【FGO】ぐだ子「名も知らぬ紳士と共に」 (40)


【特異点F 冬木】

マシュ「サークル設置、完了しました。これでカルデアから補給を受けられます」

オルガマリー「これで何とかなりそうね……」

ぐだ子「あの、私は何をすれば」

オルガマリー「この際だから、戦力の増強も兼ねて英霊と契約して貰おうかしら」

ぐだ子「契約?」

オルガマリー「この聖晶石を使って英霊を呼び出しなさい。今回は特別に私のを別けてあげるから」

ぐだ子「はい!」

マシュ「英霊の召喚ですね!それでしたらこちらがオススメです先輩」

ぐだ子「ピックアップ召喚か……」

オルガマリー「……何の話をしているの?」

ぐだ子「あ、こっちの話です」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1489931531



ぐだ子「よっしゃ!こい!」

ペカァァァァァァ

マシュ「光ってますね」

ぐだ子「綺麗だね」

オルガマリー「少しは緊張感を持ちなさい」

ゴォォォォォォォ

???「ふう……おや?」

ぐだ子「?」

???「はははははは!!君が私を呼んだのかね?」

ぐだ子「は、はい」

???「ふむ……。緊張しなくていいさ。我がクラスはアーチャー」

マシュ「やりましたね先輩!」

オルガマリー「初めてにしてはよかったじゃない」

???「所でここは何処だね。新宿かい?」

ぐだ子「新宿?」

マシュ「どこでしょうか?」



オルガマリー「ロマニ!」

ロマン『な、なんだい!?』

オルガマリー「新宿ってどこ?」

ロマン『新宿?新宿って、あの日本にある都心の新宿かい?』

???「いかにも。この風景は……日本なのは確かなのだが」

ぐだ子「ここは冬木だよ」

???「……え?」

マシュ「特異点冬木です。我々はカルデアでの突発的な事故でここにレイシフトしています」

???「な、なんてこった」

ぐだ子「貴方の名前は?」

???「……すまない。今は訳あって真名を明かすことができない」

オルガマリー「はぁ?何よそれ!」

???「取り敢えず私は"新宿のアーチャー"と名乗って置くことにするよ」

ぐだ子「新宿のアーチャー」



オルガマリー「貴女……ハズレ引いたんじゃないの?」

新茶「それは心外だネ!?」

マシュ「新宿のアーチャーさんは、私と同じく英霊としての名前が分からないんですか?」

新茶「まぁ、そうとも言えるような……。でも安心してくれたまえ。私は強いぞ」

ぐだ子「よろしくねお爺ちゃん」

新茶「お爺ちゃん!?」

ぐだ子「え?」

新茶「確かに初老……そう!アラフィフだけど!せめておじ様にしてくれないかナ?」

オルガマリー「図々しい爺ね」

新茶「君は思った以上に口が悪い……」

ぐだ子「おじ様はいつ名前を教えてくれるの?」

新茶「ふーむ……そうだね。君が人理を修復したらかネ!」

マシュ「それはきっと果てしないことだと思います……」

オルガマリー「そうね……軽々しく口に出来ることじゃないわ」

新茶「イヤイヤ!私が保証しようじゃないか!アハハハハ!君たちカルデアの人間はきっと人理を修復できる!」

オルガマリー「会って間もないのに凄い自信ね……」



新茶「取り敢えずこっちに来ている骸骨の群れでも倒してから話の続きをしようじゃないか」

オルガマリー「!ロマニ!?」

ロマン「あ、所長!敵性反応が近づいてきてます!」

オルガマリー「遅いわよ!!」

ロマン「こっちも一生懸命やってるのに……」

マシュ「二人とも下がってください!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新茶「チェックメイト」

マシュ「はぁ……はぁ……」

オルガマリー「マシュはまだ慣れていないせいか疲労が出てるわね」

マシュ「い、いえ!まだまだ大丈夫です!」

ぐだ子「無茶しないでよマシュ」

新茶「あれだね!少し移動した方がよさげだネ」

マシュ「ですがここを離れると補給が!」

ガシャーーン!!

