!CAUTION!
・地の文なし
・モバマスSSですが仮面ライダー関連のネタが多少出ています。クロスではないです
(知らなくても読めるようになっていると思いますが、全く知らないと多少読みにくいかもしれません)
!CAUTION!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1505240441
―プロデューサールーム―
南条光「おはよう、プロデューサー!」
モバP「おはようさん。ってゲーマドライバー持ってきたのか」
南条 「ビルドはじまったから、さっきエグゼイドの劇場版見直してきたんだ!
あ、もちろん映画館ではバッグの中に入れてたぞ」
P 「キースラッシャーまで……どっちも音鳴るからアストロスイッチみたいに持ち出すのは無理だよな。
せっかく持ってきたんだし、衣装合わせ前に少し遊んでたらどうだ」
南条 「本当か!?」
P 「誕生日に禁止事項で縛るってもイヤだしな。
でもあんまやってると時間なくなるから1回が限度か。あと終わったらちゃんと片づけろよー」
南条 「ああ、散らかしてたらメイドヒーローなアタシの名折れだからなっ!」
『ガッチャーン!ダブルアーップ!』
南条 「マイティマイティブラザーズ!ダブルエーックス!」
P (にしてもムテキとか時止めとかがあって、1人が2人になるくらいじゃ今さら驚かないもんだな……ん?)
P 「……アレ?」
南条 「どうしたんだ、プロデューサー?」
P 「なんか今、光が2人いたように見えてな……」
南条 「え!? いや、いくら2人になるガシャットでも本当にはならないぞ!」
P 「ああ、そりゃそうだよな。気のせいだ、気のせい」
南条 「それならいいけど……疲れてるならエナドリ買ってこようか?」
P 「大丈夫だ、自分で買ってくる。光は先に衣装室行っててくれ」
南条 「わかった、よーし行くぞっ!」
(ドドドドドッ)
-事務所・自販機前-
P 「あー、疲れてんだな……眼精疲労かなんかかな。
いっそ50人くらいに分身するとかならはっきり幻覚ってわかるんだが」
南条?「プロデューサー、だよな?」
・南条光(?)
http://i.imgur.com/FgUziVq.jpg
P 「あれ? 引き返してきたのか」
南条?「いや、なんか今アタシの声が聞こえたような気がして……」
P 「気のせいって言ったろ? 無理に気を回すなって。
にしても、ここまで担当アイドルに配慮されるようじゃ自分も二流だな」
(ドドドドドッ)
南条 「プロデューサー!!
さっきガシャット片づけないで行っちゃったから戻ってき……た……」
P 「え? あれ、光?」
南条?「……アタシがもう一人?」
南条 「アタシがお前で!?」
南条?「お前がアタシィ!?」
P 「ナンジョウシスターズXXとかワケわからねえよ!どうなってんだコレ!」
―応接室―
南条 「まさか鏡なしで自分の顔を見る日が来るとは……」
南条?「見れば見るほどそっくりだ……」
P 「服が違ったからいいようなものの、正直同じ格好してたらオレも判別つかんな。
んー、どう呼んだものか」
南条 「新南条で!」
P 「お前ね……ええと、とりあえずシャツが青い方が南条、黄色い方がヒカルでいいか。
で、なんだ。とりあえずヒカルがここに来る少し前くらいの話をしてくれないか?
どうもオレのことを知ってるみたいだし、事務所の構造にも慣れてる風だけど」
ヒカル「ええと、『ショータイム・イリュージョン』って新しい衣装出来たから衣装室行ったんだけど、
そこで姿見の前に立ったらいきなり吸い込まれて……。
で、部屋を出てデスクまで戻ってきたらこんなことに」
P 「ショータイム・イリュージョン……はじめて聞くな」
ヒカル「ええっ、久々の全員分新衣装だーってプロデューサーものすごい張り切ってたぞ!」
P 「全員!? ウチの事務所はユニット単位でしか共通衣装用意してないんだが……。
規模大きめのマーチングバンドだって18人止まりだ」
南条 「あとこれから見に行くのはメイド服だし、それ以外で一番新しい衣装って『ジャスティスブレイズ』だぞ」
ヒカル「な、なぜメイド服なんだ!? 変装か!
それとも南条はヒーローの夢が枯れちゃったのか……?」
南条 「違うぞ! メイドもまたアイドルとヒーローにつながってる!
