穂乃果「仮面ライバー?」~µ’s編~(563)

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物語はラブライブ1期終了後、高坂穂乃果の生徒会長就任式より始まる……


穂乃果「え、えっとぉ~」

穂乃果「今回、生徒会長になりました!高坂穂乃果です!」

穂乃果「学校をもっともっと盛り上げていくから皆、応援よろしくね!」


観客「(拍手)」パチパチパチパチ


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【生徒会室】

穂乃果「あーもーすっごい疲れたよ」トホホ

ことり「生徒会長就任、おめでとう穂乃果ちゃん♪」

海未「私達が副会長としてしっかりとサポートします。」

海未「で・す・が!生徒会長の仕事をサボったら……分かってますよね?」

穂乃果「うん、大丈夫だよ。ちゃんと頑張る!」

絵里「穂乃果の事だから、頑張りすぎちゃいそうでちょっと怖いわ。私もちょくちょく手伝いに来るわよ」

希「ウチらも生徒会の仕事無くなるってなるとなんだかさみしくってさ、だからたまーにはお手伝いさせてよ」

穂乃果「ありがとう絵里ちゃん、希ちゃん!すっごく助かる!」

ことり「確かに、人手は多い方が良いもんね♪」

〖第1話:Music S.T.A.R.T!!〗

絵里「ねぇ、さっきからなんだか外が騒がしくない?気のせいかしら」


タッタッタッタッタッタッ ガラッ


花陽「た、大変です!!」ハァハァ

穂乃果「どうしたの?花陽ちゃん」

花陽「そ、外に、外に怪物が…!!」

穂乃果「えぇ!?」

海未「怪物?」

希「オカルトの匂いがする、面白そうやん♪」

希「さっそく行ってくる」タッタッタッ

穂乃果「あっ、ちょっと待って希ちゃん!穂乃果も行く!」

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【音ノ木坂学院 校庭】


怪物「ウガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」


生徒A「ひぃっ、化け物だ!!」タッタッタッ


そこには、どこか人のような形をした緑色の怪物が1体。

希「え、本当に怪物……!?こんなの今まで見たことない…!!」

絵里「何よ、あれ…」

凛「あ!穂乃果ちゃんたちだ!」

凛「急に、あの変なのが校庭に来て、暴れてて、それでえっと…」アタフタ

真姫「とりあえず、こういうのに詳しそうな希でも呼んできたら?ってわけ」

希「なるほどね。でも残念、ウチはあんなの見たことないよ…!」

にこ「希が見たことないんじゃ、新種の宇宙人かなにかなんじゃないの?」

希「しいて言うなら…うーん、キメラ(合成生物)…?」

絵里「確かに、生き物と生き物をむりやり混ぜたような生物っぽさがあるわね。」

穂乃果「よし!キメラちゃんをµ’sで取り押さえよう!」

一同「えぇ!?」


海未「正気ですか穂乃果!」

穂乃果「ここで他の生徒達を救ったら、ニュースとかでけっこう話題になるんじゃないかなと思って!」タッタッタッ

穂乃果「こんにちは!キメラちゃん、暴れるのをやm」

キメラ「グア゙ア゙!!」ブン

腕を振りかざすキメラ。

穂乃果「うぉっと!危ない危ない」

キメラ「グォォオ!!」ガシッ

生徒B「離して!離してぇえ゛!!」


穂乃果「あの子、捕まっちゃった!」

穂乃果「こら!キメラちゃん、離しなさい!!」

キメラ「」カパッ


絵里「キメラが口を大きく開けたわ…まさか、食べたりしないわよね」タッタッタッ

絵里「待ってて、すぐに助けるわ!」タッタッタッ

キメラ「」キュイイイイン

海未「食べるのではなく、生徒Bをつかんだまま息を吸った…!?」タッタッタッ

花陽「生徒Bを食べるわけでもなさそうだよ…?」

生徒B「あっ…ぐぇ……」シュゥゥ

キメラ「」キュイイイイン

モワァッ

希「生徒Bの身体から白いモヤみたいなものが…」タッタッタッ

希「キメラはあのモヤを吸ってる…?」タッタッタッ

生徒B「…」グッタリ


パァァァア



生徒B、消滅。

穂乃果「え……嘘でしょ?何したの…?」

海未「生徒Bが消滅した…?」

絵里「…希、あれはどういうこと?」

希「え、えっと……」

希「魂が肉体から離れると、えっと…たしか、肉体がこの世に留まる力がなくなって、肉体は消滅する……って話があったようななかったような」

希「だから、さっきキメラは生徒Bの魂を吸いとったんじゃないかと思う…多分やけど。」

生徒C「け、消され゛る゛ぅぅう゛!!」ダッダッダッ


生徒D「みんな!逃げて!!」

生徒達「キャァァ!!」ダッダッダッ

にこ「ほら!穂乃果たちも早く!逃げるわよ!!」タッタッタッ

穂乃果「うん!」ダッダッダッ


幸いにも私達µ’sは誰1人消されることなく、無事にそれぞれの家まで帰ることが出来た。

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【穂乃果の家】


ほのママ「穂乃果、大変だったわね…」

穂乃果「うん…。」

穂乃果「音ノ木坂の生徒が1人、消えてしまって、それで穂乃果は助けられなくて…」グスッ ヒック

ほのママ「しかたないわ。私達が歯向かったところで何をされるか分からない。」

穂乃果「学校を廃校から救ったみたいに、皆のことも救えるようになれたら良いのになぁ…」

ほのママ「あなたはまずは自分の安全の確保から!あなたが消えたらママはすっごく悲しい。」

ほのママ「ここ周辺は、しばらく外出禁止令がだされているから、穂乃果も家で待機すること!」

穂乃果「…うん、分かった。」


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1週間後…


穂乃果「1週間も家にいるなんて退屈だよぉ!」ジタバタ


ほのママ「あら、丁度良かったわね。いま、ニュースで外出許可令が出たわよ!」

ほのママ「周辺を警察が1週間 探したけれど、怪物は見つからないから、もう怪物は死んだんじゃないか、だって」

穂乃果「やっとみんなと会えるーっ!!」

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【部室】


穂乃果「なんでこんなに人がいないのー!!」

穂乃果「通学路には誰もいないし!」

穂乃果「街の人も誰1人いなかったよ?」

絵里「確かに、誰1人見かけなかったわね。」

海未「前回の怪物の件で、全国的にニュースで音ノ木坂が映りましたからね。悪い意味で人気になってしまったんでしょう。」

海未「"音ノ木坂の近くは危ないぞ"って。」

穂乃果「そんなぁぁぁ↓」



ガチャリ


ことり「絵里ちゃん、他のみんなを呼んできたよー」

絵里「ありがとう、ことり。」


絵里「全員集まったみたいね。話したいことがあるの」

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絵里「今日学校来てみて思ったんだけれど、けっこう人がいないじゃない?」

穂乃果「うんうん」

絵里「音ノ木坂周辺でライブをやっても、お客さんが来ないと思うの。」


花陽「例の怪物の件で、開催予定だった第2回ラブライブも延期になっちゃったもんね…。」

海未「ついでに、全国で音ノ木坂に対して"人が消えた" "危険区域"だと、悪いイメージが浸透しているみたいですし」

絵里「そうね。つまり、簡潔に言うと」


絵里「μ’sがスクールアイドル活動をしても、見てもらえない のよ」

絵里「もし今ネットに配信とかをやったとしても"不謹慎だ"と言われてしまうはずよ。」

真姫「確かに。母校で人が消えてるってのに、アイドル活動を続けるのは、炎上しそうね」

ことり「μ’s、活動休止になっちゃうの…?」

穂乃果「それはいやだよ!!」

にこ「え、炎上商法という手段があるわ」

希「そんなので人気を得るのはウチはいや」

凛「凛もいやだ」

にこ「わ、私だって本当はいやよ!!やるなら実力で勝負したいじゃない!」

穂乃果「うーむ…どうしよう。スクールアイドルはしばらく出来ない、μ’sは続けたい……」

穂乃果「何かしようにも、μ’sが活動する事自体"不謹慎"って言われちゃうよね」


一同「……」

海未「A-RISEの皆さんはどうするつもりなんでしょうか」

穂乃果「はっ、それだよ海未ちゃん!」

海未「えっ、え?何ですか」

穂乃果「ツバサさん達に、これからどうするのか聞いてみようよ!!もしかしたら参考になるかもしれないし」

絵里「確かに!同じ地域で、スクールアイドル…!!A-RISEだって活動が出来なくて困ってるはずよね」

穂乃果「そうと決まれば早速、レッツゴー!!」

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【UTX】

ツバサ「えぇ。私達も今はスクールアイドル活動を休止しているわ。」

英玲奈「だが、UTX側にも秘策はある。正確に言うと"あった"だが」

穂乃果「秘策!?」

あんじゅ「私達は、その秘策でμ’sとともに、もういちど私たちの人気を取り戻そうと思っているの。だけどその秘策も今はちょっと役にたたないというか」

海未「秘策とは、どういったものなのですか?」

ツバサ「その名も…『仮面ライバー プロジェクト』よ。」

穂乃果「仮面ライバー?」

ツバサ「そう、仮面ライバー。 このまえ発生した怪物がいるでしょう?その怪物を倒せるような、腕力や脚力など、身体能力を極限まで上昇させる装着型強化装甲よ。」

ツバサ「名前の由来は、まず最初に、デザインの設計上、頭に仮面を被らなくてはいけないこと」

ツバサ「この仮面を被ると首から上が完全に隠れるから、怪我の心配もないと思うわ。」

ツバサ「そして次に、キメラを倒すという"ライブ"をして、世間からもういちど人気を得るという目的からきているわ。体張って平和を守ってるんだから不謹慎では無いはずよ。」

希「なるほど。『仮面』+『Liver(ライブする人)』で、組み合わせて『仮面ライバー』って事やね。」

穂乃果「???」

絵里「要するに、それを着て戦えばキメラを撃破出来る、ってことね!」

穂乃果「おぉ!凄い!!」

ツバサ「…残念ながら確実に倒せるという保障はないけれど、何もせずにやられるよりはマシよ。」

海未「ちょっと待ってください。キメラはもう死んだはずだ、とニュースでやっていました。この"仮面ライバー プロジェクト"とやらは使う機会がないのでは?」

あんじゅ「そうなのよねぇ…。せっかく、試作機が完成したばっかり って時にキメラの出現が途絶えちゃったの。」

真姫「じゃあ結局、作ったはいいけど使えなくて、もう1度人気を取り戻すにはどうやったらいいのか考えたところってわけ?」

ツバサ「ええ。私達もあなた達と同じく、悩んでいる最中よ。」

絵里「うーん、困ったわね…」


一同「…」

海未「ボランティアとかはいかがでしょう。街のゴミ拾いなどを積極的にしたりすれば、音ノ木坂が安全であることを宣伝でき、かつ私たちの悪いイメージも薄れるのではないでしょうか。」

ことり「うん、街のためのボランティアなら不謹慎に思う人は少ないと思うな」

花陽「ボランティアなら、叩かれにくいね」

絵里「この意見に反対の人はいる?」


しーん

ツバサ「じゃあ、反対意見も無いみたいだし、μ’sとA-RISEで街のボランティアをしましょうか!」

穂乃果「よし!頑張ろー!!」

一同「おー!!」

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2時間後…


穂乃果「ねぇ海未ちゃん」ガサガサ

海未「はい?」ヒョイッ

穂乃果「周りに人がいないから、ゴミ拾いしても誰にも注目されないんじゃないかな」ヒョイッ

海未「…確かに」ピタッ

ことり「あはは…もうちょっと早くそれに気づけたらよかったね」

海未「すみません。」

海未「ん?穂乃果、ことり、あれ見てください」

穂乃果「ん、家電屋さんのテレビがどうかしたの?」

穂乃果「…キメラ!?」

アナウンサー『緊急速報です。本日午後2時15分、東京都 UTXビル前にて 未確認生物の出現が確認されました』

アナウンサー『以前に音ノ木坂学院に出現したものと類似した外見であることから、以前出現したものと同個体が生存していたのだろうとみて、警察は対応を急いでいます。』

穂乃果「!?」

ことり「キメラ!?」

海未「に、逃げましょう!」


ダッダッダッダッダッ

逃げようとする3人をツバサがひき止める。

ツバサ「そこの3人!!急いで現場に向かうわよ!!」ハァハァ

穂乃果「え!どうして!?」

ツバサ「警察が来たら現場の近くに立ち入りできなくなる!私たちが仮面ライバーを着けて キメラを倒すのは今しかない!!」

海未「なるほど、今仮面ライバーを使って倒せば、もう一度人気者に…!!」


ことり「どうする?穂乃果ちゃん」

穂乃果「もちろん行くよ…!もう1回スクールアイドルがしたいもん!」

ツバサ「…決まったみたいね。他のメンバー達はあんじゅ達に先導されてもう現場に向かってるはずよ。」

穂乃果「よし!急ごう!!」タッタッタッタッ

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【UTX前】


キメラ「ウガァァァァァ!!」

ツバサ「海未さん、ことりさん、悪いけれどUTX内のいつも私たちが話していた部屋に行ってちょうだい。」

ツバサ「中は安全だから、そこで待ってて!そこに英玲奈やあんじゅ、あなた達以外のμ’sもいるわ!」

海未「穂乃果は!?穂乃果は、どうするんですか?」

ツバサ「…仮面ライバー を装着してもらうわ。」

海未「そんな!危ないじゃないですか!」

ツバサ「穂乃果さんは、仮面ライバーを使いこなすポテンシャルを秘めていると私たちは考えているわ…!」

ツバサ「µ’s全員仮面ライバーを使う素質はあると思ってる…!でも、最初は穂乃果さんって、私たち3人で決めたの…!!」

海未「ですが…っ!!」

穂乃果「海未ちゃん!」

穂乃果「穂乃果のことは心配しないで!2人ははやく避難して!」

海未「穂乃果!」

ことり「海未ちゃん、穂乃果ちゃんのお願い、聞こう!」ガシッ

ことり「…行くよ海未ちゃん」タッタッタッタッ

海未「穂乃果!!絶対、絶対に消えちゃダメですからね!!」

穂乃果「うん!」ニッコリ

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穂乃果「どこに"仮面ライバー"ってのがあるの?」

ツバサ「はっ、しまった!UTXビルの中にあるんだった…!!すぐに取ってくるわ!」タッタッタッ

穂乃果「えっと…ここで待っておけばいいのかな」

キメラ「ウガァァァァァ」ブンッ

穂乃果の背後からキメラが腕を振りおろしてきたが、穂乃果は間一髪でそれを避けた。

穂乃果「うおっ!」サッ

穂乃果「まずい、私、狙われてる…?」タッタッタッ

キメラ「ゴァァァ!!」ブンッ

穂乃果「とうっ!!」サッ


キメラ「ガァァ!!」ガシッ

穂乃果は、両足を捕まえられ、逆さ吊りになってしまう。


穂乃果「あっ…脚が、うそ…!?捕まった!!」プラーン

ツバサ「穂乃果さぁぁぁん!!」タッタッ

ツバサ「このベルトを腰に巻いて『ミュージックスタート』と叫ぶのよ!!」ブンナゲッ

穂乃果「えっ?」プラーンタン

穂乃果「うわっ!!」キャッチ


キメラ「」カパッ


口を大きく開けるキメラ。


穂乃果「えっと、腰に…こう…かな」ガッシャーン

キメラ「」キュイイイイン

穂乃果「あっ……なんか意識が遠のいてきた……」

ツバサ「穂乃果さん!!」

ツバサ「左腰のボタンを叩いて、ミュージックスタートと叫んで!!」

穂乃果「ハッ」


ガチャン

穂乃果が左腰のボタンを叩く。

穂乃果「みゅ、ミュージックスタート!!」

辺り一帯に変身音が鳴り響く。


ギュォォォォン ギュォォォォン(変身待機音)

