まどか「インキュベーターズ・インク?」 (197)

深夜に光る二つの赤い眼。
とても小さい瞳だが、周囲の「素質」を持つ少女を選別することができる。

その影の目的は、素質を持つ少女との「契約」であった。
契約を受けた少女は、たった一度の奇跡と引き換えにその命を宇宙に捧げることになる。
しかし、その真実を知る少女は少ない。

素質を持たない人間を起こさないよう、
影はゆっくりと音を立てずにベッドで寝ている少女の元へ向かう。
そして一言―――

「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375865523

以下、本SSについて注意点

☆平たく言うと「モンスター」が「インキュベーター」になっただけの作品です

☆シナリオの大筋は本家インクと大差ありませんが、設定の都合上、展開の前後やオリジナル展開の差し替え・追加を大幅に行っています

☆記述が薄い部分が多いです。本家インクを見ていると読みやすいかもしれません

☆まどかと一部キャラを除き、ほとんどの登場人物はQBです

☆主要人物となるQBは名前こそ全然違いますが基本的にモンスター達がモデルです。なお、その他モブ以外のオリキャラは実質一人もいません

☆オリジナル展開により悪役がかなりドス黒くなってます、QBになった弊害だと思ってください

☆しょーもない小ネタが多いです

☆作者はSS初心者です、未熟な部分があるかもしれませんがご容赦ください

☆投稿が止まったら作者がディ○ニーに消されたと思ってください

チーン チーン チーン

キュクロ「やったぁ! さっすがキュビー!」

キュビー「ああ、これで本日15件、今日は絶好調だぜキュクロ!」

キュクロ「この調子なら新記録達成できそうだぜ、イエー!」ハイタッチ


チンチーン

キュベーダ「・・・フンッ! キュビーめ・・・見てろ! もうすぐ俺様が・・・」

キュール「うーん、やはり感情吸引パイプの調整が必要かm」

キュベーダ「次のドアを持ってこいッ!」ビシッ

キュール「は、はいぃ!」

キュンクエ「お前が望むなら、願い事を一つだけ叶えてやるぜ」
モブ恵「え、い、いいの? どんな願いでも?」
チーン


キュワットロ「その代わり、魔女と戦う運命を背負うことになるッキュー」
モブ果「なんでもいい。私、どんな運命も受け入れるから」
チーン


キューエ「・・・貴方は、現状に満足してないのでしょう?」
モブ子「そうだよ! だから・・・だから・・・お願い・・・」
チーン


キューノ「願い事をどうするか、よく考えてくれッス。決まったら呼んで欲しいッス」
モブ美「いやそんな事より早く救急車呼んで」
チーン


キューロ「その通り。お主には魔法少女の素質がある」
モブ介「僕男なんですけど」
チーン

キュリアンベース「どうかね、本日の合計エントロピーは」

キュウスケ「ええ、本日は・・・ノルマを達成できそうです」

キュリアンベース「ああ、良かった。今月初めてだな」


キュラ「君が契約すれば、新世界を作り上げて神になることだってできる」
モブア「・・・あなたはただの人殺しです」
チーン


キュタキュタ「ワシと契約してこのキュタキュタ踊りを継いでくれませぬかーっ!」
モブリ「ぜーったいイヤーッ!」
チーン


キュムジョンイル「私と契約して北○鮮最高指導者になってくれないか」
モブジョンウン「えっでもディ○ニーランド行けなくなるじゃん」
チーン


キュバヤシ「この街で起こっている不可解な自殺や行方不明・・・あれは実は魔女と言う存在がもたらした呪いだったんだよ!!」
モブヤ・モブカ・モブダ「な、なんだってー!!」
チーン チーン チーン

キュリアンベース「やあ、キュビー君にキュクロ君。どうかね、契約の方は」

キュクロ「あ、社長、聞いてくださいよ! 今日の契約数・・・なんと15件!」

キュリアンベース「おお、なかなかやるじゃないか!」

キュビー「みっちり仕込まれましたからね、社長に」

キュリアンベース「ハハハ・・・それで、実はその、一つ頼みがあるのだが」

キュビー「なんスか?」

キュリアンベース「新人を何人か入れたんだが、ハッキリ言って、そのー」

キュビー「・・・使えないとか」

キュリアンベース「全く役に立たん! 木偶の坊どもめ! 昔はこんな事はなかった・・・」

キュビー「むぅ・・・」

キュリアンベース「あーそこでだ、君が一つ手本を見せてやってくれないか。プロの技と実力って奴をな」

キュビー「それじゃまず、基本のキュリアンベース式から・・・助けて、まどか~!」

キュリアンベース「ウッハッハッハ、流石はキュビーだ」

キュリカ「え、ちょ、やめっ・・・やめるんだ恩人! うわぁっ!」ドタバタ

キュリコ「ど、どうかしたの?」

キュリカ「ううー、アイツ私を見るなり、『これ新種の珍獣だよ! 言葉が喋れるなんて! 売ったらいくらになるかなー』って・・・」

キュリコ「え、じゃ、契約は・・・」

キュリカ「契約どころじゃないよ! あんな奴に捕まったらスペアがいくつあっても足りないって! 愛の欠片も感じられない少女がいるなんて・・・信じられない!」

キュリコ「仕方ないわね・・・おーい、このドア始末してちょうだーい!」

キュミィ「危ないわ、どいてちょうだい! 下手に触ると首が飛ぶわよー!」ブルルルルル ガラガラガラガラガラガラ

キュヤカ「ちょ、ちょっと、飛ばし過ぎじゃないッスか?」ガラガラガラガラガラガラ

キュミィ「で、処分するドアはどれ?」

キュリコ「これよ。手伝って」

キュヤカ「あい分かった、セット完了」ガチャコン

キュミィ「スイッチオン!」

シュレッダー「残念ながらボッシュートです」ギュイイイイイイイン ペッ コロン


キュリアンベース「・・・今週で、58枚目だな」

キュクロ「あらら・・・」

キュリアンベース「ここ最近、会社全体の営業成績が落ちてきておるのは知っておるだろう。文化の成長に伴い、少女達が奇跡も魔法も信じようとしなくなってきているのだ・・・」

キュビー「それに俺たちを見たときの第一声が、あれですもんね」

キュリアンベース「奴ら、クーリングオフなんて言葉まで・・・マセガキどもめ」フンス

キュビー「はあ」

キュリアンベース「キュビー君、この会社は私の祖父の代から続いてる。どんなことをしても守り通さねばならん。宇宙のエネルギー問題もさることながら、な」

キュビー「もちろんですよ」

チーン
キュベーダ「・・・フンッ!」

キュール「お疲れ様」

キュベーダ「だから何だよ!?」

キュール「ひいぃ・・・あっ! あれを見て!」


アナウンス「お知らせします。新しいリーダー、キュベーダ」

モブQ1「すげえなキュベーダ! キュビー抜いちまったぜ!」ワイワイ

モブQ2「さすがうちのNo.2だぜ! いや、これからNo.1だな!」ワイワイ

モブQ3「今度・・・やらないか」ワイワイ

キュベーダ「へ、へへ、まあたいしたことじゃn」チーン チーン チーン チーン チーン チーン

キュール「!?」

キュクロ「いっぽん、にーほん、さんぼん、よんほん・・・凄いじゃん!」

キュビー「ふう、グループだった。次のドア行こうぜ」

キュクロ「オッケー!」

アナウンス「ごめんさっきのはノーカン」

モブQ1「さすがキュビーだ! もうキュベーダ抜いちまったぜ!」ワイワイ

モブQ2「すっげー、やっぱ本当のNo.1は違うな!」ワイワイ

モブQ3「今度・・・やらないか」ワイワイ

キュクロ「いやいやいやいや、ハッハッハッハ。仕事中だからサインは後でねー」


キュール「」ボーゼン

キュベーダ「・・・次のドアを5秒以内に持ってこい、じゃなきゃテメエをあのシュレッダーで切り刻んでやる!!」

キュール「ひ、ひぃっ!!」スタタタタ

ジューベー「キュビー、相変わらず鮮やかじゃん」

キュクロ「気付かなかったよ、言われるまでさ。キュズミはどうよ?」

ジューベー「ああ、もう絶好調! 俺たち気が合うみたい」

キュズミ「よーっし、これで5人目! 次お願い!」クツシタ

ジューベー「兄弟みたいなもんs・・・!! ひ、ひぃぃっ! 2319! コード2319!」タタタタ ボチッ

アナウンス「警告。警告。汚染物質発見。GDA(少女検疫局)が到着するまで社員の皆さんはその場を動かないでください」

キュズミ「え、なに、なんなの? げ、うわあ!! 誰か取って取ってー!!」ジタバタ

GDA隊長Q「社員キュズミを取り押さえろ! 直ちに汚染物質の除去及び消毒に取りかかる」

GDA隊員Q1「ハッ!」タタタタ

キュズミ「ウギャー!」

パチッ ギュッ トロッ

GDA隊員Q2「汚染物質の消毒、完了しました」

キュズミ「ハァー、ありがとうね。危なかったよ」

GDA隊長Q「了解。続いて汚染対象の消毒を開始しろ」

キュズミ「ギャアアアアアアアアア毛皮があああああああああ」バリバリバリバリバリバリ

GDA隊員Q3「消毒、終了しました」

GDA隊長Q「了解。では帰還する」

キュズミ「うう・・・これじゃ全裸じゃない・・・」


連続無事故記録 47日 → 0日 ガシャーン


キュリアンベース「・・・やれやれ。30分も作業時間が削られた。大損害だぞ」

キュクロ「キュビーが落ち込むこと無いよ。キュビーはよくやってるんだから。他の奴らが足引っ張ってるだけだよ」ポンポン

キュビー「ああ、いや・・・俺もまだまだかもって思っただけさ」

キュクロ「まあまあ、営業時間も終わったし、今日はさっさと帰ろうぜ」

キュビー「それにしても、なんだか楽しそうじゃないか、キュクロ」

キュクロ「へっへーん。気付いたか? 実は今夜、俺とキュティの、熱い一夜が、フゥ~! ダメだ静まれハンサムボーイ、でも我慢できない、彼女の事を思うと胸が」

キューバ「キュゥゥゥン!」グオッ

キュクロ「どっわああああああ!!」

キューバ「デェト! そりゃけっこう、んで報告書今日こそ出したんだろうね」グオッ

キュクロ「あ、いや、それは」

キューバ「まぁさか、忘れたんじゃないでしょぉね?」グオッ

キュクロ「」

キューバ「明日必ず持って来るんだよ!」グオッ

キュクロ「ひぃっ! す、すいません、明日必ず持ってきますからー!」スタタタ

キューバ「あたしゃいつでもあんたを見張ってるよ! いいねぇ?」グオッ

キュクロ「確か報告書は・・・あーあ、ケチついちゃったよ」

社員Q「えーと、清掃用具入れはどこ?」

キュティ「それでしたら、右奥にございます」

キュクロ「あのー、すいませーん」

キュティ「はい、ご用件は・・・デートの準備なら出来てるわよぉ?」

キュクロ「はっぴばーすでーとぅーゆー、キュティりん」

キュティ「あぁら嬉しい、覚えててくれたのね」

キュクロ「貴方に特別乗車券を差し上げます。買ったばかりの新車の助手席だよ、ハッハー! じゃあキュビー、バイバーイ!」トテテテ

キュビー「・・・お幸せにー」

キュヤカ「うう・・・いいなあ、恋人。私もいつかキュウスケと・・・」

キュミィ「ちょっと、通行の邪魔でしょ。早く帰りましょう」


キュビー「さて。社長から呼ばれてたんだっけな」

PV「インキュベーターズ・インクには、輝く未来があります。わが社にお任せ下さい」

社員Q「私は、インキュベーターズ・インク!」

PV「素質のある少女にピッタリなインキュベーターを選び、ハイグレードな感情の落差を原料にクリーンでパワフルなエネルギーを作ります」

杏子「さやかあああああああ!!」
オクタヴィア「ゴオオオオオオオオオオオオオ」

PV「宇宙を熱的死から救う。それがインキュベーターズ・インクです」

社員Q「私も、インキュベーターズ・インク!」

PV「最近の少女は、文明の進歩の影響で、契約するのが難しくなっています」

キュリアンベース「もちろん対策として、我が社では実力者を揃え、改良を重ねて新技術を研究しています」

キュクロ「明るい未来は」ロゴペットリ

キュビー「私達が作ります!」

社員全員「私達は、インキュベーターズ・インク!」

キュリアンベース「I・I。インキュベーターズ・インク。真心込めて、契約します」

キュオトメ「本社のプロモーションビデオを観終わったところで、営業の基本のおさらいをしましょう」

研修Q1「は、ハイ!」

キュオトメ「まず扉を開けて・・・さて、ここで絶対に忘れてはいけないことは何ですか?」

研修Q2「な、何だろう・・・」

キュオトメ「絶対に扉を閉めること。少女の臭いがついたものほど危険で有害なものはありません。音が出るリスクを考慮しても、必ず閉めるべきです」

研修Q3「ハイ、わかりました」

キュオトメ「さて、万が一他の人間が部屋に入って来た場合・・・どうすべきか、分かりますか?」

研修Q4「うーん、普通にベッドの下などに逃げ込む・・・とか」

キュオトメ「ハァ・・・違います。私たちは素質の無い人間には見えません。その場でじっと動かず、なるべく音を立てないようにしましょう」

研修Q5「そ、そッスか・・・」

キュオトメ「ただ、踏み潰されそうになるかもしれません。その時は、相手の足音に合わせて動きます。そうすれば気付かれにくい。これは確か今後の研修プログラムにも入っているので、詳しい事はそこで」

研修Q6「結構難しいねー」

研修Q7「うn」

キュオトメ「いよいよ少女とコンタクトを取るのですが、話し方は自分なりに工夫してくれて構いません。おさえるべき契約の要点をいくつか・・・」ペラペラ

キュリアンベース「・・・いいから、一度やらせてみろ」

キュオトメ「ハイ? あ、わ、分かりました」


研修Q8「えーと、その、つまり魔法少女と言うのは・・・」

少女ロボ「(´・ω・`)」

キュリアンベース「ダメだダメだ! もっとテキパキ説明しろ! そんなんで契約が取れるか!」イライラ

研修Q8「す、すいません」

キュリアンベース「それに何だ、余計な事まで言いおって! いいか、『魔法少女の本体はソウルジェム』『魔法少女がいずれ魔女になること』この二つは、契約するまでに絶対喋ってはならん! 上手くはぐらかせ!」

研修Q8「は、ハイ!」

キュリアンベース「いいな、この宇宙の存続は君達の集める感情エネルギーにかかっているのだぞ。確かに有害で危険な少女と隣り合わせ、殉職者も出るほどの仕事だが、だからこそやりがいがある。私が欲しいのは、熱意と、自信に満ち溢れた社員なのだ」

研修Q8「しょ、精進します」

キュリアンベース「具体例を挙げるなら・・・おお、来た来た」

キュビー「社長、彼らが・・・」

キュリアンベース「指導員諸君。彼がうちのエースのキュビー君だ。ちょっと遅れたが、実際に手本を見てもらおう」

キュビー「キュビーだ、よろしく。では早速・・・」


キュビー「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

少女ロボ「(・∀・)」

研修Q9「うわー・・・すごい、これがプロってやつか・・・」パチパチ

研修Q10「俺もなりたいな・・・ならなくちゃ、絶対なってやる!!」パチパチ

キュリアンベース「・・・! ああ、いかん、用事を忘れておった・・・」

キュビー「社長、どうしました?」

キュリアンベース(あーその、もう営業時間もとうに過ぎた事だし、君はもう帰って構わないぞ)ヒソヒソ

キュビー(・・・ええ、分かりました)

キュリアンベース「すまないが、研修員の諸君、今日の研修は中止とする。明日は朝9時に集合だ」


研修Q11「今日はいい勉強になったな・・・」

研修Q12「なんだよ、社長の用事って」

研修Q13「なんでもいいけど早く帰れるからいいや」

研修Q14「朝9時とか鬱だ死のう」


キュビー「さーて・・・ん? 携帯?」ピッ

キュクロ『すまないキュビー! 頼みたいことがあるんだけど聞いてくれるかい?』

キュビー「ああ、キュクロか。なんだい」

キュクロ『報告書のことを思い出したんだよ! その・・・実は営業室に置きっぱなしにしちゃってたんだ! あそこ、もうすぐ閉まっちゃうだろ? そしたら明日の営業室解放まで取りに行けないんだ! そうなったらキューバの奴に・・・』

キュビー「報告書の特徴は?」

キュクロ『サンキュー! やっぱ持つべきものは相棒だよな! 茶色の封筒で、紫色の帯が付いてる。中の紙には俺の名前が書いてあるから、見つけたら念のため中身を確認してくれ』

キュティ『ちょっと、キュクロちゃーん?』

キュビー「分かった。今すぐ営業室に向かうよ」

キュクロ『ごめんな、今度スシおごるからさー!』ピッ ツー ツー

キュビー「相変わらずオッチョコチョイだな・・・」

キュビー「営業室は・・・良かった、まだ空いてる・・・」ガチャコ


キュビー「あ、ドア・・・誰かがしまい忘れたのか? おーい、誰かいるかー? ドア、出しっぱなしだぞー!」

キュビー(・・・誰も反応しないな。とりあえず封筒を先に・・・こいつだな。中身は、キュクロ、よし)

キュビー「おーい!! ドアー!!」

キュビー(・・・ランプが付いている。もしかしてドアの向こうか?)ガチャ

キュビー「お~い、ちょっと、誰か仕事してるのか・・・」

ドサドサッ

キュビー(しまった!)

タッタッタッタッ

ガチャッ

パパ「どうしたの、詢子さん?」

ママ「今、ここの部屋から音が・・・」

パパ「ハハ、なんだ。気のせいだよ。ぐっすり眠ってるじゃないか」

ママ「でも・・・あ、なんだ、本が落ちただけか。まったく・・・」

パパ「待ってよ、僕が拾うから。おなかの赤ちゃんの為にもさ」ヒョイ

ママ「ああ、そうだな、頼むよ。・・・この子の為、かぁ、もうすぐお姉ちゃんになるんだな、コイツ。フフッ」

バタン

キュビー(危ない危ない)


キュビー(で、結局誰がこのドアを出しっぱなしにしたんだ? ・・・仕方ない、IDをメモして、戻しておくk)

まどか「ねえ」

キュビー「わああああっ!!!」

まどか「どうしたの、妖精さん?」

キュビー「お、起きてたの!? あ、いや、何でもない。ちょっと道に迷ったようなもので・・・」

まどか「へー」キョウミシンシン

キュビー(今他の社員が来たら、間違いなく誤解される!)

