【ミリマス】ミリP「未来が記憶喪失ですか!?」 (117)


・メメント全く関係ないです悪しからず

・細かい整合性については自分で補完してもらえるとありがたい

・俺に未来ちゃの可愛さは表現しきれなかった(先手敗北宣言

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1494328730

ミリP(以下、P) 「未来が記憶喪失って……どういう事ですか、先生!」

医者 「詳しい状況が分からないのでなんとも言えないのだがね……」

医者 「彼女に問診を行なった所、若干の退行現象と記憶の喪失が見られた」

医者 「恐らく一過性だとは思うのだが……」

P「それで未来は!?アイツはどれくらい忘れてしまったんですか?!」

医者 「……君自身が見た方が早いだろうね」

医者 「では、こちらに………」

ガチャリ


最上静香(以下、静香)「未来!未来ってば!」ガタガタ

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伊吹翼(以下、翼)「みーらいー!?」

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春日未来(以下、未来)「……だ、誰ですか?」ビクビク

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira136371.jpg 

静香「3人で一緒にやって来たじゃない!忘れたの!?」バン

未来「こ、怖いよぅ……」プルプル

翼「未来ー、3人でステージに立って、いっぱい歌ってきたの、忘れちゃったのー!?」

未来「……歌?」ピクリ

静香「そうよ、私たちはアイドルとしていっぱいファンの皆さんの前で歌ってきたんだから!」

未来「……ごめんなさい、覚えてないです」シュン

静香「未来!」

翼「未来ー!」

P「止めろ静香!翼!」

翼「プロデューサーさーん……」ウルウル

静香「やめません!」ウルッ

P「お前がそうやっても未来の記憶が戻るわけじゃないんだ!」

静香「うっ……」

翼「静香ちゃん………」

未来「………あの?」

P「あぁ、ゴメン。紹介が遅れたね」

P「俺は、君のプロデューサーだ」キリッ

静香 「……プロデューサー、格好つけ下手ですね」ジトー

P 「ほっとけ!」

―――――

未来父 「娘はどうなんですか、先生!」

医者 「記憶の欠如といっても、欠損したのはエピソード記憶のみで意味記憶は失われてはいないようです」

未来母 「つまり……?」

医者 「これまで生きてきたうえで知った事象……動植物や学習したことは残っているという事です」

医者 「失われているのは、いわゆる『想い出』となる部分のみかと」

未来父 「そんな……じゃあ、未来は私たちの事を忘れているっていうんですか!?」

医者 「……そうなります」

未来母 「未来……」


―――――


未来「えっと……静香ちゃん?」

静香「何かしら未来」

未来 「なんで饂飩持ってきたの……?」

静香 「あれだけうるさく饂飩馬鹿って言ってきたんだからこれ食べれば思い出すかと思って」

翼 「静香ちゃーん、量が美奈子さんの作る量みたいだよー」ブルブル

静香 「これだけあれば……待ってて未来。貴女の記憶を取り戻して見せるわ」

静香 「私の……親友だから」グッ

未来 「静香ちゃん……」ジーン



看護師 「あ、ごめんなさい。病院の調理室は一般人の立ち入り禁止なのよ」



静香 「」


静香 「な、なに言ってるんですか!私には時間がないんです!」ワーワー

看護師 「あ、あのぉ……」

P 「静香……あんまり迷惑はかけないようにな」ポン

静香 「ぷ、プロデューサーぁああ……」ウルウル

静香 「うあああああん」ボロボロ

P 「し、静香!?」

静香 「だ、だってぇえええ」グスグス

静香 「みらいが、み゛ら゛い゛がぁああああ」ボロボロ

P 「落ち着け!いつものクールさはどうしたんだ静香!」

静香 「未来がこんななのに!私は何もしてあげられない!」

静香 「私は友達失格です……」ウツムキ

翼 「静香ちゃん……」


ガチャリ

医者 「どうぞ、お父様、お母様」

未来父 「み、未来ぃいい!」

未来 「わっ!」ビクゥ!

未来母 「未来?私のこと分かる?」

未来 「えっと……すみません、分からないです」ショボン

未来父 「み、未来……」

医者 「貴方も、彼女の容体は理解してもらえたでしょうか」

P 「……はい。未来は、どうするべきなんでしょうか」


医者 「はい、それを今から申し上げようとしておりました」

医者 「……病院側として言わせていただくと、春日未来さんにずっと病院に居てもらうというのは、彼女にとって悪影響であると同時に不可能です」

未来父 「どうしてですか!」バン!

未来 ビクゥッ!

医者 「まず、記憶喪失である以外の外傷が見受けられない以上、入院し続ける事はできかねます」

医者 「続いて、ここに居続けるよりも元の暮らしに戻っていった方が、経験から記憶が戻りやすいと思われます」

医者 「なにより、若いお嬢さんが入院し続けるというのも悲しい事ですから」チラリ

未来 「えっ……と」パチクリ

医者 「お嬢さんは親御さんの下で預かってもらうのがよろしいでしょう。いつも通りに過ごせば、彼女も生活の中で自分を取り戻せると思います」


未来父 「良かった……じゃあ、連れて帰っても良いんですね?」ホッ

未来母 「さ、未来。帰り支度をしてね。今日は貴女の好物、いっぱい作ってあげるから」

未来 「あ、あの……」ブルブル

翼 「未来嫌がってない?」ヒソヒソ

静香 「大声出されて怖かったのよ、きっと」ヒソヒソ

未来父 「なぁに!暮らしてればすぐ思い出すさ!行くぞ、未来!」ガシッ

未来 「ひっ!」ビクン



未来 「た、助けておにーちゃん!」ウエーン



未来父 「……ん?」

医者 「おや?」

静香 「……プロデューサー、こんな時にまで」ジトー

P 「お前は俺が未来と話してたところをずっと見てただろ!?」


未来父 「ど、どうしたんだ未来!私だ、お前のパパだぞ!?」

未来 「うぅうう!怖いよー!」パタパタ

未来 ダキッ

未来父 「……プロデューサーさん、ちょっといいでしょうか?」

P 「冤罪です!未来、お前からも何か言って」

未来 「いや!だってあのおじさんスッゴイ怖いんだもん!」ギュゥウウ

P 「こ、怖いって言ったってだな!」ドキドキ

P (やらけぇ!そりゃそうだよ女の子だぞ!)

医者 「ふむ……こうなってしまったら、別の方法をとりましょうか」

―――――


未来 「お邪魔しまーす!」バターン

P 「……ただいま」

P (あの後、医者は動揺する未来のお父さんをなだめて、俺のところで未来を引き取るよう説得した)

P (俺も食い下がったが、未来がどうしても諦めてくれず……社長に電話しても即OKときた)

P 「うちの社長はホントなんなんだろうなあ……」ハァ

未来 「?おにーちゃんどうしたの?」ピョコ

P 「いいや、何でもない」

P (そんでもって、なんで『お兄ちゃん』呼びなんだか……)

P 「夜だし、飯でも食うか?」

未来 「うん、食べる!」グーッ

P 「本能的に答えてるなお前……あっちに洗面所あるから手を洗ってから、リビングでのんびりしててくれ」

未来 「はーい!」パタパタ

P 「元気だな、あいつ」

P 「さて、俺も手洗って飯作るとしますかね……ん?」

バタバタバタ

未来 「おにーちゃん!水バシャーってなっちゃった!」エヘヘ

P 「何やってんだよお前!」

―――――



未来 「おいしー!」パクパク

P 「ハハハ、急いで食いすぎて喉つまらせるな――」

未来 「んぐっ!?んんん!んんん!!」バンバン

P 「いわんこっちゃねえ!ほら、落ち着け!」バシン!バシン!

