絵里「梅雨の日」 (118)

ほぼ初投稿です

感想・意見・批判などあればいただければうれしいです

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絵里「…せっかく練習のために集まったのに、降っちゃったわね…」

海未「まあ朝から曇っていましたししたかないですね」

穂乃果「っていうか最近雨多くない?」

希「時期的にそろそろ梅雨やしね」

穂乃果「ええ~、雨ばっかりで練習できないなんて嫌だよ~」

海未「梅雨に雨が降るのは当然です。問題はこの時期どうするかです」

絵里「しっかり者の海未のことだからなにか考えてあるんでしょう?」

海未「絵里、人任せでは困ります」

絵里「え? なんにも考えていないの?」

海未「…いろいろ考えてみたのですが、そもそも練習場所がないところからスタートしての屋上でしたから」

にこ「でもいまは生徒会の会長と副会長がいるんだし練習場所なんていくらでも確保できるでしょ」

絵里「生徒会は会長のためのものではないから難しいわね。部活動という意味では平等だし」

海未「…そうですよね」

ことり「海未ちゃんちょっと期待してた?」

海未「…ち、ちょっとですよ。生徒会がを思い通りに動かしてほしいなんて無理でしょうから」

絵里「力になれなくて申し訳ないわね」

海未「いいえ、とんでもないです」

にこ「なによ、ちょっとくらい良くしてくれてもいいじゃない、絵里のケチ」

絵里「あら、じゃあもし他の部活から文句が来たらクレーム対応してくれるのね?」

にこ「な、なんでにこが!」

希「練習場所がほしいのはここだけやないってことなんよ」

凛「廊下で練習とかはできないのかにゃ?」

穂乃果「そうだよ! 放課後なら人も少ないし! さすが凛ちゃん! かしこい! 頭いい!!」

凛「いやぁ~、そんなことないにゃ~、えへへ♪」

真姫「…なんでそんなに嬉しそうにできるのかしら」

花陽「凛ちゃんはかしこいよねっ…テストの点数なんて関係ないよっ…!」

ことり「花陽ちゃん…それフォローできてないよ…」

凛「ふふふ…凛はかしこいにゃ…」

ことり「あ、聞いてないからセーフだ」

絵里・海未「「廊下で練習はだめね」です」

希「あ、かぶった」

絵里・海未「…///」

穂乃果「なんでダメなの?」

海未「校則で禁止されてるからです! 生徒手帳を読んでないのですか?」

穂乃果「そんなの読まないよ」

花陽「り、凛ちゃん…大丈夫だよ、凛ちゃんはかしこいよ…?」

海未「なんで凛が落ち込んでいるのですか? とにかく廊下では練習できないですね」

にこ「なんとかしてよ、生徒会長!」

絵里「だからそれができたら苦労しないわよ」

にこ「じゃあなに? 梅雨が開けるまで練習はしないつもりなの? そんなの許さないわよ」

絵里「誰もそんなこと言ってないでしょ?」

穂乃果「真姫ちゃんだ!」

真姫「ヴェェッ…き、急になによ…」

穂乃果「真姫ちゃんの家なら広いから練習できる場所あるでしょ?」

真姫「ちょっと! 人の家で練習されてもメイワクなんだけど!」

穂乃果「真姫ちゃ~ん…おねが~い…」

真姫「暑いからくっつかないで!」

穂乃果「くっ! 穂乃果じゃだめだ。ことりちゃんの出番だよ!」

ことり「…あれは海未ちゃんにしか効果ないから…」

海未「どういう意味ですか!」

穂乃果「うえ~、このままじゃ練習ができないよぉ」

花陽「れ、練習できなくても、アイドルの映像を見て勉強したり…室内でできることをするとか…」

にこ「じゃあ梅雨のあいだずっと体を動かさないの? そんなの無理な話だわ!」

花陽「そうだよね…うぅ、どうしよう…」

一同「……」シーン

穂乃果「とにかく、今日はどうするの? これからのことはまた考えるとして」

海未「…そうですね。今日は普通にダンスの練習をするつもりで来ましたからなんの準備もしていませんし…」

希「でもこんな日ってめずらしいね」

絵里「どういう意味?」

希「だって雨が降りそうな日は海未ちゃんが事前に雨が降った場合のことを考えたりしてるやん」

海未「そうですかね?」

希「だからこういう風に9人が部室に集まって途方に暮れてるのがめずらしくてなんかちょっと楽しい」

海未「楽しいですか?」

にこ「希はときどき変わってるからスルーしておけばいいのよ」

希「なんやにこっち、ずいぶん冷たいやん」

にこ「あんたのよくわからない発言でにこがどれだけ困ったことか! いちいち例はあげないけど!」

海未「にこも苦労しているのですね」

絵里「…希、あんまりにこに余計なことを言ってはだめよ。かわいそうじゃない」

希「わかってるって♪」

絵里「はぁ…本当かしら」

穂乃果「でも希ちゃんの言ったこともわかる! 今日はなんか特別なことしない?」

一同「特別なこと?」

ことり「それってなあに、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「え? それはなんにも考えてないけど、でもしたい!」

ことり「あはは…海未ちゃん怒らないで…」

海未「いえことり、怒りはせずとも呆れはしますね。穂乃果はほんとうにいったいなにを考えているのか」

穂乃果「じゃあこうしよう! みんなのそれぞれやりたいことを一個ずつやっていくっていうのはどう?」

海未「だから穂乃果はなにを考えて……」

絵里「でも実際やることが思いつかないんだし、それもいいんじゃない?」

海未「絵里!」

絵里「じゃあ海未に代案はあるの?」

海未「それは…」

にこ「にこもそれでいいと思うな。今日はもう頑張るって感じでもなくなっちゃったし」

真姫「私はなんでもいいケド」

凛「凛はなにをしようかにゃあ♪」

花陽「り、凛ちゃん…気が早いよぉ…」

ことり「海未ちゃん、みんなもうその気でいるみたいだよ? ことりも穂乃果ちゃんに賛成だよ」

海未「ことり…もう、仕方ないですね。こんなこと今日だけですよ。雨を予測しなかった私にも非はありますし」

希「海未ちゃん、自分に厳しすぎ。天気予報だって外れることあるんやし」

海未「でも念のための準備はできたはずです」

絵里「ねえ、もうそれはいいから話を進めましょ? 私たちも海未に頼りすぎてるところはあるし」

海未「絵里…そうですね。そうしましょう」

にこ「それぞれのやりたいことをするのね。じゃあにこはネットの意見でも眺めていようかしら」

穂乃果「いいね、それ! みんなで一般の意見を見て反省会だよ!」

にこ「え? みんなで?」

穂乃果「そうだよ? それぞれのやりたいことを順番ずつメンバー全員でやっていくんだよ!」

にこ「そうだったのね。まあ、反省会でもべつにいいけど。どれどれ」カチッ

海未「さすがに9人全員でひとつのパソコンを見るのはつらいのでにこが代表で適当なものを読み上げてみてください」

にこ「…そうね、かわいいだとか歌が好きだとか肯定的な意見が多いわね」

海未「そもそもにこはなんのページを見ているのですか?」

にこ「スクールアイドルに関する匿名掲示板ね」

海未「と、匿名掲示板って…大丈夫なのですか? 変な内容とか載ってたり…し、心配です…」

にこ「まあ、そういうことが書かれていることもあるわね。例えば…」

海未「ああ! だめです、読み上げては! ハレンチです!」

にこ「まだなんにも言っていないんだけど」

ことり「う、海未ちゃん…いったいどんなもの読んじゃったの…?」

絵里「かわいそうに…」

希「えりち、今度二人で見ようね?」

絵里「な、なんでよ!」

真姫「で、なにか反省に役立つことは書いてあるの?」

にこ「…うーん」

絵里「否定的な意見を見てみたほうが悪いところを直すという意味では有意義じゃないかしら」

真姫「メンバー一人一人に関することのほうが分かりやすいかもね」

希「まあ、この短時間での話やしね」

にこ「じゃあにこが過去に見たものも含めて言わせてもらうわ。まず穂乃果」

穂乃果「はい!」

にこ「これは近所の人の意見みたいね。

『登校時間と思われるある朝に、パンをくわえて走ってるところを見かけた。あんなに可愛くかっこよく歌って踊っている人が学校に遅刻なんてだらしないし、必死な顔で急いでいるのはカッコ悪い』