キュビー「ご、ごめん。すぐ出るかr」

まどか「ねーねー」マドマド

キュビー「あ、わわ! 来ないでっ!!」バタタッ

まどか「え・・・そんなぁ・・・」

キュビー「とっ、とにかく! もう二度と会うこともないよ! この事は忘れてっ!」バタン ガチャッ

キュビー「フゥー・・・危ないとこだった・・・あ、また携帯」ピッ

キュクロ『どうだい、キュビー。見つかった?』

キュビー「あ、ええ、うん、報告書か。見つかったよ」

キュクロ『あー良かったー! それじゃさ、ついでで悪いんだけど』

まどか「来ちゃった」ウェヒ

キュビー「どわあああああああ!!!!」

キュクロ『できれば今日中に届けて欲しいんだ』

まどか「ねーってばー」

キュビー「なっなななななななんでこっち来るの!?」

キュクロ『なんでかって? 実はその、報告書について勘違いしてたことがあってさ』

まどか「面白そうなんだもん」ウェヒヒ

キュクロ『明日会社に来てから渡したんじゃ修正が間に合わないから』

キュビー「いいから早く部屋に戻って戻って!」

キュクロ『そう、できるだけ早く部屋に戻ってやっておきたいんだよ』

まどか「そんなぁ」ブー

キュビー「見つかったらどうなるか分からないんだよ!?」

キュクロ『うん、ただでさえ釘を刺されてるのにキューバの奴に見つかったらどうなるか分からないし』

キュビー「げっ! 誰か来た! 隠れて!!」

まどか「え?」

キュクロ『もしもーし? もしもーし!! 隠れてないで電話に出てくれよ!」

キュビー(あ、あいつは・・・キュベーダ!?)

キュベーダ「・・・・・・」ジロリ

まどか(うう・・・こわい)

キュベーダ「・・・・・・」ガラガラ

キュビー(エネルギー回収ボトルを何本も運んでいる・・・? わざわざ営業時間外にやる事はないだろう、一体何を・・・)

キュクロ『だからさー、ねえ聞いてる? 今から場所言うから、そこに届けて! 場所は有名なスシ・バーの――』

キュビー「あーもう、分かった分かった!」ヒソヒソ

キュクロ『来てくれたらついでにスシおごるからさ、頼むよ!』ピッ

キュベーダ「!!?」

キュビー(しまった!! 聞かれたか!?)

キュベーダ「・・・ケッ」

キュビー(ふぅー・・・危ない危ない。アイツがうろついてる間は、この少女を元の部屋に戻すのは無理そうだ)

まどか(あの妖精さん・・・私の部屋に入ってく)

キュベーダ「!!? 留守かよクソったれ・・・また明日やるしかねぇな」

キュビー(明日? 一体何をする気だったんだ?)

キュベーダ「フン・・・」ガラガラ

キュビー(・・・ボトルの本数が気になるな。あれが全部いっぱいになるほど高い素質を持った少女なんて見たことがない)

まどか(・・・)

キュビー(いや、まさか・・・!!! こ、この少女は・・・間違いない、と、とんでもない素質がある!)

まどか「もう、行っちゃったね」

キュビー「ああ・・・」

キュビー(げ、ドアが戻ってく! どうしよう、この子・・・)

まどか「ねえ・・・私のドア・・・行っちゃった。もう帰れないんじゃ・・・」

キュビー「・・・流石に、明日にならなきゃドアを探すのは無理だ。今日はもう帰ろう、早くしないと閉鎖される」

まどか「ってことは、明日まで待てばいいんだね。その間にこの世界を見学したいなって」

キュビー「ごめん・・・他の誰かに見つかっちゃダメなんだ」

まどか「え・・・なんで?」

キュビー「君のことがばれたら、大変な事になる! 本当ならここに人間がいてはならないんだよ」

まどか「あうう、妖精さんとお喋りできないの・・・」

キュビー「あと、僕には絶対触らないでね」

まどか「なんでよー?」ブー

キュビー「わ、やめて来ないで! 僕達は触られたら・・・えーと、どうなるんだ? ととととにかく絶対触っちゃダメ!!」

まどか「・・・こっちの世界はもう、夜なんだね」

キュビー「うん。時間の経ち方には違いがあるからそう思うのも無理はない」

キュビー(・・・ん? ちょっと待て、営業室の開放時間は確か・・・)

まどか「どうしたの?」

キュビー(2時間前!! じゃあ・・・入った時にはもう開放時間は過ぎてたんだ! なんで入れたんだ・・・? しかもキュベーダの奴が・・・)

まどか「ねえってば」

キュビー「ああ、ごめん、ちょっと考え事してた」

まどか「・・・」ブー

キュビー「・・・ところで、名前は?」

まどか「まどか。鹿目まどかだよ」

キュビー「僕はキュビーだ。できる限り、騒ぎを起こさないようにしたいから、今日はもう家に帰らなきゃ」

まどか「うん、分かった。それより、聞きたいんだけど・・・」

キュビー「なんだい?」

まどか「その封筒、何が入ってるの?」

店員Q「ドーモ、キュクロ=サン、キュティ=サン。ワザ=スシへようこそ。ご注文を」ペコリ

キュクロ「とりあえずマグロふたつね」

キュティ「で、さっきの話の続き・・・あなたとキュビーって、本当に仲がいいのね」

キュクロ「ああ。大学時代からの知り合いでさ、今こそ真面目でいい奴だけど、昔はちょっと・・・」

キュティ「ワルだったの? あのキュビーが」

キュクロ「いや、そうじゃなくて・・・なんていうか、俺と一緒の落ちこぼれだったんだよ」

キュティ「そういえばあんまり言いたくないけれど、二人とも入社当時はうだつが上がらなかったわよね」

キュクロ「営業に関しては何人もエリートを出してる名家の出身らしくてさ、才能はあったんだけど努力家じゃなかったから。俺はその、努力はしたつもりだけど追いつけなかったっていうか・・・」

キュティ「知ってるわ。私はあなたの、夢を諦めずに追いかける姿が好きなの」

キュクロ「・・・実はさ、ちょっと訳あって呼んでるんだ、キュビーを」

キュティ「聞こえてたわよ。報告書出し忘れて、もう、このウッカリさんったら」ナデナデ

キュクロ「デヘヘヘー・・・」

店員Q「ドーモ、ようこそワザ=スシへ」ペコリ

キュビー「えーと、キュクロって来てる?」

キュクロ「あ、おーい! こっちこっちー!」

キュビー「お待ちかねの、報告書だ」

キュクロ「サンキュー!」

キュビー「それと、誕生日おめでとう、キュティ」

キュティ「あら嬉しいわ、ありがとう」

キュクロ「あ、オイ、お前、俺の彼女だぞー! 取るならそこのスシ取ってくれよ!」

キュビー(あの、キュクロ)

キュクロ(え?)

キュビー(ちょっと話したいことがある、終わったらうちに寄ってくれないかな)

キュクロ(うん、いいぜ)

キュクロ(ところでさ、さっきから気になってたんだけど、そのデカいキャリーバッグ何なの?)

キュビー(あ、あああ開けちゃダメ!!)

キュティ「どうかしたの?」

キュビー「あはは・・・いやぁ、なんでも」

キュクロ「ごめんごめん」

キュビー「それじゃ俺は失礼・・・」

キュクロ「なーに言ってんだよ!」

キュビー「ああー、いやでも」

キュクロ「折角だし、三貫ぐらい食ってけって。ほらほらメニュー持って」バサバサ

キュビー「あ、あわわ、それじゃ、その前にちょっとトイレに・・・」タタタタ


キュビー「ふぅ、なんとかごまかせたな。とりあえずここに隠れてくれ。内側から鍵を・・・」

キュビー(・・・あれ? 何この変なお面)

キュビー「まどかじゃない!! これ似てるけど違うバッグだ! ってことは・・・」

客Q1「エッサ! エッサイ! 実際重いバッグだ」

客Q2「ああ、ショモツ13冊とオメーンが入れてある」

キュクロ「あれ? あの客のバッグ・・・!? あれキュビーのキャリーバッグじゃん!」

キュティ「ねえ、どうしたのよ? 二人して」ムッ

キュクロ「ごめん、キュティ、ちょっとそこで待ってて!」

キュティ「キュクロ!?」

客Q1「ワッショイ! じゃあ開けてくれ」

客Q2「アッハイ、開けます・・・ワッザ!?」

まどか「ウェヒ?」

客Q「アイエエエエエエエエ!! ショウジョナンデ!?」
ギャー ウワー ガチャーン グワー バタン
ドタバタ ショウジョダー ドカン ハヤクニゲロー
店員Q「もしもし、ドーモ、GDA=サン! ショウジョ! ショウジョです!」
ワー ガシャン ワー ヒィィィー
キュティ「な、何がどうなってるの・・・あ、あれーッ」
イヤー ギャー ヘルプミー バタン
キュクロ「ああっ、キュティ!!」

キュビー「しまった、見つかったか!」

まどか「あわ、あわわわ、どうすればいいの!?」オロオロ

キュクロ「ああ、早く、GDAが来る前に逃げるんだよーッ!!」

カバン「俺フラグ」

キュビー「早く、早く!! まどか、こっちだ!!」

GDAヘリ「落ち着いて下さい! 落ち着いて下さい!」
ウワー タスケテー ニゲロー ワー
GDA隊員Q「皆さん! 消毒を行います! 此方へ!」
ヒー イヤー ワー ギャー ヤメテクレー
キュティ「あらっ、ちょ、やめてよ」

キュクロ「お、おい! 俺のキュティに触るn」ガシッ

キュビー「逃げるんだ!!」スタタタ

まどか「ご、ごめんなさい、キュティ?さん・・・」タタタタタ

GDA隊員Q「消毒の準備をお願いします」

キュクロ「どーしてくれるんだよ、俺のデートを!」タタタタ

キュビー「あわわわ、すまない、でもキュベーダが」

キュクロ「キュベーダがどうしたって? ドアを出しっぱなしにでもしたのか!? じゃあなんでお前が連れてきてるんだよ!!」

GDA隊長Q「よし、・・・汚物は消毒だァァーッ!!」

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           γ ⌒ ⌒ `ヘ
          イ ""  ⌒  ヾ ヾ    ドガァァァァァァァァン.....
        / (   ⌒    ヽ  )ヽ
        (      、 ,     ヾ )
 ................... .......ゞ (.    .  ノ. .ノ .ノ........... ........
 :::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ、、ゝ.....|  |..., , ノソ::::::::::::::.......::::::

  _ _i=n_ ._ [l_ .._....,,. .-ー;''!  i;;;~-ヽ_ii_i=n_ [l h__
  /==H=ロロ-.γ ,~ー'''l ! |'''ーヾ  ヾ 「!=FH=ロロ
  ¶:::-幵-冂::( (    |l  |    )  )=HロΠ=_Π
  Π=_Π「?Uヾ、 ⌒~"""''''''⌒~'"´ ノ;;'':::日lTΠl:::....

 Д日lTl,,..:''''"   ""'''ー-┬ーr--~''""   :::Д日lT::::
 FH=n.:::::'            |   |         :::FL日l」:::::
 ロΠ=:::::.:.        ノ 从 ゝ        .::田:/==Д::

 口=Π田:::.                   .::::Γ| ‡∩:::::
 Γ| ‡∩Π::....                ...:::Eヨ::日lTlロ::::
 Д日lTlロ_Π::::.......            ...::::::::田:凵Π_=H:::
 =Hロ凵Π=_Πロ=HロΠ:::.................:::::::::::口ロロH「l.FFl

TVアナQ「スシ屋に突如少女が現れましたなwwwwwwwインキュベーター・タウンはかつてない恐怖のどん底に突き落とされましたぞwwwwwww」

住民Q1「俺は、み、見たんだよ! 魔法少女がでっけえ車輪を作ってあの車をブッ飛ばしたのを!!」

住民Q2「逃げようとしたら、茨の棘がいきなり伸びてきて、ギューって締めあげられて」

住民Q3「いきなり脱皮して、でっかい口で俺の頭を食おうと・・・本当だ、本当なんだよーッ!!」

TVアナQ「んんwwwwww状況は後から追ってお伝えしますぞwwwwwwwww」

専門家Q「専門家の意見と致しましては、逃げる以外ありえないwwwwwww」

TVアナQ「我もさっさと逃げたいですなwwwwwwwww」

専門家Q「お前は駄目ですぞwwwwwwwww律儀に報道する以外ありえないwwwwwwwwww」

TVアナQ「んんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

キュクロ「・・・で、どうするんだよ、こいつ」

まどか「あうう・・・」

キュビー「確かにデート現場に連れてったのは悪かったよ。けど、1日の辛抱だからさ」

キュクロ「1日? ふざけんじゃないよ! ここまで警報出されて1日や2日で解除されるわけないだろ! それにどうやって会社まで連れていく気だ!? あれは殺人兵器だぞぉ!?」

まどか「え、そ、そんなぁ・・・私、帰れないの?」

キュクロ「あーもうダメだおしまいだ! この子を俺たちで一生匿うしかない! どれもこれもみんなお前のせいだ!」

キュビー「お、落ちつけよ、落ち着けって・・・」

まどか「うう・・・帰れない・・・そんな、パパとママに会いたいよぉ・・・」

キュビー「いやいやいやいや、流石にそんなことはないよ! きっと帰る方法h」

まどか「う、う、うわあああああん!! 罰があたったんだぁ・・・うえええええ」バリバリバリ

キュビー(!! 凄い感情エネルギー!! 未契約なのにここまで出せるなんて!)

キュクロ「ぎゃああああああ、エネルギーが暴走して、あばばばばばばばb」カチッ バチッ カチッ

GDAヘリ「何あの部屋」

キュビー「ゲッ、マズイ勘付かれた! 早く絶望するのを止めさせろ!」

まどか「うわあああああん」ビービービー

キュクロ「悪い、ごめん、言い過ぎた! 悪かったから!」アタフタ

まどか「ふえええええええん」ビービービー

キュクロ「もしかしたら・・・あ、じゃなくて絶対帰れる方法あるから! だからくよくよすんなよ!」アワワワ

まどか「う、ううううう・・・」グズグズ

キュクロ「諦めんなよ、諦めんなお前! どーしてそこでやめるんだそこで! もう少し頑張ってみろよ! ダメダメダメダメ諦めたら! 周りのこと思えよ、応援してる人達のこと思ってみろって! あともうちょっとのところなんだから! 俺だってこのマイナス10度のところシジミがトゥルルって頑張ってんだよ! ずっとやってみろ! 必ず目標は達成できる! だからこそNeverGiveUp!!」シャキーン

まどか「う、うん・・・帰れるよね、まだ諦めちゃダメだよね」パァァ

キュビー「!? お、おい、どうなってる!? エネルギーの放出が止まらないぞ!」

キュクロ「え、ええー、嘘だろ!? 絶望してる訳じゃ・・・」

まどか「ありがとう、元気出た。頑張ってみる」

キュクロ「いや、ちょ、そんなことより、あばばばばばばばb」バシューン


まどか「・・・停電?」

キュクロ「さぁ、分かんねえ。でもこんなのは二度と御免だね」

GDA隊員Q「問題となったスシ・バーで手掛かりを発見しました」

GDAヘリ「マジで? じゃあそっち行くわ」バラバラバラバラ

キュクロ「案その14。下水道を通して、遠い所で野生にかえす」

キュビー「下水道だって通じてる先は普通は街だよ」

キュクロ「案その15。あの子を連れていくんじゃなくて、ドアを持って来る」

キュビー「ドアとあの子、どっちが大きくて重いと思ってるんだ?」

キュクロ「・・・はあ。案16。あの子に契約して魔法少女になってもらって、その時の願い事でなんとかする」

キュビー「魔法少女になったらGDAの探知レーダーにすぐ引っ掛かるぞ! この子が無事に帰れても俺たちはオシマイだ!」

キュクロ「んじゃ、どーしろっつーんだよ! 人の計画に片っ端からケチ付けて、もー!」

キュビー「でも一つとして実行できるプランがないじゃないか!」

キュクロ「そう、そうだよな、そうですよ・・・だからあの子を遠ざけてくれ、落ち着かないんだー!!」

まどか「あの、ごめんなさい、私が来ちゃったばっかりに」

キュビー「その話はもう済んだからいいよ。それに、こっちの世界に興味を持つのは仕方がない」

まどか「あの、一つ・・・聞きたいんだけど、契約とか、魔法少女って、なに?」

キュビー「え、あ、その、知りたいの?」

まどか「うん、私、魔法少女って、憧れてるの。悪い奴をやっつける、ヒーローになりたい」

キュビー「・・・大筋を話すと、魔法少女になる代わりにどんな願いでも一つだけ叶えてあげられる、その代わり魔女と戦う使命を課せられる」

まどか「魔女?」

キュビー「えーっと、その・・・とにかく悪い奴らだよ。絶望を振りまくような怪物だ。君が想像するような箒に乗って空飛ぶようなもんじゃない、グロテスクな化物だ」

まどか「じゃあ、魔女を退治する魔法少女は正義の味方なんだね!」

キュビー「まあ・・・正義の魔法少女もいれば、悪いのもいるよ」

まどか「え、え! そんなぁ」

キュビー「確かに俺達が魔法少女に与える魔法の力は、魔女を倒す為のものだ。けど違う使い方もできる。例えばその力で人々を救ったり、逆に陥れたり」

まどか「うぅ・・・」

キュビー「それはその人次第だよ。俺達はそこまで見抜く事は出来ない。でも魔女を倒す為に、いや、俺達自身の為にも、魔法少女が必要なんだ」

まどか「・・・えっと、魔女を退治するために、キュビーは契約できる子をたくさん探してるの?」

キュビー「いや、その・・・魔女を退治するためというのもあながち間違いじゃないけど、俺たちがこうして使ってるエネルギーは、実はほとんど全部、契約を通して回収してるんだ」