未来 「けほっ……ごめんね、おにーちゃん」

P 「これからはゆっくり食えよ」

未来 「はーい!モグモグ……」



未来 「ふーっ、ご馳走様でした!」テアワセ

P 「ご馳走様でした……ふぅ、一息ついたかな」

P 「さて、未来。先にお風呂入ってくれないか。さっき風呂張っておいたからもう入れるはずだ」

未来 「おにーちゃん、服はどうするの?」

P 「普段着一式は明日とりにいくとして……今日着てたのは夜洗っちゃうから、俺の服で我慢してくれ」


P 「幸い制服は貰ってきてるから明日は心配ない」

未来 「おにーちゃんの服?」

P 「ジャージか……ワイシャツだな。どっちがいい?」

未来 「こっちの白い方!涼しそうだもん!」ピッ

P 「あ、ああ」

P (ワイシャツ姿の女の子見てみたいなーとか思って言っちゃったけどまさか選ぶとは……)

P 「じゃ、行っておいで」

未来 「はーい!」パタパタ

P 「……俺、社会的に生きて帰れるんだろうか?」

P 「……まあいいや、とりあえず皿洗うか」


ゴシゴシ

未来 「ふーっ、気持ちいーッ!」バシャー

ジャポン

未来 「温かいお風呂でのんびりー」フゥー

未来 「…………」

未来 「私、どうなっちゃったのかなぁ……」グスッ

未来 「お兄ちゃん……」


P 「……よし、ベッドの支度とソファの支度はバッチリだな」

P 「後は上がるのを待つだけ……」

未来 「おにいちゃーん!お風呂あがったよー!」パタパタ

未来 「この服どーお?」クルッ

P 「あ、あぁ。いい感じだな、似合ってるよ」

未来 「やったー!」ピョンピョン

P (似合うな……無邪気さと太ももの露出加減が……って!何を俺は考えてるんだ!?捕まるぞ!)ブルブル

未来 「おにーちゃん?」

P 「とりあえず!俺は風呂入ってくるから適当にテレビでもつけてみててくれ」

未来 「はーい!」パタパタ

P (……煩悩は捨てろ、お前はプロデューサーだぞ!)パシン

―――――

―――――

未来 「うーん……」ムー

P 「ふー、洗濯も一通りしたし後は乾くの待つだけ……ってどうした?」

未来 「やってる番組がつまんないのー」ブー

P 「そりゃニュースはつまらんだろ……っと」

ポチッ

天海春香(以下、春香) 『ありがとうございましたーッ!』

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如月千早(以下、千早) 『相変わらず春香は楽しそうに歌うわね』クスリ

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春香 『そりゃそうだよ!スタジオに来てくれてるお客さんたちも、テレビの向こうで見てくれてるファンの人たちも私たちの歌を聞いてくれるんだよ!?』

春香 『皆に幸せ、届けられたらいいな!』ピース

ワァアアアアアアッ!!!

司会 『じゃあ、今度は天海春香さんに歌ってもらいましょう!曲は彼女自身が作詞した『ステキハピネス』です!張り切ってどうぞー!」


春香 『ハピネス~この素敵なー気持ちをー』




未来 「この人……」

P 「おっ、そういえば今日は春香がテレビに出てたな」

P 「……うん、良い感じに声出てるな。レッスンした甲斐があったってもんだ」

未来 「ねーねー、おにいちゃん」

P 「ん?どうした未来」

未来 「この女の人、知り合い?」

P 「おう、俺のアイドルだ」

未来 「俺の?」

P 「俺の?って言い方は変なのか……いや、やっぱり俺のアイドルだな」

P 「お互いに駆け出しの頃から支え合ってきたわけだし」

あれま、ちょいと予定が出来た
また後であげていきます

帰ってきた、上げてきます

未来 「……キラキラしてるねー」ポケー

P 「お前もこういう風になりたい!っていって事務所に来たんだぞー」

未来 「へぇー……」


未来 【春日未来14歳です!アイドルになるために、部活辞めてきました!】


未来 「いたっ」ズキッ

P 「どうした、未来!?」

未来 「ちょっと頭痛いかも……うう」

P 「そ、そうか……もう寝るか?」

未来 「うん……」

ピッ

P 「じゃあお休み……あっちのベッドで未来は寝てくれな」

未来 「え?」

P 「え?じゃねーよ。じゃあどこで寝るつもりなんだ」

未来 「えっ?おにいちゃんと一緒に寝るけど」

P 「寝かせるわけねーだろ何言ってんですかこの子は」

未来 「えっ!?わ、私一人でなんて寝れないよ!怖いもん!」プルプル

P 「お前14歳だろ!?」

未来 「14歳でも怖いものは怖いもん!」

P 「さすがにマズい!警察が来る!」

未来 「良いでしょーおにーちゃーんー!」ガタガタ

P 「ダメと言っておろうに……!」スクッ

未来 「ど、どこ連れてくの!」

P 「お姫様にぴったりの所だよー」スタスタ


ポーン

P 「はい、お前はこのベッドで寝るの!明日は学校まで送迎せにゃならんのだから早く寝てくれ!」

未来 「やだよー!おにーちゃんと一緒に寝るのー!」ダキッ

P (そういえばあの医者が幼児退行も起こしてるって言ってたっけか……!)

P 「……分かった、ちょっと待ってろ」

ピッポッパ

未来 「?」ハテナ

P 「夜分にすみません」

高木社長(以下、社長) 『おおキミか!未来君の様子はどうかね?』

P 「それがですね……」

カクカクシカジカ

社長 『……さすがに、それはマズくないかね』

P 「そう思ったので連絡を入れました」


社長 『うーむ……』

未来 「おにーちゃーん」ユサユサ

P 「静かにしなさい……」

社長 『うむ。まぁ大丈夫だろう!キミが手を出すはずがないしな!』グッ

P 「確かに手は出しませんが、世間体として良いんですか!?」

社長 『室内に連れ込んでいる時点で正直バレているならアウトだろうからね』シレッ

社長 『未来君のしたいようにさせてやってくれたまえ』

P 「……了解しました。では失礼します、社長」

ピッ

P 「社長がいいってさ」

未来 「やったー!」バンザーイ

未来 「ささ、お兄ちゃん!早くベッドにはいろーよー!」ギュゥー

P 「分かったから引っ張るな!」


スッ……

P 「電気消すぞー」カチリ

未来 「でへへ……なんか変な気分だね、おにーちゃん!」テレテレ

P 「……ホント、変な気分だな」

P (未来は、元に戻るんだろうか)

P (いや、弱気になっちゃだめだ!一番心細いのは未来の筈だ!)

P (なんとか、記憶を取り戻してやりたいが……俺は一体どうすれば……?)

P (……明日、また考えるか)

P 「……おやすみ、未来」

未来 「うん、おやすみおにいちゃん……えへへ」ギュッ


P 「なんで抱き着くんだよ」

未来 「落ち着くからだよー」ギュウウウ

P 「……はぁ」

未来 「……おにいちゃんは抱き着いてくれないの?」キョトン

P 「抱き着かない!いいから早く寝なさい!」

未来 「はーい……」ショボン

P 「……」

P 「……」ナデナデ

未来 「!」キュン

P 「おやすみ、未来」

未来 「……うん、おやすみ……」ニッコリ

―――――


ピヨピヨ……

P 「……むぅ」

未来 「うぅん……」ギュゥウ

P 「……寝相悪いかと思ったら抱き着いたままなのか」

P 「不安なのか……?そりゃ、病院じゃあんなに怖がってたしな……」

未来 「でへへ……おに…ちゃ……」ムニャムニャ

P 「……なのに、なんで俺に対してはこんなにオープンなのかねぇ」

P 「……」ナデナデ


未来 「えへへ……」

P 「まったく。未来は可愛いなぁ」ボソリ

P 「……ん?」チラッ

8時15分

P (なんだ……まだ慌てるような時間じゃ……)

P (いや!?学校の始業時間考えたらまずいぞ!?)

P 「……うわあああ!!未来!起きろ!未来ィイイイ!」バサァ

未来 「むにゃむにゃ……おにいちゃん……ダメだよう」デヘヘ

P 「ダメなのは今の状況だ馬鹿たれ!マズイな、とりあえず静香に……」ピッポッパ

静香 『はい!?なんですかプロデューサー!今学校なんですけど!?』

P 「すまん、俺の不手際だ!お前の方から先生に未来がちょっと遅刻するって伝えてくれないか!?」

静香 『それは構いませんけど……プロデューサー、まさか未来に何かしたんじゃ』

P 「誤解だ!とにかく頼んだぞ!」

静香 『わかりました。必ず連れてきてくださいね」ピッ

p 「これでよし……なんでまだ寝てるんだ!?未来、起きろ!」


―――――


―――――

P 「すみません、遅れました――」

音無小鳥(以下、小鳥) 「色男の出勤だ、かかれ!」ビシッ

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P 「……どうしたんですか音無さん」

小鳥 「いつもならノってくれるのにぃ!?」ガーン

秋月律子(以下、律子) 「はいはい、仕事してくださいね小鳥さん」

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P 「律子、おはよう」

律子 「おはようございます、プロデューサー殿。昨日は大変でしたね」

P 「まぁ、心労という意味ではな……未来の分の仕事はどうなってる?」

律子 「シアター組だったのが幸いしました……とりあえず、定期公演の予定を他の子を代役として入れるだけで、当面はなんとかなる感じですね」

P 「そうか……悪かったな、またプロデューサーみたいな事させちゃって」

律子 「適材適所、って言いますし平気です。謝るくらいなら、今度ご飯でも奢ってくださいね!」



P 「ああ、任せとけ!とっておきの店に連れてってやるよ!」ドン

小鳥 「わ、私も行きたいです!」

P 「音無さん……」ジトー

小鳥 「私だってプロデューサーさんがいない分頑張ったんですよぉ!」ピヨォ!

