奈緒「アタシってクールだよな!?」智絵里「は、はい……?」 (29)

【モバマスSS】です


――――都内某所、カフェ店内

智絵里「奈緒ちゃんは、クール属性ですよね……? 私、実は間違えて覚えていたとか……」

奈緒「いや合ってる問題ない! うん、そうだ、智絵里ならそう言ってくれると信じてたっ!」

智絵里「あの……奈緒ちゃん、どうしたんですか? お茶に誘ってくれて嬉しかったですけど、いきなり……」

奈緒「あ、ごめんなアタシだけ興奮しちゃって……いや、実はちょっと智絵里に相談したいことがあってさ」

智絵里「相談……ですか? 私に答えられることなら……」

奈緒「そんな難しいことじゃないって。ほら、アタシって属性組分けでクール属性になってるだろ?」

奈緒「なのに最近さー、アタシに対する評価が『キュート!』『可愛い!』ってクールっぽくないのが多くて……」

智絵里「で、でもアイドルのお仕事で可愛いって言われるのは、良いことですよね……?」

奈緒「そりゃそうなんだけど……ほら、それだけじゃなくて一部の奴からの態度っていうか扱われ方というか……」

智絵里「……もしかして、加蓮ちゃんや凛ちゃんのことですか?」

奈緒「そう、そうなんだ! あいつら事あるごとにアタシのことを可愛いって弄ってくるのおかしくないか!?」ダンッ

智絵里「いや、だったんですか……?」キョトン


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※神谷奈緒
http://i.imgur.com/ZxnMxUL.jpg

※緒方智絵里
http://i.imgur.com/dPXJcfW.jpg


奈緒「え? あ、あぁ、別にそんな嫌ってわけでもないんだけど……ほら、一応同じクール属性で、年上だから」

智絵里「ええと……?」

奈緒「つまりもっとこう、二人からカッコイイと思われたいんだって!」

智絵里「な、なるほど……? でも、そういう相談なら私じゃなくて、もっと他に適任の人が……」

奈緒「いいや、こういうことを相談しても真剣に聞いてくれて、しかもアタシを茶化さない相手となったら限られてるからな」

智絵里「そんなことはないと、思いますよ」

奈緒「いーや! アタシが可愛いって言われるのを治したいって相談したら、大抵の相手はそのことで弄ってくるんだっ!」

智絵里「そうなの、かなぁ」

奈緒「そうなの!」プクー

智絵里(……確かに、すでにちょっと可愛い……あ、でも奈緒ちゃんのお話はちゃんと聞かないと……)

奈緒「ともかくそういうことだから智絵里に相談してるんだ。それで、どうしたらアタシはカッコイイって思われるようになるかな」

智絵里「私から見たら……普段の奈緒ちゃんも、とってもカッコイイと思います」

奈緒「そ、そう? そうかなー? へへっ、そう言ってくれるなんてホント智絵里はいい子だなっ」ニコニコ

智絵里「で、でも、普段以上にカッコイイと思われたいなら、やっぱりカッコイイ人を参考にするとか……」


奈緒「なるほど! そういう手もあるな。ちなみに智絵里から見て参考に出来そうなカッコイイ人って誰になる?」

智絵里「ええっと、それならやっぱり……プロデューサーさん……ですね///」モジモジ

奈緒「あー……分かる。分かるけどさ。でも、プロデューサーさんはちょっとアタシの参考にしずらいな……」

智絵里「な、なら奈緒ちゃんがカッコイイって、そう思う相手を参考にするのは、どうですか……?」

奈緒「アタシがカッコイイって思う相手かー……それこそ凛や加蓮だから参考にすると恥ずかしくて……智絵里は他にいないのか?」

智絵里「うーん……プロデューサーさん以外にってなったら……」

奈緒「そんな難しく考えず、単純にカッコイイって思える相手でいいんだけど」

智絵里「……うーん……カッコイイ人……」

奈緒(こりゃ智絵里にはちょっと困る相談だったかな。アタシのことも素直にカッコイイって言ってくれたし、やっぱり別の)