まどか「そうなの・・・じゃあ、エネルギーを溜める為に、仕方なく契約をしてるんだね」

キュビー(・・・こんなこと言われたの久しぶりだ・・・こういう子ばかりなら、仕事も楽なんだけどな)

まどか「結構大変なんだ。そうだ、私が魔法少女になって、少しでも・・・」

キュビー「いやいやいやいや、それだけは駄目!」

まどか「えー、どうして?」ブー

キュビー「あの、えっと、そのー・・・願い事は一度きりだし、もうちょっと冷静になってからでもいいんじゃない?」

まどか「・・・そうだね、もう少し考えてみる」

キュビー「うん、その方がいい」

まどか「どうしよう。何があるかなぁ・・・私、誰かの役に立てるなら、それだけでいいもん」

キュビー「・・・一応忠告しておくけど、下手な願い事をすれば、巡り巡って逆に自分が不幸になるかもしれないよ」

まどか「え? それ、どういうこと?」マド

キュビー「うーん、例えば・・・後ろめたさって知ってる?」

まどか「うん。ズルして勝っても、あんまり良い気分にはならないよね」

キュビー「俺達の叶える願い事は、そういう性質のものだ。願い事で幸せになったり、誰かを幸せにしてあげたりしたつもりが、逆に不幸になった魔法少女は、たくさんいる」

まどか「分かった、慎重に、決めなきゃ・・・」

キュビー(いやそもそも状況的に契約は避けたいんだけど)

まどか「う・・・ん・・・あう・・・考えてたら、なんだか眠く・・・」

キュビー「え」

まどか「おやす・・・」グー

キュビー「ね、ねえ、ちょっと、ソファーの上で寝ちゃ・・・」ユサユサ

キュビー(・・・・・・)

キュビー「・・・毛布はどこだっけな・・・」

キュビー「ん? この絵・・・ああ、あの子が描いたのか・・・」

キュビー「『魔法少女になったわたし』・・・ねぇ、ハハハ。こんなものまで考えて・・・」

キュビー「・・・」

キュビー「俺と、キュクロも描いてある・・・」

キュビー「今時、珍しいな。魔女退治を嫌がる子だっているのに、わざわざ魔法少女になって、誰かの為に戦おうとするなんて」

キュビー「こんな純粋な子が、俺達にとって、有害で、殺人兵器? バカバカしい」

キュクロ「アレもダメ、コレもダメ、アレもダメ、コレもダメ・・・」グシャグシャポイ グシャグシャポイ

キュビー「なあ、キュクロ」

キュクロ「なんだよ! 人が考えてるときに!」

キュビー「・・・俺思うんだけどさ、あの子は危険じゃないよ」

キュクロ「ホントに!? そう、じゃあ飼おうよ! アタシペット欲しかったし~・・・ってそうじゃないだろ!?」ダンッ

キュビー「キュクロ・・・」

キュクロ「お前は地球干渉についての取り決めを理解してんのか!? 一つ、人間を知的生命体と認め、社会に必要以上の干渉をしない。二つ、人間に嘘をついてはならない。三つ、人間を此方の世界に連れてきてはならない。四つ、人間を愛s」

キュビー「分かってる、そんなこと! ・・・だからさ、ドアの向こうに帰そう」

キュクロ「え!?」

キュビー「あの子をドアの向こうに帰すんだ。それが一番だよ。万事解決、丸く収まるじゃないか」キュプッ

キュクロ「冗談だろ? まさか本気!?」

キュビー「・・・・・・」

キュクロ「キュビー、そりゃ俺だって帰せるものならそうしたいよ。でも、どうすんの!? アレを持って街へ出るわけ? でもって堂々と会社へ行こうっての!?」

キュビー「いや、流石に・・・会社の中ならともかく、街中は・・・」

キュクロ「そうだろ!? さっきみたいなキャリーバッグじゃ絶対に捕まるよ! キャスターでガラガラ猛ダッシュ? 昨日みたいにバレたら、どうする気だー!!」

キュビー「キャスターで・・・車輪? そうだ!」

キュクロ「え、なに、何、俺?」

キュビー「キュクロ、頼みがある」

ブゥロロロロロロロロロ
キュクロ「まったく、信じらんないよ! これでトランクが使い物にならなくなったじゃないか! 買って二ヶ月で買い換える羽目になるなんて!」

キュビー「別に良いだろ、新しいの買わなくても。運動しようよ、ただでさえエネルギー不足なんだから」

キュクロ「ハァ~ア。財産はたいた俺の立場はどうなるんだよ? 汚染された車に彼女を乗っけて愛を語り合えっつーのかよ!?」

キュビー「いやだかr」

キュクロ「ああ、ごめんなベイビー、これが最後のドライブになるんだ。せめて名残惜しく・・・あー!! 触っちゃったー! 汚染されたー! うあああああ!!」ゴシゴシ

キュビー「ちょっと落ち着いて運転してくれよ・・・」

まどか(・・・あう~、そんなに臭いかな、そういえば昨日お風呂入ってないなぁ)

GDA隊員Q1「待て! そこの車」

キキィーーーーッ
キュクロ「や、やべぇぞ」

GDA隊員Q1「トランクの中を調べさせてもらう、開けるんだ」

キュクロ「あ、え、トランク? え、い、いいけど何も入って」

GDA隊員Q2「了解。それでは」カチッ ガチャコ

キュクロ「いやいやいやいや、勝手に開けちゃダメ!」

GDA隊員Q1「いやしかし」

GDA隊員Q2「お、おい、よく見ろよ! ・・・まさか」

キュビー「―――ッ!!」

GDA隊員Q2「やっぱり! CMに出てたエリート社員のキュビーだ!」

GDA隊員Q1「サインください、『キュロブッチへ』って書いて」

GDA隊員Q2「こっちは『キュンボーへ』でお願いします」

キュビー「は、はぁ、はい、そりゃあもう、もちろんですよ」

キュクロ「そ、そそそそうそう」サラサラ

GDA隊員Q2「あのー、あなたには頼んでまs」

キュクロ「はい、どうぞ。何枚でも書いてあげちゃうからね~」

GDA隊員Q2「・・・ありがとうございます」

GDA隊員Q1「それでは、失礼しました。どうぞ」

キュビー「・・・ふぅ。ラッキーだったな」

キュクロ「はぁ~、もう御免だよ、こんなのは・・・」

ガシャン
キュクロ「社内駐車場に付いたぜ」

まどか「よいしょっと・・・」

キュビー「よし、まどか。裏口側は監視カメラが無いから、直接見つからない限り平気なはずだ。全速力で俺達に付いてきてくれ」

まどか「うん」

キュクロ「・・・なあ。考え直さないか? 何も俺達g」

キュビー「行くぞ!」ガチャ

キュクロ「お、おい、ちょっと待ってくれよー!」ダダダ

GDA隊員Q1「写真が確認されております、特徴は・・・」

まどか「う、うわ、あんなに」

キュビー「げ、GDA!? 隠れて!」

GDA隊員Q2「汚染の危険性がありますので」

キュリアンベース「我が社は安全第一がモットーですから、そのような事は・・・おお、キュビー君」

キュビー「あはぁ、ええ、いやあ、社長」

キュクロ「どうも・・・ところで、どうしてGDAが」

キュリアンベース「ところでも何もない、現場に我が社のロゴが入ったカバンが落ちていたらしくて、お陰でこのザマだ。君からも言ってやってくんないかね」

キュクロ「えー・・・何を?」

キュリアンベース「決まってるだろう、あのカバンはたまたまあの店にあったもので、少女とは何の関係もない、ということを」

キュビー「」ギクリ

まどか「だ、大丈夫かなー・・・」

GDA隊員Q3「こっちから少女の汚染反応が出ている」

まどか「!!」

GDA隊員Q4「用心しろよ」

まどか「あう、あわわ、近づいて来てる・・・!」

子供Q1「こっち! こっちへ来て!」

まどか「え?」

子供Q2「早く!」

キュクロ「あー、いやー、関係、ないですよ・・・多分」オドオド

GDA隊員Q2「失礼。もういいですか。お話をお伺いしたいので、こちらへ」

キュリアンベース「ああ分かった、行くよ。じゃあまた後で会おう。こいつらに閉鎖されてなけりゃな」タッタッタッ

キュビー「・・・ハァ」

キュクロ(おっし、今のうちだ。まどか・・・まどか?)

キュビー「まどか!?」


まどか「ごめんなさい、キュビーさん・・・」

キュマ「あと少しで見つかるところだったよ! 静かにして」

キュスミン「てか、なんで人間がここにいるの?」

キュマ「分かった! ドアをくぐって来たんでしょ」

キュスミン「珍しいね、人間が来るなんて」

まどか「う、うん・・・そうだけど」

キュスミン「大人に見つかったら大変よ。汚染されるとかうそぶいて捕まえようとするから。ほら早く」スタタタ

まどか「あっ、でも・・・私のこと、怖がらないの?」

キュマ「へ?」

まどか「キュクロさんが言ってた。私、殺人兵器、なんだって・・・この世界じゃ、私は怪物なんだよ?」

キュマ「キュクロさん? ああ、あの人でしょ」

キュスミン「・・・なんで怪物扱いされてるか、わかる?」

まどか「え・・・」

キュスミン「あたし知ってるよ。魔法少女はものすごく危険なんだ。自分のために力を使って、好き勝手に暴れ回って、最後は・・・」

まどか(・・・昨日、キュビーさんから聞いたなぁ)

キュスミン「それにただの少女もいつか、魔法少女になるから。・・・バッカみたい、触っただけで汚染されるなんて間抜けな話があるかっての」

キュマ「魔法少女じゃないおねーちゃんは危険な訳ないよ。私達のおばさんがそう言ってる」

まどか「そう、なの・・・でも私、本当は悪い魔女と戦う、魔法少女に憧れてるんだよ。誰かの為に立ちたい、から」

キュマ「へぇ」

まどか「もしかしたら、いつか契約して、魔法少女になるかもしれない・・・そうなったら!」

キュスミン「ふーん、アンタって・・・どうしても自分を悪者にしたいのね? 呆れるよ、その謙遜っぷり」

まどか「そ、そういう意味じゃ・・・」

キュマ「でも・・・『いつか』は今じゃないよ」

キュビー「うう、まどか・・・」

キュクロ「嘘だろ、逃がしたのか!? ああもう、何やってんだよ!?」

キュビー「まずい、何処へ行ったんだ・・・?」

キュクロ「・・・ちょっと待てよ? 居なくなったんなら・・・放っとけばいいじゃないか! ハッハッハ、やったー! 俺達は助かったんだー!!」

キュビー「・・・・・・」

キュクロ「おいおいおいおい、よせよ、なんだよその目は。あの子に愛着でも湧いたっていうのかよ?」

キュビー「いや、その・・・」

キュクロ「もう少しで新記録達成だっていうのに!! あの子は誰かが見つけるよ、そいつに任せとけばいいって!! もう俺達は関係ないんだ!」

キュビー「・・・・・・」ダッ

キュクロ「なあ、頼むから考え直してくれ、お前を失ったら俺はこの会社でどう生きてきゃいいんだよ? 入社してこの方一度も営業なんかしたことないんだぜ、おいキュビー!!」

キュベーダ「営業したことがない割に随分と偉そうな口が聞けるんだな、キュクロ!!」

キュクロ「ゲェッ、キュベーダ!!」

キュマ「ホラここ! さっき見つけたの。子供部屋みたいでしょ、隠れるのにピッタリ」

まどか「え、いや、あの。・・・そうだ、キュビーさんとキュクロさんって知らない?」

キュスミン「知ってる、この会社のエースでしょ。有名人だよ」キュップイ

まどか「その人達は、私のこと知ってるから。もし会ったら、子供部屋に隠れたって伝えて!」

キュマ「うん、分かった!」パタタタ


まどか(誰もいないし、今のうちにちょっと見物してみるかなぁ)キョロキョロ

キュベーダ「・・・まあいい。例のガキの件、どう思う? 噂じゃこの会社に逃げ込んだって話だけど」

キュビー「あ、ああ、すごく怖いと思うよ」

キュベーダ「ほーら、新聞にも載ってる。こんな写真」バサッ

新聞「スシ屋に少女が現れましたぞwwwwwww付近の手掛かりと言えばインキュベーターズ・インク社のカバン以外ありえないwwwwwwwwww」

キュクロ「あ、ああ・・・」

キュベーダ「質問を変えようか、何かあのガキについて・・・そう、見たりとか聞いたりとか」

キュビー「いやいや、流石に」

キュクロ「見てる訳ないじゃん! でも、俺の見たところ、怪しいとしたら絶対アイツ!」

チラッ
キュクロ「・・・キュカザワだよ!」

キュベーダ「あいつがぁ?」

キュクロ「ほら、だってアイツ、目玉焼きで半熟か固焼きかこだわらないっぽい感じするじゃん?」 

キュベーダ「・・・・・・」

キュクロ「それに、その・・・さっきお前の影口言ってたし」

キュベーダ「キュカザワ! 昨日何時に帰った!?」タタタタタ


キュビー「・・・はあ。よし、役割分担をするぞ。お前はまどかのドアのカードキーを取りに行け、俺がその間にまどかを探す」

キュクロ「分かった! じゃあ後で!」


キューバ「・・・それで?」グオッ

キュクロ「それで、じゃないよ! カードキーがどうしても必要なんだ!」

キューバ「アタシだってどうしても必要なものがあるねぇ」グオッ

キュクロ「え、なにそれ? 分かった、後で何でも買ってあげるからs」

キューバ「買える訳ないだろ、報告書だよ」グオッ

キュクロ(あっ・・・出すの忘れてた)

キューバ「昨日も今日も出してくれなかったねぇ、キュクロ」グオッ

キュクロ「ねぇ、報告書なんていいじゃあん、忘れよぉよ!」

キューバ「・・・・・・」

キュクロ「・・・・・・」

キューバ「・・・・・・」

キュクロ「頼むよ、一生のお願い。今ここでカードキーを手に入れなきゃ、大変なk」

キューバ「受付終了!」ガラガラガラ バシーン

キュクロ「いいいいてえええええええええええええ」

キュクロ「な・・・なんてこったい」ヒリヒリ

キュティ「キュクロ! 見つけたわよ!」

キュクロ「ゲェッ、キュティ!!」

キュティ「夕べみたいに最悪な夜は初めてよ!!」

キュクロ「あう、いや、そのー」

キュティ「全くもう・・・貴方を見損なったわ」

キュクロ「し、知らなかったんだよ、スシが嫌いだなんてさ」

キュティ「スシ!? この期に及んでスシのせいにするの!?」

キュベーダ「・・・スシ?」

キュクロ「ゲェッ!! それ言わないで、シーッ、あわわわわわわわ」

キュティ「貴方って人h・・・うっ、ううぅうううぅううう~」チュゥゥゥゥゥゥゥーー

キュベーダ「・・・まぁさか・・・」バサッ

新聞「んんwwwwwww何者かが映っていますなwwwwwwwwwwピントが合ってませんぞwwwwwwwしかしインキュベーターズ・インク社のキュクロ氏っぽいですなwwwwwwwwwwww断定はあえてしませんぞwwwwwwwwwww」

キュベーダ「・・・・・・」

キュティ「キュクロォー! キュ・・・あぁ、もォ」

キュベーダ「あ・の・や・ろ!!!」スタタタタタ


キュクロ「まずい、悟られたらしい! 早く逃げなきゃ!!」ダダダダダ

キュミカ「もう、二人してどこへ行ってたの? 私のそばから離れちゃダメよ!」

キュマ「ごめんなさーい」アハハ

キュスミン「もうしませーん」ケケケ

キュマ「あ、キュクロだー。伝言があるんだけど」

キュクロ「今それどころじゃないのゴメーン!」ダダダダダ

キュクロ「落ち着け俺、素数を数えて落ち着くんだ、5、4、2、1」ドカ

キュベーダ「どこが素数だよ、バカ!!」ガッシ

キュクロ「ゲェッ!! キュベーダ!!」

キュベーダ「お前ゲェッて言うの今日で何度目だよ」ギリギリ

キュクロ「ええ、いや、ちょっと、苦し」キュブブブブ

キュベーダ「ガキはどこだ! 今すぐに言え!」

キュクロ「オーケーオーケー、分かった、実は、その・・・」

キュベーダ「今すぐに!!」クワッ

キュクロ「ひっ! さっきはぐれたから今どこにいるか知らないんだよ!」

キュベーダ「へぇ~、じゃあ社内にいるのは確かなんだな?」

キュクロ「あ」

キュベーダ「その様子だと、キュビーは大方そのガキを探しまわってんだろ」

キュクロ「・・・俺のせいにすんなよ! あの子はキュビーが連れてきたんだ」

キュベーダ「どっちだって一緒さ、最高の、相棒、なんだからな!」

キュクロ「元はと言えば、お前がドアを出しっぱなしにしたのがいけないんだろ!? 俺は完全に巻き込まれた側だよ! どーしてくれるんだよー!?」

キュベーダ「まあいい、カードキーなら俺が頼んでおいてやる」

キュクロ「えっ? えっとー・・・それ、どういう意味」

キュベーダ「お前もあのガキを探しに行け!」

キュクロ「わわわ、分かったよー!!」

キュベーダ「正午の昼休みになったら俺が例のドアを出しておく。誰にも見つからないようにガキを戻すんだぞ!」

まどか(本棚・・・玩具箱・・・ベッド・・・それに、女の子の、上半身だけの人形? なんに使うんだろ)

まどか(でも、女の子の部屋そっくりに作ってあるんだね・・・)

まどか(あ、カメラだ。これで部屋の中を撮影するのかな)


まどか(? あれは・・・確か、私が初めてここに来た時に見た、ドアの機械と同じだ。上手くいじったら、私のドアを呼び出せるかも!)カタカタ

まどか(・・・・・・)チーン

まどか(駄目、分かんない・・・)

まどか(ドアのランプが点いてる。多分、これでこのドアは部屋に通じるようになるんだろうけど、同じドアじゃなきゃ、同じ場所に帰れないみたい・・・後でキュクロさん達に聞いてみよう)

ガチャコ
まどか「うわあっ!!」ビクッ

キュール「!? そこにいるのは誰だ!?」

まどか(な、なんでなんで、何もない壁だったのに・・・!?)

