瞬間、男は路地の奥の方へ吹き飛んでいった。
 いつの間にかアリアの目の前には、片脚を大きく振り上げて肩を怒らせたリーエが立っていた。

「…あの奥は、アタシみたいな飛べる職員が担当する決まりなんだ。仕分けの人が分配を間違えちゃったみたいだね」

「あ、あの、あの人…首が変な方向に」

「放っときな。どうせ警吏も相手にしない人種さ。まして裁判を起こす金もない」

 翼でアリアの肩を抱き、路地から足早に抜け出す。前方を睨み据えたまま、リーエは小さく吐き捨てた。

「……人の優しさにつけ込む奴なんて、死んじまえば良いんだ」



「…」

 郵便職員用の宿舎に戻ってきた。あんなことがあったせいですっかり忘れていたが、自分はできるだけ早く結婚相手を探す必要があった。
 外は既に、真っ暗だ。今から外に出るのは止めたほうが良いだろう。まして、ついさっきひどい目に遭ったばかりなのだ。

「明日…ですね」

 明日は週に一度の休暇の日だ。ひとまず明日、何かしらの行動を起こそう。
 そう決めると、少し気が楽になった。未だに早鐘を打つ心臓を何とか鎮めながら、彼女は眠りについた。



「ふぁぁ…」

 あくびをしながら、ベッドから這い出した。そうして、今日が仕事の無い日だということを思い出した。

「……じゃあ、取り敢えず外に」

 配達員の制服ではなく、唯一の私服である白いワンピースに着替えた。そうして、不意に昨日の出来事が頭をよぎった。



↓1 選択
 ①一人で行くのは怖い。誰かを誘って一緒に行こう
 ②思い切って一人で行こう 

「…ううん、これはわたし一人の問題だからっ」

 覚悟を決めて、彼女は一人で街に繰り出した。



↓1~3でコンマ最大 午前中に行く場所(自由記述 服屋、公園、美術館 etc...)



 気の向くままに街を歩く。落ち着いて見る港町の風景は、内陸で生まれ育った彼女にとって何もかもが新鮮なものだった。生まれて初めて屋台で買った、ニシンの塩漬けの挟まったサンドイッチの味を、彼女はいたく気に入った。

「…?」

 歩いていると、見慣れない建物に辿り着いた。最初に世話になった保護施設は港の近くにあるが、この建物は街の入口に建っている。遠巻きに眺めていると、冒険者らしい装備を固めた人々が出入りしていた。
 看板には、『冒険者ギルド 港町支部』と書かれている。どうやら、アリアのような人々とは違った意味で決まった住処を持たない人は、こういった施設を利用するらしい。



↓1 幸運判定

幸運+(コンマ一桁)が
0~4   「おう、お嬢ちゃん。一人かい?」
5~12  特に何も起こらない
13~17 あの人は…?
18    あ、あなたは!?

6+9=15
9…クリティカル! 幸運+1

↓1 コンマ判定

00~30 見知らぬワーラビット
31~70 郵便職員の誰か
71~85 誰だか知らないけどビビッとくるような男
86~89 リーエ
90~99 キース

 しばらく見ていて、突然アリアはドキッとした。
 ギルドに入っていく一団の中に、自分と同じワーラビットの姿を認めたからだ。

「あ、あの人…もしかして、お知り合いでしょうか…?」

 領主が兎人なだけあって、アリアの一族の治める地には人間以外の住民が多かった。当然、その中には同じワーラビットも多く含まれていたし、その中の一人にここで出くわす可能性も無いわけではなかった。

「でも…同じ種族なら少しは話しやすいし、わたしの事情も分かってもらえるかも」

 そこで彼女は、そのまま件のワーラビットが出てくるのを待つことにした。



 果たして、数刻の後、そのワーラビットがギルドから出てきた。パーティを解散したのか、今は一人きりだ。

「あ、あのっ!」

 物陰を飛び出し、呼びかけると、相手はぎょっとしてこちらを見た。



↓1~3でコンマ最大 出会ったワーラビットについて(名前、年齢、職業、その他)

名前 クシナ
年齢 19
職業 ギルド所属の盗賊職
その他 性格が快活で馴れ馴れしい

ごめん、性別聞くの忘れてた

>>91は女性っぽい名前だけど…



「く、クシナさん、ですね」

「ああ、そうさ。しっかし胸糞悪い話だな!」

 麦酒のマグを、テーブルに叩きつける。

「ムラっと来ちまうのは仕方ないにしても、何で金まで注ぎ込んじまうんだか。お陰でお前が酷い目に遭ったってのに」

「…」

 アリアは俯いて、細切りの人参を齧った。

「…まあ、そっちの事情は分かったよ。難儀な身体だよな」

「クシナさんは、どうしてるんですか?」

 ふと、アリアが尋ねた。

「パーティには、男の人もいるんじゃないんですか? そういう時は、どうしてるんです?」

「アタイかい? アタイは…」



↓1 コンマ判定

00~10 女所帯だし…
11~30 そういうのは大切に取っとくもんだろ
31~80 パーティに相手がいる
81~ パーティの男は全員喰ったぜ

但し、ゾロ目で…

 にわかに、クシナの顔が赤くなった。ぴんと立った耳が、ぴくぴくと動く。

「そ、そういうのは…大切な相手のために取っておくもんだろ」

「! そうですよね!」

 全く別世界の住人と思われたクシナが、自分と同様の貞操観念を持っていると知り、アリアは安心した。

「ウチにも男はいるけど、そういう目で見れないって言うか…」

「大変ですねぇ…わたしも、ようやくお仕事が板についてきたばかりで、出会いなんて考える暇も無くて」

「惜しいなーっ、あんたがもうちょっとタフなら、ウチのパーティに誘っても良かったんだけど」

「ありがとうございます…でも、今はお世話になった人たちのために働かないと」

「そうさなぁ」

 背もたれに深くもたれかかると、麦酒を一口含んだ。それから、しみじみと言った。

「こんな飲み屋で、適当な男引っ掛けるわけにもいかない身だしなぁ」

「…」

 と、ここで思い出したように言った。

「そう言えば、この後は予定あるのか? アタイらはしばらくフリーだし、お前が良ければ付き合うぜ?」

「そうですか? では___」



↓1 選択
①クシナと一緒に引き続き散策
②一人で散策
③今日は帰る
④その他、自由記述

クシナと一緒に散策続行

と言ったところで今夜はここまで。

お姉ちゃんsが増えていく…
ちなみにゾロ目でレズでした

最後にステータス貼るの忘れてた


【名前】アリア
【種族】ワーラビット
【職業】郵便配達員
【容姿】痩せ気味の体 ピンク色のロングヘアー 赤と黒のバイアイ
【能力】筋力3 敏捷7 技術3 知覚5 知恵4 魅力4 幸運7
【装備】
『白いワンピース』地味ながら仕立ての良い絹のワンピース。買い手が付くまでは、彼女もまた大事な『商品』なのである。

うわっ、抜けがあった

>>97の前にこれが挟まります





 果たして、数刻の後、そのワーラビットがギルドから出てきた。パーティを解散したのか、今は一人きりだ。

「あ、あのっ!」

 物陰を飛び出し、呼びかけると、相手はぎょっとしてこちらを見た。

「うわっ、あんた誰っ?」

 ぴょこぴょこと駆け寄ってきたのは、女のワーラビットであった。革の胸当てに丈の短いパンツを穿き、ベルトには2本のナイフと革袋を提げている。前衛で戦う戦士と言うよりは、盗賊か斥候のようだ。

「いきなりごめんなさい。でも、この町に来て初めてわたしと同じ種族の人に会ったので、思わず」

「あははっ、何だそんなことかい」

 彼女は笑うと、いきなりアリアの肩に腕を回した。

「ま、ここで会ったのも何かの縁さ。行こうぜ、アタイが奢ってやるよ」

「そうですか? では…お言葉に甘えて」

「おう! 実はアタイ、この街は久しぶりなんだ。何か面白いものができてたら案内してくれよ」



↓1~3でコンマ最大 午後から行く場所



 辿り着いた建物を見て、クシナは露骨に嫌な顔をした。

「教会ィ? 良いだろそんなとこ…」

「週に一度のお祈りがまだだったので…」

 なだめながら聖堂に足を踏み入れる。
 午前中のミサが終わった後なので、広い聖堂に人の気配は少なかった。



↓1 幸運+(コンマ一桁)が

00~05 特に何も起こらない
05~10 知らない人
11~14 クシナのパーティメンバー
15~18 アリアの知り合い

7+7=14

↓1~3でコンマ最大 教会にいたクシナのパーティメンバーについて(名前、性別、種族、年齢、職業など)

 祈りを捧げていると、不意にクシナが何かに気付いた。肩を叩かれたので見てみると、丁度一人の少年が教会に入ってきたところだった。
 白地に金糸で刺繍の施されたローブを纏う少年は、扉をくぐるとすぐに大きなとんがり帽子を脱いだ。露わになった、尖った大きな耳を見て、アリアは気付いた。彼は、エルフだ。

「…あぁ、今日も生きてる…神様、感謝します」

 像の前で跪く少年に、後ろからこっそり忍び寄る。

「……わっ!」

「うひゃあっ!? ……くっ、クシナさん!? 何でここに」

「ちょいと付き添いでな」

 クシナはアリアの背中を叩きながら紹介した。

「ウチのパーティで魔術師やってる、ミクリだ。こっちはアリア。さっき知り合ったんだ」

「ど、どうも。アリアです。今はこの町で、郵便配達やってます」

「ああっ、こちらこそ初めまして…ミクリです。魔術師と言っても、まだまだ半人前で…働いて生活されてるんですね、すごいです…」

「そんな、わたしなんて、何もできないのに皆さんに優しくしていただいて、何とか生きてるくらいで…」

「はいはい」

 このまま土下座合戦でも始めそうな二人に、クシナが割って入った。

「取り敢えず、外で話そうぜ」



「…とまあ、そんな訳で」

「どうだいミクリ、一つ立候補してみないかよ?」

 冗談めかして言うクシナに、ミクリは慌てて手を振った。

「そっ、そんなっ、僕なんて…」

 言いながら、彼はちらりとアリアの方を見た。



↓1 魅力+(コンマ一桁)が

00~03 絶対無理
04~12 普通
13~16 気になる
17~   一目惚れ

「…無いですよ、ないない」

 困惑気味に首を振る。特に、これと言った感想は無さそうだ。

「ちぇっ、つまんねえの。…で? お祈りが済んだら、もう宿に帰るのか?」

「あっ、買い物がまだだった…でも、一人で大丈夫ですよ」

「あ、そう。アタイももうちょっと遊んでたいし、ここは解散だな。…アリア、どうする? 日没までもうちょい時間あるけど、アタイについてくるかい?」



↓1 選択

①クシナについていく
②ミクリについていく
③一人で行動する
④その他、要記述

「じゃあ、そうします」



 クシナに連れられてやって来たのは、露店の立ち並ぶ市場であった。そこで人参を買って、齧りながら二人で屋台を見て回った。

「こういうところは初めてかい?」

「はい…たまに領地から出て、都会の方へお出かけすることはあったんですけど、お屋敷を出て街を歩くことはあんまり無くて」

「そうか。……なあ」

 不意に、クシナがアリアの顔を真っ直ぐに見た。長い耳まで彼女の方を向いている。

「お前…元の暮らしに戻りたいって、思うことはあるか」

「えっ?」

「お前は気が優しい奴だってのは分かるよ。だから、こんな状況に放り出されても文句一つ言わずに頑張って生きてる。だけどよ……また、貴族の暮らしに戻ろうって、そうは思わないかい」

「…」

 突然の質問に、アリアは黙り込んだ。

「……わたし、は」



↓1 選択
① 戻りたい
② 戻りたくない

 数秒の後、彼女は……首を、横に振った。

「嫌、か」

「わたしは…この街の人が好きです。こんなわたしのために尽くしてくれる、たくさんの人に、とても感謝してます。それを捨ててまで、元の暮らしに戻ろうとは思いません」

 きっぱりと言うアリア。クシナは黙って、彼女の赤と黒の瞳を見つめていた。が、不意に表情を崩すと、彼女の肩を叩いた。

「そうかそうか。分かったよ、それなら良い」

 笑いながら言うと、彼女の肩を抱いたまま再び歩き出した。



 夕暮れ時。二人は港で、水平線に沈んでいく夕日を眺めていた。

「綺麗…」

「ワーラビットってのは、どうしても海とは縁遠いもんだからな。こういうのを見るたびに、放浪の身で良かったと思うぜ」

 アリアは言葉もなく、橙に染まる水面を見ていた。思えば、この町に流れ着いてもう1ヶ月になろうとしている。それでも、こうして落ち着いて海を眺めるのは初めてだった。

「…色々、あったなぁ」



↓1 幸運+(コンマ一桁)が

00~07 「やあお二人さん。今夜は暇かい」

08~11 「あれっ、クシナじゃん。何してるの?」

12~15 「おや、アリア。奇遇だね」

16~   「アリア!? アリアなのか!?」

7+5=12

↓1 コンマ判定 ゾロ目でキース、それ以外でリーエ

リーエと遭遇 と言ったところで今夜はここまで。

安価コンマの頻度が多すぎるかな…?



