【R-18】箱の中【モバマスSS】 (12)

私、渋谷凛が家に帰ると、部屋に荷物が届いていた。

送り主は卯月。
宅配業者さんが苦労して部屋まで運び込んでくれたのよ、と母が語るその荷物は、成程かなりの大きさだ。

同封されていた手紙によると、お中元との事だ。
便箋の端に描かれたデフォルメされた卯月の似顔絵がとても可愛らしい。

私は早速その荷物を空けてみた。

段ボールの中から出てきたのは黒い箱。
そして天井が僅かに開いたその箱からは、どこかムズムズくる匂いが漂っていた。

どことなく刺激的な、それでいて不快では無く、甘い様な酸い様な匂い。


そう、いつもレッスン場ですれ違う度に、私の心をざわつかせるあの匂い――


震える手で箱を開けると、其処には全裸の卯月が入っていた。



目を見開く私に満面の笑顔で微笑みかける卯月。
真夏に狭い箱の中に閉じ籠っていたからか、その肌には汗が流れ、
おでこには髪がぺたりと張り付いている様子がいつも以上に魅力的だった。

「卯月……、何してるの……??」

私は当然の疑問を口にする。

卯月はそんな私の質問に、

「お中元ですよ、凛ちゃん! 私、お中元だから箱に入ってるんです!えへへっ!!」

と、満面でダブルピースして来た。

そうか、お中元か。ならしょうがないよね。箱にも入るよね。

私が納得すると、卯月は、

「凛ちゃんも入りませんか?? 少し暑いけどとっても居心地が良いんですよ??」

と、僅かに箱の脇に身を寄せ、手を差し伸べて来た。

とは言っても箱のスペースは僅かしかなく、女子高生が二人入るのは少々無理があると言えるサイズだ。

でも、私は、

「うん……、そうだね…。箱だから、ね…入らないとね……」と、呟き、
熱に浮かされた様に頬を赤く染め、ブラウスのボタンを外し始めた。

一糸纏わぬ全裸になると、私は箱の中に足先から侵入する。

その際、汗に塗れた卯月の太腿と私の脹脛が張り付く様に触れ合った。

一日箱の中に閉じ籠っていた卯月の肌は汗に塗れ、熱く粘度を伴い私の身体に絡みついてくる。

しかし不思議と不快感は無かった。

狭い箱に二人で入る為に自然と身を寄せ合い、半ば抱き着く様に素肌同士を密着させる。

その過程で空いたスペースに捻じ込む様に箱の角に差し入れた私の腕が、卯月の柔らかい臀部に触れた。

その僅かの接触に恥ずかしげに身を捩る卯月。
私はその身の捩りによって僅かに生まれた隙間に腕を畳み込み、卯月の股間に手を添える様に差し込んだ。

凸と凹のパズルが嵌り込む様にお互いの身体を使い、隙間を埋めていく。

胸と胸は触れ合い、その柔らかさをお互いに味わう様に押し付け合い、潰し合い、狭い箱の中のスペースを稼ぐ。

そして、僅かにはみ出た身体を何とか箱に押し込もうと、二人でさらに身体を絡みつけた。

私の邪魔な出っ張りの有る顔は、卯月の鎖骨の窪みに押し付けて埋めた。

その瞬間、漂ってくる濃密な雌の臭いに脳を焼かれた私は、必死に鼻を鳴らして深呼吸を繰り返す。


卯月の身体から出て来る臭いの全てを、肺に収めてしまおうとするかの様に――






卯月はそんな私の行為に顔を赤らめて身を捩っていたが、
やがて反撃をする様に鎖骨に食らい付く私の側頭部にある耳朶に舌を伸ばしてきた。

この位置からは見えないが、卯月の薄紅色の舌は私の耳朶を音を立てて存分に舐り、
やがてそれに飽きると、大量の汁気と共に私の耳の孔内を犯し始めた。

目視出来ないが故に、ゾクゾクと込み上げて来る悦楽。

私は我慢できずに滲み出る様な嬌声を漏らす。

そして卯月はその発声に満足するかの様に、容赦の無い蹂躙を繰り返す。

私は、もう夢中で卯月の鎖骨を舐め、首筋に舌を伸ばし、うなじに鼻を押し付けながら、
股間に伸びた手を卯月の秘所に這わせた。

その瞬間、ビクンと跳ねた卯月の背筋――

その動きを見て、私は形勢が互角になった事を覚ったのだった――


もうそうなれば二人は夢中だった。


お互いに狭い箱の中、桃色の乳頭を擦りつけ合い、秘所を擦り、その先の突起を摘み上げ、時に小さく震えて軽い絶頂に達する。


そんな行為を一体どれほどの間続けたのだろうか――


辺りが暗くなってきた頃、蛞蝓の交尾の様な絶え間ない雌同士の絶頂の探り合いはピークを迎え、
これ以上ない程の高まりと終焉を迎えつつあった。


そこでぐちゃぐちゃになった箱の中、体勢がどう入れ替わったのか、私は始めてソコで卯月と目を合わせた。

悦楽に虚ろになった、濁り切った蕩けた半目の瞳。

おそらく私も同じような顔になっているだろう。 
どちらからともなく、唇を寄せ合った私達は、お互いの唾液を流し込むかのような口付けを交わし、
口内の蠢く生き物を絡め合った後、ほぼ同時に今までにない、激しい絶頂に達した。



その瞬間、箱の蓋が閉まり、二人の間に真の闇が訪れる。


その闇の中、聞こえてくるのは自分と相手の激しい心音と息遣いのみ――

そして、しばらく時がたった後、また私達の身体はどちらからともなく相手を求める様に蠢き始め、
箱はまた淫靡に細かく震え始めるのだった――


【完】

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