【まほいく安価】クラムベリー「17人の魔法少女の試験です」【魔法少女育成計画】 (1000)


・なんどめだまほいく並何番煎じ
・安価とコンマで進行
・キャラメイクは1人のみ
・基本的にそのキャラが主人公となる視点
・無印(アニメ)が舞台なので原作要素はそんなに無いぽん!多分
 でも突然原作QUEENSまでのネタバレが出ても責任はとれないぽん

・頑張って生き残ってほしいぽん


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1486985873

2周目来たかー
今回はどう立ち回ろうか


・・・・・・

~16人目の選抜終了(スノーホワイトが魔法少女になってから数日後)~


ファヴ「マスター、そろそろ試験を始めてもいい頃だと思うぽん」

クラムベリー「ああ待ってください。今日、面白いのを見つけたので」

ファヴ「面白いの? 血を血で洗う戦い以外娯楽の無いマスターがそんなことを言うなんて珍しいぽん」

クラムベリー「ハードゴア・アリスを決めた後ですが、なかなか良さそうなのが」

ファヴ「そんなのがいるぽん? ファヴも気付かない魔法少女適正のあるゲームユーザーなんていたのかぽん」

クラムベリー「暇なので勝手に色々いじってたら見つけました」

ファヴ「今度からそういうのは一言断ってほしいぽん! ああ、確かに適性があるぽん。誘うぽん?」

クラムベリー「お願いします」

ファヴ「分かったぽん! 早速彼女の端末にアクセスしてみるぽん!」


・・・・・・


ファヴ「こんにちは! マスコットキャラのファヴだぽん!」

ファヴ「あなたは本物の魔法少女に選ばれたぽん!!」


 17人目の魔法少女の……

 人間状態の名前

 >>7

葉々木 由良(はばき ゆら)

いつも通り女で行く感じかな
安価下


由良「………………は?」

ファヴ「驚くのも無理はないぽん。これはゲーム内イベントでも夢の世界でもゲームの中の世界でもなんでもないぽん。現実ぽん」

由良「…………」

ファヴ「疑ってるぽん? 葉々木由良、あなたは本物の魔法少女に選ばれたぽん!」


 葉々木由良のアバター(魔法少女)の名前……>>12

ブギーポップ

もう伝統ですねぃ


由良「な、なんでそれを……」

ファヴ「このゲームのマスコットキャラクターであるファヴにはそんなこと分かって当たり前だぽん」


 ブギーポップこと葉々木由良の……

 年齢・性格・職業

 >>22

15歳

ちょっぴり泣き虫で友達思い。楽天家だがまっすぐで責任感が強い
ちょっと変わったものが好きな一面もありの中学生
趣味は食品サンプルの技法で行うお菓子やクリスマス装飾の模型作り

舌が蛇のように二つに割れてる
周りからスプリットタンになる人体改造を受けたと思われがちだが実は生まれつきである
舌について尋ねられた時は気に障らない程度に「つくりもの」は人当たりがいい様子だから手術を受けたってことで返してる

善玉っぽい設定ねー
魔法は何が合うだろうか


葉々木由良は中学3年生である

最近は受験という言葉が耳に痛く、教師や親がその言葉を発する度に少しだけ貌をしかめていた

ソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」を始めたのも、半ば受験のプレッシャーから逃れようという気持ちの表れでもあったが、まさか本当に魔法少女になるなんて思わなかった


由良「なんで、私?」

ファヴ「あなたは魔法少女の適性があるとファヴ……じゃないけど、ファヴが判断したぽん」

由良「…………」


 由良の「魔法少女」への情熱……>>直下コンマ二桁
 
 01~30→小雪やそうちゃん並
 31~60→人一倍
 61~90→人並み
 91~00→興味ナシ

個人的に今更火力に特化されても他に役割持てる奴らが多すぎるし。バサカ内でも即効性のある金時が、別クラスを見れば混成クエは邪ンヌ、単体クラスクエは各クラスのアタッカーに任せた方が基本良いし…それならまだ相手クラス問わない状態でパーティーの特定の役割が持てた方が良いと思うわ。

なんか、誤爆スマン、、、


由良「私、魔法少女とか興味ないんだけど……」

ファヴ「興味ないのにこんなゲームやってるぽん?」

由良「いやだって完全無課金だし面白そうだったし」

ファヴ「ううむ……魔法少女への興味がない魔法少女というのも新しいのかぽん……?」

由良「というわけでパース。私明日も学校だし今年受験だし」

ファヴ「待つぽん! せめてそこの画面にタッチしてほしいぽん!」

由良「えー……」

ファヴ「魔法少女になれば人より遥かに優れた身体能力でスーパーマンみたいに活躍できるし、人に感謝もされるぽん! それに魔法が使えるっていうのは爽快だぽん!」

由良「…………」

ファヴ「とにかく、画面にタッチしてみるぽん!」

由良「はぁ……分かったよ。じゃあ、ちょっとだけね」


スマホに魔法陣が表示される。由良は少し体験してみたら辞めようと思い、画面をタッチした

画面が光りだし、ハートやら星やらが飛び出る。ああ、これ確かに魔法かも

由良の体が変わり始めた。足、腕、体、頭、すべてがゲーム内のアバターの姿へとなっていく


ファヴ「おおーいい感じぽん」

ブギーポップ「……これ、すご…………」

ファヴ「どうぽん? 魔法少女になった気分は」


 ブギーポップの容姿……>>35

髪型は茶髪のセミロング
服装は黒い筒のように見える黒マントと黒帽子。マントの下は学校の制服

ksk

>>34


ブギーポップは部屋にある鏡を見た

由良の学校の規則に則ったセミロングの黒髪は明るい茶色になっており、羽織る黒いマントと帽子はまるで筒のように体を包み込んでいる。下はどうなっているのだろうと見ると、どうやらどこかの学校の制服のような恰好だった

まるでアニメか漫画の絶大な権力を持っている人のようだ


ブギーポップ「う、うえぇ……」

ファヴ「いやーすごいぽん。あ、設定とかあるぽん? このN市には他にも魔法少女が沢山いて、それぞれ思い思いの設定で楽しんでるぽん」

ブギーポップ「せ、設定?」

ファヴ「あなたは魔法少女ブギーポップぽん。まさかその格好で『どうも葉々木由良です』とでも言う気ぽん?」

ブギーポップ「あ、はい」

ブギーポップ「(といっても設定なんて…………あ、舌は変わらないんだ……うう、蛇みたいでいやなんだよねぇ……)」


 由良はブギーポップの設定を……>>43
 
 1.念密に作り上げる
 2.口調を変えるだけにしよう
 3.どうも葉々木由良です

3


ブギーポップ「いや、別にいいよ。どうせすぐやめるし」

ファヴ「もったいないぽん。まぁでも設定とか作らないで活動してるのもいるし、全然アリだとファヴは思うぽん」

ブギーポップ「それで、どうやってやめるの? 退会?」

ファヴ「もうやめるとか言うぽん!? いやいや早すぎるぽん! もうちょっと堪能してもいいぽん!」

ブギーポップ「えー」

ファヴ「それに1度なったら1ヶ月はやめられないぽん。そういう規則ぽん」

ブギーポップ「どこに書いてあったのそれ!?」

ファヴ「(まぁどうせ1ヶ月後には死んでるぽん)」

ブギーポップ「じゃあ魔法でも使ってみようかな」

ファヴ「それがいいと思うぽん! ブギーポップの魔法は~…………>>50ぽん」

諦めない限り負けないよ

ザックリとしたのが来たなぁ…

「負け」何と見るかもあるなぁ
単純に死なのか、別のなにかなのか


ファヴ「諦めない限り負けないぽん!」

ブギーポップ「………………………………………………」

ファヴ「あ、ちょっと、なんでそんな嫌な顔するぽん?」

ブギーポップ「いや、そりゃ嫌な顔もするよ……なにそれ…………負けない? 意味分からないんだけど」

ファヴ「そこは魔法少女の知恵と勇気ぽん。魔法少女は諦めない限り負けないぽん、テンプレぽん」

ブギーポップ「魔法ならもうちょっと実用性とかないの!? ほら、箒に乗って空を飛ぶとか」

ファヴ「ああ、そういう魔法少女ならもうN市に1人いるぽん」

ブギーポップ「いるんじゃん! なんで私はそうじゃないの!?」

ファヴ「魔法は1人につき1つぽん。被らないぽん。いやー個性だぽん」


ブギーポップはますます1ヶ月後よ早く来いと思った

諦めない限り負けない……漫画じゃあるまいし、いやこれは漫画だ。魔法少女にされるなんて

どのように「負けない」のかも気になるなぁ
ループを延々繰り返すのか、単純な不死身系か、因果律干渉的な奴なのか
どう調理するやら


ブギーポップ「帰る」

ファヴ「ここ由良の家ぽん」

ブギーポップ「魔法少女やめる! リセマラさせて!」

ファヴ「人生にリセマラは無いぽん!」

ブギーポップ「うううう……」

ファヴ「まぁなにはともあれ、葉々木由良は魔法少女ブギーポップになったぽん。諦めない限り負けないその能力で人々を幸せにするぽん!」

ブギーポップ「幸せって……どうすりゃいいのよ」

ファヴ「魔法少女には使命があるぽん。それは人助けぽん」

ブギーポップ「人助けねぇ」

ファヴ「人助けをすると、マジカルキャンディーというアイテムがもらえるぽん。そのキャンディーをいっぱい集めるぽん!」

ブギーポップ「そのキャンディーと引き換えになにかもらえるとか?」

ファヴ「その辺は未定ぽん。でも集めておいて損はないと思うぽん~」

ブギーポップ「ふぅん……」

正直魔法の正体に自分で気づけるタイプか危ういから、人助け安定かしら?


ファヴ「まぁ中にはキャンディー集めなんてどこ吹く風で好き勝手やってるのもいるぽん」

ブギーポップ「そこんとこテキトーなんだ……」

ファヴ「魔法少女は皆が主人公だぽん。ブギーポップだって主人公で、自分の思うがままに行動していいと思うぽん」

ブギーポップ「……私の思うまま」

ファヴ「魔法少女の利点を現実でうまいこと使って人生ハッピーな人も中にはいるぽん。それだけ魔法少女っていうのは自由だぽん」

ブギーポップ「……」

ファヴ「別にキャンディーを集めなくてもいいぽん。ブギーポップはどんな魔法少女を目指すぽん?」

ブギーポップ「魔法少女…………」


魔法少女アニメなんて見たことない。小さい頃からそういうのに興味は無かった。メルヘンとか魔法とか、斜に構えてマセていたガキだった

別に卑屈な人生を送ってきたわけではない。学校では友達もいるし、部活動もそれなりに頑張ってきた。趣味のお菓子やケーキの模型作りだって楽しい。充実している人生だと思う。これで彼氏とかできたらバラ色だろう

けどブギーポップは違う。今生まれたばかりの、無垢な魔法少女だ。これからどんな色にも染めることができる


 ブギーポップは……>>77
 
 1.マジカルキャンディーを集めることにした
 2.気ままに行動することにした
 3.魔法少女をリアルに利用できないか考えた

不死に近い能力なら火災や嵐 救助なんのそのなんだけどな


ブギーポップ「じゃ、適当に過ごそう」

ファヴ「適当にぽん?」

ブギーポップ「人助けとかめんどくさいし、そんな時間ありませーん」

ファヴ「なかなかロックな魔法少女だぽん。ポップつながりで1人思い出すのがいるぽん」

ブギーポップ「え、名前被ってる人いるの?」

ファヴ「ああ別に被ってるわけじゃないぽん。ちょっと似てる名前の魔法少女がいるくらいで」

ブギーポップ「ふぅん……」

ファヴ「え、何ベッドに寝っ転がってるぽん。まさか寝る気かぽん?」

ブギーポップ「だってもう夜遅いし」

ファヴ「魔法少女は食事・排泄・睡眠が必要ないハイパーな体質ぽん。寝なくても大丈夫ぽん」

ブギーポップ「そこだけメルヘンなんだ」

まあ、精神が高くないとキツイ魔法だから相性が気になる所


ブギーポップ「……(でもまぁ、確かに魔法少女とかいうのになったみたいだし)」


葉々木由良はそろそろ中学時代も終わるが、中学生特有のそういう妄想をしなかったわけではない。自分には特別な力があるとか、鎮まれ我が左手とか、やらなかったわけではない

夢見がちな年に突き付けられた受験という現実は由良を正気にしようとしていた

だが、そこにこんな夢のような現実だ。ちょっと楽しくなってきた

魔法少女……スーパーマンとかそういう感じなものだ。空を飛べるかもしれないし、車とか持ち上げられるかもしれない


ブギーポップ「……」ムクッ

ファヴ「おっ、やる気になったぽん?」

ブギーポップ「ちょ、ちょっとだけね」


外に出て色々試してみよう、1時間、いや30分だけ

ルーラ√は少し気になる、きれいなルーラ一行とかいけるかしら
安価下


 ステータス

 コンマで決める欄はコンマ二桁で、01~00(100)で決めます


身体能力(公式ステ基準の『破壊力・耐久力・俊敏性』をまとめたステ)……>>↓1コンマ

知性……>>↓2コンマ

精神力……>>↓3コンマ

幸運……>>↓4コンマ

自己主張……性格と職業から★★

野望・欲望……性格と職業から★★

魔法のポテンシャル……???

はい

なんというか、キノ型になったな
馬鹿ではないキノ
そして、精神力が高くて良かった…


 ブギーポップ(葉々木由良)の好きなもの……>>↓2

 現在「可愛い模型作り」が好きなものに入っています

魔法少女よりは仮面ライダーとかがお好きで?


 ブギーポップの嫌いなもの……>>↓2

ここまで善属性に吹っ切れている奴は今までいなかったから新鮮


魔法少女「ブギーポップ」

本名:葉々木 由良(はばき ゆら)

魔法:【諦めない限り負けないよ】

容姿:髪型は茶髪のセミロング。服装は黒い筒のように見える黒マントと黒帽子で、マントの下は学校の制服

性格:楽観的でまっすぐなちょっぴり泣き虫

口調:普通の女の子


身体能力……46 ★★★
精神力……79  ★★★★
知力……49   ★★★
幸運……76   ★★★★
自己主張…… ★★
野望・欲望…… ★★
魔法のポテンシャル…… ???