ですって」

海未「……穂乃果…だからいつも言っているでしょう?」

穂乃果「う、海未ちゃん…そ、その日はたまたま目覚まし時計がね…?」

海未「いいわけは聞きません! いつもいつも懲りずに夜更かしをしているからこうなるのでしょう? 日頃から規則正しい生活を心がけておけば生活リズムが…」

ことり「う、海未ちゃん? お説教はまた今度に、してあげよう? ね?」

海未「まったく。ことりも甘いのですから…」

にこ「あと過去に見たことがある意見としては、穂乃果はもうちょっと大人しくというか、所作が子供っぽいっていうのはあるわね」

穂乃果「…それ、にこちゃんの意見じゃないよね?」ジッ

にこ「ちがうわよ! だからもう少し落ち着きなさい」

海未「あと早寝早起きです!」

穂乃果「うえ、海未ちゃん…わかったよ…」

にこ「じゃあ次は海未ね」

海未「は、はい! お願いします!」

にこ「そんなに緊張することないわよ…えっと

『パフォーマンス中、ときどき動きが鈍くなったり張りがなかったりします』」

海未「ちょっと待ってください! 私はしっかり踊っているつもりでしたが…」

にこ「続きがあるのよ。黙って聞いていなさい

『もっとはっきりと踊ってスカートをなびかせ太ももをみせてください』

だって」

海未「は、ハレンチです! そんな意見は聞けません!」

にこ「でも実際ダンスに張りがないっていう風に見えているわけだし、別にセクシーとかでなくても普通にスカートをヒラッとさせることもあるのよ」

海未「で、ですが」

ことり「衣装もひらめくときに魅力的になるものだってあるから、私もそこは気になってたな」

海未「ことりまで…」

真姫「というかあんだけスカートの衣装着まくっててまだ恥ずかしさを持ってるのがすごいというか、はっきり言って呆れるわ」

海未「で、では見えそうなくらいすれっすれのスカートを履けるのですか、真姫!」

真姫「え、えぇ? 誰がそんなものはくのよ」

海未「ことりが試しにはいてみろというのです!」

真姫「ことり?」

ことり「…えへっ♪」

絵里「そういう衣装はともかく、パフォーマンスに影響がでるのは問題ね」

にこ「そうよ。海未はその点、反省すること! いい?」

海未「は、はい…」

にこ「次はことりね。えっと…

『髪型のマネができないのでやり方が知りたい』」

ことり「え? それだけ?」

にこ「ことりはね、これといって批判が見当たらないのよね。キャラ的になんでも許せちゃうのかしら。よかったわね」

ことり「う、うん。批判がないのはうれしいけど…とりあえず髪型のことはホームページに載せとくね」

凛「さっすがことりちゃんだにゃ! 女の子の中の女の子のだもんね! うらやましいにゃ~」

ことり「凛ちゃんだってかわいいのに…今度凛ちゃんに似合う衣装作ってきたら着てくれる?」

凛「ほんと!? 着る着る!」

ことり「よかった~。ふふふ、楽しみ♪」

海未「…大丈夫でしょうか…」

にこ「次は凛ね! えっと、

『元気があるのはチャームポイントだけどダンスがたまに勢いがありすぎてズレたりしている』

ですって」

凛「あ~、踊ってるときに楽しくなっちゃってそうなるときはたしかにあるにゃ。よくみてるんだね、ファンの人って
。すごいにゃ」

にこ「そうよ。ファンの目ってすごいんだから」フンスッ

真姫(なんでにこちゃんがえらそうなのよ)

凛「すごいにゃ~。反省するにゃ」

花陽「凛ちゃんえらいよ…! 私はダンス苦手だけどこれからも一緒に頑張ろうね…!」

にこ「花陽も批判は少ないのよね。強いていえばもうちょっと堂々とすればいいんじゃないかしら」

花陽「…えぇ…? 堂々とって…」

凛「かよちんはすっごくかわいいのに自信なさすぎにゃ」

真姫「そうね」

凛「そういうかよちんも好きだけどね」

にこ「次は真姫よ!」

真姫(にこちゃん、さっきからやけにノリノリね)

にこ「真姫に圧倒的に多い批判は無愛想ってところね! ファンにあって写真やサインはオッケーしてるみたいだけど笑顔が少ないしもっとしゃべってほしいって意見があるわ」

海未「しかしあいかわらず写真やサインのお願いは真姫が一番多いみたいですね。見事です、真姫」

真姫「…ヴ、ヴェェ…///」

穂乃果「そうだよ! 穂乃果だってちょっとしかないのに! なんで真姫ちゃんばっかり!」

真姫「し、しらないわよ、そんなの…///」

凛「あ~、真姫ちゃん照れてるにゃ~。かわいい~」

真姫「て、照れてないわよ!」

にこ「とにかく真姫はもっとファンサービスってことを考えるのね! 勇気を出して好きなアイドルに声をかけたのに素っ気なくされたんじゃ悲しいわ!」

花陽「そうだね。ファンの子はきっと優しく笑ってくれるのを待ってるはずだから」

真姫「わ、わかったわよ。心がけるわ」

にこ「次は絵里にしようと思ったんだけどガチ褒めばったりで癪だからとばすわ」

絵里「ちょっとそんな理由で? 私も悪い部分を直したいわ」

希「じゃあうちがあとでゆっくり教えてあげるよ」

絵里「今じゃないのね」

にこ「次は希ね! 希も絵里と同じくスタイルだのバストだのはっしたないことばっかりかいてあるけど…」

真姫「なるほどね、にこちゃんのコンプレックスが刺激されちゃったのね」

にこ「なによ、真姫! 何が言いたいの?」

真姫「え? 声に出ちゃってた? ごめんなさい。忘れて」

にこ「にこの頭はそう都合よくできてないの! あとで覚えてなさい!」

真姫(にこちゃんのくせに)

にこ「希への批判だけど、そうね、ふとって…いえ、なんにもないわ」

希「え? なにを言おうとしたの? にこっちも私にお仕置きされたいん?」

にこ「ご、ごめんなさい!」

真姫(あの意地っ張りで頑固なにこちゃんが謝るなんて)

絵里「にこにいったいなにをしたのよ、希」

希「まあそれはええやん?」

にこ「と、とにかくこれで反省会は終了!」

絵里「じゃあ次の人……は誰になるのかしら」

海未「特に決めていませんでしたね」

にこ「やりたい人からでいいんじゃない?」

一同「………」シーン

にこ「ちょっと! 次は私! って人はいないわけ?」

凛「外に出られないとなんにも思い付かないにゃ…」

にこ「あんたさっきまでワクワクしてなかった?」

凛「てっきりみんな自由行動だと思ってて……みんな一緒にやるとなると難しいにゃ~」

花陽「……そうだね。雨、ぜんぜん止みそうにないし……」

穂乃果「あ~、雨のこと思い出したらまた憂鬱になってきちゃったよ~。雨止んでよ~」

希「……きっと難しいんやと思う……」

絵里「希?」

海未「どうしたのですか?」

希「うちらは基本的に練習ばっかりやってきて……言ってみればひとつのことに集中してたわけやろ?」

絵里「まあ、そうねぇ」

希「だからこういう目的のない日にはなにをすればいいかわからない」

希「……いや、なにをしたいのかわからへんのやと思う」

希「μ`sっていうのはいまのところそういうグループちゃうんかな」

海未「……たしかにそうかもしれません。まだこの9人で練習関連のこと以外をなにかした、ということはないですね」

希「さっきのにこっちのは練習の延長やしね」

にこ「……でもμ`sってそのために始めたんでしょ? 悪いことだとは思わないけど」

希「別に悪いなんて言ってへんで? でもこんなときでないと普段からは考えられへんこともあるし」

にこ「いいけどね、別に」

海未「おもっていたより複雑な問題だったのですね。言ってみればμ`sにとっての非日常」

凛「非日常! なんかワクワクする言葉だにゃ!」

花陽「わ、わたしはちょっと怖いかも……」

凛「凛と一緒なら怖くないでしょ?」

花陽「そ、そうだね! ありがとう」

ことり「わあ、二人ともカワイイ!」

穂乃果「そうだね……うん! やってみよう! この9人でだったらどんなことだって乗り越えられるよ!!」

真姫「……ずいぶんおおげさね……」

にこ「はい! そこの真姫! まずはあんたからよ!」

真姫「な、なんでよ! 私なんにも考えてないんだけど!」

にこ「アイディアがないのはみんな一緒! さあ、その精気のない口からなにか
言ってみなさい!」

真姫「精気がないってなによ。もう、にこちゃんのバカ!」

にこ「ば、バカじゃなくて!」

真姫「むぅ……言えばいいんでしょ、言えば!!」

絵里「よろしくね」ニコッ

真姫「言われなくてもわかってるわよ!///」

真姫(って思いっきり言い切っちゃったけど……)

真姫(まったくなんにも思いつかないんですけど……)

真姫(どうすればいいの…? 凛、助けて…!)チラッ

凛「あ! 真姫ちゃん! 恥ずかしがらずに言ってもいいんだよ!」

にこ「なに? 真姫、恥ずかしの?」

真姫(凛に頼った私がバカだったわ)

真姫(もうこうなったら)

真姫「凛、パス!!」

凛「えぇ~! 凛!! 凛なの!?」

真姫「そうよ、順番を凛に譲ってあげるわ!」

絵里「え? でも真姫……」

真姫「き、気が変わったのよ! 悪い!?」

絵里「ま、真姫がいいならそれでいいんだけど……」

にこ(真姫は一体なにがしたいのかしら?)