律子 「ホントの事ですよ。相手方への応対は事実、ほとんど小鳥さんがやってくれてましたから」

P 「むしろそれが本来の業務なんじゃ?……じゃ今度行きますか」ハァ

小鳥 「やったー!飲み会飲み会~!」ピョンピョン

P 「嬉しそうですね」


ガチャリ

社長 「おお!おはよう、諸君!」

P 「おはようございます、社長」

社長 「うむ、未来君の状態はどうかね?」

P 「上々、なんですかね。少なくとも、昨日の病室での取り乱すような様子はあまり見られませんでした」

P 「後は若干退行現象を起こしているのと記憶がないの以外は、いつもの未来だと思います」

社長 「ふむ……未来君は、君の事を『おにいちゃん』と呼んでいたが?」

小鳥 「ぎ、義妹プレイ!?そして二人は禁断の愛に……」ブツブツ

P 「音無さん何勘違いしてるんですか!あれは未来が勝手にやってるだけですから!」

律子 「ホントですかねー?」ジトーッ

P 「ホントだ!」


社長 「妹のようにかわいがっていたのは事実じゃないか、ハハハ!」

P 「笑えませんからね!?」

社長 「……ただ、『おにいちゃん』と呼ぶのが謎なのに変わりはないとしても、君になついていたのは紛れもない事実だ」

社長 「これは……どういう事なのだろうね」

P 「安心できそうな大人が俺しかいなかったから……じゃないですか?」

社長 「それなら先生に泣きついてもよさそうなものだが……ふむ」

社長 「ともかく、未来君の世話は引き続き君にお願いしよう」

社長 「ただし、君もアイドルプロデュースの仕事がある。仕事に支障をきたさないよう、頑張ってくれたまえ」

P 「はい!」

社長 「では、本日も張り切っていこう!」

小鳥 「おー!さ、私は外回りに……」

律子 「朝っぱらからサボリに行かないでくださいよ。ほら、仕事仕事」

小鳥 「いやぁ!私、もう十分働いたのにぃいいい」ピヨォオオオ

ズルズル…

P 「……さてと。今日の業務はっ、と」

―――――


P 「では、そういう事で」

番組ディレクター 「了解です、今度もよろしくお願いしますよ」

P 「はい、任せてください」



P 「……ふぅ、一通り打ち合わせは終わった感じかな」

P 「じゃ、未来を迎えに行くか……ん?」

春香 「あっ、プロデューサーさーん!」トコトコ

P 「春香じゃないか!今日はラジオの収録だったっけ?」

春香 「はい!美希と一緒に二週間分撮り貯めてきました!」

P 「楽しそうで安心したよ……我ながらよく二人を抜擢したのか未だに良く分かってないが、成功してるなら何よりだ」

春香 「えっ、私と美希にした理由考えてなかったんですか!?」

P 「ほらあれだ、色気と笑顔が合わさって最強に見えるーとかなんとか」ハハハ

春香 「私には色気がないって事ですか!?酷いですよぉ!」ポカポカ

P 「いや、玲音がそう言ってたじゃ痛いってば!」

ヤイノヤイノ


……ニー!

バタバタ

P 「ん?」

星井美希(以下、美希) 「ハニー!会いたかったの-!」ダキッ

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P 「うわっ!み、美希!?急に抱き着くな、あとハニー呼びは外じゃダメだ!」

美希 「むー、ハニーと外で会えるのも久しぶりなのにー」プクー

春香 「美希!プロデューサーさんから離れて!」

美希 「春香だってハ……プロデューサーとイチャついてたのにフコーヘイだって思うな」

春香 「い、イチャついてなんて……えへへ」テレテレ

P 「頼むから悪徳さんに見られてない事を切に祈る……」

美希 「プロデューサーは悪運強いから平気なのー」ムギュ

春香 「えへ……はっ!だから離れてって!」



春香 「そういえばプロデューサーさん、未来ちゃんはどうなんですか?」

P 「ああ、元気にしてるよ。記憶がない以外は、いつもの未来だ」

美希 「ふーん?じゃあ、未来はいつも通りレッスンしてるの?」

P 「あー……いや。レッスンは記憶が戻るまでやめだ。劇場に来てもらう事には来てもらうけどな」

春香 「踊ったりした方が思い出しやすくなったりするんじゃないんですか?」

P 「んー、昨日家でな、春香の出てるテレビ見てる時に頭が痛いって言いだしたんだよ。だから想い出に繋がりそうな要素取り入れての運動は危険かなって」

春香 「なるほど……それもそうですね」

美希 「ねぇ、は・に・い?」ニッコリ



P 「だから美希、ハニー呼びはやめろって」

美希 「なんでハニーがテレビを見てる未来を知ってるの?」ニッコリ

P 「…………」ダラダラ

春香 「あっ、確かに!……え、プロデューサーさん?」

美希 「正直に言うのハニー!」

P 「……い、一緒に住んでます」ガタガタ

春香 「え、えぇ!?あ、アウトですよ、アウト!」

美希 「未来だけずるいのー!」ワーワー

P 「仕方ないだろ!未来が両親と暮らすの嫌がったんだから!」

春香 「嫌がってプロデューサーさんと同棲できるなら私だって嫌がりますよ!」

P 「事情を考えろ事情を!」

ワイワイ

スタッフ 「あの……すみません、ここ一応局の中なんで静かにしていただけると……」

春・P 「……す、すみません」ペコリ

―――――


P 「で?なんでお前たちはついてきてるんだ」

春香 「プロデューサーさんと二人きりなんてずるいですもん!私もついていきますからね!」フンス

美希 「お仕事はもうないし平気なの!」

P 「……夜になったら送り届けるからな。そんでもってまたこの後事務所戻るし」

美希 「えー、ハニーのおうち行きたいのー!」ブー

P 「これ以上スキャンダラスにしてたまるか!」



P 「おっと、居たな。おーい、静香!」

静香 「あっ、プロデューサー!こっちです」


春香 「おはよ、静香ちゃん!」

美希 「静香、おはよーなの」

静香 「春香さん、美希さんまで!?なんでこんな所に来てるんですか!」

P 「バカ!声がでかい!」ヒソヒソ

ザワザワ…

学生A 「あれアイドルの天海春香じゃない?」

学生B 「あの金髪って星井美希!?サイン貰わなきゃ!」


P 「マズイな……くそっ、早く車に乗れ皆!とっとと事務所戻るぞ!」

春・美・未・静 「はい!」


―――――


P 「酷い目にあった……」

静香 「ご、ごめんなさいプロデューサー……」

未来 「でも人が一杯集まって面白かったね!」

静香 「未来はどうなっても未来ね……」ハァ

未来 「でへへー褒められちゃいました!」

静香 「褒めてないわよ!」

春香 「アハハ……未来ちゃん、楽しそうだね」

未来 「あ、昨日の!」

春香 「天海春香です。改めて宜しくね、未来ちゃん!」

美希 「ミキはミキだよ。未来、ヨロシクなの」



未来 「よろしくお願いします、春香さん!美希さん!」

P 「さて、自己紹介も終わったところで一旦事務所に引き上げるぞ。劇場はまた明日見せてやるから楽しみにしといてくれな、未来」

未来 「はーい!あ、そうそうおにいちゃん!」

未来 「今日学校頑張ったからご褒美ちょうだい!」

春・美 「お兄ちゃん?!」

P 「覚えてたかー。よし、今日は好きなもの用意してやる」

未来 「わーい!」

春香 「ちょっと待ってくださいよ、お兄ちゃんってなんですか!」

美希 「ハニー!聞きたい事が多すぎるの!」

P 「はいはい、後でな」


―――――

―――――

ガチャリ

田中琴葉(以下、琴葉) 「あ、プロデューサー。おはようございます」

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島原エレナ(以下、エレナ) 「ハルカとミキもオッハヨー!」

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所恵美 (以下、恵美) 「あっ、未来!大丈夫だった!?」サスサス