新茶「厄介そうなのに見つかってしまったようだ。アハハハハ!ここは逃げるに限る!」

オルガマリー「もう!最悪よ!!」



シャドウアーチャー「……」



【河辺】

オルガマリー「ここまでくれば一先ず落ち着けるはずよ」

新茶「ゼェ…ゼェ…」

オルガマリー「貴方、サーヴァントの癖して体力ないわね!」

新茶「アラフィフに……この運動は……響くよ……」

オルガマリー「あの子を少しは見習いなさい」

ぐだ子「私?」

新茶「若さには勝てないもんだナ!」

ぐだ子「マシュにおんぶして貰ってた」

マシュ「はい!」

オルガマリー「……」

新茶「見習うねぇ?」

オルガマリー「うるさいわよ!!」

新茶「息もだいぶ整ったことだ。さっさと移動しよう」

ぐだ子「なんで?ここなら安全じゃないの?」

オルガマリー「敵地で安全ってのもおかしな話だけれど、ここを動くのは得策ではないわ。ここなら敵の動きもまだわかるもの」

新茶「それは……あまりオススメできないネ!」

マシュ「何故でしょうかMr.アーチャー」

新茶「あそこにあんな気味の悪いオブジェがあるのだから、きっと近くに潜んでるに違いない」



オルガマリー「あれって……!?」

新茶「まぁ、"人"だったものだろうナ」

マシュ「あんなに数が!?」

ぐだ子「うげぇ……」

シャドウランサー「あら、私の芸術に理解がないのね」

マシュ「いつの間に!?」

新茶「二人とも下がっていたまえ」

シャドウランサー「この美しさが分からないなら、貴方たちはいらないわ」

新茶「すまないネ。生憎と芸術審美のスキルは持ち合わせがないのだよ」

マシュ「何故あのような酷いこと!」

シャドウランサー「酷い?フフフフ♪貴女には理解できないのでしょうね。壊れることのない永遠の美しさを」

ぐだ子「イヤイヤイヤイヤ!無いでしょ!」

シャドウランサー「そう……。なら消えなさい」

???「くっちゃべってねぇで攻撃しろ!ansuz!」

ゴォォォォォォォ!

シャドウランサー「ちっ!」



オルガマリー「貴方は!?」

???「そんなもん後で説明する!今は取り敢えず味方だ」

オルガマリー「そんな、急に表れて信じろだなんて」

マシュ「ですが、ここは一旦力を合わせなければ!」

新茶「やれやれ。名乗らずに味方だとか胡散臭いにも程があるネ?」

オルガマリー「貴方がいうな」

ぐだ子「と、取り敢えずお願いします!」

???「いい返事だ!お嬢ちゃんと爺さんは陽動を頼んだ!」ダッ

マシュ「は、はい!」

新茶「爺さん……」ショボーン

ぐだ子「おじ様頑張って!」

新茶「やれやれ。マスターの為だ。アラフィフ代表としてやらせて貰うよ」



シャドウランサー「ちょこまかと!」

ガキンッッッ!
マシュ「くっ!」

新茶「うっはっはっはっはっ!!」ズドドドド

オルガマリー「あのアーチャーやたらめったらに撃ちまくってるだけじゃない……」

ぐだ子「いけー!やれー!」

シャドウランサー「くそっ!」

???「燃え付きな!」ヒュン

シャドウランサー「バカめ!」ヒョイ

新茶「よろしい。計算通りだ!誘い込み成功」

シャドウランサー「はっ!?」

???「ありがとよ!ansuz!!」

ゴォォォォォォォ!

