ほむあんDDR
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「ふぅん……あんたもそういうの、興味あったりするんだね」
「別に。ただの気まぐれよ。あなたがよくやっているのを見るから、1人でやっててそんなに楽しいのかと」
「んー……まぁ、それは人による。少なくともあたしは1人でも楽しいよ。1人でしか楽しめない遊び方もあるしな」
「……?」
「それについては後で話すよ。とりあえず、やりたいってんならやりゃいいよ。幾らでも付き合うし、色々教えてやるからさ」
「あら、随分と気前がいいのね。あなたの事だから、もう少し渋るか、何か、報酬を要求すると思っていたけれど」
「……」
「……あの、どうs」
「DDR民は新規獲得に必死なんだよ……!」
「そ、そう」
「洗濯機に指にウニに……続々と新しい音ゲーが生まれ、ユーザーを獲得していく中……あ、ビーストは悲しい事件だったが……昔からあるDDRのユーザーが増える事はほぼ無い……むしろコンマイの搾取戦術によって減る一方……!そしてユーザーの減少は筐体数の減少に直結する……! 現に、一つ、また一つとDDRの筐体はゲームセンターから姿を消しつつあるんだ……あたし達は必死なんだよ……なりふり構ってなんていられねぇんだ……!」
「何を言ってるのかよく分からないし果てしなくどうでもいいけれど、大変なのは分かったわ」
「あぁ、それでいい、とにかく、音ゲーってのはハマるかどうかが全てだ。1人の新規がDDRに触れたって事が何よりも大事なのさ」
「そうね。あまりもったいぶられると、若干面倒くさく感じるから、本題に移ってくれると助かるわ」
「よし、それじゃあゲームなんだしさっさと始めよう……と言いたい所ではあるが、その前にやらなきゃいけないことがある。ほむら、300円はあるか?」
「えぇ。最初からゲームセンターに来るつもりだったから、ある程度崩してきているわ」
「そりゃいい。それじゃ……ここの券売機でこの灰色のe-amusement PASSって奴を作ってもらう。特に設定とかは必要ないから安心しなよ。これから始めようってんなら、音ゲーってのはカードがないとやってらんないからね」
「そういうものなのね……はい、これでいいかしら」
「よし、無事に作れたな。ここに自分のスコアを残したりできるんだが、それ以上に、プレイする時に自分のやりやすい様に設定したりするんだけどね。コレが無いとそれがまともにできないんだよ」
「へぇ。色々と種類がある様だけれど」
「まぁゲーム作ってる会社は一つじゃないからね。コナミ産の音ゲー……DDRとかポップンとかはe-pass、ナムコ産のmaimaiとか太鼓の達人とかはパナパス……って感じで分かれてるよ。他にもPASELIっていう糞面倒くさい消費者の足元見た仕様が……って、これは煩わしいから後回しでいいや。ゲームに慣れてきたらまた教えるよ」
「そうしてもらえると助かるわ」
「オーケイ。それで、ほむら。今日はけっこうがっつりやるつもりなんだよな?」
「えぇ。水もタオルも持ち込んだし、靴もそれを見越して動きやすい物にしてきたわ」
「マジか。意識高いなおい。まぁそれなら話は早くていいね。長時間しっかりやり込むなら、柔軟体操しといた方がいいぞ。いや、やらなくても別にいいんだけどさ、やってるのとやってないのとで割と違うんだ。靴は……うん、今ほむらの履いてる軽そうなスニーカーで十分だと思うよ。ガチ勢になってくると、普段履きと別でダンレボ用にクロックスだけ持ち歩いたりしてる人もいるけど」
「流石にそこまで入れ込むつもりはない」
「タオルと水持ち込んでるだけで相当だって」
「自分がやる事に手を抜くつもりもないの」
「お、おう……まぁ何でもいいよ、始めよう。まず筐体の端っこにある……ここのセンサーにカードをかざして、100円は中央にある……そう、そこ」シシャーン!