バァァァァァアン(変身音)

穂乃果「どりゃっ!!」ゲシッ

キメラ「ンギャア」パッ


穂乃果の強烈なパンチがキメラの顔面にヒット、キメラは穂乃果を手放した。

穂乃果「凄い…なんか凄いよこれ!!」

ツバサ「よしっ、ちゃんと変身出来た!!」

ツバサ「最初の装着者にあなたを選んで正解だったわ!」

穂乃果「とりゃっ!!」バキッ

キメラ「ギャア!!」

全身オレンジ色の鋼ボディに身を包んだその姿。世界で初めての『仮面ライバー』が誕生した。

穂乃果「よし!これだけパワフルならキメラとも戦えるよ!!ありがとう、ツバサさん!!」

ツバサ「礼なら良いわ!ちゃちゃっとそいつを倒してちょうだい!!」

穂乃果「うん!やってみるよ!!」グッ

穂乃果の強烈な右ストレートがキメラへと炸裂。

キメラ「ウギャア!!」

キメラ「ウガァァァァ!!」ブンブン


キメラも必死に反撃する。


穂乃果「ガハッ!!痛っ!!」

ツバサ「穂乃果さん!いくらそれを着ているからといっても、ダメージは食らうから気をつけて!!」

ツバサ「もうひとつ言うことがあったわ!」

ツバサ「それは試作機だから、パワーを抑えるギミックがないの!!リミッターって言うのがなくてカクカクシカジカ」

ツバサ「だからあまり暴れすぎると身体にも負担が大きいから、気をつけて!!」

穂乃果「分かった。ちょっと怖いけど、皆を守るために頑張るよ…!!」ダッ

穂乃果の打撃がどんどんキメラへと与えられてゆく


ドガッバキッ

キメラ「ウゥ…」クラリ


穂乃果「よし、ひるんだ!今チャンスだよね!!」

穂乃果「何か必殺技っぽいもので決めたい…!」

穂乃果の打撃がどんどんキメラへと与えられてゆく


ドガッバキッ

キメラ「ウゥ…」クラリ


穂乃果「よし、ひるんだ!今チャンスだよね!!」

穂乃果「何か必殺技っぽいもので決めたい…!」

ツバサ「穂乃果さん!右腰に付いているボタンを叩いてみて!」

穂乃果「こ、こう?」ガチャン

ベルト『アンコール!アンコール!』

穂乃果「ベルトが喋った!?」

ツバサ「それはアンコール機能と言って、身体に大きな負担を与える代わりに一撃だけ強力な攻撃を出せるようになるの!!いわゆる、必殺技よ!!」


穂乃果「分かった!!」

穂乃果「よーし!きめちゃうよ!!」タッタッタッ

ベルト『アンコール!アンコール!』


穂乃果「ほのかキーック!!」ドゴッ

キメラ「グァァァァァァァァァア!!」シュゥゥゥゥ

バゴォォォォン!!

キメラ、爆散。

ツバサ「やったわ!キメラを倒したわ!!」

穂乃果「やった!私、勝ったよ!!」

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警察「君たち!何をしているんだ、なにかの撮影か?ここは未確認生物が出現したんだ、危ないから避難しなさい!!」

穂乃果「ふっふっふ、それがですねおまわりさん」

穂乃果「私がキメラを倒しました!!このスーツが証拠です!!」ガシャン

警察「は?」

ツバサ「あぁ、えっと詳しくは私が話します…実はカクカクシカジカ バサバサツバサ…」

警察「君たちが、あの化け物を…?す、凄い…」

ツバサ「失礼ですが、警察の出番はまだ必要ないと思います。」

警察「う、うむ…。未確認生物の死骸などがあれば、回収して専門機関で研究をさせてもらうが、それは異論ないね?」

ツバサ「はい。キメラの正体や謎を解明してくださると嬉しいです。」

警察「詳細が分かりしだい、テレビのニュースで放映されると思う。」

ツバサ「分かりました。ありがとうございます。」

穂乃果「この装備 はずすにはどうしたらいいの?」

ツバサ「変身している状態で左腰のボタンを叩けばOKよ」

穂乃果「」ガチャン

シュゥゥゥン


穂乃果「あ、生身にもどった」

穂乃果「ふぅ、疲れたぁ」

穂乃果「そういえばツバサさん、1つ、思ったことがあるんだけれど」

ツバサ「何?」

穂乃果「さっきのキメラ、最初に音ノ木坂で見たキメラとなんだか違う気がする」

ツバサ「他にもキメラがいるってこと?…その勘、はずれてほしいわね…。」

穂乃果「まぁ、うろ覚えなんだけどさ。…今回の件で、私達のイメージも良くなったかなぁ?」

ツバサ「えぇ、きっと…きっと良くなっているはずよ!」

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第1話 完

〖 第2話:START:DASH!!〗

すみません、偽物対策でトリップを付けておきます。

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仮面ライバー高坂穂乃果による キメラ撃破から一夜明けてのこと…

【部室】


絵里「すごいじゃない穂乃果!あのキメラをやっつけちゃうなんて!!」

穂乃果「えっへへ~」

凛「穂乃果ちゃんニュースにも映って、すっごく有名人にゃー!」

真姫「スクールアイドルじゃなくて、仮面ライバーとしての人気が出ちゃったみたいだけどね。」

にこ「仮面ライバーを作ったUTXと穂乃果ばっかり評価されて、にこ達はまーったく人気が復活した感じがしないわ。」

穂乃果「穂乃果がキメラを倒したから、悪いイメージとかは消えたはずだよ。」

ことり「お母さんが、学校にたくさん電話がかかってきてるって言ってた!」

ことり「スクールアイドルは街の平和も守ってるなんてすごいね!などなど」

穂乃果「なんだか誇らしいなぁ」

絵里「で、穂乃果」

穂乃果「ん?」

絵里「それ、いつまで置いておくの?」

穂乃果「え、あ、これ?」ガッチャンガッチャン

海未「その、仮面ライバー とやら、もう用済みですしUTXに返したらどうですか?」

穂乃果「いやぁ返そうかとか考えたんだけど、何だか持っておかなくちゃいけない気がして。」

穂乃果「ちゃんと名前もつけたんだ。名付けて『穂むら1号』!!」

穂乃果「それに、お願いしたら、ツバサさんからも"プレゼントしてもいい"って言われたんだよ」

海未「なるほど。ツバサさんがそういうなら、返さなくても良さそうですね。」

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【UTX】

ツバサ「私たちはこれからどうしましょうか」

英玲奈「仮面ライバーを着る必要性がない。それに、仮面ライバーとしての人気は高坂穂乃果に完全に敗北してしまっている。」

あんじゅ「そうねぇ。私たちはもうスクールアイドルとしてライブをしてもいいんじゃないかしら。」

あんじゅ「少なくとも、上が私たちを仮面ライバーにあまり関与させない方針みたいだし。」

あんじゅ「µ’sに協力したくても出来ないのが現状よ…。」

ツバサ「ん…あら?ちょっと待って、今テレビで報道しているのって…まさか」


ニュース「ニュース速報です、先日撃破されたと思われていた未確認生物が、東京都に再度出現致しました。」

ニュース「分析の結果、人と動物のDNAを持ち合わせた合成生物であることが判明したため、警視庁はこの生物を『キメラ』と名付けました。」

ツバサ「そんな…先日穂乃果さんが倒したはずでは!?」

あんじゅ「人と…動物の…合成生物……!!」ゴクリ

英玲奈「…念のために、仮面ライバー を複数生産しておいた方が良さそうだな」

あんじゅ「穂乃果さんに連絡しましょう。今仮面ライバーを持っているのは穂乃果さんだけよ」

ツバサ「ええ!」

英玲奈(( 仮面ライバーを捨てずに持っていた高坂穂乃果の運……まるで天が彼女に味方をしているようだな ))


プルルルルル

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【部室】

プルルルルル

ガチャッ


穂乃果「えぇ!?またキメラが?」

花陽「ま、またですか!?」

穂乃果「うん!分かった、すぐに向かうよ!!」

ツバサ『ありがとう。車をそちらに手配するわ。』

穂乃果「分かった!」

希「穂乃果ちゃん、無理だけはせんといてな」

穂乃果「もちろんだよ!」
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【秋葉原 とある駐車場】

キメラ「グルァァァァァ!!」

穂乃果「どうしてまた復活してるの…!?」

穂乃果「とりあえず、倒さなくちゃ」ガチャン

穂乃果「ミュージックスタート!」

ギュォォォォン ギュォォォォン

バァァァァァアン

穂乃果「はぁっ!!」ドカッ

ドゴッ
バキッ

キメラ「グェェェ!!」ヨロヨロ

キメラは蹴られた衝撃で5m程吹っ飛んだ。

穂乃果( やっぱりこの前音ノ木で見たキメラと、なんだか違う…!! )