シャドウランサー「ああああああ!!?」

シュゥゥゥゥゥゥ



???「助かったぜ」

マシュ「ありがとうございます!」

???「……」ポン

マシュ「ひゃう!?///」

オルガマリー「な!?」

新茶「ふーむ、羨ましい限りだ」

ぐだ子「私のでよければ触る?」

新茶「え?ホント?」

オルガマリー「殺すわよ」

新茶「じょ、ジョークに決まってるじゃないか!」

キャスター「自己紹介が遅れたな。俺はキャスターだ」

オルガマリー「キャスターってことは……」

キャスター「そう……。これは聖杯戦争だ」

ロマン『あ!やっと通信が!大丈夫かい!?』

キャスター「ん?」

ロマン『いきなりサークルから移動し始めるし、変な妨害は入るしで大変だったよ!』

キャスター「わりぃな。その妨害は俺だ」

オルガマリー「はぁ?」

キャスター「そっちが味方だと確定してなかったからな」



オルガマリー「それで、これは一体どういうことなのかしら」

ロマン『僕も知りたいな』

ぐだ子「私も!」

キャスター「わかった。かいつまんで説明する」

<説明中>

ロマン『なるほど……。つまり、この特異点の揺らぎはその聖杯が関係あるんだね?』

キャスター「まぁ、十中八九な」

オルガマリー「救援は望めそうにないわね」

ぐだ子「つまり、その聖杯の所に行って原因を取り除けば帰れるってこと?」

新茶「そういうことだろうナ!実に単純明快だ!」

キャスター「俺もこのふざけた戦いをさっさと終わらせたい。だから、あんたらと手を組もうと思ってな」

オルガマリー「わかったわ。目的が同じなら断る道理はないし」

キャスター「話が早くて助かる」



マシュ「……」

ぐだ子「マシュ?」

マシュ「え?はい!なんでしょうか」

ぐだ子「ぼーっとしてたけど」

マシュ「……いえ、こんなことになっているのに私は宝具も使えないお荷物で、迷惑を掛けているんじゃないかと」

キャスター「なんだお嬢ちゃん。宝具が使えないのか?」

マシュ「はい……」

キャスター「まぁ、心配しなさんな。宝具ってのはそいつのあり方に由来するもんだ。案外お嬢ちゃんの心の強さが覚醒の切っ掛けになるかもしれねぇぜ?」

マシュ「ですが力を貸して下さった方の真名すら分からないのでは……」

キャスター「でもお嬢ちゃんに力を貸してくれてんだろ?なら良いじゃねぇか」

オルガマリー「マシュの真名はこの際後回しにしましょう。必要なのは次の行動よ」

新茶「真名が分からないとどうしようないみたいだナ」

オルガマリー「約一名は頑なに開示せずに秘匿し続けているんですけどね」

新茶「なんと!そんな奴がいるのかネ!けしからん奴だ!」

オルガマリー「……」

キャスター「この爺さんも自分の真名が分からないのか?」

オルガマリー「えぇ」

キャスター「痴呆でも始まってるんじゃねぇのか」

新茶「失礼だね!?」


キャスター「はぁ……。特別だからな」ヒョイ

ぐだ子「何するの?」

キャスター「ルーンの力でこの爺さんの真名をな」

新茶「え?」

オルガマリー「そんなことができるの?」

キャスター「お嬢ちゃんみたいに、力を貸してる側が認めねぇのは無理だが、爺さんみたいなのは記憶から読み取れる」

ぐだ子「ルーンってすげぇ!!」

キャスター「まぁな」

新茶「それは少しばかり困るんだがネ!?」

オルガマリー「はぁ?この期に及んでまだそんなことを?」

新茶「少しばかり事情があるのだよ!?」

キャスター「ん?」

ぐだ子「どうしたの?」

キャスター「おかしいな……。靄が掛かってるみてぇに見えねぇ」

新茶「……ほっ」

キャスター「よくわかんねぇ力が働いて爺さんの真名が見えなくされてやがる」

新茶「ハハハハ!それは残念だったね!」

オルガマリー「嬉しそうな顔して……」



キャスター「仕方ねぇ。取り敢えず移動だ。弓兵に見つからない内にとっとと進むぞ」

ぐだ子「はい!」

オルガマリー「先が思いやられるわ……」

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【ビル】

新茶「安全は確保出来てようだ」

ロマン『周囲にも反応はないよ』