【名前】アリア
【種族】ワーラビット
【職業】郵便配達員
【容姿】痩せ気味の体 ピンク色のロングヘアー 赤と黒のバイアイ
【能力】筋力3 敏捷7 技術3 知覚5 知恵4 魅力4 幸運7
【装備】
『白いワンピース』地味ながら仕立ての良い絹のワンピース。買い手が付くまでは、彼女もまた大事な『商品』なのである。

「あれっ? アリアちゃん?」

 不意に、後ろから声がした。

「! リーエさん…」

 振り返ると、買い物袋を持ったリーエが丁度地面に降り立つところであった。

「何だ、アリアの知り合いか?」

「リーエだよ。この娘と一緒に働いてるんだ」

 地面に転がった買い物袋を翼で抱えながら、リーエが答える。

「そうか。アタイはクシナだ。ちょいとこの町に寄った流れ者さ」

 リーエが、アリアの隣に腰を下ろした。

「お買い物ですか?」

「そ。干物を切らしちゃってね。……クシナちゃんは…アリアちゃんのご家族だったり?」

「うん? いや、そういうわけじゃないぜ。たまたま同じ種族に会ったってんで、話しかけられたんだ。ワーラビット同士、積もる話もあることだしな」

 ニカッと笑って、アリアの背中をバシバシ叩く。

「あはは…」

「ふぅん…」

 苦笑いするアリアに、目を細めるリーエ。どことなく、面白く無さそうだ。
 それに気付いてか否か、クシナが提案した。

「そうだ。折角こうして知り合ったんだ。お近づきの印に、これから飲みに行こうぜ」



「よ、よく飲めますね…お昼もビール飲んでたのに」

「えぇ? あんなの水、水だよ」

「お姉さん、お酒は遠慮しとくわ。飲酒飛行は危ないものね」



↓1 幸運+(コンマ一桁)が

00~10 厄介な客
11~15 クシナのパーティメンバー
16~18 アリアの同僚

7+4=11

↓1~3 でコンマ最大 クシナのパーティメンバーについて
ミクリでも可

「何だよ~アタイ以外みんな素面かよ~…」

 拗ねたように、麦酒のジョッキに顔を埋めるクシナ。

「じゃあ、ちょっとだけ頂こうかな…」

 飲み物を頼もうと、顔を上げたアリア。と、カウンターに座る白ローブの少年に気付いた。

「あれっ、ミクリさん…?」

「何だってぇ!?」

 声を張り上げたクシナに、カウンターの少年の肩がビクンと跳ねた。やはり、ミクリだ。
 クシナは立ち上がると、のしのしとカウンターへ歩いていった。それから二言三言交わすと、彼をこちらのテーブルへ引きずってきた。

「うぅぅ…黙ってやり過ごそうと思ってたのに…」

「ご、ごめんなさい…」

「良いんですよぉ…何だか、こんなことになりそうな予感はしてたんですから」

「へえ、エルフの子とも知り合いになったんだ」

 口を挟むリーエに、アリアは曖昧に頷いた。

「教会でちょっと顔を合わせただけですけど…」

「ミクリって言います。貴女は…?」

「リーエだよ。アリアの職場の先輩さ」

 気弱そうなミクリにお姉さん気質が疼くのか、胸を張って続けた。

「速達ならお任せだよ。どんなところにも、一飛びさ」

「へぇ…」

 隣のテーブルからクシナが拝借してきた椅子に、ミクリはおずおずと腰を下ろした。



↓2 話題について



「…ふぅ」

「アリアちゃん、大丈夫?」

 ワインを飲んで、うつらうつらし始めたアリアに、リーエが心配そうに声をかけた。

「大丈夫です……ところで」

 アリアは瞬きすると、クシナとミクリの方を見た。

「お二人は、どうして冒険者になったんですか? ちょっと、気になって…」



↓1 クシナ 魅力+(コンマ一桁)が
00~04 話さない
05~15 話す
16~18orクリティカル 詳しく話す

↓2 ミクリ 魅力+(コンマ一桁)が
00~10 話さない
11~17 話す
18orクリティカル 詳しく話す

おお、ミクリの口を割った
時間かかりそうなのでひとまずここまで

「冒険者になった理由か…」

「そうですね…」

 クシナはジョッキを置くと、木の実を一つ口に放り込んで、もぐもぐと咀嚼した。

「いえ、言いづらいことなら無理にとは」

「いや、良いよ」

 彼女は事も無げに言った。

「お前の身の上聞いちまったんだ。こっちも言うのが道理さ。ま、大した話じゃないんだけど…」

 可笑しそうに鼻を鳴らす。

「…ま、お嬢様からしたらちょっと分からない世界かも知れないな。アタイ、孤児だったから。孤児院の連中ともウマが合わなくて、物心付いてからさっさと飛び出しちまったんだ。まあマトモな仕事には就けないわな。スリだ運び屋だってやってたら、今のリーダーに捕まっちまってな。財布盗もうとした手前断るわけにも行かず、まあ今に至るまでズルズルって感じだ」

「そうだったんですか…」

「僕なんて、もっと大したこと無いですよ。故郷は山岳地帯の、国境の近く辺りだったんですけど、そこって皆一通り魔術を修めてるんです。でも僕だけなかなか皆に追いつけなくて、それで今ご一緒させていただいてる皆さんが通りかかった時に、丁度良いから修行してこいって親に追い出されちゃって」

 そこでミクリはアリアを見た。

「アリアさんは…ちょっと、訳ありなんですか」

「! わ、わたしは…」

 ミクリの身の上を聞いてしまった手前、自分だけ黙っているわけにもいかず、アリアも話を始めようとした。
 そこへ、今まで黙っていたリーエが割り込んできた。

「…ごめんよ、坊や。この娘のことは、お姉さんたちでさえ聞かないことになってるの。だから、もし良かったら…ね?」

「あ、ああ、そうでしたか。ごめんなさい」

 クシナは何か言いたげな目をしたが、結局黙ったままでいた。



 別れ際、クシナは端切れに墨片で走り書きすると、アリアに差し出した。

「しばらくはこの宿に泊まってる。何か用があったら、そっちに言付けてくれよ」

「あ、ありがとうございますっ」

「良いんだ」

 クシナは笑って彼女の背中を叩いた。

「放浪の身ってのは、良いこともあるが大体は寂しいもんだからな。話し相手は大歓迎さ」



↓1 帰り道にて 幸運+(コンマ一桁)が

00~08 酔漢
09~17 リーエから
18orクリティカル リーエから…



 帰り道。既に真っ暗な通りを、二人並んで歩く。最も、片方は少しだけ宙を飛んで進んでいるのだが。
 港町らしく、道端には酔っ払った荒くれ共がたむろしている。しかし、二人に近付く者は無い。長い耳を不安げに、あちらこちらに向ける兎人ならともかく、買い物袋をぶら下げた鳥人は、荒波で鍛えた男でも御免被りたい相手であった。何しろ、あの頑強な脚から繰り出される蹴りは、大の大人の首さえ一撃でへし折ってしまう威力だからだ。

 そんな奇異な目も気にせず、当のハーピー、リーエは隣を歩くアリアに話しかけた。

「今日は、楽しかった?」

「はいっ! お友達もできましたし、ゆっくり町を歩き回ることができて」

「そう、良かった。…」

 少しの間、彼女は黙ってアリアの方を見つめていた。

「…お嬢様、だったんだね」

「! その」

「ううん、良いの。何だか、育ちの良い娘なんだってのは薄々感じてたから」

「…」

 屈託のない笑顔を直視できず、アリアは黙って俯いた。

「…折角だし、格好も少しはお嬢様らしくしてみない?」

「えっ?」

 はっと、顔を上げた。

「だって、初めてうちに来たときもその服だったでしょ。私服、他に持ってないの?」

「! そう言えば…」

 思えば、平日はずっと制服だし、休日もあまり家を出ないから服装に気を遣った記憶が無い。元々が貴族なために、衣服の着脱を従者に任せていたせいもある。

「これだけ…」

「それだけ!? 買いに行こうよ! 次の休みか、明日仕事が終わった後にでもさ。見てあげるから」

「は、はいっ!」

【名前】アリア
【種族】ワーラビット
【職業】郵便配達員
【容姿】痩せ気味の体 ピンク色のロングヘアー 赤と黒のバイアイ
【能力】筋力3 敏捷7 技術3 知覚5 知恵4 魅力4 幸運7
【装備】
『白いワンピース』地味ながら仕立ての良い絹のワンピース。買い手が付くまでは、彼女もまた大事な『商品』なのである。



「リーエさんとお買い物…楽しみだなぁ」

↓1~3でコンマ最大 結婚相手探しをどうしよう
 ①ついでにリーエに相談しよう
 ②職場にいい人いないかな
 ③そう言えば、互助会の人を最近見てないな
 ④その他、要記述

↓1 アリアの働きぶり 敏捷+知覚+知能+(コンマ一桁)≧16で成功 ≧30で大成功

7+5+4+2≧16 成功!