「当然だけど、間近で見るとやっぱり大きいわね」
「そりゃあね。弐寺とかも似たようなもんだとはおもうけど、こっちはプレイヤー側の可動域も確保しなきゃいけないわけで……あ、ちなみにDDRの筐体も種類があってな。白とか赤とかXとかで分けられてるよ。これはXだな。あくまであたしの主観だけど、だいたいはX,古めのとこは黒、白はあんまり置いてない様に思うなぁ……赤は古すぎてもうほぼ無い」
「何か違いがあるの?」
「あたしも詳しいことはよく知らないけど、やった感じだと、白の方が画面が広くて見やすい……くらいか。ただボタン押すとこがちょっと低いのと反応悪い気がするのが難点っちゃ難点かな」
「そう。覚えておくわ」
「いや、これは別に覚えなくていいよ……」
「うん、カードの設定も終わったな。」
「えぇと……バーサスモードね」
「おう。シングル、ダブル、バーサスと、3種類のモードがある。まぁ、特別な事はないよ。タブルってのがさっきあたしが言ってた、1人でしかできない遊び方ってやつだね」
「もしかしなくても、1人で二人分のパネルを使うのね。かなり難しそう……」
「まぁ、シングルより単純に配置が複雑になるから、足運びに気を使う事が増えて、ゴリ押しも効き辛いな。一歩目の足を左か右か間違えるとそれだけで[ピーーー]る」
「へぇ……」
「よし、じゃあまず選曲を……する前にチュートリアルが選べるからそれをやろう」
「あら、親切ね」
\コノゲームハ アシヲツカウンダ/
\リズムニアワセテ↑ ヤジルシヲフ↓メ/
←↓↑→
(ふむ。左と右はいいけれど、慣れるまでは上と下がごっちゃになりやすそうね。そこはしっかり画面と足を確認して踏んでみよう)
(右……右……左……左……上……上……下……下……上、上、上……下を押しっ放し……)
(この程度の速さなら、足元と照らし合わせながらでもできるわね……)
――――
「まぁ、この程度なら楽勝ね。最後の方、ちょっと踏めなかった所もあったけれど、次は踏めると思うわ」
「うんうん、出来る事をやって慣れてったらいいよ。そしたら勝手に出来る事も増えてくからさ。ひとまずの目標は【足元を見なくても流れてくる矢印がどの位置を踏めば押せるのか分かる】だね。まぁ、どんな音ゲーにでも言える事だけど、そこまでは慣れだよ、慣れ」
「えぇ、分かるわ。……頑張ってみる」
「その意気や良し。さて、選曲の方は……どうするかね。とりあえずはやっぱポップスとかその辺の知ってる曲から始めて、ゲームに慣れていくのがいいか。最初のカーソルを少し上に動かすと、ソートを弄れるから、そこから見るといい。慣れてきたら、bpm別とかレベル別は便利だから使っていくといいよ」
「なるほど。やっぱり、ゲームオリジナルの曲があったりするのかしら」
「あるも何も、むしろそっちの方が多いよ。最近は色んなとことコラボしたりしてるけど、アニソンとかそういうのは基本的に新規とかライトユーザー向けだな。ほら、だって普通の曲は音ゲーをする為に作られてる訳じゃないだろ」
「あぁ、なるほど。つまり、より高度な楽しみ方をする為に、それ専用の曲が作られたりする訳ね」
「そういう事。ま、その辺は当然難易度も高くなったりしてくるから、やっぱり慣れるなら一般向けのが一番なんだよ。例えば……これとかどうだ」
【コネクト】
「あぁ、これなら私も知っているわ。結構前に流行ったものね。好きよ、この曲」
「そうかい。好きな曲が入ってて良かったよ、これから何度かやっていくといい。」
※コネクトは2017年現在では削除されており、実機プレイする事は叶いません。悪しからず。
読みにくい改行
>>12 指摘ありがとうございます。以下、行間を一行ずつ取る様にします
「ちなみに、曲の難易度は5種類あって、簡単な方からBEGINNER、BASIC、DIFFICULT、EXPERT、CHALLENGEとなるね。まぁ、CHALLENGEに関してはおまけみたいなもんで、曲によっては他の難易度より簡単だったりする事もあるんだけど」
「難易度はどうやって変えるの?」
