【グラブル】グラン「恋人はアポロニア」 (84)

※本編ネタバレ、キャラ崩壊注意
 安価あり 

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1499018518

アポロニア「剣の稽古? 何故私に頼むのだ」

アポロニア「…まぁ確かにお前と同じく一通りの属性は扱えるがな」

アポロニア「他をあたれ。人に教鞭をとるなど私の性に会わん」

アポロニア「切磋琢磨だと? 笑わせるな、お前ごときに学ぶことなど何一つない」

 鼻で笑ってアポロニアは去っていった…


※追記、浮気展開も可能性有り


 翌日…

オイゲン「おい、アポロ!」

アポロニア「馴れ馴れしく私の名を呼ぶな」

オイゲン「お前、せっかくグランが打ち解け合おうとしてるってのに拒否することはねぇだろ」

アポロニア「ふん、この船の団長と言っても年相応に女々しい奴だな。貴様に愚痴を垂れたか」

オイゲン「ちげぇよ。朝からあいつが元気なかったから皆で聞いたんだよ。そしたらお前ぇに振られたっていうじゃねえか」

アポロニア「下品な言い回しをするな。稽古をしてくれと言ってきたのを断っただけだ」

オイゲン「やってやりゃあ良いじゃねぇか。あいつの実力は身をもって知ってるだろ? 為になると思うぜ」

アポロニア「…かもしれんな」

オイゲン「だったらやってやれって、な?」

アポロニア「うるさい、私は一人でこの力を身につけたのだ。他人と今更馴れ合えるか」

 そう言ってアポロニアは去っていった…

食堂

 ガヤガヤ…

ゼタ「団長、槍だったら私が教えてあげよっか? まぁ教えるって言うか一緒に訓練的な」

クラリス「なんかドッカーン!ってしたいならうちと一緒にやろうよ! そして一緒にししょーのべんきょーを受けよ☆」

ベアトリクス「剣なら私が教えてやるぞ!」

ゼタ「いや、あんたの戦い方特殊すぎて団長と会わないでしょ」

ベアトリクス「そ、そんなことはない!」

ラカム「けど、お前よく黒騎士と似たような鎧来てるもんな。少年はあの強い貴婦人に憧れてるのかな?」

 ラカムは茶化すように言ってきた…

シルヴァ「銃なら…私が教え…ようか? その…教えるなど柄じゃないが君は器用だから…。…だからなんだと言う話だが…。
     あっ、なんなら体術でも良いが…」

 ラカムの言葉に顔を赤くしていると次々に言葉が降ってきた

ターニャ「な、ナイフとか……なら…私でも…できる……けど」

カレン「あたしも炎ぼあっとできるよ! 魔法剣! 親戚だし!」

エッセル「短銃なら教えられる事できるよ」

フリーシア「騎空団の長ならば自身で前へ出るよりも人の動かし方を学びなさい。フフ…でなければいくら強大な力を持っていても利用されるのが落ちですよ?」


 食事の後、騎空艇の廊下でオイゲンが話かけてきた…


オイゲン「よっ! 何しょぼくれてんだぁ! ありゃぁ脈ありだぜ、脈あり!」 


 オイゲンの言葉にグランは彼が勘違いをしていると察し訂正を口にした…


オイゲン「照れんなって! アポロも口じゃ色々言ってるがお前がもっと押せば折れるぜ!」

オイゲン「剣の練習なんて色気のねぇ事じゃなくて飯でも誘えよ!」

オイゲン「…オレにぁ無理だからよ」

オーキス「私も協力する」

オイゲン「おわ!?」

オーキス「アポロ、あまりご飯皆と一緒に食べない。私、笑ってるアポロもっと見たい」

オイゲン「良い事言うねぇ、嬢ちゃん! そういうこった、グラン、行け!!」


 騎空艇内の女性陣 ソワソワ


アポロニア「ふんっ!!」



フリーシア「汗臭い……七曜の騎士といえど日々の鍛錬は存外地味ですね」

アポロニア「フリーシア…」

フリーシア「あの少年のお誘いを断ったそうですね。相変わらず孤独な生き方をしているとは…フフフ」

アポロニア「そういうお前は上手く立ち回っているな。ルリア達とも随分打ち解けているじゃないか」

フリーシア「ここの連中は甘い考えの者ばかりですからね。”仲良く”なるなど簡単ですよ?
      フフフ、宜しければご教授しますが」

アポロニア「貴様はオルキスによって生かされ、この船に送られたという事を忘れるなよ。
      エルステ王国を一つにまとめる為、お前の名が必要だったから解放されただけだ。罪が消えたわけではない」

フリーシア「分かっていますよ。傍にはあれ(→量産型アダム)がいつもいますしね。私の名を使い、エルステが彼女の下で繁栄するのであればそこに私の実体が無くとも構いません」

