【艦これ】吹雪「魂が入れ替わるブレスレット……ですか?」 (140)

艦隊これくしょんのSSです
今回は一括投下ではなくゆっくり進行
某有名な映画は見てなくても大丈夫です

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1488556007

――執務室――


提督「なぁ吹雪、前に鎮守府のみんなで映画を見た時の話なんだけどさ」

吹雪「はい、『艦娘の名は。』ですよね? あの映画、話題作だけあってすごく面白かったですよね!」

提督「その映画の中で、主人公とヒロインの中身が入れ替わるシーンがあっただろ?」

吹雪「そうですね、たしか冒頭のシーンで……」


提督「……あれ、いいと思わないか?」

吹雪「……はい?」

提督「いや、実はな。あの映画を見た後に妖精さんにお願いしてこういうものを作ってもらったんだ」

吹雪「なんですかこれ……ブレスレット?」

提督「そう……だが、妖精さんが作ったものだから普通のブレスレットなんかじゃない」

提督「これは、言うなれば『魂が入れ替わるブレスレット』だ」

吹雪「魂が入れ替わるブレスレット……ですか?」


提督「これを身に付けた状態で眠りにつくと、二人の魂が入れ替わるらしい」

吹雪「へぇ~……妖精さんたちってすごいんですね」


提督「……なぁ吹雪」

吹雪「……なんですか?」



提督「頼むっ!!」

吹雪「い、嫌ですよ!」

提督「……ダメか?」

吹雪「だって、映画ですら胸を揉んだりしてたのに、実際に入れ替わったりしたら何されるか……」

吹雪「それに、トイレとかお風呂はどうするんですか?!」

提督「まぁ、そこは……」メソラシ

吹雪「……やっぱり、それが目当てなんですね?」ジトー

提督「頼むって!吹雪も男の身体に少しくらい興味あるだろ?」

吹雪「それは……その、無いと言えば嘘になりますけど……」

提督「だったらいいじゃないか。お互い様なんだし」

吹雪「男性と女性じゃ裸の重みが違いますよ!」

提督「確かにそうだが……」


吹雪「それに、司令官には入れ替わりたい『理由』があっても、私にはありません」

吹雪「私の身体で好き勝手されるわけですし、それに見合うほどの価値があるとは……」

提督「それなら、入れ替わっている間は吹雪も『何でもしてもいい』ってのはどうだ?」

吹雪「……?!」


吹雪「な、なんでもしていいんですか?!本当に?!!」ガタッ

提督(すごい食いつきだな、実は吹雪ってむっつりスケベなんじゃ……)

提督「あぁ。とは言っても、流石に最低限のルールは必要だが」

吹雪「具体的にはどんなルールですか?」

提督「……そうだな、こんな感じでどうだろうか」カキカキ



ルール
①無関係の艦娘や人を傷つけたり、迷惑をかけてはいけない。
②入れ替わっている事は他人には秘密にする。
③鎮守府の外に出たり、電話やインターネットなど外部との通信は緊急時以外行わない。



吹雪「なるほど。このルールならできることもある程度限られますね」

提督「だろう?だから、このブレスレットを……」

吹雪「……わかりました」

提督「本当か?!」

吹雪「その代わり、何をしても怒らないでくださいよ?」

提督「ありがとう。もちろんルールの範囲内の事なら怒ったりしないさ」


提督「よし、そうと決まれば俺は明日に備えて寝ることにするよ」

提督「吹雪も早く寝るんだぞ?明日その体を使うのは俺なんだから」

提督「あ、それから明日起きたら執務室に集合ってことで」

吹雪「わかりました。この書類を片付けたら戸締まりしてお休みします」

提督「おう、お疲れ様!」ガチャッ

バタン



吹雪「…………」

――提督の部屋――


提督(ふふふ……まさか、こんなに上手くいくとは!!)



提督(今回取り決めた三つのルール。実はこのルールには穴がある)

提督(まず一つ目。『他人』ではなく『無関係の艦娘』とした事で、吹雪はルールの対象から外れる)

提督(つまり、吹雪の身体で何をしようがルール違反にはならないということだ)


提督(そして二つ目、入れ替わっていることを他人には秘密にするというルール……)

提督(相手に中身が俺だとバレなければ『女同士』でスキンシップを取ろうが、女風呂に入ろうが艦娘たちも傷つく事はない)

提督(さらに3つ目!吹雪の行動を制限することで、入れ替わった際のリスクを最小限に抑える!!)

提督(一方的に女の体を楽しめる、完璧な作戦だ……!!)


提督(吹雪の予定は明日一日開けてある。これで好き勝手できる準備は整った……)



提督「くそっ……興奮して全然眠れねえぇーーっ!!」ギンギン

――吹雪型の部屋――


吹雪(……きっと司令官は、入れ替わって身体をいじったり、他の艦娘たちにセクハラとかするつもりだよね)

吹雪(入れ替わっていることが秘密なら、お風呂とか覗いてもバレないわけだし)

吹雪(みんなごめん。私のせいで司令官に裸を……)


吹雪(でも、私ならわざわざ入れ替わったりしなくても、司令官が求めてくれればなんだって――)

吹雪(……やっぱり私は駆逐艦で、身体も幼いから、異性として見られてないのかな?)

吹雪(初期艦だったから司令官の隣にいる事が多いけど、ただ一緒に仕事してるってだけで……)

吹雪(いくら金剛さんや加賀さんたちみたいに大人っぽくないとはいえ、ちょっとショックだなぁ)


吹雪(でも、さすがに好きでもない相手と入れ替わったりしようとは思わないはず!まだ希望はある……!!)



吹雪「……このチャンス、必ずものにしてみせる!!」

今日はおしまいです
極度の飽き性なので今までは完成してから投下してましたが
モチベーションの維持ができないので今回はゆっくり書かせてもらいます
失踪しないように気をつけます

――翌朝・吹雪型の部屋――


提督「んあ…………あれ、ここは……?」

提督「…………!!」

提督(そうか、魂の入れ替えが上手くいったのか!)

提督(細くて柔らかい腕に、聞きなれた可愛らしい声……これで今、俺の魂は吹雪の身体に宿っているわけだ)

提督「そうと分かればやることは一つ……」モミモミ



提督「…………硬い」ホロリ

提督(そうか、吹雪は改二になってちょっと垢抜けたが、体型はそこまで変わらなかったもんな……)モミモミ

叢雲「おはよう吹雪……って、なに自分の胸揉んでるのよ」

叢雲「もしかして、映画の真似でもしてるわけ?」

提督「えっ?!あ、あははは……なんか急に真似したくなって……」



提督(危ない危ない、吹雪型はみんな同室だったのを忘れてた)

叢雲「……ふーん、まぁほどほどにしときなさいよ?」

提督(まぁでも、流石に本当に入れ替わってるとは思わないだろうし、少しくらいは大丈夫か)

提督(しかし、叢雲って吹雪型なのに雰囲気が違うっていうか……)

提督(改二になってまた印象がガラリと変わったし)ジロジロ

叢雲「……何?なにか顔に付いてたりする?」

提督(なんていうか、肉付きが良くなったっていうか……)



提督(とりあえず揉んどこう)モミモミ

叢雲「……何すんのよ!!」ゴチン

提督「ぶふっ!」

提督(なるほど、吹雪よりは大きくて柔らかいんだな……)モミモミ



叢雲「アンタねぇ、駆逐艦の私と比べてどうすんのよ……」

叢雲「比べるにしても潮とか浜風に――って言っても、今みたいなセクハラはダメよ?」

叢雲「一番艦がエロオヤジみたいな事してると、私たちもエロ型駆逐艦とか言われるんだから」ギロッ

提督「……肝に銘じておきます」

提督(うーん、流石に同性でもあからさまなセクハラは良くないか)

提督(俺だって他の男にベタベタ触られたら嫌だもんな。姉妹だからこそ嫌なのかもしれんが……)



提督(とにかく、執務室で吹雪と合流しないと)