凛「えぇ~……でも凛、なんにも考えてなかったにゃ~…どうしよう」

花陽「わ、私も一緒に考えてあげるからがんばろう?」

凛「かよちん……うん!!」

ことり「うわあ、二人ともやっぱりカワイイなあ」

花陽「凛ちゃんの好きなことはなに?」

凛「好きなこと? 走ること! ダンス! ラーメン食べる! かよちんと遊ぶ!」

花陽「し、室内でできることじゃないとダメだよぉ~」

凛「思い付かないにゃ」

にこ「結局だめじゃない」

凛「かよちんと一緒に考えてもだめだったにゃ」

花陽「ご、ごめんね、凛ちゃん?」

ことり「あきらめるのがはやいよお」

にこ「じゃあ代わりにことりが…」

ことり「ことりはダメです! 後がいいの!」

にこ「な、なによ。別にいいけど」

ことり「♪」

にこ「じゃあ次は誰にするの? 一年組は全滅だけど」

海未「仕方ありません。では不肖このわたくしがいかせていただきます」

にこ「き、急に改まったわね」

ことり「海未ちゃん、武士みたいでカッコイイ!!」キャーッ

穂乃果「海未ちゃんはどうするの?」

海未「6月が明ければなにがありますか?」

穂乃果「うーん…七月?」

にこ「そりゃそうでしょ」

凛「にこちゃんうるさいにゃ」

にこ「な、なんでよ!」

海未「ではその7月にはなにがありますか?」

穂乃果「夏休みが始まる!」

凛「おぉ~、やったにゃ!」

穂乃果「μ`sでいっぱいあそぼうね!!」

凛「海行きたいにゃ!!」

海未「夏休みの前になにがあるでしょう?」

絵里「あっ…」

穂乃果「え? なになに? 他に何かあったっけ?」ワクワク

絵里「あ、あるにはあるけど今の穂乃果にはなんていうか、ほら」

希「めっちゃ言いづらそうやん」

真姫「夏休みっていうのは授業が一旦終わるということでしょ?」

穂乃果「そうだよね! 学校が休みだね! だから?」

絵里「だああ!! もう!! テストがあるのよ!!」

希「えりち~」

絵里「だって全然答えないんですもの」

穂乃果・凛「………」

希「ほら、えりちがいきなり言うから二人ともフリーズしちゃったやん」

絵里「私のせい!?」

ことり「穂乃果ちゃ~ん? 私と海未ちゃんがいるから大丈夫だよ? ね?」

花陽「…り、凛ちゃん? 真姫ちゃんに教えてもらおう? 私も一緒にお勉強するから…」

穂乃果「……なつやすみ……」

凛「……うみ……」

海未「穂乃果、凛、安心してください?」ニッコリ

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「二人がのちに困らないように早めに対策をしておきましょう?」

海未「ずばり! 私が提案するみんなですることはテスト勉強です!!」

穂乃果・凛「……へ……?」

海未「バシバシいきますよ?」ニコッ

穂乃果・凛「うわああああ!!」

真姫「う、うるさい…!」

にこ「静かにしなさい!!」

穂乃果「だ、だって……」

凛「テスト勉強だなんてあんまりだにゃ!!」

海未「では聞きますが直前で勉強して点を取れるのですか?」

穂乃果「と、とれる! とは言えない……」

凛「にゃあ」

海未「情けない……だからこそ早めの対策が必要なのです!」

穂乃果「くぅ……反論できないよぉ」

凛「泣きたいにゃあ」

穂乃果「やるしかないみたいだね…」

希「えらいやん! 他人事みたいに見てるにこっちも見習いや」

にこ「ギクッ……に、にこはぁ……」

絵里「安心しなさい! 私がビシバシ鍛えてあげるわ!!」

にこ「にこぉ……」




一時間後

海未「はい! 一段落ついたので今日はここまででいいですよ?」

穂乃果「や、やっと終わった」

凛「頭がパンクしそうにゃあ」

にこ「にごぉ」

海未「ふふふ、三人とも真面目に勉強してくれたので私はうれしいです。この調子でこれから毎日…」

穂乃果・凛・にこ「それは嫌!!」

希「なんやかんやでもうお昼やな」

絵里「え? そうねぇ。ずっと雨だから気づかなかったわ」

ことり「ねえ、みんな。お腹すかない?」

穂乃果「そういえばお腹ペコペコだ」

凛「凛はさっきからずっとお腹が鳴ってるにゃ」

真姫「はしたないわね」

凛「さっき真姫ちゃんのお腹が小さく鳴ったのを聞いたにゃ」

真姫「くっ! お、おなかすいてるわよ! これでいいでしょ!///」

凛「素直じゃないにゃあ」

真姫「ううぅ…///」

ことり「それで提案なんだけど~」

ことり「みんなでお昼ご飯作らない?♪」

ことり「みんなで作ったらきっと美味しいものができると思うし、絶対楽しいよ!」

にこ「あ~、ことりがさっき言ってたのってこれだったのね」

海未「なるほど、ことりのみんなでやりたいことはお昼ご飯作りですか。素晴らしい考えです」

ことり「家庭科室である程度は揃ってるし、部活動の一環として使えると思うの」

ことり「食材だけ買い出しにいけばいいし♪」

にこ「いいじゃない、料理! にこの腕の見せどころね!」

真姫「でも外は雨よ? 傘だって来るときは降ってなかったんだから持ってきてないわよ?」

絵里「傘なら多少は学校に貸し出しよ用のものがあるから大丈夫よ」

希「でも一気に9本借りるのもあれやし、買い出しは何人かに絞ろうか」

ことり「は~い!」ビシッ

希「お? どうしたん? 急に手なんか挙げて」

ことり「ことりの案なので、買い出し班はことりが、決めたい!」

希「ぜんぜんええよ」

ことり「う~んとね、まずはことりでしょ? そしてねぇ、花陽ちゃんと凛ちゃんの仲良しコンビ! 最後に穂乃果ちゃん!」

にこ「ちょっと私は? 料理得意なんだし食材も選びたいわ!」

ことり「待って待って♪ 早まらないで? ことりにはちゃんとした考えがあるのです」

ことり「にこちゃんには学校に残ってもらって家庭科室でいつでも料理が始められるように準備してほしいの」

絵里「なるほどね。慣れた人がいたほうがいいものね」

ことり「ダメ?」

にこ「そ、そういうことならいいわ! 任せなさい!」

ことり「わあ~! にこちゃん頼れる!! カッコイイ!!」

にこ「ただし食材は選びたいからスーパーに着いたら電話をかけてきなさい!」

ことり「うん! まかせて♪」




絵里「ことりたちも買い物に行ったし、私と希で職員室に許可をもらいに行くわね」

希「家庭科室の前で待っててな?」



穂乃果「いや~、みんなで料理! 楽しみだなぁ」

海未「そうでしょうか? 私は怖いです。火事の心配も…」

にこ「そこは料理に慣れた私たちに任せて。それより生徒会のあの二人、許可取れないとか行ってこないわよね?」

海未「あのしっかりした二人に限ってそれもないでしょう」

穂乃果「でも家庭科室ってなんかワクワクするよね! めったに使わないし、授業も楽しいし!」

海未「楽しいって穂乃果、あなたはずっと座って見ていただけでしょ?」

穂乃果「えー、違うよー。ちゃんとお味噌汁が沸騰しないか監視してたよ?」

にこ「穂乃果は食べ専でしょ」

穂乃果「そう! 穂乃果は食べる専門なんだよ!」

海未「自分で言わないでください。今から作るんですからね」

穂乃果「わ、わかってるもん! あ! 来たよ! おーい!」

にこ「許可はとれたんでしょうね?」ジッ

絵里「私なんで睨まれてるのかしら。許可なら取れたわよ?」

希「にこっちは普段の私たちの振る舞いを知らんからなぁ。生徒会としての信頼はそらもうバッチリなんやで?」

>>43
間違い訂正します。

ことり「う~んとね、まずはことりでしょ? そしてねぇ、花陽ちゃんと凛ちゃんの仲良しコンビ! 最後に真姫ちゃん!」

絵里「それじゃあ開けるわね」ガチャッ

穂乃果「わあ! 久しぶりだなあ!」

にこ「ちょっとほこりくさいわね。掃除くらいちゃんとしなさいよ」

絵里「こういう特別教室の掃除は学期末にするものね…」

希「じゃあ私たちが掃除すればいいやんね?」

にこ「まず掃除からって…」

穂乃果「この教室にはお世話になってるからね! 頑張るよ!」




凛「雨が傘を叩く音が気持ちいいにゃあ」

真姫「子どもみたいなこと言わないで」

ことり「凛ちゃんはそういうところがカワイイからそんなこと言っちゃだめよ?」

真姫「べ、別に私は……ごめんなさい」

ことり「素直で良い子だね! 真姫ちゃんもとってもカワイイから大丈夫だよ?」

真姫「///」

凛「あの真姫ちゃんがすんなり謝ったにゃあ」

真姫「う、うるさい」

花陽「あ、あそこのスーパー」

ことり「そう! 今日はここでお買いものするよ? 真姫ちゃん、そろそろ電話かけてくれる?」

真姫「うん」プルルル

凛「着いたにゃ!」

真姫「ちょっと凛! 傘回さないで! 私にかかるでしょ! というかにこちゃん遅い!」プルルル

にこ『あ、真姫? もしもし』

真姫「おそい! 何してたのよ!」

にこ『ごめん、ちょっと掃除してて』

真姫「掃除?」

にこ『そう。電話をかけてきたってことはスーパーに着いたのね。悪いけどあと10分後くらいに掛けなおすわ! じゃあ切るわね!』プツッ

真姫「あ、切れた」

ことり「なんで切れたの?」

真姫「掃除をしてるんだって」 

ことり「掃除?」

真姫「で、10分後くらいに掛けなおすてくるみたい」

ことり「よくわからないけど、じゃあそれまでは私たちで選んでおこっか」

凛「おいしいものいっぱい買うにゃ!」

花陽「無駄使いはよくないよ、凛ちゃん? 必要なものだけにしなきゃ」

凛「わかってるにゃあ」タタッ

花陽「凛ちゃん!走ると足滑らせるよぉ」タタッ

真姫「二人ともどこにいくのよ…」

ことり「ふふ、三人ともカワイイ」

真姫「な、なんで私まで…///」

誤字が多くてすみません。

読みにくいでしょうが脳内補完でおねがいします?