アポロニア「ふっ、実務までやらせてはまたいつ牙を剥くか分からぬしな」

フリーシア「私はエルステに対し今の一度も叛いた事などありませんが?」

アポロニア「…」

フリーシア「…」

アポロニア「何か用があって来たんじゃないのか」

フリーシア「少しは要領良くやる事ですね」

アポロニア「何を…」

フリーシア「オーキスの顔が沈んでいます」

アポロニア「…」

フリーシア「ついでにあの少年も、ですが」

アポロニア「…グランか」

フリーシア「あの少年は強い。もっと強くなるでしょう。私の所にもエルステ流の帝王学を学びに来ました。さすがにあの子には必要ないものだと諭して返しましたが」

フリーシア「相対していた頃は目にもつかない男でしたがここへ来て随分心象が変わりましたよ。この集団の中心にはいつも彼がいる」

アポロニア「騎空団の団長だからな」

フリーシア「かつての王家を思い出すのです…。”あの”輪にいた私を…」

アポロニア「貴様……」

フリーシア「コホン…まぁ所詮一騎空団とでは程度の差がありますが」

フリーシア「では失礼します。 随分と冷えさせてしまいましたね、水浴びを―――」


 退室しようとするフリーシアの眼に、あるフィギュアがとまった…


フリーシア「これは…」

アポロニア「…?  コツコツ   ……。 …!!」


 ガラドア作 8分の1オーキス


フリーシア「あ、貴女っなんて物を身近に置いているのですか!? これほど精巧なものを一体何処で――――!!!」

アポロニア「よろず屋で偶然景品を当てたら手に入れてしまったのだ!! いつかオルキスにプレゼントしてやろうと思って置いているに過ぎん!」

フリーシア「そそそうですか。孤独でいる人間には其れ相応の理由があるという事ですね、分かりました、皆にはそれとなく私から伝えておきましょう」

アポロニア「伝えなくていい!!」


サラーサ「狩りだー! グラン、起きろ! 狩りに行くぞ!」

アンチラ「ぅうーん…」

サラーサ「なっなんでグランじゃない奴がグランの部屋で寝てるんだ!? お前グランか!?」

アンチラ「むー……ん。…そうなのですー…ボク、グラン……。…すぴー…」

サラーサ「グラン……いや違うぞ、臭いがグランじゃない!」

アンチラ「そんな事ないですよー…ほら…ここからグランの匂いぃー……」

サラーサ「くんくん……グランの匂いだ…くんくん……この布からもグランの匂い!」

アンチラ「お日様が当たってぽかぽかするとグランの匂い…すぴー……」

サラーサ「知ってるぞ! これベッドって言うんだ! ベッドがグラン…!」

アンチラ「くかー…」


 サラーサはグランのベッドに上がり、アンチラがくるまっていた布団の中に入った…


サラーサ「はっ…くんくん…はー! グランの匂いがすごいぞ! はー! ここ、あったかい!」




 しばらくの後、自室に戻って来たグランが見たのはベッドの上で自分の枕を抱きながら寝ているアンチラと布団からお尻を出してもぞもぞしているサラーサ(?)だった…

 アンチラはいつもの事だが、サラーサは森で過酷な生活をしていた過去からか用意されたベッドで寝ようとしないので珍しい光景だ…

 ベッドを好いてもらう良い機会だと思ったグランはそのまま自室を後にした…


べアトリクス「はぁ……」

ゼタ「何しょげてんのよ」

べアトリクス「知ってるくせに…」


 べアトリクスは以前、ゼタにグランを異性として見ていると(見抜かれ)告白していた…


ゼタ「歳が違い過ぎるでしょー? あんたショタコンって奴なの?」

べアトリクス「た、たまに後ろから見ると身体大きいなぁーとか…思うし…」

ゼタ「だから歳の話をしてんの。団長、未成年よ? 手を出したら犯罪になるって」

べアトリクス「つ、強い男に年齢とか関係ないしっ!!」

ゼタ「それはもう犯罪者の心理ね」

べアトリクス「だからっ! ていうかオイゲンの娘の人だって結構歳いってるじゃん! 団長は年上好きなんだな!」

ゼタ「周りが騒いでるだけで団長が黒騎士を好きだなんて一言も言ってないじゃん。ていうかあの人いくつなの?」

べアトリクス「オイゲンの娘だからぁ……30手前くらい?」

ゼタ「七曜の騎士の一人だしねー…。でもそしたら団長とは一回りも違うじゃない。あんた一回り上の男好きになる?」

べアトリクス「だから私は…!」

ゼタ「ああ、ごめん、ショタコンだったね」

べアトリクス「違うっての! 強い男が好みなんだ!!」


 そんなじゃれ合っているのを見てバザラガは兜の下で苦笑していた…

 
ゼタ「じゃ、ベア。ちょっとよろず屋行ってくるから」

べアトリクス「はいはい…」
 

 ゼタはべアトリクスと別れると、駆けて行った先にバザラガが壁に背を預けて立っていた。待っていた様にも見える…
 

バザラガ「ゼタ」

ゼタ「なに?」

バザラガ「団長は出かけるのを止めたぞ。よろず屋には行かない」

ゼタ「…ふーん。あっそ」

バザラガ「べアトリクスの気持ちがわかったか?」

ゼタ「あんたの弱みを見つけたいわー」

 
 バザラガの前を横切ったゼタの足の歩みはゆっくりになっていた…   

アポロニア「なんだ、任務か? …なに? ご飯だと?」

アポロニア「断る」

アポロニア「…別に孤高を気取っているわけではない。良く組むメンバーとはそれなりにやっている。食事も共にしている。ジャンヌダルクとかな」

オーキス「アポロ」

アポロニア「なんだ、オーキス」

オーキス「ご飯一緒に食べよう」