――執務室――


提督「し、失礼しまーす」ガチャ

吹雪「お……おはようございます、司令官……」モジモジ

提督「うわー、分かってはいたけど自分がいるってのは変な感覚だなぁ」

吹雪「私も違和感がすごいです」

提督「あー……悪いけど俺の身体で内股はやめてくれないか?見てて気持ち悪いし」

吹雪「わかりました。司令官も足を大きく開かないようにお願いしますよ?」

吹雪「いくら女の子ばかりとはいっても、見られるのはさすがに恥ずかしいですから」

提督「あぁ、気をつけるよ」

提督「……ところで、なんで顔が赤いんだ?」

吹雪「実はトイレが我慢できなくて、朝一番に……」

提督「あー、なるほどね」

提督「で、どうだった?男の身体でおしっこするのは」ニヤニヤ

吹雪「……っ!そんなの恥ずかしくて言えませんよ!」

提督「ちゃんと振らないと残ってる事があるから気をつけてくれよ?」

吹雪「振るって……」



提督「あ、ちなみにこっちはまだトイレに行ってないから」

吹雪「あまり変なことしないでくださいよ?」

提督「変って、例えばこういう事とか?」モミモミ

吹雪「……せめて見えないところでやってください!!」

提督「思ってたより硬かった」モミモミ

吹雪「ぶっ飛ばしますよ」

吹雪「ところで、一つ聞きたいことがあるんですが」

提督「なんだ?」

吹雪「入れ替わったのはいいんですが、元に戻るにはどうするんですか?」

提督「それなら簡単だ。入れ替わるときと同じで、ブレスレットを付けた二人が睡眠状態に入ればいい」

吹雪「なるほど、意外と単純なんですね」

吹雪(……と言う事は、睡眠時間をずらせば、入れ替わった状態を引き伸ばせるはずだよね)

吹雪「わかりました、ありがとうございます」

提督「あと、緊急時の事を幾つか確認しておきたいんだが――」

提督「――よし、確認も済んだことだし、あとはお互いに自由行動にしよう」

吹雪「そうですね、折角の機会なので楽しもうと思います」

提督「ほほう、一体何を楽しむんでしょうかねぇ?」ニヤニヤ

吹雪「……ハサミできのこ狩りでもしようかなと」

提督「すみませんでした、許してください」ドゲザー



提督(はぁ、もし本当に去勢されたらどうしようかと思ったよ)

提督(今はついてなくてよかった。もし男の身体のままだったら震え上がってただろうな)



提督(さて、早速女風呂を覗きに行きたいところだが、この時間だと遠征帰りの睦月型が入ってるかどうかくらいだ)

提督(駆逐艦の身体を見るなら吹雪の身体でもいいし、お楽しみは後に取っておくとして――)

おう今すぐにRへ移動してレズレイプあくしろよ

――吹雪型の部屋――


提督「……よし、誰もいないな?」



提督「まずは今後のためにも『資材』の確保をしておこう」

提督「執務室からこっそり持ち出したカメラで……」カシャッ

提督「うーん、セクシーポーズって意外と難しいんだな。吹雪に色気がないってのもあるが……」カシャカシャッ

提督「なら、スカートの中を直接撮ってみよう」カシャッ



提督「……すごい罪悪感だ」ズーン

提督「元の身体だったらムラムラしてるんだろうけど、女の身体だからか興奮よりも後ろめたさが勝ってしまう……」カシャッ

提督「ただ、吹雪に申し訳ないという気持ちしか湧いてこない」カシャカシャッ

提督「とはいえ、こんなチャンスはもう無いかもしれない」

提督「……次は下着姿で撮ろう」

提督「駆逐艦とはいえ、下着姿のセクシーポーズはなかなか……」カシャカシャッ

提督「いくら改二で少し大人びたとは言え、艦娘じゃなかったら間違いなく違法だろうな」カシャッ

提督「もしこの写真が誰かに見つかったりしたら捕まるかも――」


ガチャッ


深雪「ただいまーっ!って、何やってんだよ吹雪?!」

提督「――?!」

初雪「下着姿で自撮りとか……吹雪ってもしかして……ナルシスト?」

提督「いや、これは……そういうわけじゃなくて……」アセアセ



初雪「……あ、もしかして司令官に送るの?」

深雪「ははーん、なるほどねぇ。吹雪はホント司令官の事好きだよなぁ~」

提督「えっ?」

深雪「だけどさ、まだ付き合うどころか告白すらしてないんだろ?」

深雪「いきなり下着姿の写真送りつけるのはちょ~っとどうかと思うぜ?」

初雪「たしかに破廉恥だけど、ネットにアップするとかよりはマシ……」

提督「いやいや、誰にも見せたりしないって!ただ、セクシーポーズの練習っていうか……」

初雪「やっぱりナルシスト?それとも……」

深雪「いやーさすが恋する乙女!甲斐甲斐しいもんだよ!」

提督「あは、あははは……」



提督(そうか、なんとなく気づいてはいたが、吹雪は俺のことを……)

提督(なおさら罪悪感が……)ガックリ

――提督の私室――


吹雪「失礼しまーす……」ガチャ

吹雪「って、今は私の部屋ってことでいいんだよね?」

吹雪「……とりあえず鍵を締めてっと」ガチャリ



吹雪「さて、せっかく司令官の身体を好きにできる事だし……」

吹雪「まずは『資材』集めから始めようっと♪」

吹雪「ルールじゃ電話やメールは禁止だけど、ケータイ自体は使っても大丈夫なはずだよね」

吹雪「まずは録音ツールを起動してっと……」ピッ

吹雪「……コホン」


吹雪『――愛してるよ、吹雪』ボソッ


吹雪「キャーーッ!!」ゾワゾワッ

吹雪「もうこれ最高っ!!秋雲ちゃんが言ってた萌えってこういう事だったんだ!」

吹雪「しかも録音したから繰り返し聞けるだなんて……あぁ、幸せぇ……」

『――初めて会ったときから好きだった』

『――お前、俺の女になれよ。俺だけの女に』

『――もう離さない。ずっと俺のそばにいろ』 


吹雪「ふううううう!!!!」ビクンビクン

吹雪「このままだと、陸の上なのに轟沈しちゃいそうだよぉ……」



吹雪「よーし、せっかく携帯にカメラがついてるんだし写真とか動画も撮っちゃおう!」

吹雪「まずはワイシャツに着替えて……もちろん上のボタンは留めずに袖はまくって……」

吹雪「ネクタイの結び方が分からないのが残念だけど、無い方が逆に色っぽいかな?」カシャッ


吹雪「あっ!!この角度!!この角度はやばいですよ!!!」カシャシャシャシャシャ

吹雪「鎖骨!!鎖骨がすごいことになってる!!」カシャカシャッ

吹雪「やったことないけど大破進軍してる気分ですよこれは!!」カシャカシャッ

吹雪「はぁ……はぁ……ちょっと興奮しすぎたかも……」

吹雪「あれ?さっきからズボンが圧迫されてる感覚が……これってもしかして――」


コンコンコン


吹雪「――?!」



金剛『提督ーっ!金剛デース!!……って、鍵がかかってるみたいネ』ガチャガチャ

吹雪(こんなタイミングで金剛さんが来るなんて――!!)

吹雪(……流石にこの状態じゃまずいよね?)ギンギン

吹雪「い、いまは着替えてるから少し待っててください!」

金剛「わかったネ!」



吹雪(とにかく落ち着かないと。まず、ちゃんと服を着て……)

吹雪(あとはこの膨らみをどうにかしないと。たしか、興奮するとこうなるんだよね?)

吹雪(ってことは冷静に……大規模作戦で出撃直後に大破しちゃった時の気まずさを思い出せば……)

吹雪(うぅ……なかなか収まらない……どうしよう――!!)