これからもっと注意します。

ことり「本人にはわからないかもだけど一年生組の三人は特別なかわいらしさがあるのよ♪」

真姫「なによそれ…い、イミワカンナイ…///」

ことり(まあ本人が意識してないところがかわいさのヒケツなんだけどね♪)

凛「ことりちゃん! 見てホラ!」ドッサリ

ことり「わあ! かごいっぱいに食材が入ってるぅ! 選んできてくれたの? ありがとう」

凛「えへへ」

ことり「お礼に頭ナデナデしてあげるね? というかしたい」ナデナデ

凛「にゃは~」ホワーン

真姫(本物の猫みたいね。動物的というか)

真姫「でもこんなにいっぱいいらないでしょ?」

凛「何言ってるにゃ! 9人分必要なんだよ?」

ことり「まあでもお昼ご飯だし軽めでもいいかな。そもそもなにを作るかも決めてないし」

真姫「にこちゃんの電話も待ってるしね」

花陽「でも野菜がいっぱい入った栄養たくさんのものにしたいなぁ」


ことり「予算も限られてるしね。みんなからちょっとずつ集めたお金だし」

真姫「何円集まったの?」

ことり「確認してなかった、えへへ」

真姫「もう…予算の確認くらいしておいてよね。困った人」

ことり「えっとね、ここに……あれ? ここだっけ?  あれれ~…」

凛・花陽「?」

ことり「あ、あれ?」

真姫「…もしかして…」

ことり「…落としちゃったかも…」

凛・花陽「えぇーーー!!」

凛「ど、どうするの!? やばいにゃ!」

花陽「食材代が…」

ことり「ごめんなさい……みんなからもらった大事なお金なのに……」

真姫「……」

ことり「…ことりはお財布を探してくるからみんなは学校に戻って事情を説明してきてくれる…?」

凛「そ、そんなのダメにゃ! ことりちゃんを一人にはできないよ!」

花陽「う、うん! みんなで探そう?」

ことり「それこそダメだよ。雨も降ってるのに…」

ことり「お財布をなくしたのはことりの責任だから一人で探します…」

真姫「誰の責任でもないわ。責任って言うのなら9人みんなの責任よ」

真姫「みんなで探した方が絶対に早いんだし」

ことり「…で、でもお昼ご飯はことりの案だから…」

真姫「私たちの言葉が聞こえてないの!?」

ことり「ま、真姫ちゃん」

真姫「とにかくさっさと探すわよ。ほら凛、花陽も来た道をよく探すのよ」

凛「合点にゃ!」

花陽「絶対に見つけようね」

ことり「…真姫ちゃん…みんな、ごめんね…」

真姫「謝るのは全てが終わってからにしてくれる?」

ことり「うん…ありがとう…、えへへ…」グスッ

真姫「なんで笑ってるのよ…」

真姫(泣いてるし…)

ことり「…真姫ちゃん優しいね。頼りない先輩でごめんね…?」

真姫「い、いいから探すわよ」

ことり「うん…!」

真姫(ことりがやたらカワイイカワイイとかいうのはよくわからないけど、ちょっとはわかった気がする)

真姫(さっきのことりの泣き笑いの笑顔…)

真姫(…かわいかった…)




穂乃果「つ、つかれた~!」

穂乃果「掃除って疲れるんだねぇ…」

にこ「こんなので疲れてどうするのよ。私なんていつも一人で家を掃除してるんだからね」

穂乃果「にこちゃんってすごいんだね~」

海未「あなたも自分の部屋の掃除くらいしっかりしなさい! いつもいつも言ってますが」

穂乃果「ひ、ひえ~」

絵里「でもきれいになったわねぇ。頑張ったかいがあったわ」

にこ「でもちょっと時間をかけすぎたわね。約束の十分もとっくに過ぎちゃってるわ」

海未「すっかり忘れてましたね…掃除に熱中してしまって悪いことをしてしまいました」

絵里「結局30分くらいかかっちゃったのかしら」

希「向こうも待ちきれなくなってもしかしたらもう買い物を終えて戻ってきてるかもね」

にこ「それも仕方ないわね。時間を破っちゃったのはにこたちのほうだし」

絵里「でも催促の電話くらいありそうなものだけど……」

にこ「そうねぇ。でもことりもいるんだし変なものは買ってこないでしょ」

希「でもなんの連絡もないのはおかしいね……」

希「もしかして向こうでなにかあったとか」

絵里「え、縁起でもないこと言わないでよ、希」

にこ「なにかあったらなおさら電話があるでしょ」

希「電話できない事情が」

絵里「…え? な、ないわよね、そんなこと…?」

希「例えば余計なものを買っちゃって食材を買うお金がなくなっちゃったとか」

海未「さすがにそんなことは……みんなのお金ですし…」

にこ「でももしそんなことがあったら本当にもうただじゃおかないけどね」

プルルルッ

希「お、噂をすれば……」

にこ「真姫からね。もしもし? ごめんね、電話が遅れちゃって」

真姫『別にいいわよ、そんなこと』

にこ「もしかしてもう買い物終わっちゃったかしら?」

真姫『まだよ』

にこ「そうなの? 30分もなにしてたの?」

真姫『別に。電話を待つ間おしゃべりしてたわ』

にこ「そうなの。待たせちゃって悪かったわ。お買いもの頼んでいいかしら」

真姫『いいわよ。でもちょっと時間がかかるかも』

にこ「時間? どうして?」

真姫『え、えっと……それは……』

真姫『わ、私が忘れ物しちゃったからおうちまで取りに行くのにみんなに付き合って…ちょ! ことり!』

にこ「?」

ことり『ご、ごめんね! 今のは忘れて?』

にこ「ことり?」

ことり「そう! 実は遅れるのには理由があって…ことりがお財布を…きゃ!」

にこ「え? 財布がなんなの?」

凛『凛だよ!』

にこ「な、なによ…さっきから…」

凛『ちょっと電話では言えないけど大事な用があって遅れるにゃ! ごめんにゃ! それじゃ、また!』プツッ

にこ「……は? な、なんなのよ、一体……」 

絵里「どうしたの? なにか揉めてるみたいだったけど」

にこ「揉めてたわけじゃないけど……にこもよくわからないわ」

海未「…まさかなにか本当にあったのでしょうか…?」

海未「困っているのかもしれません。すぐにかけなおしましょう!」

穂乃果「どうしちゃったんだろ……」

希「心配やね」

にこ「……」

絵里「かけなおさないの?」

にこ「……なにか隠しているように感じたの……」

絵里「にこ?」

にこ「……きっとなにか秘密にしておきたかったのよ」

希「にこっちは向こうの気持ちを尊重したいんやね」

にこ「…いい…?」

海未「…心配ですが、にこに任せます」ニコッ

にこ「ありがとう」

にこ(…信じてるからね…真姫、ことり、凛、花陽…)

にこ(……結局お買いもの頼み忘れちゃったけど……)

