静香「疲れる毎日」 (99)


未来「わー! 本物の静香ちゃんだー!」
未来「わー! 本物の静香ちゃんだー!」【ミリマス】 - SSまとめ速報
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静香「夢の線上で」
静香「夢の線上で」 - SSまとめ速報
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↑の二つの書き直し&続きです。

※大らかな心で見てください
※今度はエタらないように頑張ります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1505220190

事務所


未来「わー! 本物の静香ちゃんだー!」

静香「え? 何言ってるのよ未来」

未来「すごーい! 本物だー! 可愛いー!」

静香「ちょ、ちょっと」

未来「髪も凄い綺麗だし、スタイルいいし、ほんとにほんとに静香ちゃんだぁ!」

静香「み、未来ってば……」

未来「静香ちゃーん!」

静香「ちょっと未来! い、いきなり抱き付いてこないでよ! 恥ずかしいでしょ!」

未来「えー?」

静香(いつもスキンシップ多い子だとは思ってたけどこんなに激しい子だったかしら!?)

静香「……ねぇ未来、今日の貴女少し変じゃない?」

未来「そ、そうかな~?」

静香「何て言うか…… ううん、上手く言葉に出来ないけど少し違うような……」

未来「そ~んなこと無いよぉ~ 私春日未来だよ~」

静香「そう、何て言うか…… 軽い?」

未来「軽い!?」

未来「そ、それより静香ちゃん 今日って美希…… さんと真さんって事務所に居ないの?」

静香「え? 美希さんなら向こうで寝てると思うけど……」

未来「行ってくる!」

静香「あ、ちょっと未来!」

美希「……」

未来「ほ、本物だ…… 本当に…… 本当に三次元に、目の前に美希が居る…… !」

未来「ね、眠ってる? 眠ってるなら…… 」

未来「あぁやばい美希可愛い、ちょっと近付いただけで凄くいい匂いする。 金髪もチョー綺麗だしほんと最高、やっぱり美希だわ……」

未来「あれ…… そう言えば私って確か先輩にいきなり抱き付いても大丈夫なキャラだよね? だったら……」

未来「あぁヤバイ、ヤバイ、こんなことが起きるなんてほんと春日未来で良かった嬉しい、本物の美希に会えてしかも全身で美希を感じられるなんて……」

未来「じゃあ遠慮なく、美希ぃ~~~」

静香「ちょっと未来!」

未来「し、静香ちゃん!?」

静香「何してるの?」

未来「いや~ 美希に会えたから取り合えずぎゅーって……」

静香「美希さん眠ってるんだから起こしちゃダメでしょ」

未来「えぇっ! だってこんな近くに本物の美希が居るんだよ!?」

静香「美希『さん』でしょ、変なこと言ってないでもうレッスンの時間よ」

未来「あぁ! 美希が~ 美希ぃ~!」

未来「ほっ、ほっ…… あれ? こ、ここのステップどうするんだっけ…… ?」

静香「えぇ? この前はそこ出来ていたじゃない」

未来「ご、ごめん…… 」

静香「もう…… 疲れてるの?」

未来「そ、そうかも、あはは……」

静香「少し休憩でもしてる?」

未来「うん、そうするね~」

未来「いや~…… やっぱり昨日の徹夜が効いたわ……」

静香「え、未来貴女徹夜したの!? 夜更かしはダメだってあれほど!」

未来「い、いやいやしてないしてない! 私はしてないからっ!」

静香「?」

静香「ん、未来 飲み物は?」

未来「あれ? 忘れちゃったかも」

静香「それなら私の水飲んでもいいわよ」

未来「えっ! いいの!?」

静香「いいけど……」

未来「し、静香ちゃんの飲んだ水…… 」

静香「何よその表現……」

未来「あー、でも…… うん、いいよいいよ! 後でお茶買ってくるから!」

静香「そう? 遠慮なんてしなくてもいいのに」

未来「それよりさ、ちょっと座って静香ちゃんの動き見てていい?」

静香「? まぁいいけど……」

未来「やったぁ」

静香「1,2,3,4」

未来「わ~」

静香(未来から凄い視線を感じる…… やりにくい……)