 そつなく仕事をこなすアリア。貴族だった頃の面影は薄れ、もうずっと市井で暮らしていたような雰囲気すらある。とは言え、それはあくまで客観的な評価であって、本人は未だに伴侶が見つからないことを気にしていた。

「でも…こうして働いていると、あんまり機会も無いし…」



↓1 知覚+(コンマ一桁)が
00~06 特に何も起こらない
07~12 互助会から来客
13~   「この仕事って、出会い無いよね~」

5+7=12



 仕事を終え、そんなことを考えながら宿舎に戻ると、入り口に誰か立っていた。

「あの人は…」

「! ご無沙汰してます、アリアさん」

「あっ、こんにちは」

 それは件の互助会の職員であった。

「どうなさったんですか?」

「それが、アリアさんに少しお話がありまして…場所を移しましょうか」



 喫茶店の奥まった席にて。職員は、おもむろに切り出した。

「長らくお待たせして申し訳ありません。実は、貴女のお相手に相応しい方がおられないか、こちらで探していたのですが、この度『これは』と思う方が見つかりましたので、ご提案をと参った次第でありまして」

「! そ、そうだったんですか。それはお手数を…」

「いえいえ。アリアさんは郵便局で大変良く働いておられるとのことで、こちらも真摯にサポートせねばと気を引き締めていたところで……お相手のことですが」

「えっと…どんな方か教えていただくことって、できますか?」

「もちろんです。ざっとではありますが、同意の上で身の上をお聞きして参りました。こちらを」

 職員が差し出した書類を、アリアは手に取った。



↓1~3でコンマ最大 見合い相手について(名前、種族(明記無い場合はワーラビット)、年齢、アピールポイント、その他できるだけ詳しく)

「あ、違う種族でも大丈夫でしたか?」

「構いませんよ…」

 返答しながら、書類を読み進めていく。

「ええと…マラ、さん…ですか。種族は…えっ、オーク? め、珍しいですね…お仕事は、土木作業員で……っ、っっっ!!?」

 読んでいたアリアの顔が、にわかに真っ赤になった。

「とっ…とっても、旺盛な方なんですね…」

「ワーラビットですと、どうしてもその辺りがネックでして」

「…」

 密かに目を細めるアリア。確かに、性欲の問題は他人が思っているより重要だ。理性である程度制御はできるものの、強い性的衝動は夫婦生活において少なからず障害となる。他ならぬ彼女の父も、衰えない性欲に妻が耐えきれず、他の女に向けざるを得なかった側面が無いとは言えないのだ。

「…」

 改めて、書類を一通り読む。年齢と人柄についての記述が無いのが気にかかるが…



↓2 受ける or 断る

「…分かりました」

「! 受けてみますか」

「ええ。ですが…オークの方とは、あまり馴染みが無くて…いきなり会うのは正直、ちょっと怖いです」

「そうですか…」

 職員はしばし考えて、それから言った。

「悪い方ではないというのがこちらの出した結論ではありますが、そうですね。ご心配でしたら、もう少し調べてみましょう」

「すみません、お願いします」

じゃあ今夜はここまで。

にしてもここでオークか…
オークは勇者になるだけでスレが立つからな…

ていうか今に至るまで浮浪者のおっさんの公開[田島「チ○コ破裂するっ!」]未遂しかエロシーンが無いやん!どうしてくれんのこれ

 さて、時は流れて次の休日がやって来た。いつもの白ワンピースに着替えて待っていると、扉を叩く音がした。
 開けると、底にはリーエが立っていた。

「じゃあ、行こっか」

「はい、よろしくお願いしますっ」



 港から少し離れたところに、服飾品などを扱う店が立ち並ぶ通りがある。潮や魚の匂いもここでは薄く、この町の、人が集まる都市としての側面が色濃く現れていた。

「アリアちゃん、どんな服が良いかな?」

「そうですね___」



↓1 選択

①品の良いエレガントな服
②動きやすい、カジュアルな服
③ちょっと色っぽい、オトナな服
④その他、要記述

あげわすれ
安価下

 ガラス窓越しに、色々な店の服を見て回る。と、その足がとある洋装店の前で止まった。

「どれどれ…?」

 肩越しに、店の中を覗くリーエ。
 そこに飾られていたのは、大きく胸元の開いたドレスを着たトルソーであった。

「ああいうのが良いの?」

「えっと…ちょっと、憧れてたと言うか」

「良いよ、入ってみようか」



 数分後。試着室から、新しい服を着たアリアがおずおずと出てきた。



↓1~3でコンマ最大 どんな服?(セクシー系で)

「…ヒュッ」

 思わず、口笛を吹くリーエ。
 アリアが纏っていたのは、ピンク色の薄布で作られた扇情的なデザインのパーティドレスだった。しかもそのスカートには深い切れ込みが入っており、ワーラビット特有の肉付きの良い白い脚が露わになっている。

「お、思い切ったねぇ」

「変…じゃないですか?」

「い、良いと思うよ! うん。ただ、それなら…」

 翼を組んで、顔と体を交互に見る。

「…そうだね、お化粧も変えてみよっか!」



 更に数分後、化粧品店を出た二人。はにかみながら通りを歩くアリアの姿は、田舎貴族の娘とは思えないきらびやかな様相であった。

『パーティドレス(桃)』購入!



【名前】アリア
【種族】ワーラビット
【職業】郵便配達員
【容姿】痩せ気味の体 ピンク色のロングヘアー 赤と黒のバイアイ
【能力】筋力3 敏捷7 技術3 知覚5 知恵4 魅力4 幸運7
【装備】
『パーティドレス(桃)』薄めの布地で仕立てられた、桃色のパーティドレス。スリットから覗く生足が男の視線を釘付けに。男性相手に限り魅力+2



↓1~3でコンマ最大 この後どうするか

①帰る
②散策を続ける(行き先を明記)

「今日は、ありがとうございました」

「良いの。装いも変えて心機一転ってね」



↓1 幸運+コンマが

00~07 悪漢
08~14 クシナ
15~17 「おっと、すまねえ」
18orクリティカル 悪漢…

0+7=7
0…ファンブル!



↓1 襲撃者は

00~30 この間の浮浪者
31~70 酔っぱらい
71~98 娼館の手の者
99    がたいの良いオーク

 宿舎に向かって歩いていると、アリアの肩が何かにぶつかった。

「痛っ…何しやがんだ!」

「ひっ!? ご、ごめんなさい…」

 見ると、よれよれの服を着た男が肩を押さえてこちらを睨んでいた。その目は濁り、まだ日が高いというのに顔は赤らんでいる。

「悪かったね。ほら、行くよ」

 すげなく言ってアリアを促すリーエ。

「ふざけんじゃねえっ!」

 ところが、男は追いすがると、アリアの襟首を掴んでぐいと引き寄せた。
 つい先程買ったばかりの、ピンクのドレスが音を立てて破れた。

「ああっ!?」

「! こんのっ…」

 怒ったリーエが、男の頭を容赦なく蹴りつけた。

「ぎゃっ! テメェ…」

「ああぁ…」

 手が離れて、アリアはその場に崩れ落ちた。引き裂かれた服を胸元に寄せ集め、はらはらしながら二人を見守る。
 いつの間にか辺りには、男の仲間と思しき連中が集まってきていた。

「へへっ、ナメやがって。痛い目見ねえと分かんねえみたいだな」

「どっちがさ、腰抜けめ」

「この野郎!!」



↓1 幸運+(コンマ一桁)が

00~09 誰も来ない
10~14 盗賊と魔術師
15~16 大柄な醜男
17~18 黒馬の騎士

 乱闘が始まった。男はどこからか拾ってきた棒を振り回して、リーエを威嚇する。

「り、リーエさん…」

 不安げに呟くアリア。その背後から、男の仲間の一人が忍び寄っていた。

「…そらばばばっっ!!?」

 掴みかかろうとして、突然その動きが止まった。奇妙な姿勢のまま、ガクガクと痙攣する。

「ふえっ!?」

 叫び声に、慌てて振り返る。そうして、自分たちを囲んでいた連中が次々に倒れていくのに気付いた。

「……ふぅ。これだけの術、山岳でも使ったことありませんよぉ…」

「!」

 屋台の陰からこっそり出てきた少年を見て、アリアははっとなった。

「み、ミクリさん!」

「しーっ。ほら、アレ」

 彼の指差す先では、丁度男が石畳にひっくり返されるところであった。向き合っているリーエも、目を丸くしている。
 よく見ると、男の脚には細い紐が巻きついていた。先端には、小さな重りが付いている。これで投げ縄めいて、男の足を絡め取ってしまったのであろう。

「おいおい、女二人に男ぞろぞろってのは感心しねえなあ」

 言いながら、ゆっくり歩いてきたワーラビット。

「クシナさん!」

「よっ。お前もつくづく運が無い」

「あ、あんた…」

 呆然と呟きながら、リーエが地面に降りてくる。

「別に、助けてくれなくてもアタシが」

「まあ言うなよ。旅の恥は掻き捨てって言うじゃねえか」

 それから、辺りに転がっている男たちを一瞥し、続ける。

「それに、放っといたらアリアがブチ犯されてたぜ」

「!」

 はっとアリアに駆け寄る。アリアは、彼女に抱きついた。

「アリアちゃん、ごめんね、ごめんね…」

「リーエさぁん…」

 涙ながらに抱き合う二人を尻目に、クシナは倒れている男の前にしゃがみ込んだ。

「おい、おっさん。さっきちらっと見たんだけどよ。お前、あの娘の服破いたろ」

「…」

「弁償しろよ」

 男は何も言わず、クシナに向かって唾を吐いた。クシナは敢えて避けず、肩のあたりに受けた。それから、ふんと鼻を鳴らした。

「じゃ、財布から頂戴するわ」

「っ、やめっ」

「ミクリ!」

「は、はいっ」

 帽子で顔を隠しながら、ミクリが片手を上げる。と、男の体が痙攣しだした。

「あーあ、止しゃいいのにさ」

 他人事のように言いながら、慣れた手つきで腰から財布を切り取る。そうして中身をひっくり返すと空の財布を男の鼻先に投げた。

 他人事のように言いながら、慣れた手つきで腰から財布を切り取る。そうして中身をひっくり返すと空の財布を男の鼻先に投げた。

「ッ! …!」

 なおも悪態をつこうとする男。ここでクシナは、思い出したように肩についた唾を手で拭った。それからニタっと嗤った。
 おもむろに自分のベルトに手をかけると、留め金を外した。

「く、クシナさん? クシナさーん?」

 ミクリの呼びかけを無視して、何と彼女は下に穿いているものを全部脱いでしまった。そうして、裸の下半身で男の頭を跨ぐ。

「っ!?」

 慌ててミクリが呪文を唱えると、砂煙が辺りを覆った。

「飲み足りないんだろ? ほら、迷惑料だ。受け取れよ。……んっ」

 ___ぷしゅっ
 じょろろろろろ…

 勢い良く迸った液体が、男の頭に降り注いだ。
 砂煙で視界を消しながら、ミクリが頭を抱えた。

「あー…やっちゃったぁ…」

「ほら、よく味わえ。さっき飲んだばっかりだから、ちっとは混ざってるかも知れないぜ…」



 一方、リーエはアリアを掴んで飛翔すると、砂塵を切ってその場を脱出していた。

「りっ、リーエさんっ、お礼がまだ」

「後にしときな。関係者だって思われたら、それだけで面倒よ」

 何とか宿舎に辿り着いた二人。

「折角買ったのに、これじゃ台無しね…」

「…」

 破かれて砂に塗れたドレスを前に、二人で途方に暮れた。

『パーティドレス(桃)』破損…



【名前】アリア
【種族】ワーラビット
【職業】郵便配達員
【容姿】痩せ気味の体 ピンク色のロングヘアー 赤と黒のバイアイ
【能力】筋力3 敏捷7 技術3 知覚5 知恵4 魅力4 幸運7
【装備】



「散々な目に遭ったけど、もうすぐお見合いだし、気を取り直さないと…」



↓1 アリアの働きぶり 敏捷+知覚+知能+(コンマ一桁)≧16で成功 ≧30で大成功

7+5+4+6=22 成功!

続きは多分夜な

修正忘れてたけど知恵が正しいです



敏捷+知覚+知恵+(コンマ一桁)≧16で成功 ≧30で大成功

となります



 落ち込んでばかりもいられない。いつものように働いていたある日、宿舎に帰ると件の職員が待っていた。
 前回と同じ喫茶店に入ると、職員は口を開いた。

「お相手について、更に詳しくお調べして来ました。その結果…」



↓1 コンマ一桁が

0   ???
1~3 ダメそう
4~8 良さそう
9   ???

また上げ忘れた 
このレス無効、安価下

 職員は、にっこり笑った。

「ええ、悪い噂などはありませんでしたよ。初めにお渡しした資料にはあんな風に書かれていましたが、実際は少し奥手な方なようで…あの質問書も、独身が長いことを心配された仕事場の上司の方が代わりに書かれたようで」

 改めて渡された書類に目を通す。よく見ると、以前に見たものより字が小さい。それでも全体的に角ばっている辺り、無骨な男の字に思える。今度は本人が手ずから書いたということか。
 最後まで読んでみて、どうやら危ない相手ではなさそうだという結論に達した。書いてある内容もさることながら、ところどころの言い回しというか、言葉の選び方には相手を気遣うような姿勢が透けて見えたからだ。

「じゃあ…お会いしてみたいと思います」

「良かった。では、次のお休みの日にでも…」

という訳で今夜はここまで。

次回、お見合い編。マラさん勝手に奥手な性格にしちゃったけど、良かったかな…?