前に進むだけがヒーローじゃないんだ!」
ヒカル「おおっ、そういうことなのか! やるな南条!」
南条 「ヒカルもヒーローへの熱が伝わってきたぞ! すごいな!」
P 「自画自賛なのかすらもうよくわからん……。
見た目以上に色々違うのはわかったが、状況的にはラチが開かん。
そもそもなんで2人いるんだ」
南条 「え? そこはもうアレでしょ」
ヒカル「アタシも来た時点でわかってたよ」
P 「はい?」
南条・ヒカル「「パラレルワールド!!」」
P 「……それ、簡単に受け入れちゃっていいのか?」
南条 「いいんだよ! プロデューサーだって仮面ライダー大戦のファイズも納得して見てたじゃないか!」
ヒカル「ライダーってのはよくわからないけど、鏡を通ってもう一つの世界に行くのは王道だぁ!」
南条・ヒカル「「熱血ぅ♪ あたっくぅー♪」」
P 「わかったからダンボール叩きながら歌うのやめい!
まぁ本人同士で仲がいいのはいいんだけどさ……。
どうせ元々衣装合わせで行くんだし、まずは行き来の場所になった衣装室に行くかね」
南条 「でもプロデューサー、2人揃ってるところを見られたら問題あるんじゃないか?」
ヒカル「そうだな、765プロの双海姉妹も2人で出るまで正体隠してたって言うぞ。
なんか、頭からすっぽり被れるようなのがないかな」
P 「そう言われても、都合よくそんなのあるはず……」
南条 「? どうしたんだ?」
P 「……いや、都合ってのは思ったよりいいもんだと思ってな」
-衣装室-
衣装さん「それじゃ、袖回りだけ直しておきますね」
P 「よろしくお願いします。
ちょっとこの後、他の衣装も見ておきたいんですが」
衣装さん「はい。私は手直しかけに別室行くので、ご自由にどうぞ」
P 「ありがとうございます」
南条 「調整入るってことは、アタシの背が伸びたってことかな!」
P 「衣装の方が長過ぎたんだよ。今度のは和風メイドで元々袖がかなり長いからな。
あ、ヒカルの方ももう動いて大丈夫だぞ」
ヒカル「よーし!(ズーン)」
南条 「……ぴにゃこら太の着ぐるみとか、なんでデスクの方にあったんだろう」
P 「それとなく衣装さんから聞き出したが、誰かが衣装室から持ち出したらしい。
ただ、オレも含めてあの着ぐるみが必要なネタは出してない。
穂乃香ちゃんが度々持ち出してるから彼女かと思ったが、どうも彼女でもないらしい。
にしても、ずいぶんとヒカルは着ぐるみに慣れてるな」
ヒカル「まぁ何度も着てるしね! DJぴにゃの中にもたまに入ってるから」
南条 「DJぴにゃ?」
ヒカル「ライブ中に現れて、アイドルと曲の組み合わせをミックスして決めちゃう人気企画だ!」
P 「なんだそりゃ……」
ヒカル「この間は輝子さんにラブレター当てちゃって、サビでデスレターになってた」
南条 「曲知らなくてもタイトルだけで嫌な予感しかしないぞ……」
P 「まぁ、慣れてる理由はわかった。気をつけて脱いでくれ」
ヒカル「わかった、動きは慣れてても視界は良くないしな」
P 「で、これが問題の姿見?」
ヒカル「ああ、これで間違いないぞ」
南条 「普通の鏡だな。モノ自体に問題があるわけじゃないのか?」
P 「一見してわかるような異常だったら、とっくに騒ぎになってるだろ。
いくら隅っことはいえ……む?」
南条 「なんか光ってるぞ!」
ヒカル「これ、アタシが吸い込まれた時に見た光だ!」
南条 「ってことは何かが出てくるのか?」
P 「とりあえず隠れろ! こいつを仕組んだ犯人が出てくるかもしれない!」
南条・ヒカル「「了解だっ!!」」
みく 「ふぅ、あと2匹……なんとか、こっちの自分に迷惑かけずに終わりそうだにゃ。
とりあえずこっそりここから出て……」
P 「……おい」
みく 「いぃ!? Pチャン、なんでここに!?」
P 「衣装室なんだから衣装合わせにいておかしくないだろ。 それより今のはなんだ?」
みく 「えーと、『ダイスDEシンデレラ』?の衣装チェックに……」
P 「そういうことじゃない、なんで鏡から出てきた。ヒカルと関係あるのか?」
みく 「光ちゃん? それってどういう……」
『マイティブラザーズ! ダブルエーックス!』
南条・ヒカル「「スーパープレイを見せてやる!」」
ヒカル「……で、いいんだっけ」
南条 「そうだぞ! 1回見ただけで覚えるとはさすがだ!」
みく 「えーっと……こことみくの方とで2人分?」
P 「そういうことらしいな。ちょっと署まで来てもらうぞ」
みく 「え”っ、ちょ、Pチャンやめるにゃあ!」
P 「うおっ!? これ手袋じゃなくてマジの肉球か!?」
ヒカル「ならぴにゃぐるみで掴む!」
南条 「アタシは先行偵察だ!」
みく 「な、なんでこうなるにゃあ~!」
-応接室-
P 「……つまりなんだ、異世界の怪物が逃げたのをみく同士協力して処理してたら、
うっかり違う世界につながって逃げ場を増やした挙句、事情知らないヒカルまで巻き込まれちゃったと?」
みく 「そ、そういうことにゃ……ケルベロス姉さんのうっかりだから過程は知らにゃいけど」
P 「しかもそれがぴにゃこら太の姿をしていると!」
みく 「だからうっかり人目に触れても騒ぎにならないよう、着ぐるみ置いてカモフラージュしてたの!」
P 「そういうみくに見てほしいものがある」
P 「先ほど撮った写真だが、何か言うことは?」
みく 「……パンは世界を救う?」
P 「もう騒ぎになりかけてるだろうっての!