智絵里「……李衣菜、ちゃん……?」

奈緒「……へ?」


智絵里「え、えっと、その、カッコイイ人って言われて、プロデューサーさんの次に浮かんだのが……李衣菜ちゃんで」

奈緒「え、いや、李衣菜? 意外というか、正直アタシが言えた義理じゃないけど、あいつも大分可愛いほうじゃ」

智絵里「そ、そんなことないですっ!」

奈緒「お、おぉ?」

智絵里「た、たしかに、李衣菜ちゃんは頭がロックでいっぱいで、そこが可愛いって見られちゃいますけど……!」

奈緒(微妙にフォローがフォローになってないぞ智絵里)

智絵里「だけど、ちゃんと音楽や色んなことに真剣で、周りのこともよく見てて、困ってたら助けてくれて……!」

奈緒「う、うん」

智絵里「最初は怖い人だって思ってたこともありますけど、本当はとっても優しくて、何気なくしてくれることが頼もしくて……!」

奈緒「わ、わかったから落ち着け智絵里! ここ、お店! 店の中だから、なっ!?」ポンポン

智絵里「はっ……!?」


――ザワザワ

「なんだろう急に?」「騒がしい子がいるわね……」
「結構大人しそうな子なのにねぇ……」「どうしたのでしょう……」

――ザワザワ

智絵里「あ……」カァァ///

奈緒「とにかく、ゆっくり、落ち着いて。ダイジョブだから、な? ほら、紅茶でも飲んで落ち着けって」カチャカチャ

智絵里「あ、ありがとうございます……///」ゴクッ

奈緒「しっかし驚いた。智絵里もそんな風に大声出すことあるんだな」

智絵里「……んくっ……んっ……///」ゴクッ

奈緒「おーい智絵里ー?」

智絵里「……ん……ふはぁ……お、落ち着きました……」

奈緒(すごい、あの熱い紅茶一気飲みかよ!)

智絵里「ふぅ……もう大丈夫です。騒いでしまって、ごめんなさい……」

奈緒「いいよ、智絵里の珍しい姿見れてアタシもちょっと得した気分だからなっ♪」

智絵里「あう……///」


奈緒「でもホント、まさか李衣菜のことであんなに智絵里が熱くなるなんてびっくりだ」

智絵里「わ、私もよく分からなかったんですけど……でも、李衣菜ちゃんのことを可愛いだけって思われるのは、なんだか嫌で……」

奈緒「そっか……アタシもそういう風に思ってくれる奴がいたらなー」

智絵里「え、えっと、それなら問題ないと、思いますよ……?」

奈緒「いいっていいって、フォローしてくれなくても。智絵里は気を回しすぎだぞ?」

智絵里「そういうわけじゃ……」

智絵里(加蓮ちゃんやプロデューサーさんなら、絶対奈緒ちゃんの良いところ、すごく言ってくれるはずなのに……)