マスコミ「いたぞ!彼女だ!!」タッタッタッ

マスコミ「すみません、仮面ライバーの高坂穂乃果さんですか?」

穂乃果「う、うん。そうだけど」

マスコミA「なぜ仮面ライバーになったのか、なにか一言いただけますか?」

穂乃果「え、えーっと…」

キメラ「ウゴァァァァァァ!!」


穂乃果「皆、危ないからとりあえず今は下がって!!」

マスコミA「ひぃっ」タッタッタッ

マスコミB「しっかりと撮るんだ!!あれが、高坂穂乃果!あれが、仮面ライバーだぁ!!」

穂乃果とキメラの戦闘は激しさを増す。


穂乃果「とりゃあ!!」ドガッ

キメラ「グァァァ!!」ヨロヨロ

穂乃果「はっ」

穂乃果「チャンス!!」タッタッタッ

マスコミC「懐に潜りこんだぞ!!何をする気だ!?」

穂乃果「いくよ、必殺技!」ガチャン


ベルト『アンコール!アンコール!』


穂乃果「はぁあああ!!」ドゴッ

穂乃果のアッパーが炸裂した。

キメラ「ウギャァァァア!!」シュゥゥゥゥ

ドッカァァァァァアン


マスコミA「すげぇ…倒した」

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翌日…

【音ノ木坂 部室】

絵里「昨日、マスコミからインタビューされたのね」

テレビ『穂乃果「キメラが出ても私が倒しちゃうよ!!」』

ことり「かっこいいよ穂乃果ちゃんっ♪」

凛「凛も変身したーい!!」

海未「μ’s人気が凄いですよ。スクールアイドルではなく、"仮面ライバー"として、ですが」

海未「…実際に街を守ってるのは穂乃果なのに、私たちまで人気になっちゃっていいのでしょうか」

穂乃果「いいよいいよ、これでμ’sが人気になったんだから、またスクールアイドルやろうよ!」

真姫「ねぇ、水を差すようで悪いんだけど」


穂乃果「ん?」

真姫「キメラ…これからまた出るかもしれないんでしょ。」

真姫「それに、いま世間は"スクールアイドルとしての私達"じゃなくて、"仮面ライバーとしての私達"を求めてるんじゃないかしら?」

希「真姫ちゃんの言ってることは一理あるね。」

花陽「キメラが出現する可能性がある以上、第2回が噂されていた ラブライブの開催すら怪しいところです…」

穂乃果「じゃあ、今は仮面ライバーとして、活動するべきなの?」

希「多分、それが良いかもね。キメラが絶滅してから、スクールアイドル活動を再開してもまだ時間はあるやん」

穂乃果「うぅ~ん……う~ん……」

穂乃果「………よし、分かった。平和になるまで続ける…!」

海未「でも、穂乃果ばっかりに負担をかけていては、罪悪感があります」

凛「凛だって街を守りたーい!」

穂乃果「うーん…でもこれ一着しかないし…」ガシャンガシャン

絵里「…ふっふっふ」

希「?」

にこ「どうしたのよ、絵里」

絵里「こんなこともあろうかと、ツバサさんとじっくり話しておいたの」

にこ「いつの間にっ!?」

ことり「ハラショー」

凛「ミトメラレナイワァ」


絵里「み、認めてね、凛」

絵里「ツバサさんいわく、そのベルトは音声認識で変身するらしいの。だから、穂乃果が持ってるベルトは最初に穂乃果の音声で登録したから、穂乃果にしか使えないの。」

凛「なーんだ、残念。凛も変身したかったなー!」

絵里「ふふふ…早まらないで、凛」

絵里「昨日キメラが再出現したことをうけて、仮面ライバーを複数作ろうという話になったそうよ。」

凛「えっ、じゃあ、凛たちも変身できるんだ!やったぁー!!」

絵里「キメラがまた出てくるかは分からないけれど、穂乃果にもしものことがあったとき、ほかに戦える人がいないのは大変だもの。」

絵里「μ’s全員分の仮面ライバーを制作予定らしいわ。」

絵里「ベルトを作るのにはそれなりに時間がかかるから、出来上がり次第 順次音ノ木坂に届けるそうよ。」

穂乃果「おぉ~、穂乃果もみんなと一緒に街を守れるんだ!」

絵里「"先に2つほど完成しそうだから明日届けに来るわね"って昨日言ってたんだけど…まだかしら」

希「んー、まだ来てないね」

海未「A-RISEは仮面ライバーとして活動しないのですか?」

絵里「…しないみたい。仮面ライバーとしての人気は完全に穂乃果が勝っているみたいで、スクールアイドルに集中することにしたみたい。」

海未「スクールアイドルに専念できるなんてうらやましいです。」

花陽「あ、あのっ!!」

穂乃果「どうしたの?花陽ちゃん」

花陽「2つ…誰が着けるんですか?」

希「あ、そっか、決めなくっちゃね」

凛「はいはいはい!凛やりたい!!」

凛「もちろんかよちんと2人で!」


凛「ちょうど2つ来るから大丈夫だよね?」

絵里「凛、ちょっと待ってね。他にやりたい人はいる?」

海未「…」スッ


穂乃果「んぇえ!?海未ちゃん意外っ!!」

海未「だって、穂乃果だけに負担をかけさせるのはあれですから。私も手助けしたいです。」

凛「ちょっと待ってよ海未ちゃん!かよちんと一緒にやりたいの!」

海未「むむ…ですがしかし、1年生2人に任せるのも少々気が引けるというか」

凛「大丈夫!海未ちゃんの分まで、しっかり穂乃果ちゃんを守るからさ!」

凛「ねー かよちん?」

花陽「えっと…その、言いにくいんだけど凛ちゃん、そのー…」

凛「?」

花陽「私は、ちょっとまだ心の準備とかが…」

花陽「それに、正直怖くて、急に変身だなんて花陽には到底…」

凛「かよちんなら大丈夫だよ!ほら、一緒に変身しよ?」

にこ「凛、どうしたのよあんた…何か様子が変じゃない?」

希「なにか、焦ってるみたいやけど…。」

凛「そんなことないよ?いつもの凛だよ!」

絵里「凛、花陽に無理に押し付けるのは かわいそうよ。」

絵里「どうしてそこまで変身することに こだわるの?」

凛「それは…」

凛「…」

希「…」チラッ

希「凛ちゃんの早く変身したい気持ちは、よーく分かった」

希「けどね、凛ちゃん。花陽ちゃんを待ってあげてほしいんよ。」

希「花陽ちゃんが いざ"初めて変身するぞ"って時に、凛ちゃんも一緒に"初めて変身"した方がいいんじゃないかなあ」

希「"初めて"を共有するのって、凄く心強いことやと思うよ。」

凛「んー…」

凛「わかった。凛、待つよ」

花陽「ごめんね、凛ちゃん」

凛「かよちんは謝らなくていいにゃ!」

凛「凛はぜーんぜん怒ってなんかないよ!かよちんと一緒に変身したいから、待つ!!」

花陽「凛ちゃん…!!」

凛「かよちん…!!」

花陽「凛ちゃん…♡」

凛「かよちん…♡」

にこ「はいはい、ゆりゆりしないの」パンパン


にこ「結局、誰が着けんの?」

絵里「海未は、着けるって事でいい?」

海未「あ、はい。お願いします」

絵里「あと一人、どうする?」

希「穂乃果ちゃんと海未ちゃん ときたら、ねぇ」チラッ

ことり「えっ?」

穂乃果「穂乃果もことりちゃんがいいな~」

海未「ことり、お願いします。」

ことり「え、でもぉ…ことりには荷が重いよぉ」

穂乃果「ことりちゃん、お願い!」

ことり「え、えっと…」


海未「お願いです!」キラキラ

穂乃果「お願い!」キラキラ


ことり「うーんもぉ、分かったよぉ」

ことり「こんなにお願いされたら断れないし、やる…!!」

絵里「あ、ひとつ言い忘れてたんだけど」

絵里「穂乃果のは試作機だからおいといて、穂乃果以外の私達に配られる仮面ライバーは正規品よ。」

絵里「必殺技は一定時間に一度しか撃てない。身体に負担をかけないために、らしいわ。」

絵里「穂乃果のは、試作機だからそんな制限無いとも言ってた。」

海未「ふむ…なら決め技として使った方が良さそうですね」

コンコン


希「おっ、これはもしかして」


ガチャ


英玲奈「やぁ、これ、お土産だ」スッ

真姫「良いタイミングね。ちょうど仮面ライバーを持ってきてくれるなんて」

英玲奈「仮面ライバーを2着と、そしてもうひとつ」

英玲奈「キメラの出現場所がリアルタイムで分かる腕時計型モニター9つだ。」スッ

花陽「UTXの科学力って一体…」ゴクリ

真姫「いったいどうやってキメラを察知してるいるのよ…」

英玲奈「キメラが、なんだかよく分からないが電磁波を発しているらしくてな。それをキャッチしている。」

英玲奈「人間の電磁波と近い周波数らしい。」

英玲奈「じゃあ、用件は済んだので私は帰ることにするよ。」

英玲奈「これからも順次、届ける」

ガチャ

ピピピ ピピピッ


穂乃果「あ、時計が鳴った…」

絵里「ってことは、キメラが出たってことよね」

穂乃果「行ってくる!」タッタッタッ

海未「ことり、私たちも行きましょう!」タッタッタッ

ことり「うん!」タッタッタッ


凛「いっちゃったにゃ」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【とある路地裏】

キメラ「ゴギャアアア!!」

穂乃果「いた!あそこ!」

穂乃果「ミュージックスタート!!」

ギュォォォォン ギュォォォォン

バァァァァァアン


穂乃果「仮面ライバー穂乃果 見参ッッ!!」シャキーン

海未「随分と手慣れてますね…」

ことり「えっと、腰にまいてボタンを叩いて、ミュージックスタート、って言えばいいんだよね」

穂乃果「2人とも、変身だよ!」

海未「えぇ」ガチャン

ことり「はいっ」ガチャン

2人がそれぞれ左腰のボタンを叩く。

海未「ミュージック、スタート!」

ことり「ミュージックスタート♪」

ギュォォォォン ギュォォォォン ギュォォォォン

ババァァァァァアン!!

海未「意外と重いんですね」ガチャンガチャン

ことり「穂乃果ちゃんこれ着て戦うなんて凄いなぁ」ガッチャン

穂乃果「わーい!三人揃ったぁ!」

穂乃果「いっくよーーー!!」

海未「えぇ!」

ことり「ことりに出来るかなぁ」

穂乃果「これが仮面ライバーμ’sとしての、ファーストステップだよ!!」ダッ

海未「えぇ、スタートダッシュをしっかりと決めてやりましょう!」

ドゴッ

穂乃果の強烈な蹴りが腹部へと炸裂

海未「はぁぁぁぁ!!」

ドガッ ドゴッ

続いて海未の強烈な殴打

ことり「えいっ!」タッタッタッ

ドゴッ

そして、ことりの体当たり


今まで積みあげてきた絆が3人にはあるからこそ、初めての戦闘でも息の合ったコンビネーションが出来ていた。


キメラ「グォゥゥ!!」ブンッ

海未「はっ!!」ガシッ

海未はキメラが振り下ろした腕を、両手で受け止めた。


穂乃果「受け止めるなんて凄いよ海未ちゃんっ!」

穂乃果「えぇぇぇい!!」ゲシッ

穂乃果の強烈な蹴り。


キメラ「ウギャァァァア!!」

穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん、必殺技 やってみようよ!」


海未「フフフ 待っていましたよこの時を」ガチャン

海未は右腰のボタンを叩いた。

ベルト『アンコール!アンコール!』

海未「ラブアロー!シューート!!」ビュゥゥゥゥン


青色の閃光がキメラを貫く

バッゴオォォォン!!

ベルト『アンコール!アンコール!』

海未「ラブアロー!シューート!!」ビュゥゥゥゥン


青色の閃光がキメラを貫く

バッゴオォォォン!!

ことり「あ、海未ちゃんが倒しちゃったね」

海未「快感ですね、これ。」


ズキッ

ことり(( むっ…ちょっと膝が痛むかも…。頑張りすぎちゃった…? ))

穂乃果「ん?どうかしたのことりちゃん」

ことり「う、ううん…何でもないよ」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【帰り道】

穂乃果「2人とも、あんなに派手に動いてたけど、どこかで練習でもしてたの?」スタスタ

海未「ふふっ…穂乃果の手助けが出来ないかと思って、私のお父様に空手の稽古をつけてもらったんです。」スタスタ

ことり「ことりも一緒に習ったんだよ♪」スタスタ

穂乃果「えぇっいつの間に!?」スタスタ

海未「穂乃果が初めて仮面ライバーになった日の翌日からです。」スタスタ

海未「私たちは、力は弱いです。ですが、仮面ライバーは力や身体能力を極限まで高めてくれます。」スタスタ

海未「だから、キメラとも戦えたんです。」スタスタ

穂乃果「なるほどぉー」スタスタ

穂乃果「あっ、ちょうどいい所に自販機発見!」

穂乃果「ちょっと喉が乾いたから自販機で飲み物買っていい?」スタスタ

ことり「うん、いいよー」スタスタ

穂乃果「ありがとー」スタスタ

チャリーン

穂乃果「オーレンジジュ~ス~♪」ポチッ

ガコンッ

海未「ことり、なにか飲みますか?」

海未「おごります」

ことり「わぁ、ありがとね、海未ちゃん!」

ことり「無糖コーヒーがいいな♪」

海未「!?」

穂乃果「!?」

穂乃果「ことりちゃん…大人…!」

海未「むむ、む、無糖…!?」

海未「そんな苦いものを飲んで、なぜそんな甘い声が出るんですか!」

ことり「えっ、そういわれてもぉ…」

海未「チーズケーキが好きだから、甘い飲み物が好きなのかと思ってましたよ」ポチッ

ガコンッ

ことり「んー、にんにくとかは嫌いなんだけど…苦いものは結構好きだったりするよ」

海未「はいどうぞ」スッ

ことり「あっ、ありがと」パシッ

ことり「海未ちゃんはなに飲むの?」

海未「もう買いました」サッ

穂乃果「ん?なんで隠すの?」

海未「べ、別にいいじゃないですか!私の飲むものなんて」

穂乃果「見せてよ~」グイグイ

海未「ちょっ、引っ張らないでくださいっ!!」

ことり「みーせーて~」グイグイ

海未「あっ」ポイッ

ゴロゴロゴロ


[超絶激甘ミルク]

穂乃果「…」

海未「…み、見ないでください…///」ヒョイッ

穂乃果「へぇ…海未ちゃん激甘党なんだ~」ジーッ

ことり「そういえば、中学生までお母さんと一緒にお風呂に入ってたもんねー」ジーッ


海未「なっ、なぜその事をことりが知ってるんですか!?」

ことり「海未ちゃん甘えんぼさんだもんね~」ジーッ

穂乃果「うんうん」ジーッ

穂乃果「甘い牛乳が好きなんて、可愛いなぁ」ジーッ

海未「みっ、見ないでくださいっ!」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ことり「」ゴクゴク

海未「そういえば、穂乃果はなんでそんなに戦い方が上手なんですか?」

穂乃果「んー、分かんない」

穂乃果「自分でも、こんなに動けたなんてびっくりしてるくらいだよ」

海未「天性の才能…ってやつですかね」

第2話 完

〖第3話:ススメ→トゥモロウ 〗

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

仮面ライバーが三人になってから1週間後…

あれから、キメラの発生報告はどんどん増え、出現場所も秋葉原から遠い所へも出現するようになった。

そして…

絵里「じゃーん!ついに仮面ライバーが9つ揃ったわよ!!なんと、一気に6つも届いたわ!!」

凛「やった!これで凛たちも変身出来る!」

希「ついにウチらも仮面ライバー デビューやね♪」

真姫「私は興味無いわ。」

花陽「凛ちゃん、守ってあげるからね…!!」

にこ「ついに、このにこにーの天下がやってくるのね!」

海未「ついに全員揃う日が…!!」

ことり「ここ最近、どんどんキメラが出てきて、正直結構疲れたぁ…」

ピピピッ ピピピッ

時計が鳴った。

希「よーし、ベストタイミングやね。どこに出たん?」

花陽「えーっと」

花陽「み、三つ!?」

花陽「離れた3ヶ所から別々に信号が出てますっ!!」

希「なら、三チームに別れて行こっか」

にこ「場所はどこなのよ」

花陽「東京と、神奈川と、静岡です」

絵里「し、静岡!?」

真姫「仕方ないわね…うちのヘリで連れてってあげるわよ」

希「さっすが真姫ちゃん、話が早い」


希「じゃあ、1年生の3人は静岡へお願いしてもいいかな?」

真姫「分かったわ。ちゃっちゃと終わらせてくる」


希「ウチら3年生は、神奈川の方へ。」

絵里「UTXの送迎車を呼ぶわね。」ピッピッピッ


穂乃果「じゃあ2年生は東京の現場へ行こう!」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【静岡県 とある広場】


キメラ「ガルァァァァ!!」

真姫「どうやら被害者はいなさそうね」

ガチャン

凛「ミュージックスタートにゃ!!」タッタッタッ


ギュォォォォン ギュォォォォン

バァァァァァアン

真姫「ちょっと、待ちなさいよ凛!」タッタッタッ


花陽「えっと、みゅ、ミュージック…スタート?」ガチャン

ギュォォォォン ギュォォォォン

バァァァァァアン


真姫「みゅ、ミュージックスタート…///」ガチャン

ギュォォォォン ギュォォォォン

バァァァァァアン

凛「いっくよー」ガチャン

ベルト『アンコール!アンコール!』

凛「凛ちゃんパーンチ!!」ズガッ


キメラが5mほど後ろへ吹っ飛ぶ。

キメラ「ウゲァゥァアア!!」シュゥゥゥゥ

バッゴオオォォォォン!!

真姫「え、早っ…」

花陽「凛ちゃん、花陽 何もしてない…」

凛「倒せたから良いの良いの!」ブイッ

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【東京 とある広場】

ことり「ことりキーック!えいっ!」バゴッ

キメラ「グヌァァァァァ!!」シュゥゥゥゥ

バッゴオォォォォォン!!