あ、ちなみにマラなんてあからさまに竿役めいた名前ですが、綺麗すぎる名前を嫌って敢えてそういう風に名付ける文化もあるので問題ありません

チカパシって名前の人も実在したらしいしね



「いよいよ、今日がお見合い当日ですね…」



↓1~3でコンマ最大

①真っ直ぐ行く
②何かしてから行く(要記述)

あ!げ!わ!す!れ! 安価下

 いつもの白ワンピースに着替え、家を出たところでふと思う。
 本当なら、先週買ったドレスを着て行くつもりだったのだ。それが、トラブルで着れなくなってしまった。
 折角の機会なのだから、もう少しお洒落してみたいが…

「…そうだ、アクセサリーを見てみよう」

 幸い、集合までまだ時間がある。アリアは、服飾品の店に行くことにした。



↓1 幸運+コンマが

00~05 悪漢
06~12 特に何も起こらない
13~18 「おーい、アリアー!」



 さて、以前ドレスを買った店に近いアクセサリーショップに来たアリア。棚の商品を見て、それから値札を見た。

「うっ…今の所持金だと、厳しい…」

 浪費している意識は無いのだが、やはり元が貴族なだけあって、どうも金銭感覚にズレがある。アリアは諦めて店を出た。屋台の方なら、もう少しお手頃で良いものがあったはずだ。



 果たして、露店街には少々質が劣るものの、デザインでは高級品に引けを取らないようなアクセサリーがたくさん売られていた。値段も、アリアの手の届くものだ。
 数十分吟味した末、ようやく一つを選びだした。



↓1~3でコンマ最大 どんなアクセサリー?(宝石、貴金属はNG)

 それは、北方で取れる松を彫って作られた、小さなブローチであった。モチーフはスズランである。山岳地帯ほどでは無いものの標高が高く、涼しい気候であった彼女の故郷によく咲いていた。

「良い買い物でした♪」

 珍しく鼻歌などを歌いながら、彼女は待ち合わせのレストランへ向かった。



『木彫りのブローチ』購入!

【名前】アリア
【種族】ワーラビット
【職業】郵便配達員
【容姿】痩せ気味の体 ピンク色のロングヘアー 赤と黒のバイアイ
【能力】筋力3 敏捷7 技術3 知覚5 知恵4 魅力4 幸運7
【装備】
『白ワンピース』地味ながら仕立ての良い絹のワンピース。買い手が付くまでは、彼女もまた大事な『商品』なのである。
『木彫りのブローチ』北方から出稼ぎに来た職人が、手遊びに作ったブローチ。スズランは、彼の故郷に咲く花でもあった。魅力+1

訂正 魅力4→5





「…あっ、こっちです!」

 レストランに着くと、小さな丸テーブルの前に座っていた職員が手を振った。

「お待たせしました~…」

 促されるまま席に座る。彼女と、職員を挟んで向かいには、既に一人の大男が、小さな椅子に縮こまるようにして座っていた。

「あの…あなたが、マラさんですか?」

 すると、男は気まずそうに頷いた。それから、おずおずと顔を上げた。



↓1~3を統合 マラの見た目、口調などについて詳しく

「ど、ども…おらがマラですだ」

 たどたどしい挨拶。消え入りそうな声になりそうなものだが、どうしても音量が下げきれない。すっかり恐縮しているものの、やはりオークらしい強面で、黙っていれば大人も子供も逃げ出しそうな顔をしている。体も建築業で鍛えたらしく鋼のような筋肉に覆われているのが、いかにも一張羅らしい白いシャツの上からでも分かる。そのシャツは、先程からボタンの辺りが心許ない。

「初めまして、アリアと申します」

 アリアは、十余年の貴族生活で鍛えた社交スキルで対抗する。にっこり笑顔で挨拶すると、マラは泣きそうな顔で職員を見た。

「な、なあ、職員さん…やっぱりこんな、おらには勿体無いだよ、こんなお嬢さん…」

「まあまあ、そう怖がらずに…話してみてくださいよ。そうしたら、お互いのことも知れると思いますから」

「うぅ…親方ぁ、なんだってこんなこと…」

 一方、アリアはそんな彼の様子を見て、やはり悪い人ではなさそうだと確信した。すぐに結婚がどうとか決めるつもりはないが、会話を続けても良さそうだ。しかし、それにはまず、彼の緊張をほぐす必要があるが…



↓1~3でコンマ最大 話す話題について

今夜はここまで
安価下

「ええと、マラさんは、何かご趣味は?」

「! …」

 マラがアリアの質問に反応して、はっと彼女の方を向いた。それから、数秒考え込んだ末

「…すんません、何も思い付かないだ。やっぱ、無趣味な男は願い下げだな…」

「そ、そういうわけじゃっ…何か、好きなものとか、好きなこととか、もっとふわっとしたもので良いので」

「うーん…」

 すると、彼は顎に手を当てて考えた。それから、ぽつりぽつりと話し始めた。

「おら、仕事が長えから、帰ったら飯食って寝ちまうけど…でも、造ってる家ができた時は、やっぱいい気分だなぁ。それに、依頼主が感謝してくれたら、それは嬉しいや」

「とっても素敵ですね」

 笑顔で頷きながら、アリアは内心ほっとした。今まで恐縮しきっていたのが、少しはましになったようだ。

「…うん、意外と言えるもんだな。じゃあ、その…アリアさんは? やっぱ、ハイカラにお紅茶とか飲んだり」

「そんなことないですよ? 昔だって…」

 ここまで言って、彼女は口をつぐんだ。黙って職員に目配せする。

「…そういう流れになったら、話しても構いませんよ」

「はい…」

「?」

 きょとんとするマラ。アリアは取り繕うように言った。

「いえ…いずれ時が来たら、お話しすると思います」

「はあ…?」



↓1~3でコンマ最大 次の話題orどうするか

 話題を変えることにした。

「そう言えば、ここに来る前に書類を拝見したんですけど」

「あっ、あれはっ!」

 突然、マラが声を張り上げた。と

「痛っ」

 シャツの襟元で頑張っていたボタンが、とうとう力尽きて職員の顔目掛けて飛んでいった。そうとも知らずマラは、言い訳がましく続ける。

「最初のはおらが書いたんじゃないですだ! そもそも、お見合いの話が来てるってこと自体知らなくて…」

「あ、その辺りは伺ってますよ。それは良いんですけど、マラさんはわたしのことをどうやって知られたのかなって…実を言うと、わたしも書類らしいものを書いた記憶が無くて」

「ああ、それなら」

 彼は照れくさそうに笑った。

「そういうのは見てないですだ。こちらの人に聞いても『会えば分かる』の一点張りで…多分、アリアさんの数倍ドキドキしてただ」

「あ…」

 初めて、マラの笑顔を見た。黙っていると怖いが、笑うと中々人懐こい感じがする。きっと、人柄が滲み出ているのだろう。
 ここで、ウェイターが軽食と飲み物を持ってきた。ひとまず、食べながら会話をすることにした。



↓1~3 話題について

モチベ上がんないんで今夜はここまで。
この一件が一段落したら、アリアの話はひとまずおしまいかな

あと、マラの職業は建設作業員って書いてあったはずだけど

アリアの話がおしまいって主人交代って意味に捉えていいんかな?

>>253
まあ、そうなるな
今度はどこスタートにするか考えとかないと

「また、書類のことで申し訳ないんですけど」

 パンケーキにナイフを入れようとして、アリアはふと口を開いた。

「んっ、んぐっ…な、何ですだ?」

 口の中のものを慌てて飲み込むマラ。

「あの書類、年齢のところが空いてたんですけど、実際のところはおいくつなんですか?」

「あれっ、そんな欄があっただ? どうもすまねえ、おらは____」



↓2 マラの年齢(アリアは17歳)

例によってあげわすれ 安価下

「おらは今年で20ですだ」

「そうでしたか。あ、わたしは17歳になります。意外と近かったですね」

 ここで、職員が口を挟んだ。

「そう言えば、職場の方は貴方の年齢を把握しておられなかったようですが…」

「それは仕方ないですだ。オークは見た目で歳が分かりにくいし、誕生日とか話したことなかったから」

「仲の良い方とかは?」

 するとマラは、寂しそうに言った。

「…山岳や西の国境の向こうでは、まだおらと同じオークが、山賊やって人を襲ってるだ。こうして雇ってもらえるだけでもありがたいんだから、できるだけ人様に迷惑かけないようにしたんだ」

 それから、ふうっと息を吐いて、それから続けた。

「なあ、やっぱりお嬢さんは、おらには勿体なさすぎるだ。もっと良い人がいるだよ。だから、こんな話は断ったほうが良いと思うだ」

「…」



↓1~3でコンマ最大 何と言おうか?

「…」

 アリアは、数回瞬きをした。職員が、緊張の面持ちで唾を呑んだ。

「…そんなことないですよ」

 アリアは、微笑んだ。

「二度目に頂いた書類を読んだ時から、きっと優しい人なんだろうなって思ってました。そして、今こうして実際にあって、とっても素敵な方なんだなって改めて思いました」

「そんな…」

「それを言ったら、わたしたちワーラビットだって同じです。母の頃は、ワーラビットと言うだけで泥棒扱いされることもあったそうです」

 と、ここでクシナのことを思い出し、密かに冷や汗をかいた。

「それとも…わたしでは、受け付けませんか?」

「! そっ、そんなこと無いだよ! 綺麗だし、礼儀正しいし、おらと違って品があって…まるで、貴族の娘さんみたいな」

「! …」

 何気なく言った彼の言葉に、アリアはドキリとした。
 ……もし、話すとしたら___



↓1~3で多数決

①身の上を明かす
②明かさない

「……いいえ。わたしは『もう』、貴族ではありません」

「あっ、そうで……ん? 『もう』?」

「マラさんは、わたしの今の仕事についてお聞きになりましたか?」

「ああ、郵便局で配達をしてるって」

「ええ」

 アリアは頷いて、続けた。

「ですが、本当は今頃娼館にいるはずでした」

「なっ!?」

 仰天するマラに、アリアは自分の身に起きた出来事をつらつらと語り始めた。

「___もう、元の暮らしに未練はありません。だって、今の暮らしがあるのは、助けてくれた皆さんのおかげだから…それに、報いたいんです」

「…」

 アリアの告白に、マラは何も言えず、口をぱくぱくさせていた。

「…きっと、びっくりされたと思います」

 長引く沈黙に、とうとう職員が助け舟を出した。

「どうでしょう、少しこの辺りを散歩されては」



 昼下がりの街を、二人で歩く。ワーラビットとオークの組み合わせは珍しいらしく、好奇の目を向ける者と怖がって遠ざかる者の二つに別れた。

「マラさんは、この町は長いんですか?」

「5年くらいになるだね。おらも、山岳から流れてきた身だからなぁ」

 言いながら彼は。遠くを見るような目をした。

「ここには、色んな人が流れてくるだ。そうして、色んな人が流れていくんだな」

「そうですね…」



↓1 幸運+コンマ一桁が

00    ???
00~07 「てめえ、この間の!」
08~12 「お、親方!?」
13~17 「あっ、アリア!」
18    ???