奈緒「はー……なんだかちょっとアタシがカッコイイって思われるのは無理な気がしてきた……」

智絵里「そんな……奈緒ちゃん、諦めないで下さい。奈緒ちゃんだって、カッコイイんですから」

奈緒「うう……智絵里の優しさが身に染みる……」

智絵里「それに……李衣菜ちゃんみたいに普段からカッコよくしなくても、輝子ちゃんみたいに、時々雰囲気を変えてみるとか……」

奈緒「輝子……輝子なぁ……それこそアタシが参考にするの無理じゃないか? あのタフさは簡単に身に付くものじゃないぞ」

智絵里「ひゃっはーな感じになるのは難しくても、輝子ちゃんの悪っぽい表情や、色っぽい喋り方を真似るだけでも……」


奈緒「なるほど、普段の時やメタルの時とも違う輝子の真似ならいけるかもな! うーむ悪っぽい表情……こうか?」キッ

智絵里「!」

奈緒「ど、どうだ智絵里~? 悪っぽそうな感じになってる、だろ?」キリッ

智絵里「……」プルプル

奈緒「……お、おい智絵里?」

智絵里「……か」プルプル

奈緒「か?」

智絵里「かわいい……!」

奈緒「え」

智絵里「あっ、え、えっとごめんなさい……! で、でも、やっぱり可愛かったからつい……写真、撮ってもいいですか?」

奈緒「なっ、ダメダメ!! ダメだって! 何言ってるんだ智絵里!? というかちゃんと悪っぽい顔になってただろ!?」

智絵里「その……おっきなワンちゃんが、ちょっと不満そうにしてる時の表情、って言われたほうが……」

奈緒「がーん!」


智絵里「さっきの奈緒ちゃんの表情、プロデューサーさんや加蓮ちゃん達に見せたら、喜ばれると思いますよ?」

奈緒「だから! そうやって可愛いって思われるのをどうにかしたいから智絵里に相談してたんだろ!」

智絵里「そ、そうでした……」

奈緒「……はぁ、結局輝子の真似も駄目……やっぱアタシじゃカッコイイってのは無理なのか……?」ションボリ

智絵里「そもそも、どうして急にそんな風にカッコイイって、思われたくなったんですか?」

奈緒「……ほら、もうすぐ加蓮の誕生日だろ?」

智絵里「9月5日……でしたよね?」

奈緒「うん。で、誕生日プレゼントを渡してちゃんと祝ってやりたいんだけどさ、今までの経験からするとな……」

智絵里「なにか、問題でも……?」

奈緒「祝う時のアタシの姿が可愛いって弄られ始めて、気付いたらアタシのほうが加蓮に喜ばされてることが多くて……」

智絵里「つまり、奈緒ちゃんはそれを避けたいと……?」

奈緒「アタシはちゃんと主役の加蓮が一番楽しい日になってほしいのに、アタシが加蓮に楽しくしてもらってちゃ変だろ?」

智絵里「でもきっと……それが加蓮ちゃんの、楽しみなんだと思います」


奈緒「そんなまさか。第一、加蓮だけじゃなくて凛とかもだけど、アタシのこと可愛いって弄ってなにが楽しいんだ?」

智絵里「それは……私にも、なんとなく理由は分かる気が……」

奈緒「ほんとか!?」ガタッ

智絵里「え、えっと、これは私の考えだから、加蓮ちゃん達も、そう考えているとは限りませんけど……」

奈緒「それでもいい! それで、あいつらはなんでアタシのことを弄るんだ!?」

智絵里「ええと……年上の、頼りになる人の可愛い一面を見れたら、あったかい気持ちになれるから……ですっ」

奈緒「あったかい気持ち……?」

智絵里「癒される、って言ったほうがいいんでしょうか? ともかく、とっても安心するんだと思います」

奈緒「えぇー……そんなことでか」

智絵里「奈緒ちゃんは、そういう経験がありませんか? 年上の人のゆるっとした姿に、気持ちがぽかぽかしたこと」

奈緒「そんな経験……――あー……ある、な」

智絵里「やっぱり。ちなみに、奈緒ちゃんが思い浮かべた相手って、誰なんですか……?」

奈緒「比奈さんだよ。あの人、アタシにとってはある分野においてすごい頼りになる人なんだけど」

智絵里「アニメ、ですか?」


奈緒「それもだけどさ……でも、そんな人が、たまーに締め切りに追われて徹夜続きになってることがあって」

智絵里「アイドルのお仕事をしながら……?」

奈緒「そっ。だから、アタシがちょいちょい比奈さんの家に行って、原稿手伝ったり家事をしたりするんだけど」カチャ

奈緒「……その時の寝ぼけてる姿や、アタシの料理もきゅもきゅと食べてる比奈さんの姿がすごい可愛いって思ったな……」ズズッ

智絵里「奈緒ちゃん、別に照れなくても……」

奈緒「照れてないからッ」ズズッ

智絵里「耳……すごく赤いですよ?」

奈緒「うっ……やっぱりカップじゃ顔くらいしか隠せないか」

智絵里「でも、今ので普段の加蓮ちゃん達の気持ちも、少しは分かった感じがしませんか……?」

奈緒「……なるほど、こういう気分になるためにあいつらアタシを弄ってたんだな」

智絵里「他にも、理由はあると思いますけど」

奈緒「――よしっ、分かったぞっ!」

智絵里「えっ?」

奈緒「つまり、だ。加蓮たちに可愛いって弄られないようにするには、弄られた時に態度を変えなきゃいいわけってことだっ!」


智絵里「あれ? カッコイイと思われたいって話を、してたんです、よね……?」

奈緒「ああ、それはもう諦めたっ!」

智絵里「そんな、どうして」

奈緒「なんかもうアタシがカッコイイって思われるの無理っぽいし、だったらせめて加蓮から弄られない対策をしないとなっ!」

智絵里「た、対策、ですか?」

奈緒「そうそう。あいつらがアタシのことを可愛いって弄ってくるのは、アタシがその瞬間普段と違う反応するからだろ?」カリカリ

智絵里(アンケート用紙の裏に図式……絵が可愛いです……)