今日はここまでにします

私は書くのも遅いですし、書き溜めなしの投下はSS速報に来た時以来で大変ですが
安価スレも一度立ててみたいので練習だと思ってがんばります

提督「――ふぅ、なんとか誤魔化すことが出来た」

提督「……ただ、吹雪型の部屋でこれ以上変なことはしないほうが良さそうだな」

提督「風呂まで時間はまだまだあるし、一度そっち方面から離れるとするか」

――艤装保管所――


提督「えーっと、吹雪の艤装は……っと、あったあった」

提督「一度艤装を付けて海に出てみたかったんだよなぁ」

提督「まずは機関部から……よいしょっと――」



提督「って、1ミリも持ち上がらない?!いや、それどころか動かすことすらできないとは……」

提督「んぎぎぎぎぎ!!うりゃあああああああ!!」

提督「……ダメだ、びくともしねえ」

提督「おかしいな、普段は軽々と背負ってるはずなのに……」

妖精「吹雪ちゃん、大丈夫?!」バタバタ

提督「あ、妖精さんですか」

妖精「艤装が持ち上がらない……ってことは、もしかして中身は提督さん?」

提督「その通りです。せっかくなので艤装を付けて海に出たいなぁと思ったんですが……」

妖精「それは無理だと思うよ。装備はともかく機関部や船底部分はその持ち主の魂じゃないと」

妖精「もし簡単に他の娘の艤装を持ち上げれるなら、誰も沈んだりしないって」

提督「たしかにそう言われれば……」


妖精「だから諦めたほうがいいよ。もし艦娘の艤装の下敷きになったりしたら……」

提督「……これからは気をつけます」ゾワッ



提督(そうか……魂が違うと身体が持ち主の物でも艤装を持ち上げれないのか)

提督(一度海に出てみたかったが、こればっかりは仕方ないか)

提督「よし、本来の目的に戻るとしよう!」


グー


提督「……その前に腹ごしらえだな」

――提督の私室――


吹雪(ふぅ、やっと収まった……)

吹雪「ごめんなさい、今開けまーす」ガチャッ

金剛「テ・イ・ト・クーーっ!!」ガバッ

吹雪「ひゃぁっ!!」


吹雪(予想はしてたけど、いきなりこんな大胆に抱きついてくるなんて……!)

吹雪(し、しかも……大きくて柔らかい)ホロリ


金剛「今日は一日オフだって聞いてマース!!私も一緒に遊びまショウ!」

吹雪(そんな……このチャンスに司令官との距離を縮めたいのにデートだなんて……!!)

吹雪(どうしよう、なにかうまく切り抜ける方法は――)

金剛「…………」

金剛「スキありデース!!」ンチュー

吹雪「―――?!!」バッ

吹雪(あ、危なかったーっ!!いまの避けてなかったらキスされてたよね?!)

吹雪(ファーストキスが好きな人と入れ替わった状態で、しかも相手がライバルとだなんて絶対にイヤ!!)

金剛「ワオ、今日は珍しく惜しかったネ。でも、相変わらずのガードの固さデス!」



吹雪(金剛さんには悪いけど、今日だけは――)

吹雪「ちょ、ちょうど良かった。実は金剛さ……金剛に哨戒を頼もうと思っていたところなんだ」

金剛「パトロールデスか?」

吹雪「北方で戦艦を含む艦隊の目撃情報があってな。急で悪いが、念のために見てきて欲しい」

吹雪(もちろん嘘なんですけど……)

金剛「分かりました……せっかく提督とデートできると思ったのに。残念デス……」

吹雪(そんなに悲しそうな顔をされると心が……)ズキズキ

吹雪(でも心を鬼にして、他のライバルたちにもしばらく鎮守府を留守にしてもらわないと……)

吹雪「あと、放送機器の調子が悪くてな。残りのメンバーも直接呼んできてほしい」

金剛「どんな編成デスか?」

吹雪「……榛名、加賀、鳳翔、大井、鹿島の5人だな」シロメ

金剛「とてもヘビーな編成デース。それに、鳳翔が入るなんて珍しいネ」

吹雪「さ、最近は出撃頻度も少なかったからな。あは、あははは……」


金剛「じゃあ、早速呼んで来くるネ……」トボトボ

吹雪「た、頼んだぞ」ズキズキ

――午後・食堂前――


提督(……うぅ、食べすぎてお腹いっぱいだ)

提督(やっぱり身体が小さいんだから、普段通りの感覚でメシ食ったりするもんじゃないな)

提督(味覚も幼いからか、コーヒーも苦くて飲めたもんじゃなかったし……)

提督(睦月たちがピーマンを残したがる理由がよくわかったよ)


提督(――!!)ブルブルッ

提督(コーヒーを飲んだからか、急にトイレに行きたくなってきたな)


ジワッ


提督「えっ?」

提督「ま、まさか……」


ポタポタ


提督(嘘だろ?!こんな簡単に決壊するなんて!!)

提督「急いでトイレに……いや、このままじゃ間に合わない――」ダッ

提督「くっ、なんとか人目につかない所で――」



ビチャビチャビチャ……



提督(――――あぁ、温かい)ガックリ

睦月「およ……?吹雪ちゃん、大丈夫かにゃ?!」

提督「睦月……ちゃん?」


睦月「どうしたの?!体調が悪いとか……」

提督「大丈夫だよ。ただ、ちょっと油断しちゃって……」

睦月「そっか……そういうこともあるよね。ここは睦月に任せてお風呂に入るがよいぞ!」

提督「ありがとう睦月ちゃん……ごめんね?」

睦月「いいっていいって!吹雪ちゃんには助けてもらう事の方が多いんにゃし」

睦月「ほら、前に菊月ちゃんがおねしょしちゃった時だって助けてくれたでしょ?」

提督(菊月……)ホロリ

――大浴場――


提督(はぁ、睦月のおかげで助かったよ。後片付けだけでなく、着替えも用意もしてくれるなんて……)

提督(普段はあんな調子でも、やっぱり長女ってことなんだろうなぁ)


ガララッ


提督(――流石にまだ誰も入ってないか)

提督(まさか、おもらしが原因で予定よりずっと早く風呂に入る事になるとは……)

提督(いつもならあと1時間は我慢できたはずなんだが、『出口』までの長さを考えると女性の方が漏れやすいのかもしれないな)

提督(前に卯月とくすぐり合ってたら急に涙目になって逃げていったが……あれはそういう事だったんだろう。うん)

今日はここまででおしまいです
>>22さんのレスを見て、急遽ネタ帳にない話を追加で書いてるので失速すると思いますが
最後まで話の内容は考えてるので書き切りたいです

艦娘でないことが分かったのはまだ分かるが、なんで提督だということがすぐに分かったんだ?

>>47
魂が入れ替わるブレスレットを作ったのは妖精さんだから、ということでお願いします

提督(さて、みんなが風呂に入り始める夕方まで、どうやって時間を潰すかだが……)

提督(吹雪には悪いが、ここは女体の神秘を堪能させて貰うとするか――)ワクワク


ガララッ


睦月「吹雪ちゃん、調子はどうかにゃ?」

提督(睦月?!まさか風呂にまでついてくるなんて!)

提督「む、睦月ちゃんもお風呂?」

睦月「いひひっ、吹雪ちゃんが心配でついてきちゃったのです!」

睦月「吹雪ちゃんがおもらしなんて初めてだし、もし何かあったらって思って!」

提督「……ごめんね?心配かけちゃって」

睦月「いいのいいの!親友として当然の事にゃし!」


提督(そうか、吹雪と睦月は親友だったな……)

提督(しかし困ったことになった。このままだと『お楽しみ』の時間が……)

提督(睦月はおそらく『吹雪』が粗相をしたのは体調不良による物だと思っているだろう)

提督(普段から真面目で明るい吹雪の事だから尚更だ)

提督(俺が風呂から上がるまで睦月も待ってるだろうし、出た後もしばらくは様子を見るためについてくるはず……)



提督(ここは一度風呂から出て、夕方まで待ってからもう一度風呂に入るか?)

提督(運動でもして汗をかけば、自然と風呂に……)

睦月「およ……?どうしたの吹雪ちゃん、考え事かにゃ?」

提督「えーっと、お風呂から出たら少しだけトレーニングでもしようかなーって……」

睦月「えぇー?!今日はやめといた方がいいよ!吹雪ちゃん、調子悪そうだもん」

睦月「ほら、背中流してあげるから。ねっ?」

提督「うん……」

睦月「よーし、まずは頭を洗っちゃいましょー!」ワシャワシャ

提督(睦月のやつ、かなり心配してるようだな……)ガシガシ

提督(流石に入れ替わってる事はバレないだろうが、なるべく普段通りを装わないと――)ゴシゴシ

睦月「ちょ、ちょっと吹雪ちゃん?!」

提督「えっ?」


睦月「そんなに力入れて洗っちゃだめだよ。髪の毛が傷んじゃうよ?」

提督(しまった、言ったそばからいつもの癖で……)

提督「あはは……なんか力が入っちゃって」

睦月「……やっぱり今日の吹雪ちゃん、様子が変にゃしい」

提督「そ、そんなことないよ」ギクッ

睦月「ここは睦月に任せて!背中だけじゃなく、頭も身体も洗ってあげるにゃ」

提督「え、えぇぇぇ?!」

提督「い、いいよ!自分で洗えるから……」

睦月「いいの、遠慮なんてしないで!」ワシャワシャ


提督(しまった!髪の洗い方一つでこんな事になるとは……)

提督(しかも、ここまで丁寧に洗われるとトレーニングに行きにくくなってしまう)

提督(まさか睦月のやつ、半ば無理やりにでも休ませるつもりで……!!)