みちるが個人的に見つけたのをデスク直行で持ってこなかったら、今頃グレムリン並みのブラックコメディだ!
パラレルワールドっていうなら、相談してくれりゃあキチンと対策も組めたのに」
みく 「ヨソの世界とはいえ、アイドルがガチで戦ってるの知ったらPチャンめっちゃ心配するでしょ!?
こっちも自分の方のPチャンには黙ってるし、バラしたってなったらあーどうしよう!」
P 「いや、どうもしないけどさ……みちるがハンティングした分引いてあと1匹でいいんだな?」
みく 「そうにゃ。それも目星がついてるにゃ! それがココ!」
南条 「ここって、応接室!?」
みく 「こっそり色々探したけど、ここだけは日中Pチャンやちひろさんが近くにいるし、
夜は衣装室の方が施錠されちゃうから見てないの! 他は探し終えた以上ここにいるはずにゃ!」
ヒカル「でもさっき入った時に特に怪しいのは見当たらなかったぞ」
P 「さっきも何も、昨日もその前もそんな怪しいもんないだろ」
みく 「まぁ、みくから見ても特に何も見えないけど」
P 「ダメじゃん……他に隠れてるとこ考えた方がいいかもな」
南条 「ちょっと待った、アレじゃないか?」
P 「アレって……ダンボール?」
ヒカル「あ、そっか。さっき派手に叩いちゃったけど、中身詰まってる音しなかったぞ」
南条 「でも重さは感じるんだ。つまり、きっちり詰められないモノが入ってるってこと!」
\パッカーン/
ぴにゃ「ぴにゃあ!」
P 「本当にいた!?」
ヒカル「着ぐるみより小さいけど、間違いなくぴにゃだ……」
南条 「晶葉博士のロボットってワケでもなさそうだな!」
みく 「よーし、みくに任せるにゃ!
にくきゅうドーン!」
バキィ!
ぴにゃ「ぴーにゃにゃにゃーにゃー!」
みく 「にゃあ!? い、一撃で倒し切れてにゃい!?」
P 「くっ、2人は逃げろ!」
南条 「プロデューサー!」
ガッ!ガッ!ガッ!ドガッ!
P 「くっそ、ドアをブチ抜いてくとか……みく、大丈夫か?」
みく 「大丈夫、って言いたいけど足をやられちゃったにゃ。
あと一発、いい一撃当てればいけるのに!」
P 「一発ね……オレがなんとかしたいが、こっちも背中やられてな」
みく 「Pチャン!」
P 「足やられたんなら、みくはここにいろ。
オレはなんとか追ってみる。騒ぎになる以上に、南条達が心配だ……」
-プロデューサーデスク-
ぴにゃ「ぴにゃーにゃー!」
P 「暴れてる割に逃げ足は遅いんだな。なら!」
ぴにゃ「ぴんにゃあ!」
P 「だが反応が早過ぎる……! どうする!?」
南条 「なら今こそ!」
ヒカル「アタシ達の出番だ!」
P 「!? 無茶だ、2人とも!
いくらあと一発ったって、玩具で怪物倒す気か!?
ヒカルも着ぐるみでどうこうできる相手じゃない!」
南条 「だからって止まらないよ! ここで、唯一無二の相棒を守る!」
ヒカル「ああ! 立ち上らなかったらアタシじゃない!」
みく 「……Pチャン」
P 「お前、這ってきたのか?」
みく 「今はあの子を信じるにゃ」
P 「みくみたいに、ミスタルシアだかイスタルシアだかで手に入れた戦闘力もないのにか?」
みく 「それでもあの子達はPチャンのために挑んでるのにゃ!」
P 「だからって2人が、南条光が傷つくのを見てろと!?」
みく 「傷ついたって、アイドルはいつだって前を進むもの!