奈緒「だから、普段どおりの感じでそっけなくさらっと流せば、加蓮たちもアタシをそれ以上弄れない」カリカリ

奈緒「弄れないってことは可愛いって言えなくなるわけだから、アタシも落ち着いて対応が出来る様になる!」カリカリ

奈緒「これを加蓮の誕生日まで続ければ、今回こそアタシのほうが加蓮をちゃんと楽しませてあげられるっ! よし、完璧だっ!」

智絵里「ほ、ほんとうにこれを、加蓮ちゃん達にするんですか……?」


奈緒「もちろんッ! というかこの対策続けてたら、アタシすごくクール属性のアイドルらしくなりそうじゃないか?」

智絵里「え、ええと……」

奈緒「ともかく、これはイケる、いけそうだ! ありがとな智絵里、すごい良いアイディア思いつかせてくれてさ!」

智絵里「私は、なにもしてませんし……」

奈緒「そんなことないって。これは智絵里に相談しないと浮かばなかった考えだし、絶対智絵里のお陰だって!」

智絵里「はぁ……」

奈緒「っと、対策が決まった以上はすぐに加蓮たちから弄られた時にさらっと流す練習始めないとなっ!」ガタッ

智絵里「あ、も、もう帰るんですか……? だ、だったら私もすぐに準備を……!」アセアセ

奈緒「ん? いいよ、ここはアタシが払っておくから、智絵里は自分のペースでのんびりしててくれ」

智絵里「で、でも……」


奈緒「誘ったのはアタシだし、相談にも乗ってもらったお礼だって。ここのケーキ、好きだったろ?」

智絵里「……いいんですか?」

奈緒「問題ないって! それじゃアタシは帰るから、智絵里、また明日なっ!」

智絵里「は、はい……また明日」ヒラヒラ

奈緒「♪」ヒラヒラ

智絵里「――……行っちゃった……でも、これでほんとに良かったのかな……」

智絵里(加蓮ちゃん達が奈緒ちゃんのことを弄るのは、きっと可愛い姿を見たいからだけじゃなくて――)

~~~♪ ~~~♪

智絵里「ひゃ……!? び、びっくり……携帯――あれ、加蓮ちゃんから……?」


――――次の日、プロダクション、事務室

奈緒「……素っ気ない態度、そっけない態度……落ち着け、冷静にだぞ、冷静に……」

奈緒(イメージトレーニングはしてきた。あとは本番だ! 加蓮の誕生日まで、なんとか弄りをうまく回避してかないと……!)

――ガチャ

奈緒(来た!)

加蓮「おっはよー。あれ、奈緒もう来てたんだ♪」

凛「おはよう皆……って、なんだ、奈緒だけなんだ」

奈緒「おはよ二人共」

加蓮「なにどうしたのこんな早く。奈緒のお仕事って今日は夕方からでしょ? もしかして一人じゃ寂しくて、早く来ちゃった?」

奈緒「んー、別に。ただ、勉強するならここでするほうが捗るから、早めに来ただけだ」

加蓮「……あれ?」

奈緒(よーっし良い感じだぞアタシ! このまま、この調子で行くんだッ!)

加蓮「そ、そっか、勉強しに早く来ただけなんだ、そっか……」

※北条加蓮
http://i.imgur.com/SqNGUtF.jpg

※渋谷凛
http://i.imgur.com/SsygIpX.jpg


凛「数学か……こういうのの内容見てると、奈緒が年上なんだって思い出しちゃうね」

加蓮「ほんとっ♪ 普段は同い年か年下みたいな感覚なのにねー♪」