キュール「ギャーッ!! ままままさか、君が例の・・・」

まどか「う、ううう・・・見つかっちゃった・・・」

キュール「そ、そこを動かないでよ、う、動くと痛い目にあうかららららr」ガタガタガタガタ

まどか(私のこと、怖がってる? ・・・そういえば、ニュースでもあることないこと・・・)

キュール「わわわわ悪いけど、大人しく捕まっt」

まどか「がおー!!」

キュール「ひいいぃぃ!!! お、お助けー!!!」ダダッシュ

まどか「逃がさないぞっ」パタタタ

キュール「ぎゅべっ」ドタッ

まどか「私のこと絶対に喋っちゃダメだよ! さもないと・・・頭から食べちゃうんだから!」ウェヒヒ

キュール「いひいいいぃぃっ!!! 許して下さい許して下さい許して下さい」ガタガタガタガタ

まどか(なんだろう、この妙な征服感は)

まどか「じゃあ一つ、教えて欲しい事があるんだけど・・・」

キュール「何でも言います! 何でも言いますから!! 命だけはぁ~」ガタガタガタガタ

まどか「今どこから出てきたの?」

キュール「へ!? えぇいやその、あれは・・・その・・・」

まどか「がおー」

キュール「あうっ、キュベーダの秘密研究室ですー!!」アワワワワ

まどか「秘密、かぁ・・・あそこなら、絶対誰にも見つからないね。入り方教えて」

キュール「は、はいぃ、そこの機械で・・・このこのこのこのように操作すればばばばば」ガタガタガタガタ

まどか「分かりにくい! メモしてよ!」

キュール「あわわわわわ、只今~~~!!」ガリガリガリガリ

キュビー「おーい、キュクロー!」

キュクロ「キュビー?」

キュビー「カードキーはどうだ?」

キュクロ「ああ、なんとかなりそうだよ。それよりまどかは見つけたんだろうな?」

キュビー「いや、それが・・・」

キュクロ「見つけてないの!? どうすんだよ! なんとかして昼休みまでに用意しなきゃ!」

キュビー「昼休み?」

キュクロ「早く見つけて、とにかくそれを送り返すんだ!! さもないと・・・」ハッ

キュミィ「」
キュヤカ「」
キュトミ「」
キュウスケ「」
キュリコ「」
キュリカ「」
GDA隊員Q「」

キュクロ「やぁー・・・練習だよ、芝居のね。今度会社でやるやつで、タイトルはー・・・そう、『とにかくそれを送り返そう、さもないと』。へへ、ミュージカルなんだ」

白い目「」

キュクロ「とーにっかっくっそーれーをー送り返そ~ぉ」

キュビー「サールティーローイヤーリー」

キュクロ「あーさもないとっ、さもんないとっ」

キュビー「テーレッテー、テーレッテレー」

キュクロ「はいカットォ」

白い目「・・・・・・」

キュクロ「へへ、まだ練習中なんだけどね。ああ、案内係募集中」


キュトミ「・・・話の続きですわ。私、キュウスケ君のこと、お慕いしておりましたの」

キュヤカ「そ、そうなんだ。あはは、まさかキュトミがねえ・・・なーんだ、キュウスケの奴、隅におけないなー」

まどか「うん・・・よし、この通りに操作すれば、入れるんだね。メモしとこう、『秘密基地への入り方』・・・と」

キュール「あ、あの~・・・そろそろ許して頂けないでしょうか」

まどか「・・・おまえはもう、用済みだ! がお~」

キュール「ぎゃああああああああああああっ!!!!!! あべしっ」バタッ

まどか「あ、気絶しちゃった。・・・一度言ってみたかったんだよね、この台詞」ウェヒ

ガチャリ
研修Q1「いやー昨日は凄かったな! キュビーさんの技」

まどか「!?」

キュクロ「で、どうすんだよ。アテはあるのか!?」ダダダダ

キュビー「あったらこうやって走り回ってない!」ダダダダ

キュクロ「ああーどうか見つかりますように・・・」ダダダダ バッ

キュミカ「おっと、すみません」

キュマ「あ、キュクロのおじさん」

キュクロ「や、やあ。何か用かな、今急いでるんだけど」

キュスミン「そうだ、伝言があるの」

キュビー「え、伝言?」

キュスミン「子供部屋に隠れてるって」

キュクロ「・・・!! キュビー、これって」

キュビー「間違いない、シュミレーション室へ急ぐぞ!!」ダダダダ

キュミカ「・・・一体何なのかしら、ねえ二人とも」

キュマ「ウフフッ」

研修Q26「・・・・・・」サササササ

研修Q26(・・・何だか、気配がする・・・シュミレーションなのに、まさか?)

少女ロボ「(゚д゚)」

研修Q26「や、やあ。夜中に申し訳ない。僕の名前はキュゥべぇ」

研修Q26(なんかベッドの下から、・・・人間の髪の毛?)

少女ロボ「(` Д´)」

研修Q26「ああいや、何でもない、何でもないよ」

研修Q26(こっそり尻尾で引っ張ってみよう)

少女ロボ「(・-・)」

研修Q26「それより、君には素質がある。それもとびっきりの・・・」

研修Q26(せーのっ)

ズボッ
研修Q26(!?)

キュオトメ「ちょっと、研修Q26さん、何をしてるの?」

研修Q26「ああ、いや・・・」

毛糸の玩具「可愛い女の子だと思った? 残念! ただの玩具でした!」

研修Q26(うう、チクショー!)ポイ

キュビー「まどかー!!」バーン

研修Q26「!?」

キュリアンベース「やあキュビー君。・・・今日は呼んでないはずだが」

キュビー「ああいやあの」

キュリアンベース「それに・・・『まどか』とは誰だ?」

キュビー「えへえ、いやそれは」

キュクロ「『まだか』ですよ、『まだか』。まだ終わらないのかって」

キュリアンベース「え?」

キュクロ「俺達今度、この部屋で芝居やるんですよ。タイトルは・・・『とにかくそれを送り返そう、さもないと』!」

キュリアンベース「・・・・・・」

キュクロ「練習部屋ここなんですけど中々空かなくて、ついイラついちゃって・・・なあキュビー?」

キュビー「あぁ、ああぁそうなんですよ、すいません中断させちゃって」

キュリアンベース「・・・今日の営業講習が終わるのは1時だ。それまで待っててくれ」

キュクロ「1時!?」

キュリアンベース「どうした。もっと早く終わらせてほしいのか?」

キュクロ「えー、できれば・・・今すg」

キュリアンベース「なら今すぐ出ていってくれ!!」クワッ

キュクロ「きゅぶっ!」

キュビー「くそっ・・・とりあえず営業室へ行こう」

キュクロ「ああ、昼休みが終わっちまう・・・もう駄目だ・・・お終いだぁっ・・・!」


キュリアンベース「・・・まさか・・・な」

キュビー「・・・・・・」

キュクロ「・・・ドア・・・あるね」

キュビー「でも・・・まどかがいない」

キュクロ「ああ~どうしよう、キュベーダの奴にまたどやされる」

キュビー「キュベーダ!? まさかお前」

キュクロ「あれ、ああ、言い忘れてた。このドア、キュベーダが用意してくれたんだよ、アイツもアイツなりに責任感じてるみたいd」

キュビー「やめよう。何か嫌な予感がする。それより、キュベーダの奴を問い詰めなくちゃ」

キュクロ「問い詰める? どういうことだよ!? あれっ、何か足に絡みついて・・・」

キュビー「あいつは何か良くない事を企んでいる! 営業時間外にパイプを大量に持って来るなんて・・・」

キュクロ「え、そんな事してたの? 初耳・・・なんだけど」

キュビー「あいつを出し抜いて、カードキーを取り戻したほうがいい」

キュクロ「オーケー、分かったよ。けどどうやるんd」

キュビー「来た! まずい、キュクロ!」


キュベーダ「んだ、キュビーかよ。・・・キュクロから話は聞いているな?」

キュビー「あ、ああ、あの子ならベッドで寝てるよ。随分疲れちゃってさ」

キュベーダ「ん~?」

キュベーダ(確かに寝てるな・・・それにあの髪の色、間違いない)

キュベーダ「それじゃあ、ドアを戻しておくか」カシャン ウィーン

キュビー「・・・・・・」

キュベーダ「シュレッダーは証拠が残るから使えねえ、だからカードキーは俺が責任を持って預かっておく。・・・今夜ここでは何も起こらなかった。ガキの事件は迷宮入り。いいな?」

キュビー「ああ。・・・え、ちょっと待って、カードキーは」ジリリリリリリリリリ

アナウンス「休憩時間終了です」

キュトミ「丸一日だけお待ちしますわ。キュヤカさんは後悔なさらないよう決めてください。キュウスケ君に気持ちを伝えるべきかどうか」

キュヤカ「あ、あたしは・・・」

キュウスケ「キュビー! 今までどこにいたんだよ!」

キュビー「あ、ああ、ちょっと具合が悪くて・・・」


キュクロ(・・・・・・)

キュクロ「なんとかごまかせたみたいだな」

毛糸の玩具「二度も人間の髪の毛に間違えられたので俺は自分探しの旅に出ます」

キュクロ「頼むよキュビー、お前がカードキーを見つけてくれなかったら、俺は事実上の追放だー!!」

ママ「ちょっと、うるさいよまどかー」

キュビー「な、なあ、キュベーダ」

キュベーダ「なんだよ」ガラガラ

キュビー「やっぱりまずいよ、カードキーは返さなきゃ」

キュベーダ「返す!? ふざけるな! あのガキは会社の存在を知ってるんだぞ! 契約なんかしてくれる訳ないだろ、このバカチン!」

キュビー「でも、何も起きなかった事にするんだろ? カードの紛失をどう説明するんだ、お前がカードを借りたって記録は残ってるんだぞ」

キュベーダ「・・・俺が責任を持つと言ったろ。カードは無くしたことにする。もうお前には関係のない話だ」

キュビー「分かった。分かったよ。これ以上の追及はしない」

キュベーダ「・・・・・・」ガラガラ

キュビー(でも、後は付けさせてもらうよ・・・どうしても必要なんだ、あのカードが)

キュベーダ「ちわーっす」ガラガラ

キュリアンベース「なんだ、今度はキュベーダか」

キュベーダ「ちょいと野暮用をね」

キュリアンベース「・・・ああ、そうかい。よろしく頼むよ」

キュベーダ「ヘッヘッヘ・・・」カタカタカタ ウィーン


キュビー「シュミレーション室? おいおい、どういうことだ?」コッソリ

キュビー「失礼しまーす・・・」ガチャコ

キュリアンベース「はぁ~もう、何度言えば分かるんだ!」

キュビー「あわわ、す、すみm」

キュリアンベース「出だしが肝心なんだ出だしが! はなっから魔女の話をしたって信じる訳ないだろう!」

研修Q27「は、はいぃ・・・」


キュビー(社長は気付いていないな、よし・・・って、キュベーダはどこに消えたんだ!?)


キュリアンベース「それに昨日も忠告したじゃないか。ソウルジェムの仕組みに関しては、契約前に話すべき内容ではないと。グリーフシードの事もな」

まどか(・・・え?)

キュリアンベース「ソウルジェムの仕組みを喋れば、当然『ジェムが濁りきったらどうなるか』も聞かれる事になる」

研修Q28「でも、その時は嘘をついて誤魔化せばいいんじゃないですか?」

キュリアンベース「バカ! そんな事をすれば、真実を知った時、我々に明確な敵意を持って襲ってくるではないか! ・・・あぁ、そうだ。絶望させる方法の一つとして、『自己嫌悪』があるのは知っているな」

まどか(絶望!? それ、どういうこと・・・)

キュリアンベース「あくまで契約に伴う失敗や破滅は、全て自分が引き起こしたものだと思わせる必要がある」

研修Q29「フーム・・・」

キュリアンベース「奇跡には等しい対価が必要なのだよ。摂理に反した願い事を望めば、当然その報いを受ける事になる。・・・そう、我々はただ奇跡を起こす技術を持っているだけで、それを行使したのは他ならぬ少女自身ではないか」

まどか(え、え、言ってる意味、分かんないよ・・・)

キュリアンベース「奇跡を起こした代わりに、魔法の力と強靭な肉体を与えられ、魔女になるその瞬間まで戦い続ける・・・それぐらいの代償は付き物だと思うがね?」

まどか(魔女に・・・なる?)

キュビー(ん、なんだこの紙きれ、何か書いてあるぞ)

キュビー(・・・機械の操作方法のようだな。題字は『ひみつきちへの入り方』・・・? なんて不用心な・・・いいや、試してみるか)カタカタカタ ガシャン

キュビー(!! 地下への通路・・・これか!!)


キュベーダ「お前はまだそんな大嘘を信じてたのか!?」

キュール「う、うう、だって、そうじゃなきゃGDAなんかいらないだろ」

キュベーダ「魔法少女でない『少女』には何の危険性もない! あんな神経質な連中の言うことを真に受けてどーすんだよ!」

キュール「あ、え・・・そうなの?」

キュベーダ「あぁ、クソ・・・それで? ガキはお前を捕まえて、その後どうなった?」

キュール「気絶した後、社長に起こされたんだ。この様子だと、どこかに・・・逃げたのかもしれない!!」

キュベーダ「経緯は知らんが、キュビー達が例のドアで元の世界に帰した。俺がこの目で見たからな」

キュビー(・・・さっきから何を話してるんだ?)

キュベーダ「・・・お陰で大成功。最初から、ドアごと誘拐すりゃよかったんだ」

キュビー(!!!)

キュベーダ「出てきたら、すぐにそのメモを取り上げるんだ、いいな。それじゃ、ドアに電源を接続しろ」

キュール「は、はいぃ・・・」ガチャコ

キュビー(誘拐・・・? まどかに何をする気だ!?)

まどか(魔女に・・・魔法少女が、魔女になる!!)

研修Q30「ところで、何で『魔法少女』とか『魔女』って名前がついたんですか?」

キュリアンベース「魔法を使う少女だから、魔法少女。・・・それが成長したものは、魔女と呼ぶべきだろう」

まどか(それって・・・魔法少女は、騙されてるってことじゃあ・・・)

研修Q31「ソウルジェムが本体ってのは・・・」

キュリアンベース「それも伝えてはならん。奴らに言わせれば、『ゾンビ』みたいなものらしいからな。理解出来んよ、全く・・・」

まどか(こんなのってないよ・・・)バチッ

研修Q32「いざとなって発覚したら、どう誤魔化せばいいんですか?」

キュリアンベース「私の祖父が開発した、キュリアンベース式によれば・・・『聞かれなかったから』と答えればよい。我々と人間の間に価値観のズレがある事を主張して責任を逃れるんだ」

まどか(う、うあああああああああああ!!!)バババッ バシュッ

キュリアンベース「な、何だ!? 漏電か!?」バババババ

キュオトメ「み、皆さん! 落ち着いてください!」バシュン ババババ

キュリアンベース「・・・まさか・・・?」ジジジジバババジジバババ

まどか(酷いよ・・・みんな、インキュベーターに騙されてるんだ・・・)バチバチバチバチ

キュオトメ「動かないでください! 怪我をするかもしれません!」ジジジジジジジ

まどか(こんなの、絶対、おかしいよ・・・)バシュッ バババ バチッ

キュール「あれ? おかしいな、電源が不安定だ・・・」ガチャガチャ

キュベーダ「そんなら携帯バッテリーを使えよ!」

キュール「あわわ、分かった・・・ランプOK、繋がったぞ」

キュベーダ「よし、開けるぞ。準備はいいな?」

キュール「ああ」

キュベーダ「1、2」バタン

キュクロ「パンパカパ~ン!」

キュベーダ「」
キュール「」

キュクロ「早かったなぁ、キュ・・・キュ、ベー、ダ?」


キュベーダ「ガキはどこだ! 言え!!」

キュクロ「人に物を頼むのに、言えってのは無いだろ!? それに、なんでお前がこのドアを開けるんだよ!!」

キュベーダ「決まってるだろ、あのガキが必要なんだ」

キュクロ「だからなんだよ! 普通に契約させりゃ済む話だろ!?」

キュベーダ「ヘッヘッヘ、分かってねえなぁ、お前・・・そもそも、これが仕事のためだとでも思ってんの?」

キュクロ「思って、た・・・けど、その笑い方からすると違うね」

キュベーダ「俺はこの業界に革命を起こすんだよ! そうなりゃあのキュビーとか言ううちのエース様だって俺の部下になるんだ」

キュビー(どういうことだ・・・?)

キュクロ「へぇ~・・・君って、仕事熱心なんだね」

キュベーダ「ガキはどこだ! 言え!!」

キュクロ「え、えーと・・・真上」

キュベーダ「ウソつけ! 思いっきり研修中じゃねーか、んな所いる訳ねーだろ!!」

キュクロ「あれ、おかしいな・・・違う場所行っちゃったのかな」

まどか(うう・・・う・・・)バババババババ バシューン

キュリアンベース「・・・ふぅ、とりあえず収まったな・・・」

キュオトメ「ど、どうしますか?」

キュリアンベース「ああ、なんてことだ・・・申し訳ないが、整備を行うので今日の研修はこれで中止とする」


まどか(・・・・・・)

キュリアンベース「・・・分かっているぞ、玩具箱に隠れているのは」

まどか「!」

キュリアンベース「さっきの毛玉・・・玩具箱の中にあったものだからな。何故飛び出ていたのかと思っていたが、中に誰か潜んでいたとはねぇ」

キュリアンベース「研修員達は帰ったぞ。そんな窮屈な所にいないで出てくるといい」

まどか「あ、あの・・・」パカッ

キュリアンベース「・・・確かに魔法少女は、いずれ魔女になる。騙すような契約を持ちかけているのも確かだ。しかし我々にも、宇宙にもこれが必要なんだよ」

まどか「・・・・・・」

キュリアンベース「理解してくれと言うつもりもない。そのー・・・君が思う通り、君達は一方的に利用されているにすぎないからな」

まどか「ひどい・・・こんなのってないよ、あんまりだよ!!」

キュベーダ「・・・まあいい、そんなに言いたくないんなら、特別に見せてやるよ。おい、やるぜ」

キュール「オーケー」カタカタカタカタ ウィーン ゴゴゴゴゴ

キュクロ「え、ちょ、なに、なにこれ、ちょ、マジでやばいんだけど」

ガシャーン
感情吸引機「パンパカパ~ン! 今週のビックリドッキリメカ~!」

キュベーダ「感情吸引機にご挨拶は?」

キュクロ「・・・どーも。えっと、名前からして、感情を吸い取りそうな感じですね」

キュベーダ「その通り。こいつを使えば、未契約のガキから感情をグイグイ引き出せる。CMでやってるような、魔法少女を絶望させて作るエネルギーなんかよりずぅ~っとクリーンなのが取れるんだぜ」

キュビー(!!)