オルガマリー「取り敢えず貴女は休んでなさい」

ぐだ子「はーい」

マシュ「先輩、このベンチを使ってください」

ぐだ子「ありがと……」ウトウト

新茶「私の上着を貸してあげよう」ファサ

ぐだ子「わーい」クンクン

新茶「匂いを嗅がれると恥ずかしいのだが」

ぐだ子「懐かしいような……匂い?」

新茶「そうか…」

ぐだ子「あ!お爺ちゃん家で嗅いだ奴だ!」

新茶「」

オルガマリー「加齢臭ね」

キャスター「加齢臭だな」

マシュ「加齢臭?」

新茶「……酷い」



【ビル 屋上】

オルガマリー「……」

キャスター「何してるんだ」

オルガマリー「結界よ。まぁ、おまじない程度のものだけど。無いよりはマシでしょ?」

キャスター「そうだな……」

「キャーーーー!!」

オルガマリー「なに!?」

キャスター「敵襲か!」

オルガマリー「そんなはずはないわ!ロマニ!?」

ロマン『近くに敵性反応はないよ!』

キャスター「チッ!」

【ビル ロビー】

マシュ「はぁ……はぁ……」

新茶「」

オルガマリー「どうしたの!?」

マシュ「……アーチャーさんが、先輩を襲おうとしていたので思わず叫んでしまいました」

新茶「誤解だよ!?紳士の私がそんな真似をするはずが無いじゃないか!?」

キャスター「変態紳士の間違いじゃねぇのか?」

ぐだ子「……」ボー

オルガマリー「貴女、何もされてない?」

ぐだ子「……」フリフリ

新茶「だからそう言ってるじゃないか」

オルガマリー「疑わしきは処刑よ。寝ている女性に手を出すだなんてとんでもないわ!」

新茶「魔女狩りも真っ青だネ!?」


キャスター「んで?爺さんは何をしてたんだ?」

オルガマリー「素直に白状すれば磔刑で許すわ」

新茶「貸した上着が落ちてたから掛け直していただけさ」

オルガマリー「なら磔刑ね」

新茶「許されてない!?」

マシュ「勘違いをしていたようです。申し訳ありません……」

新茶「いやいや。非常時なら仕方あるまいよ」

ぐだ子「なんか皆楽しそうだね」

オルガマリー・キャスター「「楽しくない!!」」

ぐだ子「す、すみません」

オルガマリー「もういいわ。貴女も起きたことだし、行くわよ」

ぐだ子「敵の本拠地……」

マシュ「ですね」



【柳洞寺 前】

マシュ「私知ってます!これは神社と呼ばれている場所ですね?」

ロマン『あははは♪残念だったねマシュ。そこはお寺だよ』

マシュ「神社とお寺、何が違うのでしょうか?」

ロマン『それはだね』

オルガマリー「呑気にこうしゃく垂れてんじゃないわよ!緊張感を持ちなさい!」

ロマン『はい……』

マシュ「すみません……」

新茶「あっはっはっは!下手に緊張して固まるより、よっぽど良いと私は思うネ!」

キャスター「だけど気を抜くなよ。隙を見せたら一瞬で殺られるぞ」

シャドウアーチャー「その通りだ」スゥ

オルガマリー「な!?」

キャスター「おうおう、隠れてなくていいのかい、弓兵さんよぉ?」

シャドウアーチャー「そうしたいのは山々なのだが……そうはさせてくれないみたいなのでね」チラッ

新茶「ん?」



キャスター「お前らは大聖杯に向かえ!ここは俺がなんとかする!」

ぐだ子「で、でも」

オルガマリー「行くわよ!」

ぐだ子「そんな!」

オルガマリー「私たちがいたら足手まといになるのがオチよ!」ダッ

マシュ「行きましょう先輩!」グイッ

ぐだ子「あわわわ!?」


キャスター「素直に行かせてくれるんだな」

シャドウアーチャー「ふん。背中を向けたら攻撃されそうだからな」

キャスター「そんな真似するかよ!」

新茶「え?私はするよ?隙を見せたら迷わず撃てってネ♪」

キャスター「なんで居んだよ!?」

新茶「そりゃ1対1より1対2の方が勝率が高いからに決まっている」

キャスター「あいつらはどうするんだよ!」

新茶「1対1で2倍の時間が掛かるとして、1対2で1/2の時間で片付けて追えば問題ない」

シャドウアーチャー「合理的だな。不可能な点を除けば」

新茶「アハハハハ♪我が数式に間違いはないのだよヴィラン君」



【大聖杯前】

ぐだ子「広いところに出たなぁ」

オルガマリー「凄く空気が重いわ……」