「足元のパネルで↑↑と踏むとBEGINNERの方に、↓↓と踏むとEXPERTの方に変えられるよ」
「分かったわ。それと、この、ジャケット横にあるパラメータの意味は……曲の難しさを表しているのかしら」
「ん、今説明する事でもないかもしんないけど、教えとくか。それは曲の性質を表してんの。順に説明していくぞ……
まずSTREAM。全体密度だ。このパラメータが高いほど激しくて足が忙しい譜面になる。
CHAOS。変則度な。曲中に停止や速度変更があったり、リズムが不規則な譜面はこの値が高い。
FREEZEは踏みっぱ度。フリーズアローっていう、さっきやったろ?あの押しっ放しのやつが多い程数値が高くなる。
AIR。ジャンプ度。これが高いと同時踏みが多いって事だ。
VOLTAGE。最大密度。このパラメータが高い場合、曲中の途中とか最後に突然グワッと一気に難しくなったりする」
スレタイでパラリバースに叩きのめされたことを思い出したゾ
「ありがとう、ふんわりとは理解できた気がするわ」
「まぁやってりゃその内実感が伴ってくるよ。さて、ほむらの場合は……最初だし、BASICでいいかな」
「さっきのチュートリアルの感じだったら、DIFFICULTでもいけそうな気がする」
「マジ? 他に何か音ゲーやってたりする?」
「いえ、そういう物にはとんと触れた事が無いわね」
「んー、まぁ、どうせあたしが居るし閉店にはならないからいいか。ちなみにチュートリアルの難易度は1だ。1の中では詐称って言われてるけどな」
「えっと……このゲームでの最高レベルは?」
「19」
>>18 DP鬼しかやった事無いですが、縦連といやらしい配置がしんどいですね……
「……1と2の差って何なの」
「最後のアレだよ、Down、Down、Right。あれはレベル1でやることじゃないっていう」
「……あぁ、そう……素晴らしくどうでもいいわね……」
「あたしもそう思う」
「まぁそれは置いといて、コネクトの場合、BASICが6、DIFFICULTが9、EXPERTが12な訳だけど……」
「DIFFICULTで」
「オーケーオーケー、何事もチャレンジが大事だ。それじゃ、決定……する前に、この決定ボタンを長押しすると、プレイするにあたって、矢印が流れる速さとか、諸々を細かく設定できるぞ。初心者のうちは
【矢印の速度】
【矢印の色】
の2つの項目くらいかな、気にするのは。色に関しては一回設定してしまえばそれでいいけど、速度は大事だぞ
「そうなの?」
「あぁ。遅過ぎたら矢印が重なっちゃって譜面が読みにくくなるし、速過ぎたら単純に反応できない。けれど、曲によって矢印が流れる基本的な速さ……bpmって言うんだけど、それは違うから、自分も曲に合わせてこの矢印速度設定はちょくちょく変えてやらないといけないんだ」
「なるほど。ちなみに、どのくらいがいいのかしら」
「こればっかりは人によって違うんだけど、あたしは……そうだな、足13くらいまではだいたい360前後に落ち着くように設定すると見やすいと思うよ。コネクトはbpm175だから、×2.0だね」
「じゃあ、そうしてみましょう。」
「後ろのバーは持った方がいいのかしら」
「んー……これも人によるんだよなぁ。あたし的には、ある程度踏める様になるまではバー持ちでも全然構わないと思うんだけど、そうすると変な癖がついて地力がつかないって言う人もいる。まぁ、今回はとりあえずやりたい方でやってみるといいさ」
「なら、さっきはバー無しだったから、バーありでやってみるわね」
「そっちの方が実際重心は安定するよ。人によってはバー無しの方がやりやすいっていう人もいるけど……と、もう時間だ、曲が始まるぜ。あたしも今回はDIFFICULTで行こう」
「いよいよね……」
≪Rady≫
(……こ、これは!)
(イントロの時点で思っていたより流れてくるのが早い! →、←はいいけれど、↑と↓で足元を確認する暇が……!)
トメドーナクーキーザマーレーター
(ぐっ……! この三連打がいやらしい……頭で分かった頃には失敗している……!)
