悟飯「わかりました、修行をします」 (30)

悟飯「お父さん」

悟空「お?どうした悟飯」

悟飯「修行を、しようと思うんです」

悟空「修行?」

悟飯「はい」

悟空「仕事はどうすんだ?」

悟飯「はは、まあ支障が出ない程度にやりますよ」

悟空「……」

悟飯「僕もお父さんの息子です、それに、地球を守れる力を持っているのなら、使わないと……それが家族の為にもなると思ったんです」

悟空「……」

悟飯「お父さん?」

悟空「おめぇがやってみるってんなら、やってみればいいぞ」

悟飯(あれ?おかしいなあ、お父さん、もっと喜んでくれると思ったのに……)

悟飯「何かあったとき、またお父さん達の力になれるように頑張ります」

悟空「悟飯」

悟飯「はい」

悟空「おめぇ、何か勘違いしてねぇか?」

悟飯「え?」

悟空「地球を守りてえのと、オラ達の力になりてえのは違うんじゃねえのか?」

悟飯「えっと、それは……」

悟空「オラが何を言いてえかわかるか?」

悟飯「……」

悟空「……」

悟飯「ごめんなさい、正直……」

悟空「そうか」

悟飯「……」

悟空「ま、修行するってんなら、とりあえずやってみれば良いと思うぞ!おめぇ随分怠けてっからな!」

悟飯「……!は、はい!」

悟飯「じゃあ、早速……!」

悟空「それじゃあオラは修行してくっからな、おめぇも頑張れよ悟飯!」

悟飯「え?お父さ……」

シュンッ

悟飯「……」

悟飯(てっきり一緒に修行してくれる物と思ったのに……まだ着いていけないってことなのかな……?)

悟飯「……まあ、とりあえず今日は一人でするかな……」

悟飯「……ふぅ、今日はこんなもので良いかな!」

悟飯(体を動かすことも久しぶりだし、疲れたな……でも、少しは勘も取り戻せたような気がする)

チチ「あれ?悟飯ちゃん道着なんて着て珍しいだな?修行してただか?」

悟飯「お、お母さん!」(まずいな、怒られるかな……?)

チチ「そうかそうか、体動かさねえと弱っちくなっちまうだべ、良いことだな!」

悟飯(良かった、機嫌は良いみたいだ)

悟飯「僕も、何かがあった時に少しはお父さん達の力になりたいので……」

チチ「へ?」

悟飯(!しまった、まずい言葉だったか……?)

チチ「悟飯ちゃん、今なんて言っただ?」

悟飯「え、えっと、お父さん達の力になれるように……」

チチ「……」

悟飯「お、お母さん、僕ももう子供ではないんです、だから何か危機が訪れた時には」

チチ「おら、そんなこと思ってねぇだよ」

悟飯「え?」

チチ「悟飯ちゃん」

悟飯「はい」

チチ「おめぇはもう子供じゃねぇ、そんなの当たり前だ、結婚もして、立派な大人だ」

悟飯「はい」

チチ「悟飯ちゃん」

悟飯「はい」

チチ「修行なんかしてねぇで、お仕事するだ、お仕事の、勉強するだ」

悟飯「え、でも……」

チチ「おめぇが小さい頃に、おらが何度も言ったことだけど、意味は違うだ」

悟飯「……」

チチ「その意味の違いがわからねぇなら……修行なんてやめちまうだよ」

悟飯「お母さん……」

チチ「さ!ご飯にするだ!悟空さはまだ修行してるだかな!」

悟飯「……」

チチ「ほら悟飯ちゃん、もう暗くなってきただ、家に入るだよ!」

悟飯「は、はい……」

悟飯(意味の違い……?違い……)

悟飯(お父さんも、何か変だった。僕が修行をするということに、何か問題があるんだろうか)

悟飯(お父さんも、お母さんも何かおかしい……)

悟空「よ、悟飯!」

悟飯「あ……お父さん」

悟空「そろそろ飯の時間だぞ、家ん中入っぞ悟飯!」

悟飯(修行の話をした時は何か変だったけど……今は普通だ)

悟空「チチ~腹減ったぞ、オラもう死にそうだぁ」

チチ「そうか、死にたくねぇなら手伝うだな!」

悟空「ひぇ~、修行でクタクタなのにそらねぇぞ~」

チチ「ならそのまま死ぬだな」

悟空「ひゃ~厳しいぞ、なあ悟飯?」

悟飯(僕の、考え過ぎなんだろうか……?)



悟飯「ふぁ~筋肉痛だ……」

悟飯(翌日に筋肉痛が来るってことは……まだまだ若いんだな僕は……って、はは、何思ってるんだ僕は)

悟飯(さて、仕事言って来ようかな……)

悟飯(……)

悟飯(それにしても、やっぱり昨日のお父さんとお母さんの感じ……気になるな)

悟飯(特にお父さん、あんな風に、感情というか、何か雰囲気を出して来ることなんて滅多にないのに)

悟飯(本人に聞くのが一番早いけど、どうしよう……)

悟飯(仕事の後、誰かに相談してみようかな)

ピッコロ
クリリン
べジータ
ビーデル
ブルマ
悟空
チチ

>>18

>>13

カプセルコーポレーション

悟飯(修行と言えば、お父さんの次に浮かんでくるのはやっぱりべジータさんだ)

悟飯(相談のついでに、修行も付き合ってくれると嬉しいんだけどなあ)

ブルマ「あら?悟飯くん」

悟飯「ブルマさん、こんにちは」

ブルマ「珍しいじゃない?どうしたの?」

悟飯「べジータさんと少しお話がしたくて……」

ブルマ「あら、ますます珍しいじゃない、ちょっと待ってて、呼んでくるから」

悟飯「あ、でも修行中ならお邪魔では……」

ブルマ「大丈夫大丈夫!ジュースでも飲んでて!」

べジータ「悟飯か、どうした急に、珍しいじゃないか」

悟飯「べジータさん、すみませんお取り込み中に」

べジータ「構わん、ちょうど休憩しようと思っていた所だ」

悟飯「そうですか」

べジータ「ん?なんだ何も出されずに待っていたのか」

悟飯「え、はい、今日はお話だけで……」

べジータ「待っていろ、何かデリバリーを頼んでやる」

悟飯「そ、そんなお構いなく!」

悟飯(って、もう注文してる……)

ブルマ(あれはちょっと嬉しいのね)

べジータ「それで、わざわざこの俺を訪ねて来た理由はなんだ」

悟飯「あ、えっと……」

ブルマ「でもそうねぇ、ピッコロじゃなくてなんでべジータなの?」

べジータ「ブルマ、お前は口を挟むな」

悟飯「あの、修行をしようと思いまして」

べジータ「修行を?」

ブルマ「悟飯くんが?」

悟飯「はい」

デリバリー「オマタセシマシター」

べジータ「修行なら好きにすれば良いだろう、別に誰に言う必要もない」

悟飯「はい、そうなんですけど……お父さんとお母さんにその事を話したら、何か雰囲気が変で……」

べジータ「……」

ブルマ「……」

べジータ「どういう内容で話したんだ」

悟飯「え?」

べジータ「カカロットに話したように、俺にも言ってみろ。」

悟飯「あ、はい」

べジータ「それと早く食え、ここのピザは美味いが冷めると不味い」

ブルマ「それはなんでもそうよべジータ」

べジータ「お前は口を挟むなと言っているだろう!」

悟飯「その、僕は仕事と家族のことで忙しくて、また、それが自分自身の夢でもありました」

べジータ「そうだな」

悟飯「ですが、それでどんどん自分が衰えていくのも感じていました」

べジータ「……」

ブルマ「だから、修行をしようと思ったの?」

悟飯「はい、少しでも、お父さん達の力になれるように……地球を守れるように」

べジータ「……なるほどな」

ブルマ「……」

悟飯「僕は、何かおかしなことを言っているでしょうか」

べジータ「……」

悟飯「機嫌を損ねるようなことを、言ってしまったんでしょうか」

べジータ「悟飯」

悟飯「はい」

べジータ「お前は何も間違ったことは言っていない」

悟飯「……」

べジータ「何も気にせず、自分が思うように修行をすることだ」

悟飯「でも、本当にそうなら、何故お父さんとお母さんは」

べジータ「……ふん、お前にはわからんか、悟飯」

悟飯「……べジータさんには、わかるんですか?」

べジータ「ああ」


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