好きなもの……可愛い模型作り、ヒーロー
嫌いなもの……邪悪


子供の頃から魔法少女より日曜の朝は戦隊ヒーローや仮面サーファーを見てきた中学3年生
といっても今はまだ自分がヒーローになるとかそういうのには興味がない
気ままに魔法少女でもやってみようかな

なんというか、得るべくして得た魔法って感じやね
そして、魔法効果が完全に予測が難しいから安定のポテンシャル不明


 追記:幸運76によりスキル「幸運」が追加されました。身体能力、知力ロール時にコンマ+10されます

 ここからブギーポップがその身体能力、知力、精神力、幸運を使わなければいけない時にはロールとして直下コンマ二桁などでコンマ判定を行います

 指定されたレスのコンマが、それぞれの能力値より下回っていれば成功となります


 クリティカルとファンブル

 ロール時には状況が「ブギーポップにとって」良くなるクリティカルと、「ブギーポップにとって」悪くなるファンブルが存在します

 コンマ判定時に09以下ならクリティカル、90以上ならファンブルです

ゾロ目も時もファンブルだったような


まず廃車になった車が集められる工場にやってきた

さっきは山の木を蹴りで折った。驚いた。マーベルの世界だ

車を持ち上げられるかな、とやって来たのだ


ブギーポップ「よし、これを……」ガシッ

ブギーポップ「ふぎっ、ぎぎぎぎ……! ぬぐぐぐがが!」


 身体能力(46+10=56)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→車を持ち上げる
 失敗→重い!無理!
 
 ※ここでのロール時に、直下のコンマが56以下なら成功です

はい

>>129
性格には00な、00=100

アメコミで諦めない限り負けない
臭いコート着てウネウネの覆面着なきゃ(使命感)

>>134
そのヒーローは精神カンストせんと…


 12……成功!

 
 
ブギーポップ「ふぎぎっぎぎぎ……!」



持ち上がった。かなりキツいけど

もしかしたら乗用車くらいが猛スピードで突っ込んできても大丈夫かもしれない

別にブギーポップが筋肉モリモリマッチョマンの変態な体格というわけではない。可憐な魔法少女だ

この体に、車を持ち上げられるくらいのパワーが宿っている。まるでヒーローだ

これで魔法が使えるものだったら、もう少しやる気も出たのだが……


ブギーポップ「諦めない限り負けない……か」


昔ニチアサでそんな台詞があったような無かったような気がする。陳腐なうたい文句だ。世の中、諦めなくてもどうしようもないことがある

サッカーとかなら諦めなくても時間になれば負けるし、戦いなら諦めなくても動けなくなったら負ける。チェスや将棋なら諦めなくても詰めば負ける。そういうものだ。もう15歳なのだから、それくらい分かる。友情・努力・勝利に憧れていた小学校低学年の頃の自分とは違う


ブギーポップ「ふぅ、今日はもう帰ろう」


魔法少女は常に一般人への認識攪乱が働いていて記憶に残らないそうだが、ファヴは「皆家の屋上とかを伝って移動してるぽん」と言われたので一応それに倣うことにした

家から家へ、時にビル、時に何かの施設を伝い家までの方向を行く

いちいち道ごとに曲がらなくていいのはいいな、くらいは思った

もう夜も遅い。こんな時間に誰かが歩いていることもないだろう


 ブギーポップは……>>直下コンマ二桁
 
 01~40→困っている人を見た
 41~80→無事家に帰った
 81~00→他の魔法少女と遭遇した

キャンディ回収タイム開始か


途中、視界の端に人が見えた。こんな時間に出歩いているなんて、もう夜の11時だぞ

一軒家の屋上からその人を見る。傍には車……ガス欠か

夜遅くまで働いて、帰りに不幸に見舞われる。ああはなりたくない

困り果てているようだった


ブギーポップ「…………」


 ブギーポップは……>>146
 
 1.助けてあげる
 2.見なかったことにしよう

ですよねー


家から降り、サラリーマンのもとへと近付いた。気付かれ、奇妙な目で見られる


「だ、誰……?」

ブギーポップ「……家はどこですか?」

「えっ?」

ブギーポップ「車、動かないんですよね? 私が運んでいくので、道案内をお願いします」

「誰ですか本当に」

ブギーポップ「……魔法少女」カァァ


車を持ち上げる。サラリーマンは驚いて腰を抜かしていた。早くしろと言うと悲鳴まじりに家まで案内してくれた


「こ、ここです」


一軒家だった。ガレージを開けさせ、そこに車を突っ込んだ。傷はついていないはずだ。あとはこの人がガソリンスタンドまで歩いていくなりなんなりするだろう


ブギーポップ「では」

「あっ、あの!」

ブギーポップ「?」

「ありがとうございます……ロードサービスも来るの遅いみたいで、助かりました」

ブギーポップ「……いえ」


なんとなく、嬉しかったかもしれない

傍から見ると魔法少女チックな見た目ではないよねー

>>155

そうかの?
http://i.imgur.com/1LbiEBT.jpg


・・・・・・


翌日、学校に行き何の変哲もない授業を受けた。2学期はまだ受験に向けて余裕がある時期だ

友達と会話をし、もう引退した部活の部室に少しだけ顔を出し、校庭のすぐそばを通って帰宅しようとし


「あ、やっべ!」

由良「? おっと」ヒョイッ


飛んでくるサッカーボールをなんとか避けた

校庭ではサッカー部が練習をしている。もう3年生は1学期に引退したため、残っているのは本当に受験に興味がないサッカーやりたい3年生か2年生以下だ


「ごめん、大丈夫?」

由良「ええ。はいこれ」

「おーい、パスパス!」

「おう! ありがと!」

由良「(これはキャンディーに……ならないか流石に)」

>>156
一応文字だけ見てって感じだから、案外様になってるかもしれんけど
気に障ったらすまんね

安価下


・・・・・・


ファヴ「昨日の人助けでキャンディー8個を手に入れてるぽん」

由良「そんなもんか……ま、たまたまゲットしただけだしどうでもいいかな」

ファヴ「なにやってるぽん?」

由良「模型作り。今度友達のお誕生会なの」


色の付いた液体をぬるま湯の張ったボウルに流し込み、形を作る。手先は器用なつもりだ

料理の腕は作ったことが無いから分からないが、美味しそうなサンプルなら作ることができる


由良「~」

ファヴ「ゴキゲンぽん」

由良「これやってる間はね、楽しくて。自分で何か作ってるんだって感じするし」


由良「よし、これをもっと作らないと」

ファヴ「綺麗な家だぽん。食べれるぽん?」

由良「プラスチックだよ?」


親は由良の趣味を歓迎している。女の子らしいと。もしかしたら将来は食品サンプルとかそういうのを作る職業になるかもしれないと言っていた

高校もどこか分からないのに職業など気が早いなぁと由良は思う


由良「そういえば、この街って魔法少女多いんだっけ」

ファヴ「このN市は複数の市が併合されて出来た大きな市だから、メチャクチャ広いぽん。東京で言う八王子並かもぽん」

由良「東京……行ってみたいなぁ」

ファヴ「ちなみに、他の魔法少女と交流することもできるぽん。ブギーポップの持つ魔法の端末からチャットルームに行けるぽん」

由良「チャットルーム?」

誰に師事しようか?
性格的には善玉メンバー全員と相性良いと思うけど

敢えてルーラ様とか
たまという守るべき存在も出来るし


由良「チャットルーム……」

ファヴ「チャットルームか現実で他の魔法少女と出会うと、このアプリで他の魔法少女の名前と姿を確認できるようになるぽん」

由良「そっか……じゃあ、行ってみようかな」

ファヴ「今なら結構いるみたいだから、色んな魔法少女と会えるぽん」


チャットルームを開く。ブギーポップがログインしましたという表示と共に、なんかどこかの庭みたいな画面が出てきた

SDアバターが複数……他の魔法少女達だ。見た目だけでも個性豊かだなぁという感想を抱く


由良「これが……」

ファヴ「あ、ここでスタンプ、ここでアクション、ここでテンプレ文ぽん」

由良「とりあえず挨拶しよう」

>>164
ルーラの元に行くこと自体はあるかも、多分許容できる範囲の相手だし
あと、2週目だから違うルートもやりたい感もあったり

安価下


ブギーポップ『こんばんは。新しく魔法少女になったブギーポップです』

ねむりん『あれれ、新顔だ~』

シスターナナ『こんばんは。シスターナナです。こちらはヴェス・ウィンタープリズン』

トップスピード『トップスピードだ、よろしくな!』

由良「い、意外とアグレッシブな人多い……」

ラ・ピュセル『ラ・ピュセルだ。君が新しく魔法少女になったっていう者か、ファヴが言っていたよ』

ブギーポップ『ファヴが?』

スノーホワイト『急遽17人目を追加するって言って、ちょっと話題になったの、どんな人かなって』

ブギーポップ『そうなんだ』

ルーラ『私はルーラよ、ひとつ言っておくけど、私には逆らわないことね』

ブギーポップ『は、はぁ』


ファヴ「ちなみに、魔法少女にはそれぞれ先輩が教官としてつくことになってるぽん。その教官が魔法少女としてのイロハを教えてくれるぽん」

由良「え、魔法少女って自由気ままなんじゃないの」

ファヴ「まぁ誰からの師事も受けずにきままにやるのもアリだと思うけど、印象悪いぽん~」

由良「……流石に新人で印象が悪いのはダメなのかな」


チャットルームは新顔のブギーポップに盛り上がっている。なんで魔法少女になったの、キャンディー貯まってるか、つーかどこ住みなど、色々聞かれた


由良「あわわ、か、返さないと」

ブギーポップ『>>173


 1.よろしくお願いしますっ
 2.この他にも魔法少女いるんですか?
 3.ドラクエの呪文みたいですね(笑)
 

1

3

ルーラ様を弄っていくスタイル


ブギーポップ『その名前、ドラクエの呪文みたいですね。飛べるんですか?』

ルーラ『は?』

由良「あ、やば……つい煽っちゃった」

ファヴ「どういうネット生活を送ってるか分からないけど、初手煽りは相当ロックぽん」

トップスピード『うははは!! 言うねぇ新人! そういうの嫌いじゃないよ!』

ルーラ『表に出ろ!!』

シスターナナ『喧嘩はやめましょう。ブギーポップも、いきなり悪口はいけません』

ブギーポップ『す、すみません』

トップスピード『ああそうそう、あそこにいるのは――』

クラムベリー『私は森の音楽家クラムベリー。歓迎しますよ、ブギーポップ』

ブギーポップ『あ、どうも』

まあ、そうなるよねー
トップスピードのウケは確かに良いな
ルーラは根性叩き直しの目的で無理矢理は配下に置こうとしにくる可能性あるかもね


【カラミティ・メアリがログインしました】

トップスピード『っ、随分珍しいっすね』

メアリ『新人がいるって聞いてね、ツラ見に来ただけさ』

ルーラ『……っ……』

ブギーポップ『こんばんは、ブギーポップって言います』

メアリ『そうかい。私はカラミティ・メアリ、長生きしたきゃ逆らうな。OK?』

由良「な、なにコイツ……思わずOK! って打ち返しちゃいそうなんだけど」

ファヴ「彼女はカラミティ・メアリ。簡単に言えば過激派ぽん」

由良「本当に簡単によくわかるね」

メアリとクラムベリーが現状絶対敵対不可避だからねぇ
スイムは貴女がルーラ派閥入りとかしたりするイレギュラーがあればワンチャン大丈夫かも


状況を整理する。ログインしているのはブギーポップの他にはねむりん、スノーホワイト、ラ・ピュセル、シスターナナ、ウィンタープリズン、ルーラ、メアリ、クラムベリーだ

話は教官の話題にシフトした。誰がブギーポップの教官をやるか、事前に話していたのだろうか


由良「誰が教官なんだろう……」

ファヴ「まぁこの中の誰かだぽん」


どうやら2人組とか3人組とか、もっと多くのグループで活動している魔法少女もいるらしい。ソロ活動はクラムベリーとメアリくらいだろうか

ラ・ピュセルはスノーホワイトの教官をやっていて、トップスピードはリップルの教官らしい。ということは残りは……


由良「ね、ねぇ……残りの人、ねむりんとかシスターナナとかウィンタープリズンとかクラムベリーって人くらいしかいないんだけど……」

ファヴ「あー頑張ってほしいぽん」

由良「なにを!?」


 ブギーポップの教官は……>>191

 1.ルーラ
 2.シスターナナ
 3.メアリ
 4.クラムベリー

 ※この選択で√が決まる可能性があります(途中から変わる可能性もあるけど)