穂乃果「ことりちゃんもけっこう慣れてきたねー」

ことり「えへへ、ありがとう穂乃果ちゃん」


ズキッ


ことり(( 痛っ…やっぱり膝、やっちゃった…!? ))

海未「ことり、どうかしたんですか?」

ことり「う、ううん…何でもないよ。」

ことり(( どうせすぐに治るよね ))

穂乃果「どこか痛いの?」

ことり「う、ううん!ぜんぜん平気だよっ♪」

ことり「あ、そうだ!」

ことり「もし、また穂乃果ちゃんと海未ちゃんとスクールアイドル出来たらやりたい曲があるんだけど…いい?」

海未「何の曲ですか?」

ことり「ススメ→トゥモロウをライブで歌いたい。」

ことり「最近、キメラと戦っていて感じたの」

ことり「私たちには"明日"があるかなんて、分からない。」

ことり「でも、明るい未来を信じて、明日へ向かって進む気持ちが大切なんだ…って…!」

ことり「その想いを、みんなへ伝えたいの」

穂乃果「…うん!!」

穂乃果「絶対にやろう!」ニッコリ

海未「はい…!!」ニッコリ

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【神奈川】

キメラ「」キュィィィィン

市民A「…あ…あぅ…」

パァァァア

市民A、消滅。


市民B「いやぁぁぁああああああっっ!!」タッタッ

希「あっ…」

絵里「そんな…私達手遅れだった…」

希「絵里ち、にこっち、今落ちこんでたら更に被害者が出るよ!!」ガチャン

希「ミュージックスタート!!」

絵里「…ミュージックスタートっ!」ガチャン

にこ「みゅ、ミュージックスタート!!」ガチャン


ギュォォォォン ギュォォォォン ギュォォォォン

バババァァァァン!!

希「ほっ!」ドゴォ

絵里「やぁっ!」バキィ

にこ「おりゃあ!!」ズドッ

希「2人とも、ちょっと離れといて」ガチャン

ベルト『アンコール!アンコール!』


希「スピリチュアルパワー…たっぷり注入しないとやね」

希「スピリチュアルパーンチ!!」ドゴッ

キメラ「ウギャァァァ!!」シュゥゥゥゥ


バッゴォォォン

絵里「」ガチャン

にこ「」ガチャン

絵里とにこは左腰のボタンを叩き、変身を解除した。

シュゥゥゥゥン


絵里「…ねぇ、希、被害者たちの魂が、肉体が戻ることってないのかしら」

希「」ガチャン

シュゥゥゥゥン

続いて、希も変身を解除する。

希「うーん…ウチには分からない。」

希「でも、いつかは戻ってくることを信じて、キメラを倒し続けるしかないんじゃない?」

にこ「いつか私たちも…消えたりするの…?」ゾッ

希「にこっち、身を守るための仮面ライバーやん。ウチらが他の人を守るように、ウチら自身の身を守るためにも仮面ライバーが必要。」

絵里「え、えぇ。それは分かっているけれど、万が一のことがあるじゃない?」

希「絵里ち、ウチらがクヨクヨしてたら、他の人たち守れないよ」

絵里「そうよね…」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

翌日…


【部室】

穂乃果「みんな、昨日はお疲れ様!」

凛「ねぇねぇ、凛が一発でどっかーんって倒したんだよ!」

穂乃果「すごいよ凛ちゃん!」

凛「えっへへ~」

絵里「…」

真姫「そのせいで私たち出番なかったじゃない!」

花陽「花陽は助かった…かなぁ。戦わなくて済んだから」

海未「私たちはいつもどおりでしたね」

ことり「うん♪」

にこ「…」

真姫「…」チラッ

真姫「何よ、エリーも にこちゃんも、一言くらい喋ったらどうなの?」

絵里「いや、その…なんていうか……」

希「絵里ち、ウチが説明するよ」

希「昨日、神奈川に行ったけれど、人が消える瞬間を、また目撃してしまったんよ…。」

花陽「!?」

にこ「そりゃあ、明るくなんてなれるわけないじゃない!また、私の目の前で人が消え去ったのよ?」

海未「ですがにこ、いつまでも落ち込んでいては守れる命も守れなく…」

にこ「あんたたち、覚えてないの!?」

にこ「最初に音ノ木坂の生徒が被害にあったのを!」

海未「…っ」

にこ「穂乃果、そのとき凄く落ち込んでたわよね!守れなかった、って」

穂乃果「それは…」

にこ「私も同じ気持ちだった。でも、あんたとはその後の考え方が違う」

にこ「あんたは前向きに『これ以上被害を出さないように頑張ろう』って、思ったんだろうけど、私はそんな前向きにはなれなかった…!!」

海未「まぁ、そう怒鳴らずに…」

にこ「自分たちが消えちゃうかもしんないのよ!?」

絵里「…っ」

にこ「自分が消えてしまう恐怖は、あんたたちには無いの?」

海未「無いわけじゃないですし、だからといってやはり落ち込んでいては…」

絵里「三年生だから、みんなを引っ張れるようにと思って明るく振舞おうと思っていたんだけれど…」

絵里「どうしても、どうしても目の前で人が消えてしまうことに耐えられなくて」

絵里「私 三年生なのに…」

真姫「三年生とか、関係ないわよ」

絵里「えっ」

真姫「私のパパだって長らく人の死を近くで見てきているわ。でも、そんな大人のパパでさえ」

真姫「人の命を救えなかった罪悪感に押しつぶされそうになるときがよくあるって、言ってたわ。」

真姫「命が消えていくのを目の前にして、年齢なんて関係ないのよ」

真姫「落ちこんだときは、いつもパパをママが慰めていたわ。あの親に産まれて恥ずかしいって思っちゃうくらいイチャつくんだから…」

希「じゃあ、絵里ちが落ち込んだときはウチが慰めてあげるね」

絵里「えっ…」

穂乃果「いーや希ちゃん、絵里ちゃんの嫁ポジションは穂乃果が」

海未「2人とも、"えりうみ"という組み合わせを知らないのですか」

海未「僕らのLIVE 君とのLIFE を見てください。ほら、"えりうみ"ではありませんか。初期から公式も えりうみ を推しているのです。」

穂乃果「いやいやいや、ほら海未ちゃん!生徒会長同士、未知の可能性を秘めたほのえりが一番だよ!!」

希「絵里ち関連だと一番メジャーなのは"のぞえり"やろ?」

絵里「クスクス…皆、ありがとね」

絵里「今度1人ずつ、慰めてもらうわ」

絵里((私とにこのために、明るくしてくれてるのね…ありがとう、みんな…!))

にこ「どうせ私の相手は真姫でしょ?」

真姫「何よ!私じゃ嫌ってわけ?」

にこ「ううん、むしろ真姫ちゃんじゃなきゃ、い・や♡」

真姫「なななっ、な、何よそれ!///」

にこ「焦る真姫ちゃんもかーわいー!!」ナデナデ

真姫「ナッ、ナデナイデ!!///」

(・8・)「」ジーーッ

にこ「あ、あれはっ!」

にこ「にこまきに 待った をかける存在"南ことり"!!」

(・8・)「」ジーーッ

真姫「なに!?めちゃくちゃ見てくるわよ!にこちゃんどうにかしなさいよ!!」

にこ「フム…ことにこも悪くないかも」

(・8・)「」ニヤリ

真姫「トラナイデ!!」

花陽「凛ちゃん♡」

凛「かよちん♡」

花陽「凛ちゃん…!!♡」

凛「かよちん…!!♡」

ピピピッ ピピピッ

にこ「何よタイミング悪いわね!どこに出たのよ」

花陽「えっと、近い…です。音ノ木坂から1kmもない場所みたいです」

にこ「…悪いけど、私は戦いたくないわ…」

海未「仕方ないです、にこの気持ちも分かります。死ぬのは、誰だって怖いことですから」

絵里「…私も、今はごめん。」

絵里「もう少し、心が落ち着くまで待ってほしいの」

希(( 今の2人にキメラの姿を見せたらストレスになりそうやね… ))

希「じゃあ、2人はこのまま部室で待っててもらってもいい?」

絵里「え、えぇ…。悪いけれど、そうさせてもらうわ。」

にこ「あんたら、やられるんじゃないわよ」

穂乃果「7人もいるから、大丈夫だよ」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【とある公園】

穂乃果「キメラが、何匹もうじゃうじゃ居るよ…!!」

希「全員で、全部やっつけないとね…!!」

凛「よーし!凛頑張るっ!!」

ガチャン

一同「「「「「「「 ミュージックスタート!! 」」」」」」」

ギュォォォォォォォォオォォォォォォオオオオン

バァァァァァアン!!

穂乃果「仮面ライバーμ’s、見参っ!!」

凛「いくにゃ!」ガチャン

ベルト『アンコール!アンコール!』

凛「凛ちゃんパーンチ!!」バゴッ


キメラa「ギャオ」サッ


凛「よけたっ!?」

穂乃果「凛ちゃん!必殺技使ったらちょっとの間必殺技使えなくなっちゃうよ!」ドガッ

凛「はっ、そうだった!」サッ

凛はキメラの反撃を避けた。

希「うりゃうりゃうりゃ!!」ドガッバキッ

キメラb「グァァァア!!」

花陽「えいっ!」ドカッ

花陽のパンチがキメラの腹部へとヒット。

キメラc「グェェエッ」

真姫「…なかなかやるじゃない、花陽。」

花陽「えへへ…凛ちゃんの見よう見まねだけど」

キメラd「グルルル…」ドシッドシッ


ことり「あっ、公園から1体出ようとしてる!」

ことり「ことりが倒してくるね!!」タッタッタッ

海未「はい!分かりましたっ!」ドガッ

穂乃果「やぁ!」バキッ

穂乃果「いくよ!」ガチャン

ベルト『アンコール!アンコール!』


穂乃果「穂むらシュート!!」バゴッ

キメラa「ウギャァァァア!!」シュゥゥゥゥ


バッゴォォォン

海未「ラブアローシューート!!」ビュゥゥゥゥン

バッゴォォォン


希「スピリチュアルパンチ!!」バキィ

キメラc「ギャア!!」シュゥゥゥゥ

バッゴォォォン

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ことり「ていっ!」ブンッ

ことりが右脚で蹴りを繰り出すも、キメラはなんなく避ける。

ことり「よし、早めに決めちゃおっと」ガチャン

ベルト『アンコール!アンコール!』

ことり「いくよ!」ピョンッ

ことりは天高くジャンプをし、空中から飛び蹴りを繰り出した。

ことり「ことりキーック!!えいっ!」ブンッ

キメラ「」サッ

ことり「えっ、うそ…避けられちゃった!?」

キメラ「グルァァァ!!」ブンッ

キメラが右腕を大きく振りかぶる。

ズキッ

ことり「痛っ……!!」

ことり(( 膝が……!!))

ことり(( 何でこんな時に…!!))

キメラ「ガォォオ!」ドカッ

ことり「きゃっ!!」

殴られた衝撃でことりが吹っ飛ぶ。


キメラ「グルルル」ドシッドシッ

キメラ「ゴァァァ」ガシッ

ことり「きゃあっ!!」

ことり(( 捕まった…!! ))

ことりは、ことりの身体全体を締め付けるほどの大きな手に捕まってしまう。

ことり「なんて力なのっ…!! 腕が…締めつけられてっ…動かせないっっ!!」ギュゥゥゥゥ

ことり「脚は痛くてっ…動かすなんてとても…」

ことり(( もしかして…ことり、消えちゃうの…? ))

ことり「や、やだ」

ことり「やっ嫌っ!!嫌だぁっ!!」

ことり「穂乃果ちゃああああん!!海未ちゃあああああん!!みんなぁぁぁぁ!!助けて!!助けてぇぇぇっ!!」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

穂乃果「…ことりちゃん?」

海未「穂乃果!あそこ!!」

穂乃果「あっ!!」

凛「ことりちゃんが捕まってる!!」ダッダッダッ

穂乃果「ことりちゃんっ!!」ダッダッダッ

海未「ことりぃい!!」ダッダッダッ

希「やば…」ダッダッダッ

花陽「ことりちゃん!」ダッダッダッ

真姫「嘘でしょ…けっこう距離あるじゃないのよ…!!」ダッダッダッ


穂乃果「ことりちゃぁぁぁん!!アンコールを使ってぇえええ!!」ダッダッダッ

ことり(( アンコールはさっき、外しちゃったばかりだから使えないよ… ))