キュベーダ「残念ながら実験はしてないんだけどなぁ・・・だから、テストの為にできるだけ素質のあるガキが必要だったんだ。そうだ、お前が代わりに実験台になってくれるかい?」

キュクロ「ね、ねえ、話し合おうよ、お茶でも飲みながらさぁ」

キュベーダ「すげえだろ? 魔法少女でないガキを使うから魔女化の心配がない、再生可能なエネルギーって訳さ。しかも短時間でよっぽど多くのエネルギーが入る。GDAのレーダーにも引っかからない」

キュクロ「・・・その為に、あの子を誘拐しようとしたってのか!? そんなら、お前はどうかしてるよ!!」

キュベーダ「どうかしてる?」

キュクロ「そうさ! お前はこの世界にあの子や他の子を連れ込んで、そのデカブツで半永久的にエネルギーを絞り取ろうってんだろ!? 誘拐じゃないか、誘拐!」

キュベーダ「誘拐? だから何だ?」

キュクロ「!?」

キュベーダ「契約と称してガキどもを怪物に変える仕事を散々やってきた・・・俺もお前も同じさ、人間から見りゃ殺人鬼だ! 今更誘拐ぐらいでガタガタ騒ぐんじゃねえよ」

キュクロ「で、でも・・・この世界に人間を呼びこむのはご法度だぜ!?」

キュベーダ「もう一度言う、『だから何だ?』」

キュクロ「・・・・・・」

キュビー(・・・・・・)

キュベーダ「まあいい、これで辛気臭い話は終わりだ。永遠にな!!」ガチッ ウィーン

キュクロ「えっ、ちょ、マジでやるの? ねえ、ちょっと!」ゴゴゴゴゴゴ

キュクロ「やばいよやばいよやばいよ、お願い頼むから止めて!」ゴゴゴゴゴゴ

キュクロ「嫌だ、なにこれ、助けて、助けて、助けてー!」ゴゴゴゴゴゴ

キュクロ「うあああああああああああくぁwせdrftgyふじこlp」ゴゴゴゴプスン

キュクロ「・・・?」

キュベーダ「ああー・・・今度はなんだよ一体!」

キュール「さあ・・・ドライブシャフトは正常だs」

キュベーダ「さっさと調べろよ! 俺は電源系統を見てくる」タタタタ

キュール「あわわ、き、きっと吸引バルブじゃないかな・・・こういう3250型のユニットは、真っ先にバルブが駄目になるんだよ・・・」ガチャガチャ

キュベーダ(フン・・・あんな腰抜けがどうしてNo.1の相棒なのかね)キョロキョロ

キュベーダ(! コンセントが抜けてやがる・・・さっきの電源の異常と関係が? まあいい、戻しておくか・・・)グイグイ


キュクロ「なあ、キュール?」

キュール「・・・・・・」ガチャガチャ

キュクロ「車好き? 実はさ、この間買った新車があるんだよ!」

キュール「・・・・・・」ガチャガチャ

キュクロ「助けてくれたら、お礼に・・・乗せるよ! その車に」

キュール「・・・・・・」ギコギコ

キュクロ「あ、でも、トランクは今使えないんだけどね。あとで消毒しなきゃ」

キュール「あぁ~・・・悪いんだけど、キュベーダに言われてるんだよ。実験体と仲良くするなっt」ガンッ

キュクロ「!」

キュベーダ「全く・・・おい、キュール、電源が・・・あ!?」

キュール「―――!! ――――――――!!!」ギュゴゴゴゴゴゴ

キュベーダ「なんだおい、どうなってる!? キュクロは!?」

キュール「――――――――!!! ―――――――――!!!」ギュゴゴゴゴゴゴ

キュベーダ「く、クソッ」ポチ ブシュウウウウウウウ

キュール「げほっげほっ、え゛、あ゛ーーー、あ゛ーーー」

キュベーダ「何処へ逃げた!?」

キュール「あ゛ーーーーーー、あ゛ーーーーーー」クイクイ

キュベーダ「・・・クソッたれがあああああ!!」ダダダダダ

キュール「あ゛ーーーーー、あ゛ーーーー、ひでぶっ」バタッ

キュビー「早く逃げるんだ!!」スタタタタ

キュクロ「アイツ完全にやばいよ! こんな研究室作って、少女を家畜にしようだなんてさ!!」タタタタタ

キュビー「・・・確かにキュベーダの言うとおりだ。家畜にしてたのは俺達だって・・・」タタタタタタタ

キュクロ「問題はそこじゃないだろ!? 汚染物質の塊をこの世界に持ちこもうとしてるんだぞ!! それもまどか一人じゃない、実験が成功すりゃ、きっと何人も何十人も!」タタタタタタタタ

キュビー(・・・・・・)タタタタ バン

キュリアンベース「おお、君か。・・・話は全て聞いたよ、彼女から」

キュビー「彼女!?」

キュクロ「まさか・・・ま、まどか・・・」

まどか「・・・ねえ、魔法少女が、魔女になるって・・・」

キュビー「え・・・」

まどか「エネルギーは、魔法少女が、魔女になった時に出るんだって・・・本当なの?」

キュクロ「いやあ、ハハハ・・・訂正するほど間違ってないって言うか」

まどか「せっかく願いを叶えたのに、怪物になっちゃうの?」

キュビー「・・・・・・」

まどか「・・・正義の味方だなんて、都合がよすぎるよ・・・やっつける怪物だって、元は魔法少女じゃない!」

キュリアンベース「全く。こんな事になってしまうとはね・・・」

キュクロ「社長! 違うんです! 今回の事件はキュベーダのせいなんですよ!!」

キュリアンベース「キュベーダ?」

キュビー「・・・別に俺達は、君達人類に対して悪意を持ってる訳じゃない。全ては、この宇宙の寿命を延ばす為なんだ」

まどか「・・・・・・」

キュビー「たき火で出来るエネルギーが、燃料の木を育てる労力と釣り合わないように、宇宙のエネルギーは形を変える度に目減りしていく一方・・・誰かが、エネルギーを増やさなきゃならない」

まどか「なんで・・・私たちなの?」

キュビー「最初は、俺達の感情からエネルギーを作ろうと思った。だけど、俺達の感情は作り物に過ぎない・・・エネルギーの回収には到底及ばなかった。だから宇宙を救うために、君達の感情に溢れた生命が必要なんだ」

まどか「私たち・・・消耗品じゃない。あなたたちのために死ねって言うの?」

キュビー「・・・うぐ・・・あくまで俺達は、彼女達の合意を元に契約を・・・」

まどか「バカ言わないで・・・みんな騙されてるだけじゃないっ!!」

キュビー(・・・俺の理想って、なんだっけ。この会社に入った時は・・・本当のことを知ってはいたけど、宇宙を救い、少女に希望を与える仕事だって、錯覚してた)

キュビー(けど、まどかと出会って、俺の中の理想とするものの形が変わってしまった)

キュビー(宇宙を救う為に犠牲にしていい生命、本当にそんな物が存在するのだろうか・・・まどかと出会い、キュベーダに指摘され、その事を強く自覚するようになった)

キュビー(精神疾患・・・他の奴らに言わせれば、そう言った類の異常なものなのだろう。でも、俺はそうは思えない・・・)

キュビー(殺しているのは、自分より下位の・・・いいや、文明人だ。十分な知的生命体じゃないか。俺という個体と、人間の個体に・・・どれだけの違いがある?)

キュビー(俺は・・・やっぱり、殺人鬼なのか・・・)

まどか「・・・・・・」

キュリアンベース「奴がこの真下に・・・秘密の研究室を? どういうことだ」

キュクロ「あの子をドアから出して、未契約のまま感情を絞りだす実験をしようとしてるんですよ!」

キュリアンベース「・・・全く信じられんが、嘘でもないようだな。他にこの事を知っている者は?」

キュクロ「あと、共犯のキュール・・・それ以外には、多分、いません」

キュリアンベース「良かった。これ以上社のイメージは落とせんからな。とにかく、なによりもまず、この子をなんとかしなければ」

まどか「うう・・・」

キュビー(・・・済まない、まどか・・・でも、これで君は帰れるんだ・・・)

キュリアンベース「まさかこんな事態になるとは・・・思ってもいなかった」カタカタカタ

キュクロ「いやだから、キュベーダの奴が」

キュリアンベース「分かっとる分かっとる。アイツにも相応の処分を与えるつもりだ。だが、君達が巻き込まれたのは残念でならない。特にキュビー、君はな」ウィーン

キュビー「・・・・・・」

キュリアンベース「だが我が社の為だと思って、耐えてもらいたい」ガシャン プシュー

キュビー「・・・え?」

キュクロ「これ、この子のドアと違いますけど」

キュベーダ「そりゃそうだぜ」ガチャコ

キュビー「!!」

キュクロ「!?」



キュリアンベース「 君 ら の だ 」

キュクロ「うわああああっ!!!」ドサッ

キュビー「な、何をするっ!!! 待て!!」ガチャコ

ドア「フヒヒヒヒヒ! 繋がってません!」

キュクロ「」
キュビー「」



キュビー「まどかあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

キュビー「クソッ・・・クソッ、クソッ、クソッ!!」バンバンバンバン

キュクロ「無駄だよ! 追放されたんだ、人間の世界にね!!」

キュビー「・・・クソッ・・・」

キュクロ「お前のせいだ! あの子に愛着なんか持って、くだらない感情に振り回されて!」

キュビー「・・・くだらない? 俺達が集めてきたエネルギーは、その感情から作ったものなんだぞ!!」

キュクロ「どっちだって一緒さ。インキュベーターに感情なんか無い方がいいんだよ。今までそうやって仕事してきたじゃないか! ・・・でも、もう全部お終いだ・・・俺達も、あの子も!!」

キュビー「・・・まどかも・・・」

キュクロ「俺の言うこと黙って聞いてりゃ、こんな事にならずに済んだんだ! ・・・おい! 聞いてるのかよ!」

キュビー「・・・ハァ・・・」

キュクロ「この野郎・・・また無視する気か!? コノヤロー!!」ガシッ

キュビー「わっ・・・この、やめろ!!」ガシッ

????「おいおい、誰だよこんな所で喧嘩してるのは」

キュクロ「ゲッ!」

キュビー「まさか、人間じゃ・・・」

????「人間? まさか、違うよ。アタシも昔、追放されたんだ。ここにね」

キュクロ「え? じゃあ、あんたも?」


キュウコ「ようこそ。ロッキー山脈へ」

キュウコ「・・・食うかい?」

キュクロ「ああ」ポリッ

キュウコ「アンタは? 一本」

キュビー「・・・まどか・・・」

キュビー(・・・あの時の、怯えるような、蔑むような顔。俺達は、今までそれだけの事を・・・)

キュウコ「かわいそうに。分かるよ、追放はショックだ。でも逆に考えろ、アタシ達はこれで会社で働かなくてもいいんだ」

キュクロ「・・・・・・」

キュウコ「・・・話し相手はいないけどね」

キュウコ「イイよな、お前達は。親友と一緒で」

キュクロ「親友なんかじゃない」

キュウコ「誤魔化すなよ、アタシには分かるぜ・・・その目を見りゃあな。さっきの喧嘩だって、何か理由があったんだろ」

キュクロ「あいつは、俺の人生を台無しにした・・・しかも、たった一人の、子供の為に!! お陰で俺は、こんな所に追放されたんだぞ!?」

キュウコ「おいおい、こんな所ってのは言いすぎじゃねえかい? 別に精神病院って訳でもねえぜ、ここは」

キュビー「・・・ハァ・・・」

キュウコ「なあなあ、元気出せって。ロッキー、食えよ」

キュビー「・・・?」

キュビー「ちょっと待った。それ、人間の社会で流通してる菓子だろ? なんでこんな山奥にあるんだ」

キュウコ「冗談言っちゃいけねえよ、ここはヒマラヤじゃないぜ。列車の積荷をちょろまかせば、食い物にも着る物にも、そこにあるランプの燃料にもありつけるし、今晩のベッドだって作れる。自由気ままに生きれるんだ」

キュビー「・・・じゃあ、村にも、少女にも・・・帰れるんだな、俺達の星に!!」

キュウコ「おおおおおお、おいおいおいおい、外は吹雪だ、下手に外に出りゃ」

キュビー「あの子が危ないんだ!! 今すぐに行かなきゃ!!」

キュウコ「でも、普段は吹雪が止んだ時にしか下山しねえから、ソリも何もねえぜ? どうやって行くんだ」

キュビー「ベッドの材料が、あるんだろ?」

キュウコ「・・・ああそう。なら一つだけ言っておくよ。絶対に無茶はするな。この吹雪、下手な事をすればどうなるか分からない」

キュビー「分かってる。でもまどかが危ないんだ。今すぐに行かなきゃ、魔女になるよりも恐ろしい仕打ちを受けるかもしれない」ゴソゴソ

キュクロ「まどか!? じゃあ俺達は!? 俺達はどうなんだよ!!」

キュビー「!」

キュクロ「あの子が来てからずっと、俺の言うことを無視して! それで、この様だぞ!? もうちょっとで新記録達成できたのに!」

キュビー「・・・そんなもの、どうでもいい」ガリガリバリバリ

キュクロ「どうでもいい!? ・・・ちょ、ちょっと待って、どうでもいいって・・・」

キュビー「・・・ハァ・・・」

キュクロ「分かった。あっそう、もういいよ。どうでもいい、それがお前の本音なんだろ?」

キュウコ「おいおい、やめろよ・・・あ、そうだ、牛乳があるんだ。カルシウム取ろうぜ」タタタタタタ

キュクロ「俺達、今までずっと・・・一緒に頑張って来たのに。それをどうでもいいって?」

キュビー「・・・・・・」グイッ

キュクロ「キュティの事は? 俺、二度と・・・彼女に会えないんだ。どうでもいいの?」

キュビー「・・・・・・」ヌリヌリベタベタ

キュクロ「俺のことは? 友達だろ? お前の親友だろ!? ・・・やっぱり、どうでもいいの?」

キュビー「そういう意味じゃない!」

キュクロ「へぇ!? じゃあどういう意味だよ!!」

キュビー「・・・ごめんな。悪いとは思ってるよ。でも、今までお前と一緒にやってきた事が、本当に正しい事だったのか・・・分からなくなった。まどかと会ってから・・・」

キュクロ「正しい? 正しいって何だよ!? ・・・そりゃあ、その、確かに罪悪感はあるけど・・・でも、あの子を庇う事が正しい事なのかどうか、他の奴らに聞いてみろよ!!」

キュビー「確かに、俺達は魔法少女みたいなヒーローじゃない。出来る事はたかが知れている。・・・それでも、今、できる事をしたい。あの子のために・・・な」

キュクロ「俺達? 冗談だろ、俺はやだよ。こんな吹雪に突っ込んで、凍え死にしたけりゃ、一人で行ってくれ・・・」

キュビー「・・・・・・」グイッ

キュクロ「・・・キュビー? まさか、ホントに行っちゃったの?」


キュビー(さっきまで心の中でうやむやだった大きな疑問に、俺は一つの答えを出した)シャアアアァァァァァ

キュウコ「おーい、飲まないのか、牛乳!? ・・・アイスキャンディーになってたけど」

キュビー(生物が活動する上で、他の生物を悲しませたり、死に追いやったりするのは仕方がない。けれど、そんな運命に抗おうとする『感情』が今の俺には確かに存在する)ズシャアアアッ ガシャン

キュビー(自分が求める理想に、ただ素直になるだけでいいんだ。誰かの悲劇や絶望を礎に造られた世界で生きるなんて、俺は嫌だ!!)ガッシャアアアアアア

キュウコ「・・・いつまで拗ねてんだよ」

キュクロ「あんなこと言うつもりはなかったんだ。キュビーが俺のことを気にかけてくれてるのは分かってる。親友だもん、分かるんだよ・・・目を見りゃあな」

キュウコ「それ、アタシの台詞じゃん」

キュクロ「だけど、このたった二日間の間に、全てを失った・・・恋人、勤務先、自分の家、親友、そして・・・あの子まで」

キュウコ「折角だけどね、アタシはバーの店員じゃないんだ。愚痴は他所でやってくんないかな。・・・と言っても、その『他所』がどこにも無いんだけど」

キュクロ「じゃあ愚痴以外の事を言うよ。愚痴以外の事・・・つまり、相談だ。これから、俺はどうすればいいと思う?」

キュウコ「・・・さっき飛び出ていったアイツと一緒だよ。答えは一つ。素直になるんだ」

キュクロ「素直?」

キュウコ「アンタは、最終的に何を望んでるんだ? あたたかい親友や恋人に囲まれて、仕事でも抜群の成績、幸せこの上ない人生・・・だろ?」

キュクロ「・・・随分、欲張りな願い事だね。ああいや、間違ってはないけど」

キュウコ「仮にそれが全部叶うチャンスがあったとする。・・・そのチャンスは、魂を差し出すに足るものかい?」

キュクロ「!!」

キュウコ「アタシやおたくら、営業マンが何度も口にしてきた言葉だ。魂の意味は、ちょっと違うけど。要するに、理想ってのは例え全てを捨て去ってでも全力で追い求める物なんだよ」

キュクロ「少なくとも、俺は全力じゃなかったよ。全力でぶつかって、失敗すればどうなるか分からないだろ? ・・・へっぴり腰で悪かったね」

キュウコ「アハハ・・・確かにね。アタシは失敗したから、ここにいる訳だし」

キュクロ「ちょ、洒落になんないよそれ・・・」

キュウコ「でもさ、失敗を恐れずに理想を追い求めるのって、なんつーか、最後に愛と勇気が勝つストーリーって感じで、かっこいいじゃん? それに・・・」

キュクロ「それに?」

キュウコ「失敗しても、案外なんとかなるもんだから」

キュビー(うっ・・・視界が悪い・・・ランプを取りつけるべきだった)ドシャアアアアア

キュビー(あっ、雪が!!)バサッ ユラユラ

キュビー(まずい、転覆す・・・うわあああああああっ!!!)ドカッ バッカーン バラバラバラ


キュビー(守らな・・・きゃ・・・彼女を・・・ぐっ・・・)


キュクロ「・・・結局、野垂れ死にするのか」

キュビー(キュクロ・・・夢か?)