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未来 「えっ、えっ?」アワアワ

琴葉 「恵美ったらずっと心配してたんですよ。ホント、後輩想いなんだから」クスクス

恵美 「い、いやー!そんな心配してた訳じゃないし!琴葉はいっつも誇張するからなぁ、困っちゃうよ!」アハハ

エレナ 「でもメグミ、半泣きで慌ててたよネ?」

恵美 「そんな事ないって思うなー」アセアセ

未来 「え、えっと……?」



P 「こっちにいるのは未来の先輩たちだ。こっちから琴葉・恵美・エレナ」

琴葉 「改めてよろしくね、未来」

エレナ 「ヨロシクダヨー!」

恵美 「よ、よろしくね!」

未来 「は、はい!琴葉ちゃん、エレナちゃん、恵美ちゃん宜しくお願いしまーす!」

P 「ここで会ったのがいい機会かな。琴葉、少し未来の話し相手をしてやってくれないか。俺は今からちょいと音無さんの仕事を手伝ってくるから」


琴葉 「分かりました、未来。ついてきて」

未来 「お、おにいちゃんは来ないの?」ウルッ

エレナ 「え?」

恵美 「お兄ちゃん……?」

P 「悪い、後でケーキも付けるから」

未来 「やったー!じゃ、行ってくるね!行こ、琴葉ちゃん!」パタパタ

琴葉 「え、ええ……?」

バタバタ…

春香 「……さて」

美希 「どういうことか、聞かせてもらうの!」

P 「…………ハイ」

―――――


琴葉 「ねえ、未来。さっきなんでプロデューサーの事を『お兄ちゃん』って呼んだの?」

未来 「え?おにいちゃんはおにいちゃんだから、かなぁ?」

恵美 「え、未来とプロデューサーって兄妹だったの!?」

エレナ 「初めて聞いたヨー……アレ?でもプロデューサーって一人っ子だよネ?前にそんな話を聞いた気がするヨ?」

琴葉 「どういう事?」

恵美 「未来にとっての『お兄ちゃん』的存在って事じゃない?」

琴葉 「そうなの、未来?」

未来 「えーと、そんな感じです!」デヘヘ

エレナ 「ナーンダ、ビックリしたヨー」

琴葉 「お兄ちゃんって呼ばせてるのかと思ったわ……」



―――――

春香 「それでお兄ちゃんですかー」

美希 「美希はお姉ちゃんしかいないから、お兄ちゃんがどんな感じなのかって良く分からないの」

P 「まぁそんなもんだろ。俺も一人っ子だし」

P 「はい、音無さん。書類仕上がりました」

小鳥 「助かりましたよぉ……!プロデューサーさんはこれから帰宅ですか?」

P 「はい、ただ飯とケーキを買い出しに行かなくちゃいけませんけど」

P 「未来!そろそろ帰るぞ!」

未来 「はーい!」パタパタ

春香 「あ、プロデューサーさん!私も!」バッ

美希 「春香だけにいい思いはさせないの!」バッ

P 「いい思いなんて誰にもさせないって!では音無さん、失礼しますね!」

小鳥 「お、お疲れ様でしたー」

未来 「琴葉ちゃん、エレナちゃん、恵美ちゃん!またね!」バタバタ…

琴葉 「……あれ?なんで二人で帰ったんだろう」

春香 「今、未来ちゃんプロデューサーさんのお家に泊まってるんだってー……」

恵美 「えっ!?」

エレナ 「イイナー!ワタシもお泊まりしたいヨー!」

小鳥 「……宅飲みくらい誘ってくれないかなぁ」ピヨォ


―――――

P 「なんか食いたいもんあるか、未来?」

未来 「んーとね、ハンバーグ!」キラキラ

P 「は、ハンバーグ?」

P (味覚まで退行してるのか……?)

未来 「ケーキはショートケーキがいいなー!」ピョコピョコ

P 「はいはい、ひき肉買ってから考えような……ん?」


店員 「ただいまからタイムセールを開始しますー」


P 「……戦いが始まる」

未来 「おにーちゃん、何言ってるの?」

P 「未来、今から俺はあの中に飛び込んで卵の1パック2パックを仕入れてくるから、ここでカートを見ててくれないか?」

未来 「うん!ちゃんと見てる!」

P 「よし……!」

ダッダッダ!




主婦A 「ちょっとアンタ!邪魔よ!

主婦B 「主婦の戦場舐めんじゃないわよ!」

P 「ヘブゥッ!!」ボゴォ

未来 「お、おにいちゃーん!」

P 「わ、悪い未来……家庭を守ってるおばちゃんたちには叶わなかったわ」

P 「さらばハンバーグ……」

未来 「えーっ!そんなぁ」ガックリ



?? 「えーっと、もしかしてプロデューサーですかー?」

P 「ん?どちら様?」クルッ

高槻やよい(以下、やよい) 「うっうー!おはようございます、プロデューサー!」ガルーン

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P 「おっ、やよい!おはよう!今日は晩御飯の買い出しか?」

やよい 「はい!今日は安い値段でもやしが買えたので、いつもよりご飯が豪華にできますーっ!」

未来 「や、やよいちゃん?」

やよい 「あっ、未来ちゃんも!おはよーございまーすっ!偶然ですね!」ガルーン


未来 「おにーちゃんの付き添いなんだー」エヘヘ

やよい 「おにいちゃん……?プロデューサーが、ですか?」

P 「もうこのやり取り飽きた……実は」カクカクシカジカ

やよい 「そっか……でもきっと思い出せると思います!だって未来ちゃんはずっと楽しそうにアイドルやってましたから!」

P 「そう思うか?」

やよい 「はい!だから未来ちゃん、頑張ってね!」

未来 「はい!」

やよい 「じゃ、私は失礼しま……」

未来 「でもどうしよう……おにーちゃん、卵なきゃハンバーグ出来ないんだよね?」

P 「まぁ、あった方がいいな。大丈夫、なんとかしてみせ……」

やよい 「あのー、卵、あげましょうか?」

P 「いや、それは高槻家のもやしパーティーの品だろ!?」

やよい 「でもぉ……」

P 「コンビニでも卵は置いてるしな。心配しなくていいよ」

P 「早く持って帰って、長介たちにうまいもん食わせてやってくれ」

やよい 「はい……じゃ、今度こそ失礼しまーす」ガルーン

パタパタ

未来 「ホントに置いてあるの?おにいちゃん」

P 「多分な……?」


―――――


未来 「大変だったね……」

P 「まさか、コンビニ売り切れてたなんてな……探すのに手間取った」

未来 「私もう疲れたよー!」

P 「ホント疲れたが……だが、ここで諦める訳にはいかん」

P 「俺はハンバーグ作ってるから、今日は先にシャワー浴びてくれ」

P 「服は貰ってきた奴置いとくな」

未来 「うん!じゃ、先浴びてきまーす!」トコトコ



ジャバー

未来 「事務所の人たち、みんないい人だったなー」シミジミ

未来 「おにーちゃんもなんだかんだですっごい楽しそうだったし……」

未来 「………」モンモン

未来 「春香さんも美希さんも、おにいちゃんといっぱいくっついてた」

未来 「………」ムーッ

未来 「……良く分かんない!」サーッ


P 「おっ、未来上がったか……ってどうした?なんで機嫌悪そうなんだ?」

未来 「知らない!」プンプン

P 「す、すまん」

未来 「あっ、ち、違うの!」アセアセ

P 「違うって何がどうした?」

未来 「ち、違うのは違うの!さ、ハンバーグ食べよ!」

P 「あ、ああ……?」


P・未 「いただきます!」

未来 「はむっ……んー!おいしー!」パクパク

P 「うん、これならいいくらいだ。我ながらよくできたな」

未来 「流石おにーちゃん!……うーん」

P 「どうした、未来?」

未来 「ううん、何でもない!早く食べ終わって、ケーキ食べよ!」

未来 (あーんとかしたらおにいちゃん怒るかな……?)