睦月「よしよし、次は体を洗っちゃうね?」

提督「あ、ありがとう……」

睦月「まずは首まわりからかにゃ~?」ワシャワシャ

提督(くそっ、人に体を洗って貰うだけでも違和感がすごいってのに……)

提督(こんなに柔らかいスポンジで撫でるように洗われると、くすぐったくて仕方ない!)


睦月「次は腕まわりを洗っちゃうね?ほら、バンザーイ!」ワシャワシャ

提督「ひゃっ!」

睦月「脇の下も丁寧に洗っちゃいましょー!」ワシワシ


提督「あっ……!」モジモジ

提督「んっ……ちょっと……」クネクネ

睦月「ふ、吹雪ちゃん。変な声出さないでよ///」

提督「ごめん、くすぐったくて……」

睦月「……やっぱり、吹雪ちゃんは疲れてるんだよ!」

提督「そ、そうかもしれないね……」


睦月「よーし!それじゃあいつもの感謝も込めて……」

睦月「今日一日、睦月が吹雪ちゃんを甘やかしてあげるにゃし!」

提督「えぇっ!!?」

睦月「まずは身体の隅々まで綺麗にするにゃ!」ワシャワシャ



提督「ひぃぃぃ~~っ!!」ゾワゾワッ

提督(もういっそのこと、ガシガシ洗ってくれ~っ!!)

―執務室―


吹雪「よし、全員集まったみたいだな」


榛名「集まりましたが、その……めずらしい編成ですね」

大井「確かにそうね。私、鹿島さんと同じ艦隊になるのは初めてじゃないかしら」

鹿島「そうですね。みなさんは私が着任した時には練度も高かったですし……」

加賀「高練度の艦娘のみが招集されたということは、それ程に強力な敵艦隊が目撃されたのでしょうか?」

鳳翔「だとしたら、私よりも飛龍さんたちのほうが……」



金剛「……!!」

金剛「このメンバー、もしかして……!!」

金剛「提督ぅ!!やっとその気になってくれたんですね!?」ダキッ

吹雪「わわっ?!」

加賀「……金剛さん、提督が困っているわ」イラッ

大井「そうよ、離れなさいな!」

鳳翔「ですが、『その気』というのは一体なんでしょう?」


金剛「イエス、提督の代わりにワタシが答えてあげマース!」

金剛「実はこのメンバーには共通点があるのデス」

吹雪「……!!」ギクッ

鹿島「先程話にありましたが、全員が高練度ということですか?」

金剛「ノンノン、それだけじゃありまセーン」



大井「……ま、まさか?!」

榛名「ケッコンカッコカリの条件を満たしている艦娘……?!」

金剛「イエス!!その通りデース!!」

加賀「……!!」

鳳翔「まぁ……!」

吹雪「えぇっ?!」

鳳翔「あと一人、吹雪さんが居ませんが……」

加賀「呼ばれなかったと言う事は、彼女はまだまだ幼いという事なのでしょう」

吹雪「そんな!!」ガーン



金剛「そして、今回私たちが一度に呼ばれた理由、それは……」

金剛「この出撃でMVPをゲットした艦娘とケッコンカッコカリをするという事に違いありまセーン!!!」

一同「えええーっ?!!」

ちょっといいところですが今日はここまでです

風呂場のシーンは予定を変更したのでちょっと自信ないです
といっても、ネタを考えてから書いて投下するまでに何度も読みかえすので
ネタが思いついた段階ではおもしろいと思ってたネタも
投下する頃にはするタイミングには本当にこれ大丈夫だろうか…だなんて思ってたりします

みなさんありがとうございます
他の人のSS読んでると100割増しで面白く思えるので自信なくしつつあったんですよね
今日は頭がまわらないのでいつもよりゆっくり目です