アポロニア「も、もうか?」

オーキス「? 今日はまだ三食しかしてない…」


 今は昼食時だ…


アポロニア「…分かった。食べよう」

オーキス「グランも一緒に」

アポロニア「構わん」


  そう言って彼女は詰め寄ってきた…


アポロニア「食事がしたいんだったな? では逃げずに最後まで付き合うのだぞ」

オーキス「美味しい」

アポロニア「そうだな」


 そう言い合うが彼女たちの前のテーブルにはとても3人分とは思えない量の料理が並んでいた…


アポロニア「どうしたグラン。箸が進んでいないな。遠慮せずに食べろ。食費なら依頼で私が稼ぐから心配入らない」


 まだお腹一杯ではない。が、目の前の料理を全て食べられる自信はなかった…


オーキス「美味しいね」

アポロニア「ああ」

アポロニア「よく食べきったな。オーキスならオイゲ…ゴホン、誰かの元に行くと言って出ていった」


 コトン…


アポロニア「コーヒーだ。膨れた腹にも入るぞ」

アポロニア「ああ、私が入れたものだ。 なんだ…? 言っておくが私だって料理くらいできるぞ」


 アポロが入れてくれたコーヒーを飲む…。彼女が入れてくれたものと言うだけで胸が高翌揚する…。

 オイゲンには否定したが自分は彼女に惹かれているのだろうか…


アポロニア「オーキスは食べる事が好きでな…。あの体のどこにあれだけの食べ物が入っていくのか分からんが食事をしている彼女を私は好きなのだ」

アポロニア「…ただ、オーキスに付き合っていると他の者と同じ様な時間に食事をとるのは難しい。お前も身に染みただろう」

アポロニア「だが私はオーキスと過ごす時間を優先したい」


 アポロはとつとつと食事の誘いを断った理由を話した…


アポロニア「…」

アポロニア「腹が膨れればそれ相応の運動はせねばなるまい」

アポロニア「…」

アポロニア「はぁ…。鍛練に付き合え…。…太るぞ」


 アポロの言葉に何度も頷いた…


ゼタ「…」

クラリス「ね! だんちょー知らない?」

ゼタ「中にいるよ」

クラリス「あ…」


 食堂の中にいたグランは今まで見たことのない、しかしクラリスが見たかった顔を黒騎士に向けていた…


ゼタ「行かないの?」

クラリス「だんちょーって皆にホワイトデーのお返し渡してたよね」

ゼタ「そりゃあバレンタインで皆にチョコ貰ってたし。お返ししない性格じゃあないでしょ」

クラリス「黒騎士さんには貰ってなかったのにね」


 「そうなんだ」とゼタは心のなかで呟いた…
 

ジャンヌダルク「団長」

ジャンヌダルク「近頃、黒騎士殿と剣の鍛練を頻繁にしているそうだな」

ジャンヌダルク「私ともどうだろうか」

ジャンヌダルク「朝、昼、夜。毎日だ」

ジャンヌダルク「良いのか?」

ジャンヌダルク「…」

ジャンヌダルク「…」

ジャンヌダルク「…団長」

ジャンヌダルク「私を一人にしないでくれ…」

ジャンヌダルク「…」

ジャンヌダルク「別にどうもしない……」

ジャンヌダルク「…先に見える道はずっと暗闇だ……」

ジャンヌダルク「だが、私の隣には…光があるのだ…」

ジャンヌダルク「その光は…私だけを照らしてくれている訳ではないのに……私は…」


 …哲学の話だろうか。彼女の言葉の意味を聞き返したが結局最後まで理解できなかった…

カレン「団長ー! あたしとも剣の訓練しよー!」

カレン「えぇー!? なんで!? 色んな人としてるって聞いたよ!」

カレン「あたしだって強いし! 血統的にも間違いなし!」

カレン「いいじゃん!」

カレン「…」

カレン「あっそ」

カレン「ふんっ」

カレン「ふん…」

カレン「え?」

カレン「ああー、団長としての仕事? そっちを?」

カレン「まっかせなさい! 超有能なあたしがぱぱっと片付けてあげる!」

カレン「えへへ」

シルヴァ「グラン、最近忙しそうだね。ちゃんと休んでいるかい?」

シルヴァ「まぁ顔を見ていれば分かるよ。楽しそうにしているな…」

シルヴァ「え…。いや、今……今の事さ」

シルヴァ「だが無理はしないでほしい。疲れは気付かぬ内に溜まるものだからね、若いからと言って頑張り過ぎるのは良くない」

シルヴァ「何か淹れてあげよう」

シルヴァ「え…? コー…ヒー?」

シルヴァ「あっ顔を上げてくれっ。き、君が謝ることではない。たしかに私が好むのは茶葉を使った飲料だが…。…待っていてくれ」



 カチャ…

シルヴァ「鴛鴦茶といってコーヒーも入っているお茶なんだ」

シルヴァ「私の腕では…彼女の淹れたものよりは美味しくないとは思うが…」

シルヴァ「そ、そうか? ありがとう…お世辞でも嬉しいよ」

シルヴァ「そうだグラン。お風呂に入れると色々な効能が得られる果実を前に貰ってね。昨晩、使ってみたんだがとてもリラックスできたんだ」

シルヴァ「良ければどうだろう?」

シルヴァ「そうか! では私の部屋に」

シルヴァ「あ、ゆ、湯はちゃんと変えてある! ただ、その果実を使うと色がついて掃除が大変なんだ。君の部屋の湯船を汚すのも忍びないし私の部屋で入れば…」

シルヴァ「…そうだな。はしたない提案だった」

シルヴァ「では果実を持ってくるよ。気が向いたら使ってみてくれ」


 テクテク…


シルヴァ「恥ずかしい…」

サラーサ「くっそぉ! またアポロに負けた!」

エッセル「…」

アポロニア「お前はかかって来ないのか?」

エッセル「私の戦いは守る為のものだから」

アポロニア「では何故いつもそこで見ている?」