7+8=15

↓1 コンマ判定

00~20 リーエ
21~40 クシナ
41~60 ミクリ
61~80 クシナ&ミクリ
81~99 ↑全員

 歩いていると、すれ違った一人の少年がはっと振り返った。

「あれっ、アリアさん?」

「! ミクリさん…?」

「アリアさんの知り合いだ?」

 アリアに遅れて振り返ったマラに、ミクリが飛び上がった。

「うわああっ!!? お、オークが」

「ミクリさん!」

 詠唱を始めんばかりの彼を、アリアがたしなめた。

「うえっ…? あ、アリアさんのお知り合い?」

「そうですよ。この人は、悪い人じゃありませんからね」

「ご、ごめんなさい…ついこの間、山岳地帯でオークの山賊に襲われたばっかりで」

「ああ、別に気にしてないだよ。よくあることだし…」

 マラが手を振った。ミクリは二人を交互に見て、不思議そうに尋ねた。

「…それにしても、どこで知り合ったんです? この人も郵便局の人ですか?」

「いんや、そういうわけじゃないだよ。ちょっとした、何と言うか」

「ええ、もう少ししたら分かるかも」

「?」

 きょとんとするミクリに、数秒遅れてぎょっとアリアを見るマラ。

「そう言えば、今日はクシナさんと一緒じゃないんですね」

「やだなあ、別に四六時中一緒にいるわけじゃないですよ。僕たちは…」



↓1 コンマ判定

00~80 別に何でもない
81~98 クシナに片想い
99    実は付き合ってる

 可笑しそうに笑う。

「…別に何でもありませんよ。むしろ、何であんなに出くわすんだか」

 ここまで言って、彼は

「では、僕はこの辺で」

 と、その場を去った。

「…エルフだったんだな」

「ええ。ミクリさんにも、先日助けていただいて」

「…やっぱり、ああいう整った人のほうが」

「もう、いつまで言ってるんですか。いい加減怒りますよ?」

「っ、ご、ごめんなさい…」



↓1~3でコンマ最大 どうしよう

①レストランに戻る
②もう少し歩く(行き先を記述)
③その他、要記述

 気まずい空気が流れた。
 沈黙を破ったのは、意外にもマラの方であった。

「…ちょっと、休憩していかないだか?」



 丁度近くに、噴水のある公園があった。東屋の下のベンチに腰掛けると、マラは呟くように言った。

「…この東屋は、おら達が造っただ」

「えっ?」

「思えば、この町に来て、お仕事貰って、色んなものを造っただなぁ。公園、家、それから教会の建て直しもやっただ。最初はどこに行っても逃げられて、悪口言われたりもしたけど…でも、今では少しは馴染めたかなって思うだ」

「…」

 目を輝かせて語るマラ。

「…うん、山賊暮らしが嫌で山岳の村から逃げ出して、色々あってこの町に来て…アリアさんほどじゃないけど、考えたらおらも似たようなもんだな」

「…ええ」

「お互い、根無し草で」

「でも、多くの人に支えられて」

「うん、その通りだ」

 マラは、おもむろに立ち上がって伸びをした。

「さ、そろそろ戻ろうかな」

「そうですね、職員さんも待たせてますし」



 レストランに戻ると、職員が一人でコーヒーを飲んでいた。

「…あっ、おかえりなさい。いかがでしたか、何か有意義な話はできましたか?」



↓1 魅力+15+コンマが

00~20 やっぱりおらなんて…
21~50 友達からなら…
51~90 この人なら…
91~99 必ず幸せにするだ!

 すると、マラが笑って言った。

「うん、良い話し合いができただよ」

「ええ」

 アリアも、笑顔で頷く。職員はほっとしたような、少し意外そうな顔で言った。

「それは良かった。まあ、これで全部決めるわけでもありませんし、もし良かったら連絡先の交換でもして、おいおいやっていきましょう」

「そうですね」

「うん。と、じゃあおらの住所を書いとくだ」

「あ、わたしは郵便局の宿舎に住んでるんですけど…」

………

……

 ___数年後。港町の一角に、大きな家が建った。力自慢のオークの棟梁が、新しい自宅として部下たちと共に建てたのだそうだ。

 現在彼は、ワーラビットの妻と共にこの家に暮らしている。傍目にはちぐはぐな組み合わせだが、お互いを思いやり、また周囲の者にも優しく接すると評判の夫婦であった。
 二人の家には、来客が絶えない。妻の元先輩のハーピーや、夫の職場の上司、たまに冒険者のワーラビットやエルフも足を運ぶ。
 だから妻が3人目の子を身ごもった時も、あっという間に町中に広まって、多くの人が祝いの品を持ってきたものだった。



「今度は、どっちに似るでしょうね」

「世渡りとか考えたら、アリアに似た方が良いんだろうけどなぁ。でも、どっちでもやることは変わらないんだな」

「ええ、そうね。…たくさん愛して、愛される人に育てるの」

「ああ、そうだな」

 売られた貴族の娘、アリアの物語はひとまずここまで。

 では、次の主人公に移るとしようか。……無論、明日以降で

空いた時間に初夜は書く

「ただいまー。お父さん、具合は…」

 外出から戻った少女は、玄関まで聞こえるうめき声に愕然となった。

「お父さん!!」

 寝室に駆ける。半開きのドアから滑り込むように中に入ると、ベッドの上で彼女の父親が苦しげに喘いでいた。その枕が、血で真っ赤に染まっている。

「お父さん! 大丈夫!?」

 慌てて助け起こすと、彼は焦点の定まらない目で娘を見た。

「…ああ、おかえり…」

 血塗れの唇を震わせ、かすれた声で言う。

「父さんは…もう、駄目みたいだ…」

「嫌! 死んじゃ嫌!」

 彼女は父親を寝かせると、踵を返した。

「待ってて。すぐにお医者さんを呼んでくるから」

 そう言い残すと、彼女は家を飛び出した。



↓1 敏捷判定

8…超俊足



 城下町の細い道を、彼女は風のように駆ける。目指すは、普段から父を診てもらっている医者だ。
 小さい頃から、かけっこは誰にも負けなかった。それは今も同じで、彼女は石畳の上を完璧なフォームで駆け抜けていく。

 細い道から市場に出た。広い道の両脇にはずらりと屋台が並び、人もかなり多い。真っ直ぐ走るのは難しそうだ。



↓1 技術判定

↓2 知覚判定

技術 3…ぶきっちょ

知覚 8…野生動物の如き感覚



「…別の道だ」

 人混みを縫って走るのは、止めたほうが良さそうだ。それより目的の場所に向かうには、同じ方角に向かえば良いのだ。
 彼女は、脇道に入った。手先は不器用だが、こうして周囲の状況を直感的に探るのは得意だった。

 果たして、彼女は診療所のある大通りに辿り着いた。しかし、何か様子がおかしい。具体的には、人の気配が無いのだ。
 とにかく走り出そうとして、突然肩を掴まれた。
 見ると、一人の男がしかめっ面で立っていた。鎖帷子に、帝国の紋章が刺繍された上着を纏っている。帝都の衛兵のようだ。

「嬢ちゃん、悪いけどここは通行止めだよ」

「どうして!? 急いでるのに」

「今からここを、皇太子殿下が通られるんだ。安全のためなんだよ」

「そんな…」

 彼女は、その場で地団駄を踏んだ。



↓1 知恵判定

↓2 魅力判定

知恵 0…⑨

魅力 1…まっっったく可愛くない



「駄目なものは駄目だ。殿下がお通りになるまで、そこで待ってろ」

 黙って唇を噛んだ。知恵が回れば説得もできようが、生憎彼女は読み書きすら危ういレベルで頭が悪かった。おまけに、その仕草もいちいち可愛げが無く、同情を買うことすら難しかった。

 結局、彼女が通りに出られたのは数十分後であった。
 全速力で診療所の前まで走ると、息を切らしたままドアを叩いた。



↓1 幸運判定

幸運 8…女神の加護



「はいはい今出るよ…」

 ノックから間もなく、ドアが開いた。出てきたのは、白衣を着て診療道具を小脇に抱えた医者だった。

「おや、君はあの」

「先生、お父さんが、お父さんが…」

 憔悴しきった彼女の顔に、医者の顔色が変わった。

「! よし分かった。丁度回診に行こうと思ってたところだ。このまま向かおう」

「早く、早くっ!」

 じれったそうに、彼女は医者の手を引っ張った。



↓1 筋力判定

筋力 3…細腕



「ま、待ちなさい、そんなに引っ張らなくても急ぐから…」

 言いながらも医者の歩みは、彼女にとってはナメクジのように遅かった。

 家に着くと、うめき声が聞こえない。

「!!」

 二人で寝室に走った。

「お父さん! お医者さんを連れてきたよ!」

「ご主人、今診ますからね」

 娘の声に、ぐったりしていた父親の目が薄っすらと開いた。ぼんやりと娘の顔を認め、それから医者の姿に気付いた。

「ああ…先生、どうも……ゔっ」

「喋っちゃいけない。血を吐いたせいで、空気の通る管が詰まっているようだ。今吸い出すから、じっとしていなさい」

 言いながら鞄を開け、小さなポンプと細い管を取り出す。それからポンプを娘に手渡した。

「このレバーを押したり引いたりを繰り返してくれ」

「うん!」

 言われたとおりにすると、医者は管を父親の口に突っ込んだ。ズルズルと音がして、ガラスの瓶に赤黒い血の塊が溜まっていく。

「ぐっ……げほっ、げほっ」

「どうだ、少しは楽になったか…」

 しかし、相変わらず苦しそうだ。おまけに、顔が真っ青だ。

「血が出過ぎたか…おい、しっかりしなさい! あなたが死んだら、娘さんが一人になるんだぞ!」

「っ…はぁ…」

「お父さん! お父さん死なないで! ねえ、お父さん!!」

「まずい、脈拍が弱くなってきた…君、水を沸かしてきてくれるかね」

「どうするの!?」

「塩水を注射すれば、減った血を補うことができるのだ。早く」

「わ、分かった!」



 彼女の父親は、かまどにかけた水が沸く前に息を引き取った。昔から体が弱かった彼は、それでも命と引き換えに妻が産んだ一人娘を、男で一つで育て上げてきた。
 娘は、一人になった。父親の亡骸の前では、顔も知らない人々が何かを話し合っている。しかし、その内容を少しも理解できない。

「…で、お前は」

 急に声をかけられて、彼女はびくんと竦み上がった。
 見ると、小太りの中年女がこちらをジロリと見ていた。

「これからどうするんだい? おばさんのところに来るのかい?」

「…」

 親戚なのだろうか。それにしては、冷たい声だ。それに目つきも悪い。

「ほら、早く決めておくれ。あたしゃ忙しいんだから」

「…」

 彼女は何も言わず、部屋を出た。そのまま家を出た。女は、引き留めもしなかった。



 夜の通りを、呆然と歩く。途中、フードを被った胡散臭い男が、彼女に声をかけた。

「やあ、お嬢ちゃん」

「…」

 無視して歩く彼女に、追いすがってくる。

「こんな時間に何してるのかな? 君、名前は?」



↓1~3でコンマ最大 彼女の名前、種族、年齢

「…ラカ」

「うん?」

 短い返答に、聞き返す男。その時、にわかに雲が流れて月明かりが射した。

「!」

 露わになったのは、無愛想な少女の姿。白い、すべすべした肌をしている。目を引くのは、こめかみから伸びたヒレのような器官と、首元から頬にかけてを覆う鱗であった。

「うわっ、魚人か…」

「ネレイドだっ!」

 そう叫ぶと、ラカは逃げるように走り出した。



 辿り着いたのは、噴水のある広場。

「はぁ…はぁ…」

 よろよろと噴水を覗き込む。月明かりに照らされて、自分の顔がぎょっとするほどはっきりと見えた。



↓1~3を統合 ラカの容姿について

 14歳の割に幼い顔立ちだ。水色の長髪はぼさぼさのごわごわ、目を凝らせば枝毛だらけだし、顔や体をまばらに覆う鱗はお世辞にも揃っているとは言い難い。肋骨が浮き出るほど痩せた体に女らしい起伏は少なく、黒いビキニトップに短い腰巻きという、ともすれば扇情的ですらある着衣にも関わらず色気を感じさせなかった。ちなみに、腰巻きの下は裸で、魚人らしく毛穴すら無い秘裂が密かに外気に晒されている。下着を付けていないのは、泳ぐ時に邪魔だからだ。

