【ガヴドロ】サターニャ「呼び方」 (11)
最近思った。あいつが私に対して少しよそよそしいのだ。
特に傷付ける様な事はしていない……と思う
何が原因かも分からないまま、無駄に日々を消費してしまう。
そんな浮かない顔をしていた私に一人の天使?が声を掛けてきた
「サターニャさん?どうかしたんですか?」
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「それは多分呼び方に問題があるのでは?」
呼び方?
そう言えば特に気にする事も無く今まで通りに呼んでいた。だが、何故駄目なのだろうか?
「んー、今前までならそれでも良かったんですけど……今は……」
……そうだ。
前とは違うんだ…私とあいつの関係は変わっている。こんな些細なことに気付け無いなんて…
「大丈夫です!今からでも間に合います!」
落ち込む私にその天使は優しく接してくれる。
本当に、天使なのではと疑ってしまう程に
しかし、今さら変えるのも何やら気恥ずかしい思いが生まれる。
意識していなかったが、特別な呼び方
それは二人の関係を表すとも同義
それにあいつの求める呼び方じゃなかったら気に入らないようだったらどうしよう……今度はそんな不安が胸の中をぐるぐると渦巻いていく…
「はぁ、呼び方………ねぇ」
でも、呼んでみたい
そんな風に…そんな事が出来たら一歩前進できそうな気がする…
その思いは強くなっていく。そして歩く速さが上がっていく……私は段々とあいつへと近づいていった。
「…………」
あいつは、やはり何処かよそよそしく此方の様子を伺っている。
何時もみたいに気だるげに……
「私、気が付いたの!私とあんたの間に特別な繋がりが無い…」
「だから、その繋がりとして呼び方を変える事が必要………そうだったんでしょ?」
「…………」
返事は無い…けど抑えられ無かった私のこの内なる想いを全部、全部ぶちまけるまで私の口は休む事を許してはくれないのだろう
「今まで気付け無くて本当に、ごめんなさい。あんたに特別な呼び方をする資格は無いかもしれないけど!呼ばせて欲しい!」
考えた、考えに考えた。
どう呼べば喜んでくれるか……どんな風に呼ばれたいかけどそんな風に臆しているのは私らしく無い!
私が思う、理想のデビルズネーム!
「今日から、ガガウルフ!」
「それがあんたの名前よ!」
「わん!!」
その後、私はウルフと共に散歩の為、外へと足を運んだ。
今日は久しぶりにどちらがくたばるまで追いかけっこをする。フリスビーも!
「どう?楽しいでしょ?」
「わん!わん!」
「ガガウルフ!とってきなさーい!」
あいつに与えた特別な真名、それを呼び答えてくれる度に頬が緩んでいく。
その返事は認めてくれた証、つい何度も呼びたくなってしまう。
無邪気に遊ぶあいつの姿を見るのは久しぶりだ。でも、何で急に呼び方なんて……
「ほら、タロ行こう?」
「エリちゃん待ってぇ」
「タロウ行くかな?」
周りは自分のペットを愛称で呼んでいる。
けっして犬なんて呼ばないそれが羨ましかったんだと今さら気付かされる。
「くーん?」
此方を見上げてくるウルフの頭を優しく撫でて、再び歩いていく。
二人の帰るべき家路へ
~fin
思い付きの短文ですみません。
以上です。
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