未来 「むー……美味しい」モグモグ


P 「さ、飯も食い終わったし寝るぞー」ガサゴソ

未来 「はーい」ガソゴソ

P 「なんでお前は平然と一緒のベッドに入ってきてるんだ」

未来 「え?今日もおにーちゃんと一緒に寝るんだよ?」

P 「……まぁいいか」

未来 「えへへー」テレテレ

P 「…………」

未来 「……ねえおにいちゃん。起きてる?」ボソリ

P 「どうした、未来?」

未来 「おにーちゃんは、春香さんや美希さんの事どう思ってるの?」

P 「ん?どうした急に」

未来 「……なんか気になったの」

P 「うーん、春香と美希かぁ」


P 「あいつらはな、俺が育てた最高のアイドルだ……って、今更だけどな」

未来 「最高?」

P 「ああ。春香と美希は、それこそ最初から面倒を見てきたアイドルなんだ」

P 「春香と美希と……そこまで含めると千早もかな。あいつらは昔から苦労を分かち合った『相棒』なんだよ」

未来 「相……棒……」

P 「未来?」

未来 「……おにいちゃんは、私の事どう思ってるの?」ジッ

P 「み、未来の事?そうだなぁ」

P 「……その元気さは、誰にも真似できない大切なものだ。成長しても、それをなくさないでいてほしい」

未来 「!」

P 「まぁ、多少アホっぽい部分もあるけどな!」

未来 「~!もぉ!」ポカポカ


P 「いって!ベッドの中で腕振り回すな埃が舞う!」

P 「……そんな部分も可愛いから!大丈夫だよ、未来。お前も、俺の自慢のアイドルだ」ナデナデ

未来 「お、おにいちゃん……」カァアア

P 「……な、なんか恥ずかしくなってきたな」カー

P 「きょ、今日はもう寝よう!はい、お休み!」

未来 「えー!ねえ、おにいちゃーん!」

P スー

未来 「……もう」ギュゥ


未来 「おやすみ、おにいちゃん」 / 『おやすみなさい、プロデューサーさん』


―――――

P 「ふわぁ……」ムクッ

未来 「むにゃ……」スヤスヤ

P 「時間は……」チラッ

6時30分

P 「うん、余裕はまだあるな」

P 「さて、先に料理でも作ってようか……?」ガシッ

未来 ギュゥウウ

P 「……ゴメンな、未来」バサリ

P 手をほどく

未来 「ぷ……さ……」

P 「さて、朝飯を作るか―」


未来 「ぷろでゅーさー、さん……」ツー


P 「さて、目玉焼きでも作るかなー」ルンルン

未来 「んむぅ……」ゴシゴシ

P 「お、未来。おはよう」

未来 「お、おはようございます、プロデューサーさ……はい!?」ビクゥ!

未来 「ここプロデューサーさんの家じゃないですか!」

P 「何言ってるんだか。早く顔洗って……!?」

P 「未来!お前記憶戻ったのか?!」

未来 「え?は、はい!いつも通りの、春日未来です!」

P 「良かった……ホント安心したよ」ホッ

P 「さ、とりあえず顔洗って服着替えておいで。その後、昨日よりゆったり飯にしよう」

未来 「は、はーい!」パタパタ

P 「ホント、一安心だな」ピッポッパ


プルルル  ガチャ

社長 『私だ!』

P 「社長、早朝からすみません」

社長 『構わないよ、丁度モーニングコール代わりになった……こんな早朝からとなると、やはり未来君の事かね?』

P 「はい、未来が記憶を取り戻したみたいです!今日、プロデューサーさん呼びに戻ってたのを確認しました!」

社長 『そうかね!いやぁ、良かった!それは安心したよ』

社長 『ということは、本日から未来君は復帰という事になるのかね?』

P 「いえ、念のために病院に一度寄ろうかと。先生にもう一度診てもらってOKを貰ってきます」

社長 『うむ、その方がいいだろう。今日は打ち合わせの業務は?」』

P 「いざという時には律子に代わってもらうようお願いしてます。重要な要件については入れてないので安心かと」

社長 『それなら安心だ。では、今日は有給扱いにしておくよ』

P 「ありがとうございます!では、失礼します」ガチャリ


未来 「うわー!美味しそうなにおーい!目玉焼きですか!?」キラキラ

P 「ああ。さ、食うぞ!」

P・未 「いただきまーす!」パクパク

未来 「んんー!美味しー!」パクパク

P 「未来、あんまり急いで食べると……」

未来 「んぐぅっ!?」バンバン

P 「またか!?」


―――――

未来 「えー?私どこも悪くないのにー」

P 「はいはい、これが終わったら今日は劇場行ってこい。レッスンの予定はないが、学校休みなんだしな」

未来 「了解です!」

看護師 「えっと……春日様、診察室にお越しください」

P 「呼ばれたな。さ、行くぞ」



医者 「もうすっかり元気そうですね」

未来 「はい!この前はどうも、ありがとうございました!」

医者 「保護していた貴方の話だと記憶が戻ったとの事でしたが……?」

未来 「絶好調です!今ならなんだって出来ちゃいそうかも!」


医者 「なるほど……分かりました。では、春日さんには別室で検査を受けてもらいましょう。君、案内してあげて」

看護師 「はい。春日さん、こちらです」

未来 「はーい!じゃ、行ってきますね!プロデューサーさん!」トコトコ

P 「おう、いってらっしゃい」

医者 「……彼女、雰囲気が少し変わっていませんか?」

P 「はい、あれが俺の知ってる春日未来です」

医者 「……ふむ」

P 「どうかしたんですか?」

医者 「いや、少々奇妙だと思いまして」

医者 「私の見立てでは、春日未来さんは内向的な女の子というイメージでしたから」

P 「内向的ですか?いや、そんなことは全くないですよ。むしろハキハキとして、みんなのムードメーカーになるような子ですから」

医者 「ムードメーカーですか……」

P 「怖がっていただけじゃないですかね?」

医者 「ふむ、それも確かに考えられますが……」

医者 「……少し、感じたことがあるのですがよろしいですか?」

P 「は、はい」

医者 「彼女は、記憶を取り戻した時どのような状態でしたか?」

P 「いつも通りの未来に戻ったような感じでしたよ。ただ、なんでうちに居たのか良く分かってない感じでした」

医者 「良く分かっていない……ですか」

P 「はい。なんで俺が家に居るのか分かってない感じでした」

医者 「となると、もう一つ思い当たる症状があります」


―――――

小鳥 「え、プロデューサーさん。まだ同棲続けるんですか?」カキカキ

P 「はい。なんか先生がいうには記憶喪失じゃないのかもしれないとか何とかで」カタカタ

律子 「記憶喪失じゃないってどういう事なんですかね……っと、できましたプロデューサー」パサリ

P 「ありがとう。悪いな、結局手伝わせちゃって」

律子 「久々なのですこーし気合入ってます!」エッヘン

P 「頼もしいな……ずっと俺の傍で仕事を片付けていてくれないか」カタカタ

律子 「だからって全部投げないでくださいよ」ハァ

小鳥 「プロデューサーさん、元気ないですね?」カキカキ


P 「そりゃ未来のが完治するまで、安心なんてできませんよ……」

律子 「ホント、未来ちゃんに対して過保護ですねぇ」

P 「過保護というほど過保護かな?」カタカタ

小鳥 「未来ちゃんっていうかシアターの子全員に対してじゃないですかね?」ポン

P 「うーん……あんまり、春香達みたいな苦労を背負わせたくないんですよね」

P 「そのせいでレッスン中心にし過ぎてるのかな……」

バーン!

未来 「たっだいまー!」

P 「おっ、未来!今日も元気がいいな!」

未来 「はーい!元気100倍ですよぉ!小鳥さんも律子さんも、おはようございます!」ペコリ


律子 「未来、おはよう。体調はもう平気?」

未来 「はい!ご迷惑をおかけしました!」

P 「未来ー、今日は夕飯何がいい?」

未来 「んーと、ハンバーグがいいです!」キラキラ

P 「そうか、分かった」

小鳥 「……あれ?この二人って実の兄妹でしたっけ?なんでこんなに自然なんですか?」ピヨ

律子 「元から資質があったんですよきっと」

小鳥 「ね、ねぇ未来ちゃん!?私の事、お義姉さんって呼んでくれないかしら!?」キラキラ

未来 「え、ええ!?ど、どうしましょう、プロデューサーさん……」アセアセ

P 「呼んであげたら?」

未来 「え、ええっとー……お姉ちゃん!」

小鳥 「はうぁあ!?」ズキューン

パタリ

未来 「こ、小鳥さーん!」


P 「全くこの人は……」

律子 「小鳥さんは私が何とかします……未来はプロデューサー待ちですよ、早く行ってあげてください」

P 「仕事は確かに片付いてるが……良いのか、律子?」

律子 「未来がさっきから尻尾振って待ってますし、呼びとめたらかまれそうです」フフ

P 「律子、お前何言ってんだ……」クルッ

未来 「?」フリフリ

P 「!?」ゴシゴシ

未来 「早く帰りましょうよー」ピコピコ

P 「!?」パチクリ

律子 「何が見えました?」ヒソヒソ

P 「尻尾どころか犬耳まで見えたよ」ヒソヒソ



―――――

ガチャリ

未来 「たっだいまー!」バタン

P 「ただいまー、お前もすっかり馴染んできたな」

未来 「え?そういえばなんでこんなに見覚えがあるのかな……?」

未来 「ま、いっか!」パタパタ

P 「おい未来!手洗え!」

未来 「はーい!」

P 「……全く」

P (未来の様子はいつもの未来だ。けど……)





医者 『彼女は、解離性同一性障害の恐れがあります』





P 「何言ってんだろうな、あの先生は」シミジミ

未来 「プロデューサーさん、立ったまま何やってるんですか?」キョトン

P 「おっと悪い!」バタバタ

未来 「さ、ハンバーグハンバーグ!」ピョンピョン

P 「そういえばお前、この前もハンバーグ食ったのにまだ食いたいのか?」

未来 「え?そーでしたっけ?」キョトン

P (自覚がないのか忘れたのか判別が……)