ぐだ子「え?」

マシュ「身体にまとわりつくような魔力を感じます……」

ぐだ子「え?え?」

ロマン『気を付けて!前方に高度な魔力反応!サーヴァントだ!』

セイバーオルタ「よく来たな……」

ぐだ子「あ、あの!私たちが帰る為に、聖杯を頂きたいのですが」

オルガマリー「あんたはアホの子か!」

セイバーオルタ「悪いが出来ない相談だ。私はこの力を借りて、世界を燃やし尽くす」

マシュ「そんなことさせません!!」

セイバーオルタ「貴様は……ほぅ」

マシュ「?」

セイバーオルタ「まぁ、いい……。邪魔立てするのならば消し去るのみ」

オルガマリー「構えなさい!」

マシュ「は、はい!」

セイバーオルタ「もはや語る言葉なし。剣を交えるのみ。覚悟しろ」

マシュ「マシュ・キリエライト、行きます!」



【柳洞寺 前】

シャドウアーチャー「どこを狙っている」

キャスター「ちょこまかと鬱陶しい奴だ!」

新茶「頑張りたまえよ」

キャスター「てめぇは何しに来やがった!」

新茶「うーん……お手伝い?」

キャスター「邪魔しかしてねぇよ!!」

シャドウアーチャー「余所見とは余裕だな」ヒュン

キャスター「くそがっ!」 キンッ

ゴォォォォォォォ
シャドウアーチャー「当たらんよ」

新茶「いやぁ。さっきから撃ってはいるんだけどね?魔弾には限りがあるのさ!」バシュンッ

シャドウアーチャー「検討違いの場所ばかりだな!」ヒュンッッッ

新茶「おっと!」

キャスター「年取りすぎて動体視力まで落ちてんじゃねぇのかよ!」

新茶「失礼だネ!これでも全盛期なんだよ!」

シャドウアーチャー「悪いがこれで終わりだ!」バヒュッ

キャスター「うぐっ!?」バチン

新茶「おいおい!杖がない術者なんて頭の悪い探偵みたいじゃないか!」

シャドウアーチャー「弓兵が接近戦を出来ないと思っていたそっちのミスだ!」



キャスター「くっ!?」

新茶「獲物を狙う瞬間が一番無防備だということを覚えておきたまえ」

シャドウアーチャー「な!?」

ズドドドドッッッ!!!

キャスター「……助かったぜ」

新茶「礼には及ばんよ」

シャドウアーチャー「……はぁ……はぁ」

キャスター「間一髪ってか?」

新茶「ダメージは受けているようだよ」

シャドウアーチャー「いつ撃ってきた……。貴様は攻撃の素振りを見せなかったはずだ!」

新茶「?おかしなことをいうナァ?弾ならさっきから"撃っていた"はずだが?」

シャドウアーチャー「!?」

新茶「不思議なことに魔弾は必ず当たる。そうでもなければ私のような素人がアーチャーで呼ばれるはずがないじゃないか!アハハハハ!」

シャドウアーチャー「……くそっ!」

新茶「論理的に考えるべきだったな。では後は任せるよ」

キャスター「おう。悪いな、俺たちの勝ちだ」

シャドウアーチャー「そのようだな……」

キャスター『灼き尽くす炎の檻!』

ゴォォォォォォォ!!!

シャドウアーチャー「……」スゥ…

新茶「さて、思ったより時間が掛かってしまったネ」

キャスター「急ぐぞ」

新茶「やれやれ。腰に来るんだがナァ…」


【大聖杯】

セイバーオルタ「どうした!腰が引けてるぞ!」ブンッ

マシュ「くっ!」ガキンッ

オルガマリー「ダメ……。向こうの方がやはり上手よ!」

ぐだ子「マシュ!」

セイバーオルタ「……悪いが茶番は終わりだ」

ロマン『魔力反応上昇!来るぞ!』

セイバーオルタ「卑王鉄槌。極光は反転する。光を呑め!」

マシュ「あ…あぁ…」ガタガタ

ぐだ子「マシュ!」ダッ

オルガマリー「ちょ!?バカ!戻りなさい!」

ぐだ子「マシュ」ギュッ

マシュ「あぁ…せ、先輩…ダメです、逃げてください」

ぐだ子「後輩を置いて逃げられないよ!大丈夫!私がついてる!」

セイバーオルタ「マスターごと消え失せろ!」カッ

マシュ(間に合わない…せめて先輩だけでも…)

オルガマリー「立ち向かいなさい!マシュ・キリエライト!」

マシュ「え?」

オルガマリー「貴女が守りたいものの為に!逃げないで!」

セイバーオルタ「もう遅い!『約束されし勝利の剣<エクスカリバー・モルガン>』!」

マシュ(私は…私は…!!)