大井「い、今の話は本当なんですか、提督?!」

加賀「ケッコンカッコカリ……さすがに気分が高翌揚します」

吹雪「いやいやいや、金剛さんが勝手に言ってるだけで……!!」



榛名「でも、それ以外にこの編成である理由が見当たりません」

鳳翔「確かにそうですね。敵艦隊が強大であるなら、私や鹿島さんよりも大型艦の娘を入れるでしょうし……」

鹿島「腕が鈍らないように出番を与えるにしても、この6人が同時というのは……」

金剛「それに、これは人生のパートナーを決める重大な試練デース!」

金剛「普段通りでトライするためにも、シークレットにしておきたかったのかもしれまセン!」

榛名「さすがお姉さま……ですが、榛名は負けません!」


鳳翔「そんな……!」

鹿島「私がこの編成でMVPなんて……」

saga抜けてた・・・

大井「い、今の話は本当なんですか、提督?!」

加賀「ケッコンカッコカリ……さすがに気分が高揚します」

吹雪「いやいやいや、金剛さんが勝手に言ってるだけで……!!」



榛名「でも、それ以外にこの編成である理由が見当たりません」

鳳翔「確かにそうですね。敵艦隊が強大であるなら、私や鹿島さんよりも大型艦の娘を入れるでしょうし……」

鹿島「腕が鈍らないように出番を与えるにしても、この6人が同時というのは……」

金剛「それに、これは人生のパートナーを決める重大な試練デース!」

金剛「普段通りでトライするためにも、シークレットにしておきたかったのかもしれまセン!」

榛名「さすがお姉さま……ですが、榛名は負けません!」


鳳翔「そんな……!」

鹿島「私がこの編成でMVPなんて……」

吹雪「ちょっと、違います!違いますってば!!」



鳳翔「旧型の軽空母でも、この勝負だけは負けるわけにいきません!」

鳳翔「制空は加賀さんに任せて、攻撃機のみを――」


鹿島「夜戦に持ち込めば可能性は……でも、大井さんがいるからそれも厳しいかも……」

鹿島「いっその事、相手に潜水艦が居ることにかけて対潜装備を――」


榛名「加賀さんと鳳翔さんがいるなら、弾着観測射撃を上手く当てれば……」

榛名「いや、ライバルに頼るのは危ないかもしれません。ここは電探を――」


大井「ここは敵艦隊にツ級が居ることを祈って、夜戦に賭けるしかないわね――」

加賀「……でも、この編成で助かったわ。もし二航戦や五航戦の子たちがいたら危なかったけど」

大井「……ちょっと、それってどういう意味ですか?!」

加賀「あなたこそ、この編成で正規空母相手にMVPを取れるとでも?」

榛名「敵艦隊の編成が分からない以上、私たちにも可能性はあります!」

鹿島「その通りです!もしかしたら相手は潜水艦隊かも……」



加賀「……あなたたちは勘違いしているわ」

大井「どういうことですか?」

加賀「今回の出撃は、いつものようにみんなで協力して敵艦隊を撃滅する……そんな生易しいものではないという事よ」

加賀「この中で、一番航続距離の長い索敵機を飛ばせるのは空母である私と鳳翔さんだけ……」

加賀「あなた達4人は、敵艦隊の姿すら見ることはないでしょうね」

榛名「そんな……!」

鹿島「確かに零式観測機の航続距離は彩雲の5分の1程度……このままでは……!」

大井「卑怯者……!」

加賀「……悪いけど、手段は選んでられないわ」

加賀「あなただって、逆の立場だったらそうするでしょう?」

大井「くっ……!!」



金剛「あぁ~♪提督とついに結ばれるときが来たのですネ~♪」キラキラ

吹雪「みなさーん、話を聞いてくださーい!阿武隈さんじゃないですけど聞いてくださいよー!」



大井「そうですか……それなら仕方ありませんね……」

大井「MVPは加賀さんのものになるでしょう。仕方ありません……」

鹿島「大井さん……?」

大井「あぁ、悲しい。あまりに悲しすぎて……」



大井「……間違えて魚雷撃っちゃいそうです」ニヤリ

加賀「――?!!」

大井「実は最近出撃がなかったので、甲標的のメンテナンスをしてかったんですよねぇ……」

鹿島「大井さん、さすがにそれは……!」

榛名「でも、みすみす提督を奪われるくらいなら、私だって――」

鳳翔「ど、どうしましょう……」

加賀「くっ、もし出港直後を狙われたりしたら……」



金剛「愛のパワーは無敵ネー♪」クネクネ

加賀「……そんな回りくどい事をしなくてもいいでしょう」


加賀「なんなら今、ここで決着を付けても……」ゴゴゴゴゴ

大井「艦載機がないと何も出来ないくせに……!」ゴゴゴゴゴ

鳳翔「演習ならまだチャンスは……」ゴゴゴゴゴ

榛名「これは演習なんてものじゃありません!戦争です!!」ゴゴゴゴゴ

鹿島「いいでしょう!受けて立ちます!!」ゴゴゴゴゴ



吹雪「け、喧嘩する人はキライです!!」

一同「ピクッ」

大井「そ、そうですよね。演習ならともかく、仲間同士で撃ち合うなんて!」

加賀「そうね、すみませんでした皆さん。仲直りの握手をしましょう」ニギニギ

鹿島「みんな仲良しが一番ですよね♪」ニギニギ

榛名「私たちの敵は深海棲艦だけですから!」


鳳翔「提督、やはりMVPで相手を決めるというのは……」

吹雪「だから、最初からそうじゃないって言ってるじゃないですか!」



金剛「……なら提督は、誰とケッコンカッコカリするつもりデスか?」

一同「…………」

そら吹雪よ

大井「やっぱり私ですよね?!そうですよね?!!」

金剛「当然、だれよりも提督にバーニングラブな私に決まってマース!!」

加賀「……ここは譲れません」

榛名「榛名なら今すぐにでも大丈夫です!!」

鳳翔「もし私を選んでいただけるのなら、私は……!」

鹿島「提督さん、私とケッコンしていただけたらなんだって……」


ギャーギャー


加賀「指輪をもらうのは私です!!」

榛名「いえっ、私が……!」

金剛「誰よりも提督を愛しているワタシこそが相応しいはずデース!!」

鳳翔「私だって、胸に秘めた想いは……!」




吹雪(ああーっ!もう……こうなったら……!!)


吹雪「わ、私は吹雪とケッコンするんだからっ!!」



ピタッ



一同「えっ……」

一同「ええええーーーっ!!!」

今日はおしまいです

>>76さんが言った通りのことを言わるだけなのに
無駄に長くなってしまったのを反省中…

みなさんありがとうございます
構ってちゃんみたいになってますが許してください

>>74をメモ帳からコピーする時にちょっと抜けてたのでその差分から

吹雪(た、大変なことになっちゃってるよぉ……)

吹雪(やっぱり、悪いことは考えるものじゃないって事なのかなぁ)

吹雪(とにかく、何とかこの場を収めないと……!)



加賀「……そんな回りくどい事をしなくてもいいでしょう」

加賀「なんなら今、ここで決着を付けても……」ゴゴゴゴゴ

大井「艦載機がないと何も出来ないくせに……!」ゴゴゴゴゴ

鳳翔「演習ならまだチャンスは……」ゴゴゴゴゴ

榛名「これは演習なんてものじゃありません!戦争です!!」ゴゴゴゴゴ

鹿島「いいでしょう!受けて立ちます!!」ゴゴゴゴゴ



吹雪「け、喧嘩する人はキライです!!」

一同「ピクッ」

加賀「吹雪さんと……?提督、さすがに冗談ですよね?」

大井「たしかにあの子も条件を満たしてはいるけど……」

鹿島「まさか、駆逐艦の娘が相手だなんて……」

金剛「ど、どうしてブッキーなんですか?!」



吹雪(どうしよう、みんながあまりに好き勝手言うもんだから、つい言っちゃったけど……)

吹雪(言ったら最後、取り返しのつかない事になるのは分かってたのに~っ!!)

吹雪「え~っと、吹雪はその……鎮守府の立ち上げの時からずっと一緒だったから……」

加賀「そう言われれば、吹雪さんは初期艦でしたね」

鳳翔「付き合いが一番長い相手という事ですか。こればかりは……」

榛名「でもそれなら、大淀さんや明石さん。間宮さんだって付き合いは長いはずです!」

榛名「どうして一番幼い吹雪さんを選んだのですか?!」


吹雪「ううぅ……」アタフタ


吹雪(もしここで、『吹雪』を褒めるような事を言ってしまうと、私はみんなの恋敵どころか、泥棒猫に……)

吹雪(さっきの様子を見てると、後ろから魚雷を撃ち込まれたっておかしくはない……!!)


吹雪(なにか、私に怒りの矛先が向かない方法は……)

吹雪(そうだ、この方法なら……!!)



吹雪「……あまり言いたくなかったけど、実は俺、駆逐艦みたいな幼い娘の方が好みなんだ」

一同「ええええーーーっ?!!!」

吹雪(司令官は『吹雪』が好きというよりは、駆逐艦娘が好きということにしておけば……)

吹雪(もし『泥棒猫』を力でねじ伏せたとしても、自分へと心変わりすることは無いと考えるはず!)

吹雪(しかも、司令官がそういう趣味だと知って幻滅するかもしれない)

吹雪(まさに一石二鳥です!)


吹雪(そしてさらに、ここで追撃戦です!!)


吹雪「だから悪いけど、君たちみたいに大人っぽい女性はそういう対象じゃないんだ」

吹雪「もっとずん胴で、色気もないような芋顔の娘じゃないと……」


吹雪(……自分で言ってて虚しすぎる!!)

金剛「そんな……提督がロリータコンプレックスだったなんて……」ガーン

加賀「提督が児童性愛者……?!馬鹿な……」ガビーン

榛名「榛名は大丈夫じゃないです……」ズーン



吹雪(ひぃぃぃ~?!みんな深海棲艦みたいなオーラに……)

吹雪(でも、ここで怯んじゃだめ!こうなったら徹底的に叩かないと……!)


吹雪「ほら、俺がこんなロリコン男だったなんて幻滅しただろう?」

吹雪「早く哨戒に行ってくれないか?……俺は今から吹雪に借りたパンツの匂いをかがないといけないんだ」

吹雪(あぁ、御免なさい司令官……)

吹雪(司令官の明日からのあだ名は、ロリコンパンツ吸引マンです……)


シーン……


吹雪(でも、これでライバルはいなく――)

鳳翔「――提督」

鳳翔「実は私……和服を着てるから分かりにくいですが、ずん胴なんです」

一同「なっ――?!!」

吹雪「えぇっ?!」


鳳翔「しかも、軽空母なので小柄ですし、胸も……その……」

鳳翔「顔も提督好みだと思いますし、私なんてどうでしょう?」

吹雪(事実上の恋愛対象外宣告を受けて、まだ諦めてないなんて……!)

吹雪(いや、私が鳳翔さんの立場でもそうするはず……)


榛名「鳳翔さん……」

金剛「レディとしてのプライドを投げ捨ててまでアタックするとは!!」

大井「提督!!それなら私だって結構芋顔なんですよ?!」

大井「それにほら、私は重雷装巡洋艦とはいえ、元は軽巡洋艦ですからそこまで大人でもないですし……」

鹿島「……でも大井さん、結構胸あるじゃないですか」


大井「た、確かに私はすこし胸が大きめですが、鹿島さんや金剛さんたち程じゃないですし」

鹿島「んなっ……?!」

大井「それに、私もセーラー服を着てますし、なかなかいいと思いません?」

大井「もしなんでしたら、幼すぎる吹雪さんには出来ないようなことも――」

榛名「ずるいですよ大井さん!」

大井「うっさいわね、西洋顔のドスケベボディは引っ込んでなさいな!」

金剛「誰がドスケベボディですって~?!」


ギャーギャー

吹雪「ああーもう!早く哨戒に行ってください!!敵を見失ったらどうするんですか!!」

吹雪(敵なんて居ないんですけどね……あはははは……)


加賀「うっ……確かに……」

鳳翔「仕方ありませんね。ここは一度出直しましょう……」

榛名「……そうですね。一度潮風を浴びてクールダウンしましょう」


金剛「……ですが、帰ってきたら話をよーく聞かせてもらいマス」

一同「良いですね?」ギロッ


吹雪「……はい」

吹雪「あぁぁぁ~~~~っ!!」



吹雪(どうしよう……まだ司令官との距離を縮めるどころか、方法すら考えてないのに……!!)