海未「ことり!腕が使えないならキックです!!私たちが来るまで粘ってください!!」ダッダッダッ

ことり((足も…動かないよ゛ぉ…!!))プラーン


凛「もう少し!もう少しで届く!!」ダッダッダッ

キメラ「」カパッ

キメラが大きく口を開いた。

希「誰か遠距離攻撃使えないの!?」ダッダッダッ

海未「すみません、私は先ほど使ってしまって…今は使えませんっ…!」ダッダッダッ

ことり「穂乃果ちゃぁ゛ぁぁぁぁ゛ぁぁん!!やだよぉ゛ぉぉぉっ!消えたくない゛よお゛ぉぉっ!!」

キメラ「」キュィィィィン

ことり「穂乃果ちゃん゛!みん゛なぁっ!助けてぇぇ゛ぇ!!たすけて!!この゛ままじゃことりきえ゛ちゃ゛」


キメラ「」キュィィィィン

ことり「あぅ……あ゛…、あぁ……」

ことり「ごめ…んね゛…、……みんな……ご…めんねぇ……」ポロポロ

穂乃果「ことりちゃぁ゛ぁ゛ぁん!!」ダッダッダッ

海未「ダメです…届きませんっ!!」ダッダッダッ


キメラ「」キュィィィィン

ことり「…」グッタリ


海未「ことり…?」

凛「ことりちゃんを……離せぇぇぇぇぇ!!」ダッ

ドゴッ

凛が飛び蹴りを放つ。


キメラ「ギャァア!!」パッ


手放されたことりは ピクリとも動かなかった。


海未「ことりっ゛!ことり゛ぃ゛ぃっ!!」

真姫「よくも…!!」ガチャン

ベルト『アンコール!アンコール!』


真姫「はあああっ!!」ゲシッ

真姫が右脚でキメラの腹部を蹴り飛ばした。


キメラ「ウギャァァァア!!」シュゥゥゥゥ


バッゴォォォン

穂乃果「こ゛とりちゃあ゛ん!!目を゛覚ましてよぉお゛お゛!!」ポロポロ

海未「うわ゛ぁぁ゛ぁぁ゛ぁああ゛あっ!!ことりっ!!ことり゛ぃ゛ぃっっ!!」ポロポロ

花陽「ことりちゃんが…っ…花陽のせいだ……花陽がもっと強かったら……」

希「嘘や…?ことりちゃん、冗談やろ?」

ことり「」シーン

凛「凛が…ヒック…凛がもっと早く走れたら゛!…グスッことり゛ちゃんは、ことりちゃんは゛!!助けられたの゛に゛っ!!」ポロポロ

パァァァア


ことり、消滅。

穂乃果「うそだ…うそだうそだうそだ!!」

穂乃果「うそだぁ゛!!こんなことありえないよ゛ぉ!!」ポロポロ

穂乃果「あ゛は゛あは゛ああああ゛っっ!!ああ゛あ!!」ポロポロ


穂乃果「ことり゛ちゃあ゛あ゛あああ゛ああん゛っっ!!」ポロポロ

ポツポツ


ザァァァァァァァァ


μ’sの叫び声をかき消すかのように、雨が降る。

ことりちゃんの持ち物でその場に残ったのは、仮面ライバーのベルトだけだった。



これが、悲劇の始まりだった。

第3話 完

〖第4話:Listen to my heart!!〗

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

私達μ’sは、現実をまだ受け止めきれていなかった。

あの日、ことりちゃんは消えた。
部室には、8人しか居ない。


ザァァァァァ


いまだに雨は止んでいない。

【部室】


しーん


穂乃果「…」

凛「…」

花陽「…」

海未「…」

真姫「…」

絵里「…」

にこ「…」

希「…」

穂乃果「…み、みんな暗くなっちゃって やだなぁもう!」アハハ


穂乃果「こんな私たち見たらことりちゃんなんて言うかなぁ!」

穂乃果「雨やめーーーっ!って言ったら止むかな…アハ…アハハ……」

にこ「無理よ、もう」

にこ「にこは仮面ライバーなんて辞める。」

希「にこっち…」

にこ「もういちど戦うか考えてたけど、戦いを続ければ、にこだっていつ消えちゃうか分かんないじゃない」

にこ「私は、アイドルになりたいの。決してヒーローになりたいわけじゃない。」

にこ「それにね…隠してたわけじゃないけどさぁ……妹や弟が私にはいるわけ。」

にこ「私が消えたら妹たちが困るのよ…!!」

穂乃果「にこちゃん…」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【穂乃果の部屋】

穂乃果「うわ゛あ゛あ゛ああああっ!!あああっ!!」グスッ

海未「うぅ…ことり、ことり……うあ゛はあ゛ぁあああ!!」ボロボロ


雪穂「2人とも、元気だしなよ」ポンポン

雪穂「そりゃ確かに辛いけどさ…悲しんでる2人見たらことりちゃん天国でもっともっと悲しむよ」

穂乃果「うぅ…グスッ……ヒック」

海未「でも…でもぉ゛ぉ!!」

雪穂「2人ともよく頑張ったよ。多分2人のことだから学校では泣かなかったんでしょ?」

穂乃果「…うん」コクッ

雪穂「私も、ことりちゃんがいなくなってすごく悲しいし、驚いた……だけど2人の方がもっと…もっと辛いよね」

雪穂「なら、私まで泣いちゃダメだって思ったよ…!2人のことを元気づけてあげられるのは、私や周りの皆だから」ギュー

穂乃果「ゆきほぉ゛!!」ギュウウ

海未「うぅっ…」ポロポロ

雪穂「ここには私たち3人だけなんだからさ。何も気にせず、気が済むまで泣いていいんだよ?」

穂乃果「うぅ…うわ゛ぁぁぁあ゛あ゛あ゛ん!!」ポロポロ

海未「ことりぃい゛ああ゛あ!!うああ゛ぁぁあ゛ああ!!」ポロポロ

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

海未「グスッ……そう、ですよね…」

海未「私たちが、立ち止まっていては…ダメですよね」

穂乃果「こんなもの!こんなもの!!」ガンッ ガンッ

雪穂「お姉ちゃんやめなって、仮面ライバーに罪は無いよ」

穂乃果「こんなもの無ければっ!ことりちゃんはっっ!!」ガンッガンッ

海未「穂乃果…」

海未「もう、2度と失わないために」

海未「…守らなくてはいけません」

穂乃果「え…?」

海未「私たちが、ことりの分まで皆を守らなくては…!」

海未「私たちが…この街を!μ’sを!!守らなくて、誰が守るんですか!!」


穂乃果「μ’s…守る……」

穂乃果「…」

穂乃果「…そうだね…。いつまでもクヨクヨしてたら…ことりちゃんに怒られちゃうよね」

穂乃果「穂乃果が、守らなきゃ…みんなを」


ピピピッ ピピピッ

海未「キメラ…」

穂乃果「行こう…!!」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【とある路地裏】

キメラ「ウガァァァァァ!!」

希「はぁ!やあっ!!」ドカッバキッ

穂乃果と海未が駆けつけると、既にキメラと希が戦っていた。

穂乃果「あっ希ちゃん!」

ガチャン

穂乃果&海未「「ミュージックスタート!!」」

ギュォォオン ギュォォオン

ババァァァアン!

希「はぁ…はぁ…」

穂乃果「皆は?」

希「凛ちゃんと花陽ちゃんは、今は戦いたくない、って。」

希「真姫ちゃんは、にこっちの説得。にこっちがもういちど仮面ライバーとして戦ってくれないか、話しあってる。」

希「絵里ちは、あぁ見えて凄く怖がりだから…今は1人で家に引きこもってるんだと思う。」

希「そんなときに、キメラが出たって言うから、ウチくらいしか行ける人いなくってさ」

海未「なるほど…」

穂乃果「早くケリをつけよう…!!」

希「その目…なにか吹っ切れたみたいやね」

穂乃果「」ガチャン

ベルト『アンコール!アンコール!』

海未「穂乃果!キメラが弱って動きが鈍くなってからでないと、避けられてしまいます!!」


希「ウチがずっと戦ってたから、きっと弱ってると思う。だから多分大丈夫だよ」

穂乃果「はぁっ!!」ドカッ


キメラ「ウギャァァァア!!」シュゥゥゥゥ

バッゴォォォン


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

夜……

【住宅街】

希「2人ともありがとね。家まで送ってくれるなんて」

穂乃果「穂乃果、皆を守るって決めたんだ。」

希「ほい、肉まん。」サッ

穂乃果「あ、ありがと」

海未「ありがとうございます」

希「ハフホフッ…あっつ、この肉まん熱いっ!!」

穂乃果「うわ あちちちちっ!!」

海未「そうですか?」

希「海未ちゃん強い!!」

海未「熱いお茶とかを良く飲んでるから慣れてるんですかね」

穂乃果「そういえばさ、話は変わるんだけど」

希「ん?」

穂乃果「希ちゃんは、怖くないの?仮面ライバー。」

希「…」

希「怖いよ、凄く怖い。」

希「穂乃果ちゃんや、海未ちゃんは 凄いと思う。」

希「…」

希「怖いよ、凄く怖い。」

希「穂乃果ちゃんや、海未ちゃんは 凄いと思う。」

希「…」

希「怖いよ、凄く怖い。」

希「穂乃果ちゃんや、海未ちゃんは 凄いと思う。」

希「ウチはまだ、ことりちゃんが消えたことを信じたくないよ。」

穂乃果「穂乃果たちも、今でもことりちゃんが消えてしまったことは受け入れられないよ。」

海未「ですが、悲しんで立ち止まっている暇なんて、神様は与えてくれません」

穂乃果「μ’sの皆を笑顔にするには、まずは穂乃果が一番笑顔でいなくちゃいけないから…!!」


希「強いなぁ…2人とも」モグモグ

希「あっ、もうすぐ家に着くから、ここからは1人で帰るよ」

穂乃果「うん、分かった。」

海未「じゃあ、また明日ですね」

希「うん、また明日ねー」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

希(( 2人とも、本当に強いや。ウチはかなわないなぁ ))トボトボ

希「ん?」


ザッザッ

希「あれ?絵里ち、なんでここに」

絵里「…希、」

希「どうかしたん?」

絵里「希、ごめんっ!!」ペコリ

タッタッタッタッタッ

希「え?」

希「いっちゃった…。なに、今の。」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

翌日…

【部室】

穂乃果「あれ、絵里ちゃんは?」

希「今日は学校に来てないんよ。」

希「実は昨日、穂乃果ちゃんたちと分かれた後に絵里ちに会ったんだけど」

希「ごめんって謝られて、どこかに走って逃げちゃって」

希「何に対して謝っているのかさっぱり…」

海未「…ことりを助けられなかったことでは無いですか?」

希「ウチもそれだと思ってる。」

希「もしくは、キメラとの戦いを避けてることに謝ってるのかなぁと思う。」

にこ「放課後、絵里の家に行ってみるわ。」

真姫「私も、同行するわ。」

穂乃果「じゃあ、穂乃果たちも」

にこ「穂乃果たちはキメラに備えておきなさい。」

にこ「いつ出現しても、すぐ助けに行けるように、ね。」

真姫「全員でエリーの家に行っても邪魔になるだけじゃない?」

真姫「だから、穂乃果たちには仮面ライバーとして街を守ってもらいたいわ。」

穂乃果「うーん、分かった。」

花陽「ごめんね…穂乃果ちゃん」

花陽「私、足でまとい…だよね」

穂乃果「そんなこと無いよ!」

花陽「花陽たちがもっと強かったらことりちゃんは…!!」

穂乃果「花陽ちゃん」

花陽「?」

穂乃果「穂乃果も海未ちゃんも、ことりちゃんのことで凄く落ち込んだ…。」

穂乃果「でも、ふと思ったの」

穂乃果「悲しんでる時間はない……消えたことりちゃんの意思を継ごう…って」

穂乃果「だから、今は悲しむよりも、ことりちゃんのために、キメラを全滅させるよう頑張ろうと思う!」

花陽「穂乃果ちゃん…!!」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

放課後…

【住宅街】

凛「もし今キメラが襲ってきても、かよちんは凛が守ってあげるね」トコトコ

花陽「ありがとう、凛ちゃん」トコトコ

花陽「花陽も、凛ちゃんを守ってあげる」

凛「うん」

花陽「」ギュルルルー

凛「お腹空いたね」

花陽「…うん///」

凛「アイスクリーム、食べに行こっ?」

花陽「うん、食べに行こっか」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【アイスクリーム屋】

凛「凛はキャラメル味!!」バーン

花陽「花陽はミントチョコと抹茶とバニラのトリプル…!!」バババーン

凛「かよちんのアイスでかっ!!」

花陽「ミントチョコのミントの爽やかな風味とそれを包みこむようなチョコレートの甘さ、そして抹茶の濃厚な味と旨み、そして最後にバニラという王道の味で締めくくる事でアイスクリームという物語を綺麗に終えられるのです!!」ベラベラ

凛「ミントチョコいただきっ!」ペロッ

花陽「あっずるいよ凛ちゃん、…花陽も凛ちゃんのキャラメル食べたいなぁ…」ジーッ

凛「はい、あーーーん♡」

花陽「あーん♡」

花陽「んー!おいひぃ!!」

花陽「モグモグ…」

花陽「あっ、そういえば凛ちゃん、ひとつ気になることがあるんだけれど」

凛「ん?なーに?」

花陽「凛ちゃんは、どうしてそんなに変身したがってたの?」


凛「えっとね…その……、誰にも言わないって約束してくれる?」

花陽「うん、もちろんだよ」

凛「小学校の頃に凛がスカートで登校した日のこと、覚えてる?」

花陽「あっ、覚えてるよ…!」

花陽「可愛かったのに…凛ちゃん途中で着替えに帰っちゃったから、もったいないなぁって思ってた。」

凛「凛ね、あのとき男子に馬鹿にされたのが凄く悔しくて、恥ずかしくて、自分のことが嫌いになって……スカートなんてつけても凛は馬鹿にされるだけだって、今でも思ってる」

花陽「そんな…凛ちゃんは可愛いよ…?」

凛「ううん、凛は駄目なの。髪だって短くて、胸も大きくないし…女の子みたいな部分が見当たらないよ!!可愛くもないし、カッコよくもないもん!!」

花陽「凛ちゃんっ!凛ちゃんは立派な女の子だよ!!」

花陽「凛ちゃんの部屋、私よりも凄く女の子っぽいし。身だしなみにだってとっても気をつけているし、化粧だってチャレンジしてたし、スタイルも綺麗だし」

花陽「声も可愛いし、細かい仕草だって女の子っぽいし」

花陽「とにかく!凛ちゃんは女の子らしい所がいっぱいあって、凄く可愛いし、私の憧れのお友達だよ…!!」

凛「…ち、違うよ!凛は、…凛なんか!女の子に向いてないの!!」

凛「だから、変わりたかったの!!仮面ライバーに変身して、凛は自分を変えたかったの!!」ポロポロ

花陽「変身…」

凛「女の子みたいに可愛くなれないなら、せめてヒーローになって、カッコよくなりたかった…!!」ポロポロ

花陽「凛ちゃん…」

花陽「どんな凛ちゃんでも、花陽は好きだよ。」

凛「えっ…?」

花陽「変身してもしなくても、花陽は凛ちゃんが好き。例え凛ちゃんが認めなくても、私は凛ちゃんのことを凄く女の子らしい可愛い子だと思ってる。」ギュッ

花陽は両手で、凛の右手を優しく握った。

花陽「花陽もね、実は変身 してみたかったんだ。」

凛「え、でもあの時変身を断って…」

花陽「あの時は、本当にまだ心の準備が出来ていなかっただけだよ。」

花陽「私も、臆病な自分が嫌で嫌で、変えたかったの。そんなときに仮面ライバーが出てきて、かっこよくなれるかな、ヒーローになれるかなって」

凛「かよちん…」


凛「かよちんは、いつだって凛のヒーローだよ。」

凛「いつも、助けてくれるし。何かに真剣になった時とか、かよちんは凄くかっこいい。」

花陽「ありがとう…!!」

ピロリーン

花陽「あ、メールだよ 凛ちゃん」

凛「誰からだろ」スッ

凛「〇〇ちゃんから…?どうしたんだろう。」

凛「"至急、音ノ木坂に来て"だって」

花陽「なんだろうね、行ってみよっか」


※〇〇はわざと伏せています。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【音ノ木坂】

キメラ「ウガァァァァァ!!」

凛「キメラ…!!」

凛「いくよ!かよちん!!」

花陽「う、うん!」

凛「ミュージックスタート!!」ガチャン

花陽「ミュージック、スタート…!!」ガチャン

ギュォォオン ギュォォオン

ババァァァァァン

???「…」タッタッタッ

凛「あっ〇〇ちゃん!」


???「…」ガチャンガチャン

???は凛と花陽の左腰を叩き、変身を解除させた。


シュゥゥゥゥン シュゥゥゥゥン

凛「えっ?どうして凛たちを変身解除させたの?」

花陽「ど、どうかしたの?」

???「…」サッ

???は小型の掃除機のようなものを取り出した。

???「この装置で、あなたたちの魂をいただく。」

凛「〇〇ちゃん?何やってるのっ?ねぇ!!」

???「…」

花陽「〇〇ちゃん…?」

???「…」

凛「ねぇ、何で…何で……」ポロポロ

花陽「花陽たち、何か悪いことしたかなぁ…グスッ」

???「…」

???は、小型の掃除機のようなものを2人の口に押し当てた。

キュイイイイイン

しばらくすると、白いモヤが花陽や凛の口から、掃除機へと流れ込んでいく。

キュイイイイイン


凛「あ……う……」


???「…っ」

パァァァァァァ


花陽、凛、消滅。

???「…ごめん。」

キメラ「ガァァウ!!」

???「そっか、キメラの存在を忘れてた」

???「ミュージックスタート」ガチャン

ギュオオオオン ギュオオオオン

バァァァァァン

???「」ガチャン

ベルト『アンコール!アンコール!』

???「はぁっ!!」ドゴッ

必殺の蹴りがキメラの顔面をとらえた。


キメラ「ウギャァァォゥァア!!」シュゥゥゥゥゥ

バッゴォォオォォォオオン!!