わぁい、鬼教官だよぅ
大体貴女のせいだけど

>>199

まったくあの子はどうやって救うのでしょうねぇ(困惑


ねむりん『あ、ねむりんは教官とかパスね~』

メアリ『新人の顔も見れたしもう用は無いね』

【カラミティ・メアリがログアウトしました】

ルーラ『私があなたの教官よ!』

シスターナナ『あら? 次の教官は私じゃ』

ルーラ『なに、文句あるの?』

ウィンタープリズン『順番には従ってもらおうか』

ルーラ『初対面の相手に無礼を働く命知らずに魔法少女として生きていく術を教えてやるって言ってるのよ。ならあんた達はコイツを矯正できるの?』

ラ・ピュセル『……好きにすればいいさ』

由良「え、なに、この人教官になるの?」

ファヴ「みたいだぽん」

由良「えええぇぇぇ!!? あ、煽った奴だよ!? 嫌だよ!!」

ブギーポップ『いや、辞退します。私教官とかちょっと~』

ルーラ『明日の夜、王結寺に来なさい。この街の住人なら場所は分かるわね? 決まり! 来なかったら殺すから』

>>201
キノがトップスピード√とラピュセル√兼任だった感じだから、今回選択肢除外された感じかなー
多分キノが通った√にチャンスがあった

安価下


由良「ファヴぅぅぅぅ……どうしよう……」

ファヴ「まったく、いつもネットで人を煽ってるからそういう目にあうぽん」

由良「煽ってないもん! ただちょっとファビョってる奴を叩いてるだけだもん!」

ファヴ「性根が腐ってるぽん! あ~これだから中学生以下をネットと繋いじゃダメなんだぽん!」

由良「どうしよう……明日の夜、殺される」

ファヴ「別に教官になるだけで殺されはしないぽん」

由良「あ、そうだ。バックレっていう手もあるよね」

ファヴ「……そんなこと言って、知らないぽん」


・・・・・・

~翌日~


由良「はぁぁ……」

「どしたの由良、今日テンション低いね」

由良「うん、ちょっとね……」

「とうとう親に志望校とか聞かれたの? ホントやだよね~」

由良「(そうじゃないんだけど……まいっか)」

「そういえば由良って高校どこにいくの?」

由良「うーん……まだ決まってない。もしかしたら専門とか」

「専門? ああ、お菓子作りの?」

由良「模型作りの」


「葉々木さんってモデラーなの?」

「由良の特技は可愛いものを作る事だもんね」

由良「うん、食品サンプルみたいなの作ったりするの」

「えー! 今度見せてよ!」

「やば、もう先生くるよ。今日鬼山田だし」


憂鬱な気分でいたためだろうか、今日は下校しようとするとサッカーボールが直撃した


由良「いたっ!」

「ちょ、大丈夫?」

「すみませーん!」

由良「(またお前か……)」

「ちょっと岸辺! 危ないじゃないの!」

「あ、先輩すみません。まさか2日連続で同じ人に当たるなんて……」

由良「わ、私は大丈夫だから……」

誰かとリアルで顔見知りの可能性あるかしら


「あの、大丈夫ですか?」

由良「大丈夫。はい、ボール」

「あざっす!」

「おーい岸辺、早く戻れ!」

「あ、おう!」

由良「サッカー部って激しいね」

「冬の大会迫ってるって言ってたしね」

由良「ああ、そういえば彼氏が元キャプテンだっけ」

「アイツ受験そっちのけでまーだ部活やってんのよ。おーい! 勉強しろー!」


友達の彼氏らしき男子が手を振る。見たことはある顔だった

いつもなら彼氏か……と夢想するが、今はそれどころではない。気分は13階段を上がるようなものだ


・・・・・・

~夜~


時間が近づいている。王結寺は同じ市内だが意外と遠い。魔法少女でなければもう出ていなければ完全に遅刻だろう


ファヴ「行かないぽん?」

由良「えー……やだ」

ファヴ「ロックすぎるぽん!」

由良「もうロックでいいよ……ロッカー魔法少女だよ」

ファヴ「ルーラは怒ると怖いぽん~もう4人も魔法少女の部下を従えてるし」

由良「4人も!? じゃあ私もういらないじゃん。ドラクエ組に入りたくない~」


 由良は……>>216
 
 1.渋々行った
 2.バックレた


王結寺、今はもう廃寺となり朽ちた寺だ。外観からそのみすぼらしさが分かる

門をくぐり、寺へと向かう。ああ、怒られる……ネット弁慶なんてするもんじゃないと今更ながら後悔する。シスターナナがよかった。絶対優しい。それかクラムベリー


由良「ボロ……」


中には灯りがあり、気配がある。何人かいるようだ

念のため、ブギーポップに変身した


ブギーポップ「失礼しまーす」ガラッ

ルーラ「…………よく来たわね、無礼者」


 >>224
 
 1.煽り返す
 2.謝る
 3.知らん顔

2

1

この対応だと双子には好かれそうな感じかしら


ブギーポップ「あ、どうも。その髪飾りはキャンディーモチーフですか? その腰のやつ、姿勢よくなりそうですね」

ミナエル「ブッハッ!」

ユナエル「くっ、ぷくくくく……!」

ルーラ「…………死ぬ?」

ブギーポップ「嫌です」


魔法少女になるとなんか自信が持てた。そういえば昔見た戦闘機の映画では教官に意見とかしてたし恋仲にもなってた気がする。まぁ目の前の奴と恋仲とかマジ勘弁だけど


ルーラ「ゴホン、思った通りの無礼者ね。あんたの性根はこのルーラ様が叩き直してあげるわ」

ブギーポップ「自分で様付けって随分ですね。歳はいくつですか?」

ミナエル「ギャハハハハハ!!」

ユナエル「ま、マジクール!」

ルーラ「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」ダッ


棒で思い切り殴られた。痛いよ

デスヨネー
まあ、ルーラは善良では無いけど極悪人ではないから上手くやっていけると信じたい


ブギーポップ「…………」ヒリヒリ

たま「だ、大丈夫?」

ブギーポップ「……うん」

ルーラ「ルーラの名のもとに命じるわ。正座しなさい」


ルーラがなんかポーズを取り、王笏を向けてきた。正座なんかしてやるかと思っていたのに、体が勝手に動く


ブギーポップ「なっ……!?」

ルーラ「ふんっ……思い知った? 私の魔法」

ブギーポップ「どういう魔法ですかこれ……」

ルーラ「私の名のもとになんでも言うことを聞かせる魔法よ。いかに反抗的な態度でも、私には逆らえない」

ブギーポップ「くっ……!」


ミナエル「いや~私達はこの人大歓迎ですよ神」

ユナエル「うんうん、ブギーポップだっけ? マジロック」

ミナエル「いっそブギーロックに改名したら?」

ユナエル「お姉ちゃんマジクリエイティブ」

ブギーポップ「(双子の天使……? それにこの犬と、白いスク水の痴女……なるほど、これがドラクエ組ね)」

ルーラ「とりあえずこれを読みなさい」

ブギーポップ「……なにこれ」

ルーラ「私の作ったマニュアルよ。魔法少女がどういうものか、魔法少女としてどう生きるべきかが書いてあるわ」

ブギーポップ「コアコンピタンスの形成による魔法少女としてのワンズパーソナリティ……これ何語?」

ルーラ「はぁ? あんた大学出たの?」

ブギーポップ「…………」

ルーラ「……はぁ…………要するに、魔法少女としてのつよみを活かし、どう私の部下になるかを書いてあるわ」

ブギーポップ「日本語で書いてよ。あんた外人? ルーラ使って日本まで飛んできたの?」

ルーラ「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」ボカッ

ブギーポップ「ぐえぇぇ!」

なんか、すげぇ楽しいはこいつら
スイムが暴走しなければなァ…


ルーラ「ぜぇ、ぜぇ……疲れるわコイツ……」

スイムスイム「……ブギーポップ」

ブギーポップ「……なに」ヒリヒリ

スイムスイム「ルーラの言うことは絶対。守らなきゃダメ」

ブギーポップ「えーやだやだ」

スイムスイム「めっ」

たま「あ、あの……ルーラ、暴力は……」

ルーラ「コイツの性根は直すじゃ飽きたらないわ……1度ブチ折って新しく根っこから生やしてやる!」

ブギーポップ「(ホントに面倒になった……)」

諦めなければ負けないという特性故に、
ブギーが反骨心持ってりゃ延々漫才してそうなコンビになりそうである


ルーラ「とりあえず夜には定期的にこの寺に集まる。いいわね?」

ブギーポップ「……はい」

ルーラ「いやに物分かりがいいじゃない」

ブギーポップ「どうせ逃げられないんでしょ」

ルーラ「そうよ。私が逃げるなと命令すればね」

ブギーポップ「………………」


 知力(49+10=59)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→私が逃げるのを諦めなかったら……?
 失敗→素直に従っておこう

はい

成功の結果から予測するに
ブギーの魔法って現実改変系に近い感じか?
または精神力依存の強烈なバフとか?

プク様と闘える魔法?

そしてこれルーラ√終わらないよね?


 14……成功!

 
 
ブギーポップ「(試してみよう。私の魔法)」


ルーラ「で、あんたの魔法は?」

ブギーポップ「……自分の目で見てみな、よ!」ダッ

ルーラ「あっ、ちょ、言った傍から逃げるなこの嘘つき!」

ユナエル「マジライヤー」

ルーラ「私の名のもとに、逃げるな!」バッ

ブギーポップ「ふ、ぐ、ぎぎぎぎ……!」


足が止まる。いや、逃げる。逃げてみせる。そう心の中で強く決意する


 精神力(79)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔法が発動。逃げる
 失敗→ルーラには勝てなかったよ……
 

>>258
多分「負け」の定義が重要だと思う
プク様と友達になる事を「負け」と見なすなら抵抗できる
プク様の魔法を知らなければ多分普通に洗脳される


 19……成功!

 
 
足が戻りそうになる、ああ、駄目だ。負ける


なんだよ私の魔法、使えねー………………


ブギーポップ「いや……!」


諦めるな。試しに使ったから決意が足りないのか?

多分逃げられなかったらまた殴られる。あれ地味に痛いから嫌だ。諦められない。諦めるものか

意地が力になった


ブギーポップ「ぬぐぐぐああぁぁぁぁ!!」ダッ

ルーラ「なっ!?」

ミナエル「うそ!?」

たま「ええっ!?」


屋外に出た。そのまま門まで全力疾走、追いかけてくる者はいない


ブギーポップ「はぁっ、はぁっ……で、できた?」

ルーラ「待ちなさい!」

ブギーポップ「あ」

ルーラ「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」ボカッ

ブギーポップ「ぐえっ!」

ルーラ「ぜぇ、ぜぇ……あんた、なにしたの?」

ブギーポップ「魔法……」ヒリヒリ

ルーラ「どういう魔法よ」

ブギーポップ「諦めない限り負けない魔法……今のはあんたに負けたくないから、諦めずに勝った」

ルーラ「……なるほどね」

ブギーポップ「?」

中々に無茶苦茶な魔法だな、精神さえあればなんか凄い事できちゃうって感じか
本質がまだわからん感じだけど

安価下


ルーラ「さっき、足がつってポーズが崩れたのよ」

ブギーポップ「言い訳ですか? ねぇ、あんた私に負けたんだよ?」

ルーラ「…………」ボカッ

ブギーポップ「いっつぅぅ!」

ルーラ「あんたの魔法、どういうものか色々試しなさい」

ブギーポップ「どうやって……」

ルーラ「そうね……ここで誰かとバトってみる?」

ブギーポップ「暴力反対」

ルーラ「なら鬼ごっこといきましょうか」

ブギーポップ「はぁ? ホントに歳いくつですか? ねぇ、恥ずかしくないの? そこに幼稚園あるから明日の朝行ってきなよ。ルーラお姉さんが鬼やっちゃうぞー! なんつって」

ルーラ「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」ボカッ

ブギーポップ「いぎぃぃ!」

あー、所謂主人公補正か
うん、一番ヤバイタイプで魔法が実装された


ルーラ「スイムスイム、たま、バカ2人! 来なさい!」

たま「う、うんっ」

スイムスイム「……」スタスタ

ミナエル「ねぇ、バカ2人って私達?」

ユナエル「ひどくね? ともすれば実年齢一番年上なのにさ」

ルーラ「今からコイツを追いかけて捕まえて攻撃しなさい」

たま「えっ!?」

ルーラ「アンタ、絶対に負けないんでしょ? なら負けないわよね?」

ブギーポップ「ええぇホントにやるの?」

ミナエル「えーめんどいー」

ユナエル「いまどき殴り合い魔法少女なんて流行らないっすよ」

ルーラ「とっととやる! コイツを倒せたらなんか買ってやるから!」

せんせーガッツが出ないからこっちも景品くださーい
fateで言うところの星の開拓者みたいな感じか?


ミナエル「マジ!? じゃあグッチの時計!」

ユナエル「この前出来たカニ食べ放題のお店!」

スイムスイム「ルーラが言うなら、やる」

たま「えぇぇぇ……」

スイムスイム「たまもやる」

たま「わ、分かったよ……」

ブギーポップ「え、マジでやるの? 鬼ごっこ」

ルーラ「当然。私も追うわよ」

ブギーポップ「えぇぇぇぇぇ、ちょ、帰っていいすか?」

ルーラ「逃げられたらね。というわけで、逃げるな!」バッ


物欲にまみれた鬼ごっこが始まった。ルーラの魔法から逃れ、とりあえずそこにある林の中に逃げ込む

>>280
一番近いのはそれかな
意志の力でチャンスを掴むを魔法的に再現してるというか
諦めなければなんらかのイベントが起きて敗北を避けられる的な魔法なんだろうね
性質故に本気でその勝負に向き合わないと真価は発揮されなさそうだけど

安価下


ミナエル「待てー!」

ユナエル「カニー!」

ブギーポップ「くっ、ホントに追いかけてくるの!?」

ミナエル「そりゃブランドのためだしぃ!」

ユナエル「世の中マジ非情~!」

ミナエル「ピーキーエンジェルズの空中殺法くらえぃ!」


ミナエルがトラバサミに変身して襲い掛かってきた。そういう魔法か。自分から来るトラバサミとか聞いたことないぞ

と思ったらユナエルがなんか鷹っぽいのに変身してきた


ブギーポップ「クッソ、負けるか!」


 精神力(79)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔法発動
 失敗→ピーキーワンダフル

はい


 36……成功!

 
 
突然林の中から野良犬が飛び出してきた。ワンワンと吠え、ユナエルが変身する鷹っぽいのに襲い掛かる


どうやらお腹を空かせて凶暴化した犬のようだ


ユナエル「ぎゃああああああ!!!! た、助けてー!!」

ミナエル「えぇぇぇ!? ちょ、こらはなせ!」


トラバサミが犬に噛みつき、なんとか撃退した頃にはブギーポップは逃げ出していた


ミナエル「くそっ、グッチ逃がした!」

ユナエル「し、死ぬかと思った……」


ブギーポップ「助かった……けど、魔法……発動されてたよね?」

ルーラ「そのようね」

ブギーポップ「うわっ、出た!」

ルーラ「行きなさいたま!」

たま「う、うん!」

ルーラ「たま、あんたは魔法を使わずに普通に捕まえなさい」

たま「うんっ」

ブギーポップ「(見た感じどんくさい、魔法を使わなくても……)」

ルーラ「ルーラの名のもとに命ずる、動くな!」

ブギーポップ「んなっ、卑怯だぞ!」

ルーラ「戦いに卑怯もラッキョウもありはしないわ!」


 身体能力(46+10-10=46)ロール……>>直下コンマ二桁
 (ルーラの魔法から逃げるのに時間がかかった-10)
 
 成功→たまから逃げる
 失敗→たまが引っ付いてくる


 66……失敗


たま「え、えいっ!」ガシッ

ブギーポップ「うわっ、は、放して!」

たま「ううううう!」ダキッ

ルーラ「どうやら勝負あったようね」

ブギーポップ「くそっ、負けるかぁぁぁぁ!!」


 精神力(79)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔法発動
 失敗→たまから逃げられない


 08……クリティカル!
 クリティカル報酬、精神力が1上がった!(80)

 
 
たまがギュッと抱きしめてくる。これは動けない


と、自分の肩にキモい虫がいるのが分かった。ここは自然の中だ、虫くらいいる

いつもの由良ならきゃあと叫んで払っただろうが、今は利用すべきだ


ブギーポップ「た、たま! これ!」

たま「えっ? きゃああぁぁぁ!! 虫ぃぃぃ!!」


たまは目の前に居るキモい虫に耐えられないようで、その虫目がけ爪を振るった

プスッと虫に爪が刺さったかと思ったら、その虫はパァンと弾けた

ぎょっとする。え、今のって魔法? 凶悪すぎない?


