ラカム「おおよ」
ラカム「あれが俺の自慢の騎空挺」
ラカム「グランサイファー号だ」
グラン「…………」
カタリナ「…………」
ビィ「…………」
ルリア「…………」
ラカム「どうした? お前ら?」
グラン「え!?」
グラン「あ……その」
グラン「り、立派な……船……ですね」
ビィ「お世辞はよそうぜ、グラン」
ビィ「悪いけど、赤錆スクラップの山にしか見えねぇぜ?ありゃ」
グラン「ビィ!」
ラカム「ははは、やっぱりそう見えるか」
ラカム「正直で結構なことだぜ!」
グラン「す、すみません……」
ラカム「いいって事よ」
ラカム「そういうのには慣れているからな」
カタリナ「でも……ずっと修理していると聞いているが」
カタリナ「あの巨大さ……どう見ても一人の手に余るのでは?」
ラカム「……いいんだよ」
ラカム「俺が好きでやっている事だからな」
そうだ、まさにその通りだ。
夕日を浴びて死んだように沈黙する騎空挺グランサイファー号。
しかし、その中では、着々と……
グラン「……なぜか荘厳なBGMとナレーションが聞こえるんですけど」
ラカム「空耳だろ」
ラカム「さ、気が済んだのなら宿に帰って」
ラカム「明日の計画でも練るんだな」
グラン「はあ……」
グラン「…………」
―――――――――――
グラン「ラカムさん!」
グラン「この島から脱出したいので手を貸してください!」
ラカム「……すまんが」
ラカム「俺にも事情があってな……俺はあいつと飛びたいんだ」
カタリナ「しかし……こう言っては失礼だが」
カタリナ「あのようなサビだらけで動きそうも無い騎空挺では……」
ラカム「あいつは俺がガキの頃からあそこに落ちててな」
ラカム「誰にも持っていかれない様に偽装を施してあるんだよ」
カタリナ「な……では、グランサイファーは飛べる状態だと?」
ラカム「……のはずなんだが」
ラカム「なぜか動力に火が入らなねぇ」
ラカム「昔風に言えば……『船に認められてない』って事なのかもな」
ゴー!
グラン「うわっ!?」
カタリナ「な、なんだ、この風は!?」
―――――――――――
フュリアス「これでポート・ブリーズはお終いだァァァッ!」
フュリアス「あと他の騎空挺はぶっ壊してやったからな!」
フュリアス「ぎゃはははは!」
―――――――――――
ティアマト「あんぎゃー!」
―――――――――――
ラカム「あのハゲチビメガネ! なんてことしやがる!」
ラカム「くそっ……こうなったら!」
カタリナ「飛ばすのか!?この騎空挺を!?」
ラカム「へへ……もしかしたらよ」
ラカム「コイツには飛ぶ時ってのが、分かっていたのかもな……!」
ラカム「さあ……飛ぼうぜ!」
……ゴゴゴゴゴゴゴゴ
グラン「!」
ルリア「う、動き出しました!」
カタリナ「行けそうか!? ラカム殿!?」
ラカム「ああ……今までに無かったくらいご機嫌だぜ!」
ラカム「偽装解除!」
ガガン! バラバラバラ…
ラカム「抜錨!」
ドドドドドドドドド… ババン!
ビィ「信じらんねぇ……あの鉄くずが飛んだぜ!」
グラン「な、なんか……全然釈然としないんですけど」
カタリナ「まあいいではないか、グラン」
ルリア「これで何とかなりそうですね!」
グラン「これがグランサイファー……」
ラカム「そうだ、ヤm……グランサイファーだ」
ラカム「うt……騎空挺グランサイファー号だ!」
グラン「今ヤ○トとか言いかけた!」
グラン「これ騎空挺じゃ無いでしょ!?」
グラン「ガ○ラ○と戦うやつでしょ!?」
ルリア「まあまあグラン」
ルリア「とりあえずティアマトとお話しないといけませんから」
グラン「……妙になじんでるね、ルリア」
ラカム「よっしゃ!」
ラカム「なんか分からんけど、うえに行けばいいんだな!」
―――――――――――
ティアマト「あんぎゃー!」 ビーム乱射
―――――――――――
カタリナ「うわあああっ!」
グラン「くっ!今の攻撃、かなりやばくないか!?」
ラカム「大丈夫だ」
ラカム「波○防壁、展開!」
グラン「」
カタリナ「おお!光の攻撃が弾かれていく!」
ビィ「すげぇな!グランサイファーは!」
グラン「確かにすごいけど!助かってるけど!21○9版だけど!」
グラン「おかしいから!」
ルリア「あ!ティアマトが見えます!」
―――――――――――
ティアマト「あんぎゃー!」 ビーム乱射
―――――――――――
ルリア「きゃあああっ!」
ラカム「ちっ……聞く耳持たずって感じだな」
ルリア「いいえ!」
ルリア「私の声は届いてます!……でも」
ルリア「何かが……何かがティアマトを操ってるんです!」
カタリナ「何だと!?」
ラカム「あのハゲチビメガネ!本当にろくでもねえな!」
グラン「何か……何か方法は!?」
ルリア「あそこ……ティアマトの首の根元くらいにある水晶」
ルリア「あれを壊せば!」
ラカム「よし!グラン!」
ラカム「ちょっとそこの席へ座れ!」
グラン「へ?」
ラカム「いいから座れ!」
グラン「は、はい」
グラン「で、何をすれば……」
ラカム「そこに1番2番4番砲塔の照準機がある」
ラカム「簡単に言えば、そこの数字が全部9ゾロになるように動かして」
ラカム「ショッ○カ○ンをティアマトの水晶に向かってぶっ放せ!」
グラン「言った!今言った!」
グラン「それって○マトの武器だよね!?間違いなく!」
ラカム「いいから早くやれ!」
グラン「もうやけくそだ!」
ドギュウウウウウンッ!!×3
ティアマト「あんぎゃー!?」
カタリナ「目標消滅!」
グラン「消滅しちゃダメでしょ!?」
ルリア「あ……大丈夫みたいです、グラン」
―――――――――――
ティアマト「ありやとー」
―――――――――――
グラン「……いいのか……これで本当に良かったのか……」
ビィ「深く考えないようにしようぜ、グラン」
ラカム「さあ、凱旋だ!」
―――――――――――
グラン「……という訳でして」
グラン「操舵士になってくれませんか?」
ラカム「星の島イスカンダ……イスタルシアで待つか」
グラン「うん。 絶対に言いかけると思った」
ラカム「いいじゃねぇか。 乗ったぜ、その話」
グラン「ですよねー」
こうして……はるか16ま……
グランの長い旅は始まったのでした。
おしまい
グラン「やっぱり納得いかなーい!!」
夕日に眠るヤ○トを聞いてたら、こんな話を思いついちゃった。
ほぼ出オチなので続きません。お粗末~
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