P 「ま、いいや。じゃあシャワーを……」

未来 「プロデューサーさん!私、今日は私がお風呂入れてみたいです!住まわせてもらってるし、恩返しのつもりで!」デヘヘ

P 「お前、またバシャーとかやらねーだろうな……」

P 「まぁやってもらうか。スポンジと洗剤は石鹸の上に置いてあるから、洗剤をつけてから少しだけ置いた後、磨いてから流すんだぞ」

未来 「えーと……?はい、わかりました!」

P 「分かってないだろ!?俺がやるから……」


未来 「いえ、私がやります!」

未来 「やらせてください!」

P 「?そこまで必死になることもないが……分かった、任せるよ」

未来 「はい、頑張ります!」


未来 『おにーちゃん!水バシャーってなっちゃった!』


P 「……ッ!」

未来 「プロデューサーさん?」

P 「い、いや。じゃ、頼むな」


P 「やっぱり、何か引っかかるな……」

P 「……そうだ」カタカタ

P 「……解離性、同一性障害、っと……」カタカタ

P 「おっと出た出た……」

P 「……交代、人格?」


未来 「さ、やっちゃうぞー!」プシュプシュ

未来 「確かちょっと待ってからゴシゴシすればいいんだよね!」

未来 「…………」

未来 「よし、待った!」

未来 「これだけやれば、おにーちゃんも褒めてくれるよね!」エヘヘ

未来 「……あれ?なんでプロデューサーさんの事おにいちゃんって呼んだんだろ?」ハテナ

未来 「ま、いっか!スポンジ使って、ゴシゴシゴシー!」ゴシゴシ


未来 「プロデューサーさん、お風呂入れました!」

P 「おう、そうか。じゃあ飯にしよう」

未来 「わーい!」

P・未 「いただきます」


P 「それにしてもこうするのも慣れてきたなあ……」

未来 「そうですか?私、こうしてるのスッゴク新鮮です!」

P 「そうか」モグモグ

未来 「それにしてもプロデューサーさん、料理上手ですね。ほっぺた落ちちゃいそうです!」

P 「褒めても何も出ないぞー」モグモグ

未来 「……プロデューサーさん、もっと沢山話しましょうよー。なんかつまんなーい」ブー

P 「つまんないかー?」モグモグ

未来 「つまんないです!何かしましょーよー」モグモグ

P 「何か、ってなんだ」モグモグ



未来 「うーん……そうだ!食べさせ合いっこしましょう!」ティン!

P 「食べさせ合いっこ?」

未来 「あーんって奴ですよ、あーん!」

P 「でもお前と俺が食ってるもん同じだぞ?」

未来 「こういうのは雰囲気なんですよ、雰囲気!」

P 「そうかなぁ……おっ、そうだ」

P 「じゃあ、今度遊園地にでも行くか。雰囲気もっと出るだろ?」

未来 「えっ?」キョトン

未来 「………」カァア

未来 「い、良いですね!じゃあ約束ですよ、約束!」

未来 「ご馳走様でした!さ、先にお風呂頂いてますね!」

P 「おー、ゆっくり入っておいで」

P (……うん。俺が出来るのはこれくらいか)

P 「さて……」ピッポッパ

P 「あ、社長。夜分に失礼いたします」

 


―――――

ザッパーン

未来 「これって、デート……?」チャプチャプ

未来 「……でへへ」テレテレ

未来 「どんな服着ていこうかなぁー」

未来 「で、でもプロデューサーさんが誘ってくれたって事は……!」

未来 「ま、まさか……!?」ボン!

未来 「うー……」ドキドキ

未来 「ブクブク……」



―――――

社長 『……なるほど、そういう事かね』

P 「どうでしょうか?丁度、そういう仕事を貰っていますし……」

社長 『君が彼女のプロデューサーだ。私に指示することはないよ』

社長 『ただ、それで上手くいくのかね?』

P 「正直分かりませんが……今のまま放置するのは危険だと判断しました」

P 「何かあるなら、吐き出させてやるのが一番だと思います」

社長 『……うむ。それなら私から言う事は何もない。張り切っていってきてくれたまえ』

P 「はい!では、失礼します」ピッ

P 「……うまくいくか?」

P 「ハハ、なんくるないさー、なんてな」


未来 「お風呂あがりましたー!」パタパタ

P 「おー……っておい!バスタオル巻いたままで出てくるやつあるか!貰ってきたパジャマ置いといたろ!」

未来 「えっ?あー!」

未来 「み、見ないでくださいよエッチ!」サッ

P 「お前が出てきたんだろ早く戻れ!」

未来 「むー!おにーちゃんのバカァ!」パタパタ

P 「パジャマ着てこない奴の方がバカだバカ!」

P 「…………」

P (たまに出てくる『お兄ちゃん』が勘違いなら良いんだが……このまま続けば、間違いなく未来に支障をきたす)

P 「早く何とかしないとな……」


―――――

P 「……で?なんでお前は俺とベッドで寝る事に躊躇がないんだよ?」

未来 「……躊躇ないわけ、ないじゃないですか」ボソリ

P 「ん?」

未来 「なんでもないです!」ツン

P 「まったく、いちいち照れたり拗ねたりで忙しいな未来は」

未来 「プロデューサーさんが鈍感すぎるんですよぅ……」ボソリ

P 「鈍感って言われたって中学生の女の子にいちいち欲情してたら体がもたない職業だからな」ハハハ

未来 「き、聞こえてたんですか!?」

未来 「なんか悔しいなあ……」シュン


P 「……焦らなくていいんだぞ、未来。お前にはまだまだ未来があるんだ」ヨシヨシ

未来 「……ぷっ、それもしかしてダジャレですか?」クスリ

P 「おっ?たまーに真面目になったらそういう事いうのかねこの子は」グリグリ

未来 「い、いたいですよぉおお」アウアウ

P 「ま、いいや。寝よう、明日も平日なんだ」

未来 「そうですね、明日から静香ちゃん達とレッスン!楽しみだなー」ワクワク

P 「静香も泣いて喜ぶよ。さ、おやすみ」

未来 「はい、おやすみなさーい……」

P 「…………」スー

未来 ギュゥ


―――――

春香 【未来ちゃんがどう思ってるか、ですか?】

P 【ああ、あいつがなんでああなったのかを考えてるんだけどな】

P 【俺には、どうも女心が分からないみたいでさ】

春香 【ふーん……】

P 【ど、どうしたんだよ】タジロギ

春香 【いーえ?確かに、女心が分からないなーって思いまして!】

P 【分からないから、春香に聞いたんだろ?】

春香 【なんで私を頼ったんですか……】ハァ

P 【うーん、やっぱりお前が一番隣にいたからかなあ】


P 【頼むよ、相棒。俺にアドバイスをくれないか……なんてな】キリッ

春香 【……もう、そういうところホントずるいんだから】ボソリ

P 【?どうした、春香】キョトン

春香 【なんでもないでーす】プイッ

春香 【でも、プロデューサーさんはいっつもそういう事他の人にも言いますよね】ジトー

P 【そ、そんな事ないと思うけどなあ……?】

春香 【ふーん……あっ】ハッ

P 【どうした、春香?】

春香 【私、ちょっと未来ちゃんの気持ちわかっちゃったかもしれません……】

春香 【えっとですね?多分――】


―――――

未来 「まだかなー」ワクワク

未来 チラッ

時計 9時半

未来 「早く来過ぎちゃった……」

未来 「プロデューサーさん、まだかな……?」キョロキョロ


P チラッ

時計 10時

P 「……来ねえなぁ」


バタバタバタ!

未来 「すみません!待ち合わせ場所間違えちゃいました!」ハァハァ

P 「そんなこったろうと思ったよ……どうせ、駅の東口と西口でも間違えたんだろ?」

未来 「……で、でへへ~?」タラタラ

P 「まったく……お前らしいといえばお前らしいけど」

P 「でも、なんでわざわざ待ち合わせしようなんて言い出したんだ?同じ家に今住んでるんだから一緒に行けばいいじゃないか」

未来 「そんなの、デートだからですよ!」

P 「俺とお前でデート、ねえ……?」

未来 「他に何だって言うんですか!?」

P 「兄妹で家族旅行」

未来 「ううううー!」ポカポカ



P 「いてて!わ、悪い悪い!」

未来 「プロデューサーさんが悪いんじゃないですかー!」ポカポカ

P 「ご、ごめんって!後で何か奢るから許して!」

未来 「むぅー……」

P 「……あ、そうそう」

P 「可愛いぞ、未来。その恰好、とってもよく似合ってる」

未来 「!」

未来 「も、もう!」プイッ

未来 (で、でへへ~)テレテレ



未来 「プロデューサーさん、あれ乗りましょう!」

P 「じぇ、ジェットコースター……?」

未来 「え、プロデューサーさん苦手なんですか?」

P 「苦手なわけないだろ!さぁ来いよ、未来!俺が真のジェットコースターの乗り方を教えてやるよ!」


P 「―――」ゼーハー

未来 「ぷ、プロデューサーさん、大丈夫ですか……?」オドオド

P 「へ、平気だって!余裕のよっちゃんだ、HAHAHA」ダラダラ


P 「お化け屋敷……?」

未来 「入ってみましょーよー!」ガシッ

P 「お、お前俺をビビらせたいだけなんじゃ」ズルズル


キャーッ!