未来「ねぇ静香ちゃん、ちょっと歌ってみて」

静香「え、なんで? 今日はダンスレッスンのはずでしょ?」

未来「えっと…… 静香ちゃんの歌が聞いてみたい、なぁ~ って?」

静香「普段からよく聞いてるでしょ?」

未来「だって静香ちゃんの声って凄い綺麗だし…… ダメ?」

静香「そ、そう? まぁちょっと歌うだけなら……」

静香「♪~」

未来「やっぱり静香ちゃんもすっごい歌上手いんだね!」

静香「あ、ありがと……」

未来「ほんと…… 何て言うか…… 『歌姫』! って感じ」

静香「ほ、誉めすぎよ…… 私なんてまだ」

未来「そんなことないって! 静香ちゃんなら絶対なれるよ! トップアイドル!」

静香「え…… み、未来…… ?」

未来「私がする! 静香ちゃんをトップアイドルに!」

静香「え? 未来が? 何で?」

未来「あー…… いや~、その~…… な、なろう! 一緒にトップアイドルに!」

静香「…… ええ、もちろんよ!」

未来「ねぇ! それよりこの後カラオケ行かない? もっと静香ちゃんの歌聞きたい」

静香「この後って…… 今日のレッスン終わりの時間は6時よ?」

未来「えっ、ダメ?」

静香「ダメに決まってるでしょ? そんな時間からカラオケに行ったら帰りは何時になると思ってるの? 未来の両親だって心配するでしょ?」

未来「あー…… そっか……」

未来「じゃあさ、今日お泊まり会しよ! 私の家で!」

静香「そんないきなりなんて無理よ、何も用意してないし、未来の家族にも迷惑でしょ?」

未来「お泊まりセットならうちに…… あ」

静香「?」

未来「そっか…… それもダメだなぁ……」

未来「それなら…… せめて一緒に帰ろ?」

静香「まぁ…… それならいいけど……」

未来「うん、なるべくゆっくり…… ゆっくりね?」

静香「ねぇ未来、やっぱり今日の未来少し変じゃなかった?」

未来「そうかな~?」

静香「そうよ、いきなり『美希!』って言い出したり、レッスンも何か変だったし、何より話し方が…… 何かこう……」

未来「うーん…… やっぱり静香ちゃんにはわかっちゃうのかな」

静香「え?」

未来「ね、私が今日変だった理由教えてあげようか?」

静香「何か理由があったの?」

未来「それはね~」

未来「静香ちゃんに会えて嬉しかったから!」

静香「え? いつも会ってるじゃない」

未来「ううん、今日静香ちゃんに会えたのは特別なことで、それももうすぐ終わり」

静香「何言ってるの?」

未来「静香ちゃんは私のこと好き?」

静香「え…… いきなり何よ」

未来「私は静香ちゃんのこと大好きー!」

静香「ちょ、ちょっと…… いきなり抱き付いたりしないでって!」

未来「ねぇ静香ちゃんは? 私のこと好き?」

静香「それは…… まぁ……」

未来「ううん、それじゃあダメ、それじゃあわたしに伝わらないよ」

静香「はぁ?」

未来「好きなら好きって、はっきりちゃんと言ってあげて、例えばこんな風に……」

未来「静香ちゃん、大好き! 世界一大好きっ!」

静香「み、未来!?」

未来「ほら、次は静香ちゃんの番だよ」

静香「私……」

静香「……」

静香「私も

未来「待って!」

静香「え?」

未来「その続きはまた今度 明日のわたしに伝えて欲しいな」

未来「ばいばい静香ちゃん! 会えて良かった!」

静香「え! ちょっと未来っ!」

静香「ほんと、何だったのかしら、今日の未来」

静香「未来は…… 私のこと……」

静香「……」

静香「明日、そう言ってたわよね」

次の日


静香「ね、ねぇ未来」

未来「何? 静香ちゃん」

静香「昨日のことだけど……」

未来「昨日?」

静香「ほら…… 一緒に帰った時のことよ」

未来「昨日…… あっ!」

静香「ま、まさか貴女忘れてるの……」

未来「え、えっとそれはちょっと事情があって……」

未来「そうだ、それより聞いてよ! わたしこの前すっごく面白いことがあって!」

静香「み~ら~い…… !」

未来「え…… お、怒ってる…… ?」

静香「もう! 未来のバカっ! 大嫌い!」

未来「え、えぇ~!?」

また次の日


静香「はぁ……」

静香「『入れ替わってた』って何よ……」

静香「私は本当に未来のことを……」

静香「て言うか入れ替わってたとしたらあれは誰だったのよ! 私の心勝手に掻き乱して…… !」

静香「あんな思わせ振りなこと言って、明らかに悪意があるじゃない!」

静香「でも、きっとあの人は好きな人に素直に『好き』って言える強い人なんだろうな……」

静香「弱虫な私と違って……」


未来「おはよ! 静香ちゃん」

静香「あっ、未来…… おはよう」

未来「元気ないの?」

静香「ううん、そんなことないわよ」

未来「あっ! もしかして……」

未来「静香ちゃんも誰かと入れ替わってるの!?」

静香「そんなわけないでしょ!」

未来「う~ん何か元気無さそうだからそうかな~って思ったんだけどなぁ」

静香「そんなにころころ人が入れ替わるわけ無いでしょ……」

未来「あ、そう言えばわたしと入れ替わってた人ってどんな人だった?」

静香「どんな…… あんまり未来と変わらなかったかも」

未来「そうなの?」

静香「ええ、誰にでもすぐに抱き付きそうなところがよく似てたわ」

未来「わ、わたしそんなことしてる、かな…… ?」

静香「してるわよ」

静香「それと軽々しく『大好き』って言うところとか、思わせ振りなこと言うところとか……」

未来「思わせ振り?」

静香「そうよ、すぐに誰にでも『大好き』って言って回ってるわよ」

未来「わ、わたしそんなことしないよ! 『大好き』なんて静香ちゃんにしか言わないよ! ……多分」

静香「そこは言い切りなさいよ!」

静香「入れ替わってた未来に『大好き』って言われて無駄にドキドキしちゃったわ」

未来「え! 静香ちゃんは入れ替わってたわたしの方が好きなの!?」

静香「なんでそうなるのよ……」

未来「わたしはこんなに静香ちゃんのこと好きなのに~」

静香「ふ~ん……」

未来「し、静香ちゃん…… ?」

静香「あの人も軽いって思ってたけど、未来も十分軽いわね……」

未来「か、軽い?」

静香「何でも無いわ」

未来「そ、それより静香ちゃんは? 静香ちゃんはわたしのこと好きじゃないの?」

静香「私? 私は……」

静香「す……」

未来「あっ! 好きなんだね! これって相思相愛だよね! やったー!」

静香「あっ…… もう!」

静香(これじゃあ当分告白なんて出来そうにないわね……)

静香(ごめんなさいね、『未来さん』 貴女のアシスト、生かせそうに無いわ)