エッセル「…」

サラーサ「もっかいだアポロ! 今度は負けない!」

アポロニア「この船の上で戦う以上お前に勝ち目はないと思うがな」


 サラーサは以前、グランに騎空挺で決闘を挑んだ時に船をボロボロにした経緯から船上では内部を傷つけないようにと彼から注意を受けていた…


アポロニア「…」

サラーサ「そりゃあー! あっ柱が!」 

 
 スカッ


サラーサ「うおー!」


 ブンブンブン


サラーサ「やりにくい!」

アポロニア「さっさとかかってこい」


 五割も実力が出せないこのサラーサにアポロは負ける気はしなかったが、過去に何度戦っても簡単に勝てた事はなかった…


エッセル「最強か…」


 エッセルの隣にアポロとサラーサの決闘を見にきたグランが腰を下ろした…


エッセル「そうだね…。なんでここにいるんだろう」


エッセル「強くなれば…もっと強くなれば今よりももっと多くのものを手に入れられるんだ」

エッセル「私はキミも守るよ」
 
エッセル「ん…」

エッセル「キミは、やっぱり優しいね」

 グランは体調不良だというラグナを見舞いに彼女の部屋を訪れた…

セン「あ、団長さん。おはようございます」

セン「ラグナさんのお部屋はなんだか居やすくて…。隙間に入って寝ると気持ちいいんです」

セン「え? ……にゃ」

セン「何を納得してるんですか? …にゃあ、笑わないでください…」

ラグナ「うう…。団長、おはよう…」

ラグナ「昨日、ミルクがなかったから置いてあった水を飲んだら酒だったんだ…」

ラグナ「苦しい…」


 グランは持ってきたミルクをラグナとそれを飲みたそうにしていたセンにあげた…


セン「ぺろぺろ……。ごくごく!」

ラグナ「ごくん…。あぁ美味しい」

ラグナ「ありがとう団長。楽になったよ」

セン「これ美味しいです!」

 
 ゴクゴク…


ラグナ「もう無くなってしまったな…」


 グランはもう一度持ってこようか?と聞いた…


セン「はい、ミルクもっと飲みたいです」

ラグナ「私も同じミルクを…」


 グランは微笑んでまたミルクを取りに行った…


セン「美味しいミルクでしたね」

ラグナ「団長と飲むミルクは何故か普段のものよりも美味しいな…」

 
 ラグナの言葉にセンは頷いた…


ラグナ「しかし…」


ラグナ「部屋を見られてしまった…」

セン「ダメなんですか?」

ラグナ「…団長が戻ってくる前に…ちょっと物をどかそう」


 それから戻ってきたグランが見たものは部屋の隅に物を押し込んでいる二人の姿だった… 

 アポロと一緒に稽古をするようになって暫くがたった…


アポロニア「はぁ…はぁ…。今日はここまでにするか…。夜も深い…」


 食後の軽い運動のつもりが随分と時間が経っていたようだ…


アポロニア「ふぅ………お前も相当に体力があるな。正直、突き放すつもりで相手をしているんだが」

アポロニア「私がお前くらいの歳の時はまだ剣を振るう事すらしていなかった」

アポロニア「本を読むことが好きで…夜でも読んでいたから視力も悪くなって…眼鏡のレンズがどんどん分厚くなっていったな」

アポロニア「ん…? 目の悪さは自分で治した。遠くを見る習慣をつければその内良くなってきたからな。目付きはより一層悪くなるがな」



アポロニア「は…?」

アポロニア「歯の浮くような事を言うな。 …綺麗など」

アポロニア「昔、オルキスが読んでいた本でしか出てこない様な台詞だぞ」


 ふっとアポロが笑った。月の光に照らされた彼女の笑顔に胸が高鳴る。

 これはいくしかない…


アポロニア「え?」

アポロニア「本気で言っているのか?」

アポロニア「あー…聞き返す、事ではなかったな。 …何故私なんだ」

アポロニア「…これも間違いだな。…どう反応していいものか困る…」


アポロニア「まぁ構わん」


アポロニア「情人となる事を受け入れると言っている」

アポロニア「そうだ。恋人、と言う単語を出されると歳のせいか気恥ずかしいものがあるが」

アポロニア「別に…嫌い、ではないしな。恋慕の情があるかと聞かれると疑問だが」
 
アポロニア「…う。 ……だがそんな顔をしているお前を見たくはないな……させてしまったのは私だが」

アポロニア「改めて答えよう。お前の気持ちを受け入れる。これから私の隣にいてくれ」

 
 グランは喜びを顔に表した…。年相応の彼の笑顔にアポロの顔もほころんだ…

 グランはアポロの父親であるオイゲンに彼女と交際する事になったと挨拶をしに行った…


オイゲン「おう」

オイゲン「アポロを幸せにしてやってくれ」


 腕を組んだオイゲンの眼からは涙がだだ漏れしていた…





オイゲン「孫ができると思うとテンションが上がってくるぜぇ!!」

ラカム「仮にできたとしてアンタに会わせてくれんのか?」

オイゲン「会いに行くまでだぁ!」


 グランとアポロの関係はラカムによって瞬く間に船内に広がった…

 朝の食堂…


アポロニア「こうして朝食を共にするのも悪くはないな」

オーキス「美味しい」

アポロニア「そうだなオーキス」

オーキス「アポロ、何だか楽しそう」

アポロニア「そう見えるか」

  
 グランはアポロに食事の後、一緒に買い物に行こうと提案した…


アポロニア「この後か? 悪いが昼までに手紙を出したいんだ。付き合えん。その後ならば可能だが」


 午後からは依頼の予定が入っている…。グランはアポロと出かけるのを諦めた…


 
 
