ヴィネット「世にも奇妙な…物語?」 (12)
ヴィネット「宿題はもう終わってるし、見てみようかな」
~~翌日~~
ヴィネット「ねえガヴ、昨日テレビで変な番組がやってたんだけど」
ヴィネット「主人公の女の子の親友が交通事故で亡くなっちゃって、でも主人公はショックのあまりまだ親友が生きてるって思い込んだまま、そのあとも生活するっていう話でね」
ヴィネット「私なんだか怖くて少し不安になっちゃった」
ヴィネット「ガヴも寝不足で赤信号に気付かないとか絶対にやめてね…」
サターニャ「あ、ヴィネットおはよう!どうかしたの?」
ヴィネット「おはようサターニャ。どうかしたってなんのこと?」
サターニャ「えっ、だってさっき一人でブツブツ言って…あ!や、なんでもない私の気のせいだったわ」
ヴィネット「?」
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~~昼休み~~
ヴィネット「もう、お昼なのにみんな居ないなんて」
ヴィネット(ガヴはいつのまにか居なくなってるし、サターニャはチャイムがなった途端すぐに教室出ちゃうんだもの)
ヴィネット(一人で食べても美味しくないし、みんなを探しにいこう)
~~屋上前の階段の踊り場~~
ラフィエル「なるほど、今朝そんなことがあったんですか」
サターニャ「うん…さすがにこのままじゃ絶対ダメな気がする」
ラフィエル「そうですね…では学校が終わったらヴィーネさんの家に押しかけて話し合うというのはどうでしょう」
サターニャ「そうしましょう…!同じ悪魔としてこれ以上ヴィネットを放っておけないし…」
ヴィネット「あ、サターニャ!やっと見つけた」
ヴィネット「ラフィと二人で何してるの?」
サターニャ「あ、や!べべ別になにもしてないわ!」
ラフィエル「丁度ヴィーネさんの家に学校が終わったらサターニャさんと押しかけようかという話をしてました」
ヴィネット「え、別にいいけど…」
ラフィエル「決まりですね!」
ヴィネット「返事早っ!あ、そうえば二人ともガヴのこと見なかった?」
サターニャ&ラフィエル「……」
サターニャ「み、見てないわね」
ラフィエル「もしかしたら午後の授業が面倒になって早退したのかもしれませんね」
ヴィネット「あいつなら有り得るから怖いわね」
ヴィネット「もう、仕方ないから今日は三人でお昼食べましょう!」
サターニャ「う、うん」
ラフィエル(これは予想以上に重傷ですね…)
~~ヴィネット宅~~
ヴィネット「ガヴったら電話しても出てくれないし寝ちゃったのかしら」
ヴィネット「せっかく四人でタコパしようと思ったのに」
サターニャ(ら、ラフィエル)チラッ
ラフィエル(…)コクン
ラフィエル「あの、実はヴィーネさんにすごく大事なお話があるのですが」
ヴィネット「大事な話?なに、最近二人とも少し変よ…なんかずっとソワソワしてる」
ヴィネット「あ、でももう一回だけガヴに電話してみるからちょっと待ってて」
ラフィエル「ガヴちゃんは出ませんよ」
ヴィネット「え、でもさっきの着信で起きたかもしれ…」
ラフィエル「いえ…言い方が悪かったですね、残念ですがガヴちゃんは二度と電話には出られません」
ヴィネット「?!」
ヴィネット「二度と…って、ラフィエルあなたさっきから何言ってるの…」
ラフィエル「ですから、ガヴちゃんは絶対に電話には出ません、出れるはずがないんです」
ラフィエル「だって」
ラフィエル「もうどこにも居ないんですから」
サターニャ「…っ」
ヴィネット「…………え?」
ヴィネット「ガヴが……居ない…….」
ヴィネット「な、何言ってるのよ!ガヴが居なくなるはずないじゃない…今朝だって私と一緒に登校して…」
ヴィネット「ほらっ、サターニャだって朝、見てたでしょ…!?」
サターニャ「ううん…ごめんヴィネット」
サターニャ「私は今朝ヴィネットの姿しか見てないわ」
サターニャ「ヴィネットが独り言を言いながら歩いてて、挨拶したときもガヴリールは居なかった」
ヴィネット「…っ、そ、そんなはず…!」
ラフィエル「ヴィーネさん落ち着いて、よく思い出して下さい」
ラフィエル「ガヴちゃんは…一週間前」
ラフィエル「信号無視のトラックに轢かれて…」
ヴィネット「ううう、うそ、ウソウソウソ」
ヴィネット「ウソよ、そんなの….何かの間違いに決まって…る…っ」
(((フラッシュバック)))
ヴィネット(ああ…そうだ…)
ヴィネット(全部…思い出した…)
ヴィネット(あの時…ガヴと一緒に帰ってる途中で…)
ヴィネット(突然…トラックが…)
ヴィネット(目の前で…ガヴが…私の目の前で…)
ヴィネット(ガヴ…ガヴ…………)
ヴィネット「わああああああああ…」ポロポロ
ヴィネット「わた、わ、私、ガヴのこと、守れなくて、ひぐっ、な、なにもっ、できなかった…」
サターニャ「ヴィネットのせいじゃないわ!私だって、ガヴリールと勝負するとか言って…いつも悪態ばっかついてて…っ」ポロポロ
ラフィエル「ヴィーネさんもサターニャさんも悪くないです、誰も悪くないんですよ、仕方がなかったんです…だからっ、もうやめましょう…」ポロッ
ラフィエル「私たちがこんなんじゃガヴちゃんがきっと悲しい思いをしますもの」
ーーーーーーーーーー
~~数ヶ月後~~
サターニャ「ヴィネットー!今からラフィエルと三人で映画でも見に行かない?」
ヴィネット「良いわね、で、どんな映画なの?」
ラフィエル「サターニャさんがすごく気になってる映画らしくて」
サターニャ「ふふん、すでに最新の映画情報は掌握済みよ!その中で一番面白そうなやつを選んでおいたわ」
サターニャ「確かタイトルが…」
『ガヴドロの奇妙な物語』
~~END~~
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