吹雪(余計なことをしたせいで、いつの間にか司令官は『吹雪』と結婚したいと思ってるロリコンてことに……!!)

吹雪(もしこんな事が司令官にバレたら……)


吹雪(絶対に嫌われる――――!!)



吹雪(いやでも、司令官は司令官で私の身体で好き勝手してるはず!)

吹雪(入れ替わってる間はルールさえ守っていれば何をしても許してもらえるって話なんだし……)

吹雪(こうなったら、司令官の弱みを握って――)

――大浴場――


提督「はぁ……はぁ……」

睦月「~~♪」

提督(まさか、身体を洗われただけでこんなに疲れるなんて……)

提督(慣れない女の身体だってのもあるが、ほとんど愛撫みたいなものじゃないか……)


睦月「それじゃあ私も身体洗っちゃうから、吹雪ちゃんは湯船に――」

提督(やられっぱなしは癪だし、ここは……)



提督「待って睦月ちゃん。お返しに私が身体洗ってあげるよ!!」

睦月「えっ、でも今日は吹雪ちゃんを甘やかしちゃおうって……」

提督「私が睦月ちゃんの体を洗いたいんだけど、それでもダメかな?」

睦月「そ、そんなこと言われたら、断れるわけ無いにゃしぃ///」


提督(ふふふ、引っかかったな睦月、これはさっきの仕返しであるとともに――)

提督(駆逐艦の中でも幼い睦月とは言え、女体は女体!)

提督(吹雪の身体をいじれなかった分、好き放題させてもらうとしよう……)


睦月「……??」

――提督の私室――


吹雪(司令官の弱みを握ろうと思って部屋中ひっくり返してみたけど……)

吹雪(見事に何も無い)


吹雪(一冊くらいエッチな本とか出てくると思ったんだけどなぁ)

吹雪(でもよく考えたら、毎日のように誰かが私室に尋ねてくるんだもんね……)

吹雪(卯月ちゃんや青葉さんみたいな好奇心旺盛な人も多いんだから)

吹雪(見られて困るようなものは、ちゃんと隠してるよね)


吹雪(個人用PCもパスワードがかかってて見れないし)

吹雪(あと思い当たるのは、執務室の金庫の中くらいだけど……)

――執務室――


吹雪(……この金庫の開け方を知ってるのは、司令官と大淀さん。そして、私の3人のみ)

吹雪(もしもの時のために教わったけど、開けるのは初めてだなぁ)カチッカチッ

カチリ

吹雪(開いた……)

吹雪(もしこの中に、本当の意味での司令官の弱みが入ってたらどうしよう……)

吹雪(裏帳簿とか、暗殺の指令書とかが入ってたら……)ガクガク

吹雪(ううん、あの司令官に限ってそんな事はないはず!)


ガチャッ


吹雪(こ、これは――?!!)

急に頭の回転が遅くなってきたのでおとなしく今日は終わっときます
もうすぐおしまいの予定ですが、最後まで楽しんでいただけたらうれしいです

吹雪(――よし、これでなんとかなりそう!)

吹雪(あとは司令官をどうやって説得するかだけど……)


コンコンコン


吹雪「……どうぞ」

ガチャッ

北上「どうも、北上さまと茹でダコですよ―っと」

提督「……」グデーン


吹雪「しれ……吹雪に何かあったのか?」

北上「いやーよくわからないけど、なんかお風呂でのぼせちゃったみたいでさぁ」

北上「なんでも、睦月と洗いっこしてたらしくて」

吹雪「あ、洗いっこ?」

吹雪(し、司令官……!よりによって一番仲がいい睦月ちゃんに手を出すなんて!)

吹雪(もし変なことして嫌われてたらどうしよう……)

吹雪(それに、硬いとか言ってたのに、どうして空母や戦艦のみんなじゃなくて睦月ちゃんに……)

吹雪(ま、まさか!司令官は本当にロリコンだった?!)


吹雪(いや、ちょっと複雑だけど、だとしたら逆にチャンスが……)



北上「――提督、提督ってば!……話聞いてんの?」

吹雪「はいっ、な、なんでしょう?」

北上「いやぁ、睦月は如月たちに預けてきたから良いんだけどさー」

北上「吹雪型の子たちは今から遠征らしくて、面倒を見る人がいないんだよねぇ」

北上「……いつまでもおんぶしてるのも大変だしさ、早く受け取ってくんない?」


吹雪「いや、俺にもやらなきゃいけない事があるんだけど」

北上「吹雪は初期艦だから仲良いでしょ?」

吹雪「たしかに仲は良い……いや、ほんと仲良しだけど」

北上「だったらあたしより提督が面倒見たほうが良いと思うけどなー」

北上「それに、大井っちが急に出かけちゃったし、たまには一人でのんびりしようかなぁって」

吹雪「大井といつも一緒だもんなぁ」



吹雪(これ、北上さんは私の気持ちに気付いてて、気を使ってくれてるんだよね……?)

吹雪(気持ちは嬉しいんだけど、今から作戦を考えないといけないのに……!)

ごめんなさいなんか疲れてて上手く書けないので今日はおしまいです
>>106とか見返すと酷い出来だなぁ

>>106がちょっと納得いかないので次修正から入るかもです
おやすみなさい

北上「いやぁ、睦月は如月たちに預けてきたから良いんだけどさー」

北上「吹雪型の子たちは今から遠征らしくて、面倒を見る人がいないんだよねぇ」

北上「……いつまでもおんぶしてるのも大変だしさ、早く受け取ってくんない?」

吹雪「そう言われても、俺にもやらなきゃいけない事があるんだが……」


北上「でも吹雪は初期艦だし、秘書官やってることも多いから仲良いでしょ?」

北上「だったら、あたしより提督が面倒見たほうが良いと思うけどなー」

提督「まぁ、それなりに仲は良いと思ってるが……」

北上「それに、大井っちが出かけちゃってるし、たまには一人で羽根を伸ばしたいんだけど」



吹雪(……これ、北上さんは私の気持ちに気付いてて、気を使ってくれてるんだよね?)

吹雪(気持ちは嬉しいんだけど、今から作戦を考えないといけないのに……!)

北上「んじゃあ、とりあえずそこのソファに寝かせとくから……よっこらせっと」ドサッ

北上「あとはお願いしましたよ~っと」ガチャッ

吹雪「ちょっと待て、今は困るって――」


バタン


吹雪「……行っちゃった」



吹雪(まさか、北上さんが私のことを応援してくれるなんて……)

吹雪(……もしかして、北上さんのほうが大井さんに依存してるとか?)

吹雪(それとも、最初から重婚を狙ってて、あまりそういうのを気にしてないとか……)


吹雪(――いや、そんな事より作戦を考えないと!!)

吹雪(まずは、私の置かれている状況を一度整理しよう)

吹雪(今、私と司令官の魂は、妖精さんが作ったブレスレットの力で入れ替わっている……)

吹雪(元の身体に戻るには、入れ替わった二人が同時に睡眠状態に入る必要があるんだよね?)



吹雪(そして、入れ替わってからの出来事だけど)

吹雪(朝起きて、トイレのついでに身体をいじった後、執務室で司令官とルールの確認をして……)

吹雪(その後は2時間くらい、司令官の私室で写真撮影に夢中になってたんだよね)

吹雪(そこへ金剛さんが訪ねてきたから、厄介払いしようとしたら口が滑っちゃって――)

吹雪(嘘に嘘を重ねてるうちに、司令官はロリコンで、パンツの匂いを嗅ぐのが趣味の変態ということに……)ズーン



吹雪(その後は、司令官の弱みを握ろうと私室と執務室を捜索して……)

吹雪(金庫の中で、司令官が隠していたケッコンカッコカリの指輪一式を発見……!!)

吹雪(そこに、北上さんがお風呂でのぼせた司令官を連れてきて、今に至ると)



吹雪(……私って、実はとんでもないクズなんじゃ?)

吹雪(いや、でも今はそんな事を言ってる場合じゃない……!)