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

この日、新たに2名が消滅した。


現場には、何も残っていなかった。

第4話 完

〖第5話:同じ星が見たい〗

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ーーーーーーーーーーー

穂乃果「zzz…ムニャムニャ」

神様「あのー、高坂穂乃果さーん」ツンツン

穂乃果「ほぇ?だ、だれ?」

穂乃果「ここはどこ?」ムニャムニャ

神様「とりあえずあなたたちの住む世界とは違います。」

神様「あなたには未来を変える力があると感じたので、この世界に連れてきました。」

穂乃果「zzz」スヤァ

神様「ね、寝てる…!?」

神様「穂乃果さーん」ツンツン

穂乃果「グォォォ…ジュピィィイ…zzz」スヤァ

神様「ダメだ、起きないやつだ…」
ーーーーーーーーーーー

私たちは、凛ちゃんと花陽ちゃんはキメラによって消されたんだろうと判断した。2人が急に姿を消してから2日経っても一切連絡がとれないからだった。

家にもいない、探しても見つからない、連絡も通じない。となると、消滅してしまったのだろうと思った。

【部室】


しーん


穂乃果「…」

にこ「…」

真姫「…」

海未「…」

希「…」

海未「凛に花陽まで失って……」

海未「…神様は私たちに何をしろというんです」


希「…」

海未「希、どうかしましたか?」

希「いや、絵里ちは おととい何してたのかなぁ…って」

にこ「なによ、絵里が花陽と凛を消したとでも言いたいの?」

希「あ、ううん。そういうわけじゃなくって」

希「昨日グループチャットでµ’s全員、凛ちゃんと花陽ちゃんが消えたんじゃないかって話しあったやん?」

希「絵里ちが凛ちゃんと花陽ちゃんが消えてしまったことに対して、責任を感じて…」

希「…家で塞ぎ込んでるんやないかなぁと思って。」

海未「絵里の家に真姫とにこが行っていましたが、絵里の様子はどうでしたか?」

にこ「結構落ち込んでいたわよ。私のせいだーってね。」

真姫「エリー、ずいぶん暗くなってたから ひと晩泊まって、沢山お話して元気づけてあげてたのよ」

にこ「ねぇ、希。」

希「ん?」

にこ「凛たちが消えた日に、凛から真姫にメールが届いてたのよ。」

真姫「"希ちゃんに、音ノ木坂に来て って呼ばれたから行ってくる。もし希ちゃんがキメラと戦ってるなら、手助けに来て欲しい。"ってメールがね。」

希「えっ…?」

穂乃果「希ちゃん…!?」

希「…ウチ、そ、そんなの送った覚えないよ…!!」

希「凛ちゃんはそんなメール、どうして真姫ちゃんだけに…!?」

希「ウチら全員に助けを求めても良かったんじゃ…」

にこ「考えても見なさいよ、ことりが消えてしまってから」

にこ「私と絵里は変身拒否、精神的に大変な穂乃果と海未に負担をかけるわけにもいかない。そして希に呼ばれた ってんなら頼れるのは真姫しかいないじゃない。」

希「…」

真姫「凛たちはそのメールを最後に消息を絶った。凛や花陽と最後に出会ったはずの希が、何か知ってるのだろうと思ったら、何も知らんぷり。」

真姫「あんたが怪しいし、2人を襲ったと考えてもいいはずよ。」

希「……」

海未「希!!本当に凛と花陽を襲ったのですか!?」

希「……海未ちゃん…」

希「ウチは…やってないよ……。」

希「まず、ウチが2人を襲う理由がないやん?」

にこ「犯人はみんなそうやって罪を逃れようとするのよ。」

穂乃果「…穂乃果は、希ちゃんは やってないって信じるよ」

希「穂乃果ちゃん…」


バンッ!


しーん


穂乃果「μ’s同士で、何故傷つけあうの?」

にこ「…」

真姫「…」

穂乃果「それに、音ノ木坂に向かう途中で凛ちゃんたちはキメラに襲われてしまったのかもしれないよ」

希「穂乃果ちゃん、うちのことフォローしてくれてありがとね」

穂乃果「こんなときに、ケンカなんてやめようよ…!!」

海未「確かに穂乃果の言う遠りです。今は、私たちは争いあっている場合ではありません。」

海未「ことりと、凛と、花陽の意思を継ぎ、キメラを絶滅させるべきです」

真姫「さっきのメールの件はどうするの?」

真姫「希を、放っておくの?」

穂乃果「今はみんなを疑いたくないっ!!」

穂乃果「どっちの意見が正しいとか間違っているとかは、考えたくない!!」

穂乃果「穂乃果にとっては、みんな大切な、友達だもん…!!」

にこ「…私は、キメラとは戦わないわよ。いい?」

穂乃果「うん。」

穂乃果「真姫ちゃんはどうする?」

真姫「余程の事態じゃなければ、戦うのは穂乃果達に任せるわ。」

穂乃果「分かった。希ちゃんは?」

希「ウチは……戦うよ。疑いを晴らすためにも、ウチがμ’sの皆を守る。」

海未「共に、頑張りましょう。」

穂乃果「じゃあ、基本は穂乃果と海未ちゃんと希ちゃんの3人で、戦うことにするね」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【放課後】

穂乃果と海未が帰宅しているころ…

ピピピッ ピピピッ

穂乃果「…キメラが出たみたいだね」

海未「えぇ。すぐに行きましょうか」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【とある住宅街】


キメラ「ウガァァァ!!」ブンッ

穂乃果「ミュージック、スタート!」ガチャン

ギュォォォン ギュォォォン

バァァァァアン

穂乃果「キメラなんかがいなければ…今頃…」ダッ

ドカッ

バキッ

穂乃果「」ガチャン

ベルト『アンコール!アンコール!』

穂乃果「ハァッ!!」

穂乃果のパンチがキメラに炸裂。


バッゴオオォォォォォオン!!


海未「穂乃果、撃破が素早く…って……」

海未「えっ…?」

海未「あれは……」

海未「穂乃果、見てください!!向こうです!!」

穂乃果「えっ、何かあったの?」

そこに居たのは、仮面ライバーの姿をした花陽?と凛?だった。

しかし、仮面で頭部が隠れているため、本人かは分からない。

穂乃果「え…花陽ちゃんに凛ちゃん…?」

穂乃果「生きてたの!?良かったぁー!!」タッタッタッ

凛?「…」

花陽?「…」

穂乃果「消えてしまったんじゃないかって、凄く悲しかったんだよ、凛ちゃん!!」ギュウウ

凛?「…」

海未「花陽も、よくぞ生きていてくれました…!!」ギュー

花陽?「…」

ドカッ


海未「ガハッ!!」


花陽?が、海未の溝落ちに強烈な拳を放った。

穂乃果「どうしたの!花陽ちゃん!?」


凛?「…」ブンッ

凛?も穂乃果に襲いかかる。

穂乃果「うわぁっ!!」サッ

穂乃果「凛ちゃんじゃ…なさそうだね」ゴクリ

海未「イテテ…、確かに凛と花陽らしさは感じられませんね」

海未「ですが穂乃果、仮面ライバーは音声認識によって変身すると絵里が言っていたのを覚えてますか?」

海未「変身後の姿であるということは、間違いなく凛と花陽のはずです。」

海未「だって、凛と花陽しかこの姿には変身できませんから。」

穂乃果「うーむ…そっか、凛ちゃんと花陽ちゃん、急にどうしたんだろう」

穂乃果「ねぇ花陽ちゃん、凛ちゃん、1回落ちついて話を…」


花陽?「…」ブンッ

花陽?は右拳で穂乃果を殴ろうとするが、穂乃果はスレスレでそれを避ける。

穂乃果「」サッ

穂乃果「…話しあいは出来なさそうだね」

穂乃果「なんで穂乃果たちを攻撃してくるのか分からないけど、とりあえず穂乃果たちは敵じゃないからさ…攻撃するのやめようよ」

凛「…」ブンッ

穂乃果「うぉっと!」サッ

海未「聞く耳持たず…ですね。」

穂乃果「まさか、凛ちゃんと花陽ちゃんの亡霊なんじゃ…!!」サッ

穂乃果「穂乃果たちに恨みを持って、おそってきているのかもしれない。

穂乃果「幽霊なら、変身後の姿で出てくるのだって可能かもしれない」

海未「信じ難いですが、確かにそれならつじつまが合いますね。」

海未「自分たちを助けてくれなかった、μ’sのメンバーに恨みをこめて復讐を…?」

海未「凛と花陽って復讐とかしなさそうですが」サッ

穂乃果「凛ちゃんたちに攻撃するわけにもいかないし、反撃なんてとても…」

穂乃果「凛ちゃんたちの事情はよく分からないけど、今は逃げよう。海未ちゃん!」ダッダッダッ

海未「えぇ、そうしましょうか」ダッダッダッ

凛?「…」

花陽?「…」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

穂乃果「追ってこなかったね」ハァハァ

海未「とりあえず皆に報告しましょう」ハァハァ

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

第5話 完

〖第6話:だってだって噫無情〗

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凛ちゃんと花陽ちゃんが穂乃果達に遅いかかってきた事件から2日…

【部室】

海未「以前話した件なのですが、あれから何度も何度も、凛と花陽が私たちの邪魔をしてくるんです」

穂乃果「キメラを倒すぞー!ってときに穂乃果たちに攻撃して邪魔してくるんだよ」

希「うーん…何で穂乃果ちゃんたちを襲ったりするんやろか」

穂乃果「それが分からないから困ってるんだよねぇ、話も聞いてくれないしさぁ」

穂乃果「あれ?そういえば今日はにこちゃんと真姫ちゃんは来てないの?」

希「今日も絵里ちの所に行ってくる、だってさ」

穂乃果「なんかさぁ、2人だけズルいよね」

穂乃果「穂乃果たちも絵里ちゃん家に行こうよ!」

希「賛成!ウチもちょうど、行きたいと思ってたところや…!!」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【絢瀬家】

ピンポーン

穂乃果「絵里ちゃん真姫ちゃんにこちゃん、いるー?」

絵里『あら、穂乃果じゃない。どうしてここに?』

穂乃果「三人とも、すっごく絵里ちゃんが心配だから、来ちゃった」

絵里『海未に希まで…!!にこと真姫が先にいるわ、中に入っていいわよ』

穂乃果「じゃあ、おじゃましまーす」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【絵里の部屋】

絵里「みんな、久しぶり。何日も学校に行けなくてごめんね」

穂乃果「どうして来ないの?」

絵里「キメラが、怖いのよ。死ぬのが怖いの。」

絵里「真姫とにこがいつも私の家に来てくれて、毎日の出来事を話してくれるから退屈はしていないわ。」

にこ「」ニッコニー

真姫「」クルクル

希「よかった、絵里ちが元気で…」ホッ

絵里「そういえば穂乃果、凛と花陽の件なんだけれど、どう思う?」

穂乃果「幽霊として蘇ったんじゃないかなぁ…なんて、あはは」


絵里「幽霊…か」

海未「もしかして操られているとか?」

海未「キメラに消されたと思っていましたが、実は花陽と凛は生きていて、何かしらの目的があって私たちを攻撃している」

海未「もしくは誰かに洗脳でもされてるのでは?」


希「洗脳でもされない限り2人が穂乃果ちゃんたちを襲うなんて、ありえないもんね」

海未(( 危険ですが、次会ったときには無理やり変身を解いて話してみますか… ))

ピピピッピピピッ


絵里「…キメラ、出たのね」

穂乃果「穂乃果が行ってくるよ。」

海未「1人では行かせません、私も行きます」

希「じゃあ、ウチも行くね」

絵里「私は…」

希「絵里ちはそのままで良いんよ。戦える人が戦えばいいから。」

絵里「希…ごめんね」

希「気にしないでもいいよ、生徒会の頃はウチが守られてばっかりだったんだから。たまにはウチにも絵里ちを守らせて」

穂乃果「じゃあ、行ってきます」


真姫「えぇ、いってらっしゃい」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【とある路地裏】

穂乃果「タァッ!!」ガッ

希「とりゃっ!!」ゲシッ


キメラ「ウギャァァァァァ!!」シュゥゥゥゥ


バッゴォォオォオオォン!!


