未来「もっとほめて翼」 (29)
未来「ふぅ……」
翼「未来ってばもしかして疲れてる?」
未来「ええっ!?なんで分かったの?」
翼「顔にかいてあるもん」
未来「そうなのかな,私ってもしかしてすごく顔にでやすい方……?」
翼「すごく」
未来「そうなんだぁ……」
翼「とりあえず横座りなよ,悩みがあるならきくよ」
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◆
翼「で,何かあった?」
未来「なにかあったわけじゃないんだけど……ちょっと疲れたなって」
翼「うんうん」
未来「やっぱりこう……センターってすごくプレッシャーがかかるのかな?やっぱり注目もされるし……」
翼「大丈夫だよ,未来。アイドルを始めたときよりずっとうまくなってるよ」
未来「えへへ……そうかな」
翼「わかった!あれだ,未来は最近褒められてないんだよ」
未来「ほめられて?」
翼「未来はどんどん歌もダンスもうまくなったでしょ?だからすごいことができても未来じゃ当たり前だ,で終わらせちゃうんだよ」
未来「そうなのかな」
翼「そうだよ,プロデューサーさんにもっとほめて!っていっておいでよ」
未来「それはちょっと……恥ずかしいかな」
翼「乙女だね~」
未来「そんなんじゃないってば」
翼「うーん,プロデューサーも褒めてくれないし……親に褒めてっていうのも恥ずかしいし……じゃあわたしで♪」
未来「どういうこと?」
翼「だーかーらー,わたしが未来をたくさんほめて,甘やかしてあげるっていってるの」
未来「ええー!?」
翼「大丈夫だよ。ただの甘やかせごっこ,ダメ?」
未来「ダメじゃないけど……」
翼「ほらもっとこっちに寄っておいでよ」
未来「わわ……」
翼「どう,わたしに抱きつかれた感想は?」
未来「おっぱいがふかふか……」
翼「いきなりおっぱいって……未来はえっちだね」
未来「えとえと,えっちとかじゃなくて大きいなって」
翼「未来もそこそこあると思うよ?えいっ」
未来「ひゃ!」
翼「未来が色っぽい声だした~♪」
未来「ちょっと翼からかわないでよ」
翼「だってほんとだもん」
未来「うう……」
◆
翼「……どう」
未来「なんか落ち着いてきたかも」
翼「そっか」
未来「翼って何でこんないい匂いするの」
翼「うーん,特に香水とかはつけてないけど」
未来「へぇ」
翼「……未来,頭なでていい?」
未来「……?いいよ」
翼「未来はいい子,いい子」
未来「えへへ」
翼「未来はいつも頑張っているね,すごいね」
未来「そうかな?」
翼「そうだよ。未来が頑張っているから,わたしも頑張れるんだ。未来がいてくれてほんと~によかった」
未来「うう……言いすぎだよ」
翼「言い過ぎじゃないってば……ずっと未来のそばにいたいな」
未来「えへ~ありがと」
翼「未来ってば,表情が緩んじゃってるよ?」
未来「ホント?……直さなきゃ」
翼「なおす必要なんてないよ,だって未来はかわいいもん」
未来「そんな……かわいいだなんて」
翼「未来はとってもかわいくて,しかも頑張り屋さんで……。未来は本当にすごいよ」
未来「すごい……?」
翼「すごいよ!それでとってもエライ!とってもがんばってる!」
未来「でへへ~もっともっと」
翼「未来はかわいいよ,ダンスも歌もとっても上手になった!」
未来「うんうん」
翼「でもわたし,もっともっとこれからも頑張る未来を見たいなぁ……ダメ?」
未来「……ダメじゃないよ!」
翼「ホント?」
未来「ホントだよ!」
未来「春日未来復活しました!明日からもアイドルがんばります!」
翼「……ならよかった」
次の日
未来「翼ぁ,昨日のやつもう一回やって」
翼「え,またぁ?」
未来「なんか翼に褒められるのクセになっちゃって,ほらほら」
翼「近いってば」
次の日
未来「今日もいいかな?」
翼「はいはい,おいで」
未来「今日の私のどうだったかな」
翼「すごく頑張ってたよ」
未来「うんうん,それで?」
翼「それで……あっ,その髪留めかわいい」
未来「でしょでしょ,気付いてくれてうれしいなー」
翼「もしかして今日の朝からこれやってもらうつもりだった?」
未来「なんでわかったの?」
翼「なんとなく」
未来「私見られちゃってるなぁ」
翼「もうそれでいいよ」
未来「ほら頭なでて,いっぱいシャンプーしてきたから」
翼「ホントだ,サラサラだね」
未来「今日ね,クイズ番組の収録があったんだ,だけど全然答えられなくて。私っておバカだから」
翼「未来はバカなんかじゃないよ」
未来「えへ,そうかな」
翼「そうだよ,今日はたまたま知らなかった問題がたくさんあっただけ」
未来「言われてみれば」
翼「どんな専門家さんでも専門じゃないところは知らないに決まってるよ」
未来「そうだよね,織田なんとかさんなんて翼も知らないよね」
翼「…………………しらないよ」
未来「だよねだよね,よかったぁ~」
翼「うんうん,未来はおバカっていわれることちょくちょくあるけど傷ついていたんだね」
未来「傷ついているわけじゃなくて,もう慣れたから……」
翼「慣れたなんて言わないの,未来はダンスも歌もちゃんと覚えられる頭のいい子だよ」
未来「私は……頭がいい?」
翼「そうだよ!未来は頭がいい」
未来「はじめていわれた~」
翼「わたしは気付いてるよ。未来のことをちゃんとわかってるのは翼だけ,はいリピートアフタミー」
未来「私のことをちゃんとわかってくれるは翼だけ……?」
翼「よくできました」
未来「はぁ……だんだんそんな気がしてきた」
翼「未来は頑張ってるね,今日も1日とっても頑張りました,とってもエライ」
未来「あぁ……翼ぁ,翼の甘い声で言われたらおかしくなっちゃう」
翼「おかしくなっていいよ,わたしの前では全部見せちゃっていいんだ。全部を受け止めてあげる」
未来「翼が全部受け止めてくれる?」
翼「そうだよ」
未来「やっぱりこれいいよぉ,今度からもこれやってもらってもいい?」
翼「もちろん」
別の日
未来(翼,今日も「あれ」してもらってもいい?)