静香「で、そう言えば未来は入れ替わってた時何してたの?」

未来「えっとねー」


* * *


未来「ううん……」

未来「ふわぁ…… 朝かな~……」

未来「ん……」

未来「ここ…… どこ…… ?」

未来「あれあれあれ!? えっ! どうしてどうして!?」

未来「えーと、えーと、ってうわっ!」

未来「何か躓いた…… このお部屋物が多いよ~……」

未来「あっ! 猫! 猫が居る! わたし猫大好き! にゃんにゃ~ん」

ミシェル「……」

未来「にゃ~ん」

ミシェル「たったた」

未来「あれ…… 逃げちゃった……」

未来「ん、誰か居…… なんだ鏡か……」

未来「えっ! 鏡!?」

未来「鏡ってことはこれがわたし!?」

未来「金髪で…… 大人のお姉さん…… ?」

未来「あれ…… でも最近こういう映画見た気がする……」

未来「そっか! わたし入れ替わったんだ!」

未来「そっか~ だから知らない所に居るんだ~」

未来「せっかくだし色々やっちゃお~」

未来「ん、誰か居…… なんだ鏡か……」

未来「えっ! 鏡!?」

未来「鏡ってことはこれがわたし!?」

未来「金髪で…… 大人のお姉さん…… ?」

未来「あれ…… でも最近こういう映画見た気がする……」

未来「そっか! わたし入れ替わったんだ!」

未来「そっか~ だから知らない所に居るんだ~」

未来「せっかくだし色々やっちゃお~」

未来「ん、このブルーレイ 何かのライブかなー? 見てみよ~」

未来「えっ、これって…… わたし達の曲?」

未来「あっ! お姉さんだ! このお姉さんってアイドルだったの!?」

未来「これ…… 今度はわたしの曲だ!」

未来「凄い! お姉さん達もアイドルで、こんなにファンのみんなと盛り上がって!」

未来「そうだ! 静香ちゃんにこのこと教えてあげよっと」

未来「えっと静香ちゃん、静香ちゃん……」

未来「あれ~ 静香ちゃんの連絡先見つからないよ~」

未来「あっ…… そっか…… わたし今このお姉さんと入れ替わってるからこのケータイってお姉さんのなんだ……」

未来「あれ? そう言えばここってどこ!? わたしどうやったら戻れるの!?」

未来「どうしよどうしよ~! 助けて静香ちゃ~ん」

一旦切ります。
続きはそのうち

ちょうど一つめの範囲か、懐かしい
一旦乙です

>>2
春日未来(14)Vo/Pr
http://i.imgur.com/vZOB6Zf.jpg
http://i.imgur.com/o8ck3Pc.jpg

最上静香(14)Vo/Fa
http://i.imgur.com/RfKzcHF.jpg
http://i.imgur.com/8sWo3P2.jpg

>>4
星井美希(15)Vi/An
http://i.imgur.com/wN2KrGu.jpg
http://i.imgur.com/dEsfqIb.jpg

>>18
ミシェル
http://i.imgur.com/dUsYhVn.jpg

楽屋


「……ず ……あず」

静香(…… ん、私眠ってたのかしら、リハーサル前なのに、疲れがたまってたのかな)

「ころあず、起きてころあず」

静香(この声…… 未来? 今日は未来は来てなかったと思うんだけど)

静香「ごめんなさい未来、少し眠ってたわ」

ぴょん「あ、良かったー 結構ぐっすり寝てたからこのまま背負って帰らなくちゃいけないのかなーって思ったよー」

静香「え……」

静香(だ、誰この人…… ? ていうかよく見たらここ劇場じゃないわ!)

ぴょん「ん、どしたの?」

静香「きゃっ!」

静香(これ…… 鏡よね!? てことはこれ私!?)

ぴょん「本当どうしたの…… ? どこか具合悪い?」

静香「……」

静香(…… そっか、きっとこれは前に未来が言ってた『入れ替わってる』って奴ね)

静香(つまり私は今『ころあず』さんとしてここに居るってことで)

静香(きっと『入れ替わり』なんて言って信じてもらえないだろうし、怪しまれないように上手く切り抜けないと……)

静香「ううん気付いたら眠ってて、いきなり声かけられたから驚いちゃっただけよ」

ぴょん「そっか良かったー、あんまり待たせちゃったから怒ったのかと思って心配しちゃった」

静香「ううん、そんなこと無いわよ」

ぴょん「それじゃあ行こっか」

静香「ええ」

静香(ど、どこに行くのかしら……)

静香(でもある意味ラッキーかも、この人『ころあず』さんの知り合いみたいだし、この人に着いて行けば悪いようにはならないわよね、多分……)

ぴょん「タクシー!」

運転手「どこまで行きますか?」

ぴょん「◯◯駅までお願いします」

ぴょん「ふふっ、何かこうやって移動にタクシー使ってると芸能人って感じするよね」

静香「そ、そうかもね……」

静香(発想が未来と同レベルだわ……)

静香(それよりこの人のこと調べなきゃ、携帯は…… パスワードロックされてるし無理ね)

静香(あっ…… そう言えば楽屋に確か『山崎はるか』って書いてあったはず…… それならこの人は『山崎はるか』さん、かしら)

ぴょん「ね、ころあず」

静香「な、何?」

ぴょん「いやさっきから黙って難しい顔してるしどうしたのかなーって」

静香「そ、そんなこと無いわよ」

ぴょん「あ! もしかして緊張してる?」

静香「緊張?」

ぴょん「私の家でお泊まりって結構久々だよね~」

静香(お、お泊まり…… !?)

ぴょん「明日はお仕事午後からだからさ…… ね?」

静香(えっ! 手握られた…… ?)

ぴょん「楽しみ…… だね」

静香「そ、そうね……」

静香(え、え…… ? これってまさか……)

静香(私…… どうなっちゃうの…… ?)

最寄駅


運転手「ここで大丈夫ですか?」

ぴょん「はい、ありがとうございます」

ぴょん「それじゃ、ちょっと歩こっか」

静香「え、ええ」

ぴょん「手、繋いでいこっか」

静香「えっ!?」

ぴょん「家まで少しだけどさ、恋人気分…… みたいな?」

静香「う、うん……」

静香(な、何この状況……)

静香(なんで私さっき初めて会った人と恋人繋ぎして、そのままお泊まりしようとしてるの……)

静香(『恋人気分』って言ってたけど、この二人付き合ってるんじゃないの? この沈黙してる感じだってそれこそ付き合い初めのカップルみたいだし……)

ぴょん「ねぇ」

静香「な、何?」

静香(あと、この未来に似た声もまだ慣れない…… 声だけ聞いてるとまるで未来とデートしてるみたいだし)

ぴょん「手汗凄くない?」

静香「えっ!?」

ぴょん「ほら見て、ころあずの手 こんな汗かいてるよ」

静香「……」

静香(この人はなんでデリカシー無いところまで未来と似てるのよ!)