 アポロの為に空けていた時間が暇になってしまった…


 グランはどこからか視線を感じ、あたりを見回した…


>>27と目が合った
1、雑談しているオイゲンとラカム
2、食卓に突っ伏しているべアトリクスとぼーっとしているゼタ
3、コーヒーを飲んでいるフリーシア

3

 グランはフリーシアの所へ赴いた…


フリーシア「申し訳ありません、フフフ…彼女が異性と共になるなど想像もしていなかったので、つい貴方とのやり取りを見てしまいました」

フリーシア「彼女とは、関係だけならば黒の騎士となる前からの付き合いですからね。僅かなこの命に一つ娯楽が出来ましたよ」


 フリーシアの身体は度重なる魔晶の使用により衰弱しており、もう長くは生きられなかった…

 この船に来てからも何度も病気にかかっている…


フリーシア「ええ、今は楽です」

フリーシア「貴方も変わっていますね。誰も、私自身もこの命を気にかけはしません」

フリーシア「私は…これからの陛下とオーキスの歩みを見られるだけで良いのです」

フリーシア「オルキス王女には星の民の血が流れており、オーキスの体はゴーレム。二人とも常人よりも遥に長く生きてゆきます…フフフ…私が長く生きてはあの二人の為にまた何をしでかすか分かりませんよ…」

フリーシア「…コーヒーを入れ直してきます……貴方も飲みますか?」

 
 フリーシアの意外な配慮にグランは反射的に頷いた…


フリーシア「分かりました。きゃっ!」


 席をたったフリーシアだが、椅子に足を引っ掻け転んでしまった…

 常にそばで彼女を監視している量産型アダムはあくまで監視用のゴーレムであり、倒れたフリーシアに目もかけず落ちて割れたコーヒーカップを片付けだした…

 グランは急いでフリーシアを抱き起こした…


フリーシア「す、すみません。少し目眩を起こしました…」


 椅子に足を引っ掻けたせいかの様に見えたが、彼女の言葉にグランは焦りを抑えられなかった…


フリーシア「え、ええ。ですが心配は入りません。本当に。足の震えは収まりました」


 目眩ではなかったのだろうか…


フリーシア「コーヒーを入れてきますっ」


 怪我をしなかったか心配だ…




フリーシア「どうぞ」


 カチャン…


フリーシア「人にコーヒーを入れるのは久しぶりです…。ああ、何かの成り行きでアポロニアに入れたことがありましたか…」


 フリーシアとアポロの仲は良くはなかったが、彼女に昔のアポロの事を聞いてみたくなった…

 グランはフリーシアが入れてくれたコーヒーを口にする…

 …それはアポロが入れたコーヒーよりも美味しかった…

 午後から依頼が入っている…

>>32属性パーティー達と依頼に出発した…

ミス
>>34属性パーティーで依頼に出発した…

アポロニア「朝は誘いを断ってすまなかった。依頼で、とはお前のしたかった事とは違うだろうが共に行こう」


オーキス「頑張る」

ナルメア「…」

べアトリクス「…」

ターニャ「…」ショボン…

闇ゼタ「よろしくー」

闇ジャンヌダルク「…」

闇カタリナ「お弁当を作って来たんだ。グラン、後で私と食べよう」

ヴィーラ「…お姉様の為にも………そうお姉様の為に…」

ヴァンピィ「頑張るぞぉ! やるぞぉ! かっぷかっぷっかぷかぷかぷかぷかぷ」

闇カリオストロ(クラリスの学業不振を治す為にも俺様が一肌脱がねえとな……めんどくせぇ)