絵里「じゃた私たちはことりたちがいつでも帰ってきていいように準備を整えておきましょう?」

穂乃果「そうだね! やろう!」



ことり「う~ん…見つからないなあ…」

凛「あそこにもここにもないにゃあ」

真姫「って凛、スカートびしょびしょになってるじゃない!」

凛「真姫ちゃんもおんなじにゃ」

ことり「みんな気を付けてね」

真姫「気を付けるのはことりよ! 全身濡れてるじゃない!」

ことり「…あはは、六月なのに寒いね…」

真姫「…………」

凛「でもいったいどこに落ちたんだろ……」

花陽「どこかにあるはずなのに……」

真姫「もう諦めましょう」

ことり「え?」

真姫「通って来た道をたどってみんなで探したけどなかったし」

真姫「いつまでも時間をかけるわけにもいかないしね」

花陽「…たしかに学校で待ってもらってるんだもんね…」

ことり「で、でも」

真姫「反論でもあるわけ? 実際探しても見つからないしこれ以上は時間の無駄よ」

花陽「…みんなお腹空いてるだろうし…」

凛「凛もお腹ペコペコにゃあ!」

ことり「…で、でも……じゃあ」

真姫「一人で探すっていうのはダメよ? さっきも言ったけど」

ことり「うぅ…」

真姫「…はぁ…」

真姫「…ことりは責任を感じすぎてるわ。そんなんじゃだめよ」

ことり「だ、だめ?」

真姫「そう。だめ。責任なんて押しつけてなんぼなの。みんなで一緒に抱えましょ」

真姫「μ`sってそういうグループでしょ?」

ことり「…真姫ちゃん…」

ことり「…うん、そうだね……ありがとう」

真姫「か、感謝されるのは悪い気分じゃないわね」

ことり「ふふ、今日は真姫ちゃんにかんしゃしてばっかりだ。年下の真姫ちゃんにお世話になってばっかりだ」

真姫「年下のわりに頼れるでしょ?」

ことり「もちろん凛ちゃんと花陽ちゃんも。ほんとにありがとう」

凛「凛におまかせにゃ!」

花陽「い、いつもお世話になってるから…」

ことり「手伝ってもらってごめんね」

ことり「学校に戻ろっか!」



穂乃果「あれ。これなんだろ…」ゴソゴソ

海未「どうしたのですか?」

穂乃果「なんか私のポケットのなかにに見覚えのない財布が…」

海未「ことりの小銭入れではないですか。普段使いのものではないですが」

にこ「どうしたの? ってそれお金の入ってるやつじゃない!」

穂乃果「お財布なんだから当たり前だよ」

にこ「そうじゃなくて食材の買い出し用に集めたお金よ」

穂乃果「え? でももうことりちゃんたちお買いものに行っちゃったよ?」

にこ「だからだめなんでしょ! ことりたちお金持たないまま買い出しに行っちゃったってことよ!」

穂乃果「うえ~! どうしよう!」

海未「なんで穂乃果が持ってるんですか!」 

穂乃果「い、いや、思い出したんだけど穂乃果の分のお金を入れようとしてことりちゃんから預かったまま忘れちゃったんだよ!」

海未「穂乃果! だからあなたはいつもいつも!」

穂乃果「うわ~! ごめんなさ~い!」

絵里「たしかもう全員の分が集まってたと思うんだけど。私が預かっておくわ」

穂乃果「はい」

絵里「…軽いわね。いくら入っているのかしら…………720円…?」

にこ「ぜんぜんないじゃない!」

絵里「9人もいてこれだけしか集まらないなんて……みんなケチね」

希「えりちもいっしょやで?」

絵里「ちょっ……むぅ…」

穂乃果「待って。じゃあことりちゃんたちはお買いものどうしたんだろう」

希「たしかに。お金がないものね」

海未「いったい何をして」

ガチャッ

凛「ただいまー!」

絵里「帰ってきたわ」

凛「食材いっぱい買ってきたよ!」

にこ「あんたたちお金はどうしたのよ」

真姫「お金ってどういうことよ」

にこ「いや、だって穂乃果が……」

ことり「あー! 穂乃果ちゃん、それ!!」

穂乃果「…あはは」

穂乃果「ご、ごめんなさい…ことりちゃんに渡すはずだったお財布をすっかり忘れてて…」

真姫「なによ。もともともってなかったんじゃない。時間の無駄だったわね」

海未「どういうことですか?」

凛「ことりちゃんがお財布を落としたと勘違いしてずっと雨のなかを探してたんだにゃあ!」

にこ「そういえばあんたたちずぶ濡れじゃない!」

ことり「…も、もう…穂乃果ちゃん…」

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「うわ~ん!! よかったよお~!」ガバッ

穂乃果「わ、わあ! どうしたの! 暑いよお! って泣いてる?」

ことり「うぅ」グズグズ

穂乃果「……本当にごめんね? ことりちゃんに苦労させて」ナデナデ

ことり「…ううん。いいの…でも、ほんとによかった……」

絵里「お金はどうしたの?」

真姫「……あとで返してもらうからね」

絵里「真姫がてたかえてくれたの? 申し訳ないわね」

真姫「みんなお財布に全然入っていないんだもの」

ことり「えへへ」

凛「あぁー! いま真姫ちゃんが凛たちに嫌味を言ったにゃー!」

真姫「ち、ちがう! 事実を言っただけでしょ!」

花陽「ケンカはやめようよぉ」

絵里「真姫はお金を貸してくれたのだからお礼を言わないとね。ありがとう」

真姫「べ、別にいいわよ!」

海未「お金の貸し借りはよくありませんが……」

にこ「こんなときまでカタいのねぇ、海未は」

絵里「とにかく食材も揃ったことだし料理をはじめましょ。みんなもお腹が空いているだろうしね」

凛「そうにゃ~。お腹ペコペコだよぉ」

にこ「料理はわたしに任せなさい!」

希「でも料理ってなにをつくるの?」

ことり「こういうときはカレーがぴったりかなって思ってそれに必要なものを買ってきたの」

ことり「ごめんね、にこちゃん…電話できなくて…」

ことり「もう急いでてそれどころじゃなかったの。カレーならすぐにできるし」

にこ「別にいいわよ。それより早くジャージでも借りて着替えてきなさい。こんな季節でも普ふつうに風邪ひくのよ?」

ことり「は~い。いってきます。みんな、行こう?」




ことり「保健室から借りたジャージに着替えてきました! ジャージ四姉妹でーす!」

穂乃果「わあー、ただのジャージなのになぜかかわいい!」

真姫「ただのジャージなのになぜか恥ずかしいわ」

凛「こっちのほうが動きやすいにゃあ」タタッ

花陽「り、凛ちゃん…家庭科室の中で走ったらあぶないよぉ…」

絵里「さあ、じゃあ料理を始めましょうか」

にこ「やっと始められるのね」

希「まあまあええやん。お腹が空いたほうがもっとおいしく味わえるで?」

ことり「じゃあ始めます! 料理に慣れているわたしとにこちゃんが中心になって作っていきます。9人で作ればきっとあっというまにできるよ!」

穂乃果「ちょっと待って。白ごはんはどうするの?」

花陽「え? 炊飯器ならもってるよ?」

穂乃果「…なんでもってるの…?」

花陽「だってカレーにごはんは必要だよ? ほら、白米だってここに」

穂乃果「準備万端だから細かいことはもういいや。ようし! つくるぞ~!」



ことり「はい完成!!」

凛「はやいにゃ~」

花陽「あっというまにできちゃったね」

海未「にことことりのいうとおりに動いていたらすぐに出来ていました…」

絵里「さすがにことことりね」

にこ「でしょ?」

ことり「9人もいたし、それにみんながちゃんと動いてくれたからできたんだよ」

花陽「ごはん炊けたよ~!」

にこ「おっ! いいタイミングね! ありがとう、花陽!」

ことり「花陽ちゃんだけ別行動で独自に動いてたんだよね…」

真姫「手伝うって言っても怖い顔で断られたんだけど」

希「あんなに真剣にお米を炊けるのもなかなかやね」

穂乃果「出来たなら早く食べようよ~…穂乃果お腹空きすぎてぺっちゃんこになっちゃいそうだよ~」

海未「さすがに私もお腹が空いてつらいです」

ことり「じゃあもうたべちゃおっか!」

にこ「ほら!私がカレーを平等によそってあげるからお皿を持って並んで~」

花陽「ごはんは私に任せてね?」



ことり「いろいろトラブルがあって遅れてしまったけど、無事にお昼ご飯を作ることができました!」

ことり「みんなに感謝して…」

ことり「いただきまーす!」

一同「いただきまーす!」

海未「おいしいです! カレーの味も野菜もバランスがよくて、そしてなによりお米がものすごくおいしい!」

凛「こんなおいしいお米食べたことないにゃあ!」

花陽「今日はけっこううまくできたんだぁ」

絵里「本当ね。すごいわ、花陽」

真姫「…おいしい。怖い顔で作るだけあるわね」

にこ「今度おいしいお米の炊き方教えてくれない?」

花陽「いいえ!」

にこ「え?」

花陽「お米のえらびかたからです!」

にこ「あ、ありがとう…」

ことり「…真姫ちゃん…」ボソッ

真姫「なに?」

ことり「今日は本当にごめんね」

ことり「謝るなら全部終わってからって言ったから」

真姫「…バカね」

真姫「ごはんを食べ終わってからにしてくれる?」

今回はとりあえずこれで終わります。


思いの外長くなってしまったので分けてまた続きを書きたいと思います。

お読みいただきありがとうございました!

そうですか?
じゃあこのまま続けます




絵里「さて、また部室に戻ってきたわけだけど」

ことり「雨全然止まないねえ…」

希「この調子やと一日雨っぽいね」

海未「そうですね。天気予報を見るとそうなってます。ただ昼までは晴れだったのですが」

凛「そうにゃ。今日はたしか昼から雨が降るから練習は朝だけって海未ちゃんが言ってたにゃ」

海未「本来の予定ならば練習を終えている時間ですね」

絵里「じゃあもうお開きなの?」

一同「…………」シーン

穂乃果「でも今日は練習していないんだし予定通りじゃなくてもいいんじゃないかな」

絵里「だれかこのあと予定のある人はいるの?」

一同「…………」シーン

絵里「決まりね。このまま続けましょ?」

にこ「そうね。たまにはこういう日も悪くないかもね」

絵里「じゃあ次は誰になるのかしら」

希「そもそも誰が終わったんだったっけ」

絵里「そうね。振りかえってみましょうか。」

絵里「まず、にこのネットの意見からの反省会よね」

にこ「そうよ。次に真姫と凛、花陽が三人ともパスしたのよ」

絵里「そうよ。三人はなにをしたいのか決まったの?」

凛「う~ん……なんにも考えてなかったにゃ」

凛「かよちんもなんにも思いつかないの?」

花陽「わ、わたしもなにも……」

真姫「私もこれといってやりたいことはないわね」

絵里「困ったわね」

凛「じゃあ食後の運動ってことで筋トレでもいいかにゃ? たしかそういう教室があったと思うんだけど」

絵里「体育館の近くにトレーニングルームがあるわね。たしか今日はたどの部活も使う予定はなかったと思うわ」

凛「じゃあそれで決定にゃ!」

海未「筋肉トレーニング…結局練習の延長になるのですね、ふふ」

凛「そうと決まったら行っくにゃあ!」



海未「ふう、いい汗をかきましたね。実にさわやかな気分です」

穂乃果「疲れたよぉ」

ことり「私も…へとへと……穂乃果ちゃんの体熱い…」

穂乃果「ことりちゃんだって」

凛「ランニングマシーン楽しかったなあ! かよちん、また来ようね」

花陽「は、花陽は見てるだけでいいかな……疲れたよぉ…」

凛「かよちん全然運動してなかったにゃ」

花陽「わ、わたしにはどの機械も動かすのが難しかったよ…」

凛「真姫ちゃんなんてもっと動いてなかったにゃ」

真姫「…………」ハァハァ

凛「なのにめっちゃ疲れてる。変な真姫にゃ」

真姫「…………」ハァハァ

真姫(私ってもしかしてμ`sイチ体力がないのかも)

