【デレマスSS】綾瀬穂乃香「お祝いの日」 (26)
総選挙ネタです。
あとPは女性です。
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たんおめ
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episode 1 上司の個室
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上司「で、今日来てもらった理由はわかってるね?」
フリルドP「柚のデビューの件ですか?」
上司「あぁ、そうだ。ひとまず、喜多見くんのデビューおめでとう。名だたるアイドルたちの中で上位5人に入ったんだ。誇れる結果だよ」
フリルドP「ありがとうございます。柚にも直接言ってあげてください、きっと喜びますよ」
上司「そうだね。今度機会があれば、是非」
フリルドP「で、本題はなんですか?」
上司「直球だね、君は」
フリルドP「これからますます忙しくなりますからね。時間がある限り、あの子たちに費やしたいので」
上司「いい心がけだ。今日君を呼んだのは、君の担当するユニットの今後のことについてだ」
フリルドP「フリルドスクエアについてですか?」
上司「あぁ、柚くんのデビューが決まったフリルドスクエアについて忠告をしておこうと思ってね」
フリルドP「忠告ですか?今後の指示ではなく?」
上司「あぁ、忠告だ」
上司「ユニットの中で、1人だけ先にデビューする。その重大さがわかるか?」
フリルドP「重大さ?」
上司「あぁ。今後、フリルドスクエアというユニットに大きな亀裂が入るかもしれないという話だ」
フリルドP「亀裂ですか...?うちの子たちは仲良しほわほわユニットです。亀裂なんて想像もできないですが」
上司「そうだろうね。でも、私はたくさん見て来たよ、そういうユニットを」
上司「仲良しだった子たちの中で、1人が先に行くことで他の子たちに嫉妬が生まれる。嫉妬というのは怖い感情だ。今まで心が通じ合えてた関係が一変してしまう」
フリルドP「一変ですか?」
上司「あぁ、自分の欲しかったものを今まで身近にいた子が独り占めしてしまう。それを見てしまうと願望が、希望が、夢が全て憎しみに変わってしまうんだ」
上司「その感情を隠そうとしても、それを感じてしまったがために小さな綻びは必ず生じる。微々たる亀裂が生じてしまえば終わりだ。とめどなく流れる感情の圧力が、やがて濁流となってその亀裂から溢れ出してしまう」
上司「年頃の女の子なら尚更だ。その時期の女の子は感受性が強くて、そして感情のコントロールが難しい。性差別をしているわけではない。女の子はそういう繊細な子が多い。同じ女性の君ならわかる部分は大きいと思う」
フリルドP「そういった嫉妬を持つ子ばかりではないんじゃないですか?繊細な子は『多い』だけで、1人が先を歩いても嫉妬を感じない子たちだっているはずです」
上司「残酷な話だが、そういった子たちの方がアイドルとして生き残った数は少ない。嫉妬は向上心そのものだ。それがない限り、消えて行くのは目に見えている」
フリルドP「じゃあ...フリルドスクエアは...」
上司「あぁ、嫉妬が生じても生じなくとも、遅かれ早かれそういう事態になるんじゃないかな?」
フリルドP「まさか...あの子たちに限って...」
上司「さっきも言ったが、私はそういうユニットをいくつも見て来た。そして、全てが長くない時間を経て解散してしまったよ」
フリルドP「!?」
上司「ハハハハハ!でも案ずることはない。長い業界生活、他の事務所でそうならなかった例もある。今から君にそのユニットの話を...」
上司「唯一生き残った例!それは...」
ポツーン
上司「あれ?ここからがいい話だったのにな...」
フリルドP(まさか...まさかあの子たちが...)
フリルドP(1秒でも早く、あの子たちのところに...)
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episode 2 F.S.プロジェクト室
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フリルドP(はぁっ、はぁっ、運動不足の身体に、全力ダッシュは堪えるわね...)
フリルドP(あの子たちにまさかそんなことがあるはずないと思うけど...でも...でも...)
\パーン!!!!!/
フリルドP(部屋の中から乾いた大きな音!)
フリルドP(まさかっ!?誰かが誰かをひっぱたいて!?)