未来 ビクゥ!

P 「未来、お前ひょっとしてこういうの苦手なんじゃ」

 ネェ…… コッチニオイデヨ……

未来 「ひぃいいい!!」ビクビク

P 「……未来!」ガシッ

未来 「へ?」ポカン

P 「大丈夫だ、俺が守ってやる!」スタスタ

未来 「え?えっ?」アワアワ

P 「来い、突っ切ってやる!」ズンズン

未来 「プロデューサーさん!」ギュゥ

ヒタ ヒタ

P 「………」クルリ

未来 「………」クルリ

包帯女 「アタシハ ココダヨ?」ニタリ

P・未 「うぎゃあああああ!?」タッタッタ


P 「し、死ぬかと思った」ゼーハー

未来 「こ、怖かったよお……」プルプル

P 「ご、ごめんな……守るとか言ってこのザマだ」ガックリ

未来 「そ、そんな事ないです!プロデューサーさんはかっこよかったですよ!」

P 「無理にフォローしなくていいから……はぁ」ウナダレ

未来 (……ホントに、嬉しかったんですからね?)



未来 「さ、プロデューサーさん!お昼ですよ、お昼!」

P 「春香に怒られるぞ……じゃあ適当に頼むか」

未来 「ふふふ……!デートの定番と言えば!彼女の手作り弁当でしょう!」ドヤァ

P 「うちの食材が何の変化も起こしてないのに弁当が出来てるわけなかろう……ほら、メニュー」

未来 「知ってたんですか」ショボン


P 「そりゃ我が家だしな」

未来 「ホントは作りたかったんですけど急だったから……はい、決まりました!」

P 「よし。店員さーん」

パタパタ

店員 「はい、ご注文はなんでしょうか?」

P 「カツカレー一つ。それと」チラッ

未来 「オムライスください!」キラキラ

店員 「かしこまりました」スタスタ

P 「未来、オムライスでよかったのか?」

未来 「はい!カレーでも良かったんですけど……えへへ」

P 「?」


店員 「お待たせしました。こちらカツカレーとオムライスになります」

P 「ありがとうございます。それじゃ、食べるか未来」

P・未 「いただきます!」

P 「それじゃ早速……」

未来 「ま、待ってくださいプロデューサーさん!」ガタッ

P 「ど、どうした……って、お?」

未来 スプーン差し出し

P 「あの、未来さん?」


未来 「恥ずかしいんですから早く!はい、あーん!」プルプル

P 「じゃ、じゃあ……」パクリ

P 「モグモグ……うん、普通にうまいな」

未来 「……なんで照れてくれないんですかー!」プクー

P 「照れくさくたって大人は顔に出さないの!まったく、仕方ないな……」サッ

未来 「へ?」

P スプーン差し出し

P 「お返しだ。はい、あーん」

未来 「!」パクリ

未来 「おいしー!」キラキラ

P 「そいつは良かった……さ、そろそろ自分の食おうっと」

未来 「でへへ……!プロデューサーさん!今の私達なら恋人みたいに見えますかね!?」テレテレ

P 「……いやぁ」チラリ




客A 「仲睦まじい兄妹ねー」

客B 「あれくらいうちの娘たちも仲良くしてくれたらねえ」



P 「無理じゃないか?」

未来 ガックリ


最後あげようと思ったがまた用事だ……
多分すぐ戻ります

帰ってこれた……最後まであげます


―――――

未来 (結局、プロデューサーさんとデートしてる感じにならなかったなあ……)

P 「おーい、未来!なぁにボサっとしてんだ!」

未来 「えっ、プロデューサーさん?」

P 「じゃ、今日の本題に行くぞー。用意はしてたな?」

未来 「た、確かに聞いてましたけど……詳しい説明受けてないですよー?どこ行くんですか?」トコトコ

P 「お前はホントは今日休みじゃないからなー、その分活躍の場をって奴だ」スタスタ

未来 「え?え?」


未来 「ここって……」

P 「お前が立ちたい、って昔から言い続けてた場所だ。ちょいと、規模は小さいが」

未来 「ステージで、ライブするんですか?」

P 「そうだ、お前一人でやるソロライブをここで今からやる」

P 「シアターの外でやるライブだ。サポートしてくれる先輩や同輩はいないわけだが……」

P 「俺とお前で、このステージを完成させる」

未来 「私と、プロデューサーさんで、ですか?」

P 「うん。今回、俺はお前だけを見てる」

未来 「私だけ……」

P 「そうだ」

未来 「…………」

未来 (わ、私だけ……!)

未来 「はい、私頑張ります!プロデューサーさんに変なとこ見せないように、努力します!」グッ


P 「……未来」

未来 「は、はい?なんですか、プロデューサーさん」キョトン

P 「ヘマしてもいい、楽しくやれ」

未来 「えっ……?」キョトン

未来 「だ、ダメですよ!プロデューサーさんが折角ついててくれるんだから……!」

P 「折角ついててくれるって言い方は間違えてるぞ未来」

P 「俺はいっつもお前を見てる」ジッ

未来 「で、でも!プロデューサーさんは春香さんとか美希さんの事気にしてるじゃないですか!他にも静香ちゃんだって翼だって!」ウルウル

未来 「私の事見てくれるのなんて、ほんのちょっとの時間しかないじゃないですかぁ!」ポロポロ


―――――

P 【……寂しい?未来がか?】

春香 【はい!でもプロデューサーさんは鈍感ですからねー分からないんでしょうけどー】ジトー

P 【お前は昔とちょっぴり変わったな】

春香 【ええ、変わっちゃいましたよープロデューサーさんの、せーいーでー】ツンツン

P 【俺そこまでひどい事したのか……?】

春香 【してないですよ。してないから私はこうなっちゃったんですー】

春香 【そんな感じで……未来ちゃんも寂しくなっちゃったんじゃないかなって、私は思います】

P 【そんな感じ?】キョトン


春香 【今のプロデューサーさんはいっぱいアイドル受け持ってるじゃないですか。昔は、私と千早ちゃんと美希くらいだったのに……】ショボン

春香 【この際だからはっきり言いますね?私、寂しいです!】

P 【さ、寂しいって……】シドロモドロ

春香 【最近はいっつもプロデューサーさんついてきてくれないじゃないですか!】

P 【そ、それは春香は一人でもやっていけるからであって……!】オロオロ

春香 【それでも嫌ですよ!私だって心細くなるんです!】

P 【……すまない、配慮が足りなかった】

春香 【……私の方こそごめんなさい】ペコリ

春香 【でもですね?未来ちゃんは、そういうのが寂しかったんじゃないかなって思うわけですよ】

春香 【プロデューサーさんがずっと遠くにいるように感じたから。近くに居たかったんですよ、きっと】


―――――

P 「いいか、未来。アイドルとプロデューサーってのはな?二人で一つの道を行く、いわゆる『二人三脚』なんだよ」

P 「お前のプロデュースを始めた時から、お前の事を俺はずっと見続けてる!」

未来 「うう……!」プルプル

P 「だから未来。変な事で焦るな」ポン

P 「ゆっくりになったとしても、俺はずっとお前と歩いてるんだから」

未来 「……うええええ」ポロポロ

P 「あ、いや、これからミニライブだってのに泣かないで」オロオロ

未来 「だ、だってぇええええ!」グスグス

未来 「ううう」ゴシゴシ

P 「な?ほら、お客さんの前で恥晒してる場合じゃないぞ?」

未来 「……あ゛い゛!」ゴシゴシ

未来 「じゃ、準備してきます!」タッタッタ

P 「おう!」



―――――

楽しいだけじゃない 悩みもあるけれど


未来 (そうだ、私はアイドルなんだ)


夢中になれること 諦めたりなんかしない


未来 (春香さんたちみたいにまだ出来ないけど!)