「…グスッ」

 水面に映る顔が、歪む。

「グスッ…ヒッ…」

 波紋が立った。それは瞬く間に増えて、彼女の顔を塗りつぶしていく。

「ヒグッ…お父さん…ヒッ、お父さぁん…」

 噴水に涙の雨を降らせながら、彼女は一人、愛する父を偲んだ。

【名前】ラカ
【種族】ネレイド
【職業】なし
【容姿】ボサボサの水色の長髪、不揃いな鱗、痩身
【能力】筋力3 敏捷8 技術3 知覚8 知恵0 魅力1 幸運8
【装備】
『ビキニトップ(黒)』濡れても駄目にならない素材でできている。
『短い腰巻き』北東の大島の伝統的な花柄の巻きスカート。パレオに近い構造のため非常にきわどい
【スキル】
『人魚化』水中に限り人魚の姿になる。敏捷、知覚+5



こんな感じでしょうか。では、続きはまたのちほど

ちなみに魅力というのは美醜と言うよりも、カリスマみたいなものだとお考えください

また、能力を上げようと思ったら行動安価の際に記述していただけると機会を設けます



今回からスキルを付けてみました。また、ラカの能力が極端なので可能性が出てきたのですが、各能力値が10以上になった場合は上がり幅に応じて他の能力にも影響してきます。
具体的には10から3上がる毎に

筋力→敏捷+1

敏捷→知覚+1

技術→筋力+1

知覚→敏捷+1

知恵→技術、魅力+1

魅力→幸運+2

幸運→クリティカルの要求値-1

となります

ネレイドというのは厳密にはギリシャ神話に出てくる女神の名前らしいです

一応このスレではネレイドを以下のように設定します

『ネレイド』
人と魚類の合いの子のような見た目の種族。肌はつるつる、というよりぬるぬるしていて、毛が無い。カツオめいて首筋と足首から先だけ鱗に覆われている。地上にいる時は閉じているが肋骨の下には大きな裂け目があり、水中ではここを開くことで鰓呼吸ができる。また、両脚をぴったりくっつけることで尾びれのように動かすこともできる。

そこまで人外はイメージしてないから…(震え声)

姉を確保しないとなのでしばらく更新はお休みです



……

………

 波打ち際に、一人のネレイドが倒れている。打ち寄せる波に、力なく揺れるその体からは、生命は既に失われている。
 その腕に、一人の赤子が抱かれていた。生まれたばかりで皮膜に覆われた小さな体を、男は震える手で抱き上げた。弱々しく寝息を立てる娘を腕に抱きながら、男はネレイドの亡骸を見つめていた。その頬を、幾筋もの涙が伝っていた。
 やがて男は、海に背を向けた。そうして、何度も振り返っては、街を目指した。

………

……





↓1 幸運+コンマが

00    輪姦
01~06 悪い人
07~10 誰もいない
11~15 心細い冒険者
16~18 善い人

8+4=12

↓1~3でコンマ最大 冒険者について(名前、種族、年齢、性別などできるだけ詳しく)

「…もしもし?」

「…」

「もしもーし、生きてますかー?」

「…!」

 はっと目を覚ます。そうして、目の前に広がる獣面に慌てて飛び退いた。
 辺りを見回すと、そこは相変わらず噴水のある広場だった。どうやら、泣き疲れてそのまま眠ってしまったらしい。

「あっ、怪しい者じゃありませんよ! たまたま通りかかったら、外で寝ているものだから…」

「…?」

 怪訝な目で、相手を見た。どうやら、ワーウルフの亜種らしい。狼の精悍さは薄く、茶色い垂れ耳に大きな垂れ目は、大人しい飼い犬のような雰囲気だ。質素だが丈夫で動きやすそうな服を着ているから、きっと冒険者か何かだろう。

「あっ、私はアトミナと言います。訳あって、旅をしている身ですが…」

「…」

 口を開かないラカに、アトミナは困ったように眉を垂らした。

「…あの、お名前は?」

「ラカ」

 素っ気なく答える。またも困った顔になるアトミナ。

「ええと…お家は? ご家族の方はおられない?」

「…ッ」

 すると、見る見るうちにラカの目が潤み始めた。口元が歪んでくる。
 アトミナの顔色が変わった。ラカの手を掴むと、ぐいと引っ張った。

「…いらっしゃい」

「どこに」

「私の泊まっている宿です。ここにいるよりは良いわ」



「…そう、お父様が亡くなられて…」

「…」

 泣きじゃくるラカに、アトミナは温めた牛乳を差し出した。

「孤児院に預けられるような年齢でもないでしょうし…あなた、何かお仕事は?」

 首を横に振る。どういうわけか父は金だけは多く持っていたし、そもそも無愛想で頭も悪い彼女が働けるような場所など無かった。

「そう…」

 またしてもアトミナは、困った顔で牛乳を啜るラカを見た。アトミナと同じような立場の人間が100人いれば、100人がこの小さな少女を放り出して立ち去るだろう。1000人集めても結果は同じかも知れない。しかし、アトミナは『超』をいくつ付けても足りないくらいお人好しだった。こうして一人旅をしているのだって、世界中の困った人たちに手を差し伸べたいという想いからであるし、たまにまとまった収入を得ても最低限だけ残して全て孤児院に寄付したり、ステップ地帯にある生家に送っているのであった。

「…これからどうしたいか、何か考えはありますか?」

「考え…?」

 きょとんとするラカ。少し先の未来さえ、一度も考えたことが無いような顔であった。

「お父様が亡くなられて、あなたは独りになりました。ですが、何でもできるようになったとも言えます。もし、あなたに何か目標があるなら…私も、出来る限りお手伝いしたいと思います」

「…」

 黙って俯く。アトミナの言うことは半分も理解できなかったが、どうやら何がしたいか考えなければいけないらしい。
 父を助け、父に育てられてきた。しかし、父はもういない。助けてくれる人も、どうやらこの目の前のワーウルフだけらしい。じゃあ、自分は今、何をしたら良いのか…?



↓ 22:00に一番近いレス 中長期的な目標

 鈍い頭で、必死に考えた。
 父が死んだ。医者も役に立たなかった。やってきた人たちは、皆冷たかった。嫌だ。楽しくない。不幸せだ…

「!」

 そこまで考えて、ふと、死の間際に父が遺した言葉を思い出した。



『…幸せに、生きてくれ。ラカ』



「……幸せに、なりたい…!」

 ラカの出した答えに、アトミナは一瞬虚を衝かれたような顔になった。それから、ゆっくりと微笑んだ。

「…ええ、そうですね」

「お父さんのいない街は、嫌だ。冷たい人は、嫌だ。あたしは、幸せに生きる!」

 訴える言葉に、アトミナが頷いた。それから立ち上がると、片手を差し出した。

「…?」

 首をひねるラカに、アトミナは優しく言った。

「幸せというのは、人によって違うものです。だから、私があなたにそのまま幸せを与えることはできません。ですが、あなたが幸せを掴む、お手伝いはできます」

「…」

「あなたが望むなら…一緒に、行きましょう」

「!」

「少なくとも、この街に留まる理由は無いはずです。ならば、一緒に幸せを探しに行きましょう。…旅は道連れ、と言いますしね」

【短期目標】『冒険に慣れる』
【中長期的目標】『幸せになる』



【名前】ラカ
【種族】ネレイド
【職業】冒険者見習い
【容姿】ボサボサの水色の長髪、不揃いな鱗、痩身
【能力】筋力3 敏捷8 技術3 知覚8 知恵0 魅力1 幸運8
【装備】
『ビキニトップ(黒)』濡れても駄目にならない素材でできている。
『短い腰巻き』北東の大島の伝統的な花柄の巻きスカート。パレオに近い構造のため非常にきわどい
【スキル】
『人魚化』水中に限り人魚の姿になる。敏捷、知覚+5



「さて、そうと決まればまずは準備です。伺った限り、旅の経験は無さそうですし…」



↓1 どうする?

①装備を整える
②ギルドで仲間集め
③行き先を決めないことには
④その他、要記述

ちなみに、どうせ全部やります

 と、ここでアトミナはラカの姿をじっと見た。ラカの服装については、先程述べた通りである。

「…そうですね、まずは動きやすい服に変えましょう」

「この服、動きやすいし泳ぎやすいけど」

「でも、それで歩き回ったら怪我しちゃいます! それに、そのスカート…」

「これ?」

 何の気なしに捲りあげる。

「っっ!!? お、下ろしてくださいっ!」

「うん」

 手を離す。アトミナは真っ赤になって言った。

「パンツも! 買いに行きますよ!」



↓1~3でコンマ最大 ラカの新しい服装

というわけで今夜はここまで。
やっと冒険者を操作できる

安価下



 数刻後。よろず屋から出てきたラカは、麻布のマントで体をすっぽりと覆っていた。頭にはつば広の帽子も被っている。マントの下に隠れているが、スカートの下にはホットパンツも穿いている。ちなみに、これを身に着けるよう説き伏せるのが最も骨が折れた。

「よし、これで大体のところは大丈夫でしょう。寒いところは厳しいですが…」



↓1 次に何する?

①ギルドで仲間集め
②行き先を決めないことには
③その他、要記述

「次はどうするの?」

「そうですね…」

 アトミナは腕組みすると、考えた。

「今までは人の多いところを、一人で旅してましたが、これからはそうもいかなくなりますね…私も、冒険者としての経験は深くありませんし…」

 やがて、ぽんと手を打った。

「決めました。折角パーティになったのです。もっと仲間を増やしましょう!」



 かくして、二人は城下町の冒険者ギルドにやってきた。この国の首都らしく、ギルドも大きい。開け放たれた入り口からは、旅装に身を固めた人々がひっきりなしに出入りしていた。

「ごめんくださーい」

 物怖じせず足を踏み入れるアトミナの後を、恐る恐るついていく。

「ようこそ、冒険者ギルド本部へ!」

「パーティのメンバーを募集したいんですけど」

「分かりました。では、こちらの用紙に記入を___」



↓1~5 パーティメンバー候補について(名前、種族(人間も可)、年齢、性別、役職など)

名前 シキ
種族 獣人(狐)と人間のハーフ
年齢 14 女
役職 忍(見習い)
めんどくさがりで忍を目指しているのもなんとなく楽そうだから
しかし大きな耳と尻尾のせいで隠密行動にはあまり向いていないことには気付いていない

ところで、アトミナの役職は何?

↓1~3でコンマ最大

じゃあ今夜はここまで。

メイド…メイド?