たま「いやぁぁぁ!!」ブォンブォン

ルーラ「ちょ、たま落ち着きなさい!」


錯乱したたまが木とかに爪を振るい、木も大穴を開けた倒れた

やばいやばい、逃げないと死ぬ

ルーラもたまを落ち着かせるのに必死だ。逃げるなら今だろう


たま「虫いやぁぁ!」

スイムスイム「!?」


偶然隠れているスイムスイムにも矛先が向いたようで、これで全員の場所が分かった。よし、逃げよう


王結寺に戻り、皆の帰りを待った

10分くらいして、ルーラ達が戻って来る


ルーラ「…………あんたの魔法、大体どんなのか分かったような気がするわ」

ブギーポップ「え、マジ?」

ルーラ「どうやら、負けないためにそうとうな幸運みたいなのを呼び込むみたいね」

ブギーポップ「幸運?」

ルーラ「バカ2人に追いかけられてた時は偶然野犬が襲い掛かって来て、たまに組み敷かれた時には偶然虫を見て錯乱した……スイムスイムもそのたまに偶然場所をバラされた。あんたの魔法、発動してたんでしょ?」

ブギーポップ「……偶然…………それを呼び込む魔法なの?」

ルーラ「さぁ? あとはアンタが自分で調べなさい。で、分かったら逐一私に報告すること。いいわね?」

ブギーポップ「嫌だ。つーか教官でしょ? もっと調べてよ。むしろそんだけしか分からなかったの? 人見る目無いよね」

ルーラ「アンタに感謝って言葉を叩きこんでやるわ!」ボカッ

ブギーポップ「アリガトウゴザイマシタ……」ヒリヒリ


 ルーラ組の信頼度が上がった!
 
 魔法少女と行動を共にすると、信頼度(MAX10)が溜まっていきます
 信頼度の内訳は会っていない状態だと01で、
 01……知らない
 02……知ってるけど他人
 03~04……それなり
 05~06……友達
 07~08……親友
 09~00……親愛

 現在

 02
 スノーホワイト、ラ・ピュセル、トップスピード、シスターナナ、ウィンタープリズン、ねむりん、メアリ、クラムベリー

 03
 ルーラ、吸いむ吸いむ、たま(直球)、ミナギル、ユダネル
 


今日はここまで

――4つ集めた
「ここへ来い」
――声、誰かの声
「ここへ来い」
――誰?そこへ行けばいいの?
「ここへ来い」
「まだお前が、諦めていないのなら」
「ここへ来い、仔猫」
――っ、仔猫って呼ばないで!


・・・・・・


由良「あ~疲れた……」

ファヴ「魔法少女はそんなことで疲れたりしないぽん」

由良「心が疲れたの。なんなのアイツ、偉そうにさ」

ファヴ「ブギーポップ含めて5人の魔法少女を従える一大勢力ぽん。ルーラは人の上に立つのが好きなようだぽん」

由良「なにそれ、お山の大将やりたいなら魔法少女じゃなくてその辺の会社とかでいいじゃん」


とはいえ明日は集まりが無い。夜になっても特にすることがないということだ

何も無いなら、適当に過ごしたい。どうせ1ヶ月後には辞めてるんだから、好きな事をやればいい。気まぐれに


 由良は……>>343
 
 1.自分の魔法の研究をした
 2.チャットルームに顔を出した
 3.キャンディーを集めた


ふと、あのサラリーマンを思い出した

何度も頭を下げて感謝してくれたあの光景、あの時自分は少しだけでも嬉しさを感じていたのかもしれない

魔法少女にはそれぞれ担当地区があり、この辺は自分の地区らしい。ここ以外で活動すると領土問題的なのが発生するとかなんとか


由良「……ちょっと行ってみようかな」


ブギーポップに変身。窓から家を出る

適当に誰かしら助けて感謝されよう。なんとなくズレた目的を持って夜の街を駆けた


 遭遇した困ってる人……>>直下コンマ二桁
 
 01~30→トラックに引かれそうな子供
 31~60→酔っぱらってお持ち帰りされそうなOL
 61~90→道に迷ったおばあちゃん
 91~00→遭遇せず


ブギーポップ「あのおばあちゃんなんかは困ってるかな? 右往左往してるし」シュタッ

「ほえ、誰だい?」

ブギーポップ「こんばんは、何かお困りごとですか?」

「ああ……息子の家を訪ねてここに来たんだけど、道に迷ってしまってねぇ……」

ブギーポップ「息子さんの家の住所は分かりますか?」

「うん。N市〇〇の――」

ブギーポップ「…………ふむふむ」


 おばあちゃんの目的地は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ブギーポップの担当地区内
 偶数→他の魔法少女の担当地区


ブギーポップ「ん? そこは……」


担当地区外だ。そしておそらくは他の魔法少女の担当地区……


「どうしたんだい?」

ブギーポップ「え? あ、いえ……」

ブギーポップ「(くっ……面倒だけど、声かけちゃったし)」

ブギーポップ「おんぶするので、乗ってください。飛ばしますよ」


こうなったら誰かと会う前にとっとと届けて退散しよう

それがいい


・・・・・・


ブギーポップ「この家ですよね?」

「た、多分ぅぅ」


かなり飛ばしてきた。屋上を伝い、おばあちゃんの悲鳴を聞きながら住所をマップアプリに打ち込んで辿り着いた。ここまで誰にも会っていない。大丈夫だ

新築一軒家のインターホンを鳴らし、おばあちゃんを置いてさっさとずらかった


「あっ、母さん!」

「ごめんねぇ遅くなって。この人が助けてくれてねぇ」

「……? 誰もいないけど」

「ありゃ?」


あ、しまった。感謝されてない……けどまぁ、いっか


ブギーポップ「ふぅ……キャンディーは……」

ブギーポップ「6増えてる。この前と違うってことは、なんだろ。お助けの具合によって1度に集まる数が違うのかな」

ファヴ「よく気付いたぽん!」パッパラー

ブギーポップ「よっぽど凄いことが起きたらキャンディーも集まりまくりだろうね」

ファヴ「その通りぽん。困っている人の命に関わるような事件とかを解決すれば一気に沢山たまるぽん」

ブギーポップ「ま、そんなこと早々起こりっこないけど」


 ブギーポップが踏み込んでた地区は……>>直下コンマ二桁
 
 01~20→スノーホワイト、ラ・ピュセルの地区
 21~40→リップル、トップスピードの地区
 41~60→シスターナナ、ウィンタープリズンの地区
 61~80→メアリの地区
 81~100→アリスの地区
 
 他の魔法少女と遭遇したか……>>↓2コンマ一桁
 
 奇数→遭遇した
 偶数→遭遇しなかった


ブギーポップ「そういえばここって誰の地区なの?」

ファヴ「ここはリップルとトップスピードが2人でパトロールしてるところぽん」

ブギーポップ「ふぅん。トップスピードってあのチャットルームで明るかった人かぁ。どうやらそのパトロールの時間でもないみたいだし、さっさと帰るよ」


急ぎ足で自分の地区へと帰る。よし、今度はちゃんと自分の地区の中だけで済むやつにしよう


 今日集まったキャンディーの数は……>>直下コンマ二桁
 


まさか本当に命に関わる事件があるとは思わなかった。女性が通り魔に襲われていたのだ

路地裏で聞こえてきた悲鳴を頼りに駆けつけ、刃物を持った男を蹴り飛ばした

すぐさま拘束し、警察に引き渡す。ヒーローはこういうとき名乗らないから、自分も名乗らないでおこう

するとなんと90個もたまっていた。道案内とかガス欠の車を運ぶよりよっぽどたまる


ファヴ「これは、今捕まえた男がこれから手にかけようとしていた人達の潜在的な分だと思うぽん」

ブギーポップ「へぇ……じゃあ人って必ず誰かを困らせる生き物だから、適当に誰か殺したらキャンディー貯まるんじゃない?」

ファヴ「ロックすぎて言葉が出ないぽん」

ブギーポップ「冗談だよ。あ、子供が迷子になってる。こんな時間に危ないなぁ」


合計97個、ついに総数が100を超えた


・・・・・・

~翌日~


今日はサッカー部の練習が無い曜日だ。校庭から声が聞こえないのに違和感を感じながら下校した


由良「はぁ……今日は彼氏と帰るから1人で帰ってね……かぁ。まぁいいけどさ」


彼氏という言葉はこの年頃の女子の心を意外と掴むものだ。男子はどうなのだろうか、彼氏彼女とかそういう色事を気にするものか

まぁいくら思ったところで、彼氏いない歴=年齢の由良には関係無いか


 由良は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→後ろから男子に声をかけられた
 偶数→ひとりで家に帰った


「あのー」

由良「……」スタスタ

「ちょ、いつもボールくらう人ー!」

由良「えっ、私?」


見るとそこには男子がいた。サッカー部の奴だ。いつもボールくらうとか失礼にもほどがある。まだこの中学に入学して10回くらいだぞ

確かコイツはいつもボール拾いに来てた覚えがある


「なんだよ岸辺、ナンパか?」

岸辺「ちげーよ。この人にいっつもボール当ててるだろ」

「え、マジ? ああマジゴメン。つい飛ばしちゃって」

由良「……別に」


岸辺「今度から気を付けるから! それじゃ!」

「なぁ今日岸辺んちで遊ばね?」

岸辺「えっ!? あ、ウチ親が厳しくて遊べないんだよねー……」

「マジかーじゃあゲーセン行く?」

「今日はウザい高校生いないといいな」


サッカー部の連中の背中を見送り、ぽつんと取り残される。サッカー部ってやつはアグレッシブな奴らだなぁと思う


由良「……ま、次も避けるし」


翌日、由良はまたボールをくらう羽目になることを知らない


・・・・・・

~王結寺~


ルーラ「マニュアルは読んで来た?」

ブギーポップ「捨てた」

ルーラ「アホぉぉぉぉぉぉぉ!!」ボカッ

ブギーポップ「教えたいなら口頭で説明してよ」ヒリヒリ

ルーラ「はぁ……ホントアホコイツ。仕方ないわね。耳の穴かっぽじってよく聞いて覚えなさい」

ブギーポップ「(教えてはくれるんだ……)」


ルーラ「いい? 魔法少女も人間も結局は同じよ。誰かが率いてこそその真価を発揮するの」

ブギーポップ「あんた以外がね」


ボカッ


ルーラ「私がお前や他のバカ共の面倒を見てやってるのも、善意からよ。ありがたく思いなさい」

ブギーポップ「ありがた迷惑って言葉知ってる?」


ボカッ


ルーラ「アンタ達は幸運よ。こうして優れたリーダーに巡り合えたんだから」

ブギーポップ「え、どこにいるの? ちょっとーせっかくお仲間になってあげたんだからそのリーダーさん紹介してよ~」


ボカッ


ルーラ「いい? 魔法少女は変身前の姿を知られてはならないわ」

ブギーポップ「なんで?」

ルーラ「もしアンタの正体を知った魔法少女がアンタと敵対してる奴だとしたら? ソイツはアンタのリアルに踏み込んでくるわ。最悪身内に危害を加えないとも限らないでしょ」

ブギーポップ「あーなるほど」

ルーラ「まぁ私はその辺キチンとしてるから、アンタも私を見習いなさい」

ブギーポップ「リアルに失うものがないの? ニート?」

ルーラ「……」ボカッ

ブギーポップ「いっつ……図星なんだ! やーい!」

ルーラ「ちがわい!」ボカッ


他の者を見る。誰も彼も思い思いにテキトーに過ごしているようだ。おいリーダー

スイムスイムはルーラの横で正座して微動だにしない。ただルーラの言葉を耳に入れ、頷いている

たまは隅っこで体育座り。ポッキーを食べている

ミナエルとユナエルはゲームで遊んでいた

なんというか、本当に自由な連中だ。ボロ寺の中でお菓子を広げてゲームなど、まさに不良だぞ


ルーラ「あー疲れた。アホの相手は疲れるわ」

ブギーポップ「メッチャ分かるわ。私もつい数秒前までそれしててさ、ホンット疲れるよね」

ルーラ「フンッ!」ボカッ

ブギーポップ「うえぇ~リーダーが虐める~」


 ブギーポップは……>>382
 
 1.スイムスイムに泣きついた
 2.たまに泣きついた
 3.ピーキーエンジェルズに泣きついた

2


たま「えっ!? あっ……」

ブギーポップ「ひどくない? ことあるごとに殴って来るんだよ? 私何もしてないのにさ、素直に聞いてたよ」

たま「それは酷いね……」

ルーラ「アホ! 嘘吹き込むな!」ボカッ

ブギーポップ「いぎっ、ほら!」

たま「よ、よしよし」

ブギーポップ「ああぁ~……たまママ……たママ…………二等兵?」

たま「?」

ルーラ「え、たま、知らないの?」

たま「なにが?」

ブギーポップ・ルーラ「……マジか」


たまは気弱な奴だ。魔法少女になって自信がつき、どうどうとできるようになったブギーポップとは違う

もしかしたらリアルでは尊大な奴で、魔法少女のキャラというやつだろうか。それとも素か

由良も少し涙もろい部分はあるが、たまは常に涙目な気がする。あと、たまに語尾が「にゃ」になって犬か猫か分からなくなる


ブギーポップ「あ、ルーラもういいよ。たまとお話しするから」

ルーラ「あっそ」

たま「ええっ、私……面白い話とかできないよ」

ブギーポップ「いや別に面白い話してみろよとか言わないから……」


 たまに何を聞こうか……>>389

家族の話


たま「ブギーちゃん、ルーラ怖くないの?」

ブギーポップ「……ブギーちゃん?」

たま「あ、ごめんにゃ……呼びやすい呼び方しちゃって」

ブギーポップ「いや、別にいいよ。なんか一気に犬っぽくなった……」

たま「かわいいにゃ」

ブギーポップ「別にあんな見た目マジカルキャンディー怖くもなんとも……あ、そうだ。たまの家ってどんなの? 私は一人っ子でお父さんとお母さんしかいないけど」

たま「あっ…………うん、兄弟が……」


 知力(49+10=59)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→たまの表情から察する
 失敗→ブギーポップは笑顔で地雷を踏み抜くタイプ


 31……成功!