メザメタコー
(あっこれ無理)
――――
「やっぱ最初から9は無理があったかな」
「えぇ、そうね……」
「まぁ、最初は誰だってそんなもんだって。さ、次の曲は……うーん、これとか……?」
【女々しくて】
「……ごめんなさい、名前は知っているけれど、ちゃんと聞いた事は無いわ」
「了解。じゃあ……」
「あなたはどのくらいのレベルが好きなの?」
「あたし? あたしは12、13あたりをやってんのが一番楽しいかなぁ。もっと上の奴も、バー持てばできるけどさ。あんまりスマートでもないし」
「大体どのくらいやったらそこまで出来るようになるのかしら」
「さぁ。個人差はあるけど、12あたりまでならすぐだよ。一カ月とかからない。17とかになると、クリアだけでも1年くらいはかかるかもしれないけどね」
「いちねん……」
「で、曲は……これとか」
【はなまるぴっぴはよいこだけ】
「……ごめんなさい、これも知らないわ」
「そうか……」
「せっかくだから、あなたの好きなものをやってみたいわ。難易度も低くすれば、何とかなるだろうし」
「んー、まぁ、ほむらがいいならそうしようか。なるべくリズムとか掴みやすい奴にするかな。ソフランとかはまた次の機会でいいだろ」
「ソフラン? 柔軟剤?」
「絶対言うと思った。音ゲー用語だよ。まぁ今日は見る機会もないと思うから帰り道にでも教えるよ」
「そう」
【凛として咲く花の如く】
「この辺とかでいいかな」
――――
「簡単だけれど、音楽を聞いて行くくらいの気持ちでやるといいのかもしれないわね。これもいい曲だと思うわ。さっきは必死だったから、あまり曲に集中できなかったし」
「うん、最初はそのくらいがいいよ。曲さえ知ってしまえば、自分で調べて聞きこんだり、譜面を見たりできるからね」
「さて、三曲目だな。DDRは基本三曲設定だ。PASELIを使ってるとその限りじゃないけど、今日はあたしもクレジットだから関係が無いな。最後はどっちみちクリアできなくても終わりだから、三曲目にはちょっとクリアは難しいけど挑戦してみたいって思う曲をやるのもいい。今回は……これとか」
【DAYNAMITE RAVE (AIR special)】
「……なんか、パラメーターが振り切れているけど。それに、難易度8……」
「これはほぼ全てが同時踏みで構成されてる譜面でね。パネルの位置とか覚えるのに丁度いいと思うんだよ。まぁ、やってみたらいい」
「わかったわ」
(……あぁ! 同時踏みだらけってこういう!)
――――
「どうだった?」
「同時押しが二つずつ来る間はいいけれど、一つ刻みで踏む場所が変わる様になると、どうしてもバランスがくずれるわ」
「まぁ最初だし仕方ない。でもこれ楽しくない?」
「……えぇ、思ったより、リズムに合わせて跳ねてるだけで、なんだかいい気持になってくるものなのね」
「まぁ覚えるまでは何回かやってくといいよ。次のクレでも一回やろうかな。」
「そうね。次はもう少しいいスコアをとりたいわ」
「最初の内はクリアさえできてりゃいいんだよ。Eでさえなきゃそれでいい」
「でも、あなた、さっきからAAとかばかりじゃない」
「そりゃ、適正帯より低い譜面なら誰だってこんなもんだよ」
「このゲーム、楽しみ方にもけっこうバラつきがあってさ。C判定とかB判定でもクリアできればどんどんその先の難しいのに進んでいく人種と、スコアを突き詰めていく人種と……あとはパフォーマンスに走る人種が居るな。こっちはスコアラーの行きつく先みたいな側面もあるけど」
「ぱふぉーまんす」
「譜面見ないで後ろ向いてやったり、ステップだけじゃなくて振りつけまでつけて踊ったり、色々あるよ。まぁあたし達には縁の遠い話だけど」
「何はともあれ、さ、次クレだ。ほむらが何知ってるかとか分からないから、とりあえず色々適当に選んでみるか」
「その方向でお願いするわ。私も、次はもう少し勉強してこようと思う」
「オッケー。じゃあまずはこれとか」
【bag】
「たぶんさっきの様子を見る限り、7くらいがちょうど良さげなんだよな。あ、でもこの曲のbpmには注意だぞ」
「65。かなり遅いわね」
「5.5倍くらいかな。それで丁度いいくらいだ」
「なるほど、そうやって譜面に合わせて変えていくのね」
「何はともあれ、さ、次クレだ。ほむらが何知ってるかとか分からないから、とりあえず色々適当に選んでみるか」
「その方向でお願いするわ。私も、次はもう少し勉強してこようと思う」
「オッケー。じゃあまずはこれとか」
【bag】
「たぶんさっきの様子を見る限り、7くらいがちょうど良さげなんだよな。あ、でもこの曲のbpmには注意だぞ」
「65。かなり遅いわね」
「5.5倍くらいかな。それで丁度いいくらいだ」
「なるほど、そうやって譜面に合わせて変えていくのね」
>>36すみません重複しました
(なんだか民族楽的な……ゆったりしている曲ね。こういうのも悪くないかも)
(最初はリズムがとりにくい様に思えたけど、ちゃんと曲を聞いていればそうでもないわね、これはいける!)
