【安価】提督「弱みを握られた…」 (168)
提督「まずい……非常にまずい……」
提督「この秘密が上にバレたら俺は処分されちまう……」
↓1秘密の内容
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提督「……陸軍のスパイだなんてバレたら俺は……」
提督「………ゾクッ
提督「考えたくもない…」
提督「ううっ、全てはあいつ次第か」
↓1弱みを握ってる艦娘
提督「……まさかまるゆにスパイだという事がバレるなんて…」
提督「陸軍出身だからあきつ丸と同じく警戒はしていたが……」
コンコン
提督「……っ」
提督「入れ…」
まるゆ「……隊長、失礼しますね」
提督「……」
提督「……」
まるゆ「……」
提督「……何故、分かったんだ」
まるゆ「えへへ、何となくにおいがしたんですよ」
提督「は?」
まるゆ「まるゆはもぐらですから。隠れて、その場に潜り込んで溶け込んでやり過ごすの人のにおいはわかるんです」ニヤッ
提督「……」
提督(こいつ、ポンコツだと思ったらとんだ狸かもしれない)
提督(……? 同じモグラ?)
提督(まさかこいつも同じ……)
提督「お前……まさか」
まるゆ「……隊長は勘が良いですね」
まるゆ「まあでも同じモグラでも種類が違うんですよ」
提督「どういう事だ?」
まるゆ「まるゆは陸軍公認で、隊長は公認じゃない。○○大佐が勝手に潜り込ませたモグラですね?」
提督「……っ」
まるゆ「つまり、上にとってはいない筈のモグラ……ですね」
まるゆ「つまり、まるゆが上に隊長の事をあげたら……隊長はどうなるんですかね」
提督「……」
提督「俺が、ここで自白すれば海軍に陸軍の弱みを与える事になるぞ….そうしたらお前も……」
まるゆ「……隊長、内地に母と病弱の妹がいるんですね」
提督「……っ」
まるゆ「……隊長は自白できない。絶対にです……ふふ」
提督「……お前は、どうしたいんだ?」
まるゆ「そうですね。別にまるゆは報告しなくてもしても、どっちでも良いですけどね」
提督「………」
まるゆ「隊長……次第かな…」
提督「……何が望みだ」
まるゆ「そうですね」
↓1要求
まるゆ「プリンでも……もらいましょうか」
提督「……は?」
まるゆ「……隊長はプリンも分からないんですか?」
提督「い、いや……しかし………プリン?」
まるゆ「丁度間宮に限定のがありましたね。それを食べに行きましょうか?」
提督「あ、ああ……」
ーーーー
ーー間宮食堂
提督「……」
まるゆ「ふんふんふーん。まるゆ、一回あのプリン食べて見たかったんですよねー」
提督(一体何を考えている……)
間宮「あら、提督とまるゆちゃん」
まるゆ「えへへ、こんにちは! 間宮さん!」
間宮「こんにちはまるゆちゃん」
提督「……」
間宮「………提督?」
提督「……あ」
まるゆ「別になんでも良いじゃないですか」
まるゆ「それとも、何かして欲しかったんですか?」
提督「………」
まるゆ「プリンが不味くなるんで余計な事は言わないで下さいね」
まるゆ「今はプリンを隊長と食べに来てるだけなんですから」
提督「……分かった」
ーーーー
ーーーー
まるゆ「ふぅ、隊長! ご馳走さまでした」
提督「……ああ」
まるゆ「おっと、そろそろ時間ですね」
まるゆ「そうだ、隊長。明日、確かオフでしたよね」
提督「明日? ……そうだが」
まるゆ「じゃあ、明日……」
↓1明日やる事
まるゆ「じゃあ、決定ですね」
提督「あ、ああ……」
まるゆ「それじゃあまた明日です」
提督「………」
提督(本当に訳が分からない……)
ちょっと席外します
すいません、間が抜けてました
>>20からの続きです
間宮「どうしたんです? 怖い顔して」
提督「あ、いや。ちょっと考え事を……」
間宮「? そうですか。提督は何にします」
提督「えーと、アイスコーヒーで」
間宮「分かりました。じゃあ、まるゆちゃん。すぐ持ってくるからね~」
まるゆ「えへへ、まるゆ楽しみです!」ニコニコ
提督「………」
間宮「はーい。お待たせしました。特性間宮プリンとアイスコーヒーです」
まるゆ「お、美味しそうです」
間宮「じゃあ、ごゆっくり~」
まるゆ「えへへ、いただきまーす」パクッ
まるゆ「おいしーい!」
提督「…………」
まるゆ「……」
まるゆ「ダメじゃないですか、隊長。そんな怖い顔したら変に思われますよ」
提督「……お前は何がしたいんだ」
まるゆ「別になんでも良いじゃないですか」
まるゆ「それとも、何かして欲しかったんですか?」
提督「………」
まるゆ「プリンが不味くなるんで余計な事は言わないで下さいね」
まるゆ「今はプリンを隊長と食べに来てるだけなんですから」
提督「……分かった」
ーーーー
ーーーー
まるゆ「ふぅ、隊長! ご馳走さまでした」
提督「……ああ」
まるゆ「おっと、そろそろ時間ですね」
まるゆ「そうだ、隊長。明日、確かオフでしたよね」
提督「明日? ……そうだが」
まるゆ「じゃあ、明日……」
まるゆ「……まるゆとでーとして下さい」
提督「は、はぁ?」
まるゆ「明日まるゆとでーとするんです」
提督「デ、デートってお前」
まるゆ「……隊長はでーとした事無いんですか?」
提督「そういうわけじゃないが……」
まるゆ「なら良いじゃないですか。それに……隊長に拒否は出来ませんよね」
提督「………」
まるゆ「じゃあ、決定ですね」
提督「あ、ああ……」
まるゆ「それじゃあまた明日です」
提督「………」
提督(本当に訳が分からない……)
ーーーー
ーー翌日
提督「………」
提督(そろそろ待ち合わせ時間か……)
提督(しかし、本当に何のつもりなんだあいつは……)
提督(情報を聞き出そうとしてるのか?)
提督(まぁ、何にせよ警戒しなければ……)
「お待たせしました」
提督「ん?」
まるゆ「早いんですね、隊長」
提督「…………」
まるゆ「………なんですか?」
↓1まるゆの私服姿を見た提督の反応
提督「可愛い…」
まるゆ「はい?」
提督「あ、いや……何でもない」
まるゆ「……」
まるゆ「……色仕掛けはモグラがモグラに言っても意味ないですよ」
提督「……仕事の癖だ」
まるゆ「ふーん….対した演技ですね。他の娘共が騙される訳ですよ」
提督「………」
まるゆ「前から見てて思ってたんですが……隊長の凄いところは意図的に本心で褒める事が出来るところですよね」
提督「……」
まるゆ「○○大佐が買うのも分かりますよ」
提督「………」
まるゆ「………ふん」
提督「………それで、どこに行くんだ?」
まるゆ「そうですね……今は0900ですか……先ずは」
↓1最初に行く場所
まるゆ「……確か、近くに美術館がありましたね」
提督「確かにあるが……」
まるゆ「じゃあまず美術館行きましょうか」
提督「び、美術館か?」
提督(い、意外だな)
まるゆ「何ですか変な顔をして?」
提督「いや…」
まるゆ「意外……って顔ですね。隊長は美術館とか行かないんですか?」
提督「……行かないな」
まるゆ「ふーん……。ま、中々面白いですよ。とりあえず行きましょうか」
ーーーー
ーー美術館
提督「………」
提督(……初めて来たが、中々悪くない雰囲気だな)
提督(心が落ち着くというか……)
提督(……しかし)
まるゆ「……」ジ-
提督(あいつが美術品に興味があるなんてな)
提督(鎮守府では割と阿保なイメージしかなかったな)
提督(今思えば、それも演技か……)
提督(いや、これももしかしたら)
まるゆ「隊長、何ボーッしてるんですか?」
提督「え?」
まるゆ「退屈ですか?」
提督「い、いや。意外と悪くない。落ち着くというか」
まるゆ「そうですか」
提督「……」
提督「お前は、前から絵画とか好きなのか?」
まるゆ「ええ……まあ」
提督「………」
まるゆ「………」
まるゆ「………エネルギーを感じるんですよ」
提督「え?」
まるゆ「遙か昔の、遠い異国で描かれたモノが時を超えて今も人の心を揺らしている……とてつもないエネルギーだと思いませんか?」
提督「確かに」
まるゆ「意外と、軍人で美術品が好きな人も多いですよ」
提督「……言われてみれば」
まるゆ「人の命は儚いです……特に軍人は」
提督「え?」
まるゆ「人なんて、死んだら直ぐに忘れられてしまう」
提督「……」
まるゆ「だからこそ皆、今も残り続ける美術品に惹かれるかもしれないですね」
提督「……そうだな」
まるゆ「っと、そろそろ行きましょうか」
まるゆ「そろそろお昼ですね」
提督「ああ」
まるゆ「それじゃあ…」
↓1昼食の場所、種類等
まるゆ「オープンテラスのある、イタリアンが食べたいですね…」
提督「い、イタリアン?」
まるゆ「無いんですか?」
提督「……イタリアンか」
提督「………」
提督「まあ、あれもイタリアンか」
まるゆ「?」
ーーーー
ーーーー
提督「そんなに混んで無いな……」
まるゆ「………」
提督「…どうした?」
まるゆ「……あのですね。何でサイゼリアなんですか?!」
提督「何でって、サイゼリアもイタリアンじゃないか。オープンテラスもある席だし……」
まるゆ「それはそうですけど……」
提督「嫌なら変えるか?」
まるゆ「……白ワイン一つ」
提督「お前、酒飲めたのか?」
まるゆ「それは年齢的な意味ですか?それとも振る舞い的な意味ですか?」
まるゆ「前者は、まるゆは人じゃありませんし後者は……ここでそう振る舞う必要もないでしょう」
提督「………」
まるゆ「本来、私はお酒好きです」
提督「そう、自分の事ペラペラ話して良いのか?」
まるゆ「別に支障が無いから話してるだけです」
まるゆ「後は前菜にプロシュートと……モッツァレラと……」
提督「………」
提督「なぁ……」
まるゆ「はい?」
提督「単刀直入に言う。お前は今回何がしたいんだ?」
まるゆ「………」
まるゆ「……それを話すのは支障がありますね。残念ですけど」
提督「………」
まるゆ「そろそろまるゆにも質問させて下さいよ」
↓1質問内容
まるゆ「何故、そもそも……やっていたんですか?」
提督「……」
まるゆ「ま、聞くまでもありませんかね。容易に想像はつきますし」
まるゆ「まあでも危ない綱渡りですよね。現に落ちかけてるわけですし」
提督「………」
まるゆ「……っと。やめましょうかこんな話はデートですし」
まるゆ「次は仕事に関係無い事を聞きましょうか……」
↓1質問内容
まるゆ「好みの女の子のタイプは……どんな人ですか?」
提督「は、はぁ?!」
まるゆ「別にこれは何も支障ありませんよね」
提督「……」
↓1好みのタイプ
提督「……背が低くて、年下の……」
まるゆ「背が低くて年下……? 隊長はロリコンなんですか?」
提督「ち、違う」
まるゆ「別に隠さなくて良いですよ。これは誰にも良いませんから」
提督「………」
まるゆ「にしても……ふーん…そうなんですか」
まるゆ「……」
まるゆ「ま、良いでしょう。駆逐艦に手出すほど猿じゃなさそうですし」
提督「余計な御世話だ……」
まるゆ「何か追加で注文しますか」
まるゆ「えーと、プロシュートと」
提督「またプロシュートか?」
まるゆ「また?」
提督「さっきも頼んだじゃないか」
まるゆ「え、あー…そうでしたね」
まるゆ「……えっとじゃあ、ムール貝…」
提督「?」
今日はここまで
寝やす
あ
ーーーー
ーーーー
まるゆ「さて、お腹は膨れましたね。次はどこに行きましょうか?」
提督「………」
まるゆ「何ですかその露骨にまだ行くのかって顔は」
提督「いや……別に」
まるゆ「……ま、いいでしょう」
まるゆ「じゃあ次は……」
↓1次行く場所
まるゆ「……ゲームセンターに行きたいです」
提督「げ、ゲームセンター?」
まるゆ「無いんですか?」
提督「あるにはあるが……本当に行くのか?」
提督(何でゲームセンターなんかに?)
まるゆ「………」
まるゆ「別にいいじゃ無いですか。提督は黙って連れて行ってくれれば良いんです」
まるゆ「ほら、行きますよ」
提督「あ、ああ」
ーーーー
ーーゲームセンター
まるゆ「へぇ……ここがゲームセンターですか」
まるゆ「隊長は何度か来た事あるんですか?」
提督「ああ、昔な」
まるゆ「そうですか………ん?」
まるゆ「隊長、あれをやってみたいです」
↓1やるゲーム
あ
提督「プ、プリクラ?」
まるゆ「…………」
提督「…………それは駄目だ」
まるゆ「何故です?」
提督「何故ですってお前、そんな記録に残る物は残せない」
提督「それは俺にとっても、お前にとってもまずい事だろう」
まるゆ「…………」
まるゆ「冗談ですよ」
提督「は?」
まるゆ「隊長がどんな反応をするのか、試しただけです。本当にそんな記録を残すような事はしませんよ」
提督「お前なぁ……」
まるゆ「さて、じゃあ代わりに」
↓1次やるもの
まるゆ「もぐら叩きでもやりましょうよ」
提督「も、もぐら叩き?」
まるゆ「駄目なんですか?」
提督「いや別に構わないが……」
まるゆ「ふふ、私たちがやると皮肉が効いていて中々面白いんじゃないですか?」
提督「知るか」
まるゆ「やるにしてもただやるだけじゃ面白くないですよね…」
提督「どういう事だ」
まるゆ「もし、私の方が得点が高ければ隊長に……」
↓1やってもらう事
まるゆ「……プリクラ」
提督「は? あ、あのなぁ、プリクラはさっき駄目だと……」
まるゆ「分かってます。だから、撮るだけです。とって直ぐに全部隊長に渡しますから」
まるゆ「それを隊長自身で処分して下さい。それならいいでしょう?」
提督「それじゃあ逆に取る意味なんかないだろう。意味がわからん」
まるゆ「いいです別に。撮るだけで」
提督「良く分からんな……」
提督「……まぁ、勝てたらだけどな」
まるゆ「ふふ、そうですね…」ニヤッ
提督「?」
ーーーー
ーーーー
提督「………」
まるゆ「………ふふ」
まるゆ「ダブルスコアですね」
提督「意味わからん……」
まるゆ「敵の領分では勝負しちゃ駄目ですよ、隊長」
提督「お前がもぐら叩きが得意なんてわかるもんか…」
まるゆ「まあ、勝ちは勝ちです。とってもらいますよ」
提督「分かったよ……」
ーーーー
ーーーー
まるゆ「へー、これがプリクラなんですか」
提督「プリクラだな」
まるゆ「……何回か撮った事あるんですか」
提督「そりゃまあ」
まるゆ「……ふーん」
提督「何だよ…?」
まるゆ「別に、何でもないです」
まるゆ「まあ取りましょうか」
提督「ああ」
まるゆ「へぇー、フレームを選べたり色々加工もできるんですか」
提督「角度も調整できるから背が低くても大丈夫だぞ」
まるゆ「………」
提督「な、何だよ」
まるゆ「何でもないです」
まるゆ「よし、とりましょうか」
提督「ああ」
まるゆ「……」
↓1撮る時に起こすアクション
失礼、まるゆが起こすアクションです
↓1
まるゆ「………えいっ」ガシッ
提督「えっ」
パシャ
まるゆ「………」
提督「お、おい…何を」
まるゆ「………」パッ
まるゆ「……せっかくだから棒立ちのまま撮ってもつまらないでしょう。証明写真じゃないんですし」
まるゆ「それに、別に残らないんだから良いじゃないですか」
提督「それは、そうだが……」
まるゆ「……」
ーーーー
ーーーー
まるゆ「さて、現像できましたね」
まるゆ「へー、シールになってるんですか」
提督「……悪いが渡してもらうぞ」
まるゆ「分かってますよ、はい」
提督「うむ」
まるゆ「さて、こっちも…」
提督「…? プリクラの筐体に何してんだ?」
まるゆ「データを破壊します」
まるゆ「へ?ってデータが残ったらまずいでしょう」
提督「あ…そうだな」
まるゆ「……まったく、抜けてますね」
まるゆ「………」カチャカチ
ーーーー
ーーーー
まるゆ「ふぅ、何だかんだ日も暮れてきましたね」
提督「ああ、そろそろ帰るか」
まるゆ「……最後にちょっと寄りたい所があるんですけど、いいですか?」
提督「……ああ?」
ーーーー
ーーーー
提督「お、おい。どこまで行くんだ?」
まるゆ「……もう少しですよ」
提督「もう少しって道を歩け道を……。獣道じゃないか……」
まるゆ「……着きました」
提督「着きましたって……………………え」
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira132660.png
まるゆ「…………ちょうど夕日が良い頃合いですね」
提督「………………綺麗だな」
まるゆ「…………」
提督「…………」
まるゆ「私だけの秘密の場所なんですよ」
提督「え?」
まるゆ「まあ、もっとも秘密ではなくなりましたが」
提督「良かったのか?」
まるゆ「………」
まるゆ「別に……景色の美しさは変わりませんし…」
まるゆ「きっとこの景色は遥か昔から、この先ずっと、美しくあり続けますよ」
提督「……そうだな」
まるゆ「………」
提督「…………」
まるゆ「隊長……今日、最後に一つお願いがあります」
↓1
まるゆ「とびきりの…キスをして下さい」
提督「き、キス?!」
まるゆ「はい、キスです」
提督「い、いやそれは」
まるゆ「……ダメですか?」
提督「うーむ………」
まるゆ「………………はぁ」
まるゆ「分かりましたよ、流石に調子乗りすぎました」
提督「何かもうちょっと別のやつに」
まるゆ「じゃあちょっとしゃがんで下さい……」
提督「?こうか…………あ」
まるゆ「………」
チュッ
提督「……お、お前……」
まるゆ「…………ふふ、やっぱり抜けてますね」
提督「あ、あのなぁ」
まるゆ「良いじゃないですか。2人だけしか知ることじゃないんですから」
まるゆ「さあ、帰りましょう」
まるゆ「今日は……ありがとうございました」
こうしてまるゆとの奇妙なデートは終わった。俺には全く理由がわからなかった。…………この日が来るまでは。
ーーーー
ーーーー
提督「…………」
提督(はぁ、しかし何なんだろうなぁ……)
ジリリリリリ
提督「内線か、こんな時間に何だ?」
提督「はい。…………は?」
提督「と、特警隊が来てる?!」
提督(ま、まずい。まさかばれたのか?!)
提督「…………え?」
提督「ま、まるゆが?」
間諜行為がばれたのは俺でなく、まるゆだった。……まるゆは直様軍法会議にかけられ、解体が決まった。
ーーーー
ーーーー
「面会は5分だ」
ガチャ
まるゆ「…………」
まるゆ「今日は、久しぶりですね」
提督「………まるゆ」
まるゆ「近い内に、解体だそうですよ」
提督「…………」
まるゆ「ふふ、私の所為で他の間諜がいたとしたらもう行動はできないでしょうね……」
提督「………」
提督「……お前……」
まるゆ「なりを顰めるか、はたまたそのまま偽の職に同化するか……まあ、まるゆの知った事ではありませんが……」
提督「…………まるゆ、俺は」
まるゆ「おっと、話す事なんかありませんよ。さあ、かえって下さい」
提督「…………」
「おい、時間だ」
提督「わ、分かった」
ガチャッ
まるゆ「…………」
まるゆ「………」
まるゆ「さよなら、隊長」
数日後、まるゆは解体された。俺はというと……秘密裏に間諜の任を解かれた。警戒が強くなるからと大佐からの命令だ。元々関わりは白紙に……と。そのまま俺は……海軍の提督の任を続ける事になった。まるゆのおかげで俺は自由の身になったのだ。
ーーーー
ーーーー
提督「……はぁっ……はぁっ………」
提督「…………」
俺はあの夕日が綺麗な場所へ向かっていた。何故だろうか。そこに行けば、まるゆが………。
提督「………ついた」
提督「…………!」
提督「掘り返した跡がある………」
提督「…………」ゴソゴソ
提督「……! 缶?」
そこには小さな缶があり、開けてみると手紙が入っていた。
提督「………これは」
『これを隊長が読んでるときは、既には私はいないでしょう。そして……きっと隊長は間諜の任を解かれている事でしょう。……突然、卑怯な手でデートなんかに誘ってすいませんでした。でも、バレて解体される事が分かってから、そうぜずにはいられなかったんです。私は、艦娘であり、間諜です。子を成せませんし記録にも残ってはいけません。………はじめから、きっと最初から居なかったかの様に死んでいくのだろうとは分かっていました』
『でも……恋をしないっていう機能は備わっていなかったようで……えへへ。すいません』
『最初は死ぬのは……恐かった。でも、隊長と最後にデートが出来て怖くなくなりました。……どんな形であろうと、私の事を、本当の私を知ってくれた人が出来たから』
『………あと、この夕日の綺麗な場所、是非みんなに教えて上げて下さい。あ、まるゆが言ってたとは教えちゃダメですよ』
『みんなで、まるゆが見ていた綺麗な夕日を見て欲しいんです。本当に綺麗ですから。これから先もずっと』
『……最後に、ありがとうございました。デート楽しかったです』
『…好きでした。隊長』
提督「…………」
提督「…………まるゆ」
ーーーー
ーー??年後
「ふぅっ、もう疲れたよ…」
「ねぇ、まだ着かないのー?」
「わがまま言うな、もう着くから」
「……ほら、着いたぞ」
「………うわぁ、綺麗な……」
「す、すごい……」
「だろっ。ここは俺のひいじいちゃんが作った展望台なんだぜ」
「へー、すごいねー」
「んー、でもさ何で名前が『もぐら展望台』なの?」
「そういえば何でもだろな?」
「まー、いいじゃない。こんなに綺麗なんだから。今度他のみんなも連れてきましょうよ」
「ああ、そうだな!」
ーー完ーー
このSSまとめへのコメント
こんなまるゆもいいな
泣いた