絵里「あんまり筋トレなんてしたこともなかったけれどけっこう楽しいものね」

希「うん。いい運動になったね」

にこ「…そ、そうね…」ハァハァ

にこ(こいつら、私以上に動いていたくせに全然しんどそうじゃない)ハァハァ

にこ(…どこにそんな体力があるのよ…)ハァハァ



絵里「さあ、三度の部室よ。まだ花陽と真姫が残っているのだけど」

花陽「…うーん…」

真姫「思いつかないわね」

真姫(みんなトレーニングのためにジャージに着替えてて)

真姫(まるで運動部みたいだわ)

真姫(それに心なしか汗くさい)

真姫「お風呂にでも入ってくる?」

絵里「え?」

真姫「ほら、世の中にはお金を払ったらいつでも入れる大きなお風呂があるんでしょ?」

にこ「なんていうお嬢様発言かしら。銭湯という言葉も出てこないなんて」

真姫「ひ、人を世間知らずみたいに言わないでよ!」

絵里「でもいいアイディアかもしれないわね。さすが真姫だわ」

真姫「…///」

希「じゃあみんなでお風呂に行くってことでいいの?」

穂乃果「じゃあ穂乃果安いところ知ってるからそこに行こう!」

絵里「決まりね」



穂乃果「ここだよ!」

絵里「へえ…昔ながらのって感じね」

にこ「ちょっと傘を上に向けないでよ! にこに雨がかかるんですけど!」

絵里「ああ、ごめんね」

にこ「なんで傘を傘を最低限しか借りたくないからってにこと絵里が相合い傘なわけ? いつもみたいに希とベタベタしとけばいでしょ?」

絵里「私と希じゃ傘からはみ出しちゃうもの。仕方ないでしょ」

穂乃果「とにかく入ろう!」タッ

海未「穂乃果! 急に動かないで!」タッ

穂乃果「お邪魔しまーす!!」




穂乃果「おばあちゃん、久しぶり!」

銭湯の人「おや、久々だね。お嬢ちゃん、また大きくなって」

絵里「お世話になります」

銭湯の人「おやおや、たくさんお友だちを連れてきたんだね……でも」

穂乃果「?」

銭湯の人「まあいいやね。いらっしゃい」



真姫「ふぅん、タオル類まで貸してくれるのね」ヌギヌギ

凛「暑いからさっさと脱ぐにゃ」ヌギヌギ

花陽「凛ちゃん待って…」ヌギヌギ

絵里「ふぅ、銭湯なんていつ以来かしら。なんだか緊張するわね」ヌギヌギ

希「じゃあうちが優しく教えてあげるね」ヌギヌギ

にこ「…………」チラッ

にこ(こいつらホントににこと同い年なのかしら)

にこ(差がありすぎじゃない?)

真姫(……にこちゃんのハダカ……カワイイ……ギュッとしたい…)ジー

にこ(……なにか視線を感じるのは自意識過剰ってやつかしら)

穂乃果「私子どもの頃よくここに来てたんだ!」ヌギヌギ

海未「ええ、私とことりもよく一緒に連れてきてくれてましたよね」ヌギヌギ

ことり「穂乃果ちゃんがよく浴槽で泳いでさっきの銭湯のおばあちゃんに怒られてたよね」ヌギヌギ

穂乃果「…あはは…子どもの頃の話だし…」

海未「本当に。今日はやめてくださいよ」

穂乃果「さすがにもうやらないよ! 穂乃果を何歳だと思ってるの!」

凛「凛が一番乗りにゃあ!」ガラッ

花陽「待って、凛ちゃん!」

凛「うわあ、思ってるより広くないにゃあ」

絵里「どれどれ……本当ね。洗い場もギリギリ9個…」

希「浴槽も9人が入れるかどうかってことろやね」

穂乃果「あれ、思ってたより狭いや」

ことり「あのときはもっと小さかったから大きく感じたんだね」

真姫「みんなでおんなじ空間で体を洗う感じなのね」

真姫(…ちょっと恥ずかしいわね…)

希「まあ安かったんやしええんやない?」

にこ「なにみんなで突っ立ってんのよ。早く洗うわよ」スタスタ

凛「かよちーん! 久しぶりに体洗いっこしよ! 背中流してあげるね!」

花陽「わ、わたしは自分のペースで…」

真姫(誰かに体の洗い方を見られてるみたいでやりづらい…)ザー

絵里「ふんふーん」ザー

希「お! 白い背中に金髪が張りついてセクシーやね。ハリウッド映画みたいやわ」

絵里「ほ、ほめてもなにもでないわよ?…///」

希「ただしホラーね。このあと後ろから襲われて…」

絵里「やめて!」

にこ「………」ザー…ゴシゴシ…

にこ(見ちゃダメ…二人を見たらにこの自尊心が…)ザー…ゴシゴシゴシゴシ…


カポーン

穂乃果「せ、狭い」

海未「…ぎゅうぎゅうです…」

ことり「キャッ…! だれか私のおしりを撫でた…!」

海未「すいません…/// わざとではないのです…///」

絵里(さっきから私のおしりに希のおしりがぶつかるのだけど)

絵里(私のおしりが大きいからとか言われたくないからなにも言えない……)

希(さっきからうちのおしりがえりちのと当たってるんやけどうちのが大きいからとかからかわれたくないから言えない……)

絵里・希「……///」

にこ(さっきからこいつらなに二人して黙ってるのよ。気持ち悪いわね)

サッ

にこ(うわっ…だ、だれか私の腰を撫でた…?)

サッ

にこ(うっ…! 次は太もも…)

にこ(なに……なんなのよ…!)ドキドキ

真姫(……にこちゃんの体あちこちが小さくてカワイイ……///)ドキドキ

凛「あ! おしりがぶつかって邪魔にゃ!」

絵里・希「……!」ドキッ

凛「真姫ちゃんのおっきいおしりのせいにゃ!」

絵里・希「……」ホッ

真姫「誰のおしりが大きいのよ!」

凛「かよちんの体柔らかいにゃあ……」

花陽「ひゃっ…! き、急に触らないでよぉ……」

ことり「穂乃果ちゃんの胸また大きくなった?」モミモミ

穂乃果「あっ…/// いきなり揉まないでっ…///」

ことり「あれ? 急にじゃなかったら揉んでもいいんだ?」モミモミ

穂乃果「ムゥ~…こうなったら」

穂乃果「揉み返してやる!!」モミモミ

ことり「きゃあっ…あっ…/// ほ、穂乃果ちゃんっ! 激しいよぉ…///」

海未「…………」

海未(は、ハレンチです…!)カァー

穂乃果「えいっ」プニッ

海未「ひゃっ!?」

穂乃果「ふふふふ」モミモミ

海未「ほ、穂乃果! や、やめなさい!///」

ことり「私も♪ えい♪」モミッ

海未「こ、ことりまでっ……! こらっ! ……あっ…/// いやっ…///」

絵里「…二年生組がずいぶんハレンチなことになってるわね。海未がかわいそうだわ」

希「うちらもやる?」

絵里「は? な、なんでよ…」

希「えりちの大きいおしりをモミモミしてさ」

絵里「あ! 言ったわね! 希のおしりだってね! とっても大きいんだから!!」

希「揉み合いせえへんの?」

絵里「するわけないでしょ! 女の子同士なのに!」

にこ(……あんたらがしたら大変なことになりそうね……)ドキドキッ

にこ(……それにまだ…)

ナデッ

にこ(ひゃっ! …まだ触られ続けてるんだけど…///)

真姫(……にこちゃんの反応が癖になってきちゃった…///)




銭湯の人「ずいぶん長いこと入ってたんだねぇ。体が真っ赤で」

穂乃果「…あはは…、熱くてもうふらふら」

銭湯の人「にしても制服かわいいね。来たときはジャージだったけども」

穂乃果「…ど、どうも……」

ことり「…ご、ごめんね、海未ちゃん」

海未「ゆ、許しません…二人とも…」

ことり(ちょっとやりすぎちゃった♪)

絵里「あ、熱い」

希「ね?」

絵里・希「…………」

にこ(……この二人ずっと黙りがちで気持ち悪いかったわね……あわよくば揉み合いしたいみたいな雰囲気で……)

にこ(……結局にこは謎の相手にほぼ全身を触られ揉まれしたわけだけど……)

にこ(…これって警察は取り扱ってくれるのかしら…)

にこ「……いろんな意味でのぼせたわ……」フラフラ

にこ(真姫も肌が真っ赤でフラフラね)

真姫(……にこちゃん、愛してるわ……)フラフラ

凛「かよちん、また二人で来ようね!」

花陽「こ、今度は急に抱きついてきたりしないでね…?」

絵里「…で、次はどうするの? 花陽?」

花陽「あ、あの…ちょうどこの近くにアイドルグッズショップがあるからみんなで寄ってもいい?」

絵里「いいわよ」

にこ「また絵里と相合い傘なのね」

絵里「むしろ雨に当たりたい気分だけどね」

絵里「ではゆっくりでもいいから行きましょうか?」グッタリ



花陽「ふぁーー!! 素晴らしいっ! 素晴らしいです!!」

真姫「…花陽?」

花陽「まさかの伝説の同人誌が売っています! 見事です!! これは即買いです!!」

にこ「ぬわんですって!! 私もほしいわ!」

花陽「にこちゃんっ…!! これは値段がそこそこしますっ…!!」

花陽「ふたりで共有しませんかっ…??」

にこ「…同意するわ!」

絵里「…ふたりとも元気ね…」

絵里「あらっ、これかわいい……」

花陽「お目が高いです、絵里ちゃん! それは孤高のアイドルの代名詞である髪飾りなのです。彼女は金髪碧眼のハーフアイドルで、まさに絵里ちゃんのルックスにぴったりの代物なのです! その色合いからして金色の髪に合うように彩色されていてその形が…!!」