奈緒「へぇ」

凛「……うん?」キョトン

加蓮「…………あれ?」

奈緒(よし、効いてるぞ! なにか変なことを言われた気がするが、耐えるんだアタシッ! 加蓮の誕生日のために!!)

加蓮「……ね、ねえ奈緒? 疲れてるんだったらさ、勉強やめてちょっと休まない?」

凛「そ、そうだよ。ほら、もしお昼食べてないなら一緒に食べに行かない? ちょうど――」

奈緒「なぁ二人共」

加蓮「う、うん!」

凛「どうしたの奈緒?」

奈緒「ここに用がないなら、アタシに構わずにもう行ったらいいんじゃないか? レッスンもうすぐだろ」

加蓮「……な、奈緒……?」ボーゼン

凛「う……そ……」ヨロヨロ


奈緒(うぐっ……ちょ、ちょっとその反応は意外だったけど負けるもんか! アタシだって半端な覚悟でこんなことしてる訳じゃ)

――ポタッ

奈緒「え?」

加蓮「……ぐす」

凛「……うぅ……」

奈緒「えっ? えぇ!? ちょ、ちょっと待て二人共! な、なんで泣いてるんだよっ!?」

凛「だって、奈緒に……」クスンッ

奈緒「あ、アタシがなんだよ!」

加蓮「奈緒に、嫌われちゃったぁ~……!」グスッ

奈緒「はぁ!? なんでそうなるんだっ!?」

加蓮「……普段ならちゃんと私達のこと構ってくれるのに、今日は全然構ってくれないじゃん……嫌われたに決まってる……」グスンッ

凛「もしくは、私達が奈緒を怒らせちゃった……だから、こんな冷たい態度なんでしょ……? でも、こんなのやだ……」クスン

奈緒「なっ!? くっ……くぅううう!! ああもう! 違う、違うからッ!!」バンッ

加蓮「くすん……違うって?」


奈緒「別に二人のことを嫌いになったわけでもなければ怒ってもないってのっ!」

凛「……ほんと?」

奈緒「本当だッ! もう神様とか悪魔とかに誓ってもいいくらいにほんとだ!」

加蓮「じゃあ私達のこと、好き……?」

奈緒「すっ……!? ……あぁ、好きだって、アタシは凛と加蓮が大好きだーッ!!」

加蓮「…………凛、録音は?」

凛「ばっちり。というか動画で撮った」

加蓮「流石!」イエーイ

凛「当然」イエーイ

奈緒「は?」

加蓮「よし、それじゃ智絵里、もう入ってきていいよー」

――ガチャ

智絵里「……え、ええと……ドッキリ大成功……です?」

奈緒「……は?」


加蓮「おーい奈緒大丈夫?」ペシペシ

奈緒「え、や、だって二人共、さっき、普通に泣いて」

凛「奈緒。この世界には目薬っていう便利な物があるの知ってる?」スッ

奈緒「…………はぁああああああ!? ちょ、ま、嘘だっーー!!」

加蓮「ほ・ん・と♡」

奈緒「うわーーん!!」

智絵里「あ、奈緒ちゃんが本当に泣いちゃった……」

加蓮「いつものことだからすぐに収まるって。そもそも奈緒が私達騙そうなんて10年早い」

凛「だからこれはちょっとしたお仕置きだね」

奈緒「もう、なんで! 智絵里、いつからだ!」

智絵里「ひゃう!?」ビクッ

加蓮「おっと、智絵里は責めちゃだめだよ。私の質問に答えてくれて、ドッキリを奈緒に教える役目も私がお願いしただけだから」

奈緒「もうなにがなんだか分からない」