静香「もう! ほっといてよ!」

ぴょん「あはは なんか面白くてさ~」

ぴょん宅


ぴょん「着いたね」

静香「お、お邪魔します……」

静香(着いてしまったわ……)

ぴょん「じゃあころあずの分のパジャマ出すからそこで待ってて」

静香「う、うん」

静香(この人の家に私の分のパジャマがあるってことはやっぱり……)

静香「それにしても……」

静香(この部屋、なんでダンボールがこんなに沢山あるんだろう)

静香(引っ越したばっかりって訳でも無さそうだし…… 中は何かしら……)

静香「漫画…… かしら…… ?」

静香「……」

静香「……」

静香「ナニコレ」

ぴょん「お待たせ~、ってもー何読んでるの」

静香「あっ! え、えっと…… ごめんなさい!」

ぴょん「あ、別に謝らなくてもいいけど」

静香「て、違うわ何よこれ! こんなもの見えるところに置いとかないで!」

ぴょん「えー、そんな今さら」

静香「て言うかもっと片付けなさい!」

ぴょん「これでもころあずが来るから頑張って片付けたのに~」

静香「ダンボールに詰め込むのは片付けじゃないのよ!」

ぴょん「でもサイズぴったりだし」

静香「そういう話じゃなくて! 多過ぎるのよ少し捨てなさい!」

ぴょん「えぇ! これは私の宝物なんだよ!? 捨てるなんて絶対ダメ!」

静香「もう、ほんと信じられない…… いつの間にそんな趣味になったのよ未来は……」

ぴょん「え?」

静香「あっ!」

静香(しまったつい『未来』って……)

静香「は、はるか…… ?」

ぴょん「え?」

静香(ち、違った? 『山崎はるか』さんじゃなかった……)

静香(ど、どうしよう…… 名前呼び間違えてこの二人の関係が悪くなったら…… 私責任取れないわよ……)

ぴょん「『はるか』って、ふふっ 下の名前そのまま呼ぶなんて珍しい~」

静香(だ、大丈夫…… だったのかしら)

ぴょん「そうだよね、せっかく二人きりなんだし今日は特別な呼び方しよっか? あずさ」

静香「う、うん…… はるか」

静香(何かどんどん引き返せなくなってるような……)

ぴょん「ご飯出来たよー」

静香「ありがとう」

静香(落ち着いてご飯食べてる場合じゃないわよね……)

静香「ん、おいしい……」

ぴょん「ほんと? ありがとう」

静香「ええ、とってもおいしいわ……」

ぴょん「あずさのことを思って作ったからね」

静香「あ、ありがとう……」

静香(胃もたれしてきたかも……)

静香(もういっそ私は『ころあず』さんじゃないって言った方が……)

ぴょん「♪~」

静香(無理ね…… こんな楽しそうにしてる人に対してそんなこと言うのは)

ぴょん「お風呂、どっちが先に入る?」

静香「貴女か

ぴょん「そだ! 一緒に入る!?」

静香「い、嫌よ!」

ぴょん「えー…… ?」

静香「あ、いや その、やっぱり一緒に入るのは…… ちょっと……」

ぴょん「私とあずさの仲なのに?」

静香「っ……!?」

静香(や、やっぱり『お泊まり』をよくするような関係なら一緒にお風呂くらい当然なのかしら……)

静香「え、えと……」

ぴょん「ふふ、ごめんごめん やっぱり一緒にお風呂入るのは少し恥ずかしいよね、先入ってきていいよ」

静香「あ、ありがとう…… はるか……」

ぴょん「ん!」

ぴょん「お風呂も上がったし、髪も乾かしたし、次は~」

静香「寝ましょうか」

ぴょん「えぇ! もう!?」

静香「だってもう11時よ? 早く寝ないと健康にも悪いわよ」

ぴょん「え~ せっかく二人で見るためにブルーレイ用意してきたのに~」

静香「それに…… 私もう眠いわ……」

ぴょん「うぅ~ それじゃあベッドでガールズトークしよ……」

静香「まぁ寝る前に少し話すくらいなら……」

静香「……あれ」

静香「ねぇ、私が眠る布団は?」

ぴょん「え、一緒に寝るでしょ?」

静香「え……」

静香「ええええっ!?」

ぴょん吉「えっ、そんな驚くとこ?」

静香「…… あ、ごめん」

静香(こ、この二人はそういう関係なんだからそのくらい覚悟しなくちゃダメよね)

静香(き、きっと二人一緒に寝て…… その……)

静香「そ、そうね 私もはるかと一緒に寝たいわ」

ぴょん吉「ふふ…… ばーんっ」

静香「きゃっ! ちょっと何するのよ!」

ぴょん吉「押し倒した?」

静香「そ、そういうこと聞いてるんじゃなくて!」

ぴょん吉「私もたまにはオオカミさんになろうかな~ って」

静香「え、やだやだやだやだ!」

ぴょん吉「口ではそうやって言うけど……」

静香「ま、待って待って待って!」

静香(や、やだ この人本気の目してる…… これって本当に……)

ぴょん吉「ね…… 目閉じてよ」

静香(か、顔近い! ダメダメダメダメ……)

静香(やだ…… 私ファーストキスなのよ…… いやこれは他の人の体だから厳密にはファーストキスにならないのかもしれないけど!)

静香(でも…… それでも…… 今日初めて会った人と人違いされたまま初めてのキスを奪われるなんて嫌!)

静香(それに…… きっとキスだけじゃ終わらないわよね…… キスの先のもっと……)

静香(あぁ…… 助けて、助けてよ未来! 私は初めては貴女としたかったの!)

静香「う~……」

静香「ん~……」

静香「…… ん?」

ぴょん吉「ぷっ……」

静香「…… え?」

ぴょん吉「ふふふ……」

静香「し、しないの…… ?」

ぴょん吉「いやぁ…… さっきから目を閉じてぷるぷる震えてるの見てるのが面白くて……」

ぴょん吉「ねぇ、あなた静香ちゃんでしょ? 最上静香ちゃん」

静香「えっ!?」

静香「な、何言ってるのよ 私は……

ぴょん吉「うん、ころあずと体が入れ替わったんだよね? 私も経験したことある、て言うか会ったことあるよね私たち」

静香「え…… ?」

ぴょん吉「ほら、この前私が未来と入れ替わってた時」

静香「あ、貴女あの時の…… !」

ぴょん吉「ふふっ、ほんと静香ちゃんは純真で可愛いね~」

静香「~~っっ……!」

ぴょん吉「途中で気付いたんだけど静香ちゃんの反応見るのが面白かったからついイタズラしちゃった ごめんね」

静香「いつから私だと……」

ぴょん吉「んー、うちに着く前にはそうなんじゃないかなーって思ってたかな」

静香「大分前から気付いてるじゃないですか!」

静香「どこでころあずさんじゃないとわかったんですか?」

ぴょん吉「んー、挙動不審なところとか、ちょっと発言が変なところとかもあるけど、やっぱり一番は私に甘えてこないところかな」

静香「…… ノロケですか?」

ぴょん吉「うん、ころあずとだったらもっとイチャイチャしてたんじゃないかなー?」

静香「もういいです……」

ぴょん吉「それじゃ、ガールズトーク再開しよっか!」

静香「ちょ、ちょっと待ってください! 私はころあずさんじゃないんだから別の布団で」

ぴょん吉「静香ちゃんはもう実質私の家族みたいなものだから全然オッケーだよ!」

静香「私が気にするんです!」

ぴょん吉「一緒に寝ようよ~」

静香「うぅ……」

静香(この人…… 未来より押しが強い……)