キュクロ「俺を見捨ててカッコよく飛び出して、揚句に何もできないまま終わるのか!? ここでくたばったら、あの子はどうなるんだよ!?」

キュビー(嫌だよ、俺だって・・・けど、身体が冷たくて、言う事を聞いてくれない)

キュクロ「もう十分あったまってるだろ? 言い訳はよせよ」

キュビー「え!? ・・・って、ここは・・・列車?」

キュクロ「おい、静かにしろ! 見えないとはいえ、声が聞こえたらまずいだろ!」

キュビー「ああ、助かったのか・・・ありがと」

キュクロ「礼はいいよ。やっぱり俺がいないとダメなんだ、お前は」

キュビー「寂しかったよ、キュクロ。・・・親友だよな、俺達」

キュクロ「ああ! こうなりゃ地獄の果てまで付いて行くぜ」

キュビー「ところで・・・村は近くにあるか?」

キュクロ「村じゃないけど、町はずれの廃教会・・・実は今も、魔法少女が一人で住んでる。そう、アイツが言ってた。いつもやってる週一回のメンテは・・・今日だ」

ジューベー「大丈夫だって! 契約済の魔法少女のメンテぐらいできるだろ?」

キュズミ「う、うう、でもこんなカッコで会って、変に思われないかな・・・」

ジューベー「この魔法少女はベテランだから、視察するだけで大丈夫だよ。見つかっても問題ないさ」

キュズミ「む~・・・分かった」

ジューベー「頑張れ、キュズミー!」

キュズミ「よーっし、やr」バコーン

キュビー「ちょっと通してくれー!」ダダダダ

キュクロ「ごめん、キュズミ!」ダダダダ

キュズミ「あぁもう・・・なんでこうなるの」クツシタ

ジューベー「おいおい、困るよこういうこt・・・!! 231ギュブッ」ガッシ

キュズミ「あんた・・・またそれ? 冗談じゃない! 靴下くらえ!」ガボッ

ジューベー「」ポイッ バタン

まどか「や、やめて・・・何するの!?」

キュリアンベース「全く・・・お前に任せたばっかりに、うちのエースを失う羽目になったんだぞ!!」

キュベーダ「このマシンがあればエースはいらない・・・どの道キュビーはクビでしょ」

キュリアンベース「お前など、キュビーの足元にも及ばん!!」

キュベーダ「ケッ、このジジイ言いやがる・・・」

キュール「起動するよ・・・悪く思わないでね、あうぅ」ガチャコ

まどか「う、ううう、近づいてくる・・・」ゴゴゴゴゴゴ


キュクロ「どうしよう、機械の作動音だ! コンセント抜いてる時間はないよ!」

キュビー「大丈夫だ、このまま、まどかの所へ行く!」

キュクロ「な、何をする気だよ!? まさか考えなしじゃないだろうな!?」

キュビー(目の前で起こったのはたった一度、けど勘違いじゃない! アレに全てを賭ける!)

まどか「やだ、やだよお・・・怖いよお」ゴゴゴゴゴゴ

キュベーダ「たっぷり絞り取らなきゃいけないんだよ。いなくなったキュビーの分もな!!」ゴゴゴゴゴゴ

まどか「・・・誰か・・・助けて・・・!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


キュビー「まどかー!! 助けに来たぞー!!」


まどか「・・・! キュビーさん!!」

キュベーダ「!!」

キュリアンベース「ば、バカな、何故!?」

キュビー「もう大丈夫だ! だから、『希望を持って』!!」

まどか「う、うん!」バチッ バババババババ

キュール「ええ、何で、どうなってるのこれ!? エネルギーが・・・」バチッバチッバババババシュン

キュリアンベース「こ、これは! まずい、はやく電源を切れ! 早く!!」ズバババババババババ

感情吸引機「全国の女子高生のみなさん、お便り待ってまーす」バシューン

キュール「ああ・・・ショートしちゃった。故障個所の点検と整備で修理に3日はかかるぞ、ハァ~ア」


キュビー「まどか、大丈夫か!?」

まどか「え、え・・・私が、この機械をやっつけたの?」

キュビー「そう、君がやったんだ! 凄いよ、まどか!」

キュクロ「ジャジャーン! 見ただろ!? 今の、絶望から希望への相転移エネルギー! 凄いでしょ、ねえ!」

キュベーダ「・・・・・・」

キュクロ「これさえありゃ、会社の経営難は脱出っしょ!? もうこんなゴテゴテのマシンに頼らなくても済むんだ!」

キュリアンベース「・・・・・・」

キュクロ「あの、とりあえずさ、もう一回ぐらい試してみようよ。そしたら分かる・・・から・・・」

キュベーダ「・・・・・・」

キュリアンベース「・・・・・・」

キュクロ「ねえ、何で・・・黙ってるの? 怖いんだけど。そんな風ににじり寄らないでよ、ねえストップストップストップストップストップ!」

キュベーダ「お前なぁ・・・気付いてないと思ってたのか?」

キュクロ「へ?」

キュベーダ「最初に言ったろ? このマシンを使えば、短時間でよっぽど多くのエネルギーが入るってさぁ。つまり、希望から絶望への相転移エネルギーも、その逆も、その他もろもろ、いっしょくたにして全部吸いだせるんだよ。このマシンならな!」

キュビー「う、ウソ」

キュリアンベース「魔法少女なんてシステムに頼る方がどうかしていた。この方が、よっぽど安全で、効率がいい」

まどか「ひどいよ・・・社長さん、こんなのやめてよ!!」

キュリアンベース「うるさい!! このマシンが完成すれば、今よりもっと少ない犠牲で、誰も死なずに、より多くのエネルギーが手に入るんだぞ!? お前達にとっても有利な事じゃないか!!」

キュビー「でも、絶望から希望への相転移エネルギーだけなら、誰も犠牲にしなくて済む!!」

キュリアンベース「今更そんなものに頼る気はない!! 誰が犠牲になろうがどうでもいい、効率が良いかどうか、ただそれだけだ!!」

キュクロ「こ、こんな分からず屋の社長の下で働いてたのかよ、俺・・・チクショウ、こんな会社辞めてやるー!!」

キュリアンベース「なら・・・退職金は大気圏外への片道切符でいいな?」ボキボキボキ

キュクロ「げ・・・ハァ。分かった。俺も男だ。最期に一言ぐらい言わせてよ。悪役っぽい台詞だから、本当は言いたくなかったんだけどさ・・・」

キュベーダ「なんだ、命乞いでもするのか? 言ってみろ」

キュクロ「オーケーオーケー、そんなに聞きたいなら聞かせてやるよ」

キュベーダ「・・・・・・」

キュクロ「・・・『やっておしまい』」

キュウコ「だぁーっ!!」ボグォ

キュリアンベース「ぐうううっ、お前は!!」

キュウコ「早くその子を連れて逃げな! コイツはアタシが引き受けた!」

キュリアンベース「ぐぬぬぬぬ・・・」ギリギリギリ

キュクロ「誘拐の時に使ったドア、何処にあるか分かる!?」

まどか「・・・私が逃げられないようにって、かくのーこ?に戻しちゃった」

キュビー「分かった! これがカードキーだな・・・よし、行くぞ、まどか!」タタタタ

まどか「うん!」パタパタパタ

キュクロ「サンキュー、キュウコ! あばよ、キュベーダ!!」ダダダダダ

キュリアンベース「追えー!! あいつらを生かしちゃおけん!! ぬぐぐぐぐぐ・・・」ギリギリ

キュベーダ「分かってるよ・・・行くぞ! 追うんだ!!」

キュール「ひ、ひぃー!!」パタタタ

バーン
キュビー「ああ、まどか、怪我はない?」

まどか「うん!」

キュビー「強行突破だ! 営業室にこの子をそのまま連れてくぞ!」

キュクロ「先に行っててくれ! 俺がGDAを引きつける!」

キュビー「ああ、頼んだぞキュクロ!」

まどか「ね、ねえ、キュクロさんがなんだか見覚えのある物持ってるんだけど・・・」


バーン
キュベーダ「奴らは恐らく営業室に・・・わっ」ベチョ

キュール「い、急がなきゃ・・・きゅっぷ」ヌチョ

キュクロ「へへーん、どうだい、謎の白い液体のお味は」

キュベーダ「謎の白いってこれ、接着剤じゃねえか!」

キュール「ひいぃ! これ、女の子の靴下だよー!!」

キュベーダ「う、こっちは・・・パンツ? くそ、はがれねぇ!」

キュクロ「へへへ、いざという時のために盗んでおいたんだよ!(ついでにキュウコから接着剤も借りたしな)」

キュベーダ「今更こんなもんがなんだ! 屁でもねえぞ!」

キュール「あうぅ、そ、そうだそうだ~」

キュクロ「お前達は平気でも他の奴らは平気じゃないんだな、コレが」ニヤリ

キュベーダ「え」

キュクロ「2319ー!! コード2319発生ー!!」

GDA隊員Q1「汚染物質を除去します! 動かないでください!」パタタタタタ

キュベーダ「チッ・・・ここは退くぞ!」

GDA隊長Q「逃げたぞ! 追え!」タタタタ

キュール「わ、わあぁ、待ってよキュベーダ!!」ガッシ ボカッ

GDA隊員Q2「なんてひどい・・・接着剤で固定されているぞ!」ショウドクジュンビ

キュール「えっやめてやめてやめてぎゃああああああああああああああああ」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

キュクロ「よし、これでいいだろ・・・キュビーと合流しなk」

キュティ「キュクローーーーーッ!!」

キュクロ「ゲェッ!! キュティ!!」ガッシ

キュティ「今すぐ説明して!! じゃなきゃ私達、終わりよ!!」

キュクロ「わ、分かった! 説明するよ! 走りながらでいいかい?」グイッ

キュティ「早く! 今すぐ! 終わり!」ズルズル

キュクロ「話す、話すよー! 例の少女を入れたのは、キュビーなんだ! 戻そうとしたけど陰謀があって、キュベーダが俺達の命を狙ってるんだよー!!」グイグイ

キュティ「もっとマシな嘘を付けないの!? キュクロ!!」ズルズルズル

キュクロ「全ての元凶は社長とキュベーダなんだ!!」

キュティ「誤魔化そうったって無駄よ!」

キュクロ「頼む、信じてくれ、本当なんだ・・・あの子をドアの向こうに帰さなきゃ!!」

キュビー「おい、何をしてるんだ! GDAならあっちに行ってるぞ!」

まどか「今のうちだよ!」

キュティ「ヒッ! え、嘘!? じゃあ」

キュクロ「愛してるよ、キュティりん・・・また今度ディナーにあああああああああ」ズルズルズル

まどか「はやくー!!」ズルルルルルル


キュベーダ「くっそ、どけよコラッ!」

キュトミ「私に向かってその口の聞き方は」シュッシュッ

キュベーダ「わっ、おい、やめろ、やめろおい、腹は、痛ッ、痛ッ」ボムッボムッ


キュティ「キュベーダ・・・!」

キュヤカ「ぎゃああ!! に、に、に、人間の少女だー!!」

キュウスケ「キュヤカ、早く安全な所へ!」

キュリカ「何があっても・・・君だけは! 君だけは守ってみせるよ! この愛に誓って!」

キュリコ「キュリカ・・・私達は、死ぬ時も一緒よ」

まどか「あわわわわ・・・」タタタタ

キュビー「どけどけ! よし、カードキーを!」スーッ チーン

キュベーダ「待て、待てコラァ!!」

キュクロ「まずいよ、キュベーダだ!!」

キュティアナウンス「皆様、落ち着いてください」

キュビー「なんだ!?」

キュティアナウンス「副リーダーのキュベーダに従って、直ちに逃げて下さい」

キュベーダ「お、おまっ、なに勝手な事を」

キュウスケ「僕達はどうすればいいんですか!?」

キュヤカ「キュウスケ・・・あたし・・・」

キュベーダ「どうもこうも、さっさと逃げりゃいいだろ!! どけどけ!!」

キュリカ「ほら、キュベーダ! 早く早く、キュリコが汚染される前に」

キュリコ「キュリカ、貴方の気持ちは嬉しいけれど、この人が迷惑がっているわ」

キュベーダ「実際迷惑だよ離れてくれ!!」

モブQ3「今度・・・やらないか」

キュトミ「私に向かってその口の聞き方は」シュッシュッ

キュベーダ「お、お前いつのまに、ぶっ、痛ッ、やめ、痛ッ」ボムッボムッ


キュティ「・・・頑張れ、あたしのキュクロちゃん!」

キュクロ「やった、まどかのドア来た! これで勝つる!」

モブQ4「命の恩人、感謝永遠に」

キュベーダ「あーもう分かった分かった! こっちくんな!」

キュビー「ぐ・・・クソッ! 仕方ない・・・全ドア強制格納!」ボチッ
ビーッビーッビーッビーッビーッ
まどか「わ、わあ、ドアが・・・浮いてくよう!」

キュビー「扉を開くんだ! 枠の部分に座れ!」ガチャッ

まどか「う、うん!」ガシッ

キュクロ「おいおい、ちょっと、待て、ちょっとちょっとちょっとーーーー!!」ブラーン

キュベーダ「クソッ・・・!」ガッシリ

キュクロ「キュビー! どうすんだよ!?」

キュビー「格納庫に入ればこっちのもんだ! まどかのドアを追いかけるぞ!」

キュクロ「名案だね! シンプルで無茶だよー!!」

キュベーダ「チッ、まあいい、俺が先にまどかのドアに・・・って・・・え・・・」

キュビー「な・・・コレが、格納庫・・・?」

まどか「うわあ・・・」

キュクロ「立体迷路と言うか、ジェットコースターと言うか・・・」

キュビー「か、加速器だ! 掴まれー!!」

キュクロ「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!」ギュオオオオオオオオオン

まどか「ウェヒイイイイイイィィィィィ!!!」ゴオオオオオオオオオ

キュクロ「ゲッ、分岐点!? 嘘だあ!!」ガチャコンガチャコン

キュビー「しまった! まどかのドアが!!」ガチャコンガチャコン

キュベーダ「クソッ、だが距離は近いな」ガチャコンガチャコン

まどか「ドア、どこに行ったの!?」

キュクロ「あそこだ! でも、どうやったらあそこ行けんだよ!?」

キュビー「・・・そうだ、ドアを使うんだ!」

キュクロ「ドアを? 今使ってるよ!」

キュビー「そうじゃない! 起動するんだ!」

キュクロ「起動? ・・・そうか、相転移エネルギー!!」

まどか「希望を、持てばいいの?」

キュクロ「そうだよ、希望を・・・!」

まどか「で、でも、どうやればいいの?」オロオロ

キュクロ「何してるんだ、早く! キュベーダが来ちゃうよ!」

キュビー「・・・まどか、真面目な話だ」

まどか「うん・・・」

キュビー「君はね・・・もうすぐ、お姉ちゃんになる」

まどか「・・・え」

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キュビー「初めて君の部屋に入った時、俺は聞いたんだ。君のお母さんは、妊娠している・・・いつ生まれるかは分からないけど、君にとって初めての弟か妹になるだろう」

キュベーダ「見つけたぞ!」

キュクロ「うわああああ!!」

キュビー「絶対に生きて帰るんだ、お姉ちゃんとして!」

フォン・・・フォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォン

キュビー「やったぞ!」

まどか「早く扉に入ろう!」ガチャコ

キュベーダ「待て、この・・・ウガッ」バコン

バタン
まどか「ここは!?」

ゆの「う、うあ、クローゼットの中から・・・幽霊だぁ、助けて、おまわりさ~~~ん!!」パタタタ

まどか「え、ちょ、違・・・」

キュビー「仕方ないよ、そりゃクローゼットから出てきたんだもん」

キュクロ「なんだかまどかにそっくりな奴だったな」

まどか「そ、そうかなー?」

宮子「あれ、なんだこの美味しそうなカマボコはー」ジュル

キュビー「」

キュクロ「」

まどか「わあああっ、食べ物じゃないです、すいませ~~ん!!」パタタタ

ガチャコ
キュベーダ「あっちに逃げたな!」

宮子「いただきまーす」アーン

キュベーダ「ギャアアアアアアアアアア!!!」

バタン
まどか「ドアは・・・」

キュビー「あそこだ!!」

キュクロ「駄目だ! アイツが来てるよ! 早く!」

キュビー「くそ、撒くまでドアを経由するしかない!!」ガチャコ

まどか「キュクロさん、捕まって!」グイ

キュクロ「ああ、いくよ・・・って、あ、ああ、わああああああああああああああ」ブラーン

まどか「ご、ごめんなさい!」グイッ バタン

ガチャコ
キュベーダ「ひでえ目に遭った・・・あっ、あのドアか!」

バタン
まどか「失礼します!」タタタタ

北岡「え!? おいおい、なんでクローゼットの中から・・・」

キュビー「・・・・・・」

キュクロ「・・・おい、どうしたキュビー!?」

キュビー「この人、男だけど、魔法少女みたいな感じがする・・・どういうことだろ」

北岡「魔法少女ぉ!? まっさかぁ、変身して戦うところ以外は違うじゃん」

キュビー「あ、あぁ、そうですか」

まどか「えっ、この人、変身すr」

キュクロ「二人とも早く! 行くよ!?」トテテテ


北岡「・・・もしもし、ねえ、吾郎ちゃん。魔法少女って知ってる?」

吾郎「?????」

ガチャッ
まどか「うわあああっ、動いてるドアを選んじゃった!」ゴオオオオオオ

キュビー「まどか! あの踊り場に飛び移るんだ!」

まどか「ええっ・・・わ、分かった!」

キュクロ「おい、キュビー、何言って」

まどか「キャアアアアアアアアアアッ!」ドサッ

キュビー「よ、良かった・・・よし、このドアへ!」

まどか「あうう、生きてるよお・・・」ガクガク

キュクロ「何してんの、はやく!」

まどか「う・・・うん!」タタタタ

バタン
まどか「失礼します!」タタタタ

スーパーハカー「!?」

まどか「!?」

キュビー「ど、どうしたんだ、まどか!」

スーパーハカー「ゆ、夢の中で・・・」

まどか「会った、ような・・・」

キュクロ「え!? こんなブ男と!? 見るんならもっと華やかな夢見ようぜ!」

スーパーハカー「まどかタン、これ・・・バレンタインのお返しだお」チョコレート

助手「夢と現実をごっちゃにするな、HENTAI!! そもそもこのネタ通じる人いるのか?」

まどか「なんだかわからないけど、チョコもらっちゃった!」

キュクロ「じゃあ預かっとくよ。俺の胃袋の中で」モッチャモッチャ

スーパーハカー「」

ガチャ
キュベーダ「ぐ、どっちへ逃げt」ブーーーッ

キュクロ「どろどろのチョコレートだ! 俺パティシエの才能あるだろ」

キュベーダ「わあああ、目が、目がああああ!!」ベチョベチョ

キュクロ「ハッハッハ! やってやった!」ピョーン

キュベーダ「調子こいてんじゃねえぞコラァ!!」バタン キョロキョロ

キュビー「でかした、キュクロ!」

まどか「あう、ドアが動きだしたよ!?」グイーン

キュクロ「お、オイオイ、そんなのありかよー!!」ゴォオオオオ

まどか「・・・ね、ねえ、前見て・・・あれって」

<<ダスト・シュート>>

キュクロ「えええええええええっ!!!」

キュクロ「どーするどーするどーするどーするどーする!?」

まどか「・・・私、あのドアに飛び移る! 後から続いて!」

キュビー「いやいやいやいや、流石に君の身体能力じゃ」

まどか「いいから!」

まどか(大丈夫・・・さっきも出来たんだもん、今度だって!)