吹雪(このまま金剛さんたちが哨戒から帰ってきたら、本当の意味で何をされるか分からない)

吹雪(しかも、嘘が司令官にバレたりしたら、距離を縮めるどころか嫌われる可能性だってあるんだから……)


吹雪(……この場を切り抜ける方法は二つ)


吹雪(まず一つ。執務室で話したことは全部嘘だったという事にすること)

吹雪(金剛さんたちも嘘だと思いたいだろうし、上手く行けばリセットできるはず!)

吹雪(問題は金剛さんたちがまともに話を聞いてくれるかどうかかなぁ)

吹雪(それに、追求を逃れるために嘘だったと言ってるだけと思われる可能性もあるよね……)


吹雪(もう一つは、金剛さんたちが返ってくるまでに、司令官と結ばれること)

吹雪(魂が入れ替わったくらいでそれが出来るなら、今まで苦労してないんだけど……)

吹雪(それに今司令官は今、のぼせて気を失ってるみたいだし――)



吹雪(……!!!)

吹雪(そうだ、この指輪を使えば……!!)

吹雪(ルールだと、迷惑をかけたり傷つけたりしてはいけないのは『無関係の艦娘や人だけ』だったはず……)

吹雪(つまり、司令官には何をしてもいいってことだよね?!)

吹雪(それはもちろん、ケッコンカッコカリだって含まれるはず!!)



吹雪「…………」ゴクリ

提督「…………」


吹雪「司令官、大丈夫ですかー?」ユサユサ

吹雪「起きてますかー?」ユサユサ


提督「…………」


吹雪(ここまで揺すっても反応が無いなら、しばらくは大丈夫なはず……)

吹雪(まずは『吹雪』の左手薬指に指輪をはめてっと……)スッ

吹雪(……まさか、自分で自分の薬指に指輪をはめることになるなんて……)

吹雪(本当は司令官に指輪をはめてもらいたかったけど、こんな状況じゃ贅沢は言ってられないよね)


吹雪(そして、今度は『司令官』の左手薬指に指輪をして)スッ

吹雪(あとはこの書類にサインをすれば……)サラサラ



吹雪(これで、私と司令官は結ばれたことになるはず――!!!)

吹雪(えーっと、確か、ケッコンカッコカリした艦娘は、後ろに桜のオーラが見えるとかだったはず……)

吹雪(……って、あれは艤装を付けてるときだけだっけ?)

吹雪(あとは燃費が良くなるとか、練度が上がるって聞いてるけど……)



吹雪「……ケッコンカッコカリが出来たか、どうやって確認するんだろう?」

吹雪「ああぁぁ~っどうしよう!!」

吹雪「もしこれで、ケッコンカッコカリが出来てなかったら司令官が目を覚ました時に……」

提督「あぁ、それなら出来てないと思うぞ?」

吹雪「そんなぁ、困ります……」


吹雪「って、し、司令官?!!!」


吹雪「い、いいいいつから目を覚まして……?!」アタフタ

提督「まぁ、あれだけ身体を揺すられたらなぁ」

吹雪「あは、あははは……」シロメ

提督「とりあえず、言いたいことは色々あるが……」

提督「ケッコンカッコカリは、魂が入れ替わってる内は無理だと思うぞ」

提督「その指輪もただの指輪じゃないはずだ。艤装と同じで、魂が違うとうまく動作しないんだと思う」

吹雪「そ、そうですか……」


提督「しかし、あの真面目な吹雪が無理矢理ケッコンカッコカリしようとするとは……」

吹雪「す、すみませんでしたあぁぁ!!」ドゲザー

提督「いや、なんとなく吹雪の気持ちに気付いてはいたのに入れ替わりを提案した俺も軽率だったから……」

提督「とは言え、流石にちょっと引くよなぁ」

吹雪「うぅ……」



提督「でもまぁ、元々吹雪に指輪を渡すつもりだったし……」

吹雪「えっ?!」

提督「……実は、次の吹雪の進水日に、指輪を渡そうと思ってたんだ」

吹雪「ほ、本当ですか?もしかして私たち、両思いってことですか?!」

提督「そりゃあ、好きでもない娘と入れ替わろうとは思わないしな」

提督「ちゃんとした形で指輪を渡せなかったのは残念だが……まこれからもよろしくな?」


吹雪「や……」


吹雪「やったああああーっ!!」ダキッ

吹雪「司令官!大好きです!!」ギューッ

提督「ぐ、ぐるしい……」

吹雪「すみません、身体が違うので加減が……」

提督「とにかく、入れ替わってる間はケッコンカッコカリは出来ないみたいだし」

提督「明日、改めてという形でいいか?それとも記念日とかの方が――」

吹雪「えっ……?」



吹雪「こ、困ります!!今すぐケッコンカッコカリしてもらわないと!!」

提督「いや、そんな事言われても今は無理なんだから……」

吹雪「でも、金剛さんたちにもう結婚するって言っちゃったし、もしロリコンだって嘘ついたことがバレたら……」

吹雪「あっ……」


提督「えっ……?!」

提督「ちょっと待て吹雪、今のはどういう……」

吹雪「いやいやいや、何でもないんです!!」

提督「そんな風には聞こえなかったが?」

提督「もしかして俺の姿を利用して、あること無いこと言いふらしたんじゃ……」

吹雪「け、結果的に事実しか言ってませんから!!」アセアセ


提督「ふーん……」シラー



吹雪(ひいいい!!あの司令官の冷たい視線……)

吹雪(自業自得とは言え、このままだと婚約破棄されちゃうんじゃ……!!)

提督「なぁ吹雪、本当のことを教えてくれないか?」

吹雪「えっと……その……」

提督「ケッコンする相手なんだ。そういう隠し事はよくないと思うんだが?」

吹雪「うううぅぅ……!!」



吹雪「じ、実は、金剛さんたちが『勘違いで』一斉に求婚してきてしまって……」

吹雪「それが原因で喧嘩になりそうだったので、その場しのぎで司令官は私とケッコンするって言っちゃって……」

吹雪「あと……司令官は駆逐艦にしか興味がないってことを……」

提督「……それは、俺の姿でだよな?」

吹雪「はい……」



シーン……



提督「はぁー……」

吹雪(ひいいいーっ!!)ビクーン


提督「……それで、金剛の他は誰と誰だ?」

吹雪「榛名さん、加賀さん、鳳翔さん、大井さん、鹿島さんです……」

提督「……嘘だろ、よりにもよってそのメンバーかよ」

吹雪「はい、すみません、すみません……」ジワッ

吹雪「はぁっ……はぁっ……」グスッ

吹雪「し、司令官っ!私のこと嫌いにならないでください!!お願いします!!」ドゲザー

吹雪「私、その時は必死で……悪気とか全然無くて……」

提督「お、落ち着け吹雪……」


吹雪「はぁっ……ぐすっ……」

吹雪「うぅ……うええぇぇぇん!!」

提督「とにかく落ち着くんだ吹雪」

提督「あと、頼むから俺の姿でみっともなく泣かないでくれ!!」


吹雪「みっともない……ですか?」

吹雪「そうですよね、私は金剛さんたちを騙した悪女のくせにみっともなく泣いて……」

吹雪「こんな嫌な女、司令官にふさわしくないですよね、もっと金剛さんとか鳳翔さんみたいな人が……」

提督「そういう意味じゃない、だから冷静になるんだ」

吹雪「はぁーっ……はぁーっ……」グスッ

吹雪「でも、こんな私でも司令官と結ばれたいんです!!」

提督「わかってる、俺は吹雪のことを嫌いになったりしないから安心しろ」

吹雪「……本当ですか?」グスッ


提督「あぁ、この鎮守府が出来たときからずっと一緒に戦ってきた仲じゃないか」

提督「吹雪のことだったらどんな事でも受け止めてやる。だから心配するな」

吹雪「…………」



吹雪「じゃあ、私のこと受け止めてください」ガバッ

提督「えっ?」



チュッ

吹雪「……えへへ、ファーストキスの相手が自分の顔ってのも変ですけど、中身は司令官ですから!」

提督「俺は自分の顔とキスなんてしたくなかったよ……」

吹雪「えっ……でも、司令官は私のこと受け止めてくれるって言ったじゃないですか……」カチャカチャ

提督「待て、なんで服を脱いでるんだ?」


吹雪「なんでって、私の事を受け止めてくれるんじゃないんですか?」

提督「いや、そういう意味じゃ……」

吹雪「ケッコンカッコカリは明日にならないと出来ないんです」

吹雪「だったら、金剛さんたちに盗られないように、しっかりと絆を深めておかないと……」ガシッ

提督「えっ、ちょっと……!」


提督「待て、離してくれ!!そういう意味じゃないんだ!!」

提督「ちょっとまってくれ!!嘘だろ、俺ってこんなに力強かったのかよ……!!」

吹雪「さぁ司令官、私と強い絆を結びましょう……」


提督「待て、待ってくれ!!」




提督「うわあああああああ――――っ!!!!」

提督「…………」ズーン

吹雪「…………」ズーン



提督(まさか、本当の意味での処女を卒業することになるなんて……)シクシク

提督(女の体をエンジョイするだけのはずだったのに、どうしてこうなったんだろう……)