フリルドP「あんたたち!ちょっと待って!!」(扉バーン
しのあずほのか「「「柚ちゃん!!デビューおめでとー!!!」」」
フリルドP「へ?」
フリルドスクエア「「「「へ????」」」」
柚「Pサン?そんなに死にそうな顔でどうしたの?」
忍「もー、柚ちゃんのパーティーなんだからそんな顔しないでよ」
あずき「メイクぐっちゃぐちゃだー」
穂乃香「あのあのあの、大丈夫ですか?どこか悪いところはありませんか?」
フリルドP「は?いや、いま中からパーンて」
穂乃香「ぱーん?」
忍「あぁ、クラッカーの音」
あずき「プロデューサーさんが来るまで待とうって言ったんだけどね」
柚「ちょちょちょ、柚は悪くないよ!柚はPサンを待とうって言ったの。みんなが待ちきれないって」
忍「だって、プロデューサーさん遅いんだもん」
あずき「大作戦はすぐに実行に移すのが掟だよ!」
穂乃香「あのあのあの、仲間外しにするつもりはなかったんですよ」
フリルドP「はは...ははは...はははははははははは」
あずき「うわぁ、今度は大笑いし始めた」
柚「Pサン、その、大丈夫?」
忍「結婚できなさすぎて心に限界が来たのかな?」
穂乃香「忍ちゃん!ひどいですよ!」
フリルドP「あー、いや、取り乱してすまない」
忍「大丈夫なの?もぅ、お祝いなんだからしっかりね」
穂乃香「気を取り直して続きをはじめましょう」
あずき「わーい!お祝い大作戦リベンジだ!」
柚「うぅ、なんかいったん途切れるとはずかしいカモ...」
フリルドP「なーに主役が恥ずかしがってんの、ほらみんないくよ!」
しのあずほのかP「「「「柚(ちゃん)、デビューおめでとう!!!!」」」」
柚「えへへっ、アリガト」
フリルドP「まさかなぁ、フード付きパーカー着てたあのちんちくりんの柚がデビューなんてなぁ。大きくなったなぁ」
忍「なんかそれ親戚のおばさんみたいだよ、プロデューサーさん」
フリルドP「まぁ、もう数年も成長を見届けてるからね、そんな心境だよ」
あずき「うんうん。大きくなったね柚ちゃん」
穂乃香「成長期ですね」
柚「うきゃー!ちんちくりん言うなー!それに柚はデビューしてもパーカーやめないもん!」
柚「もぅ!はいはい、柚の話はいったん終わり!」
あずき「お祝いは柚ちゃんだけじゃなくて」
穂乃香「なくて」
忍「ん?どしたの、みんなクラッカー用意して?」
あずゆずほのかP「「「「忍(ちゃん)!ランクインおめでとー!!!!」
忍「うわぁ!えっ!?アタシ!?」
穂乃香「はい。忍ちゃんも大躍進でした」
あずき「うんうん。名前見つけた時、うわーって叫んじゃったよ」
柚「柚も柚も!嬉しくて楽屋の中走り回っちゃった」
忍「えへへ、なんか真っ直ぐ言われると恥ずかしいね。でも、ありがとう」
忍「でも!アタシまだまだ満足してない!柚ちゃん、次はアタシが追い抜くからね!」
柚「にゃにおぅ!?柚も負けないもん!!」
あずき「あー!ずるいずるい2人で盛り上がって、あずきたちだって次こそは負けないもん!ね、穂乃香ちゃん?」
穂乃香「えぇ、特訓してお二人を追い越してみせます!」
忍「よーし、フリルドスクエア大戦の始まりだ!」(スッ
柚「だれが勝っても恨みっこなしだからね」(スッ
あずき「よーし、追いつけ追い越せ大作戦だよ!」(スッ
穂乃香「みんなで、競い合いましょう!」(スッ
フリルドP(そっか...やっぱり、この子たちなら大丈夫だね)
フリルドスクエア「.........」(ジーッ
フリルドP「.........ん?どした?みんなで、手のひら重ねてこっち見て?」
柚「もー、ノリ悪いなぁPサン」
あずき「円陣だよ円陣!」
フリルドP「あぁ、私も入っていいのか?」
穂乃香「もちろんです、是非」
忍「よーっし、フリルドスクエアこれからも頑張ろー!」
フリルドスクエアとP「「「「「おーっ!!!!!」」」」」
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episode 3 プロジェクト室前廊下
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フリルドP「先ほどは話の途中で退室して申し訳ございませんでした」
フリルドP「はい。はい。そうですね、やっぱりあの子たちなら問題ないと思います。決裂なんて、ありえません」
フリルドP「はい、それでは失礼します」(ぺこり
フリルドP「ふーっ...」
穂乃香「プロデューサーさん」
フリルドP「おわっ!?びっくりした!!穂乃香か?」
穂乃香「あぁ、ごめんなさい。お話中みたいだったので、待ってたんです」
フリルドP「あーいやいや、こっちこそ気がつかなくて悪かった」
フリルドP「他の3人は?」
穂乃香「トランプ大競争っていって、神経衰弱をやっています。私は、殿堂入り?らしいです」
フリルドP「あー、穂乃香の集中力とてつもないからなー。そりゃそうか」
穂乃香「えっと、褒められて、ますよね?」
フリルドP「うん。大いに褒めたよ」
穂乃香「はい。ありがとうございます」
穂乃香「それで、あの、えっと、その」
フリルドP「どうした?聞きたいことがあるなら聞いてくれ」
穂乃香「はい。では、先ほどの電話の件について」