智絵里「え、えっと……実は昨日奈緒ちゃんと別れたあとに、加蓮ちゃんから電話があって……」

加蓮「ここの所、奈緒が妙に思い詰めてたから、なにか相談されたなら教えて欲しいって智絵里に頼んだの」

凛「私も加蓮も心配してたのに、智絵里から話を聞けば、私達からカッコイイと思われたかったってことでしょ?」

加蓮「呆れたよ。しかもカッコイイって思われるの無理って勝手に判断して、やることがさっきのって」

凛「……正直奈緒がなんのためにするか知っててもちょっとキツかった」

加蓮「ホントほんと。だから奈緒はちゃんと反省して、今後二度とあんなことしないって約束してよね?」

奈緒「や、でも、ああしないと、加蓮の誕生日……」

加蓮「……あのねぇ、奈緒からプレゼント貰っただけでなく、楽しそうな奈緒の姿見て、私が本当に喜んでないとでも思ってるの?」

奈緒「え?」

加蓮「…………だから、その……奈緒でも弄ってないと、毎回嬉しすぎてしんじゃいそうになるというか……」

奈緒「……マジで?」

加蓮「……(コクンッ)」カァァ///


凛「もしかして、気付いてなかったの?」

奈緒「いや、だって、そりゃ……なんだ、そういうことならちゃんと言ってくれよ加蓮! もぉ! 考えすぎて損した!」

加蓮「い、言えるわけないでしょこんな恥ずかしいこと! 奈緒こそ変な気を回すくらいなら初めから気付いててよ///」

奈緒「け、けど可愛いって弄られてばっかりなのにそんなの無理だって! せめてたまにはカッコイイとかで……」

加蓮「そんな普段から奈緒に感じてることで弄ったってしょうがないしっ!」

奈緒「え、あ、あれ? そうなの?」

加蓮「――はっ!? しまった、言うつもりなかったことを……」

奈緒「え、ほんとにそうなのか!? もう一回言ってくれよ加蓮! なぁ! なぁ!」ニコニコ

加蓮「あー、もー、気の所為だから、気のせい! 奈緒の聞き間違い!」カァァ///

奈緒「いーや聞いた、確かにちゃんと聞いたからな加蓮ーっ♪」

加蓮「言ってないからーっ!」


――キャーキャーワーワー

凛「……ごめんね智絵里、こんな騒がしいことに巻き込んじゃって」

智絵里「あ、あの、止めなくて、いいんですか?」

凛「放っておけばその内落ち着くから大丈夫、いつものことだし」

智絵里「……ふふっ。やっぱり、とっても仲が良いんですね、奈緒ちゃんと加蓮ちゃんは」

凛「二人共面倒な性格してるけどね。それよりさっきの奈緒の大告白、プロデューサーに見せたら喜ぶかな?」

智絵里「ええと……きっと、喜ぶと思います……!」

凛「だよね。それじゃ送信――っと♪」

――その後、プロデューサーの手元に渡った奈緒の動画は最終的に編集され、
加蓮の誕生日に、奈緒と加蓮を悶絶させるために使用されるのであった。

〈終〉

奈緒ちゃんがクール属性なのはモバマス7不思議の一つだと思う
読んでくださった方ありがとうございました

奈緒「アタシってクールだよな!?」

加蓮「は?」

凛「は?」

未央「は?」

卯月「奈緒ちゃんはキュートですよ」

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