男「彼女つくろうと思う」友「はいはい」 (10)

男「友人が決意を固めてんだからもっとこう……励ますとかないの?」

友「ガンバッテクダサイ」

男「ちょっとでいいから心をこめてほしい」

友「込めてる込めてる、ほらこの顔見れば分かるでしょ?」

男「嘲笑ってるようにしか見えないんだよなー」

友「ま、それはそれとして……」

ジーッ……

男「?」

友「……君は女の子と話せるの?」

男「それは……え~っと……」

友「……それは?」

男「ま、まぁなんとかなるっしょ……うん」

友「ならないよ」

男「ならないか」

友「そもそも君のレベルで女の子と付き合えるわけないから、やめといたほうがいいって」

男「そんな断言せんでも……」

友「事実だから」

男「おまえきらい」

友「………」ウツムキ

友「………」

男「……友?」

友「……て………」

男「…え?」

友「……嫌いなんて……言わないでくれよ……」シュン…

男「ご、ごめん……」

友「…なーんてね」テヘッ

男「やっぱおまえきらい」

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………

………

――――学校(放課後)

男「はぁ……」

茶髪「よ、男!……どうした?難しそうな顔して」

男「ん。ちょっと考え事」

茶髪「……どーせまた彼女欲しいとかしょーもねぇこと考えてたんだろ」

ダンッ!!

男「しょうもない……だと?」

男「俺のこの……女の子に対する情熱をしょうもないと言い捨てるのか貴様ッ……!」

ググッ

茶髪「いでででで……!!」

茶髪「わかったわかったから!痛いから!服破れるって!」

男「クソッ…!クソッタレ……!」

バッ…

茶髪「はぁ……クリームパンやるから落ち着けって……」ポイッ

男「よし、許す」モグモグ…

茶髪「……にしても……なんでそんなに彼女欲しいんだよ?」

男「ふん……お前みたいなモテる奴には俺の気持ちは分からないね…」

茶髪「いや、俺だって彼女いねーぞ?昔付き合ってたけどすぐ別れちまったし」

男「あぁ…そうだっけか」

男(まぁ妹ちゃんがあんだけお兄ちゃんに近づくなオーラ出してりゃなぁ……)

茶髪「それにお前……あ、これ言っちゃダメだったっけか……」

男「?」

茶髪「なんでもねー。んじゃ俺は帰るかねー」

男「あー……今日は病院か」

茶髪「そそ。婆ちゃんの見舞い行かなきゃだかんなー」

茶髪「つーかお前も早く部室行けって。先輩も後輩も待ってんぞ?じゃ、また明日なー」タタタッ…

男「おう。……俺も部活行くかー」

男(後輩にどやされんのも嫌だしな……)

………

………

――――部室

ガララッ……

男「ふぅ、ギリギリセーフか?」

後輩「……遅いです、先輩」

男「間に合ったんだからオッケーだ」

後輩「もっと時間に余裕を持って来るべきです。先輩はそういうところがなってないです」

男「手厳しいなー後輩ちゃんは……」

先輩「はは、まあいいじゃないか」

男「それで……今日は何をするんですか?」

先輩「ああ、今日はね………いや、その前に……」

先輩「二人とも……今日は暑いと思わないかい?」

後輩「確かに……暑いですけど……それがどうかしたんですか?」

先輩「さて、こんな日に君たちは何をしたくなる?」

男「なにって言われても……」

先輩「……君たちはシュレディンガーの猫というのを知っているかい?」

男「え?」

後輩「猫を閉じ込めて殺した時、箱を開けるまで猫が生きている可能性と死んでいる可能性が同時に存在している……というものでしたね」

先輩「そう、実際に観測される前の結果は多重に存在している、量子力学の奇妙な点を猫に例えた考え方さ」

男「は、はぁ……それがどうかしたんですか?」

先輩「……」ゴソゴソ…ドン

後輩「これは……箱?」

先輩「そう。今この中にはスイカが入っている。今日はこれを使ってシュレディンガーの猫を再現してみようと思ってね」

男「再現するって……」

先輩「……」スッ

先輩「フッ……」ドスッ

ジワァ…

男「な、何してるんですか?」

先輩「見ての通り箱の上から包丁を突き刺したのさ。さて二人とも、今この箱の中身はどうなっていると思う」

後輩「ど、どうなってるって……」

男「スイカに包丁が突き刺さってるんじゃ……」

先輩「そうだね。でもそうでない可能性も同時に……」

ポタッ ポタッ…

男「………とりあえず拭きましょう。後輩、ティッシュ持ってきてくれるか?」

後輩「………はい」

先輩「なるほど、可能性は同時には存在しないというわけか……」

男「先輩も制服にスイカの果汁零しながらそんなこと言ってないで早く箱どけてください」

先輩「ふふ、了解したよ。……折角だからスイカを切り分けておこうか」

………

………

………

男「…結局、スイカが食べたかっただけですよね。先輩」シャグシャグ…

先輩「スイカは地球が生み出した神秘だと……そう思わないかい?」シャグシャグ…

後輩「おもいまへん」シャグシャグ!

男(一番美味しそうに食べてるんだよなぁ)

先輩「じゃあ今日の活動はここまでにしよう」

男「結局スイカ食べただけでしたね」

後輩「4人でダウトをするよりはマシかと」

男「ま、それもそうだな。美味かったしいいか」


キーンコーンカーンコーン…


男「さーて……じゃあ帰りますか」

先輩「また明日、二人とも」

男「お疲れ様でしたー」

後輩「お疲れ様です」

スタスタ…

男「ふぅー……」

友「や、男」

男「ん……友か。お前も今帰りか?」

友「うん。……で、どうなんだい?」

男「どうって?」

友「彼女作るとかなんとか息巻いてたじゃないか」

男「……」グッ

友「まあそうなるね」

男「うるせぇな!見てろよ、今に超可愛い彼女作ってやっからな!」

友「はいはい」クスクス

男「ぐぬぬ……」

スタスタ

スタスタ…

男「……そーいやーずっと気になってたんだけどさ」

友「なに?」

男「友ってどこの学校通ってるんだ?ここら辺ってここ以外じゃ女子高くらいしかない気がすんだけど……」

友「んー……気にしない気にしない」

男「なんだ、教えてくんないのか」

友「人のプライベートを根掘り葉掘り聞くものじゃないと思うよ」

男「お前俺にそれ言えんのかよ……」

友「ハハ……ま、そのうち教えてあげるよ。さて、じゃあボクはこの辺で」

男「ん、じゃあなー」

男「ふわ……ねみ……」

ここまで

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