それを誰より知ってるのはPチャンのはずにゃあ!」
P 「……!!」
南条 「たとえ見たもの、聞いたものが違っても……」
ヒカル「ヒーローを通じてアタシ達が得たものは変わらない!」
南条・ヒカル「「みんなに笑顔と勇気を届けるために、アタシは立つ!!」」
『ジャジャジャッキーン!』
ぴにゃ「ぴんにゃにゃんあ!」
南条 「本物みたいに射撃はできなくとも、他2つならいい当たりになるはず!」
ヒカル「まずはアタシが逃げ場を封じる!」
ぴにゃ「ぴにゃ!」
スカッ
南条 「大丈夫か!?」
ヒカル「手を引っ込めたから当たってない!
それより、今度はそっちに行くよ!」
南条 「よし、一旦パス!」
ぴにゃ「ぴにゃあああ!」
ボスッ
南条 「か、壁に穴が……転がってなかったら危なかったぜ」
ヒカル「でも壁にめり込んだおかげで隙ができた! 今だ!」
ガンッガンッ
ヒカル「さすがに簡単にはトドメにならないか!」
南条 「でもビクンビクンしてるよ!
最後はアタシが思いっきりいってみる!」
ヒカル「頼んだ!パース!」
南条 「アタシの背の高さなら肩はここらへんのはず!
よし、飛び乗って! 受け取って!」
『スパパパーン!』
ぴにゃ「ぴん………にゃあ!」
南条 「アタシ2人分の高さからフィニッシュだーー!」
バキバキッ!!
ぴにゃ「にゃああああ………」
ヒカル「き、消えた! 最後のぴにゃを倒した!」
南条 「やったぞ! プロデューサーも無事だ!」
P 「嘘だろ、本当にやったのか……?」
みく 「2つの世界に、1つの心。多分それは光チャンだけじゃないにゃ。
でも、今2人いる光チャンはそれが一番はっきりしてる。
そんなあの子達を信頼してほしかったのにゃ」
P 「わかってるつもりだったんだけどな。
ヒーローとアイドルを真っすぐつないでるあの子が、どれだけ強く在ろうとしてるのか」
南条 「よし、あとは片づけとプロデューサーとみくさんの治療だ!」
ヒカル「いくぞー!」
P 「あー悪ぃ、ちょっと手荒はヤメうおぅ!?」
ビリィ!!
南条 「ああっ、スーツが背中から割けてる!?」
P 「2つのスーツに1つの身体ね……あー痛てて」
-衣装室-
みく 「本当にPチャン達には迷惑かけたにゃ……」
P 「まぁ迷惑は否定しないが、表沙汰にならないで済んだのも事実だ。
そのあたりは今お空の上だかにいるっていう、ウチの方のみくに言うさ」
みく 「うをー……」
P 「まぁプロデューサーである以上、何もなしってワケにはいかんからね。
それより今度はきちんと帰れるんだよな?」
みく 「それは問題ないにゃ。ヒカルちゃんはみくが責任持って連れていくよ」
ヒカル「……短かったけど、これでお別れだ。
衣装とか特撮とかこっちにないものに興味はあるけど、
アタシのプロデューサーも心配してるはずだから」
南条 「ああ。でも、さよならは言わないっ!
離れていてもアタシ達はいつも一緒にいる!」
ヒカル「そうだな! だから――」
南条・ヒカル「「またな!」」
南条 「……行っちゃった、か」
P 「全部夢みたいに思えるよな。
南条が2人いて、動くぴにゃこら太の魔物を本当に倒すとかさ」
南条 「うん。でも、夢じゃないさ」
P 「南条が……いや、光がそういうなら夢じゃない、か。
そうだ、パーティにはちと早いがこれをやろう」
南条 「これって、DXガシャコンキースラッシャー!?」
P 「ぴにゃをブン殴った時にバッキリ割れたからな、代わりがいるだろ?」
南条 「でもコレ、どうやって買ったんだ?
ビルドがはじまってる今だとどこにでもあるものじゃないぞ」
P 「……買った、とは言ってない」
南条 「まさかプロデューサーさんのか!?」
P 「替えのスーツ取ってくるついでに持ってきた。
勤務先と自宅が近くて、これほど嬉しかったことはないな。
光がみんなの笑顔を勇気を守るなら、オレは光の笑顔を守る。
近いおかげでそれができたんだからな」
南条 「よし、大事にする。絶対だ!」
みちる「あ、光ちゃんここにいたんですか!
もう準備できてますよ! あんぱん美味しいです!」
南条 「もう食べてる……」
P 「ぴにゃも捕まえられるワケだ……って感心してるとこじゃないな。
オレ達も行こう。誕生日パーティの主役だ、光!」
南条 「おおーっ!!」
[END]
終了でございます。
南条光、誕生日おめでとう!
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