ヴァイト「…今からでも眷属にしようかな」

ルシウス「騒がしいのは、苦手なんだが今回はやけに静かな者が多いな…」

バザラガ「ふむ…」


 皆で依頼に出発した…

 今回の依頼は大量に発生した魔物の討伐で、倒した魔物の数が多ければより多くの報酬が貰える…

 以来の性質上、自分達以外にも受領者がいるので競争は免れないだろう…


水着ゾーイ「すまない、遅くなった」


 ゾーイは何故か水着姿だった…


水着ゾーイ「競争だろう? 前は勝てなかったからな。今度こそ勝とう」


 グランはゾーイに今回は水着である必要がない事を説明した…


水着ゾーイ「そうなのか?」


 そう言うとゾーイは普段の姿に戻った…


ゾーイ「ふふ…少し楽しみにしていたから残念だ」

 依頼の魔物討伐が始まる。


ならず者達「よーし、報酬は俺達が全部頂くぜ!」

他騎空団「いくぞー!」


 グランも掛け声を上げようとしたが皆勝手に駆け出して行ってしまった…

 前もって連携して挑もうと伝えたのに…


アポロニア「ここまでまとまりが悪いのも珍しいな。仕方がない、もとより私は一人の方が気が楽だ」

アポロニア「お前はどうする? 私と共にゆくか?」

>>38
1、アポロと共にいく
2、○○の所へいく

1

アポロニア「ふっ、よし! ついてこい!」


 グランはアポロと共に駆けて行った…


アポロニア「ぬおおおおおおお!!!」

 
 アポロは魔物を次々と切り倒し群れへと突っ込む…

 普段はどっしりと構えて戦っているので珍しい光景だ…


アポロニア「私の背中はお前に預けているからな、グラン」


 口に出してないのにアポロは疑問に答える。彼女は前を向いたままだったがその言葉に確かな信頼を感じた…




バザラガ「べアトリクス! ゼタ! 団長達は前に行った! 俺達も続くぞ!!」

ベア&ゼタ「「オッケー!!!」」 


ヴァイト「ヴァンピィ! 遊んでないで団長の所へ行くぞ!」

ヴァンピィ「一人でたっくさんやっつけるの~っ!!」

ヴァイト「じゃあ僕だけでも団長のそばに行くよ!」

ヴァンピィ「あぁっ、ヴァンピィちゃんもけんぞくぅのトコに行くー!」


ジャンヌダルク「ああ、道…道が見える……魔物達の血にまみれた道が………団長、待っていてくれ…アッハハハ……!」


カタリナ「くっ…強いな、黒騎士は…」

ヴィーラ「お姉様も負けていません。お姉様もお強いではありませんか」

カタリナ「ヴィーラ…」

ヴィーラ「行きましょうお姉様」

カタリナ「そうだな…!」

 
 次々とグランの仲間たちが彼のもとに集まってゆく…

 
 結果、依頼の報酬の9割はグランの騎空団に支払われた…

 想定以上の報酬金を得たので、その日の夜は騎空艇で盛大な宴会が開かれた…


アポロニア「私は酒を飲まんからな。こっちの席でいい。お前の隣にもいたいしな」

アポロニア「酒癖の悪い奴も中にはいるだろう。酔った勢いでお前に手を出さないとも限らん」

シルヴァ「この席では私の紅茶を振る舞っているんだ。貴方もそれでいいかな」

アポロニア「ああ、頼む」


 グランが着いている食卓には主に騎空団の未成年組が集まっていた…


オイゲン「おう、アポロ! 今日はご活躍だったらしいじゃねぇか! 祝酒開けたんだ、あっちで一杯くれぇ飲めよ!」

アポロニア「貴様、酔っているな。そういう奴らの相手など御免だ」

オイゲン「一杯だけだよ! ばぁーっと盛り上げてやっから! 済んだらグランの所に帰って良いからよぉ」

アポロニア「しつこい」


>>41 グランは… 
1、アポロに行くように勧めた。
2、紅茶を待っているからとオイゲンを説得した。

2

オイゲン「なんだ、そうならそうと早く言えよ! そうか紅茶かぁ…紅茶ねぇ…」


 オイゲンは席に戻っていった…


アポロニア「…昔は読書の為に紅茶を好んでいた。それくらいは知っていたらしいな」

アポロニア「いや、それを言ってあんな素直に帰るとは思ってなかった。感謝する」


シルヴァ「お待たせ。口に合えば良いんだが…」

アポロニア「…。あぁ美味しい。…ありがとう」

シルヴァ「それは良かった」



 グランを含めた若者達は料理を次々と頬張っていった…


アポロニア「オーキスと付き合っている私が言うのもなんだがお前もよく食べるな…」

アポロニア「いや、良いんじゃないか。見ている分には中々楽しい」

アポロニア「口の回りが汚れている所とかな。拭いてやろうか」

アポロニア「ほら、少しじっとしていろ」


ソリッズ「うっおおおっとぉおお!!」


 グラン達の席にカツウォを抱いたソリッズが突っ込んできた。


オイゲン「すまねぇな! 魚が暴れやがってよぉ!!」

セワスチアン「申し訳ございません。ソリッズ様がカツウォを生きたまま捌かれるとおっしゃいまして」

ソリッズ「あば、暴れっ、あばあばあば!!」


アポロニア「貴様ら…」


 グラン達は飛び散った料理を浴びて汚れてしまった… 

イオ「もぉ~本っ当だらしない大人達なんだからー!」

 
 料理を被ってしまったメンバーで一旦お風呂に行く事となった…

 ちなみにアポロはオイゲン達を説教しに行った…


イオ「部屋のお風呂行くのも面倒だし大浴場の方に行かない?」


 この騎空挺に備え付けた大浴場は混浴だ…

>>46
1、行く(メンバー自由指定)
2、行かない


行く
アポロニア、カタリナ、ヴィーラ、ファラ

>>46
アポロはオイゲンたちを説教しに言ったって書いてあるの読めないのかよゴミクズ

>>47彼女を含めての自由指定だから全然OK。


ファラ「いやー気持ちいいっすねー。露天風呂にしたのは大正解っす!」

