AM8:00 保健室
女「失礼します」
保険医「あら、いらっしゃい!」
女「……」
保険医「……」
女「……」
保険医「……」
女「……」
保険医「……」
女「……」
保険医「……」
女「……」
保険医「……」
保険医「えっと、今日も授業は出れなさそう?」
女「……」
女「は、い」
保険医「そっか、うんうん! それでもいいよ!!」
女「……」
保険医「貴女が、とりあえずココに来てくれる!」
保険医「それだけで、私は嬉しいんだもの!!」
女「……」
保険医「あっ、そうそう! 実」
保険医「私、実家が静岡なんだけど、美味しいお茶とお菓子を送ってくれたんだ♪」
女「……」
保険医「ちょうど持ってきたから、貴女もどうぞ!」
保険医「お湯も沸いてるし、おいしくおいしくお茶淹れるからね~」
女「……はい」
保険医「うんうん!」
>>6
×保険医「あっ、そうそう! 実」
○保険医「あっ、そうそう!」
保険医「~♪」
女「……」
女「あの」
保険医「えっ、何かしら!!!」
女「すい、ません……今日も私は、その、」
保険医「あっ、アレよね。分かってるわ」
保険医「担任の先生や、授業の先生には上手く言っておくから」
保険医「心配しなくても、だいじょーぶ!」
保険医「今日も無理せず、休んでなさい!」
女「……」
保険医「はいっ、それじゃぁ、粗茶ですが……」
女「」
女「あ、りがとう」
保険医「うふふふ~♪」
ズズズ
保険医(…………)
保険医(悲しいなぁ。すっごい美少女さんなのに)
保険医(このコの瞳から、光が戻らない)
保険医(まるで、死んでいるみたいに)
保険医(もしかしたら、もう二度と……)
てす
PM0:30 保健室
男「どうもー!」
保険医「あらあら、いらっしゃい」
男「今日も、あの子来てます?」
保険医「うーん、さっきまで居たんだけど」
男「あらら」
保険医「調子悪いって言って、お昼で帰っちゃったわ」
男「くそー、入れ違いかぁ……」
男「高校に入れたけど、出席日数は大丈夫かなぁ」
保険医「まぁ、焦ること無いと思うわ。あんなことがあったんですもの」
男「……」
保険医「むしろ、登校できるってだけで大したものよ」
男「確かに、俺の時とはエライ違いだ」
保険医「そう。だから逆に無理してないか心配ね。学校来てくれるのは良いんだけど」
男「難しいっすよね~」
保険医「貴方は?」
男「俺っすか?」
保険医「あれから1年近く経つけど、その、ええと……指とか…………」
男「あぁ、おおむね好調っす」
男「指とかは、天気悪いと手術跡が疼くくらいで、もう3本とも普通に動きはするし」
男「精神的な部分としても、あれかな、落ち込んでる事に飽きたっていうか」
保険医「うんうん」
男「とにかく、前向きな生き方をいていきたいって思うっす」
保険医「そう。なら良かった」
男「まぁとは言え」
男「何かし始めたら、またエライ目に会うとか、他人に迷惑掛けちまって」
男「俺の周りに、もう誰も居なくなっちまうんじゃないか、そう不安にもなるけれど……
」
保険医「……」
男「でも、そんなリスク含めての生き方だから、今さら後悔はしないっすけどね」
保険医「私はキミの、味方でいてあげるからね。絶対に!」
男「……」
保険医「ホントは、学校や警察が組織だって対応することが正しくて」
保険医「その、私1人の出来ることなんて、大したことじゃないかもしれないけれど」
男「いいっすよ。その気持ちだけで、十分っす」
男「んー、じゃぁ結局どうしよかなー」
保険医「えっ、何が?」
男「いや、お言葉に甘えるって訳じゃないんですが」
男「ちょっと、相談に乗って欲しいことがありまして……」
保険医「ええ、ええ! 何でもどうぞ!!」
男「えっと、あの子に渡したいものがあるんです」
保険医「あらこれは? 手紙??」
男「はい、ラブレターっす!」
保険医「…………!!」
男「どう、でしょうか??」
保険医「……う~ん???」
男「なにかして、元気づけてあげたいんですけど……」
男「やっぱ、今の状況でラブレター渡すなんて、マズイですかねぇ?」
保険医「ちょっと、オススメはできないわ」
男「です、よねぇ。俺とあの子は、面識も殆どない訳ですし……」
保険医「あの子も、君からのラブレターを受け入れられる、」
保険医「そんな余裕もなさそうよ」
男「むむぅ」
保険医「えっ、ところでホンキなの!?」
男「はい? 何がです??」
保険医「その、あの子のこと好きになっちゃったとか……」
男「そりゃもう!! 一日中、あの子のことが気になって仕方ないんです!!」
保険医「……」
男「寝ても覚めてもいつだって、あの子が幸せでいて欲しい」
男「そんな気持ちでいっぱいなんです!」
保険医「……」
男「いやホント」
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