「…やくしょく、って何?」

 待合所で希望者が来るのを待ちながら、ラカは尋ねた。

「役職ですか? ええと、何と説明したら良いか…集団で行動する時って、誰が何の仕事をするかしかり分担することが大切なんです。人には得意不得意がありますからね」

「うん…うん?」

「その、担当する仕事を役職って言うんです。私も、あんまり意識したことは無かったんですけどね。一応、短期間お手伝いすることが多かったので、メイドということにしてあります」

「あたしは?」

「これから、ですね」

 その時、待合室に入ってきた一人の少女が、こちらに気付いて近寄ってきた。

「あの…アトミナさん、というのは、貴女ですか?」

「はい、私ですよ」

 すると、少女はほっとした顔で挨拶した。

「良かった。…シオンと申します。パーティメンバー募集の張り紙を見て、ご一緒できないかと」

「お待ちしてました。どうぞ、おかけになって」

「失礼します。…一応、剣をやってます。まだ駆け出しですが…」

 言いながらシオンは、腰に吊った細身の剣を鞘ごと持ち上げてみせた。腕につけた手甲は、傷だらけだ。

「それは頼もしいですね。私たちは…」

「おっ、話通り女の子ばっかりなんだな!」

 突然、肌の焼けた青年が割り込んできた。

「貴方は…」

「ソロド。盗賊だ。見たところ、旅慣れしてねえ娘ばっかりぽいし、オイラがいっちょ教授してやろうかなってね」

 そう言うと彼は、いきなりラカの尻を触った。

「!」

 その意味するところは知らなかったが、直感的にいけないことだと判断したラカは、さっとソロドから飛び離れた。

「おっと、連れなばっ!?」

 にやにやしながら言う彼の頭を、剣の腹が襲った。

「いっでえ!?」

「不埒者め、年端もいかぬ少女に手を出しおって」

 吐き捨てながら剣を鞘に納めたのは、尖った耳をしたエルフの女だった。革の装備からして、戦士と言うよりは野伏かハンターのようだ。

「…エルミィナだ。旅をするなら、伴にして損は無いはずだ」

 と、頭を抱えてうずくまるソロドを一瞥し、一言。

「少なくとも、この助兵衛よりはな」

「へぇ、君もハーフなんだぁ」

 そこへ、更に二人の少女が会話しながら入ってきた。片方は小柄で、見たことのない軽装をしている。その頭と腰からは、大きな狐の耳と尻尾が生えている。そして、すらりと背の高いもう片方は…

「!!」

 ラカが息を呑んだ。
 厚手の綿のジャケットに長い巻きスカートを纏ったその女。剥き出しの首元から頬にかけて、虹色の鱗に覆われていた。ラカと同じ、ネレイドだ。しかし彼女はラカとは反対に、鱗は整っているし、髪は凪いだ海のように美しく滑らかな蒼色だった。
 そっとアトミナの後ろに隠れるラカに、彼女は驚いたような顔になった。が、すぐに微笑むと、言った。

「シルー、と申します。海底遺跡や沈没船の探索を主に行ってます。トレジャーハンターというやつですね」

「ん? あぁ、うちはシキって言うんだ。忍になるために遠ーい島国から来たんだけどねー」



 さて、パーティ加入の希望者が揃った。集まった5人を見回して、アトミナは言った。

「集まっていただいて、ありがとうございます。申し訳ないのですが、この中でご一緒できるのは2人までだと思います」

 ここで、ラカの方を見た。

「…ラカさん、この先の旅の行く末を決める、大事な選択です。ここは、貴女が決めてください」


↓ 0:00まで多かった順に2人

そして今夜はここまで。

ってソロドとシキが同数か

↓ソロドorシキ 1〜3で多い方

「…」

 黙って、集まった5人を順に見る。彼女は利害に疎い。だから、直感に頼ることにした。

「…あなた」

「ん、うち? 良いよー」

 まず選んだのは、狐耳のシキ。歳が近そうだったのもある。

「それから…」

 残るは4人。シオン。ちょっと頼り無さそう。ソロド。論外。エルミィナ。何か怖い。

「…」

 最後の1人に至って、ラカはあからさまに目を逸らした。

「…?」

 首を捻る、シルー。ラカは、彼女を直視できなかった。しかし、同時に彼女こそこのパーティに最も相応しいとも感じていた。
 幸い、アトミナが彼女の意図を察した。

「シルーさん、お願いできますか?」

「ええ、喜んで」

 シルーは微笑むと、一歩前に進み出た。
 かくして、ラカの幸せを求める仲間が、ここに揃ったのであった。



「では、いよいよ行き先を決めましょう!」

「えー、まだ決めてなかったの?」

 眉をひそめるシキに、アトミナは爽やかに頷いた。

「ええ。あてのない旅ですからね。…道具や消耗品も、どこに行くかによって変わってきます」

「んー、うちは別にどこでも…できれば、暑すぎるとか寒すぎるのはやだな…」

「私は、干からびる心配がなければどこでも構いませんよ。ちょうど大きな仕事を終えたところで、懐は割りと暖かいですしね」

「…」

 ラカは一人、目をぱちくりさせる。何しろ、物心付いた時からずっと城下町で暮らしてきたのだ。外の世界など思いもよらないし、地図もほとんど読めなかった。

「そうですね…このメンバーでは、確かに北方は避けたほうが良さそうですね。ここから行けるところと言えば…」

 アトミナは、ギルドの壁に掛かった世界地図に目を遣った。



↓ 0:00まで多数決

https://imgur.com/a/yfJL7

この地図の星印のどこか1箇所。現在地は『帝都・城下町』です
地理について質問は受け付けますが、更新はここまで

北方ってのは地図外かな?
北東の大島

>>398 そうです。特に北方は今回は対象外です。



なお、地図はこちらのサイト(https://sites.google.com/site/kuusouchizukoubou/)からお借りしてます。ありがとうございます!

ステータス貼り忘れてた



【名前】ラカ
【種族】ネレイド
【職業】冒険者見習い
【容姿】ボサボサの水色の長髪、不揃いな鱗、痩身
【能力】筋力3 敏捷8 技術3 知覚8 知恵0 魅力1 幸運8
【装備】
『ビキニトップ(黒)』濡れても駄目にならない素材でできている。
『短い腰巻き』北東の大島の伝統的な花柄の巻きスカート。パレオに近い構造のため非常にきわどい
『旅人の帽子』日差し、砂塵その他諸々から頭を保護する、つば広の帽子。安物だが頑丈な造り。
『旅人の外套』麻をきつく織り込んで作ったマント。中の温度をある程度保つことができる。
『ホットパンツ』女盗賊御用達の短いパンツ。太腿が眩しい。
【スキル】
『人魚化』水中に限り人魚の姿になる。敏捷、知覚+5



他のメンバーのステータスって要ります?

「…!」

 その視線を追って、ラカははっとなった。
 額縁に収まった地図の、その中央より少し上。海の真ん中にぽっかりと浮かんだ三角形の島を目にした時、彼女の中で何か強い胸騒ぎがしたのだ。

「あの島」

「えっ?」

 ラカは立ち上がると、地図のもとまで駆けた。そうして、その島を指差した。

「北東の大島ですか?」

 シルーが首を傾げる。

「私の故郷です。もしかして、貴女も?」

 首を横に振る。ラカは、気付けばこの街で父と二人で暮らしていた。

「とは言え、この島にはネレイドが多く暮らしていると聞きます。目指してみるのは、大いに意味があると思いますよ」

 アトミナが頷いた。

「じゃあ、そこに行くのー?」

「そうですね…」

 アトミナも立ち上がり、地図を指差す。

「あの半島が、今私たちのいる帝都ですから…」

 指先を、ゆっくりと北西に滑らせる。

「こう海沿いを通って、港町に行き、そこから船に乗りましょう」



 その日は出立には遅かったので、4人で宿屋に泊まり、翌朝出発することになった。

「やり残したことがあれば、今のうちにやっておいてくださいね」



↓1〜3でコンマ最大 やっておくことがあれば

無ければ無しでも可

安価下

 こう言われたラカは、部屋の隅の鏡台に向かって髪を梳いているシルーの背後に、恐る恐る立ったのであった。

「…どうかしましたか?」

 櫛を動かす手を止め、シルーが振り返る。いつ見ても、彼女は穏やかな笑みを浮かべている。

「あ、あのっ」

「…」

 口ごもるラカ。シルーは黙って、彼女が話すのを待っている。

「…その、これがっ」

 しどろもどろに言いながら、ラカはやおらスカートを捲り上げた。下に穿いているのは、アトミナ買い与えられたホットパンツだ。

「これが、何かやだ…」

 言いながら彼女は後悔していた。
 無論、下穿きについての愚痴が本題ではなかった。同じネレイドでありながら、ずっと美しい容貌をしているシルーに引け目を感じていた彼女は、せめて旅立ちまでに少しでもこのわだかまりをどうにかしたいと考えていたのだ。

 予想外の訴えをぶつけられたシルーは、少しの間ぽかんとしていたが、やがてふふっと笑った。

「どうしてです?」

「お…泳ぐ時に、邪魔」

「では、どうして穿いているんですか?」

「アトミナに、穿けって…『はしたない』からって」

 ここで、彼女は別の疑問を解消すべく、質問した。

「『はしたない』って、何?」

「えっ!?」

 流石に、このレベルの質問が飛んでくるとは思っていなかったようだ。シルーは、ぎょっとして彼女を見た。そうして、ギルドで見た求人票に書かれていた、ラカの名前を思い出した。まるで幼児が書いたかのような、鏡文字の混じった拙い字だった。

「…はしたない、と言うのはですね」

 ここで、シルーの中に悪戯心が芽生えた。
 彼女はおもむろに立ち上がると、長い巻きスカートの、布の端に手をかけた。

「こういうことです」

 そう言うと、シルーは一瞬だけ、パレオのようになった布と布の間を、大きく開いてみせた。

「っ!!?」

 一瞬だけ見えた、スカートの中。僅かに開いた、それでも毛穴すら無い、裸の女性器がそこにあった。
 シルーもまた、下着を付けていなかったのだ。



「…シキ」

「Zzz…」

「シキ」

「…んんっ…何さ、うち、明日に備えて寝だめしてるんだけど…」

「これ、あげる」

 言いざま、ラカは脱いだばかりのホットパンツをシキに投げつけた。

「…何これ。うわっ、まだあったかい」

「あげる」

「いらないってば!?」

ラカは恥じらいを覚えた!

魅力+1



【名前】ラカ
【種族】ネレイド
【職業】冒険者見習い
【容姿】ボサボサの水色の長髪、不揃いな鱗、痩身
【能力】筋力3 敏捷8 技術3 知覚8 知恵0 魅力2 幸運8
【装備】
『ビキニトップ(黒)』濡れても駄目にならない素材でできている。
『短い腰巻き』北東の大島の伝統的な花柄の巻きスカート。パレオに近い構造のため非常にきわどい
『旅人の帽子』日差し、砂塵その他諸々から頭を保護する、つば広の帽子。安物だが頑丈な造り。
『旅人の外套』麻をきつく織り込んで作ったマント。中の温度をある程度保つことができる。
【スキル】
『人魚化』水中に限り人魚の姿になる。敏捷、知覚+5



では今夜はここまで。



「さあ、行きましょう! まずは海沿いに歩いて、”望みの岬”を目指しますよ!」

「…」

「あれ、ラカさん? 顔を朱くして、具合でも悪いんですか?」

「! な、なんでもない」

「?」

 首を捻るアトミナ。シルーはそっと目を逸らした。

「…まぁいいでしょう。では出発です!」



↓1 幸運+コンマ

00〜07 追い剥ぎ
08〜14 特に何も起こらない
15〜17 乗り合いの馬車
18    ???