同じ時間を駆け抜けた 仲間たちのために 飛べるよ…ジャンプアップ!!


未来 「みんな、もっと盛り上がってこー!」



だからね見ていてね これからの私のこと


―――――

P 「お疲れ様、未来!」

未来 「に、二曲しか歌ってないはずなのにヘロヘロですよ~」フラフラ

P 「お、おい!?ほら、とりあえず水飲め!」ガシッ

未来 「は、はい!ゴクゴク……ぷはー!生き返りました!」シャキーン

P 「もうちょっと普段からレッスンしといた方がよかったかな……」

未来 「そ、それはこれから頑張りますから!」

P 「そうかぁ?なら期待しておこうかな」

P (ふっきれてくれてるといいんだが、どうだろう?)チラッ

未来 「?」ニコー

P 「……ふっ」

未来 「あー!なんで今笑ったんですかー!」

P 「いやぁ、なんかおかしくなってな!アハハ!」

未来 「もー!」ポカポカ


―――――


P 「で、観覧車に乗るってのでよかったのか?他のでも良かったのに」

未来 「はい!二人で観覧車に乗りたかったんです!」キラキラ

P 「そうか……」

未来 「………」

P 「………」

未来 「……プロデューサーさん」

P 「なんだ?」

未来 「私、今日のライブすっごく楽しかったです!」

P 「そうか、それなら良かった」

未来 「それで私、歌いながらお客さんの顔見てたんですけど」

未来 「みんな、笑ってくれてました!ニッコリ、笑顔で!」

P 「笑顔、でか」

未来 「はい!だから私も楽しくなっちゃって!いつもより張り切っちゃってた気がします!」


未来 「……あの、それでですね?」

未来 「プロデューサーさん、ごめんなさい。今まで迷惑かけてて」ペコリ

P 「どうした未来?謝られるような事やらかしたのか?俺には覚えがない」シレッ

未来 「だ、だって!良く分かんないけどプロデューサーさんの家に勝手に住み着いてたじゃないですか!」

P 「ああ……まあ、確かに最初は社会的に抹殺されそうな不安感はあったけどな」

P 「俺はお前と暮らしてて楽しかったよ、だから謝る事なんて一つもない」

未来 「……もー!プロデューサーさんはずるいですよぉ!」

未来 「そんなこと言われちゃったら嬉しくなっちゃうじゃないですか……」

P 「本心だからな、隠す事ないだろ」ハハハ

未来 「もぅ……」

未来 「あれ……?」フラリ

P 「おっと」ガシッ

P 「疲れが出たな、今のうちに寝とけ」

未来 「今寝とけって……プロデューサーさんは、ホント鈍感です、ね……」

未来 スー

P 「……まったく、無理しやがって」ナデナデ

P 「これで、未来が楽になってくれればいいんだけどなあ……?」


―――――

未来 「あれ?」フワフワ

未来 「あー!私空飛んでるー!未来飛行みたい!」キラキラ

未来 「あれ?」

未来妹ver(以下、妹) 「あ、あの?」

未来 「私……?」

妹 「元々の私、だよね?おにいちゃんの妹の未来です」

未来 「か、春日未来です……?」

未・妹 「で、でへへ?」テレテレ

妹 「……ねぇ」

未来 「なぁに?」

妹 「お兄ちゃんに甘えてたかったんじゃなかったの?」


妹 「だから私みたいな人格が出来たんじゃないの?」

未来 (じんかくってなんだったっけ……?)

未来 「うーん、良く分かんないけど」

未来 「私は、さっき楽しくやれたからもういいかなって!」

妹 「そ、そんなんでいいの?」

未来 「さっきだって楽しかったし!」キラキラ

未来 「それにー!プロデューサーさんだってさっきずっと見ててくれたもん!」

妹 「ずっと、見てくれてる……?」

未来 「うん!プロデューサーさんはアイドルが踊ってるの見るの大好きだから!」

未来 「私が踊ってたら、きっちり見ててくれるんだよ!終わったら褒めてくれるし!」

妹 「でも、独り占め出来ないよ?」

未来 「……どーしよ?」

妹 「どーするの?」

未来 「……うん、考えるのやーめた!」

妹 「や、やめちゃうの!?」

未来 「プロデューサーさんと一緒にアイドル活動していけば分かるよ、きっと!」

―――――

未来 「いつか分かりますよねー……プロデューサーさーん……」スヤスヤ

P 「……全く。どんな夢を見てるんだか」

P 「……おやすみ、未来」ナデナデ


―――――

P 「という事で、社長。再診も受けましたが……いつもの未来に戻りました」

P 「俺がちゃんと見てやれていなかったせいで……すみません」ペコリ

社長 「そんな事はないとも!キミはキッチリ解決したじゃあないかね。それで十分だとも」

律子 「でも、二重人格ってそんな簡単にどうにかなる問題なんですか?」

小鳥 「未来ちゃん寂しかっただけなんですよね?ならそれが何とかなったら治るんじゃないんですか?」

P 「適当ですね……まあそれで問題なかったわけですが」

P 「先生も原因が解決して本人が元に戻っていれば問題ないと仰ってました。春香に感謝しないとな……」

社長 「天海君の助言だったのかね?」

律子 「道理で朴念仁なプロデューサーが解決できたと思いましたよ……」ジトー

P 「な、なんで俺はそんなに信用がないんだ……?」タジ


小鳥 「あー、私にももう一人の人格が生まれたらなー。プロデューサーさんとデートできるかもしれないのになー」チラチラ

律子 「仕事をしっかりしてくれる人格なら大歓迎ですよー。さ、追加の書類です」バサッ

小鳥 「ピヨォ……」

社長 「とにかくだ!お疲れ様だったね!通常業務に戻ってくれたまえ」

P 「はい!」

未来 「おっはよーございまーす!」バタン

P 「お、未来!」

律子 「未来おはよう。今日からビシバシやっていくから覚悟しなさいよー?」

未来 「は、はいぃいい」ガクブル

未来 「あ、プロデューサーさん!忘れ物持ってきました!」サッ


P 「お、悪いな。これないとちょっと支障をきたして……って、なんだこれ」

未来 「え?この書類じゃないんですか?」キョトン

P 「お前の数学プリントなんて貰っても俺は解いてやらないぞ」

未来 「えっ!?ちょ、ちょっと見せてくださいよ!」バサッ

P 「忘れ物した俺が悪かった……が、それとこれとは話が別だよな?この宿題の期限昨日までなんだが?」ニッコリ

未来 「わ、私が記憶失ってる間にやっててくれるはず……!」

P 「真っ白だバカ!今日は午前のレッスンはやらなくていいからそいつをとっとと片付けろ!俺も手伝ってやるから!」

未来 「ホントですか!やった、プロデューサーさんがいれば安心です!」

P 「まったく……」


小鳥 「……あのぉ」

P 「なんですか、音無さん」

小鳥 「なんでプロデューサーさんの忘れ物を、未来ちゃんが持ってくるんですか?」

P 「そりゃ未来がうちに泊まってるからでしょう」

社長 「……ふむ?」

律子 「なーんで貴方は元に戻ったアイドルとまだ同棲を続けてるんですか!スキャンダルになりますよ!?」

P 「ま、まだ住んでるわけじゃないぞ!たまに泊まりに来るだけで」

未来 「私の家とプロデューサーさんの家近いから問題ないです!」

律子 「距離が問題なんじゃないのよ!まったく、どうしてこの人たちは……」

小鳥 「わ、私が妻として誤魔化しにかかるってのはどうでしょうかね!?」

P 「良いわけないでしょ!」

社長 「ハハハ!まぁ、楽しくやれているようなら何よりだ。ただしだねぇキミぃ?くれぐれも、問題は起こさないようにな」

P 「は、はい!」ビシッ


P 「……それで、この部分はこうやって解くんだ」

未来 「わー、すっごーい!これ、こんな風に解けるんですね!」 

P 「……未来、授業聞いてなかったのか?」

未来 「え?いやぁ、ちょっと夢の世界に……」

P 「授業は起きて聞け……っていってもスケジュール詰めてた俺が悪いのかもしれんが」

P 「じゃ、ここ未来やってみて」

未来 「はーい!」カキカキ

未来 「……できました!これでどうですかね?」

P 「うーん……おし、正解」

未来 「やったー!」バンザーイ

P 「まだ問題はあるから一緒に頑張ろうな」

未来 「!はい、頑張っちゃいますよー!」

未来 「一緒に!頑張りましょうね、プロデューサーさん!」

おしまい

ダメだ、シリアスは書けねえと気付いてしまった……
可愛い未来ちゃが見たかっただけなんです許してください

おつ
よかったよ

>>109
その言葉だけで救われたよ……

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