絵里「わ、わかったわ! ありがとう、花陽」

花陽「私がお金を払うので絵里ちゃんにつけてほしいです!! いいですか!!」

絵里「それは申し訳ないわ。きっと高いんでしょ?」

花陽「安いですよ? これは模造品なので」

絵里「そ、そう? 花陽がそんなに言ってくれるなら買ってもらおうかしら…?」

花陽「絶対につけてくださいね!!」

絵里「え、ええ…」

絵里(…なんで敬語になってるのかしら)



穂乃果「わあ~、絵里ちゃんどうしたのそれ? かわいい!!」

絵里「花陽に買ってもらったの」

穂乃果「花陽ちゃんに? なんで?」

ことり「わあ~! 絵里ちゃんカワイイ!! いいなぁ」

花陽「素晴らしいですよね!?」

ことり「今度私も作ってくるからつけてほしいな♪」

海未「そっちですか…」

にこ「へえ、孤高のアイドルの髪飾りね。なかなかセンスいいじゃない」

にこ「白い百合の大きな花びらが絵里のハーフっぽい顔立ちによく似合ってるわ」

花陽「今日は一日それをつけててね?」

絵里「一日なのね…」

海未「では次はどうしますか? 残っているのは穂乃果と希と絵里の三人ですが」

穂乃果「う~ん、それが全然思いつかないんだよね」

にこ「穂乃果ならまっさきに思いつきそうなものなのに」

希「それに発起人やしね」

穂乃果「う~む……難しい…」

絵里「こんなに迷ってる穂乃果も珍しいわね。先に希がいってもいいのよ?」

希「うちもなかなか…ね。えりちは?」

絵里「私もねぇ」

にこ「ずいぶんやる気がないのね。呆れるわ」

穂乃果「ちょっと小腹がすいたな……そうだっ!」

穂乃果「この近くに駄菓子屋があるからそこに寄っていかない?」

にこ「別にいいけど」

絵里「駄菓子屋なんてあるのね。懐かしいわ」

穂乃果「そうと決まればさっそく行こう!!」


絵里「うわぁ、懐かしすぎて涙が出てきそうだわ…」

希「あんまりえりちの口から出てきてほしくないセリフやん」

真姫「……や、安すぎない…?」

真姫「こんな値段で本当に大丈夫なの?」

にこ「駄菓子を見たことないの!? あんたどこの世界で生きてきたのよ!」

穂乃果「真姫ちゃん!! これが駄菓子なんだよ!!」

穂乃果「お金の少ない子どもの味方! 美味しいお菓子をいろんな種類楽しめるの!!」

海未「よく行きましたよね。中学生以来足が遠のきましたが昔そのままですね」

ことり「甘いお菓子が好きだったなぁ」

凛「これとこれとこれとこれも……」

花陽「あ、あんまり買いすぎると…」

駄菓子屋店主「合計210円」

花陽「や、安いっ…!」




絵里「さあ、ついに残るは私と希のふたりね」

希「…困ったなぁ」

穂乃果「雨もぜんぜん止んでくれないし」

にこ「なんでもいいじゃない。もういい加減パッと決めてサッと終わらせましょ」

希「ずいぶん適当やん、にこっち」

にこ「あんたらが迷いすぎてるのよ。なにをそんなに真剣に考えてるんだか」

海未「でも迷う気持ちもわかります。行動するのは自分一人の気持ちではないですから」

ことり「適当なことは言えないよね」

真姫「にこちゃんサイテー」

にこ「ちょっと最後おかしくないっ!?」

凛「凛は今日とても楽しかったにゃ! みんなでご飯をつくってお風呂も入ってお菓子も食べて」

花陽「この9人でこんなことができるとは思わなかったな…」

海未「勉強もはかどりましたしね?」

凛「そ、それは別になくてもよかったにゃ……」

希「そうやねぇ……今日はμ`sにとっていつもと違う特別な日やったね」

穂乃果「うん!! そういう意味では雨に感謝しなくもないかな!!」

海未「ふふふ」

ことり「もう少しでこの楽しい日も終わる……」

穂乃果「……寂しいなぁ」

絵里「希のやりたいことは本当にないの?」

希「……うちのやりたいこと……」

希「……うち……」

絵里「…希?」

希「そろそろ帰らない?」

絵里「え?」

にこ「なに言ってるのよ。まだ希と絵里の番が残ってるでしょ」

絵里「そうよ。突然なによ」

希「でも別に全員分回さなあかんってわけではないやろ?」

絵里「なに言ってるの?」

希「特にやりたいこともないんやったら」

希「もうええんやないかな?」

絵里「…え?」

にこ「だめに決まってるでしょ! 全員分回さないといけないのよ。だからそれまでみんな考えてきたんでしょ!」

絵里「そうよ。なんでそんなこと言うの?」

希「じゃあえりちのやりたいことを早く言ってよ!」

絵里「……の、希……どうしたの…?」

希「やりたいことなんて思いつかないんやろ?」

希「……たしかに今日はとても楽しかった。特別で非日常な日……」

希「トラブルもあったけど、普段はやらないような楽しいことがいっぱいで」

希「正直かなりワクワクしてたん、うち……」

希「でも同時にがっかりもしたん」

希「なかなかみんなアイディアも思いつかないし、あったとしてもそれはμ`sの活動の延長かご飯や勉強で……」

希「気を悪くしたらごめんな…? でも事実やん」

希「なんにもしたいこと……思いつかへんねん……」

希「こんなんいややと思わへん…? こんなに素晴らしくて希望に満ちたメンバーが集まってるのに……」

希「うちのやりたいこと……思いつかへんねん……」グスッ

希「……だから今日はもう帰ろう…?」

絵里「……希……」

にこ「ちょっと思い詰めすぎじゃない? そんなに暗くなるようなことかしら」

にこ「たしかにやりたいことが全然出てこないのはどうよ?ってにこも思ってたけど」

にこ「そもそもμ`sってのはみんなで素晴らしいアイドルを目指すために集まったグループで、遊ぶための集まりじゃないでしょ?」

希「だからもういいの……帰ろう?」

絵里「…希、そんなこと言ったらなんにも始まらないわ」

絵里「希の本当に考えていること」

絵里「教えてほしい」

希「……」

にこ「…希? あんたまだなにか隠してるの?」

希「……」

絵里「希がそんなのじゃ、私悲しいわ…」

絵里「本当のことを話してくれないと嘘の壁ができちゃうでしょ?」

絵里「私は希の隣で手を握っていたいの、ずっと…」

希「……えりち、違うの……そんなんじゃ……」グスッ

絵里「……希、抱きしめてもいいかしら?」

希「…………」

絵里「……希……?」ギュッ

希「…………」

絵里「……私はたしかに希の気持ちがわからない……」

絵里「……この三年間ずっと隣にいて、希が隣にいて、いてくれて希のことをちょっとは知ることができたかなって思ってるの……」

絵里「……一年生のときに出会って、一緒に生徒会をやってきて……」

絵里「そしてμ`sになって」

絵里「……希の言葉を聞いて、いっぱい希のことを知って……」

絵里「……でも私は希の知らないこともいっぱいある。だって別々の人間ですもの。当たり前でしょ…?」

絵里「……希はどんな風にご両親と過ごしてきたんだろう、どんな小学生、中学生時代を成長してきたんだろう、どんな景色を、どんな気持ちを……」

絵里「いまだってそうよ」

絵里「おうちにひとりでいるときはどんな気持ちではいるんだろう、どんなことを考えているんだろうって……」

絵里「だから話してほしいの」

希「…………」

絵里「私もっと知りたいの」

絵里「だって希は私の大切なかけがえのない友だちだもの」

希「…………」

絵里「希は覚えているのか不安だけれど」

絵里「私が希に出会えたのは」

絵里「……希、あなたが私に話しかけてくれたからよ」

希「…………」

絵里「本当に感謝しているわ。あのときの私はきつい人間だったものね」

希「……学校の階段のところ……」

絵里「…そうよ……」

希「えりちは怖い顔で『なにかよう?』みたいに言いはなって」

希「ほんまに怖かったんやからね、うち」

絵里「……ふふふ、あのときは本当に申し訳なかったわ」

希「本当にそう思ってる?」

絵里「ふふふ、ええ…」

希「えりち、急にへんなこと言ってごめん……」ギュッ

絵里「本当にそうよ」ギュッ

にこ「私たちがいることは忘れてないわよね?」

希「……みんなもほんまにごめんやで?」

希「急におかしなことを言っちゃって」

にこ「べ、別にいいわよ」

真姫「……で、希の本当に言いたいことってなんなのよ」

希「……さっきやりたいことがなんにも思いつかへんって言ったやろ……?」

希「……うちはそれが怖いかってん……」

真姫「怖い?」

希「……さっきにこっちが言ったようにμ`sはみんなでアイドル活動をするために集まった……」

にこ「…………」

希「……でもアイドルをするだけやったらこのメンバーやなくてもよかったはずやろ……?」

海未「……希、一体なにを…?」

希「……きいて? 変なことを言うつもりやないから……」

希「このメンバーじゃないとだめだって」

希「うちはいつもそう思っててん」

希「……でもね、じゃあこの素晴らしいメンバーと一緒にアイドル活動以外のことはできひんのやろうか……?」

希「今日のことでうちそう思ってしまった」

希「μ`sからアイドル活動をとったらなにも残らないんやないかって」

希「つながりの意味が消えてなくなってしまうんやないかって……」