翼(いいよ,あとでこっちへおいで)
未来「さっきはジェスチャーだけで伝わったからとってもうれしかった」
翼「それぐらいわかるよ」
未来「こういうの心が通じあってるっていうのかな?とってもと~っても気持ちいい」
翼「だね,わたしも」
未来「えへへ」
翼「今日は何かあった?」
未来「実は今日歌の先生に怒られちゃったんだ」
翼「それはつらいね」
未来「うん……ライブで歌う資格がないって」
翼「たしかにそれは言いすぎだよ」
未来「やっぱりそうかな……」
翼「そうに決まってる」
未来「うーん……」
翼「でもわたしがいるよ?」
未来「え?」
翼「わたしだけが未来の頑張りを認めるってこと」
未来「……うん」
翼「歌は叱られちゃったかもしれないけど,ダンスの出だしのステップのとこ上手になったよね」
未来「……気付いてくれたんだ。ずっと練習してたんだ」
翼「わたしだってダンスばっかりに目がいっちゃって,歌の練習があんまりできなかったことがあるんだ」
未来「翼も?」
翼「そうだよ」
未来「翼もそういうことがあるんだ」
翼「だから大丈夫,ダンスがうまくなってきたから次は歌の練習をがんばろ?」
未来「うん,がんばる……」
別の日
「今日のライブは大成功だったなー」
「よし打ち上げだー。みんな飲むぞ食うぞ~」
未来「ねえ翼,打ち上げが終わったあと少しだけお話いいかな」
翼「いいよー」
翼「やっとみんな帰ったね」
未来「うん……今日の私はどうだった?」
翼「言うまでもないよ,とってもキラキラしてた」
未来「ダンスはどうだった?」
翼「上手にできてた,ずっと練習していた成果がでたね」
未来「歌は?」
翼「外れるとこなく綺麗に歌えてた。バラードもいけるね」
未来「服は」
翼「ちゃんと似合ってた」
未来「でへへ,ありがとう。ほめてくれるのは翼だけだよ」
翼「わたし未来と一緒に踊れてよかった。未来といれば元気がもらえるなーって」
未来「私も翼と踊れてよかったよ」
翼「……ありがと」
未来「ここだけの話なんだけどね……今日のライブは翼のために歌ったの」
翼「うん?」
未来「翼がたくさんほめてくれるからここまで頑張れて……でももっとほめてほしいからライブもものすごく頑張れた」
翼「未来,最高のライブだったよ。未来はやっぱりかわいくて,しかもすごく頑張り屋さん,ライブで練習の成果を発揮できるのもとってもすごいことだよ」
未来「でへへ~ありがとう」
翼「そんな未来とこれからもずっと一緒にいたいな,良―い?」
未来「私も翼といっしょにいたいな」
◆
翼「今日はちょっと疲れちゃった。ねぇ次はわたしが未来にあまえていい?」
未来「私に?ん~っ上手にできるかな?」
翼「上手とかそんなのないよ,未来がそばにいてくれるだけでいいよ」
未来「……うん」
翼「えいっ,もっと寄りかかっちゃお」
未来「……いつもと逆だね。なんだか分からないけど,すっごくドキドキする」
翼「それはね,征服感っていうんだよ」
未来「せーふくかん?」
翼「そう。すっごくドキドキするけど,とっても落ち着くでしょ」
未来「……うん。しかもなんだか……とってもうれしい」
翼「でしょ?」
翼「未来ってほっぺたぷにぷにだね」
未来「もう……つつかないでよ」
翼「ほっぺすりすり~」
未来「やめてってば」
翼「ねえ,未来。ちょっと顔をずらせばほっぺにちゅーできちゃうよ」
未来「うん……」
翼「ダメ?」
未来「……」
翼「返事がないならしちゃうよ,ほら」
未来「わわっ」
翼「いやだった?」
未来「いやじゃ……なかった」
翼「じゃあ次は未来からしてよ」
未来「?」
翼「ほっぺにちゅー」
未来「ええっ!?」
翼「大丈夫だよ,だってわたし未来こと好きだもん。未来はわたしのこと好き?」
未来「……えいっ」
翼「えへへ,ありがと」
翼「じゃあ次はもっとすごいことしよっか?」
未来は最終的にわたしを受け入れてくれた。
ねえ,やっぱり人間って誰もが特別扱いされたくて,認められたいんだよ。
だからちょっと心のバランスを崩しているときに
受け入れてくれる人がいたらすぐにその人になびいちゃう。
未来は天真爛漫だ。だからこそ認められたい気持ちだとか特別扱いされたい気持ちだとか人間らしい気持ちにピンときてなかった。
だから教えてあげた。未来を独り占めするために。
これからは好きな人を独り占めする征服感,女の子同士なのに堕ちちゃう背徳感をたくさん教えてあげるよ。
だってそういう人間らしい,汚い感情を満たすのってとっても気持ち良いんだもの。
おわり
この関係いいね
乙です
>>1
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