 
 
ブギーポップ「(あっ……もしかしてNGだったかな……)」


たま「お父さんとお母さんもいるけど……」

ブギーポップ「そうだそうだ! たまってなんで語尾が猫なの!?」

たま「えっ? なんでだろう」

ブギーポップ「キャラ付け?」

たま「そんなんじゃないにゃ!」

ブギーポップ「なんか本当にキャラ付けみたいになってきた……」

たま「うぅ……」

ブギーポップ「べ、別にキャラじゃないならいいんだけどね。クセとかそんなかな」


一応初対面ではないが、まだ全然お互いのことは知らない

ちょうど近くにたまがいたから話しかけたが、なんとも第一印象通りの魔法少女だった

ブギーポップは人間関係が広がっていることに驚いていた。中学生というのは同じ学校内の友達しかいないようなもので、学外に友達を持つとしたら同じ小学校だったか、部活で他校との交流か、ともかく今まで築いてきたものや学校関連なものだ

だが魔法少女は違う。学校も今までのことも関係ない。まったくのゼロからのスタート

ちょっと楽しかった。友達の輪が広がるとかそういうチープな感じだが、なかなかいいものだ


ブギーポップ「へぇ、たまは穴掘りが得意なんだ」

たま「うん。たまに化石とか発掘したり」

ブギーポップ「ま、マジ……?」


 たまからの質問……>>401

>>400


たま「ブギーちゃんは?」

ブギーポップ「私? うーん……得意といえば、模型作りとか」

たま「プラモデル?」

ブギーポップ「そういうのとは違って、食品サンプルって分かる?」

たま「レストランとかで見るにゃ」

ブギーポップ「アレを作る感じで、お菓子とか装飾とか、可愛いのを作るの」

たま「すごーい! 可愛いものを作るのが得意なフレンズにゃ」

ブギーポップ「……う、うん」

たま「私でもできるかにゃぁ」

ブギーポップ「最初はグチャグチャになっちゃうけど、慣れれば面白いよ」


ルーラ「あ、そうだバカ共、明日は〇〇海岸集合ね」

ミナエル「え、どっか行くの?」

ユナエル「海水浴? こんな季節に~?」

ブギーポップ「アホのクセに難しい事考えたから頭がオーバーヒートしちゃったんでしょ。今から1人で行って冷やしてきなさいよ」


ボカッ


ルーラ「訓練よ訓練! 魔法少女として、アンタ達を鍛えてやるって言ってんの!」

ブギーポップ「早く言えよ……」ヒリヒリ

ミナエル「いや~ブギーがルーラに殴られてるお陰でこっちに飛び火しないで済んでるよ」

ユナエル「ブギーマジディフェンダー」

ブギーポップ「好きで殴られてるわけじゃ……つい煽っちゃうだけで」


ルーラ「というわけで、明日の同じ時間に来なさいよ。来なかったら……分かってるわね?」ギロッ

ブギーポップ「なんで睨むのよ。行きますよ行きゃいいんでしょ」

ルーラ「よろしい。それじゃ今日は帰るわ」

スイムスイム「私も……」

たま「あ、じゃあ私も」

ブギーポップ「(これ以上ここにいる意味は無いな)」


 ルーラとたまの信頼度が上がった!
 
 ルーラ:04
 たま:05


・・・・・・

~翌日~


由良「ぐえぇ!」

岸辺「あ、また当たっちゃった……」

由良「だ、大丈夫……頭ぐわんぐわんするだけ……」ガクッ

岸辺「ちょっ、おい保健室!」

「なんだよ岸辺、エッチか!?」

岸辺「アホ! ちげーって!」

「あっちゃー……マジか。岸辺謝っといて」

岸辺「ったく……立てる?」

由良「う、うん」


「大丈夫? とりあえず冷やしなさい」

由良「はーい……というかもう大丈夫なんですけど」

岸辺「いやホントごめん。まさかまた当たるなんて思わなくて」

由良「……わざとこっちに蹴ってない?」

岸辺「いやそんなことは」

由良「ならいいけど……」

岸辺「そういえば名前聞いてなかった……」

由良「……葉々木由良。3年生」

岸辺「えっ、先輩!? ああっ、えっと……」

由良「別にいいよ。今更そんな」

岸辺「うへぇ……僕は岸辺颯太。2年生で、先輩だとは」


・・・・・・


由良「ねぇファヴ」

ファヴ「どうしたぽん?」

由良「魔法少女になったのはいいけど、皆こんなにダラダラ過ごしてるの?」

ファヴ「それは十人十色ぽん。寝ずに人を助けまくってる魔法少女もいるし、ルーラ達みたいにダラダラしてるのもいるぽん」

由良「ふーん……それでいいもんなの?」

ファヴ「さぁぽん」


まだ約束の時間まではかなりある。何かするには十分な時間だ


 >>414
 
 1.自分の魔法の研究
 2.チャットルームに顔を出す
 3.キャンディー集め


そういえば初回以来チャットルームにログインしていない。他の魔法少女との交流というのもいいかもしれない

早速魔法の端末を操り、ログインしてみた

チャットルームにはまた知った顔がいる。ねむりんとクラムベリーは常にいるようだ。というかクラムベリー、ずっとバイオリン弾いててBGM係みたいになっている


 チャットルームには……>>直下コンマ一桁
 
 1~3→その2人だけ
 4~6→シスターナナとウィンタープリズンもいる
 7~9→上記にスノーホワイトとラ・ピュセルもいる
 0→上記にリップルとトップスピードもいる


ねむりん「おや、ブギーポップじゃないかい」

ブギーポップ「今日は2人だけ?」

ねむりん「いつもチャットルームに沢山いるわけじゃないしね~」

ブギーポップ「2人はいつもいるよね」

ねむりん「ねむりんは暇だから~」

クラムベリー「私も、暇なので」

ブギーポップ「へ、へぇ……」


 どちらに話しかけるか……>>421
 
 1.ねむりん
 2.クラムベリー


ブギーポップ「ねむりんはなんでまたずっとチャットに?」

ねむりん「やることないし~チャットで皆と話すのが楽しいから」

ブギーポップ「キャンディーとか……」

ねむりん「夢の世界でカンスト目指してるんだ。ねむりんの魔法は夢の世界で自由に動ける魔法だから」

ブギーポップ「うおお……」

ねむりん「だからもしかしたら、いつかブギーポップの夢にも入るかも」

ブギーポップ「その時はまぁ、お手柔らかに……?」

ねむりん「うん~」


 ねむりんの信頼度が上がった!
 
 ねむりん:03


ついねむりんと話し込んだ。皆がどんな人かも、ねむりんはチャットルームでずっと見て来たらしい

誰が誰と仲がいいとか、誰がこういうことをしてるとか。ぶっちゃけルーラより役に立つし頼もしい

ねむりんの部下になりたいと言うと、ねむりんは笑って「ルーラが泣いちゃうよ~」と諭してくれた


ブギーポップ「ねむりんはなんでも知ってるんだね」

ねむりん「まぁ伊達にチャットルームの主やってないからね。あ、でもクラムベリーの方が先輩だ」

クラムベリー「私はあまり誰かと交流しないので、ねむりんの方がここを知り尽くしてますよ」

ブギーポップ「……あ、そろそろ時間だ」

ねむりん「おや、約束事かな?」

ブギーポップ「うん。それじゃね、ねむりん」


・・・・・・


たのしい時間は終わり、これからは真面目な時間だ。〇〇海岸はこの街の唯一の海水浴スポットであり、この時期、ましてや夜に人はいない

魔法少女が活動するにはうってつけと言えるだろう。そういう場所のリサーチは得意なようだ

砂浜につくと、そこにはルーラとスイムスイムとたまがいた


ルーラ「ちゃんと来たようね。あのバカ2人がいないけど……」

スイムスイム「遅刻?」

たま「まだ約束の時間まで5分あるし……」


結局ユナエルとミナエルは約束に15分遅れてきた。案の定ルーラに「組織の一員なら時間くらい守りなさい!」と怒られていた


ルーラ「さて、早速始めるわよ」

ブギーポップ「わーい! スイカ割りしようよー! お前スイカな!」

スイムスイム「……」ガシッ

ブギーポップ「げ」

スイムスイム「……だめ」

ブギーポップ「べ、別に本気で殴りにかかったわけじゃないし……」

ルーラ「ご丁寧にバット持った奴が言うことか!」ボカッ

ブギーポップ「っつ、そっちは殴っていいのかい!? こっちは何もしてないのに!」

ルーラ「ただでさえバカ2人のせいで遅れてるんだからこれ以上時間を無駄にするな!」ボカッ

ブギーポップ「っ、なんだとぉ! やっぱスイカになれ!」

ルーラ「お前がなれ!」ボカッ

ブギーポップ「3回も殴った! あのやずやでさえ2回なのに!」


ルーラ「ったく……今日は各自の戦闘訓練よ」

ミナエル「え、戦うの?」

ユナエル「誰との想定よ」

ルーラ「誰ともよ。魔法少女の中には危険なのもいるって分かってるでしょう」

ミナエル「あ~確かにカラミティ・メアリとかおっかないよねー」

ユナエル「マジビビるよねー」

ブギーポップ「ルーラもビビッてたりして」

ルーラ「……」ボカッ

ブギーポップ「っつぅぅぅ……そろそろたんこぶできるよこれ!」

ルーラ「とにかく、もしもの時に備えて今から訓練よ!」


ルーラの訓練は実践的だった。魔法を利用してどう相手と立ち回るかの訓練だ

明らかに体育会系でないこのグループでそんなことしなくちゃならないのかという声は勿論あがる


ルーラ「じゃあアンタ達死んでもいいのね?」

ミナエル「別に魔法少女はちょっとやそっとじゃ死なないし」

ルーラ「そう……なら、たま」

たま「にゃ?」

ルーラ「ちょっと一発ミナエルの腹に穴空けなさい」

ミナエル「ちょ!? やだやだ! 死んじゃうじゃん!」

ルーラ「そういうこと。魔法少女の魔法は下手したら一撃で致命傷になるわ。そのための訓練よ」

ブギーポップ「やるしかないのか……」

ルーラ「とりあえずどんな相手とも戦ってもいいように、交代で組手しなさい」


 ブギーポップの相手は……>>437

ksk


スイムスイムはミナエルと、たまはユナエルと組手を始めた

ということはブギーポップの相手は……


ルーラ「さて、ボコ殴りにしてあげるわ」

ブギーポップ「もうなってるんだけど……」

ルーラ「これは私の訓練も兼ねてるんだから、ちゃんと相手しなさいよね」

ブギーポップ「(……ん? もしかして、今ならルーラをボッコボコにしてもかまわない…………)」ニヤッ

ルーラ「行くわよ、ルーラの名のもとに命ずる、動くな!」

ブギーポップ「ぐっ……! でもそっちだって動けないだろ!」

ルーラ「よーいドンで走り出す選手より既に5mでも走り出した選手の方が速い……つまり、私はまず初速を奪っているのよ」

ブギーポップ「なにわざわざ説明してるの? それBLEACHだと負けフラグだよ? しかも自分もポーズ決めてなきゃだから初速は同じじゃん。ルーラの魔法って誰かといること前提じゃん」


ルーラ「ふっ……それくらい分かってるわよ」

ブギーポップ「(なっ!? ルーラがちょっとずつ距離を縮めてきている!? しかもポーズが崩れていない!)」

ルーラ「私はポーズを保ったまま、アンタに近付くわ!」

ブギーポップ「…………ブッ、ひっひっひひひひひ!! ちょ、ポーズ保ったままチョコチョコ動かないでよ! クッソ滑稽なんですけど!!」

ルーラ「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」

ブギーポップ「(ッ、魔法が解けた! 今なら!)」


 身体能力(47+10=57)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ルーラの攻撃を避ける
 失敗→殴られる


 21……成功!

 
 
ブギーポップ「当たるかっての!」ヒョイッ


ルーラ「くっ、動くな!」

ブギーポップ「またぁ!?」

ルーラ「ふっふっふ……こうして追い詰めてやるわ」

ブギーポップ「(確かに後ろは海……追い詰められたと思った方がいいかも)」

ブギーポップ「どうしたの? 息上がってるけど、もしかしてポーズとって疲れた? 年?」

ルーラ「このクソバカがぁ! 顔の形変えてやるわ!」

ブギーポップ「それに、忘れてない? 私の魔法……」


ルーラに負けるのはいやだ。プライドが許さない。だがこのまま海に逃げ込むというのは無理だし、このままでは負けそうだ

いや、負けない。諦めない。なんとかしてルーラに膝をつかせてやりたいんだ


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔法発動。ルーラに一撃入れる
 失敗→ルーラディストラクション


 94……ファンブル

 
 
魔法発動。偶然ルーラの踏んだ砂浜は柔らかいところだったらしく、姿勢が崩れる。魔法が解けた



ブギーポップ「もらったぁぁ!!」

ルーラ「ふっ……バーカめぇぇ!」

ブギーポップ「ぐええぇっ!?」


カウンターを入れられた。ルーラは魔法によって自分のポーズが崩れるのを読んでいたようだ

手の内が分かっているのだから利用しない手は無い。ルーラは合理的だ。魔法が解けたことによってブギーポップの油断を誘発したのだ


ルーラ「はぁぁ!」ドカバキ

ブギーポップ「ぐえぇぇ! やめていたいいたい!」

ルーラ「今までの無礼の分だぁぁ!!」ドカバキ


ブギーポップ「」プシュー

ルーラ「はぁっ、はぁっ……ふっ、アンタみたいに自意識過剰な奴はこういう風に痛い目を見るのよ。ラッキーだったわね、相手が私で」

ミナエル「ふぅ、スイムちゃん強かったぁ……負けちゃったよ」

スイムスイム「とりあえず組み敷けば勝ちって言ってたから、その通りにした」

ユナエル「たまマジ弱い」

たま「うう……って、ブギーちゃん!?」

ミナエル「なにこれ、変死体?」

ルーラ「こんな程度で魔法少女は死なないわ。数日傷が残るかもしれないけど」

ブギーポップ「」ピクピク

ユナエル「うわっ、動いた!」

スイムスイム「ブギーポップ……弱い?」

ミナエル「へぇ~じゃあしばらくパシリかな? よかったねーたま、たまより格下が出来たよ」ニヤニヤ


ブギーポップ「……」

ルーラ「どう? 力の差が分かったかしら? 分かったらこれからは私に生意気な口を叩かないことね」

ブギーポップ「……ふん」

ミナエル「おおー反抗的」

ユナエル「ブギーマジリベンジャー」

ルーラ「じゃあ次、相手を変えて組手よ!」


 次の相手は……>>474

たま


たま「だ、大丈夫?」

ブギーポップ「……多分。でも今ならたま勝てるんじゃない」

たま「ええぇ……それはちょっと」

ブギーポップ「(勝てるのに躊躇するってどういうこと?)」

たま「とにかく、組み敷けば勝ちみたいだから、いくね!」

ブギーポップ「はぁ!? 組み敷けば勝ちなの!? ルーラの野郎!!」

たま「えいっ!」


 身体能力(46+10-20=36)……>>直下コンマ二桁
 (ダメージ-20)
 
 成功→たまを組み敷く
 失敗→たまに組み敷かれる


 62……失敗

 
 
ルーラにも手心があったようで、骨が折れていたりはしていない。だが体の節々が痛い。動くのに問題は無くても痛みで動きが制限される


たまは目を瞑って飛びかかってきた。まったくもって隙だらけだ


ブギーポップ「(これなら――)」


簡単に捌ける。そう思ってたまを避けようとすると、足が踏ん張れなかった。痛みで弱っている

たまが抱き着いて来て、ギュウウと締められる


ブギーポップ「いったぁぁあぁ!!」

たま「うわぁぁ!?」


負けじとこちらも抱き返し、2人で砂浜をゴロゴロと転がった


2人とも目を回し、結局たまが上になって止まった


ブギーポップ「ううぅ……」

たま「うっ……!」

ブギーポップ「え、ちょ、やめて! それだけはやめてぇ!! いやだ! やだやだやだ!!!!」


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔法発動。たまの吐き気が収まる
 失敗→現実は非常である


 63……成功!