海未「あいかわらず撃破が早いっ…!!」

穂乃果「今の穂乃果はキメラに対してモーレツにイライラしてるからね!」

希「」ガチャン

シュゥゥゥゥゥン

希「よし、変身解除…っと。」

希「じゃあ、先に帰るね二人共」

穂乃果「うん、穂乃果たちもお家に帰るね」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【帰り道】

海未「穂乃果、花陽と凛は今回来ませんでしたね」

穂乃果「そういえば確かに!…なんでだろ」

海未「おっと…」


凛?「…」ザッ

花陽?「…」ザッ


海未「噂をすればなんとやら…ですね」ガチャン

海未「ミュージックスタート!!」

ギュォォオン ギュォォオン

バァァァァン



穂乃果「え、海未ちゃんどうするつもり?」

海未「今日こそ正体を暴きますっ!!」

海未「今までは精神的にいっぱいいっぱいで気づきませんでしたが、ベルトの左腰のボタンを押せば変身を強制的に解除させることが出来るはずです!」

海未「凛と花陽の変身を解除し、2人とも生身の状態に戻して話し合いをします…!!」

凛?「!!」

花陽?「!!」

穂乃果「なるほど!」ガチャン

穂乃果「ミュージックスタート!!」

ギュォォォン ギュォォォン

バァァァァアン

凛?「…っ!!」タッタッタッ

花陽?「…」タッタッタッ

海未「別々の方向に逃げましたか…!」

海未「穂乃果、それぞれを追いましょう!!私は花陽の方を!!」ダッ

穂乃果「分かった!穂乃果は凛ちゃんね!待てぇぇ!!」ダッダッ

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【とある路地裏】

花陽?「…っ!!」

海未「ふふふ…」

海未「行き止まりですね、さぁ…大人しくしてもらいますよ、花陽!!」

花陽?「…」ブンッ

花陽?の右ストレートをスレスレで避ける海未、そして間髪入れず左腰目掛けて蹴りを放つ

海未「ハァッ!!」ブンッ

花陽?「…」サッ

しかし花陽?もそれを避ける。

ダッ

花陽?「」ゲシッ

海未「うっ…!!」

花陽?の蹴りが海未の首に炸裂

しかし海未は放たれた花陽?の脚をしっかりと掴んでいた


海未「ハァ…ハァ…肉を斬らせて骨を断つ、です」

海未「おりゃあ!!」ブンッ

花陽?「…っ」

ヒュウウウウ

花陽?は吹っ飛び、壁に強く激突した。


ドッゴォォォン

海未「ハァ…攻撃しないとでも思いましたか…ハァ…」

海未「多少なりとは、花陽が大人しくなるまで攻撃しますよ…!!」ダッ


花陽?「…」ムクッ

起き上がる花陽?。

海未「今の攻撃で変身解除してたら楽なんですけどね…」

海未「なにか一言くらい喋ったらどうですかっ!!」ブンッ

花陽?「…」サッ

海未のパンチをなんなく避ける。

海未「あなたが最初から、私の変身を解除しようとしてこないのは、私を弱らせて、確実に変身を解くためですよね?」

海未「私も同じ考えですっ!!」ドガッ

海未の蹴りが花陽?の右肩へ直撃

花陽?「…っ」

海未「ハァッ!! ヤァッ!! タァッ!!」

バシッドガッドゴッ

海未のコンビネーションが花陽?に全て直撃。花陽?はその場に倒れた

海未「ハァ…ハァ…私もそろそろ体力が限界です。面と向かって話をしましょう、花陽。」スタスタ

海未は花陽?の左腰のボタンを叩き、花陽?の変身を解いた。


ガシャン

花陽?「……」シュゥゥゥゥゥン

海未「さぁ、はなy……」



海未「え?」

仮面の下に居たのは花陽ではなく、絵里だった。

絵里「…」

海未「え?…えっと、どうして?どうして絵里が…?え…?」

絵里「油断したわね…!!」

絵里も同様に海未の変身を解除する。


ガシャン

海未「あっ…えっ?…何故」シュゥゥゥゥゥン

絵里「変身を解除したわね、もう仮面ライバーの力には勝てないわよ…!!」

海未の後ろには、仮面ライバー凛?が居た。

凛?「…」

海未「あぇ…凛…?」

海未「穂乃果は、どうしたのですか…?」ガクガク

凛?「逃げ切ったわ」

海未(( この声は、凛の声じゃないっ…!! ))


海未(( この声は…にこの声です…!!))

絵里「よく逃げ切ったわね、凛」

海未「凛じゃ…無いです」


絵里「凛よ。今はね。」

絵里「海未には悪いけれど、ここで一旦消えてもらうわ。私たち全員が助かるためにね。」ガシッ

海未「はっ、離して下さい!」

絵里「ごめんね、海未。」

凛?「」スッ

凛?が小型の掃除機のようなものを取り出す。

海未「なんですかその機械は…!!」

絵里「魂を吸い取る…そうね、分かりやすく言うなら魂掃除機よ」

絵里「キメラが魂を吸い取るように、この機械でも魂を吸い取ることが出来るらしいわ。原理はよく分からないけどね」

凛?「」グイッ

海未「ムグッ…」

凛?は機械の先端を、海未の口に押し当てた

海未(( まさか凛と花陽は、絵里たちが消したのでは…?))

ギュイイイイイイイイイイイン

海未((あっ…うぇ…意識がっ……))フラッ

海未「…うっ………」

海未(( すみません穂乃果…… ことり… ))

パァァァァァァ

絵里「…ごめんね、海未」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

海未、消滅。


μ’sは残り5人となった。

第6話 完

〖第7話:友情ノーチェンジ〗

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
【部室】

穂乃果「海未ちゃんが消えた…?」

穂乃果「嘘でしょ…?嘘……だよね?」

希「穂乃果ちゃん……」

絵里「こうして、海未の仮面ライバーが私の手元にあるわ」ガシャガシャ

絵里「昨日、たまたま現場付近を通りかかったら、海未の仮面ライバーだけが残っていた」

穂乃果「……嘘だ」

絵里「本当よ」

真姫「まさか海未までこうなるなんて…」

希「穂乃果ちゃん、ウチ1人でも戦えるからさ…。穂乃果ちゃんはしばらく休んだ方がいいよ…」


穂乃果「…」

穂乃果「大丈夫、休まない」

穂乃果「今くじけたら、海未ちゃんに怒鳴られるもん」

穂乃果「…今は泣かない」

穂乃果「海未ちゃんはキメラに消されたんじゃなくて、…あんまり信じたくないけど、花陽ちゃんに消されたんだと思う。」

真姫「どういうこと?」

穂乃果「昨日、海未ちゃんと希ちゃんと穂乃果の三人でキメラを倒した後に、希ちゃんが帰ったよね。その後の話なんだけど」

穂乃果「凛ちゃんと花陽ちゃんがやってきて、穂乃果と海未ちゃんが戦いを仕掛けたの。」

穂乃果「そしたら2人とも逃げたから、穂乃果は凛ちゃんを、海未ちゃんは花陽ちゃんを追いかけたんだ。」

穂乃果「でも穂乃果は凛ちゃんを途中で見逃してしまって」

穂乃果「どれだけ待っても海未ちゃんが帰ってこなかったから、もしかして先に帰ったのかなぁと思って、穂乃果も帰ったんだ」

穂乃果「そしたら今日、絵里ちゃんが"海未ちゃんは消えてしまった"っていうからさ」

穂乃果「じゃあ、花陽ちゃんが海未ちゃんを消したんじゃないかって」


にこ「あの花陽がねぇ…やるかしら。」

穂乃果「だって音声認識で変身するんでしょ?花陽ちゃんの声でしか、花陽ちゃんのベルトでは変身できないよ」

希「でも、絵里ちが嘘をついてて、実は他の人でも変身出来るかもしれないよ?」

絵里「あら、希…私を疑うのね……。」

絵里「じゃあ試しに海未の仮面ライバーを使ってやってみましょう」

ガシャン

海未が使っていた仮面ライバーの左腰を叩いた。

絵里「ミュージックスタート」


シーーン

絵里「ほら、私の言ってることは嘘じゃないわ。ちゃんと仮面ライバーは音声認識よ。」


希「むぅ…疑って悪かったよ絵里ち。」

にこ「で、これからどうするのよ。いつまでたってもキメラの勢いは増すばかり、終わりが見えないわ。」

真姫「発生源とか、無いのかしらね」

希「そもそもどうやって増えてるのかも謎やもんね。」

希「元からこれだけの数のキメラがいた。というよりは、ここ最近加速的に発生し続けてるし、どう考えても"増えてる"よね」

穂乃果「当てもなく、戦い続けるしかないのかな…」

絵里「それだとまた誰か消えちゃうわよ」

穂乃果「…」チラッ


穂乃果「ねぇみんな、行きたい所があるから、そこに一緒に行かない?念のため仮面ライバーも持ってさ。」

穂乃果「キメラとは関係ないんだけれど、µ’sのことで話があるんだ」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【夕方 とあるビーチ】

穂乃果「ごめんねみんな、急に連れだして」

絵里「さっきからなんでここに向かってるのか言ってくれなかったけど…なにかあるの?」

にこ「そうよ、なんとか言いなさいよ…!!」

穂乃果「スゥ……ハァ……」

穂乃果「綺麗だよね…ここの景色」

にこ「はぁ?そんなこと言うために来たってわけ?」

穂乃果「いや、違うよ。前に家族でここに来たときに綺麗だなぁと思ったんだ。」

穂乃果「それで、何か大事なこと話すときとかのムードも良いし、大事な話をするならここしか無いだろう、って。」

絵里「大事な話?」


穂乃果「うん」

穂乃果「µ’sを、一旦終わりにしよう」

希「穂乃果ちゃん、本気…?」

穂乃果「うん、ことりちゃんも海未ちゃんも、凛ちゃんも花陽ちゃんもいないし。9人揃って初めてµ’sだもん」

真姫「…穂乃果が言うなら、仕方ないんじゃない?」

絵里「私たちもどのみち、もうそろそろ卒業を考える時期。穂乃果の決定にとやかく言う権利は無いわ。」

穂乃果「一旦おしまい ってだけだよ。もし、みんなが元に戻ったらµ’sを再開するよ。」

希「戻ると信じるしかないんやね…」

穂乃果「そしてあとひとつ、皆をここへ呼んだ理由があるんだ。」

希「?」


穂乃果「絵里ちゃん」

絵里「何かしら?」

穂乃果「海未ちゃんを消したのは、絵里ちゃん……だよね?」


絵里「…違うわよ。…疑うなんて酷いわね。」


穂乃果「昨日、穂乃果、聞いちゃったんだ。」

穂乃果「凛ちゃんを見失ったあとも探しまわってたら、路地裏の方から海未ちゃんと絵里ちゃんの声がしたんだ。」

穂乃果「何を話してるかまでは聞いてないんだけど。」

穂乃果「きっと絵里ちゃんも合流して、もしかしたら一緒に花陽ちゃんと戦ってるんじゃないかなぁと思って」

穂乃果「昨日はそのまま他の場所に凛ちゃんを探しに出かけたんだけどさ」

穂乃果「そしたら絵里ちゃん今日、"たまたま通りがかったら海未ちゃんのベルトだけ落ちてた"って言ってたから、あれ?おかしいなと思って」

穂乃果「ベルトだけ落ちてた って言ってるなら、昨日海未ちゃんと絵里ちゃんが話してたのはなぜ?と思った。」

穂乃果「絵里ちゃんの反応を見たかったから、部室ではわざとウソをついてたの。」

穂乃果「あのとき、凛ちゃんを見失ったあとすぐに帰った…ってね。」

穂乃果「海未ちゃんと会ったのは絵里ちゃんが最後 ってことから、絵里ちゃんが海未ちゃんを消したんだと穂乃果は思った…!!」

希「絵里ち…」

穂乃果「ニセ凛ちゃんの中身は分かんないよ。だけど、ニセ花陽ちゃんの中身は絵里ちゃんだと思ってる。どうやって変身したかは分からないけど」

穂乃果「絵里ちゃんと、その仲間と……」

穂乃果「決着をつけようと思って、逃げ場の無いここを選んだの。ひらけた場所だし、小細工は効かないよ」

絵里「フフフ…」

絵里「そうね、人数的にも有利だし、ここで穂乃果たちの魂をいただけばいい……もう、隠す意味もないわね。」

絵里「…正解よ穂乃果。私が海未と花陽と凛を消したわ。」

穂乃果「…っ!!」ギリッ


希「そんな……何でや絵里ち…!」


真姫「…ひどいことするじゃない、エリー…。」

にこ「こんなことする奴だったなんて…最低よ、絵里。」

絵里「凛のフリをした人はこの中にいるわよ。でも、私の仲間ではないフリをしているみたいだけど。」

絵里「さて、凛の中身は誰でしょうね」

穂乃果「ニセ凛ちゃんの中身は今はどうでもいい!!絵里ちゃん…どうしてこんなことするの!?」

絵里「…µ’sを助けるためよ」


穂乃果「え…?」

絵里「ある日、とある財団の人に声をかけられたの。」


絵里「その人に、"µ’s全員を救いたかったら、私に協力して欲しい"みたいなことを言われたわ。」

絵里「その人いわく、生き残ったµ’s ことり以外の8人の魂を吸引し、そのあと、財団の技術によってもう一度現世へ戻す。」

絵里「そうすることによってキメラに魂を吸い取られない『耐性』がつくそうよ。」

絵里「µ’s8人分くらいの強い魂エネルギーがあれば、そんな荒業も可能らしいわ。」

絵里「キメラに消されてしまったことりも、財団の人たちなら復活させてくれるかもしれない…!」

穂乃果「そんな嘘みたいな話、あるわけない!!」

絵里「私だって最初は嘘くさいって思ってたわよ!!でも、でも……ことりが、ことりがっ!!消えてしまったじゃない!!」

絵里「それから、怖くなったの…。時間が経てば被害者が増え続ける」

絵里「何もしないままなら、ことりは蘇るか分からない…!!このまま戦いを続けても皆消えてゆくだけ。」

絵里「何もせず全員消えてゆくなら、財団に協力した方がいいと思わない?」

絵里「財団に協力して、µ’s全員消えて、もう一度蘇ればキメラに対して、安全に戦えると思ったのよ!!」

絵里「だからって堂々とみんなの前に出て魂を吸いとる度胸は私にはなかった。」


絵里「だから花陽の真似をしてまで、裏でコソコソと皆の魂を抜き取ってたのよ…!!」

絵里「コソコソとやっていた結果、海未を消せた。1人消せただけでも上出来だわ。」

絵里「ここまで人数が減った今なら私1人でも穂乃果の魂を堂々と抜き取れる自信があるわ…!!」ガチャン

絵里が左腰のボタンを叩く。

絵里「別にバレても支障は無いのよ。ここにいる5人のうち、他にも私の味方は居る。穂乃果に勝ち目は無いわ!!」


絵里「穂乃果、ごめんね。消えて、そしてもう一度蘇ってからキメラと戦いましょ?」スタスタ

穂乃果「嫌だよ。本当に戻る保証なんてないもん。」ガチャン

穂乃果「それに、キメラに魂を吸われないように耐性がつくって、なに!?」

穂乃果「そんなウソを、絵里ちゃんは信じるの?」

絵里「私には…もう他に信じる道が無いのよ…!!」

絵里「誰1人消えずにキメラを全滅させられるとは思えない…!!」

絵里「それに、他に1人でもキメラに消されてしまったら、魂のエネルギーが足りないせいで、全員を蘇らせることは出来ない」

絵里「エネルギーは8人分、必要なのよ…!!」

絵里「さぁ、時間が無いわ。穂乃果、ここで消えてもらうわよ……!!」

穂乃果「絵里ちゃんのベルトを…壊す!!」

穂乃果&絵里「「ミュージックスタート!!」」

ギュオオオオン ギュオオオオン

バァァァァァン


穂乃果「希ちゃんたちは手を出さないで!!穂乃果と絵里ちゃんの真剣勝負だから!!」

希「う、うん…分かった」

にこ「はいはい。」

真姫「エリー…」

穂乃果「タァッ!!」ゲシッ

穂乃果の蹴りが絵里の胸に当たる。


絵里「うっ!!」

穂乃果「µ’sを一旦終わりにしようっていうのは!!」

穂乃果「絵里ちゃんの心が変わってしまったことを確信したからだよ!!」ブンッ

絵里「変わってなんかないわよ!」サッ

穂乃果の右ストレートをスレスレで避ける絵里、穂乃果へと反撃する。


絵里「µ’sの皆が好きだから!!守りたいのよ!!」ドゴッ

穂乃果「グハッ!!」

絵里「はっ!!」ゲシッ

強烈な回し蹴りが穂乃果の腕へヒット。

穂乃果「っ!!」

絵里「はっ」バババッ


希「三連続バク転で距離を取った…!?どんな運動神経してるんや絵里ち…」

絵里「穂乃果は、こういうの出来ないわよね」ギュイイイイイン

絵里「ハァッ!!」


ビーム状の光線が飛ぶ。

ピュゥン


穂乃果「!!」サッ


ドッゴォオオォン


真姫「間一髪、ね」

絵里「私は遠距離技を持っているのよ。遠距離技を持っているのは海未と私の2人だけだったかしら?」

絵里「UTXの人たちは、私たちの個性に合わせて仮面ライバーを設計してくれた。」

絵里「私と海未は、遠距離攻撃に向いてると判断されたようね。」

絵里「私は近接の方が得意だと自分では思っていたんだけど…。」

穂乃果(( 危なかった!これは、食らったらヤバそうだね…))

