「……んしょ……っと」
「……こんな感じで、いいかな?」
「……おや」
「いけない、急いで隠さなきゃ……っ」
「おかえり」
「寒かったろ?早く温まりなよ」
↓2
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「ん、先に入れって?」
「ボクはさっきまで入ってたんだから、キミが先に入りなよ」
「……むぅ」
「そこまで言うなら、お先に失礼して……」
「……はふ」
「……っ」
「なるほど、そういう事ね」
「お互い考えることは同じか、くすくす」
「いや、何でもないよ」
「温かいなぁって話」
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「……んー?」
「なんの話かなぁ、よく分かんないや」
「はっはっは」
「……」
「ほら、みかん食べる?」
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「ふん、ハッタリかけようったってそうはいかないね」
「ボクはそんなヘマしないよ」
「……む」
「これじゃ、ほとんど自白してるようなものだ」
「……まぁ、別に今さら隠すものでもないけれど」
「はい、ハッピーバレンタイン」
「今日もお疲れ様。これで元気出して?」
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「……わぷ」
「それ、なんだか子供扱いされてるみたいだから……」
「よっと」
「あんまり好きじゃないなぁ」
「ほら、開けて開けて」
「うむうむ、我ながら良い出来だ」
「毎年作ってれば、上手になるのも当たり前と言えば当たり前だけどさ」
「今年のは少し、ほろ苦くしてみたんだ」
「毎年甘々だからさ、飽きてないかなって」
「……どう、かな?」
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「へ?」
「いや、ボクはいいよ……キミのために作ったんだし」
「ちょっと、待っ……」
「んむ……ん」
「……にが」
「……口直ししてくる」
「あ、ついでだし。キミは何飲む?」
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「キミもココアでいいんだ」
「それなら、ボクと同じで甘々に……」
「~♪」
「はい、ココアお待ち」
「……んく……んく」
「……うん、やっぱりこれじゃなきゃね」
「はい、キミの分」
「……ぬくぬく」
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「そう?それはよかった」
「……ボクも試してみようかな」
「あむ……」
「……んく」
「……口の中に苦いの、残ってる」
「……じとー」
「嘘吐き」
「ぽかぽかぽか」
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「そんなことないよ」
「キミが大人舌なだけだよ、きっと」
「まだ寒いの?」
「……ほんとだ、手先が冷たい」
「……」
「ぎぅー……」
「こうしておこたの中で握り合えば、平気だと思うな」
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「……む」
「ちょっと、狭いんだから……」
「だめ、そんなに激しく動いたら……っ」
「……ちょっぷ」
「体がはみ出ちゃうだろ」
「それにココアも上に乗ってるんだから、倒れたりしたら大変じゃないか」
「全くもう……」
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「何が逆なのかボクにはさっぱりだよ……」
「ホントにもう……そういうことしか考えてないの?普段」
「言われる側は何だかフクザツな気持ちだよ」
「そんなに悪い気は、しないけどさ……」
「ん?いや」
「ココアおいしーなーって」
「……ぬくぬく」
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「……ちょっと」
「なんか手付きがやらしー気がするんだけど」
「これはボクの気のせいなのかな?」
「なんてキミに聞いても、答えは決まってるか」
「てわけで距離を取ります」
「まだ寝るには早いよ、ばか」
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