静香「…… で、何を話すんですか」

ぴょん吉「うん、未来のことを聞かせて欲しいな」

静香「未来のこと?」

ぴょん吉「そう、静香ちゃんは未来と仲いいでしょ? だから未来のこといっぱい聞かせて欲しくて」

静香「そう言われても…… 未来の何を話せば」

ぴょん吉「じゃあ…… 静香ちゃんって未来と付き合えた?」

静香「いきなりなんですかその質問!」

ぴょん吉「いやこの前そっち行った時さ~ てっきりもう二人付き合ってるもんだと思ったら案外そうでもなくて」

ぴょん吉「だからいい感じに手伝ってあげようかなーって、どうだった?」

静香「余計なお世話です!」

ぴょん吉「でさ、付き合えた? デートした? ちゅーとかした?」

静香「つ、つつ…… あぁ もう!」

ぴょん吉「ふふっ、中学生には刺激が強すぎた?」

静香「私のことはいいから! 何か別の話! 例えば…… 今私と入れ替わってる『ころあず』さんの話とか」

ぴょん吉「おっ、いいね ころあずのことなら何でも知ってるから、何でも聞いて」

静香「じゃあ…… えっと、その…… 貴女とこのころあずさんはどういう関係で……」

ぴょん吉「え? 嫁だよ」

静香「はっ!?」

ぴょん吉「私たち結婚してるの!」

静香「…… 嘘ですよね」

ぴょん吉「あ、バレた?」

静香「悪い大人の顔してました」

ぴょん吉「ころあずの好きなところは~」

静香(聞いてないのに語り始めたわ……)

ぴょん吉「私に甘えてくるところとか、たまに拗ねるところとかもなんだけど」

ぴょん吉「ふともものさわり心地とかがね~」

静香「ひゃっ! ちょっと何するんですかセクハラで訴えますよ! 中学生に手を出すなんて……」

ぴょん吉「えー? 今はころあずの体でしょー?」

静香「セクハラするならころあずさんとやってください!」

ぴょん吉「いや~ ころあずこういうのイヤがるからさ~ 静香ちゃんだったら」

静香「私も嫌です!」

ぴょん吉「まぁまぁそう言わず~ 一夜だけの関係でしょ~?」

静香「変な言い方しないでください!」

結局、2時くらいにはるかさんが眠るまで、永遠こんな話の繰り返しでした

こんなことになるなら付いていかなければよかった……

静香(そう言えば私と入れ替わったころあずさんは今ごろどうしているんだろ……)

一旦ここまで、明日はころあず編書きます。

>>38 以降
ぴょん吉→ぴょん
です…… 修正ミスった……

「……かさん! しずかさん!」

ころあず「うぅん……」

ころあず(あれ…… わたしいつの間に眠ってたっけ…… 確か今日はぴょんさんと一緒に帰るから楽屋で待ってたはずなんだけど)

「静香さん! 時間ですよ!」

ころあず「えっ!? わ、わたし何か忘れてた?」

星梨花「あっ、やっと起きた リハーサルの時間ですよ静香さん!」

ころあず「えっ! えっ!?」

星梨花「ほら早くしないと」

ころあず「あ、あなた…… 箱崎星梨花!?」

星梨花「えっ…… そうですけど…… どうしたんですか静香さん?」

ころあず「し、静香さんって……」

ころあず(あれ…… 鏡に映ってるのって…… 最上ちゃん!?)

ころあず(こ、これってもしかしてまさか……)

ころあず(入れ替わってるー!?)


ころあず(ど、どうしよう……)

ころあず(いきなり最上ちゃんと入れ替わって、しかもライブ当日だなんて……)

星梨花「杏奈ちゃん、ほら着替えて」

杏奈「うん……」

ころあず(うわ~、みんな見たことある娘ばっかり……)

ころあず(わたしほんとにミリオンライブの世界に来ちゃったんだ……)

ころあず(そう言えばぴょんさんが前に『本物の静香ちゃんと会った!』って言ってた気がする……)

ころあず(あの時はまた変な夢見てるのか、ゲームの話か何かだと思ってたけど……)

星梨花「はいこれ、今日の行程です」

ころあず「ありがと星梨花ちゃ…… 星梨花」

ころあず(今日のセトリ…… 良かった! 歌うのは全部静香ちゃんの持ち歌だし、これなら何とかなりそう……)

志保「ちょっと静香」

ころあず「は、はいっ!」

志保「遅れてくるなんて何考えてるの? 今日の公演のリーダーは貴女なのよ?」

ころあず「えっ! わたしがリーダーなの!?」

志保「っ! ふざけてるの!」

ころあず「ご、ごめんなさいー!」

ころあず(うわー…… 志保さんってこんな怖かったっけ~)

志保「…… 静香ってこんな張り合い無い娘だったかしら」

恵美「それじゃあリハ始めるよ~」

ころあず(体が入れ替わってても声は同じはずだから…… いつもの感じで歌えば大丈夫!)