たま「………………」プルプル

ブギーポップ「やだやだやだやだやだ!」

たま「………………ふぅ……」

ブギーポップ「ほっ」

たま「あ、勝ったにゃ!」

ブギーポップ「もう、いいよそれで……」ヘナヘナ


痛みと引き換えに学んだことがある。自分の魔法はルーラのように手を打たれると、一転こちらが不利になるのだ

負けじゃんそれ! 話と違うぞ、責任者出てこい!!

と言いたいが、ルーラにしてやられた時には自分は完全に油断していた。諦める諦めないではなく、そういう感情が沸き起こる状況ではなかったのだ。つまり油断大敵


ミナエル「あー喉乾いた。あ、ブギーちょっとジュース勝ってきてよ。リンゴね」

ユナエル「あ、こっちブドウ」

スイムスイム「……みかん」

ルーラ「じゃ、緑茶で」

ブギーポップ「ぐぬぬ……! 怪我人だぞ……」

たま「あ、私も一緒に行くにゃ」

ブギーポップ「ありがとぉ……たまぁ……」


たまと共に近くの自販機に行き、リンゴジュース、ブドウジュース、みかんジュースとたまにもスポーツドリンクと、自分用の緑茶を買って戻った


 ルーラの訓練で身体能力が1上がった!(47)


・・・・・・


あの訓練から数日が経ち、週末になった。魔法少女になっても学校にはちゃんと行き、たまに王結寺に顔を出し、ほんのたまにキャンディーを集める

キャンディーの総数は150個。多いのか少ないのか


由良「そういえば今日ってファヴからなんか重大発表があるって言ってたけど……なんだろう」


と、ルーラから連絡が入った。すぐに王結寺に来いとのことだ。重大発表を皆で見ようというナデシコの次回予告的なものだろうか

断る理由も無かったのでとりあえず王結寺に向かった


ミナエル「あ、やっほーパシリ」

ユナエル「お菓子買ってきてよ」

ブギーポップ「パシリじゃない!」


 ルーラ組の信頼度が上がった!
 
 ルーラ:05
 スイムスイム:04
 ミナエル:04
 ユナエル:04
 たま:06


ファヴ『みんな集まってるぽん?』


発表の時間になった。チャットルームには総勢16人の魔法少女がいる。中には知らない顔もいた


ファヴ『あ、1人足りないと思ってるぽん? 彼女もちゃんと活動はやってて今日の発表も知ってるぽん』

ミナエル『なになに特別扱い?』

ユナエル『特定のユーザー贔屓とかクソ運営かよ』

ファヴ『それじゃ発表に移るぽん! えー、皆魔法少女として思い思いに活動してると思うぽん。だけど、ちょっと人数が多すぎてこの土地の魔力が枯渇しそうぽん』


ルーラ「っ、まさか……」

ブギーポップ「え?」


ファヴ『というわけで、増えすぎた魔法少女を半分に減らすぽん!』


スノーホワイト『ええっ!?』

ラ・ピュセル『どういうことだそれは!』

ファヴ『いや~まさかこんなことになるなんて、申し訳ないぽん』


ミナエル「えーマジぃぃ!?」

ブギーポップ「…………」

たま「ブギーちゃん、驚かないの?」

ブギーポップ「いや、驚いてるけど……まぁ残念だなーって」


ファヴ『というわけで、非常に申し訳ないんだけど、半分……といっても奇数なので、9人減らして8人にするぽん』


ああ、そういう事情か。ならこちらは喜んで脱落しよう。元々退会する1ヶ月を待っていた身だし、新しく出来た友達を失うのは惜しいが、夢を見させてもらったということで


メアリ『で、どうやって減らすんだい?』

ファヴ『来週から一週間ごとに、マジカルキャンディーの総数が一番少なかった魔法少女から脱落になるぽん』

シスターナナ『キャンディーが……?』

ファヴ『魔法少女の本懐は人助けぽん。その人助けを怠り、好き勝手過ごしてた魔法少女が脱落していく正当な判断基準のシステムぽん』

ブギーポップ『好きにしろって言ってたくせに』

ファヴ『好きにしろとは言ったけど、ファヴはこうも言ったはずぽん。人助けをしてキャンディーを集めるのが使命だって』


他がどれだけ集めているかは知らないが、まぁまずこのキャンディーの数なら脱落第一号は待ったなしだろう。むしろ1ヶ月経つ前に辞められていいかもしれない


ファヴ『というわけで今日の発表はここまで! 皆、次回の脱落者発表でまた会いましょうぽん~』


ミナエル「ちょ、ヤバくね? ウチらキャンディー全然集めてないし」

ユナエル「脱落かぁ~……やだなぁ」

ルーラ「脱落なんかさせないわよ」

ブギーポップ「私は別に脱落でも……」

ルーラ「私のチームから脱落者なんて情けないことができるわけないでしょう! アンタも働きなさい!」

ブギーポップ「えぇー……」

ルーラ「いい? とりあえず今週は毎日キャンディー集めよ。文句は!?」

ブギーポップ「はーい、ルーラの頭ってキャンディーみたいだからそれ狩れば1000個分くらい集まると思いまーす!」


ボカッ


ルーラ「今日は解散でいいわ。明日はここじゃなくてまた別のところに集合よ。いいわね」

ブギーポップ「はーい……」ヒリヒリ

ミナエル「はぁ……めんどー」

たま「皆、脱落は嫌だにゃ……」

ユナエル「ま、キャンディー沢山集めりゃ脱落はしないっしょ」

ブギーポップ「そうそう。もしかしたら脱落してもいいって人いるかもだし、もしかしたら『私が脱落します』って申し出る人もいるかも」


とりあえず家に帰り、ファヴに今すぐ脱落したい旨を伝えた。が、ファヴはちゃんとやれの一点張りで脱落させてくれない

どういうことだと不思議に思ったが、まぁ集めなければ自然と脱落だ。気長に来週を待てばいいだろう


・・・・・・

~翌日~


由良「今日は……あれ、飛んでこない」


下校中、校庭の横を通り過ぎたがボールが飛んでこなかった。ラッキーな日もあるもんだ

と、よく見ると颯太はいないようだった


由良「休みかな?」

「ったく岸辺帰っちゃったよ」

「仕方ないよ。おばあちゃん倒れたらしいし、しばらくは部活に顔出せないってさ」

「大会迫ってんのにな~」


ルーラから連絡があった。××地区の工場に来るようにとのこと

何故工場と首を傾げるが、まぁ呼ばれたら行くか

夜を待ち、工場へと向かった


ルーラ「来たわね、じゃあここにある奴を片付けるわよ」

ミナエル「なにこれ? なんか臭うんだけど……」

ルーラ「この工場が出してた産業廃棄物の処理を怠っていて、近隣から苦情が来てるらしいのよ」

ユナエル「どうやって片付けんの」

ルーラ「簡単よ。工場に戻してやるの」

ユナエル「え、どうやって」

ルーラ「まずこの工場を潰すわ」

ユナエル「えええぇぇえぇ!?」


ルーラ「まずこの工場を破壊して、産業廃棄物は建物の地下に埋めるわ」

ブギーポップ「それメチャメチャ環境に悪いじゃん」

ルーラ「今更環境を気遣うの?」

ブギーポップ「いやそういうわけじゃないけど」

ルーラ「で、とりあえずここの臭いに迷惑してた住人は困りごとが無くなるでしょ。次にここの工場の職員の再就職先の斡旋よ」

ユナエル「なんで?」

ルーラ「工場の人が困ってるでしょ」

ブギーポップ「あの、それ……マッチポンプ」

ルーラ「なにか言った?」

ブギーポップ「いえなにも」

ルーラ「私の魔法なら、どこかの経営者にここの連中を雇えと命令することくらい簡単よ」

ユナエル「マジクール……」

ルーラ「はい、ちゃっちゃかやる!」


まず一晩かけ、工場を破壊した。たまに穴を掘ってもらい、瓦礫と産業廃棄物をそこに捨て、埋める

次の日に工場に行くと、絶望する経営者と従業員達がいた。自分の職場が無くなっていたらそりゃそうなるだろう


ルーラ「アンタ達、安心しなさい。工場が潰れて困っているでしょう? 私が再就職先を用意しておいたわ」

「あんたは?」

ルーラ「私達は魔法少女。困った者達に手を差し伸べる者よ」

ブギーポップ「(自分で困らせたくせに……でもキャンディーがメチャクチャ貯まってる。すげぇ)」


ルーラは適当な企業に従業員を連れて行き、魔法を使い雇わせた

工場の人間にも家族がいる。その家族の困りごとも解決してキャンディーも貯まった

ひでぇ計画だが、成功だ


 貯まったキャンディーの数……>>直下コンマ三桁x2


ブギーポップ「今回のだけで748個……手持ちと合わせて898個……かなり貯まってる」

たま「私、もっと貯まってる……」

ブギーポップ「どんだけ仕事したかの歩合制かぁ……たまは穴掘って活躍したしね」

ルーラ「まだまだ足りないわ。アンタ達バカ共のために、明日もキャンディーの効率的な集め方を考えてくるから、今日は解散よ」

ミナエル「いやーマジ、あの潰れた工場を見る奴らの目、ヤバかったよね」

ユナエル「マジヒーローだね私達」

たま「いいのかなぁ……」


解散だ。今日は早く解散したおかげで時間が空いている


 >>521
 
 1.ルーラ組の奴とお話しよう
 2.自分で適当に人助けしよう
 3.他の魔法少女とコンタクトを取ろう

3


去りゆくルーラ達の背中を見送り、魔法の端末を取り出した

そういえば実際にあったのはルーラ達だけで、他の魔法少女を見たことがない。もしかしたら本当は電脳世界だけの存在で本当は自分達しかいないと言われれば一瞬信じてしまいそうだ

チャットルームでは1人を除いて全員と顔を合わせている。連絡を取ることは可能だ

別にルーラ組とはいっても、ルーラ達以外と接してはいけないなどとは言われていない


 誰とコンタクトを取ろうか(アリス以外)……>>525

スノーホワイト


強そうな奴にコンタクトを取るのはまずいだろう。下手に刺激して競争相手だという目で見られたら困る

ここは弱そうな奴を…………いた

連絡先、スノーホワイト

内容、今から会えますか

送信


ブギーポップ「確かスノーホワイトとラ・ピュセルはコンビだったよね。情報交換できたら……」


もしかしたらルーラに良い情報を渡せるかもしれない。あんなに頑張ってるんだったらちょっとは協力してやってもいいだろう

ブギーポップは「いいですよ。〇〇の鉄塔で」という返信が来るとすぐさま駆け出した


・・・・・・


鉄塔に行くと、そこには案の定スノーホワイトとラ・ピュセルがいた。ラ・ピュセルは警戒しているようだ

そういやルーラ組ってあんまり他の魔法少女からの評判はよろしくないらしいとねむりんが言っていた。新入りとはいえ自分もルーラ組か


ラ・ピュセル「何の用だ?」

ブギーポップ「何の用とはご挨拶ね。私はまだ他の魔法少女達を知らないだけよ。見ての通り新入りだから」

ラ・ピュセル「ルーラに言われて来たのか?」

ブギーポップ「別に、ルーラとはさっき別れて今はオフ」

スノーホワイト「あの、要件って?」

ブギーポップ「うーん……>>530

友達になろう

それはそうとスノーホワイトちゃんメッチャ可愛いね(イケボ)


ブギーポップ「私達魔法少女は単なるキャンディーの競争相手じゃない。≪トモダチ≫だよ」

スノーホワイト「はぁ」

ブギーポップ「というわけでお友達になろう、スノーホワイト」

ラ・ピュセル「お、おい!」

ブギーポップ「あ、ラ・ピュセルは別に」

ラ・ピュセル「はぁ?」

ブギーポップ「(なんとなくからかい甲斐がありそうだし)」

ブギーポップ「それはそうと、スノーホワイトって可愛いね」

スノーホワイト「ど、どうも……?」


魔法少女だから可愛いのは当たり前だが、ここまで言っておけば怪しまれないだろう

スノーホワイトに近付き、彼女の手をニギニギ。まったく怪しくない友好的な魔法少女だ

若干引かれてるような気もラ・ピュセルの警戒が増した気もするが気にしない気にしない


ブギーポップ「そうそう、キャンディーどれくらい集まってる?」

ラ・ピュセル「やっぱりそれが目的か」

ブギーポップ「だって今のトレンドといったらそれだけだし」

スノーホワイト「えーっと……ちょっと待ってね」


スノーホワイト「ねぇそうちゃん、どう思う?」

ラ・ピュセル「怪しすぎる……気を付けて。あとそうちゃんって呼ぶな」

スノーホワイト「だよね……なんか手を握られたし」

ラ・ピュセル「まさか……!」

スノーホワイト「どうしたの?」

ラ・ピュセル「い、いや。大丈夫なんでもない。お母さん思い浮かべるから大丈夫」


ブギーポップ「コソコソ話終わった?」

スノーホワイト「あ、うん。私のキャンディーは……大体2万くらい」

ブギーポップ「はぁ!!?!??!?」

ラ・ピュセル「なんだよ、大きな声を出して」

ブギーポップ「え、いや……あの、はぁ!?」

スノーホワイト「?」

ブギーポップ「………………」

スノーホワイト「ブギーポップは?」

ブギーポップ「…………」


なんだか恥ずかしくなった。キャンディーもうちょっとで1000だぁなんて思ってた自分は小さすぎる。桁からして違う。これはひどい

スノーホワイトが脱落することはまずないだろう


ラ・ピュセル「何個だ?」

ブギーポップ「……………………ご、五千……くらい……?」

スノーホワイト「へぇ」


見栄を張った。まるで意味の無い見栄を


ブギーポップ「スノーホワイトって凄いんだね……」

スノーホワイト「でもラ・ピュセルと一緒に行動してるからで、1人だと全然だよ」

ラ・ピュセル「いや、スノーホワイトのお陰でこんなに集まってるんじゃないか」

ブギーポップ「さいですか……」


とりあえずスノーホワイトとは他愛もない話をした

キャンディーをどうやって集めてるとか、コツとか。だがそれはスノーホワイトの困った人の心の声が聞こえるという魔法によるもので、とても他の魔法少女が真似できるものではない。まさにこの競争のためにある魔法じゃないか


ブギーポップ「なるほど、ラ・ピュセルは金魚の糞と」

ラ・ピュセル「なんだとぉ?」

ブギーポップ「お、図星つかれた? 気にしてたのかな?」

ラ・ピュセル「貴様……!」

スノーホワイト「ラ・ピュセル。ブギーポップも……」

ブギーポップ「失敬失敬」

ラ・ピュセル「やっぱりコイツは注意した方がいい」

ブギーポップ「別に私はラ・ピュセルはからかうと面白いって思っただけでスノーホワイトに危害なんてそんなそんな」


しばらくしてスノーホワイト達はキャンディー集めに行き、ブギーポップはひとり鉄塔に取り残された

一緒に行こうかなとも思ったが、ラ・ピュセルが獣のように睨んで来たのでやめておいた


ブギーポップ「はぁ……煽るの楽しい」


 スノーホワイトとラ・ピュセルの信頼度が上がった!
 