吹雪(我を忘れて司令官を襲ってしまうなんて。今度こそおしまいだよ……)ズーン

吹雪(……司令官からすると、私は性悪な上に頭のおかしい強姦魔)

吹雪(婚約破棄どころの話じゃなく、解体されずに済めばまだ良い方だよね)

吹雪(あぁ、どうしてこうなっちゃったんだろう……)

ドタドタドタ


金剛「提督ぅ!!さっきの話の続きを聞かせてもら――」ガチャ

金剛「――――?!!!」

加賀「こ、これは…………!!」


大井「い、衣服が乱れ、涙を流す吹雪さんと……」

鹿島「半裸姿の提督さん……!!」

鳳翔「そして、床には赤い純潔の証……」

榛名「ま、まさかこれは――――事後?!!」




金剛「さ、作戦ターイム!!」


ササッ


大井(もしかして、提督は吹雪さんを襲ったのかしら?)ヒソヒソ

榛名(パンツの匂いを嗅いで、我慢できなくなってしまったのでしょうか?)ヒソ

加賀(しかしなぜ吹雪さんは涙を……?吹雪さんは提督のことを慕っていたはず……)ヒソヒソ

鹿島(いや、あれは嬉し涙ではないでしょうか?)ヒソヒソ


金剛(でも、本当に駆逐艦のブッキーに先を越されてしまうなんて……!)

鳳翔(そんなことを言っていても仕方ありません。問題はここからどうするかでしょう?)ヒソ

大井(確かに……ここは、提督が吹雪さんを無理矢理襲ったという事にして――)ヒソヒソ

加賀(無理矢理にでも重婚に持ち込む……!!)

榛名(こうなった以上、それしかありません!!)

金剛「て、提督ぅ!!私たちが居ないタイミングでブッキーを襲うなんて!!」

榛名「なんてうらやま……いえ、許せません!!」

吹雪「そ、それは……」


鹿島「駆逐艦に無理やり手を出すなんて……お仕置きが必要なようですね!」グイッ

大井「ほら、こっちに来なさいな!!」グイッ

吹雪「えっ、ちょ……ちょっと……?!」


加賀「これからたっぷりとお仕置きしてあげますから、覚悟してください」

鳳翔「逃げようとしたって無駄ですよ?いくら男性とは言え、6人がかりなら……」


吹雪「ちょっ……し、司令官!助けてください!!」ズルズル

提督「えーっと……」



提督「まぁ、頑張って?」



吹雪「そんな!!し、司令かああぁぁん!!」

加賀「何を言ってるんですか、司令官は貴方でしょう?」

鹿島「たーっぷり絞ってあげますからね?」



バタン



吹雪「まぁ、自業自得……だよな」

――3日後・吹雪型の部屋――


提督「…………」ボーッ



白雪「吹雪ちゃん大丈夫?もう3日も寝てないんじゃ……?」キラキラ

初雪「……そこまでして無理に起きてる理由が分からない」キラキラ

叢雲「良いんじゃない?本人がそうしたいんなら。しばらく出撃や遠征もないんだし」キラキラ

深雪「まぁ、司令官がずっとあの調子だから仕方ないけどなー」キラキラ

白雪「司令官も別の意味で寝てないみたいですから」キラキラ


磯波「やっぱり、提督さんに襲われた事がショックで眠れないんじゃ……?」キラキラ

深雪「その話だけどさ、金剛さんたちは襲われたって言ってるじゃん?」キラキラ

初雪「……だけど、吹雪が司令官のこと拒んだとは思えない。何か秘密があるはず」キラキラ

浦波「でも、吹雪姉さんのおかげで重婚が出来るって、みんな喜んでますよ!!」キラキラ


ガチャ


睦月「吹雪ちゃーん!また一緒にお風呂に入らない……?///」

初雪「……また来たよ」

白雪「ごめんね睦月ちゃん、吹雪ちゃんはまだ調子が悪いみたいで……」

浦波「もしかして睦月さんが原因とか……?」



叢雲「……で、いい加減に眠らないわけを教えてくれてもいいんじゃない?」

提督「今眠りにつくと、元に戻ってしまうかもしれないからな」

叢雲「……??」



提督「……それに、初めては好きな相手に捧げたいのさ」



夜戦END

最後まで読んでいただいてありがとうございます
最後の方にちょっと間が空きましたが、これで完結になります

毎度のことですが最低なオチばかりで申し訳ありません

一応、前作の『艦娘とその娘たち』の前の話ということで…
前作に提督は出てきませんでしたが、節操無さすぎでしたからね


それから、実際に立てるかどうかは未定ですが、次は安価スレを建てようと思っています
あらすじはすでに考えているので、以下のどちらかになるはずです

候補1『鎮守府に商店街を作ろう(仮)』
あらすじ
国の存亡を一手に担う艦娘たち。そんな彼女たちは国の厳しい管理下に置かれ、
任務以外で鎮守府の外に出られないどころか、外部の人間に近づくことすら許されずにいた。
艦娘たちが情報媒体を通して知った『人間の生活』に憧れていることを知った提督は、
人間の社会の一部を鎮守府内に再現しようと、艦娘たちによる艦娘のための商店街を作る事に。


候補2『妖精たちの恋の代理戦争(仮)』
あらすじ
装備を運用する妖精が居るように、艦娘の艤装にもそれぞれ妖精たちは存在する――
主人が提督に想いを寄せていることを知った艤装の妖精たちは、その恋を応援しようと画策する。
しかし、ライバルがたくさん居ることに気づいた妖精たちの工作はどんどんエスカレートしていき……

ついでにボツネタのあらすじをここで供養しておこうと思います


『レ級は艦娘になりたい(仮)』
あらすじ
5-5を任されるほどの実力者、深海棲艦レ級。
だがしかし、彼女は艦娘と戦う毎日に飽き飽きしていた。
仲間たちが次々と艦娘へと転向する中、自分が何者なのか分からないレ級は……

ボツの理由:前に書いた『蒼龍「恋とかしてみたいなぁ」』のように
脳内設定の押しつけをするだけの駄作になってしまいそうだったから


『アイオワ「アメリカンバーベキュー」(仮)』
あらすじ
昔のことを気に病み、いつまでも日本の艦娘に話しかけれずにいたアイオワとサラトガ。
そんな時、数少ない友人である龍驤の提案でバーベキュー大会を開くことに。
だが、龍驤は知らなかった。本場のバーベキューが日本人の想像と大きくかけ離れている事に……

ボツの理由:作者の力量不足で料理と食事のシーンがくそつまんない


『提督「究極のカレーを作ろう(仮)』
あらすじ
カレーの日に料理当番になってしまった提督。
カレーにうるさい艦娘たちを満足させようとレシピを考えるがなかなか上手く行かない。
そこで、参考にするためと艦娘たちにレシピを教えて貰いに行くが……

ボツの理由:上に同じ


『漣「新しいネットスラングを仕入れよう」(仮)』
あらすじ
夕張にネットスラングが古すぎると突っ込まれてしまった漣。
新しいネットスラングを仕入れるため、ネットの海をさまよい続けた結果、
遂に禁断の扉を開けてしまう……!

ボツの理由:例のアレ

今度こそおしまいです。
本当は君の名はの艦これ版みたいなシリアス物を書きたかったんですけど
気付いたらいつもの展開になって、いつもの終わり方をしてました

私じゃ表現力も軍事的な知識も根気も全然足りませんし
完成したとしても君の名は見ればいいじゃんってなるだけですからね

一応あらすじも用意したんですが、長いし臭いしネタバレにつながるので供養はやめときます
おつかれさまでした

なんか見返したらあとがきがくさすぎる

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom