甘くてとろける百合バス (28)
学生専用バスなるものがある。
今、そのバスには、私を含め、7人のクラスメイトが乗っていた。
みんな女子だけど、間違いなく何か起こると思った。
私は彼らの事情について、詳しいから。
まず、後ろの席の二人。
どこに行くにもいつも一緒。
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家が隣同士らしい。いわゆる、幼なじみ。
昼ごはんやトイレはもちろん、将来の就職先まで同じ所にするみたい。
たまに二人で屋上に姿を消してる。
私は何をしてるかは知らない。
戻ってきたら、やたら血色が良くなってる。
プロレスでもしてるんだと思いたい。
今は、なんだか荒い息づかいが聞こえてくる。
後ろが気になるけど、振り返る勇気が出ない。
後ろから、ダメだよ、とか、待って、とか聞こえるんで、たぶん、どっちかがっついてるんだと思う。
でもさ、ここ、バスだから。
前に私乗ってるんですけど。
もっと、音量下げれませんかね。
がたんと席が揺れた。
私はびっくりして、振り返ってしまった。
背の低いショートヘアの子のシャツが乱れて、ヘソが見えていた。
へそだよ。
白い肌にへそがぽつんとあって、吸引力があって、ずっと見ていたら、背の高いロングヘアが私のおでこにデコピンした。
痛いし、わざと見たんじゃないのにさ。
そもそも、車内でなにしとんじゃ、あんたらは。
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