 スノーホワイト:03
 ラ・ピュセル:03


・・・・・・

~翌日~


今度は山に来いと言われた。まったく、ボロ寺でウジウジしてる方が性に合うと思うのだが

集合場所にいるとスイムスイムがいないことに気が付いた


ブギーポップ「あれ、あの無口ピンクは?」

たま「遅れてくるって」

ルーラ「まったく! なにが集合が明日だと思ってた、よ! 毎日キャンディー集めるって言ったのに!」

ミナエル「スイムちゃんが遅刻なんて珍しいよね~」

ブギーポップ「こんなリーダーの下じゃだらけもするよ」

ルーラ「あん?」ボカッ

ブギーポップ「ぐえっ」


ブギーポップ「あ、そうそう。昨日あの後スノーホワイトと会ったんだけど」

ルーラ「はぁ!? なに勝手な事してるの!」

ブギーポップ「だって別に会うなとは言われてなかったし」

ルーラ「ハァ~~~~……ホントアホ」

ブギーポップ「は? 自己紹介なら他所でやってよ。とっくに分かってるから。ルーラはアホだって」


ボカッ


ルーラ「組織の人間が勝手に他の組織と話すって、それ下手したら裏切り行為よ!」

ブギーポップ「いやだって敵対してないし、適当に情報貰って来ただけだし……」

ルーラ「情報? なによ」

ブギーポップ「殴ったから教えない」


ルーラ「なに子供みたいなこと言ってんの。早く教えなさい」

ブギーポップ「え~~~結構重要な情報だからなぁ~それ相応の態度ってのが無いとなぁ~~」

ルーラ「………………」ボカッ

ブギーポップ「いったぁ! 暴力振るったから絶対に教えないぞ! 『すみませんでしたブギーポップ様』って頭を下げるまで絶対教えてやらないからな!」

ルーラ「コイツ……!」プルプル

ブギーポップ「ほら言ってみなよ。それともまた殴る? こんな重要な情報を知りたくないなんてルーラはバカだなぁ」

ルーラ「ぐぎぎぎぎ……!」


 ルーラは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→頭を下げてきた
 偶数→殴りかかってきた


ルーラ「…………す」

ブギーポップ「ん~? 聞こえない~」

ミナエル「え、マジ? ルーラついに頭下げちゃうの?」

ユナエル「ブギーマジクール」

ルーラ「…………す、す……」

ブギーポップ「すから先が聞こえないなぁ~? 次の言葉は~?」

ルーラ「……す、す……す、死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」ボカッ

ブギーポップ「ぎゃあぁ!」

ルーラ「このっ! このっ! 誰がお前みたいなバカに頭なんか下げるか! 早く教えろ!」ドカバキ

ブギーポップ「絶対教えない! スノーホワイトの魔法のこととか、絶対教えない!」

ルーラ「スノーホワイトの魔法?」ピタッ

ブギーポップ「あっ」


ルーラ「………………どんな魔法だった?」

ブギーポップ「だから教えないって」

ルーラ「競争相手の情報よ! 全員の為にも教えなさい!」

ブギーポップ「ちぇー……なんでシリアスムードなのよ……スノーホワイトの魔法は『困った人の心の声が聞こえる』ってやつだから、今彼女はキャンディー2万も持ってる」

ミナエル「えぇぇぇ! 2万も!?」

ユナエル「暇人かよ!」

ブギーポップ「で、スノーホワイトはラ・ピュセルと行動を共にしてて、魔法を使ってキャンディーを効率よく集めてるから多分脱落しないと思う」

ルーラ「そう…………分かったわ」

ブギーポップ「だからはやくマウントやめて」

ルーラ「ったく仕方ないわね」


トップスピード「おっ、あれかー!」

ルーラ「は? トップスピード?」

たま「あ、スイムちゃん」

ブギーポップ「トップスピード……箒に乗って空を飛ぶ魔法少女って彼女のことかぁ!」

トップスピード「よっと、はいお待ちどう」

スイムスイム「ありがとう」

トップスピード「なにいいってことよ。にしてもこんなところ紅葉狩りねぇ……いやー余裕だな」

ルーラ「紅葉狩り?」

スイムスイム「……」

トップスピード「じゃあ俺も一緒に紅葉狩りしてやろうかな~」

ルーラ「ついてこなくていいわよ。邪魔」

トップスピード「なんだよー俺達友達だろ?」

ルーラ「誰と誰が!」

トップスピード「っと、そういうわけにもいかないんだけどな。じゃあな~!」


ルーラ「ったく……」

ミナエル「紅葉狩りか~もう今日それでよくない?」

ユナエル「だよね~」

ルーラ「じゃあアンタ達は解散でいいわよ。行くわよスイムスイム、たま」

ミナエル「ああ待って! ついていくから~!」

ユナエル「見捨てないで~!」

ブギーポップ「私何も言ってないし~!」


ルーラの行く先には大量に不法投棄されたゴミの山があった。山の中にこんなにゴミがあったとは

今度はこれを片付けるのか


ルーラ「たま」

たま「う、うんっ」


たまの魔法で山に大穴を開け、そこにゴミをブチこんで葉っぱやら枝やら土やらで隠す

これで景観はよくなった。ついでにルーラは「ゴミの不法投棄禁止!」という看板まで作って来ていたようだ


ブギーポップ「なになに、この山は市と警察がカメラで管理しています。ゴミを捨てた場合うんたらかんたら……本当?」

ルーラ「嘘よ。でもこういう看板があると人って捨てないものよ」

ブギーポップ「へー」

ルーラ「はい。今日はもう解散! 私は帰るわ」

スイムスイム「それじゃ」

たま「うん、また」


 これにより集まったキャンディー……>>直下コンマ二桁x2


ルーラが帰っていく。スイムスイムも……たまは帰ろうとしてミナエルとユナエルに捕まっていた。何か人気がどうとか言っている。ロクな話ではないと察し、すぐさま離れた


ブギーポップ「今回で102個、ついに1000突破かぁ…………そういえば、たま以外を全然知らないなぁ」


せっかく同じチームだというのに、ほとんどその場のノリでしか会話していない。お互いのことは全然知らないのだ

ちょっと寂しいと思った。なまじキャンディーを集めているせいですぐには脱落しなさそうだし、退会もできない。もうコイツらと仲良くした方が色々といいかもしれないのだ

たまとピーキーエンジェルズはどこかに行ってしまった


 ブギーポップは……>>555
 
 1.ルーラを追いかけた
 2.スイムスイムを追いかけた

2


今日はここまで

ブギーポップ「創生せよ、天に描いた星辰を――我らは煌く流れ星   
         巨神が担う覇者の王冠。太古の秩序が暴虐ならば、その圧政を我らは認めず是正しよう
         勝利の光で天地を照らせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる
         百の腕持つ番人よ、汝の鎖を解き放とう。鍛冶司る独眼ひとつめよ、我が手に炎を宿すがいい
         大地を、宇宙を、混沌を――偉大な雷火で焼き尽くさん
         聖戦は此処に在り。さあ人々よ、この足跡へと続くのだ。約束された繁栄を、新世界にて齎そう
         超新星―メタルノヴァ―
         『天霆の轟く地平に、闇はなく―ガンマレイ・ケラウノス―』」


スイムスイムを追った。チームドラクエの中で唯一交流の無いメンバーだ。「めっ」とか「だめ」とか、単語しか聞いていないし、集まってる時も無口。白スクにブーツというアッチの趣味のありそうなオープンな恰好からは考えられないくらいに

山を出て、トップスピードがやって来た方角であろう向きを見る。魔法少女の視力なら、屋上を伝う人影を探すなど簡単だ


ブギーポップ「…………見つけた」


ピンク色の髪が揺れている。あれはスイムスイムに間違いない

さて、追いかけてどうする、お話して親睦でも深めるか?