マシュ「先輩!」

ぐだ子「おう!」

マシュ「先輩は私が守ります!」

マシュ(だからお願いします!私に先輩を守るだけの力を!)



マシュ「疑似宝具展開!!うぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ゴォォォォォォォ!!!

ぐだ子「なんか凄いの出た!?」

セイバーオルタ「今さらそんなもので防げると思うな!」

マシュ「うぐっ!?」

ぐだ子「……」

マシュ「先輩は……先輩だけは!」

ぐだ子「マシュ、私も最後まで一緒だよ!」

マシュ「はいっ!!」

「ナイスタイミング!……というわけでも無さそうだネ!」

「むしろ間に合ってねぇよ」

オルガマリー「この声は!?」

新茶「待たせたネ!だがもう安心したまえ!」

ぐだ子「お、おじ様ぁ!」

新茶「うんうん。さっき振りといった所かナ? 」

ぐだ子「はやぐじでぇ!」

マシュ「これ以上は持ちません!!」

キャスター「さっさとしやがれ!」


新茶「それもそうだ。では……真名封鎖、疑似宝具展開」

ぐだ子「なんか出てる!?」

新茶「お仕置きの時間だネ!素晴らしい!世界は破滅に満ちている!あっははははは!!」ズガガガガガガガ

オルガマリー「なんか大盤振る舞いしてない!?」

新茶「だめ押しだ!『終局的犯罪<ザ・ダイナミクス・オブ・アン・アステロイド>!!』」

キャスター「ん?」

オルガマリー「ん?」

ズドドドドッッッ!!!
セイバーオルタ「うぐぅぅぅぅぅ!!」

新茶「ふーむ。一丁上がりといったところかナ?」

セイバーオルタ「ぐはっ!」シュゥゥゥゥゥゥ

ぐだ子「すごーい!おじ様つよーい!!」

新茶「あっはっはっは!照れるじゃないか!」

キャスター「おい、コイツ」

オルガマリー「えぇ。宝具名を堂々と叫んでいたわ」

新茶「あっ」

セイバーオルタ「私の敗けのようだな……」シュゥゥゥゥゥゥ

マシュ「あの……えっと……」

セイバーオルタ「ふっ…次はこうはいかないからな」シュン



ぐだ子「ねぇ、聖杯ってこれ?」タタタ

オルガマリー「ちょ!?」

ロマン『あぁそれだ!これでなんとか帰還できるはずだ!』

レフ教授「おめでとう」

ぐだ子「あれ?」

新茶「……」

オルガマリー「……レフ?」

レフ教授「あぁ、オルガ!無事だったんだね!」

オルガマリー「レフ…レフ!私!」

レフ教授「いいんだよオルガ、安心しなさい」

新茶「下がりたまえ」

キャスター「おい!こっちにこい!どう考えてもそいつが悪役だろうが!」

オルガマリー「え?そ、そんなわけないじゃない!ねぇ?レフ」

レフ教授「フハハハハハ!こうも思い通りに運ばないと腹が立って仕方がないなぁ!!」

オルガマリー「…レフ?」

ぐだ子「所長はこっち!」グイッ

レフ教授「ロマニ君、君もなんで早く管制室に来なかったんだい?」

ぐだ子「あ、それは私と話してたからだよ!」

レフ教授「……」

ロマン『あ、あははは……』

レフ教授「お前も、お前も、お前もお前も!!そして48人目のマスター君、君もだ」

ぐだ子「え?」





レフ教授「折角、一息に押し潰そうとする私の善意を踏みにじったんだからなぁ!!?」

新茶「黙りたまえよ」バシュンッ

レフ教授「ん?今何かしたかね?」

新茶「あれ?」

レフ教授「謎の弓兵、君は特にイレギュラーだ。存在が掴めず、正体もわからない」

新茶「それは仕方がないネ!」

レフ教授「取り敢えず、腹の虫をおさめる為にもオルガ。君に犠牲になって貰うよ」

オルガマリー「いや…いやぁ……!」ガタガタ

ぐだ子「所長には指一本触れさせないよ!」

マシュ「その通りです!」

キャスター「俺もいるぜ」

レフ教授「これだから羽虫は!!」

新茶「不思議なことに、これだけ数の利を揃えながら勝てる公式が見当たらないんだがナァ……」

ぐだ子「えぇー…」

新茶「しかーし!私は君の様な輩に負けるのが癪でね!仕掛けさせて貰ったよ!」

ぐだ子「なにを?」

キャスター「爺さん、さっきやってたのは!」

新茶「あっははははは!!」

ドガーン ドンドンドン!!