ころあず「♪~」


* * *


恵美「うん、オッケー!」

ころあず「ありがとうございました」

星梨花「それじゃあ次はわたしですね」


星梨花「♪~」


志保「可愛い……」

ころあず「え? 何か言った?」

志保「えっ、いや別に……」

ころあず「?」

ころあず(そんなこんなであっという間に開場の時間、今まで経験したことの無い、本物の『最上静香』としてのライブが始まるんだ……)

ころあず「皆さんようこそ!」

「765プロライブシアターへ!」

ころあず「それではまずこの曲を聞いてください」



ころあず(それにしても…… 何か凄い体が軽い…… 若いっていいなぁ)

ころあず「それでは、順番に自己紹介をさせていただきます」

ころあず「まずはわたし、今日の公演でリーダーを務めさせていただきます最上静香役のたどっ」

星梨花「『役』?」

杏奈「『たど』?」

志保「っ!?」

ころあず(ま、間違えた~ ついいつもの感じで……)

ころあず「ご、ごめんなさい 緊張してて」

ころあず「改めて、最上静香です」

星梨花「ふふふ、今日の静香さんは少しうっかりさんですね さっきは裏でうたたねしてたんですよ」

ころあず「ちょ、ちょっと星梨花!」

星梨花「はい、箱崎星梨花です」

杏奈「みんなー! 元気~? 今日も杏奈に、応援くださ~い!」

\応援するよー!/

杏奈「はいっ! 望月杏奈ですっ!」

ころあず(わ~ 杏奈ちゃんってほんとにステージだと元気いっぱいなんだ~)

志保「北沢志保です、今日は来てくれたみなさん全員に『来て良かった、また来たいな』って思ってもらえるようなライブにしたいと思います」

ころあず(志保さんはかっこいいな~)

ころあず「それじゃあ歌う前に少しお喋りしようか!」

星梨花「はーい」

ころあず「最近何かハマってるものとかありますか?」

杏奈「はーい!」

ころあず「それじゃあ杏奈」

杏奈「最近発売された……ってゲーム!」

星梨花「あ、この前やってたあれですね」

ころあず「杏奈はやっぱりゲーム好きだね~」

杏奈「うん! 発売日に開店前から並んだの!」

星梨花「今度わたしにも遊ばせてもらえますか?」

杏奈「いいよ! 一緒にやろっ!」

杏奈「志保も、ねっ?」

志保「あ、うん……」

ころあず(あぁ…… いいなこのゆる~い感じ……)

星梨花「静香さんは何かありますか? ハマってるもの」

ころあず「わたし? わたしは~……」

ころあず「最近洗濯機にハマってるの!」

星梨花「洗濯機…… ですか?」

ころあず「そう! 洗濯機がぐるぐる回ってるのをぼーっと眺めてるのが楽しくて」

星梨花「えっと……」

杏奈「…… ?」

ころあず「あれ?」

星梨花「静香さん…… 疲れてるんですか? もし辛いことがあったらいつでもわたしや他のみんなのこと頼っていいんですよ?」

ころあず「え? え? わたし何か変なこと言った?」

志保「いやすっごい変でしょ!」

星梨花「えっ?」

志保「あ…… うん、私も変だと思うわ」

星梨花「志保さん 今日は元気ですね!」

杏奈「何か良いことあったの?」

志保「べ、別に……」

ころあず「それではそろそろ時間なので、ここからはソロ曲のメドレーコーナーです!」

杏奈「最初に歌うのは?」

星梨花「はい! わたしです!」

志保「それじゃ、私たちは下がりましょうか」

舞台袖


ころあず「うぅ…… 星梨花ちゃんにまで心配されるなんて~ そんな変かなー?」

志保「……」

杏奈「志保、お水…… いる?」

志保「……」

杏奈「志保?」

志保「あっ、いいわ 大丈夫」

ころあず「どうしたの志保? ずっとステージ見て」

志保「うるさいわね、何でも無いわよ」

ころあず(うぅ…… 最上ちゃんと志保さんってこんなに仲悪かったの~?)

志保「……」

志保「可愛い……」

杏奈「え?」

ころあず「今、志保『可愛い』って」

志保「…… 気のせいよ」

ころあず「いや、はっきりと言ったよね?」

志保「その…… 参考にしようと思ったの! 星梨花の可愛さを!」

杏奈「志保が…… 星梨花みたいになるの…… ?」

ころあず「あはは何それ~ 似合わないよ~」

志保「いいでしょ別に! 私が可愛さ求めても!」

星梨花「みなさん、ありがとうございましたー!」

ころあず「あっ、次志保の番だよ」

志保「わかってるわ」

ころあず「頑張ってね~」

星梨花「次は北沢志保ちゃんのステージです、どうぞ!」


中略


星梨花「ソロコーナーも終わったところで、次はクイズコーナーです!」

杏奈「いえーい!」

志保「……」

ころあず「い、いえー!」

星梨花「今日の回答者は静香さん! 静香さんの得意なジャンルのクイズに挑戦してもらいます!」

ころあず(クイズか~ 自信無いな~……)

星梨花「では問題です!」

ころあず「よし! やるぞ!」

星梨花「うどんやそばの一番食べやすい長さ、という意味の言葉 『そば八寸うどん◯尺』さて何でしょうか?」

ころあず「えー……」

ころあず(そうだよね…… 最上ちゃんならうどんの問題だよね…… うーんわからないよ~)

ころあず「え~と、え~と……」

杏奈「嘘……」

星梨花「あの静香さんがうどんの問題で悩むなんて……」

ころあず「あ~ 『尺』って何~ わかんない~!」

星梨花「ふ、不正解です……」

杏奈「静香…… どこか具合悪いの…… ?」

星梨花「うどんの問題を間違えるなんて……」

ころあず「ご、ごめんなさい……」

ライブ終了後


ころあず「ふぅ…… 何とか無事に終わった……」

星梨花「お疲れさまです! 静香さん」

ころあず「お、おつかれ星梨花」

星梨花「今日の静香さん様子が変でしたけど、何処か悪いところあるんですか? わたし心配です」

ころあず(あ~ 星梨花ちゃん優しいな~…… ほんとに天使みたい……)

ころあず(でも何だろ…… 声が同じだからもちょにバカにされてる感じがちょっとだけする……)

ころあず「だ、大丈夫…… 大丈夫よ」

星梨花「無理だけはしないでくださいね」

ころあず「う、うん……」

ころあず(これ以上星梨花ちゃんの近くに居るとバレそうだしどっかいこ……)

ころあず「あれ…… 志保?」

志保「ぶつぶつ……」

ころあず「志保~ 何ぶつぶつ言ってるのー?」

志保「ぶつぶつ……」

ころあず「んー?」

志保「あぁ星梨花可愛い、ほんと星梨花可愛い あんなちっちゃな体を一生懸命振ってダンスするの可愛いし何かあったらすぐに心配してくれるのほんとマジで天使だし、何あの曲? 星梨花の可愛さ120%引き出してるし今日のセトリ大正解。 途中のMCも頑張ってみんなのことまとめようとしててほほえましかったし、あとやっぱり見た目 あんなおっきいツインテール反則でしょ…… そりゃ好きになるよ…… あと声も可愛い、やっぱりもちの声ほんと似合ってるわ…… 天使、星梨花マジ天使……」