フリルドP「電話?」
穂乃香「私たちが、決裂って...」
フリルドP「あー...ヤなとこ聞かれちゃったね...ハハハ」
穂乃香「いえ、私こそすみません...」
フリルドP「いやー、上司が『柚のデビューで、フリルドスクエアがギクシャクするかも』的な感じで脅してきてさ」
フリルドP「あんたたちに限ってそれはないって言ったんだけどね。『他の解散したユニットもみんなそう言ってた』って脅してきて」
穂乃香「なるほど。だから、さっきあんなに凄い勢いで部屋まで来たんですね」
フリルドP「うん。さすがにビビっちゃってさ。でも、やっぱ杞憂だった。あのおっさんはあんたたちを見くびってた」
フリルドP「いや、そういう言い方はずるいか。私も同罪だ。少しでも疑ってしまった、あんたたちを」
フリルドP「申し訳なかった」
穂乃香「いえ、上司の方も私たちを思ってのことでしょうし、ありがたいです」
穂乃香「それに、プロデューサーさんも謝らないでください。人は周りの環境によって大きく変わります。私はそれをよく知っていますから」(ニコッ
フリルドP「ありがとう、そう言ってもらえて心が少し軽くなった」
穂乃香「プロデューサーさんのいうように、私たちならきっと大丈夫だと思います」
穂乃香「総選挙の結果は...正直悔しかったです。私の名前はなくて...」
穂乃香「なかなか思うように結果が出ない閉塞感。実は前から感じ始めてて、バレエの時と同じ壁に当たってるのかも、なんて」
フリルドP「穂乃香...そんなこと...」
穂乃香「すみません。なかなか相談するきっかけをつかめなくて」
穂乃香「でも、総選挙の結果には忍ちゃんと柚ちゃんの名前がありました」
フリルドP「うん」
穂乃香「少し心がチクっとしたのは確かです。いいなぁ、羨ましいなぁって」
穂乃香「でも、そんな気持ち、その一瞬だけでした」
フリルドP「一瞬?」
穂乃香「はい!私、フリルドスクエアのみんなが頑張ってること、誰よりも知っています」
穂乃香「その頑張りが、届いたんです。報われたんです。そんな嬉しさの方が大きくて」
穂乃香「他のアイドルと比べて、遠回りしていたり歩幅はゆっくりかもしれないけれど、歩き続けていれば絶対に結果は出るって2人が証明してくれました」
穂乃香「だから私も諦めないで頑張ろうって、強く思えました。きっと、あずきちゃんも一緒です」
フリルドP「うん、そうだね」
穂乃香「2人が照らしてくれた道しるべに向かって、走っていける気がします。もちろんそこに向かうだけじゃなくて、その導の先まで走って行けたらって思います」
穂乃香「だから今度も、高い壁を超えられる気がします。前から引っ張ってくれたり、一緒に横を走っていける仲間がいますし、それに」
フリルドP「それに?」
穂乃香「私たちを導いて、見守ってくれるプロデューサーさんがいます。やっぱり、昔とは全然違います」
フリルドP「あぁ、こんな私でよければ舞踏会まで必ずお連れします。シンデレラ姫」
穂乃香「ふふふっ、お願いしますね魔法使いさん」
フリルドP「穂乃香と出会った日のこと、今も昨日のように思い出せるよ」
フリルドP「忘れられない、あんなに苦しそうで悲しい顔をする女の子のことなんて」
フリルドP「でも、もう大丈夫なんだって改めて思ったよ。こんなに優しい顔で笑えるようになったんだ。きっと、もっともっと先へ進んでいける」
穂乃香「はい、それをくれたのはプロデューサーさんとみんなです」
フリルドP「うん。だからもっともっとたくさんの世界を見よう。まだまだ世界は広いんだから」
穂乃香「はい!私、もっと知りたいです。いろんな世界を知って、変わっていきたいです」
フリルドP「うん、だからこれからもどうぞよろしく」
穂乃香「はい、これからもプロデュースよろしくお願いします!」
フリルドP「ところで...」
穂乃香「ところで?」
フリルドP「あんたたち、そこで見てないでこっちに来たら?」
柚「うえっ!?」
忍「ばれてた!?」
あずき「盗み聞き大作戦失敗だぁ...」
穂乃香「ええっ!?皆さん、いつから聞いてたんですか!?」
忍「えーっと、わりと始めからかな?」
あずき「なんかいい雰囲気だったから、入りにくくて」
柚「むー!柚も!柚もよろしくね、Pサン!!」
フリルドP「あぁ、当たり前だよ」(ナデナデ
忍「あー!ずるい!私も!私もよろしくお願いします!」
あずき「あずきも!!あずきももっといろんな衣装着て、たくさんステージに立ちたい!」
フリルドP「あはは、オッケー。みんなまとめてもっと先に行こう!」
穂乃香「ふふっ、大変ですねプロデューサーさん」
フリルドP「なーに、あんたたちのためだもん、まだまだ足りないくらいだよ」
フリルドP「よしっ、お祝いの続きやろう!今夜はまだまだ盛り上がるよ!」
フリルドスクエア「「「「おー!!!!」」」」
E N D
綾瀬穂乃香様お誕生日おめでとうございます。
次の一年も、あなたにとって良い年でありますように。
そして、柚おめでとう!
フリルドスクエアからの初のCDデビュー、次の発表が待ち遠しくてたまりません。
>>2
たんおめあり!
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