 歩き始めて数刻。もうシキが音を上げだした。

「ねーえー、アトミナー。その”望みの岬”って、どのくらいかかるのー?」

「この速さだと、3日くらいでしょうか」

「うげー…」

「大丈夫ですか?」

 シルーに声をかけられて、ラカは竦み上がった。先程から彼女は、マントの下のスカートをずっと気にしている。シルーに倣って、再びパンツを脱いでしまったからだ。とは言え、以前の彼女ならスカートの中身を見られようが気にはしなかった。しかし昨日の出来事で、それが『はしたない』ことだと知ってしまった。言葉の意味は分からなかったが、どうにも気持ちが悪いような、悪くないような、妙な心地であった。

「だ、大丈夫。歩くのは平気」



↓1〜3でコンマ最大 何をする?(メンバーと会話、辺りを見回すなど)

 健脚のラカであったが、長時間の歩行は流石に堪える。だんだん、意識がぼんやりしてきた。

「…」

「あー、しんどいー…」

 少し前でぶつぶつ言いながらも、中々軽やかに歩き進めるシキ。その、頭とお尻で、揺れている

(耳と、尻尾…)

 無意識に、手を伸ばした。
 ちなみにシキの服装についてだが、袖なしの黒い前開きの服を羽織って、腰の辺りで帯を締めている。腰には細身の剣を差し、袋を幾つもぶら下げている。その短い裾からは、ふわふわの尻尾が覗いて絶えずゆらゆら揺れているのであった。

「…!」

 背後からの気配に気付いて、シキが飛び離れた。

「あっ」

「おっとー? 何のつもりかな?」

「尻尾が…気になる」

 言いながら、再び手を伸ばす。すかさず躱すシキ。

「アトミナの触ればいいでしょー?」

「やだ」

「じゃあ、簡単には触らせないよー!」

 たちまち追いかけっこが始まった。

「ちょっと、二人とも!」

「あぁ…」

 シノビというのは足が速いらしく、起伏のある海沿いの道をシキは風のように走る。しかし、そこは俊足のラカ。少し距離は開くものの、喰らいついて離さない。

「うわっ、まだ追ってくる!?」

「尻尾…耳…」

 とうとうアトミナとシルーの姿が見えないくらいに走ったところで、シキが折れた。
 その夜。思う存分もふもふされたシキは、不貞腐れてすぐに寝入ってしまった。その尻尾を枕に、疲れ果てたラカも寝息を立てたのであった。

人いなさそうなので今夜はここまで

↓1 幸運+コンマが

00〜30 夜襲
31〜50 ???
51〜80 ????
81〜   「旅人どの…」

8+69=77

↓1

①ラカ「シルー、何してるの…?」
②アトミナ「…」

 皆が寝静まった後で、ラカはふと目を覚ました。

「…?」

 目を擦ると、ランプが灯っているのに気付く。

「…」

 見ると、小さな明かりの下でアトミナが羊皮紙を広げていた。

「アトミナ…?」

「おや、起きちゃいましたか」

 ラカの声に気付いて、アトミナが顔を向ける。

「何してるの?」

「地図を確認していました。方角を間違えたら大変ですからね」

「ふうん…」

 何となく起き上がると、彼女の隣に移動して地図に目を遣った。

「ここが目的地ですよ」

 彼女が指差す先には、大きな三角形の島が描かれている。

「…これ、何て書いてあるの」

「えっ?」

 アトミナがきょとんとする。ラカは、島に重なって書かれた文字を指差した。

「これ」

「名前を書く時にもしやとは思いましたが…貴女、読み書きは」

「少し」

 頭を抱えるアトミナ。

「…学校は」

「…?」

 今度はラカの方が首を傾げた。もう一度、身の上について聞いたほうが良い。そう思いながらも、アトミナは地図の文字を指差した。

「北東の大島、と書いてあります」

「ほくとうのだいとう?」

「北東は北と東の間。大島は大きな島、という意味ですよ」

「きた…ひがし…」

「東というのは、太陽が登る方です。北は…ここからだと…」

 空を見上げ、それからある星を見つけ出す。

「あそこに、明るい星がありますよね」

「うん…?」

「あの星がある方が、北です。北の反対にあるのが南で、東の反対にあるのが西ですね。これは方角というモノで…」

「……」

 アトミナの講義は、空が白くなるまで続いた…

地図が読めるようになった!
字が少し読めるようになった!

知恵+1



【名前】ラカ
【種族】ネレイド
【職業】冒険者見習い
【容姿】ボサボサの水色の長髪、不揃いな鱗、痩身
【能力】筋力3 敏捷8 技術3 知覚8 知恵1 魅力2 幸運8
【装備】
『ビキニトップ(黒)』濡れても駄目にならない素材でできている。
『短い腰巻き』北東の大島の伝統的な花柄の巻きスカート。パレオに近い構造のため非常にきわどい
『旅人の帽子』日差し、砂塵その他諸々から頭を保護する、つば広の帽子。安物だが頑丈な造り。
『旅人の外套』麻をきつく織り込んで作ったマント。中の温度をある程度保つことができる。
【スキル】
『人魚化』水中に限り人魚の姿になる。敏捷、知覚+5





「…」

「うわ、目付き悪っ」

「眠れませんでしたか?」

 心配そうに尋ねるシルー。ラカは恨めしげにアトミナを見た。

「か、片付けも済みましたし、そろそろ出発ですっ!」



↓1 幸運+コンマが

00〜40 盗賊
41〜70 特に何も起こらない
71〜90 行商人
91〜   ???

8+27=35

↓1 幸運+コンマ1桁が

00〜02 完全包囲
03〜09 こちらと同じくらいの規模
10〜17 2人組
18    駆け出し1人

8+2=10

↓1〜5でコンマが大きい順に2つ 盗賊について(名前、種族、年齢、性別など クシナなど既に出た盗賊でも可)

そして今夜はここまで。

リリアーヌ
妖精族 16歳(人間換算) ♀
背も胸も小さい(一般的人型種族の手のひらに乗る程度の大きさ。オナホールにも最適?)
相方の腰巾着的存在。おつむはそれほど良くない
美味しいご飯を食べさせてくれるパートナーの事を心から信頼しており、兄貴(あるいは姉御)と慕っている
パートナーが彼女の事をどう思っているか(舎弟的な関係か、それとも体のいいパシリ程度にしか思っていないか)はその人物次第ということでお願いしたいです

【これまでのあらすじ】

最愛の父を亡くした、孤独なネレイドの少女ラカ。
家を飛び出した彼女は、ワーウルフのアトミナと出会い、自らの幸せを探す旅に出ることを決意した。
冒険者ギルドにて、シノビ見習いの獣人シキ、そしてトレジャーハンターでラカと同じネレイドのシルーを仲間に加え、遂に出発する。
順調に行くかと思われた旅路であったが、道中、盗賊に襲われてしまい……



 海沿いを進む一行。と、先頭を歩くシキの足がにわかに止まった。

「どうしました?」

 アトミナの問いかけに、彼女は黙って空を見上げた。その視線を追って、ラカはぎょっとした。
 大きな翼の生えた何かが、彼女らの頭上を旋回していたのだ。
 それは4人の視線に気付くと、地面に降りてきた。そうして、開口一番こう言った。

「てめえら、有り金全部置いてきな!!」

「…?」

 シキは何も言わず、眉間にしわを寄せた。『何だコイツ』と、顔に書いてある。
 肩を怒らせて迫るのは、一人の青年。麻のズボンに革の胸当てという軽装で、片手に短刀を握っている。いかにも盗賊の下っ端と言った風情。だが、剥き出しのその肩からは、一対の見事な翼が生えていた。翼人族だ。

「おい、何とか言いやがれ」

「あ、あの」

 アトミナが、おずおずと口を開いた。

「盗賊さん、ですか?」

「おう、それ以外の何に見えるってんだ! いいから、金を出せ!」

 威勢は良いが、いまいち迫力に欠ける。それに翼人族と言えば、先祖代々の誇りを重んじる、間違っても盗賊になどならなそうな種族である。何か、訳があるのかも。そう考えて、アトミナは話し合いを始めようとした。



↓1 ラカの知覚+敏捷+コンマ1桁が

00〜03 致命の一撃
04〜10 痛い
11〜20 回避
21〜   捕獲

↓2 アトミナの知覚(4)+敏捷(4)+コンマ1桁が以下同文

↓3 シキの知覚(7+1)+敏捷(10)+コンマ1桁が以下同文

↓4 シルーの知覚(7)+敏捷(9)+コンマ1桁が以下同文

ラカ 8+8+5=21 捕獲

判定終了



「…」

 その様子を黙ってみていたラカは、不意に後ろ首の辺りに、奇妙な風がぶつかったのに気付いた。

「…ふん!」

 その、風の出処めがけて、手を突き出す。

「……きゃああっ!!?」

 次の瞬間、伸ばした彼女の拳の中から、甲高い悲鳴が飛び出した。

「! リリア!」

 それを聞いた翼人の顔が、一瞬にして真っ青になった。
 ラカは、自分の手の中に捕まったものを見た。それは、丁度ラカの手のひらに乗る程度の大きさの、小さな雌の妖精だった。

「は、はなせ、はなせぇ!」

 ラカの手の中でジタバタもがく妖精。

「放せよ! リリアを放せ! 放してくれよぉ…」

 翼人に至っては、泣きじゃくりながら懇願し始めた。
 アトミナが、ラカを見る。ラカは、アトミナを見て、翼人を見て、それから妖精を見た。

「…悪いこと、もうしないで」

 そう言うとラカは、そっと手を開いた。

「デグぅ〜〜!!」

「リリア!」

 妖精は翼人のもとへ飛んでいくと、彼の頬にしがみついて泣き出した。
 そこへ、アトミナが歩み寄った。できるだけにこやかに、穏やかに、彼女は切り出した。

「…何が、あったのですか」

リハビリがてら今日はここまで

パーティのステータスを開示しときます
ラカ
筋力3 敏捷8 技術3 知覚8 知恵1 魅力2 幸運8 

アトミナ
筋力4 敏捷6 技術6 知覚4 知恵6 魅力5 幸運8

シキ
筋力4 敏捷10 技術7 知覚7(+1) 知恵4 魅力3 幸運3

シルー
筋力5 敏捷9 技術6 知覚7 知恵7 魅力13 幸運2(+4)

 確かに、今のメンバーは戦いが得意ではなさそうだ。襲ってきたのがこの駆け出し盗賊でなければ、こっちがやられていたかもしれない。

「…取り敢えず、港町までは」

「嫌だぞ」

 即答するデグアーネ。

「…」

 ラカは、助けを求めるようにアトミナを見た。



↓ どうやって引き入れる?

①説得する
②脅す

↓1 筋力+コンマ1桁が

00〜09 失敗
10〜15 成功
16〜   完全服従

3+4=7≦9 失敗…


「いいから…一緒に、来い!」

 胸を反らし、凄んで見せる。が

「なんだよ、それ」

 デグアーネは白けた顔をした。それから、くるりと背を向けると

「あばよ」

 ばさりと翼を広げ、飛んで行ってしまった。その後を、リリアーヌも追いかけていった。

ひとまずここまで



「ここが”望みの岬”です!」

 辿り着いたのは、崖の上の小さな集落であった。活気に乏しい家々の向こうに、背の高い塔が建っている。

「山岳からやってきた人が、ここが地の果てと喜んだとも、逃げてきた恋人たちが天界への望みを胸に、あの崖から身を投げたとも言われています」

「うげー…」

 露骨に嫌そうな顔をするシキ。ラカは尋ねた。

「ここで何をするの」

「ひとまず、食べ物や水などを買い揃えましょう。明日一日は、この町でゆっくりしましょうね」



「ただいま戻りました」

 必要な品々を買い揃えて、アトミナとシルーが宿屋に戻ってきた。寂れた宿で、通された部屋にはやけに大きなベッドが2つ並んでいた。

「ベッドの割り振りは決めましたか?」

「うん」

 ラカは頷いた。



↓1のコンマ ラカと一緒のベッドは 

00〜50 アトミナ
51〜80 シキ
81〜99 シルー



 その夜。先にベッドの上で布団を被っていたラカの隣に、一人の女が音もなく滑り込んできた。いつもの習慣なのか、一糸纏わぬ姿で彼女に寄ってきた、その女は

「…起こしてしまいましたか?」

 彼女と旅を共にする美しいネレイド、シルーであった。

「…ううん」

 消え入りそうな声で答える、ラカ。
 彼女は、同種族でありながら自分と違って整った容姿を持ち、自立して生活しているシルーに、未だに引け目を感じていた。だから、寝床の割り振りを決める際には、彼女と一緒になることだけは避けたかった。
 しかし、一緒に割り振りを決めたシキは、あくまでラカとシルーが一緒に寝るべきだと主張した。結局押し切られて、ネレイド同士、一つのベッドを共有することになったのであった。

「…」

「…」

 気まずい沈黙。そっと距離を取ろうとするラカに、シルーは手を伸ばした。

「!」

「ラカさん…」

 シルーは、ラカの背中に囁いた。

「もし良かったら、お話しませんか?」

「…うん」



↓1〜3でコンマ最大 話題について

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