ころあず「……」

ころあず「あ、あのー……」

志保「!?」

ころあず「えっと…… 頭抱えてたけど…… 大丈夫? どこか悪いの?」

志保「……」

志保「何でもないわ」

ころあず「いや何でもなくないでしょ!」

志保「うるさいわね、何でもないって言ったらないのよ 一々詮索してこないで」

ころあず「…… ねぇ、あなたそら…… 雨宮天ちゃん…… でしょ?」

志保「……」

志保「は、はぁー? 『あまみやそら』って誰ですかー? そんな人の名前聞いたことも無いんですけどー!?」

ころあず「わかりやすい! 絶対そらちゃんでしょ!」

志保「違うって言ってるでしょ!」

ころあず「絶対違くないよー! 今日何か変だった気がするし」

志保「それは貴女もでしょ」

ころあず「急に冷静になった!? あとさっき何か『星梨花可愛い』とか『もちの声やっぱり最高』とか言ってたし~」

志保「嘘…… あれ聞かれてたの…… ?」

ころあず「うん」

志保「……」

天ちゃん「あーはい、そうです私は雨宮天です何か文句ありますか田所あずささん!」

ころあず「な、何で逆ギレしてるの~?」

天ちゃん「ねぇころあず……」

ころあず「え、何……」

天ちゃん「お願い、さっきのあれ忘れて」

ころあず「忘れたくても忘れられないよー!」

天ちゃん「あー忘れて忘れて! 志保さんはあんなこと言わないの! クールでかっこいい子なの!」

ころあず「し、知らないよ~」

天ちゃん「忘れてくれないなら代わりに私のお願い一つ聞いて」

ころあず「えぇ……」

天ちゃん「本当、凄い真剣なお願いなの」

ころあず「あ、真剣モードになった…… う、うん! わたしに出来ることなら協力するよ!」

天ちゃん「あのさ……」

ころあず「ごくり」

天ちゃん「何とかして星梨花を私たちの世界に連れてこれない?」

ころあず「えぇー!? 何それー!? 真剣に聞いて損したー!」

天ちゃん「こっちは真剣なの!」

天ちゃん「だってこのまま元に戻ったとして星梨花とお別れになっちゃうでしょ?」

ころあず「もちょが居るでしょー?」

天ちゃん「いやもちも可愛いし好きだけど! 星梨花も欲しい! 両隣に侍らせたい!」

ころあず「何それ……」

天ちゃん「何かアイデア! ない!?」

ころあず「え~ わかんないよ~ そもそもどうやって来たかもわからないんだし……」

天ちゃん「やっぱり星梨花本体を持って帰るのはちょっと難しそうだなぁ…… それなら……」

天ちゃん「ねぇころあず、然り気無く星梨花の抜け毛取って来て」

ころあず「だから何それー!?」

天ちゃん「元に戻る時髪の毛くらいなら持ち越せる気がする……」

ころあず「無理だよー!」

天ちゃん「ほらほら早く! 星梨花帰っちゃう!」

ころあず「それくらい自分でやりなよー!」

天ちゃん「それは無理」

ころあず「何で!?」

天ちゃん「ほらだって私、志保さんってクールで大人っぽい感じで星梨花に慕われてるでしょ?」

ころあず「うーん……」

天ちゃん「私のエゴで志保さんのイメージを崩すなんでダメ、絶対 だから静香にやらせるの」

ころあず「最上ちゃんはー!?」

天ちゃん「背に腹は変えられない……っ」

ころあず「何かっこよく言ってるのー!」

天ちゃん「とにかく! 早く早く!」

ころあず「いーやー!」

杏奈「ぱしゃっ」

ころあず「あ、杏奈……?」

杏奈「珍しい、ね…… ふたりが仲良く…… してるの」

天ちゃん「い、いや これは仲良くしているわけじゃなくて……」

杏奈「ブログ…… あげる、ね?」

ころあず、天ちゃん「あー! 待って待って~」

星梨花「あっ、静香さんに志保さん こんなとこに居たんですね!」

杏奈「見て…… 星梨花」

星梨花「これ…… 静香さんと志保さんが喧嘩してるんですか!?」

杏奈「ううん、ふたり とっても仲良かった、よ」

星梨花「良かった~ 今日ふたりの様子がおかしかったのもしかしたら喧嘩しちゃったからなのかな って心配してたんです」

星梨花「みんな仲良しが一番! ですよね?」

天ちゃん「っ……」

天ちゃん(ねぇ、ころあず)

ころあず(な、何)

天ちゃん(やっぱり星梨花連れて帰りたい)

ころあず(もういい加減にしてーーーー!!)