マシュ「洞窟が崩落し始めました!?」




レフ教授「貴様!!」

新茶「勝てないなら全てを埋めるつもりだったのでネ!それが今役にたったよ!」

キャスター「逃げるぞ!立て!!」ダッ

オルガマリー「あぁ……」フラフラ

マシュ「先輩もこちらに!」

ぐだ子「うん!」

レフ教授「オルガ!!どこに逃げようともお前の肉体は既に」

新茶「所でヴィラン君、一つ良いことを教えてあげよう」

レフ教授「なんだ」

新茶「君たちが3000年もの月日を掛けた計画だが……」

レフ教授「貴様、なぜそれを!?」

新茶「カルデアのマスター、つまるところ私のマスターの手で無惨に砕け散るよ!あっははははは!!」

レフ教授「なにを!?」

ぐだ子「おーい!おじ様もはやくー!」

新茶「それではごきげんよう!」ダッ

レフ教授「待て!!貴様はいったい」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



【柳洞寺 前】

キャスター「おい……山が崩れてるじゃねぇか」

新茶「当然。そうなるように計算したからナ」

キャスター「無茶苦茶だな!?」

オルガマリー「あはは……嘘よ……レフが……そんな」

ぐだ子「所長……」

ロマン『奴らが何を企てているのか……今はまだわからない』

キャスター「……っと、悪いが時間切れだ」シュゥゥゥゥゥゥ

ぐだ子「キャスター!?」

キャスター「聖杯戦争が終わったんだから、当然俺も消えるわな」

マシュ「えっも……その」

キャスター「お嬢ちゃんも、諦めずによく頑張ったな」

マシュ「ありがとう、ございます」

キャスター「仮契約だったが、あんたの采配は中々だったぜ」

ぐだ子「はい!」

キャスター「いい返事だ。それじゃ、また何処かで会おう」スゥ…



新茶「我々も帰還かい?」

ロマン『……』

ぐだ子「どうしたの?」

ロマン『いいづらいことなんだけど……』

オルガマリー「これ以上何があるっていうのよ」

ロマン『その……あの爆発で所長の身体は……』

オルガマリー「……」

ぐだ子「うそ……」

オルガマリー「そんなことだろうと思ってたわ」

マシュ「え?」

オルガマリー「いいの……。もう……」

新茶「……」

ロマン『で、でもまだ見つかってないから!』

オルガマリー「爆風で消し飛んだんじゃないの?」

ロマン『……』

オルガマリー「ぐだ子」

ぐだ子「……はい」

オルガマリー「人理保障機関カルデア所長として、貴女に命じます!」

マシュ「……」

オルガマリー「世界を救いなさい!」

ぐだ子「……」

オルガマリー「不本意だけど、もう貴女しかいないの!」

ぐだ子「……でも」

オルガマリー「失敗なんかしてみなさい!化けて出るわよ!わかった!?」

ぐだ子「……はい」

オルガマリー「声が小さい!」

ぐだ子「はい!!」



オルガマリー「ロマニ、帰還よ!」

ロマン『……わかった』

マシュ「所長!」

オルガマリー「マシュ、貴女も頑張るのよ」

マシュ「……はい」

新茶「あー、……とてもしんみりしてるネ!」

オルガマリー「それとあんた!」

新茶「え?私?」

オルガマリー「最後なんだからとっとと正体を教えなさい!!気になって気になって成仏出来ないでしょ!」

新茶「それは無理だネ!」

オルガマリー「はぁ!?」

新茶「これには水溜まりよりも深い事情があるんだナァ」

オルガマリー「凄く浅いじゃないのよ!!」

ロマン『レイシフト準備完了』

オルガマリー「ちょっと!?」

シュゥゥゥゥゥゥン

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【カルデア 管制室】