――――
「おぉ、B判定! やるじゃんほむら!」
「えぇ、それに、たぶん次やったらAも取れると思うわ。なるほど、確かにこれくらいが丁度いいかもしれないわね。曲を聴く余裕もあるし」
「じゃあ難易度7を中心に選んで行くか」
【jane jana】
(遅すぎず早すぎず、ステップを踏むのにちょうどいいくらいの速さの曲ね。これも踏みやすい。なんていうか、陽気なダンスミュージックって感じだわ……)
「どうだ? 足の配置には慣れそう?」
「えぇと……流石にもう少しかかるかも。私、そこまで運動神経はよくないから……」
「へぇ、そうなのか。まぁ、魔法少女になっちまえば関係ない気はするけど」
「あたしも何時頃慣れたかは覚えてないけど、10クレジットはかかってない気がするし、まぁそのうち慣れるかな。じゃあ、さっきのDAYNAMITE RAVE、もっかいやるか」
「分かったわ」
≪Rady≫
(……よし!心構えさえできてればさっきよりはいける! あとはあの終盤だけ……!)
(ああっ! やっぱりできない! いやでもまだもう一回来るはず……!)
「お、さっきよりスコア伸びてるな。良い調子だ」
「……最後」
「ん?」
「最後、完璧にはできなかったけど、二回目には、ちょっとだけさっきより踏めたわ……!」
「おぉ、そいつは良かったじゃん! 今までに見たことないくらい清々しい顔してんな!」
そのまま、ほむら達はリノンのレベルがMAXになるまでバーサスプレイを続けた。
「流石に、これだけやってると……疲れるわね」
「まぁな。水分は補給出来ても疲れはどうしようもないし。まぁ、今日はこのくらいでいいだろ」
「えぇ、満喫したわ」
「汗はどうだ? 体、気持ち悪くないかい?」
「そうね……気にならない、と言えば嘘になるかも」
「だよなぁ。あたしはそういうのも見越して着替えも持ってきてるけど、あんたはそうじゃないよな、流石に」
「そうね……流石にそこまでは想定してなかったわ」
「じゃあ、一回あんたの家まで行って、替えの服持って……銭湯でも行こうぜ。たぶん、そんなに遠くはないだろ」
「え……いいの?」
「汗を流すのも運動の後の醍醐味だろ。いいじゃん別に、行こう行こう」
「そ、そう……」
「銭湯の場所はあたしが把握してるし……あ、もしかして行った事あったりする? ここからすぐ近くだよ」
「いえ、何と言うか……公衆浴場みたいなの、行った事無かったから」
「そうなのか。まぁ、なんて事は無いよ。タオルとお金さえ持ってりゃそれでいい」
「そう……わかった、行きましょう、銭湯。」
「よし、そうと決まれば善は急げ、だ。ほむらの家、どの辺だったっけ……? 方向は覚えてるんだけど」
「まぁ、歩いて行ける程度の距離よ。付いてきて」
「……あの」
「ん、どうした」
「もし良かったら、明日も……」
「……」
「杏子?」
「いや、構わない。あたしは構わないよ。そうか、これでユーザー人口がまた一人増えたな……感慨深い……」
「そ、それほどなの……?」
「あぁ、なかなか無いんだよ……と、まぁ、それはいいけどさ、明日出来るかどうかは、まぁ明日になってから判断した方がいいと思うよ」
「? 何故?」
「まぁ、明日になれば分かるかな。ほら、早く着替え取りに行くよ」
「……分かったわ」
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