改めて書きますが、このSSはフィクションであり現実の人間とは一切の関係がありません。
次レスからまた新編です。

事務所


未来「やっほー また来たよ~」

静香「あら未来、おはよう」

未来「静香ちゃん! ひさしぶり~」

静香「えっ? 『ひさしぶり』…… ?」

未来「ほらほら私、私~」

静香「て貴女まさか……」

ぴょん「そだよ~」

静香「また入れ替わったんですか……」

ぴょん「や~ 『行きたい行きたい行きたい!』って思ってたら来られた!」

静香「なんですかそれ……」

ぴょん「静香ちゃん今日何か予定ある? 良かったら事務所案内してくれるかな~ って」

静香「はるかさんを一人にしておくと色々危険そうだから断られてもついていきます」

ぴょん「やったー!」

春香「え、今呼んだ? 静香ちゃん」

静香「あ、いえ春香さんのことじゃなくて」

ぴょん「わっ! 春香さんだ!」

静香「あっ! ちょっと!」

ぴょん「春香さーん!」

春香「うえぇっ!? み、未来ちゃん!?」

ぴょん「本物の春香さんだ! オーラすっごーいっ!」

春香「え、えーっと…… いつも会ってるよね…… ?」

ぴょん「あ! いつもうちの未来がお世話になっています」

春香「は、はぁ……」

ぴょん「えっと、えっと、あとそれと」

静香「もう未来!」

ぴょん「し、静香ちゃん!?」

静香「春香さんは忙しいんだから引き止めちゃダメでしょ!」

ぴょん「わーん、またこのパターンなの~」

静香「失礼しました」

春香「う、うん…… ?」

ぴょん「もお! 静香ちゃんのけちー!」

静香「自分が今『春日未来』だってこと少しは自覚してください!」

静香「て言うかこんな頻繁に入れ替わって大丈夫なんですか? 貴女も芸能人なんですよね?」

ぴょん「まぁまぁ、私の仕事は多分未来でも出来るって。 未来はやればできる子だからね、私が保証する」

翼「あ、未来! 静香ちゃ~ん」

ぴょん「翼! 翼だ!」

翼「へ?」

ぴょん「ほんとにほんとに翼だ! 凄い! 目おっきいし腰細いし」

翼「や、ちょっ未来 どこ触ってんの~」

ぴょん「金髪も綺麗だし、体も凄い柔らか~」

翼「よーしよーし、もう未来は甘えんぼさんだな~」

ぴょん「でへへ~」


パーン!


ぴょん「いたっ! 静香ちゃんがぶったー!」

静香「調子乗りすぎ」

ぴょん「だってだって! 翼のマシュマロボディが目の前にあったら誰だって辛抱たまらんでしょ!」

翼「んー」

翼「ねぇ…… 何か今日の未来気持ち悪いよ?」

ぴょん「え」

翼「何ていうか…… 言ってることオバサンみたい?」

ぴょん「……」

ぴょん「ずーん……」

ぴょん「そうだよね…… 10代の子から見たら私なんてオバサンだよね……」

静香「勝手に暴れて勝手に落ち込むのやめてもらえますか!?」

翼「未来だって同い年でしょ? 変なのー」

星梨花「むー……」

ぴょん「あっ! 今度は星梨花だ!」

静香「立ち直るの早っ!」

ぴょん「あぁ~ 星梨花ぁ~ 星梨花ぁ~ せりかかわいいね~……」

星梨花「もう! 未来さんまでわたしのこと子ども扱いするんですか!? わたしだって怒る時は怒りますよ!」

ぴょん「怒る星梨花も可愛いねぇ~ なでなでなでなで~」

星梨花「うぅ~……」

静香(唸ってる…… 威嚇してるのかしら…… 可愛いけど)

静香「ねぇ、星梨花に何があったの?」

翼「なんか幼児向け番組に出た時、プロデューサーさんが『星梨花なら子ども側でも違和感無いな!』って言ったみたいで」

静香「あぁ……」

ぴょん「星梨花可愛いねぇ~」

星梨花「も~……」

静香(涙目になってる)

星梨花「静香さ~ん」

静香「よしよし」

ぴょん「嘘っ…… 星梨花が静香ちゃんを選んだ……」

静香「今の流れのどこに貴女が好かれる要素があったんですか……」

ぴょん「他の子にも会ってみたい!」

静香「説明面倒だし、迷惑だから止めてください!」

ぴょん「もう! 私だって自然にバレないように未来っぽく出来るもん!」

静香「本当ですか?」

ぴょん「んー…… 例えば……」

ぴょん「こうやって手を握って」

静香「あちょっ」

ぴょん「『ねぇ、静香ちゃん…… 静香ちゃんの手握ってるとね、何だかとっても胸が熱くて、ドキドキしちゃうんだ…… なんでだか…… わかる?』」

静香「っ~……」

ぴょん「ねぇ! どう静香ちゃん? ドキドキした?」

静香「未来の見た目と声でそういうのやるの本当にやめてください!」

ぴょん「あはははは~」

静香「て言うか何ではるかさんと未来が入れ替わってるんですか?」

ぴょん「ねー『はるかさん』って変な感じだからさー 気軽に『ぴょんちゃん』とか『ぴょん』とかって呼んでよ」

静香「何で山崎さんと未来が入れ替わってるんですか?」

ぴょん「何で距離開いたの!?」

静香「確かに、向こうに行って貴女と話した時、未来と似てるなって思ったところはあります。 けどなんで貴女と未来が……」

静香「それに、私たちはまだそんな売れてるアイドルな訳じゃないのに、貴女は私たちシアター組も含めてアイドル全員を知っています。 最近入ったばかりの紬さんと歌織さんも含めて」

静香「貴女は一体誰なんですか?」

ぴょん「私? 私かー……」

ぴょん「私はね、未来のことが心配なんだよね」

静香「心配?」

ぴょん「未来って元気で明るくて、ちょっとおバカだけど、みんなに愛されてみんなと仲良しって感じの子でしょ?」

ぴょん「でも、未来は本当に上手くやれてるのかなーって思ったの、私は未来のことよく知ってるつもりだけど、それはつもりなだけで本当は未来はみんなと仲良く出来てないのかもしれない」

ぴょん「それを確かめたくて、行きたい行きたい行きたい~ って思ったら入れ替われたの。 それでね、こっちに来て色々してみてわかったよ」

ぴょん「未来は翼に星梨花に、他にもシアターのみんなや春香さん達765の先輩、素敵な仲間が沢山居る、とっても幸せものだってこと!」

ぴょん「もちろん静香ちゃんもだよ!」

静香「…… そんなこと考えていたんですね」

ぴょん「うん! 時々静香ちゃんに迷惑かけるかもだけど、これからも未来のことよろしくね?」

静香「ふふっ、未来は貴女よりは手のかからない子だから大丈夫ですよ」

ぴょん「えー! ひどいっ! 私と静香ちゃんは同じベッドで一晩過ごした仲でしょ!?」

静香「だから変な言い方しないでください!」

ぴょん「それじゃっ、またねっ!」

静香「えっ! 帰るんですか!? そんないきなり……」

ぴょん「未来のことも心配だけど、向こうも向こうで心配だから!」

静香「あ…… 行っちゃった……」

静香「…… て言うか結局論点ずらされてあの人が誰だかわからなかったし……」

静香「まぁいいか、どうせまた来るでしょうし、その時に聞けば!」


おわり

半年に一回このネタで書いてるので、来年の3月くらいになったらまた書いてるかもしれません。
読んでくれた人ありがとうございました。

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