ファラ「今はゆっくり航行してるから風も良い感じで最高っすー…」

 
 ソリッズに吹き飛ばされた料理の中にはファラが作ったものもあり、先程まで気落ちしていたのだがどうやら元気が戻ったようだ…


ファラ「ふむ、それにしてもどうっすか団長! アタシ、最近筋肉がビシビシっとついてきてないっすか!?」

ファラ「先輩にまた一歩近づいた気がするっす!」


 アポロと比べると細い二の腕だったが、ファラの実力は確かなものだ…。これは同い年として負けられない…


ファラ「それにしても黒騎士さん、遅いっすねー。脱衣所でなんかモジモジはしてたっすけど…」


 グランはオイゲン達を説教していたアポロに彼らも悪気はなかったんだからとなだめ、同じく料理を被った彼女を大浴場に連れて来ていた…


ファラ「ちょっと見てくるっす」

 
 ファラが浴場から上がった時、3つの人影がこちらへ向かってきた…


アポロニア「お、おい押すなっ。自分で行く…っ」

カタリナ「遠慮するな! ほら、ほらほらほら!」

アポロニア「だから押すなっ」


 二人の後にヴィーラも続いて来た…


ファラ「先輩たちも来たっす!」

ヴィーラ「お姉様の酔い覚ましに…」


 だがカタリナの手にはお盆、お酒、お猪口が握られていた…


アポロニア「お前…普通に入ってとは…」


 どこか怒っている様にも恥ずかしがっている様にも見えるアポロは鎧を纏っていない時と似たようなレオタード状の衣類を着ていた…

ヴィーラ「お姉様、殿方も居られますのでこれで肌をお隠し下さい」

カタリナ「何を言うんだ! 風呂に入るのにタオルを巻くなど行儀が悪いではないか!」


 酔ってぎゃーぎゃー喚くカタリナ…アポロはグランを一瞥し、ヴィーラが抱きしめていたバスタオルを無理矢理カタリナに巻き付けた…



カタリナ「あー…美味い……美味いなー…酒…」

ファラ「先輩、ほどほどにするっすよー」

ヴィーラ「気分が悪くなったすぐ私に仰ってくださいお姉様。介抱致します…」

アポロニア「タオルを巻いているとはいえ異性と一緒に風呂に入るなど…」


 グランは首を傾げた…


アポロニア「ふん…まぁそれくらい純朴な方が私には丁度良いのかもな」


>>50 グラン行動選択
1、アポロの格好につっこむ
2、カタリナからお酒を取り上げる
3、ファラと一緒に泳ぐ
4、ヴィーラと雑談する 
5、○○が大浴場の上から見ている事に気が付く

5

表記不足申し訳ない、キャラも安価

   
 あれはフリーシア…
>>53
1、だった…
2、違う、○○だ…

1

 グランはフリーシアに手を振った…


アポロニア「…? 何をしているのだ?」

アポロニア「フリーシア?」

アポロニア「ん…。…。フリーシアなぞ…見えんが」


 見直すと、さっきまでフリーシアがいた場所には誰もいなかった…  

 湯船の中からいきなりカタリナが飛び出してきた…


カタリナ「グラン~、君も飲め。今宵は無礼講だ~」


 カタリナに絡まれてしまった…


アポロニア「おい…」

ヴィーラ「グランさん、こちらに」


 ヴィーラに連れられてグランは湯から上がる…


カタリナ「あぁ~」


 アポロはカタリナの背を擦りまくって無理矢理吐かせにかかった…

ヴィーラ「お姉様はずいぶん貴方に構われますね」


 グランはヴィーラに頭を洗ってもらっていた…


ヴィーラ「まぁ、貴方にはアポロニア様がいらっしゃるので心配はないと思いますが…



 ヴィーラの指の力が少し強くなった気がした…


ヴィーラ「お姉様とアポロニア様はお歳が近いのでちょっとした対抗心があるのかもしれませんね…ふふ」

ヴィーラ「お姉様とは…間違いがない様お願いしますね」


アポロニア「おい」

カタリナ「うぅー…」

アポロニア「吐かせた。持って帰れ」


 どうやらカタリナはもどしても楽にならない様だ…


ファラ「先輩はアタシが連れてくから大丈夫っす!」

ヴィーラ「その役目は私のものです!」


 ファラとヴィーラにそれぞれ両腕を引っ張られながらカタリナは浴場から出ていった…

 グランの頭にはヴィーラが洗ってくれた洗髪剤の泡がまだモコモコと残っている…


アポロニア「ふん…」


 ザッパーン…


アポロニア「私たちも出るぞ」


 湯を頭にぶっかける、アポロらしい豪快な洗い流しだった…

ルリア「フリーシアさんですか? 少し前に席を立たれましたけど…」


 宴会はまだ続いている。

>>58グランはフリーシアを探しに…
1、行く
2、行かない

1

ルリア「あ、だったら私も一緒に行きましょうか?」

ルリア「そうですか…」

ルリア「はい! ありがとうございます! 目一杯楽しんじゃいます!」


  アポロに一言告げてから出ていこうか…
>>60

yes

  退室する道すがらに、カツウォヌスの刺身をオイゲンと食していたアポロに一言断ってグランはフリーシアを探しに行こうとしたが…


アポロニア「おい、待て…フリーシアだと? さっきも見かけたとか言っていたな。何故わざわざ探しに行くのだ」

オイゲン「お? アポロ嫉妬かぁ? 可愛い所もあるじゃねぇか」


 オイゲンはさして自分がフリーシアを探しに行く事に何も思ってないようだ…


アポロニア「嫉妬などでは……。いや、お前との関係でこれはおかしいな…。そうだ嫉妬だ」

オイゲン「何も心配ねぇだろぉ」


 酔っていてもオイゲンの言葉からはグランに確かな信頼を置いていると感じる…


>>64グランは…
1、じゃあ一緒に探しにいこう!
2、あそこで何してたのか聞きに行くだけだよ。
2、なっ…なんにもない…よ。
3、(キャラ名)と一緒に行くから大丈夫!