穂乃果「はっ…!!アンコールを使ってない…!?」

絵里「そうよ、これは必殺技でも何でもないわ。私だけの機能よ。」

穂乃果「ずるい…なにそれ!!」

絵里「でも、こんな所で連発なんてしないから安心して。目立って野次馬を呼ぶのはごめんよ。」

絵里「ほら穂乃果、海未の意思は継がないの?私は敵よ?」

穂乃果「海未ちゃん…!!」ダッ

絵里「ハァッ!!」ゲシッ

絵里の蹴りが穂乃果の腹部へ当たる。


穂乃果「グアッ!!」

穂乃果「はぁ…はぁ…凛ちゃん…花陽ちゃん!!」ダッ

絵里「何度向かっても同じよ!ハァッ!!」ドゴッ

絵里の拳が穂乃果のアゴをとらえる。

穂乃果「がはっ!!」

穂乃果「グスッ……」ポロポロ


穂乃果「なんで、なんで絵里ちゃんと戦わなくちゃいけないのぉ゛…なんでこんな゛ことにっ…」

穂乃果「…絵里ちゃんのバカ!!バカバカバカァ!!」

穂乃果「なんでこんな事するの!!」ブンッ

穂乃果はがむしゃらに攻撃を繰り出す。

絵里「バカって…何よ急に」

穂乃果「バカ!!」ブワッ

絵里「…」

穂乃果「グスッ…うあ゛あ゛あああ゛ん!!なんでっ、な゛んでっっ海未ちゃんも゛ことりちゃんも゛っ消えちゃったの゛ぉおお゛おっ!!」ペタン

穂乃果「り゛っ、凛ちゃんも゛花陽ちゃんもっなんで、な゛んで消しちゃうの゛ぉ゛お!!泣かな゛いって!決め゛てたの゛にっっっ!!酷い゛よこんな゛の゛ぉお゛!!」ポロポロ

絵里「穂乃果…」


絵里「ごめん、ごめんね」



絵里「でも今の私には、財団の人の言葉を信じるしか道が無いの。だから」

絵里「消す。」


ヒュッ

希「危ない!!」ダダッ

間一髪、希が、絵里の蹴りから穂乃果を助けた。

穂乃果「希ちゃん…?」

希「逃げるよ穂乃果ちゃん!!」グイッ

穂乃果「えっ」

希「絵里ち、学校を卒業するまでは一時休戦!!約束破ったら絶交!!」タッタッタッ

穂乃果「えっ、ちょっ待って希ちゃん!」ズルズル

絵里「絶交か……」

絵里「…仕方ないわね、追わないでおきましょう。」

にこ「あれ、追わないでいいの?」

真姫「私たちも変身すれば、あの2人だってすぐにやっつけられたはずよ?」

絵里「希のこと、好きだから。約束は破れない。」

にこ「希の魂も狙ってるくせに?」

絵里「それとこれとは話が別よ。」

にこ「あんたらの仲ってつくづく理解不能だわ…。」

真姫「…で、誰がエリーの味方なのかバレてないの?」

絵里「大丈夫よ、穂乃果と希には、まだ にこと真姫のどっちが裏切り者かだなんて分からないはず。」

にこ「正解は"にこも真姫も裏切り者"、だけどね」

真姫「凛からのメールの件も、全部ウソだけど……希を追い詰めるには、効果がなかったわね。」

絵里「約束通り、私たち三人だけになったら、誰か1人が他の2人の魂を採って、それを財団へ届けるのよ?」

にこ「はいはい。何回も言わなくても覚えてるわよ」

絵里「卒業までは、元通り…普通に接しましょうか。…気まずいけど。」

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【とある駅】

穂乃果「うぅ…」

希「穂乃果ちゃん……。」

穂乃果「う゛わ゛ぁぁ゛ぁあ゛ああ゛あ゛ん!!も゛うっ、も゛う耐え゛られな゛いよ゛ぉ!!」

希「穂乃果ちゃん、みんなの前では意外と感情こらえてたりするもんね…こんなに溜めこんでたなんて……。」ギュッ

希「今まで…ほんとに辛かったね」

穂乃果「あ゛ああ゛あう゛ああ゛あ゛あっ!!う゛わ゛ぁぁぅ゛ああ゛!!グスッ」ヒック

希「」ポンポン

穂乃果「グスッ…あっ…」

穂乃果「希ちゃんだって…、絵里ちゃん側かも知れないんだよね…」

希「…穂乃果ちゃん、ウチは穂乃果ちゃんの味方だよ。…って言っても信じてもらえないか…」

希「んー、いいよ!信じなくたっていい!」

希「穂乃果ちゃんがウチのこと信用出来なくても、ウチは穂乃果ちゃんのこと信じてるよ。」

穂乃果「希ちゃん…!!」

希「穂乃果ちゃんの辛さをウチがおしはかることなんて到底出来ないから、面と向かって無責任に"頑張れ"なんて言えないけどさ、」

希「大丈夫、まだまだ心配ないよ。」

穂乃果「…うん」

希「ウチが隣に居るから。穂乃果ちゃんは1人じゃないからさ。」

希「海未ちゃんたちが戻ってこれるのか、分からないけれど、それまではウチが穂乃果ちゃんの世話役やってあげるよ」

希「穂乃果ちゃんが泣きたいときは、いつでもそばにいてあげる。」

穂乃果「……ありがとう、希ちゃん…!!」

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第7話 完

〖最終話:愛してるばんざーい!〗

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月日は流れ、卒業式の日を迎えた。

お互い、若干の気まずさと、若干の仲直りしたさを抱えたままもどかしい日々を過ごしていた。

理事長「えー、保護者の皆様、本日は寒いなか卒業式にご参加いただきありがとうございます。」

真姫(( 理事長も大変ね…ことりがいなくなったっていうのに…… ))

理事長「音ノ木坂の生徒から複数名が、未だに行方不明となっています。」

理事長「一連のキメラ事件からはや1年近く経ちましたが、事態は良くなっておりません」

理事長「ですが、音ノ木坂学院はこれからも運営を続けるつもりです。」

理事長「もしも危険が生じたら、教師一同、一丸となって生徒を守ります。」

理事長「µ’sという、音ノ木坂の生徒たちが、本校を守ってくれたんです…!!その学校を守り続けてあげるのが大人の役目では無いでしょうか…!!」

理事長「えー、大変な年になってしまいましたが、本年度ご卒業の皆様、おめでとうございます。」



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

在校生代表 挨拶

放送部員「生徒会長の高坂穂乃果さん お願いします」



穂乃果「こんにちは、生徒会長の高坂穂乃果です!」

~~~~~~~~~~~~~~

穂乃果「というわけで、以上をもって在校生代表挨拶とさせていただきますが、どうしてもひとつだけ、やりたいことがあるのでやらせて下さいっ!!」オジギッ

穂乃果「…」チラッ

生徒「(拍手)」パチパチパチパチ

穂乃果「ありがとうございます!!」

穂乃果「えー……少し前まで、µ’sというグループがありました。今は活動を休止しています。」

穂乃果「みんなの、居場所がバラバラになってしまったからです。」

穂乃果「行方不明の子もいます。」

穂乃果「なので、今は無きµ’sに向けて、追悼や感謝の意味をこめて 歌を送りたいと思います。」

穂乃果「どうか会場の皆さんも、一緒に歌って下さい!!」

穂乃果「真姫ちゃん、お願い」

真姫「」スッ

ポロン♪

穂乃果「愛してる ばんざい。」

♪♪♪♪♪♪♪♪♪~~


絵里((……))ポロポロ

にこ(( 私達の……今… ))

希(( ゴールじゃない……そうだよね。こんな結末、µ’sのゴールに相応しくないよ…… ))

♪♪~~~~~~~

穂乃果「ありがとうございました!」オジギッ


生徒「(拍手)」パチパチパチパチ

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

卒業式終了後…


希「絵里ち、卒業おめでとさん」

絵里「ありがとう希。希もおめでとう」

にこ「あんたら、お互いが憎くないの?敵同士じゃないの?」

絵里「確かに、対立はしてるけど…でも卒業式当日なんだから、ね?」

希「うん。今日は一時休戦。」

絵里「ひととおり部室や教室、屋上とかも見終わったし、もう名残惜しさは無いわね。」

絵里「じゃあ希、待ち合わせの場所に先に行っておくから。」スタスタ

希「うん、わかった」

にこ(希!!)ツンツン

希「?」

にこ(穂乃果のこと、頼んだわよ…。あの子1人じゃ、辛いと思う)コソコソ

希(もちろん、ウチがそばにいてあげるつもりだよ。)コソコソ

にこ(そ、なら良いわ。ありがとね、希。)

にこ「じゃ」スタスタ

希「にこっち……」

希((…なんでそんな悲しい顔してるん……?))


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【公園】

希「おまたせー」

絵里「大丈夫、あんまり待ってないわ」

絵里「さぁ、早くデートに行きましょ?」

希「うん」

希「絵里ち、着替えるの早いね」

絵里「まぁ、慣れてるからね。」

絵里「希は…、急いで来た感じ満載の服装ね」

希「あはは…制服から着替える時間無くってさぁ」

希「絵里ちは…」ジーッ

希(( や、やばい!これは素晴らしく素晴らしい…!! ))

希(( ニット素材の上着!!サスペンダーが絵里ちの胸を強調していてっ…!!これはもうたまらんっ!! ))

絵里「フフッ…どうしたの希?私の服装がそんなに気になるの?」

希「えっあっいや、さ!行こうか!!」スタスタ

【神社】

希(( 今日は仮面ライバーに関係する話は無し。絵里ちとは、そう約束した。 ))

希(( 仮面ライバーは2人とも家に置いてきた。もしキメラが出てきても真姫ちゃんや穂乃果ちゃんがいるから大丈夫。))

絵里「ちょっと希!さっきからボーッとしてるけど…大丈夫?」

絵里「熱でもあるの?」オデコピターッ

希「え、絵里ち///」

希「そうされると本当に熱が出ちゃうよ…///」

絵里「私も、こんなことしてたら熱が出ちゃいそうだわ…///」

希(( うわーっ!!///絵里ち からグイグイ押してくるくせに自分でやったことに自分で照れちゃうやつ!!か、可愛いーっ!!/// ))

絵里(( …!!/// いつもの母性溢れる希が実はちょっと押されると照れちゃって、実は純情なところ好き///か、可愛い!!/// ))

希「///」プシュー

絵里「///」プシュー

希&絵里(( 照れてショートしてる所も可愛いすぎる!!/// ))

希「///」バタッ

絵里「///」バタッ

にこ「何か起こると大変だと思って跡をつけてきたら……何なのよ、あの2人」

それから絵里ちとウチは、喫茶店で一緒に世間話をしたり、2人で洋服を選びあいっこしたり、時間ギリギリまでカラオケに居たり。

途中からにこっちもバッタリ出会っちゃって、ウチの家で長話。もちろん、仮面ライバーの話題はこれっぽっちも出なかった。

絵里ちと、にこっちとの、大切な思い出。最後になるかもしれない大切な思い出。

………


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

5年後…


私、高坂穂乃果は4年前に無事、音ノ木坂を卒業しました。

最近、何故かキメラがぱったりと出現しなくなったんだ

以前もあった。最初に出現してから、1週間くらいキメラはどこかに隠れていた。その間に増殖していたんだと思う。

今回も、嫌な予感がするよ。

大学生活が忙しいのか分からないけど、絵里ちゃんは音ノ木坂を卒業してから、穂乃果の魂を狙っては来なかった。

消えたµ’sの魂は戻ることなく、それぞれが自分の人生を進んだ。

お互いに関わることもほとんど無く。ただ年月が過ぎていった。

穂乃果は和菓子職人になるために実家でパパと一緒に修行中。

希ちゃんは、本格的に巫女さんになったみたい!凄いよね~。

絵里ちゃんとにこちゃんと真姫ちゃんは分からない。卒業式の日以来、会ってないんだ…。連絡も取ってない、話しかけるのが怖い。

今頃、何してるのかな…


海未ちゃんやことりちゃん、凛ちゃんに花陽ちゃん、今 ここにいたら何をしていたのかな?

このままで、いいのかな。

【穂むら】

ほのパパ「」クイッ

穂乃果「あ、もう20時か…休憩タイムだ。」

穂乃果「ちょっと外に出てくるね。」

ガラガラッ

外には、闇を照らす大きな月が、キラキラと輝いていた。

穂乃果「月…綺麗…」

穂乃果「なんだか、ステージのスポットライトを思い出すなぁ…」スッ

穂乃果が手を差し出しても、月は掴めない。

穂乃果「µ’sは、どうなっちゃうんだろう、これから。」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

このままそれぞれの人生を送るのかと思っていた。

だけど違った。

静岡にあるちっさな学校の、とある少女たちが、穂乃果たちの運命を変えることになるとはこのときは夢にも思っていなかった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

穂乃果「仮面ライバー?」~µ’s編~ 完

千歌「仮面ライバー?」~Aqours編~ へ続く

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