キュビー「え、ちょっ、待っ」

まどか「てえええええいっ!!」ジャンプ

キュクロ「ま、まどかーーーっ!」」

まどか「やった!」ガシッ ズルッ

キュビー「ひっ!!」

まどか「ふう、ふう、や、やったぁ!」ガシッ ガチャコ

キュクロ「あああぁぁ、あの子といると寿命がいくらあっても足りないなぁ」

キュベーダ「お前らに寿命なんかねえよ」

キュビー「!!」

キュベーダ「『逃げ遅れた』な、あばよお二人さん」ガシャン

キュビー「れ、連結器を、あああああああああああああああああ」ヒュウウウウゥゥゥゥゥ

キュクロ「ぎゃああああああああああああああああああああ」ヒュウウウウゥゥゥゥゥ

キュベーダ「ご苦労だったね~」

キュビー「ドアを開けろおぉ!」ヒュウウウウゥゥゥゥゥ

キュクロ「分かってる! って、あれ、開かない」ガチャガチャ

キュビー「急げ!!」ヒュウウウウゥゥゥゥゥ

キュクロ「くそ、開け、開けよ、オイ!」ガタンガタンガタン

キュビー「何かつっかえてるのか!?」ヒュウウウウゥゥゥゥゥ

キュクロ「こうなりゃ二人でいくぞ、せーのっ!」バコーン

キュビー「開いた! 掴まれー!!」バタン


ドア「ざんねん! わたしの ぼうけんは ここで おわってしm」ドガッシャーン バラバラバラ

キュビー「た、助かった・・・」

キュクロ「おい、見ろよ! ヘンテコな商品が売ってるぜ!」

キュビー「うまい棒? ただの駄菓子じゃないか」

キュクロ「三ツ矢サイダー、だってよ! 炭酸か、ハッハー! ちょうど喉乾いてたし」

キュビー「急ぐぞ! 次のドアだ!」

キュクロ「お、おう」


ローソン名誉店長「イチチチ・・・何なの一体、急にドアが開いたかと思ったら・・・」

バタン
キュクロ「まどかは!?」

キュビー「あのドアだ! 半開きになってる!」


まどか「あ、あううううう・・・」

キュベーダ「さんざん手こずらせやがって、このクソガキ! 俺達のお陰で文明が育ってきたことも知らずに!!」

まどか「どうして! 誰も犠牲にしない方法があったんだよ!?」

キュベーダ「じゃあ、てめえらは家畜に対して引け目を感じるのか? 今まで食った牛肉の枚数を覚えているのか!?」

まどか「そんな風に思ってるなら・・・やっぱり、貴方は私の敵なんだね・・・!」

キュベーダ「下等生物が喚くな! 家畜は家畜らしく、俺達にヘイコラ従ってりゃいいんだよ!」

キュビー「それは違う!」ブシャアアアァァァァ

キュベーダ「うがっ、なんだこれ!? 炭酸!?」

キュビー「彼女は家畜なんかじゃない! 俺達と同じ、文明人だ!」

キュベーダ「うるせえ、このクソカスが!」バコォ

キュビー「あ、あわわわ、わわわあああああああ」ガシッ ブラーン

まどか「キュ、キュビーさん!!」

キュベーダ「なぁにが我が社のエースでみんなの人気者だ!! こんな情けないツラしやがって!!」ドカッ

キュビー「う、うあああああっ!!」ググググ

キュベーダ「今までお前が契約して死んでったガキどもの名前を、全部言えるのか!? 偉そうな口聞ける立場じゃないだろ、なぁ? 契約数トップの、キュビーさんよォ!!」グイグイ

キュビー「う、うううぅぅぅぅうう」ググ

まどか「やめて・・・もうやめて・・・もう嫌だよ、こんなの!!」

キュベーダ「あぁん? お前、まだ口が聞けたのか?」

まどか「ひっ・・・」

キュベーダ「いっそのこと、死なない程度に痛めつけてやっても良いんだぜ? その可愛い手も足も二度と使えないぐらいに潰して、俺達無しじゃ生きられない身体にしてやろうか!?」

キュビー「や、やめろ!! まどかには手を出すな!!」

キュベーダ「心配すんなよ、この子はちゃ~んと可愛がってやるさ・・・首輪をつけてなぁ!! ヒャッハアアアァァァァあぎゃーーーーっ!?」ガシッ

まどか「よくも、よくも、キュビーさんを!」ボカッボカッギュウウウウウウウ

キュベーダ「やめ、やめろ、痛ッ、痛ッ、あっ、あがっ、おっ、がーーーっ」ギュイギュイギュイ

まどか「このっ、このっ、このっ、このおおおぉぉーー!!」ブンブンブン

キュベーダ「がっ、げっ、バットはやめ、痛ッ、痛ッ、ぶえっ、げっ」ガンガンガンガン

まどか「このっ」ガッシ

キュベーダ「HA☆NA☆SE!! わ、やめろ、やめろ、ウゲーーーッ」

キュクロ「やったぜ、まどかー!」

まどか「ウェヒヒヒ・・・」

キュビー「家畜ってどっちのことかな? キュベーダさんよォ」

キュベーダ「」ゴクリ

キュクロ「よーっし、まどか、さあ来い! ど真ん中投げろ!」

キュベーダ「え、ちょ、マジで、やめて、ちょっと、おいおいおいおい」

キュクロ「ドーンと来いよ、ど真ん中、ど真ん中!」

キュベーダ「よせ、よせ、やめろ! 頼む、許して、許して!」

まどか「大丈夫。友達の家に送るだけだから」ウェヒヒ

キュベーダ「ヒッ・・・」

まどか「えーいっ!」ポイ

キュベーダ「ひゃああああああああああ!!」

キュクロ「入ったー! ホームラン! まどか選手のサヨナラ勝ちだー!!」バターン

キュベーダ「イテテテ・・・ここはどこだ?」

ほむら「また性懲りもなく来たのね・・・」ホム

キュベーダ「ぐっ、くそっ、ドアを」

ほむら「失せなさいと言ったはz・・・!! そ、そのパンツは!!」ホムッ

キュベーダ「え!?」

ほむら「何故貴方が持っているの!? パンツを放しなさい!」ギュウウウウ

キュベーダ「イデデデデデデデデデ!!!」バリバリバリ

ほむら「! う、あ、なにこれ、ネバついた謎の白い液体が・・・貴方、パンツを何に使ったの!?」ホムホムホムホムホム

キュベーダ「」

ほむら「許さん・・・絶対に許さんぞ虫ケラめ!!」ジャキッ

キュベーダ「お、おい、ちょっと待ってくれよ! 誤解d」

                             _/ ∧__ノ
                           ┌´  ` ヽ、`ヽ、_

                          ┌7:::ゝ く   (':::)   \   {::7
                       〈ー' /::::{  }        ヽ、 ゞL__ノ\===、 、
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                  {{//へYノ /::::/`ヽ  ゞ:::ゝ_ノ /   { { ヽ    ヽ
                  〈ヘl  ハ    \{::::::ゝ__ノ    ̄ /     { {  l   /┘
        __      ノ ヽ  >    `==/  r:::::::y´       ー==}  (
      /    `ヽ/⌒く o o∨}}       /  /:::/⌒             / O  ゝ
    /           しヘ  ,ーー/`´     /   ゞ::ゝ_ノ         /     /
   /               ゝ、∧ }      /.::::ュ、   ̄   !       / _/{  /
  /               ゝへ    / /::::/  }      !           ヽ/
 /                      〉、 く  ゞ:ゝ_ノ     l  l
/  ´ ̄ ̄ ̄`ヽ、            {:〈   ヽ  ̄ l  /::/⌒'′
              \        イ:〈   ノ   l  {::::ゝ
              \      / ヾー‐ ´ l  ,...┴..、 ` ー''7
                ヽ     {      ヽ ,:::::::/⌒i  /\
、              ヽ   ヽ        ヽ、:::::>′ /   \

ほむら「まったく、どういう時間軸なのここは・・・ギャア、手に銃がひっついたぁ!!」

キュビー「それでは、お任せします」

キュクロ「喜んで・・・そーれっ」ポイッ

ドア「我が生涯に一片の悔い無し!!」ドガッシャーン バラバラバラ


まどか「もう、何も怖くないよ!」

キュビー「やったね、まどか! よし、まどかのドアのところへ行こう!」

まどか「ふぅ、やっと着いた・・・」

キュビー「ああ。これでもう帰れるんだ。これからも元気で、良い子でね」ガチャコ

キュクロ「!? やばい! 通じてないよ!」

まどか「え、ええっ!? 電池切れ!?」

キュクロ「また希望を持たせなくちゃ!」

キュビー「おいおい、さすがにネタ切れだぞ!?」

まどか「あ、あわわわ」

キュクロ「むぅ~・・・よし! 一つ思いついた!」

まどか「え、なになに?」

キュクロ「『おまえは、オレの女になる。』」

キュビー「・・・笑わせるんじゃなくて、希望を持たせるんだよ」

キュクロ「あ、そっか」

ガタコン
まどか「ふええっ、ドアが!」

キュクロ「どうなってんのー!?」

キュビー「ま、まさか!! カードキーはここにあるんだぞ!? ・・・ってことは、マスターキー?」


キュリアンベース「ドアがここに来たら、営業室のパワーを切れ。あの少女と、この事件の犯人二人を引き渡す」

GDA隊員Q1「了解」

キュクロ「おい、歓迎パーティだ! なぁ、どうすんだよ!?」

まどか「あの人・・・そうだ。私に、いい考えがある」


ガシャーン
GDA隊長Q「こちらはGDAだ。少女を連れて出てきなさい」

キュクロ「分かった。分かった。降参! ほらね、この子もいるでしょ?」

まどか「・・・・・・」

GDA隊員Q2「直ちに少女を解放しろ!」

キュクロ「いやいやいや、俺は誘拐犯じゃないよ! その証拠にさ、ホラ」クツシタ

GDA隊員Q3「!?」

キュクロ「キュールに投げた奴の片割れだ、くらえ!」ブン

GDA隊員Q4「あっ」ペチョ

GDA隊員Q達「2319! 2319! 汚染物質だ、すぐに隔離しろ!」ドタバタ

キュクロ「逃げるぜ、まどか!」

まどか「うん!」パタタタタ

GDA隊長Q「容疑者と少女が逃げたぞ、追え!」

キュリアンベース「待てー!!」ダダダダ

キュビー「よし、誰もいなくなったな。今のうち・・・」

キュビー(・・・って、あれ? アレがあるはずなのに・・・あっ!)