1

アポロニア「っ」

オイゲン「だぁっはっはっは!」

アポロニア「まったく…」


 アポロは微笑んで席を立った…

 アポロと騎空艇を歩いているとフリーシアと出会った…


アポロニア「貴様…風呂に入っていたのか?」


 どうやらフリーシアは湯上りの様で浴衣姿だ…


フリーシア「ええ、大浴場の方で」

アポロニア「貴様が…?」

フリーシア「大浴場の方に行けばアレの監視も無くなりますので」


 フリーシアはたとえ自室でも量産型アダムが傍についており、入浴時も中に入ってくるという…


フリーシア「他の人間も裸になるあの場所には入ってこれないようで…。と言っても、私は誰もいない時にしか利用しませんが」

アポロニア「なるほど。あそこは貴様が自由になれる数少ない場所と言うわけか。それを聞いて私が黙っているとでも思ったか?」

フリーシア「フ……聞かれた事を正直に話したのですよ。何かご不満ですか?」

アポロニア「何か企んでいるのではあるまいな」

フリーシア「なにも」


 フリーシアはきっぱりと言い切った…

   
フリーシア「何か思う事があるのなら今度からは彼と一緒に入る事としましょうか」


 フリーシアは妖艶な微笑みを浮かべてグランを見据える…

>>67  
1、そうした方が良いかも
2、フリーシアを信じるてるから問題ない

1

フリーシア「…え」

アポロニア「おい!」


 アポロが怒った…


アポロニア「!? 確かに疑わしいと言ったのは私だが、お前がっ…。…馬鹿正直にフリーシアの提案を受け入れる事もないだろう…!」

フリーシア「…」


 フリーシアの頬が朱色に染まっている…。お風呂上がりだからだろうか…


フリーシア「フ……では貴方もご一緒にいかがです?」

アポロニア「誰が貴様と風呂になど入るか!」

アポロニア「おいグラン。貴様、本気でフリーシアの風呂に付き合うつもりか?」

>>71
1、うん。なんで?
2、僕はフリーシアと仲良くなりたい。
3、アポロと一緒にね!
4、…実はトモイとの仲を取り持とうと思ってるんだ。
5、もちろん他の皆も誘ってね!
 

3

アポロニア「はぁ!? 馬鹿を言うな!」

フリーシア「…貴方…。……」


 グランはアポロが一緒にお風呂に入らなければフリーシアと入る気はないと言う…


アポロニア「なんだその妙な脅しは…? お前が騎空団の団長としてフリーシアの大浴場利用を禁止すれば良い話だろう」


 しかしグランは3人での入浴を頑なに望んだ…


アポロニア「…貴様、もしやフリーシアの裸体を見たいと思ってるんじゃないだろうな…」


 グランは首を傾げる…


アポロニア「私が同伴すれば問題無いとでも考えているのか? ふっ……残念だが純心を装った下心を隠しきれていないぞ貴様……!」


 アポロが拳を握りしめ震えている…今にも怒りが爆発しそうな雰囲気だが……


フリーシア「…なるほど…」

>>76
1、それでもグランは3人での入浴を諦めなかった。
2、アポロに気圧されグランは自分の主張を取り下げた…

1

 グランは怯まずに熱い眼差しをアポロに向ける…


アポロニア「…貴様…?」

フリーシア「…」

アポロニア「ちっ…」


 ………
 
 ……

 …


 
 数日後の夜、大浴場にアポロ、グラン、フリーシアの姿があった…


フリーシア「いい湯です」

アポロニア「…そうだな」

 
 グランは二人の間で湯に浸かり、タオルクラゲを作っている…

 アポロはそれを暫く眺め………手を伸ばしタオルクラゲを潰した。


 ブシュー…



アポロニア「なんとなくだ。他意はない。もう一度作れ」



 グランは少しフリーシア側に寄り、もう一度タオルクラゲを作る…



 ブシュー…



 またアポロが潰してしまった…



フリーシア「ふっ…」

アポロニア「もう一度作れ」


 また作ったタオルクラゲは、今度はフリーシアに潰されてしまった…

 アポロとフリーシアの位置はさっきよりも近づいていた…

 グランは脱衣所の方がなにやら騒がしいので、二人に断って湯から上がって外を見に行った…


アポロニア「下らん…」

フリーシア「他者とは裸の付き合いをすればすぐに仲良くなれる、とジンから聞いている様で」

アポロニア「誰かは知らんがそれはそいつの持論だろうな」

フリーシア「…貴方は本当に、もっと他人と上手くやるという事をするべきですね…。彼を使って上手く立ち回れば他の団員とも比較的、効率良く仲良くなれますよ」

アポロニア「私はそういう事をする性分ではないとお前なら知ってるだろう」

フリーシア「まぁ、そうですね。そういう事をしない、と言うよりできないと言った方が正しいでしょう。コミュニケーション能力だけは圧倒的に低いですからね、貴方は」

アポロニア「貴様、叩き切るぞ…?」

フリーシア「ふぅ……。…望むのであればご協力しますが」

アポロニア「…なにをだ」

フリーシア「団員と上手くやる事をです」

アポロニア「余計なお世話だ」

フリーシア「まぁ、言うと思っていましたので、勝手にやらせて頂きます」

アポロニア「何故貴様がそんな事をする」

フリーシア「彼の望みですので」

アポロニア「…グランか」

フリーシア「鈍感な貴方でも彼が私達を仲良くさせようとこんな事をしたのは気付いているでしょう?」

アポロニア「当たり前だ」

フリーシア「堂々と言い張りますね……。彼が、あの時の貴方に怖気づく前に気付いてくれて何よりですよ」

アポロニア「…」プイッ…

フリーシア「でなければ私が彼を慰る事になっていたでしょう」

アポロニア「…どういう意味だ」

フリーシア「言葉通りです。他意はありません。ふふ…」

フリーシア「私が生きている間だけです。彼の望む様に仲良くやりましょう?」

アポロニア「白々しい奴だ。オルキスから聞いているぞ、貴様魔晶に蝕まれているその身体を、魔晶を使って治しているらしいな」

フリーシア「聞いていましたか」

アポロニア「オルキスに伝えるからだ」

フリーシア「陛下に隠し事などしません」

フリーシア「その事は暫く他言無用でお願いしますよ。同情を買って回りに味方を作っている途中ですので」

アポロニア「貴様が大人しくしているならな。グランを裏切ることがあれば容赦はしない」

フリーシア「肝に命じておきます」


 ワーワー…ギャーギャー…


アポロニア「…なにやら脱衣所の方が騒がしくなっている様だな」

フリーシア「大方あの少年と混浴したい団員達が押し寄せているのでしょう」

アポロニア「五月蝿くなりそうだ…」

フリーシア「そうですね…」


アポロニア&フリーシアEND…

終わり。

グランくんが想定以上に純真を貫いた。フリーシアプレイアブル化する事があったら天井待った無し。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom