桃華「魔法少女マジカルモモ!」 (28)
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
書き溜めあり、短めです。
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(桃華ルーム)
桃華「さて…もうそろそろわたくしが主演の『魔法少女マジカルモモ』の第1話が放映されますわね」
桃華「どのようなものになっているか、ちゃんとチェックしておかないといけませんし、見てみましょう」
(ピッ)
『魔法少女マジカルモモ』
『第1話 わたくしが変身!?ありえませんわ!』
モモカ『わたくしはモモカ!どこにでもいる普通のお金持ちのお嬢様ですわ!』
桃華「我ながら、のっけからなかなかアクの強い自己紹介ですわね…」
モモカ『好きなことはティータイム!』
モモカ『今日はわたくしのとっておきの茶葉を使って優雅にティータイムをするつもりですの!』
モモカ『フンフンフフーン、茶葉の蒸らしも終わりましたし、カップに注いで…』
(ヒュウウウゥゥゥゥゥゥゥ…)
モモカ『ん~っ!良い香りですわ!では、お味を…』
(ガシャアアアァァァァァン!!!)
モモカ『きゃあっ!な…なんですの!?わたくしのとっておきのティーセットが粉々に…!』
???『あいててて…ったく、いきなりこっちの世界に放り出しやがって…』
モモカ『な、なんですの!?小さい…人間…?』
???『あ?お前…もしかしてオレの事が見えんの?』
モモカ『何がもしかしてなのかはわかりませんが…見えますわよ?はっきりと』
???『そっか~…素質はアリか…』
モモカ『…なんですの?』
???『いや、なんでもねえ、それよりお前、何か困っていることってないか?』
モモカ『そうですわね…強いて言うのでしたら、いきなり降ってきた誰かさんに粉砕されたわたくしのティータイムを返していただきたいくらいでしょうか』
???『へ~、そんなことする悪い奴がいるのか』
モモカ『ええ、いますわね、わたくしの真正面に』ジトッ
???「…え?」
モモカ『あなた、ええと…お名前は?』
???『ああ、オレは妖精のハルチン!マジカルランドから来たんだぜ!』
モモカ『そう、ではハルチンさん、ちょっと周囲を見回してみてくださる?』
ハルチン『………何かの儀式?』
モモカ『そんなわけないでしょう!?アナタがいきなり降ってきたからこんな有様なんじゃありませんの!誠意ある謝罪を求めますわ!』ギュウウウウ…
ハルチン『ぐえっ!や、やめろバカ!潰れる!潰れる!』
モモカ『あら、わたくしとしたことが…』パッ
ハルチン『あ~…わかったよ、じゃあオレがお前を魔法少女にしてやる』
モモカ『は?』
ハルチン『そんでその魔法でこれを直せば良いだろ?』
モモカ『…頭沸いてらっしゃいます?』
ハルチン『ストレートに罵倒された!?』
モモカ『小さい子じゃないんですから…そんな出まかせでこの場を切り抜けられるとお思いで?』
ハルチン『妖精を目の前にしてこの反応って…最近の子供って夢が無いんだな…』
モモカ『良いから、はやくこの有様をなんとかしてくださいませんこと?』
ハルチン『こうなりゃ強硬手段だ!おりゃあ!』パアァァァ…
モモカ『きゃあっ!』
(変身バンクシーン)
桃華「あわわ…ここはCGでなんとかするからとだけ聞かされていましたけど…一瞬…は、裸になって…!?」
桃華「体の各所に光が集まったと思ったらそれが衣装に…」
桃華「フリルが沢山あしらわれていて可愛らしい衣装なのですけど…あの一瞬裸になるのはどうにかならないかしら」
(注)裸のように「見える」だけです
モモカ『もぎたてフレッシュマジカルモモ!愛の力で…おしおきですわ♪』
モモカ『…って、いきなり何をなさるんですの!?それに今の口上…勝手に口をついて出ましたわよ!?』
ハルチン『いや、なんかお前一々説得するの面倒くさそうだったから見せた方が早いかなって』
モモカ『面倒くさいとはなんですか!』
ハルチン『いいから、その姿なら魔法が使えるハズだから、ここを片付けてみろよ』
モモカ『自分でやったことなのにわたくしに片づけをさせるとか…まあ良いですわ、それでその魔法とやらはどうやって使うのですか?』
ハルチン『そりゃ…あ~…』ゴソゴソ
ハルチン『あったった、ほら取説』
モモカ『まさかのマニュアル化!?』
ハルチン『魔法の世界も多少は合理化されてんだよ』
モモカ『ん~…基本はこのワードを唱えれば良いのですわね』
ハルチン『攻撃の時はまた色々あるけど、こういうのはそれでいけるな』
モモカ『物騒なワードが聞こえてきましたけど無視しますわ!では…』
モモカ『フレッシュマジカルピーチ!わたくしのティーセットよ!元に戻れ~!』
(パアアアァァァァ…)
モモカ『嘘…本当にティーセットがみるみるうちに元通りに…』
ハルチン『ど~よ!これが魔法だぜ!』
モモカ『はぁ…これは…素直に驚きましたわ』
ハルチン『じゃあ、魔法少女になったからにはお前にはやってもらわないといけないことがある』
モモカ『…は?』
ハルチン『魔法の力がタダで貰えるだなんて虫の良い話があると思うか?』
モモカ『…』
ハルチン『実は今世界は…』
モモカ『ですから…』ガシッ
ハルチン『お?』
モモカ『元はと言えば全部あなたのせいでしょうが!!!』ボチャッ
ハルチン『ガボゴボガボゴボ!?』バシャバシャ
ハルチン『がはぁっ!茶に叩き込むとか…な、何しやがんだ!この暴力女!』
モモカ『あなたがここに落ちてこなければそもそもこんな事にはならなかったんでしょう!?』
ハルチン『そんなのオレのせいじゃ…』
モモカ『…今度は注ぎたてのお茶の中に行ってみます?』ニッコリ
ハルチン『アイ、サーセンッシタ』
モモカ『はぁ…生憎ですけどもわたくしはアナタ達の事情に興味はありませんわ、この魔法少女のチカラだって持って帰って下さって結構ですわよ』
ハルチン『それが出来れば苦労はねえよ!』
モモカ『…は?』
ハルチン『そもそもオレを見れる人間がそう居ないし、一度魔法少女の力を渡したらそのままなんだよ』
ハルチン『普段はもっとちゃんと説得してなって貰うんだけどよ…』
モモカ『はぁ…それで、わたくしは何を…』
???『あら…何やら変なニオイがすると思って来てみましたら…』
モモカ『えっ?』
???『どうしてこんなトコロにくっさいくっさい妖精が居るんでしょうか…』
モモカ『メイドのシキさん…?どうなさったの?』
シキ『いえね、お嬢様の香りを堪能しようとしていたらなんとも我慢できない異臭がですね…ああ、くさいくさいくさいくさいくさいいぃぃぃぃぃ!!!!』
モモカ『シキ…さん…?』
ハルチン『おい!そいつから離れろ!』
モモカ『えっ?』
シキ『ああああああぁぁぁぁぁ!!!!』
(ゴゴゴゴ…)
トリスメギストス『ハスハスゥ…ハスハスゥ…』
モモカ『シキさんが…怪物に…!?』
ハルチン『これがオレ達の「事情」って奴だ!理由はわからねーけど人間をこんな化け物に変えちまう何かがこの辺りにあるらしい!』
モモカ『そんな…ではシキさんはどうなってしまいますの?』
ハルチン『このままで普通に倒されたらそのまま死んじまうな』
モモカ『!?』
ハルチン『けど、魔法少女の力であの化け物になる何かだけをを浄化してやれば…多分!』
モモカ『はぁ…仕方ありませんわね、我が家の使用人に何かあっては一族の名折れ!シキさん、すぐに元に戻して差し上げますわ!』
モモカ『…と、見得を切ったは良いものの…どうすれば良いのでしょう?』
ハルチン『だあぁ!』ズコーッ
ハルチン『とりあえず適当にその杖を振ればなんか出るから!』
モモカ『なんてアバウトな…』
トリスメギストス『ハスゥ!!!』シュバッ!
モモカ『きゃっ!しまっ…!』
モモカ『触手が…絡みついて…!』ギチギチ
桃華「あわわ…やっているときは気づきませんでしたけど、こんなあられもない恰好になっていただなんて…」
トリスメギストス『ハスハスゥ…ハスハスゥ…!』
桃華「あわわわ…シキさんどこにお鼻を…というか、これこの時間に放映して良いんですの!?」
ハルチン『おいお前!とりあえず相手を思いやるんだ!あのメイドを絶対に助けるんだって気持ちを高めるんだ!そうすりゃ後はなんとかなる!』
モモカ『またそんなアバウトな!ええい!もう破れかぶれですわ!』パアァァァァァ…
トリスメギストス『ハス…?』
モモカ『シキさん!いつまで寝ぼけてらっしゃいますの!早く目を…覚ましなさあああぁぁぁぁい!!!』パァン!
ハルチン『ビンタ!?』
トリスメギストス『ナ・・・ナグッタネ!?』
モモカ『…もう一つ!これは愛の鞭ですわ!』パァン!
トリスメギストス『オ、オヤジニモブタレタコトナイノニィィィィィ…!!!』
(パァァァァァ…)
ハルチン『おお!あの怪物の体が消えてメイドの姿に戻った!』
モモカ『はぁ…はぁ…シキさん?』
シキ『…』
モモカ『ちょっ…シキさん!?シキさん!?目をお覚ましになって!?』ユサユサ
シキ『ん~…あれ?モモカちゃん?おっは~、なんか可愛いカッコしてるね?』
モモカ『へっ!?ああ…魔法少女の格好のままでした…ハルチンさん!これはどうやったらもとに…』
シキ『モモカちゃん…?誰に話しかけてんの?』
モモカ『…へっ?』
ハルチン(言ったろ?オレの姿が見える人間なんてそう居ないって)
シキ『…イマジナリーフレンドってヤバイよ?良い感じにストレスのブッ飛ぶオクスリ要る?』
モモカ『いりません!』
シキ『んじゃ~この可愛いモモカちゃんを撮影~!後でフレちゃんに自慢しちゃお~!』
モモカ『ちょっ…!』パシャリ
シキ『にゃはは~!それじゃあアタシはお仕事に戻るにゃ~!』
モモカ『うう…フレデリカさんにまで見られるとなるとしばらくこれでメイドの皆さんに弄られますわね…』
ハルチン『まあそんなわけで、これからよろしくな!モモカ!』
モモカ『えっ?今のシキさんで終わりじゃないんですの?』
ハルチン『そんなわけないだろ?原因をどうにかしないとだし…どんだけかかるかな~』
モモカ『あ…』
ハルチン『あ?』
モモカ『あり得ませんわ~!!!』
<つづく>
桃華「はぁ…魔法の演出は凄かったですわね」
桃華「それに志希さんの演技も凄かったですわ!」
桃華「しかし…どうにもわたくしがかなりお転婆なキャラに描かれている気がしますわ」
桃華「本当のわたくしはこんなに淑女ですのに!」
(ガチャッ)
梨沙「桃華~、おっはよ~」
桃華「あら梨沙さん、ごきげんようですわ」
梨沙「アンタがこんな時間からテレビだなんて珍し…あっ、これ今日放送だったっけ」
桃華「そうですわね、わたくしの映り方を確認するために観ていましたの」
梨沙「マジメね~…」
桃華「一応録画もしていますけど、なんでしたら梨沙さんもご覧になります?」
梨沙「そうね、その内アタシも出てくるし、アタシの居ないトコも見ておかないとだしね」
桃華「梨沙さんが出てくるのは何話か先でしたわね」
梨沙「そうね、確か…4話くらいだったかしら」
桃華「あっ、次回予告が始まるみたいですわね」
モモカ『わたくしが魔法少女だなんて…』
『戸惑うモモカ、しかし怪物はそんなモモカの苦悩などお構いなしに襲い来る』
モモカ『ミズキ先生!若さに嫉妬して暴れるのは許しませんわ!』
『次回、わかるわ』
モモカ『次回も、わたくしが癒してさしあげますわ!』
桃華「川島さん…」
梨沙「もしかしたら聖來かもしれないから…」
桃華「梨沙さん、声が震えてますわよ」
梨沙「さ、さぁ何のことかしら…とりあえずもっかい頭から見せて!ほら!」
桃華「うふふ、わかりましたわ!」
桃華「少々気恥ずかしいですけれど、桃華の雄姿をご覧あれ、ですわ!」
おわりです。
お付き合いいただきありがとうございます。
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