長崎県国物語 (10)
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【二十四時間後にゲーム時間が流れます。それまでに国家を運営させるための準備を行ってください。】
【イベントが発生しました。主義、体制を選択してください。】
頭の中に軽快な音楽共に声が聞こえる。文字がスクリーンに写り羅列している。
【佐賀県社会民主主義共和国が会談を求めています。】
【北海道連邦が青森共和国に領土要求をしました。】
【資源が不足しています。工場が稼働しません。国力が低下しました。早急に手を打たないと国家として機能しません。他にも.........】
中性的な声から次々と流されるイベントと問題。そして軽快な音楽。
「どうなってんのコレ?」
ただ、彼こと北乃凖一は純粋な疑問を口にした。
「ふむ........。」
俺こと北乃凖一はとても困惑している。
今、起こっている状況を把握しようとするが把握しようとする材料がないのだ。
分かることといえば机と椅子、机の上に置いてあるタブレットと本、壁に埋め込まれているスクリーンしかないこの部屋で俺が椅子に座っている。
それに加えてベットでお休みグッドnightして目覚めたら今の状況。
訳がわからないよぉ.....。
「取り敢えず、これを読むか。」
机の上に置いてある本はデカデカとマニュアル本と書かれている。目次のページを開く。目次にはルールと基本情報、国家運営、戦闘、技術、.......ドクトリンなどと一般人が読む本に書かれてないことが書かれている。ルールのページを開く。読んでいく内に自分が今置かれている状況が分かっていく。
「うわぁ。えげつない。」
書いてある内容に思わず悪態をつく。特にここの部分。国家間での戦争でプレイヤーが
併合又は戦争継続能力が皆無となった場合その国のプレイヤーは死ぬ。いわゆるデスゲーム。デンジャラス。
「なるほどねぇ。まぁ分かった。」
この本に書かれていることを要約すると
このゲームはデスゲーム。
ジャンルで言うと戦争ゲームのデスゲーム。
四十七都道府県がそれぞれ国家として独立している
全ての都道府県の面積は元々の十倍。人口は五十倍。つまりここ長崎は約七千五百万人
ーーーーワーオ。何処にコレだけの人々が住む土地があんだよ。
それで主に三つの陣営がある。
共産主義国家や社会主義国家を軸とした共産主義陣営。盟主は北海道共産主義連邦。
民主主義国家や権威主義国家などの幅広い国家を軸とした自由民主主義陣営。盟主は東京都合衆国。
ファシストや国家社会主義国家を軸とした枢軸陣営。盟主は大阪府第二帝国。
ーーーー枢軸ってこと絶対強制イベントがあるだろ。それに加えて大阪府第二帝国って事は第一帝国は豊臣政権下の日本を言ってるのか?
謎だらけである。
基本情報に書いてある通りにタブレットを起動させる。
画面には主義体制についての選択主が映る。
多くある選択主から決めていた選択主を選ぶ。
【長崎県は長崎県国家社会主義、内閣は 元首北乃凖一、政府首班北乃凖一、外務大臣北乃凖一、内務大臣北乃凖一、総務大臣北乃凖一、陸軍総司令官北乃凖一、海軍総司令官北乃凖一、空軍総司令官北乃凖一、参謀総長北乃凖一、 となりました。】
軽快な音楽が鳴り、文字と共に声が聞こえる。
ーーーー何コレ、内閣の閣僚全部俺じゃねーか。俺兼任しすぎだろ、疲労で死んじゃうの?。てか俺一人で内閣組織しちゃったよ。どーすんだ。
【自由民主主義陣営と-150好感度が下がりました。】
【共産主義陣営と-200好感度が下がりました。】
【枢軸陣営と+200好感度が上がりました。】
理解しがたい内容が流れる。
ーーーーちょっと、何いってるかわかんないっす。特に何で枢軸陣営(キチガイども)と好感度が上がるのか。
ただ、呆然と視ることしか出来なかった。
「なるほどねぇ。」
タブレットを弄りながら呟く。大量の情報を得て次の行動を考える。
ーーーー初期配備軍隊はどうなってんだろ。
内心呟く。各県国家毎(ごと)に最初から配備されている軍隊がある。
例えば、この長崎は海や山多いことから陸軍は山岳部隊が多く、海軍は他の県国家と比べるとずば抜けてレベルが高い。歴史的背景も海軍が強い一因となっている。
「それにしても、離島の防衛をどうするか。」
この長崎は離島が多くあり、防衛箇所が多い問題点がある。
陸軍部隊の大半が佐賀県社会民主主義共和国との国境に配備されている。
そのため対馬を除く他の離島の防衛が疎かになっている。
「あぁー。めんどくさい。陸軍大臣を変えてAIに任せるか。」
陸軍大臣を変えることによって、その陸軍大臣の能力や性格に沿った軍事プランを考え、行動に移すことが出来る。
「んじゃー。そうするか。」
自問自答をしながら画面を弄る。
画面を閣僚に戻し、多くの人物から適任者を選ぶ。
陸軍大臣を北乃凖一から牟田口曙(むたぐちあけぼ)に変える。
すると、ノックの音が数回すると厳つい格好のおじさんが入ってきた。
「失礼します。陸軍大臣を任命された牟田口曙です。閣下のご期待に答えられるように日々精進していきます。」
画面に牟田口曙についてのプロフィールが書いてある。
牟田口曙、レベルは3、スキルは倹約家、彼は平時の陸軍大臣としてはとても有能で陸軍の横流しなどの不正行為に厳しく、自分の理想の軍隊像に当てはまるように矯正をします。在任効果、総軍隊の消費物資量の10パーセントマイナス補正。
ーーーーなるほどね。これはいいね。
名前がアレを思い出させるがプロフィールをみる限り有能だ。
続けて内務大臣と海軍大臣を北乃凖一から閣僚に変える。
するとドアをノックする音が数回すると年老いた老人と青年が入ってきた。
先程の牟田口と同じような挨拶文句を言って椅子に座った。
プロフィール。
老人の名前は鷹野金太郎(たかのきんたろう)。職務は内務大臣。
在任効果は国家の工業力5パーセントプラス補正。
彼は市場の行き過ぎた競争を断じて容認しません。国家の計画に沿った経済計画が社会を安定させ、全ての国民が幸せになれると信じています。
プロフィール。
青年の名前は山本五六(やまもとごろく)。職務は海軍大臣。
在任効果は軍用機のコストを15パーセントマイナス補正。
彼は全ての戦闘が軍用機の攻撃で勝敗が決まると確信しています。
これでちゃんとした内閣の形が見えてきたな。
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