デブオタ「俺がモテてどうすんだ」 (4)

ー 授業後、学校 ー


ギャル「やった! あたしの勝ちー!」

トランプ「残念だったなあ、お嬢ちゃん」


モブ女A「じゃあ、ビリの美少女には罰ゲームだねー」

モブ女B「だねー。さ、このクジの中から選んでー」

クジ「覚悟は良いか?」


美少女「あーあ、もう……。仕方ないかあ。変なの嫌だよー」ゴソゴソ

クジ「さーて。何が出るかな。ふふふふ」

美少女「えっと……。これ」ジャン

クジ「引いたのか! それを引いてしまったのか!」

モブ女A「え、なになにー? 何を引いたのー?」

モブ女B「なんか面白いやつー? どれどれー?」

美少女「んっと……」ピラッ


『ブサイクに告白する事』


ギャル「」ブフッ

ギャル「ヤバイ、それ一番可哀想なやつじゃーん。ひさーん」

モブ女A「美少女、カワイソー」キャッキャッ

モブ女B「きついよねー、これはー」キャッキャッ


美少女「ええ……。これ、ホントにやるの……? やらなきゃダメ……?」

三人「ダメー」キャッキャッ


美少女「そんなあ……」

ー ほぼ同時刻、一年の教室 ー


モブ女C「それ、ダウト」

ウノ「正解だ」

ツンデレ娘「ちょっと! 何でわかるの、やめてよ!」

モブ女D「だって、ツンデレ娘、すぐに顔に出るし」

モブ女C「だよねー。わかりやすいって言うかー」

ツンデレ娘「そんな。ウソ。やだ」

モブ女C「って、事で、ドベはツンデレ娘に決定だね」

モブ女D「罰ゲームだよ、ツンデレ娘」ニマッ

ツンデレ娘「ああああ……」ガクッ


『罰ゲーム。一番付き合いたくない男に告白する事』


モブ女C「カワイソー。で、誰? 誰に告白するの?」ワクワク

モブ女D「どんな残念な男ー?」ワクワク


ツンデレ娘「うっ……。その……」

ー 更に、ほぼ同時刻。文芸部の部室 ー


おっとり娘「あれ? 今日、デブオタ君は来てないの?」

女子部員A「ああ、はい、部長。今日は家の用事があるとかで」

おっとり娘「そうなんだ……。どうしようかな……」

男子部員B「? デブオタに何か用ですか?」

おっとり娘「ああ、うん。たいした事じゃあないんだけどね」

おっとり娘「この前、コンクールに出すからって、部の皆で詩を書く事になったでしょ?」

おっとり娘「それがまだ、デブオタ君だけ貰ってないから……」

女子部員A「ああ、あの企画ですか……」ドンヨリ

男子部員B「俺、詩なんて生まれて初めて書いたからな……」ドンヨリ

おっとり娘「みんな、楽しくなかった?」キョトン

女子部員A「いえ、まったく」

男子部員B「粉微塵も楽しくは」

おっとり娘「私は楽しかったんだけどなあ。色々と考えたり感じる事が多くて」ポワポワ

部員AB(あんたは天然だからそうかもだけど……)

おっとり娘「あ、それで」

女子部員A「はい」

おっとり娘「デブオタ君のだけ、まだ貰ってなくて」

男子部員B「明日じゃ駄目なんですか?」

おっとり娘「明日でも良いんだけど、でも、早い内に貰ってしまいたいの。私、忘れやすいから」

女子部員A「ああ、それは確かに」

男子部員B「でも、デブオタ。確か明日も部室には来ないんじゃないかなあ。確か歯医者に行くって言っていた気が……」

おっとり娘「そうなの? うーん……」

女子部員A「まあ、詩を貰うだけなら昼休みとかでもいいんじゃないですか? 直で言うと多分デブオタ先輩、恥ずかしいと思うんで、こっそり伝える感じで」

おっとり娘「そうだね。忘れそうだから、そうしようかな」

おっとり娘「明日のお昼にでも、デブオタ君の教室に行ってみる」

男子部員B「なんなら、俺が伝えておきますけど」

おっとり娘「あ、ううん、いいよ。自分で行くから。自分の事は自分でやりたいし」

男子部員B「そうですか」

おっとり娘「うん。だから大丈夫」ニコッ

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