にこ「……あんたってそういうとこホントバカね」

希「?」

にこ「あんたが頭のなかでどういうこと考えてるのか知らないけど私たちってそんなヤワなものじゃないと思うけど」

希「…………」

真姫「にこちゃんのデリカシーのなさには困らされるけどこういうときには役に立つわね」

にこ「なによ、それ」

希「……うちがバカみたいやね……」

にこ「い、いやっ、さっきのはそんなに本気じゃないから真面目に受け取らないでっ」

希「ふふふ」

絵里「ほら、大丈夫でしょ?」

希「……えりち……」

絵里「ひとりで抱え込んでるからそうなるのよ」

絵里「私たちはなんのために9人が集まってるの?」

希「…………」

絵里「希だけじゃない。私たちみんなひとりじゃだめなの」

絵里「だから悩んだり迷ったら教えてほしいな」

希「……うちってホントばか……」グスッ

希「ごめんな、うちのせいでせっかくの楽しい雰囲気がぶち壊しで……」

にこ「別にいいわよ。どうせずっと雨降ってるんだし」

穂乃果「ねぇ~、絵里ちゃん早く何か言ってよぉ~。いつまで駄菓子屋にいるのぉ」

海未「たしかに駄菓子屋の前にずっといるのは迷惑ですね」

にこ「ま、雨だし客もぜんぜん来ないから迷惑ってほどでもないだろうけど」

凛「にこちゃんはまるで梅雨の雨のようにつめたいにゃ」

にこ「なんてこというのよ! にこほどこころのあったかい人もいないのよっ!」

凛「うんにゃ」

にこ「返事冷たっ!」

絵里「実はもう決めてあるの」

穂乃果「そうなの!?」

にこ「ならさっさと言いなさいよ」

希「……えりち?」

絵里「合宿よ!!」

にこ「は?」

穂乃果「……合宿……?」

海未「い、いまからですか?」

絵里「ええ! 今からこの9人でね!」

にこ「合宿って……宿泊施設なんか……」

絵里「ふふふ、それはね……ことり?」

ことり「は、はい!?」

絵里「理事長にお願いできるかしら?」

ことり「な、なにをかな……?」

絵里「学校で泊まる許可がほしいの」

ことり「……へ?」

にこ「はぁ? あんた本気?」

絵里「生徒会長の頼みだもの。無理なら適当に書類を捏造するわ!」

にこ「……あんた手のひら返し半端ないわね……」

ことり「……でも……」

絵里「ことり?」

ことり「でも楽しそうっ! ことりもやりたいっ!」

海未「こ、ことりっ!?」

穂乃果「じゃあ穂乃果も!!」

絵里「別にいいでしょ? 今日は特別な日なんだもの」

海未「ですが……」

絵里「こうして一緒に寝泊まりすることがひいてはアイドル活動につながってくると思うけど?」

海未「し、しかたありませんね……」

絵里「決定ね!」

穂乃果「そうと決まったらさっそく学校へ行こう!」

にこ「晩ご飯はどうするの?」

絵里「決まってるじゃない。作るのよ」

にこ「また?」

ことり「今度こそしっかりおつかいがんばるね?」

海未「……次は私も作りたいです」

絵里「海未? いったいなにをつくるの?」

海未「……チャーハン……」

絵里「フッ」

海未「な、なぜ笑うのですか!!」

絵里「意外すぎる」

希「……私のために無理してない……?」ボソッ

絵里「多少の無理はご愛嬌よ?」

希「……うちが泣いちゃったから……」

絵里「希の泣き顔とっても可愛かったわよ?」

希「な、なんの話よ!///」

絵里「もうくよくよ悩まなくてもいいってことよ?」

絵里「ほら、ボヤボヤしてると置いていかれるわよ?」




部室

にこ「……部室に布団をひくのね……」

凛「みんな一緒って感じがしていいにゃ!」

花陽「……お布団あったかい……。もう眠れそう……」

希「……えりち、頑なに目つぶってなにしてんの?」

絵里「暗闇に目が慣れるまで……暗闇に目が慣れるまで……」

穂乃果「枕投げしたい」

海未「だからダメだって」

ことり「こちょこちょ」

海未「あひぃんっ!」

一同 シーン

海未「こ、ことり……///」

ことり「えへへ♪」

にこ(さっきの海未の声、ちょっとエロかった……///)

真姫「………」モゾモゾ

にこ(で、なんで真姫は徐々ににこに近づいてくるの??)

真姫(にこちゃんいいにおい///)

凛「今日はとっても楽しかったにゃあ」

海未「ふふ、そうですね」

ことり「まさか9人で学校で眠れるなんて思わなかった♪」

穂乃果「今日は雨で練習はできなかったけどみんなのおかげで楽しい日だった!」

穂乃果「明日からまた練習がんばろう!」

海未「雨の日の練習も考えないといけませんね」

凛「かよちんもう寝てる……」プニプニ

凛「かよちんのほっぺたぷにぷににゃあ」

ことり「ことりもぷにぷにしたい!」

海未「邪魔をしてはいけません」

穂乃果「穂乃果たちももう寝よっか?」

ことり「……ぷにぷに、そうだね」

穂乃果「おやすみー」




希「……えりち?」

希「……えりちー……」

希「……寝た……?」

希「…………」ツンツン

絵里「フッ」

希「……あ、笑った!」

希「ホントは起きててからかってたんしょ」

絵里「なんかかわいかったからつい」

希「そんなん言っても許さへんで……///?」

絵里「……今日は楽しかった?」

希「……もちろん」

絵里「でしょ? 楽しいんだから泣かなくてもいいの」

希「だからうちがバカやったって」

絵里「……希の呼吸がきこえる……」

希「ふふふ、なんやねんそれ」

希「うちかてえりちの鼓動がきこえそうやわ」

絵里「それは言い過ぎでしょ」

希「えりちが身動きするたび音がする」

絵里「うん」

希「えりちの体温も伝わってきそう」

絵里「そうね」ギュッ

希「手をつなぐとか反則やん」

絵里「なんのルールよ、ふふ」

希「梅雨、なんでもない一日やったけど楽しかった」

絵里「雨降っちゃって最初はどうなるかとそわそわしたけど」

希「うちはわくわくしてた」

絵里「のんきなご身分だこと」

希「海未ちゃんの負担はちょっとくらい減らしてあげたいもんやね」

希「雨を予測できなくて謝られるとは思わへんかったわ」

絵里「海未らしいわ、ふふ」

希「うん。そういうところがかわいくてすきやで」

絵里「まじめといえばことりね」

希「ああ、ふふ」

絵里「お買い物から帰ってきたときほぼずぶ濡れで」

絵里「なんか今にも泣きそうに悲惨な顔をしてたわね」

希「事情を聞いてかわいそうやったな、あれは」

絵里「なんか今話してたらまたかわいそうに思ってきたわ」

絵里「穂乃果には罰を与えないとね」

希「穂乃果ちゃんのあの性格はなかなかなおらんやろなー」

絵里「今日いろいろあったけど」

絵里「一番楽しかったのは」

絵里「希の泣き顔が見れたこと」

希「………」ムスッ

絵里「ちょっとむくれないでよ、自分から泣き出したんでしょー」

希「……泣きたくて泣いたわけやないもん……」

絵里「めったに見れないものが見れただけでも今日は特別な一日だったわ」

絵里「希的には今日なにがいちばん楽しかった?」

希「……今こうしてえりちと話してること」

希「さっきまではね」

絵里「ちょっといい加減機嫌治してよ、謝るから」

希「謝るならはじめから言わんといて」

絵里(がちで怒ってる)

絵里(これやばいやつだわ)

絵里(こうなったら)

絵里「えいっ」ギュウッ

希「ひゃっ!」

絵里「抱きつき攻撃~」

希「ちょ、ちょっとえりち!」

絵里「大きな声だしたらみんな起きちゃうわよ~?」

希「そ、そんなんしたってゆ、許さへんで……っ」

絵里「じゃあ許すまで抱きつくから」

希「どういうことなん!?」

絵里「」ギュウッ

希「わ、わかったからっ! 許すからそんな頑なに抱き締めんといてっ」

絵里「いや」

希「へ?」

絵里「離さない」

希「約束がちがうやん?!」

絵里「希の体柔らかくて気持ちいいから」

希「それなんの理由にもなってへんで!?」

絵里「」スヤァ

希「うそでしょ?」

絵里「うそよ」

希「うわ、びっくりした」

絵里「演技ってやつね」

希「もういいかげん寝よ?」

絵里「……そうね。楽しかった梅雨の日ももう終わり」

希「この9人で普段できないことができて楽しかった」

絵里「……μ`sはたしかに期間限定のアイドルだけど」

希「うん?」

絵里「高校生だってそうだから」

希「……そうやね……」

絵里「これから残りの時間一生懸命楽しむから」

絵里「よろしくね?」

希「こちらこそ」

絵里「おやすみなさい」

希「おやすみ」

絵里(長かったようであっという間だった今日)

絵里(外では雨がまだ一向に止む気配はなく)

絵里(でも雨の日でもこんなにも私たちは楽しめる)

絵里(希の悲しみは実は密かに私も考えていたことだけど)

絵里(今日のおかげで解決して)

絵里(これからいっそう頑張らなくちゃって思えたわ)

絵里(退屈なようで楽しかった今日)

絵里(明日に備えて眠らなきゃ)

絵里(明日も朝が早いんだから)

おわりです。

お読みいただきありがとうございました。

長めになり更新も遅かったのは反省点です。

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