ぐだ子「ん……」

マシュ「先輩!」

ぐだ子「はっ!?」

ロマン「お帰りぐだ子ちゃん」

ぐだ子「ロマン!所長は!?」

ロマン「……」

ぐだ子「ねぇ、マシュ!」

マシュ「……」

ぐだ子「……そんなぁ」

ロマン「……今、捜索してる。けど」

新茶「おや、目覚めたかいマスター」

ぐだ子「おじ様」

新茶「いやぁ!カルデアとは実に興味深い場所だネ!」

ぐだ子「……そうかなぁ」

新茶「所でマスターに見せたいものがあるのだが」

ぐだ子「なに?」

新茶「君たちも付いてきたまえ」

ロマン「?」

マシュ「?」



新茶「この瓦礫の隙間なのだが」

ぐだ子「?」

オルガマリー「このクソジジイ!どこ行ってたのよ!?早く助けなさいよ!」

ロマン「えぇぇぇ!!?」

マシュ「所長!?」

オルガマリー「その声はロマニにマシュね!?ちょっと助けて!身動きが取れないのよ!」

新茶「カメラとかないかナ?」

オルガマリー「何しようとしてるのよ!」

ぐだ子「うぁぁぁぁぁぁ!!所長ぉぉぉぉぉ!!」ボロボロ

オルガマリー「誰よ泣いてるのわ!」

ぐだ子「うぁぁぁぁぁぁ!!もう化けて出てきたぁぁぁぁ!!」ボロボロ

オルガマリー「死んでないわよ!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

オルガマリー「いったぁ……」

ロマン「骨折してるんだから動かさないでください」

マシュ「ですが、何故所長が無事なのでしょうか」

新茶「案外、あのレフという奴が間抜けだったんだろうな!フハハハハハ!」

ぐだ子「よかったよぉぉぉぉぉ」ギュゥゥゥゥ

オルガマリー「離しなさいバカ!!」



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ロマン「それで、レフ・ライノールのことなんだけど」

オルガマリー「目的は不明ね」

マシュ「それではどうしようもありません」

新茶「……彼らは人類史に置ける7つの特異点を基点として、この世界を滅ぼそうとしている」

ロマン「え?」

オルガマリー「……あんた、なんでそんな事を知っているわけ?」

新茶「Googleで調べたら出た」

オルガマリー「ふざけてるとぶん殴るわよ」

新茶「そこについて、私は現状語ることは出来ないのさ!」

ぐだ子「おじ様、秘密まみれだけど……」

新茶「真名すら明かせない身でありながらこんなことを言うのは烏滸がましいとは思うのだが、私は君たちの味方だよ。まだね」

オルガマリー「含みがあるのね?」

新茶「世の中に完全なものなどない」

ぐだ子「それじゃ、真名を教えてくれるのは……」

新茶「7つの特異点を修正し、世界を救ったらだネ!おめでとう!君は漸くスタートラインに立ったわけだ」

ぐだ子「それまでは名も知らぬ紳士と共に……か」

新茶「名前もわからぬアラフィフダンディと世界を救うなんて、中々面白いとは思わんかね?」

オルガマリー「ぜんぜん」

ロマン「困るだけだね」

マシュ「困りますね」

ぐだ子「うん」

新茶「君たちにはロマンが掛けているよ!」

ロマン「僕ならここにいるけど」

ぐだ子「いぇーい!」

ロマン「いぇーい♪」

新茶「あっははははは!!」

オルガマリー「うるさい!!」



終わり


駄文お付き合いありがとうございました

駆け足気味で中身も雑ですみません

取り敢えずFGO初心者が新宿サーヴァントを呼んだら人理救済はどうなるの?
ってのがやりたかっただけです。
ご都合主義はご愛嬌ということで

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