キュヤカ「新しいの持ってきましたよ! それにしてもすぐ壊れちゃいますね、コレ」ガラガラ

キュミィ「最近機会が多いから、すぐ目詰まり起こしちゃうのよ。・・・それにしても、妙に元気ね、キュヤカさん」

キュヤカ「へっへーん、実は・・・」

キュビー「なあ、ちょっと! それ貸してくれないか!?」


GDA隊長Q「逃がすな! 挟み撃ちだ!」

キュリアンベース「や、奴ら、シュミレーション室に向かっておる!! 急げ!!」

キュクロ「わああ、まずいよまずいよ、追ってきてる!!」

まどか「うう、もっかい靴下投げられない? 今履いてるやつ」

キュクロ「脱いでる時間があるならその案を採用するよ!」

GDA隊員Q5「こっちだ! 急げ!」

まどか「うわあ、あっちからも!」

GDA隊員Q6「よし、追いついたぞ!」

キュクロ「くっそー、ここまでか!?」

GDA隊員Q7「無駄な抵抗はやめろ!」

子供Q1「助けてー!」

GDA隊員Q8「! 向こうだ!」

子供Q2「こっちにも人間がいるよー!!」

キュクロ「!?」

まどか「えっ、私以外にも・・・誰か来てるの!?」

GDA隊長Q「何!? 仕方ない、向こうに10名、急げ!」

まどか「あうう、でも、挟み撃ちには変わらないよぉ!」

キュクロ「大丈夫だ、人数が減った今なら突っ切れる!」

まどか「で、できるかな?」

キュクロ「先に言っとくけど、絶対に手を放さないでよ」

GDA隊員Q達「うわあああああっ!!」バーン ドカーン

GDA隊長Q「何事だ!?」

キュビー「まどかー! 掴まれー!!」キキーーッ

まどか「うん!」ガシッ

キュクロ「俺もー!」ガシッ

シュレッダー2号「今俺の口に挟まってるのはまどかのドアです」ブォォオオオン ガラガラガラガラガラガラガラガラ

GDA隊長Q「しまった!!」

キュリアンベース「な、そういう事か・・・!!」

バターン
キュビー「なんとかシュミレーション室まで辿りついたな・・・」

キュリアンベース「待て! 諦めろ、キュビー!!」

キュクロ「そうだ、シュレッダーで足止めを!」ガラガラ

キュリアンベース「くっ、この!!」バンバン

GDA隊長Q「直ちに開けなさい!」バンバン

キュビー「急ごう! ドアをセットするんだ!」

まどか「よいしょっ・・・」

キュリアンベース「やめろォ!! キーーーー!!」バンバンバン

GDA隊長Q「開けなさい! 早く!」バンバンバン

キュクロ「まずいよ! もう抑えきれない!!」ガタガタ

キュビー「よし、セット完了! 入るよ!」ガチャコ

キュリアンベース「やめろ、入るな! がああ、よせえええええええ!!!」ババンババンバンバン

キュビー「ふぅ、ふぅ、はぁ・・・助かった。もう大丈夫だよ、まどか。それじゃ、元気でね」

バタン
キュリアンベース「・・・バカな事をしてくれたな」

まどか「うわあっ!」

キュビー「よせ! この子に手を出すな!!」

キュリアンベース「ダメだ。知りすぎている、生かしちゃおけん! お前もな」

キュビー「一体、どうしてこんな事を! 会社を救うためなら、やり方を変えれば済む話だろ!?」

キュリアンベース「もし魔法少女が下手に生き残ってみろ! 人類に我々の存在が知れ渡る! そうなれば、人類の社会も我々の社会もメチャメチャだ!!」

キュビー「どうしてそんな事が言いきれる!? 共存できるかもしれないじゃないか!」

キュリアンベース「共存だと!? ハッ、くだらん夢物語を語るのはくだらん相棒だけにしておけ!」

キュビー「難しいかもしれないけど、できる・・・絶対にできるさ! それとも、理想を追い求めるのが間違っているとでもいうのか!?」

キュリアンベース「お前の理想などどうでもいい! これは私の理想の問題なのだ! 人類のような下等生物との共存など、私のプライドが許さん!」

まどか「・・・それが、それが貴方の本音なの」

キュリアンベース「ああそうとも、これが私の正体だ! 私の理想を実現するためなら、100人、いや、1000人だって誘拐してやる!!」

キュビー「!!」

キュリアンベース「私の邪魔をする奴は、誰だろうと許さん! そこをどけ!!」バキッ

キュビー「うぁっ、やっ、やめろ!!」

まどか「いやっ、助けてえええ!!」

少女ロボ「m9(^Д^)」

キュリアンベース「!?」

毛糸の玩具「まんまとひっかかったな! 俺は生まれ変わった、その名も・・・スーパーカツーラだ!」

キュリアンベース「ど、どういうことだ、これは!?」

ドア「フヒヒヒヒヒ! 起動してません!」

キュリアンベース「何ィ!?」

アナウンス「シュミレーション、終了。シュミレーション、終了」


キュクロ「ど~ォ? どこがいけないか、分かった?」

キュウコ「アタシ、何個か見つけちゃった」

GDA隊員Q達「・・・社長ェ・・・」

キュリアンベース「な、なぁ、なああああ~~~!?」

キュマ「ねぇ、おじさん、もっかい見せてよ」エヘヘ

キュスミン「『致命的なシーン』をさぁ」ケケケ

キュクロ「りょうか~い、それでは只今の名場面を、どォぞ~」グリグリ

ビデオ『ああそうとも、これが私の正体だ! 私の理想を実現するためなら、100人、いや、1000人だって誘拐してやる!!』

GDA隊員Q達「ざわ・・・ざわ・・・」

ビデオ『100人、いや、1000人だって誘拐してやる!!』

まどか「分かった? GDAさん、この人が誘拐犯人です」

ビデオ『1000人だって誘拐してやる!!』

まどか「私の部屋の中に入ったように見せかけて、カメラにあなたの姿を映した・・・もう、言い逃れできませんよ」

ビデオ『せせせせせせ1000人だって誘拐してやる!!』

まどか「シリアスに入ってるんでちょっと黙ってて下さい」

GDA隊員Q1「どうします? 容疑者を切り替えますか?」

GDA隊長Q「決まっているだろう、真犯人を捕まえるんだ」

GDA隊員Q2「貴方がキュリアンベース社長ですね?」

キュリアンベース「な、何だね君達は・・・」

GDA隊員Q3「来てください」

キュリアンベース「放せ! 何をする! ・・・うっ!」ガチャコ

キュビー「・・・・・・」

キュリアンベース「満足だろキュビー! お陰で会社は潰れたぞ、インキュベーターズ・インクは終わりだ!」ズルズルズル

キュクロ「・・・・・・」

キュリアンベース「人類との共存など、不可能だ! 貴様らのような殺人鬼に、そんな大それた事が、出来るものかあああぁぁぁ!!」バタン

隊員キュロブッチ「そのまま。待機して下さい」

キュビー「へ!?」

隊員キュンボー「ボスから話があります」

キュクロ「話って・・・何さ」

GDA隊員Q達「整列!」ゾロゾロ

まどか「え、な、何なの?」

GDA隊員Q達「気を付け!」ザッ

キュクロ「おいおい、マジかよ・・・」

GDA隊長Q「どうぞ、ボス」ザッ


キューバ「・・・どぉうもぉ」

キュクロ「キューバぁ!?」

キューバ「2年半の潜入捜査が、無駄になるとこだった。キュビー、あんたのせいでねぇ」ジロリ

キュビー「え」

キューバ「まぁあお陰で、黒幕はキュリアンベースだって分かったけどぉ」

キュマ「おばさん、この人達悪いこと何もしてないよ!」

キュスミン「あたし達が保証するよ~」

まどか「え? おばさんって・・・この人なの?」

GDA隊長Q「ま、まさか、こんな子供が潜入捜査官だったのですか!?」

キューバ「敵を欺くには、まぁず味方から・・・人類が作った言葉よぉ」

キュクロ「あ、ああ、そうだったの。礼を言うよ、ありがと」

キュスミン「ウケケケケ」

キュミカ「ああ、もう、疲れた。やんなっちゃう」

キューバ「さぁて、問題はその子だね」

まどか「わ、私?」

キューバ「長ぁい見学は終わりだよ。おとなしくドアの向こうに帰るかぁい?」

まどか「・・・うん。パパもママも、心配してると思うから」

キュクロ「あのさ、まどか」

まどか「え、なに?」

キュクロ「実はさ、ここと向こうの時間の流れ方、違うんだよ。もうちょっとぐらいゆっくりしてっても」

キューバ「駄目だよ」グワッ

キュクロ「あわっ!」

キューバ「ここまで騒ぎを大きくして、今更長期滞在もないでしょ。・・・ドアシュレッダーを用意しな」

GDA隊長Q「ハッ」

キュビー「・・・え? それじゃあ・・・もう二度と、会えないってこと?」

キューバ「仕方ないだろうねぇ」

まどか「・・・・・・」

キューバ「・・・5分あげるよ」


キュスミン「あのさ・・・」

まどか「うん、分かってる。貴方達と出会って、冒険したこと・・・絶対に忘れない」

キュスミン「こっちだって、久々に楽しかったよ」

キュマ「ありがとう、おねーちゃん」

キュウコ「アタシが成し遂げられなかった、アイツとの約束の分も・・・生きてくれよ」


キュクロ「さあ、ドアの向こうに・・・帰ろう」

まどか「・・・・・・」

キュクロ「ハ、ハハ。もう、お別れかぁ。短すぎて、名残惜しいけど・・・」

キュビー「・・・・・・」

まどか「・・・私の部屋。確かここで、初めてキュビーさんと出会ったんだよね」

キュビー「ああ・・・」

まどか「私ね、実は・・・面白そうだからってだけで、貴方についてきたんじゃなかったの」

キュビー「え?」

まどか「私って、昔から得意な学科とか、人に自慢できる才能とか何もなくて、きっとこれから先、ずっと誰の役にも立てないまま、迷惑ばかりかけていくのかなって・・・それが嫌でしょうがなかった」

キュクロ「・・・・・・」

まどか「だけど、初めて貴方を見たときに思ったの。家族や友達が駄目なら、せめて妖精さんの役に立ちたいって。結局、迷惑掛けてばかりだったけどね」

キュクロ「謙遜する事ないよ! まどかだって立派に戦ったじゃないか。機械をブッ壊して、キュベーダの奴をギャフンと言わしてやったりさぁ」

キュビー「それに・・・この、秘密基地への入り方を書いたメモ。これがなかったら、あの時キュクロを助けることができなかった」

まどか「あ、そのメモ・・・なんで私が作ったって分かったの? 名前なんか書いてないのに」

キュビー「君が描いてくれた絵にあった文字と、同じ文字が書いてあるからね」

まどか「・・・そうだったの」

キュビー「君は、そのままでも十分に強いんだ。こうして俺達を助けてくれたじゃないか。だから、今とは違う自分になろうなんて、無理に考えなくてもいいよ」

まどか「で、でも・・・」

キュクロ「あ、まあ、大人になる前に、多少は変わった方がいいかもしれないけどね。でも君には自己犠牲は早いんじゃないかな」

まどか「なんだか・・・肩身が狭いなあ」

キュビー「まあまあ。君は、もうすぐお姉ちゃんになるんだ。生まれてくる子を見守る側になるんだよ。その時まで・・・甘えたらどうかな。パパとママに」

まどか「うん」

キュクロ「それじゃ、そろそろ時間か・・・」

まどか「・・・・・・」

キュクロ「あのさ、コレ、あげるよ! インキュベーターズ・インクの、営業補佐官の安全ヘルメットなんだ。俺が使ってた奴だけど」

まどか「え、いいの?」

キュクロ「いいのいいの。どうせ会社潰れたしね。アクセサリーにでもしてよ」

まどか「へ・・・」

キュビー「君が気に病むことはないよ。俺達は大切なものを守れた。だから、それで十分だ」

まどか「私も、大切なものが守れて、よかった。ありがとう」



キュクロ「・・・さようなら。大きくなれよ」

まどか「・・・・・・」

まどか「クローゼット、元に、戻っちゃった・・・」



シュレッダー3号「うおォン 俺はまるで人間火力発電所だ」ギュイイイイイイイン ペッ コロン

キューバ「なぁんにも無かった事にする。報告書も出しちゃダァメだよ。いいねぇ」

キュビー「・・・・・・」

キュクロ「・・・あれ、これって」

キュビー「まどかのドアの、欠片か・・・」

キュクロ「・・・きっと、元気に暮らしていけるよ。あの子ならさ」

隊員キュロブッチ「容疑者・キュリアンベースの身柄を確保した」バタン

隊員キュンボー「只今より、帰還する」ブロロロロロロロ


キュミィ「今日はもう、休みなのね! もう何も怖くない」

キュヤカ「何言ってんですか! 会社無くなるんですよ!?」

キュミィ「えぇーーー!? 仕事が無くなったのなら、のたれ死ぬしかないじゃない! あなたも! 私も!」


キュクロ「見たか、あの壁が上がった時の、キュリアンベースの間抜け面! フゥ~、あのテープ欲しいよ」

キュビー「・・・・・・」

キュクロ「・・・大丈夫。元気出せよ、まどかはうちに帰ったんだぞ!? そりゃまあ、会社は潰れちゃったし、つまり仕事無くなっちゃったって事だけど・・・」

キュクロ「絶望から希望への相転移。あれがありゃあ、当分どころか半永久的にエネルギーには困らねえよ。いっそのこと、この会社の跡継いで、社長になるってのはどうだい?」

キュビー「・・・いいのか、俺がやっても」

キュクロ「まどかも、望んでるだろうぜ。お前が希望を振りまく『妖精さん』になる事をさ」

キュビー「そうか・・・なら・・・」














ほむら「・・・で、どういう風の吹き回しかしら?」

キュクロ「ああ、魔法少女システムの大幅な見直しがあってさ・・・もっと効率が良くて、魔法少女が絶望しない方法を見つけたんだ」

ほむら「興味深いわね。聞かせて頂戴」

キュクロ「そのつもりで来たんだよ。まず第一に、契約した時点で願いは叶えない」

ほむら「どういうこと?」

キュクロ「魔法の力とソウルジェムだけを与えるんだ。このソウルジェムは、本人の気持ち次第で濁ったりする事はないし、強度を増したから割れる事はまずないけど、使える魔法は旧式のシステムよりは弱い」

ほむら「濁らない? じゃあ、魔女も出なくなるのね?」

キュクロ「その代わり、人間の鬱積した絶望から魔獣って怪物がバカバカ生まれてくる。これは防ぎようがなかったから、逆に利用する事にした」

ほむら「利用って・・・グリーフシードのこと?」

キュクロ「そう、こいつらを倒せば、形は違うけどグリーフシードが手に入る。それでソウルジェムに感情エネルギーを蓄えていくんだ。それが、最初に願った奇跡を起こすに足る量になれば・・・バーン! ソウルジェムが割れて、中から希望が生まれる」

ほむら「希望が生まれるって、どういうことよ」

キュクロ「魔法少女から人間に戻るのさ。おまけに願い事が叶うって訳。しかも、その時に発せられる感情エネルギーは、絶望から希望への相転移・・・従来より10倍も多い」

ほむら「随分と気楽なシステムね・・・今まで涙を流してきた魔法少女たちが浮かばれないわ」

キュクロ「・・・悪いとは思ってるよ。俺だって罪滅ぼしのつもりで仕事してるんだ。今度のはウィン-ウィンな契約だから、もう誰かを傷つけたりすることはない。ウィン-ウィン-ウィン」

ほむら「そうね、願い事そのもので身を破滅させるようなバカを除けばね」

キュクロ「そこはきちんと危険性を説明してるし、必要があれば家族や友人にも相談するよう推奨してるよ。あとクーリングオフにも対応」

ほむら「え、何それ・・・契約は大丈夫なの?」

キュクロ「だって必要な契約数が今までの10分の1だぜ? 契約数自体は減ったけど、手に入るエネルギーだけなら十分儲かってるから」

キュクロ「俺は旧式の契約方法だった魔法少女を元に戻しに来たんだ。まあ残念だけど、新式の魔法少女にはなってもらうよ。こっちもエネルギー回収の仕事がある訳だし」

ほむら「いいわ。魔法少女から抜け出せるのなら、ちょっとぐらい耐えてあげる。・・・ところで、そんなシステム、誰が考えたの?」

キュクロ「キュビーと、まどか。俺の最高の友達さ」



インタビュアQ「数年前、新しい社長が就任してから怒涛の勢いで業績を伸ばすインキュベーターズ・インク社について色々インタビューしますぞwwwwwwwwwwwwwwwww」

キュール「そうですね・・・急なシステムの変更には戸惑いましたけど、従来の胡散臭いやり方より、こっちの方が楽しいって思うようになりました。今では面白い仲間や理解ある上司に恵まれて、幸せです」

キュウコ「アタシが昔契約した子がいるんだけどさ、最近魔法少女から解放されて、今は養子縁組で楽しくやってるみたいなんだ。やりがいも達成感もある仕事だぜ。やっぱり、理想を追い求める事って、大切なんだって思うよ」

キューバ「あの事件のあとしばらくして、GDAは惑星警備隊に転向したよ。あいつらが身を持って示してくれたお陰で、人間の少女の危険性が問われなくなったかぁらねぇ。結構ヒマになったけど、軍隊は退屈な方がいいのさぁ」

モブQ3「今度・・・やらないか」

キュビー「どうだい? キュクロ、仕事は」

キュクロ「今ので最後だよ、旧式魔法少女の契約更新。こいつだけドアが紛失してたから、本人を探すのにすんごく手間取っちゃって」

キュティ「キュクロちゃん、雑誌が届いたわよぉ~」

キュクロ「キュティりーん! 会いたかったよ、仕事中ずーっと尻尾がうずうずしてさあ。ところで雑誌って何?」

キュビー「ハハハ、忘れたのか? この間インタビューが来たこと。表紙になるんだぞ、お前と俺の顔が」

キュクロ「えっ、マジ!? 俺が雑誌の主役に!? ヒャッホウ! 早く開けよ、早く開けよ」バリバリ


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キュビー「」
キュクロ「」バーコードペットリ


キュクロ「嘘だろ・・・おい・・・」

キュティ「キュクロちゃん・・・」

キュビー「ま、まあ、そのー・・・よくある事だよ」

キュクロ「俺、俺・・・雑誌の表紙に載っちゃったよ!! イィヤッホオオォォォォイ!!!」

キュリコ「人間社会には、まだまだ絶望の残骸が残っています。少女達に希望を与えて救う事によって絶望を払いのけ、理想の社会を実現することが私達の救世だと思うのです」

キュリカ「魔法少女たちのように、私達にも守りたいものがあるから。今私の隣にいる、唯一無二の恋人の為であれば、私は魂だって捧げよう」

キュトミ「キマシタワー」

キュリコ「!? ・・・できれば、その、貴方とは恋人でなく友達として居たいのだけれど」

キュリカ「」


キュビー(・・・あれから、4年)

キュビー(時間はかかったけど、新しい契約体勢を確立し、少女とインキュベーターが共存、共栄する社会が実現された)


キュズミ「キュミカ、あの子供がGDAの潜入捜査官だったって知ってた?」

キュミカ「聞かされた時はびっくりしたわ。だって全然そんな風に見えなかったから。社員食堂のキュチバナさんに迷惑かけたりして、本当大変だったのよ?」

ジューベー「へぇ、どんな事しでかしたんだよ?」

キュミカ「少女の靴下をキッチンの中に仕込んで、営業停止にしたの」

キュズミ「靴下? ・・・嫌なこと、思い出しちゃった」

キュマ「一応、私達は『せんにゅーそーさかん』なんだけど、ほんとはただのお手伝いなの」

キュスミン「おばさんがどうしても手伝ってくれっていうから、仕方なくやってあげただけよ」

キュオトメ「よく、頑張ったわね。偉いわ、二人とも」

キュマ「・・・そう言えば、『ほーしゅー』もらってないよぉ」

キュスミン「報酬? 貰っちゃったよ、キュベーダって奴のクレジットカード。これぞサヨナラ勝ちって奴ね」


キュビー(それは少女達だけではなく、社員達の心にも輝きを与えていった)

キュビー(最高の会社と、最高の社員達。少なくとも、俺の理想のうち二つが叶ったんだ)


キュヤカ「修行を積んだ甲斐あって、いよいよ営業屋として初デビュー! 宇宙の平和は、キュヤカちゃんが守りまくっちゃいますよー!」

キュミィ「あなた、営業補佐官じゃない・・・やるの私なんだけど」

キュヤカ「うう、これじゃキュウスケに顔向けできないよお。抱きしめてなんて言えない、キスしてなんて言えないよお・・・」

キュウスケ「頑張って、キュヤカ。僕はいつも通り、応援してるよ」

キュミィ「あらあら、お熱いわねぇ。私にも素敵な殿方が来ないかしら・・・」

隊員キュロブッチ「お陰さまで、制服も変わって随分気楽になったよ」

隊員キュンボー「キュビーさん、活躍してるって聞きました。あの時、変な人のせいでサインをもらい損ねたのが悔しいです」

隊員キュロブッチ「そのサイン、どうしたんだ? ・・・やっぱり、捨てたとか?」

隊員キュンボー「質屋に持ってったら、結構高値で売れました。一体誰だったんだろう、あの人」


キュビー(でも、ただ一つだけ・・・)

キュビー(いつも手にしている業績表を一番下までめくると、あの時のまどかの絵と、ドアの欠片が見える。・・・こればっかりは、どうしようもなかった)

キュビー(まどかは、今、どうしているだろうか・・・)


キュクロ「キュビー!」

キュビー「わっ、わああああ!! なんだよキュクロ」

キュクロ「見せたいものがあるんだよ! 目隠しするから、しっかり付いてきて!」

キュビー「あ、ああ、でも、待っておいおいおいおいおいおい」


キュティ「・・・フフッ。みんなで頑張ったんだからねっ」

キュクロ「こっちこっちこっち。はいオーライオーライオーライ!」

キュビー「おいおい、キュクロってば」

キュクロ「僕の美声についてきて~・・・はいストップ! 目隠しを外すよ~」


キュクロ「ジャジャーン!」

キュビー「キュ、キュクロ・・・これって」

キュクロ「ごめん、4年もかかっちゃった。ズタズタだったからさぁ・・・」

キュビー「・・・・・・」

キュクロ「お前の持ってる奴をはめれば、完成だよ。さあ」

キュビー(・・・ずっと思っていた)


キュビー(描いていた理想は、最高の友達、最高の会社、最高の社員達・・・)


キュビー(この4年、その理想を目指して、魂を賭けるほどに頑張ったつもりだった)


キュビー(でも、このドアのように、一つだけ足りない欠片があったんだ。だから、ドアは開かなかった)


キュクロ「・・・ランプが、点いたぜ」




キュビー(やっぱり、最高の友達は・・・)



????「まろか、あれ!」



????「・・・キュビー、さん・・・!」






キュビー(みんな、揃ってなくちゃ)






-おしまい-

投下し終わってから見返したら誰得過ぎるSSだった・・・
構図が似てるってだけの一発ネタで最後まで引っ張るもんじゃないねコレ

後でhtml依頼出しときます

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