 >>588

 1.普通に近付いて話しかける
 2.コッソリ後をつけてみる


変にコソコソしても怪しまれるだけだろう。ここは普通に話しかけよう

門限でもあるのだろうか、スイムスイムのスピードは速い。こちらも本気で追いかけねば

ぐぬぬ、追いつけない。負けるか! と思ったところでスイムスイムがスピードを緩めた


スイムスイム「…………なに?」

ブギーポップ「あ、いやね」

スイムスイム「ずっとつけてきてた」

ブギーポップ「別につけてたわけじゃないよ。話しかける機会を伺ってただけで」

スイムスイム「話す?」

ブギーポップ「そう、話す」

スイムスイム「なにを?」

ブギーポップ「(この子、キャラ? それとも素……? たまは素っぽかったけど……)」


ブギーポップ「私達って一応仲間なわけじゃない?」

スイムスイム「うん」

ブギーポップ「でもお互いのこと何も知らないじゃない。ここはチームの絆的なものをさ」


まるでナンパだ。何にも無関心な感じの無表情に無意味なことをしている感覚がある。暖簾に腕押しか

だがここで引き下がれない。こっちも1ヶ月間せっかくの超人生活なら仲間とくらい仲良くしたいものだ


ブギーポップ「えーっと」

スイムスイム「……早く寝ないと、遅刻しちゃう」

ブギーポップ「遅刻? 学校?」

スイムスイム「……」コクッ

ブギーポップ「(学生か……)」

スイムスイム「それで、なに?」

ブギーポップ「>>592

ルーラとの出会いについて


ブギーポップ「スイムスイムってどうやってルーラの部下になったのかな」

スイムスイム「……魔法少女になって、ルーラと会って、部下になった」

ブギーポップ「(私と似たようなものか……ルーラが教官をつとめてたのかな)」

ブギーポップ「スイムスイムはずっとルーラの傍で正座してるけど、ウザくないの? どうせ正座しろとか言われてやってるんでしょ」

スイムスイム「ううん」

ブギーポップ「えっ、マジ?」

スイムスイム「偉い人の言葉は、正しい姿勢で聞くべし……って、ルーラが言ってた」

ブギーポップ「うわぁ言いそう。意識高い系っぽいし」

スイムスイム「ルーラは偉いから、私は正しい姿勢で話を聞く」

ブギーポップ「ルーラが偉いぃ? ぶっはっ、スイムスイムってギャグうまいね。あ、なんか同じ単語並ぶとハンマハンマみたいだからスイムちゃんでいい?」

スイムスイム「なんでもいい。ルーラは偉い」

ブギーポップ「(…………会話、成り立ってるよね?)」


スイムスイム「ブギーポップは……」

ブギーポップ「ん?」

スイムスイム「ルーラに反抗的。いけない」

ブギーポップ「いや反抗もするよ。すーぐぶってくるんだよ? 絶対ババアだねあれ。若い私に嫉妬してんだ」

スイムスイム「ルーラはおばあちゃんじゃない」

ブギーポップ「……まぁ、本当は私より年下かもしれないけどさ、なんというかババくさいんだよ」

スイムスイム「ルーラはおばあちゃんじゃない」

ブギーポップ「分かった。分かったから、無表情で睨まないで」

ブギーポップ「(スイムちゃん、ルーラのこと好きすぎない? 神様じゃあるまいし)」

スイムスイム「分かったならいい」


ブギーポップ「でもお世辞にもルーラにカリスマがあるとは思えないなぁ……天使ーズだってたまだってなんか好きで一緒にいる感じというよりは付き合わされてるというか」

スイムスイム「ピーキーエンジェルズはそうかもしれない。でもたまは違う」

ブギーポップ「えっ、いやいや、いつも涙目でルーラに怒られてるじゃん」

スイムスイム「たまはルーラをちゃんと尊敬してる」

ブギーポップ「そうなのかなぁ……よく分かんないや」

スイムスイム「ブギーポップは、ルーラのこと嫌い?」

ブギーポップ「別に嫌いってわけじゃ」

スイムスイム「いつもケンカしてる」

ブギーポップ「あれはなんというか、お約束というか」

スイムスイム「約束してるの?」

ブギーポップ「そうそう、私が煽ったらその都度殴れ――って違う! ノリツッコミさせるな!」

スイムスイム「別に頼んでない」


スイムスイムはなんというか、とらえどころがない娘だ。天然というやつなのか、それとも不思議ちゃんというやつか

ともかく普通の会話は普通にできるが、ルーラの話題だとこっちが気を遣わないとなんだか逆鱗に触れそうで怖い


スイムスイム「ルーラはお姫様だから、私はそれに仕えるの」

ブギーポップ「おっ、お、おっ、おっ姫様ぁ! あはははははは!!」

スイムスイム「……」

ブギーポップ「ごめん、お姫様だね。プリンセス。プリンセス・ルーラ」

スイムスイム「うん」

ブギーポップ「(な、なるべくルーラの話題は避けよう。スイムちゃんがルーラスキーなのはよく分かった)」


 スイムスイムからの質問……>>605

安価上


スイムスイム「……ブギーポップ」

ブギーポップ「なに?」

スイムスイム「私もルーラみたいになりたい」

ブギーポップ「さっきと言ってること違くない? ルーラに仕えるんじゃないの?」

スイムスイム「ルーラに仕えるためには、ルーラのことを全部知ってなくちゃならない」

ブギーポップ「そうかぁ?」

スイムスイム「うん。でもルーラのことを全部知ってるのはルーラだけ」

ブギーポップ「そりゃそうだね」

スイムスイム「だからルーラになりたい。正確にはルーラみたいな魔法少女になりたい」

ブギーポップ「ちょっと待って」


ルーラに仕えたい←わかる
  ↓
ルーラに仕えるにはルーラのことを全部知ってなくちゃいけない←まぁわかる
  ↓
ル ー ラ に な る 


ブギーポップ「まてぃ! やっぱりおかしいよ!」

スイムスイム「おかしくない」

ブギーポップ「……………………」

スイムスイム「どうやったらなれると思う?」

ブギーポップ「……それ、私に聞くことかなぁ? ルーラと出会って一番短いんだよ?」

スイムスイム「ルーラが言ってた。新しい人間はその組織の人間では見えないものが見ることができる」

ブギーポップ「まあそうだろうけど、ルーラなんてガミガミうるさい奴でしかないし……」

スイムスイム「…………」

ブギーポップ「(なんか期待のまなざしが……)」

ブギーポップ「……>>612

スイムがルーラになるのは不可能だよ
ルーラはルーラ、スイムはスイムなんだから


ブギーポップ「うーん……スイムちゃんがルーラになるのは無理じゃないかなぁ」

スイムスイム「……」ガーン

ブギーポップ「(あ、表情変わった。元々ハイライトの無い目が更に濁っていってる)」

ブギーポップ「だって、スイムちゃんはスイムちゃんじゃない。ルーラはルーラだし」

スイムスイム「でも……」

ブギーポップ「考えてもみなよ。ルーラっていっつも皆にピーチクパーチク怒ってるヒスだよ? スイムちゃんああなれる?」

スイムスイム「…………ブギーポップのバカ、アホ、マヌケ」

ブギーポップ「煽りにもなってないよ……」

スイムスイム「…………諦めない」

ブギーポップ「いや無理だって」

スイムスイム「ブギーポップの魔法は諦めなかったらなんでもできるんでしょ? 私も諦めない」

ブギーポップ「それ私の魔法だから。スイムちゃんの魔法じゃないから」

スイムスイム「私がルーラになれなかったら、ブギーポップの負け」

ブギーポップ「むしろ勝ちだよ」


ブギーポップ「そもそもさ、スイムちゃんはなんでお姫様に仕えたいの? スイムちゃんのお姫様ってなに?」

スイムスイム「……かっこよくて、綺麗で」

ブギーポップ「ルーラってかっこいい?」

スイムスイム「かっこいい」

ブギーポップ「どの辺が?」

スイムスイム「ポーズとか」

ブギーポップ「…………」

スイムスイム「あと、顔とか」

ブギーポップ「そりゃ魔法少女なんだから皆綺麗だよ。スイムちゃんだって綺麗だし。あ、でもかっこいいってのじゃないなぁ。かわいい系」

スイムスイム「可愛い……」

ブギーポップ「うん」


どうやらスイムスイムのルーラ愛は相当なものだ。なにをしたらこんなファンになるんだ。バンドマンにお持ち帰りされるギャルだってこんなに好き好きじゃないぞ


 こうなったら……>>622
 
 1.ルーラはかっこよくないということを証明しよう
 2.乗りかかった舟だしスイムちゃんのお姫様旅に付き合ってあげよう
 3.そっとしておこう


ブギーポップ「……せっかくだし私もスイムちゃんがお姫様になるの、手伝うよ」

スイムスイム「ルーラにしてくれる?」

ブギーポップ「ルーラにはできないけど……」

スイムスイム「ルーラになれないならいい……」

ブギーポップ「いや、お姫様ってルーラだけじゃないじゃん? 世界にはリアルお姫様もいるし」

スイムスイム「……」

ブギーポップ「要はお姫様になりたいんでしょ? ルーラじゃなくてもいいじゃん。スイムちゃんにはたまたまルーラがいただけで、目標にするにはあのくっ殺系キャンディーヘッドはちょっとハードル低すぎるよ」

スイムスイム「…………うーん」

ブギーポップ「まぁこんなの立ち話でするもんじゃないね。早く寝ないといけないのにごめんね」

スイムスイム「ううん、ありがとう」

ブギーポップ「いえいえ。それじゃ、また」

スイムスイム「また」


・・・・・・

~翌日~


ブギーポップ「ヘーイ! ブギーキックをくらえぃ!」ゲシッ

ルーラ「ぐえぇっ! このクソバカ! なにすんのいきなり!」ボカッ

ブギーポップ「あ? いつもは夜なのに昼に呼び出されりゃ蹴りのひとつも入れたくなるわ」ヒリヒリ

ブギーポップ「(おかげで学校早退しなきゃいけなかったし)」

ミナエル「まー私達は~?」

ユナエル「この時間暇だし~?」

ブギーポップ「ニート?」

ミナエル「チッチッチ、違うんだな」

ユナエル「私達は今人生でもっとも余剰時間が長い人種だから」

ブギーポップ「? あ、ルーラはニートで合ってたよね」

ルーラ「ちがわい!」ボカッ


たま「(うぅ……学校早退しちゃった…………お母さんに怒られる)」

ブギーポップ「どしたのたま、泣きそうな顔して」

たま「うぅっ……」

ブギーポップ「ええっ!? ちょ、泣かないでよ」アセアセ

ルーラ「今日はちょっと新しい試みをするわ」

ブギーポップ「新しい試み? そういえばスイムちゃんいないけど」

ルーラ「昼はどうしても無理なんだって」

ブギーポップ「へー、お仕事か学校か」

ルーラ「それで、キャンディーをもっと効率的に集めるにはどうすればいいか、なんとなく思ったのよ。私達魔法少女は基本的に外を出歩いている人間を助けているでしょ。でも夜より昼の方が多いじゃない。人」

ミナエル「あーそれは思いつかなかった」

ユナエル「魔法少女って基本的に夜活動だしねー、リアルもあるし」

ルーラ「今日は一日、キャンディーを集めてみるわよ。そうそう昨日とかこの前の工場とかが転がってるわけじゃないんだから、時間が惜しいわ」


ブギーポップ「なんだよ、結局体が資本になるんじゃん。あんまり動きたくない~」

ミナエル「右に同じ~」

ユナエル「ウチらマジインドア~」

ルーラ「アンタ達ねぇ……!」

ミナエル「でもまぁ脱落やだし、頑張ろっか」

ユナエル「でも最初の1人はぶっちゃけ決まってるよね」

ブギーポップ「えっ、決まってるの?」

ミナエル「うんうん。絶対キャンディー集めしない奴いるし」

ルーラ「……まぁ、そうね。実質猶予は2週間と思った方がいいわ」

ブギーポップ「(キャンディー集めをしない奴……? カラミティ・メアリとかかな?)」


ルーラ「というわけでアンタ達は散りなさい」

たま「う、うん!」

ルーラ「そうねぇ……ただ集めても面白くないし…………今回集めたキャンディーが一番少なかった奴は罰ゲームとしましょうか。期限はスイムスイムが来るまで」

ミナエル「ええっ、やだーそういうサークルのノリー」

ルーラ「お前らもサークルのノリでしょうが! 菓子くってペチャクチャ喋ってゲームして!」

ブギーポップ「勿論ルーラも含まれるんだよね?」

ルーラ「勿論よ。ま、この私が一番少ないなんてことはあり得ないけどね」

ブギーポップ「…………(フラグになれフラグになれフラグになれフラグになれ)」

ルーラ「それじゃ、開始よ!」


 スイムスイムが来るまでに集めたキャンディーの数(コンマ三桁x3)
 
 >>↓1→ブギーポップの数
 >>↓2→たまの数
 >>↓3ピーキーエンジェルズの数
 >>↓4ルーラの数


 ブギーポップの数……1617個
 たまの数……1248個
 ピーキーエンジェルズの数……2964個
 ルーラの数……1860個

 
 
夕方になった。これまでで一番貯まった。やばい。なんだこれ、ルーラの言っていた「困っている人が多い場所」をチェックしていったらメチャクチャ貯まった


うっそだろオイ

N市には複数の暴力団がひしめき合っていて、カラミティ・メアリがそこに介入しているらしいが、それでも1人でこの広い街すべてを隅々まで仕切れるわけがない

ルーラが狙ったのはメアリが関係していない暴力団関連のことだった

思い切ったマネをすると思う。下手をしたらメアリに嗅ぎつけられやしないか

指定されたポイントは路地裏が多かった。悪い奴らは表通りを好まないらしい。確かになんかヤバめなスラム街みたいなところもあった

どうみてもヤクやってる奴を警察に引き渡してソイツの人生に更生のチャンスを与えた。通り魔を成敗した。ちょっとしたワルい奴らを叩きのめした

ピーキーエンジェルズなんかヤクザ崩れのチンピラが練り歩いていたのを警察と衝突させて大量検挙に陰ながら貢献したらしい

各々が陽が沈みかけるまで頑張った結果、たまが最下位となった


ミナエル「なーんだやっぱりたまか」

ユナエル「ルーラワンチャン狙ってたのになー」

ブギーポップ「妨害すればよかった」

ミナエル「お、それいいねー」

ユナエル「ブギーちゃんマジロック」

ルーラ「チームで足を引っ張ろうとするな!」ボカッ

ブギーポップ「だってたまが罰ゲームなんてかわいそうじゃん」

たま「で、でも今までで一番キャンディー貯まったし、罰ゲームでもいいかにゃ……」

ルーラ「1度決めたルールには従ってもらうわ。さて、何してもらおうかしら。とりあえず肩揉みなさい」

ブギーポップ「やっぱ年じゃん」


ボカッ


スイムスイム「ごめんなさい、遅れました」

ルーラ「やっと来たわね。この時間だろうと思って早めに切り上げておいてよかったわ」

スイムスイム「……なにしてるの?」

ルーラ「たまが一番キャンディー集められなかったから罰ゲームしてんのよ。あーそこそこ」

ブギーポップ「……」ヒリヒリ

スイムスイム「また殴られたの?」

ブギーポップ「そうだよ。まったくヒスなんだから」

スイムスイム「……昨日、色々考えてみた」

ブギーポップ「お、どうだった?」

スイムスイム「やっぱりルーラがいい」

ブギーポップ「浮気した彼女かっ!」


 スイムスイムの信頼度が上がった!
 
 スイムスイム:05


ルーラ「ふぅ、なかなかよかったわよ」

たま「そう? ならよかったにゃ」

ルーラ「……これ一応罰ゲームよ? もっと嫌がったりとか」

たま「え、でもよかったんじゃ」

ルーラ「……じゃあ次、バカ2人はたまに何させんの?」

ミナエル「とりまジュース買ってきて」

ユナエル「ゴクリね」

たま「う、うんっ」

ルーラ「帰ってきたらブギーポップの番ね」

ブギーポップ「(別にたまにしてほしいこととか無いんだけど……>>648)」


 1.適当にやりすごすか
 2.わざとらしくたまを庇うか
 3.敢えてひどい罰ゲームを与えるか

2


たま「お、おまたせ……うう、コンビニの店員さんに変な顔された」

ミナエル「お、サンキュー…………って、これゴクリじゃないじゃん!」

ユナエル「マッジつかえねー! たまマジつかえねー!」

たま「ええっ、なっちゃんじゃないにゃ?」

ミナエル「チョイスが古いんだよ! というかよく置いてたなそのコンビニ!」

ユナエル「逆に自分で行ってみたいわ!」

たま「えっと、あっちの方に……」

ブギーポップ「(よし、ここは大げさにたまを庇おう。なんかそうしたらたま、困った顔しそう)」

ブギーポップ「ちょっとやめなよ! たまがかわいそうでしょ~~~~~~!」

たま「えっ?」

ブギーポップ「たまだって生きてるんだよ!?」


ブギーポップ「私のたまいじめないで~!」

ミナエル「ブフッ、なにそれ」

ユナエル「マジウケるんですけど」

ブギーポップ「なんつって、ね、たま………………たま?」

たま「うぅぅ……」グスッ

ブギーポップ「ええっ、なんで泣くの!?」

たま「だって、ブギーちゃん優しくて……」

ブギーポップ「………………」

ミナエル「…………」

ユナエル「…………」

ブギーポップ「う、うん。私はたまの味方ダヨ」

ブギーポップ「(なんか下手にふざけて庇ったことによるダメージが私に……)」グサグサ

ルーラ「バカやってないで続き行くわよ!」


 たまの信頼度が上がった!?
 
 たま:07


夜は夜でまた街は別の顔を見せる。悪い奴は大通りと陽の光が嫌いだ

とにかく困っている人ではなく、これから人を困らせる奴らを退治することで潜在的キャンディーを稼いだ。おかげで一番多いのはルーラで3000の王台に指をかけようとしている。スイムスイムはちょっと出遅れたせいか、1000に届くくらいだ

この調子なら数日でスノーホワイトみたいな数にも……と思ったらどうやら現実はそう甘くない

翌日は流石に早退できないし、週末にお昼から集まってキャンディーを集めようとしたが、悪い連中はどうやら狩られたことで警戒し、目立たないようにしていたせいか見つけられなかった。まったくズル賢い連中だ・おかげでキャンディーの数が伸び悩んでいる

ルーラはこれからはあまり他の魔法少女とは接するなと言ってきた。何故だろうか、理由は濁されてあまり分からない

だがスノーホワイトにやったみたいに勝手に接触してもバレはしないだろうが、一応リーダー様の顔を立ててやるか

そして発表の日がやってきた


ファヴ『それでは、記念すべき脱落者第一号を発表するぽん!』


ブギーポップ「……」

ミナエル「ま、あんだけキャンディー集めたから心配は無いっしょ」

ユナエル「そうそう。それにアイツがいるしねー」

ブギーポップ「だから、アイツって誰よ」

ユナエル「もうすぐ発表されるんだからせっかちは駄目だよ~」


ファヴ『今週の脱落者は……ねむりんだぽん!』


ブギーポップ「えっ……えっ!?」

ミナエル「やっぱねー」

ユナエル「ニートを公言してるしね」


ブギーポップ「え、なんで……ねむりんって、夢の世界でキャンディーカンスト目指してるって……」

ルーラ「でもこうして脱落したということは、夢の世界で集めても意味が無いってことでしょうね」

スイムスイム「…………」

ブギーポップ「そんな……」

ルーラ「やる気が無いなら脱落してもいいじゃない。その証拠にねむりんだってあんまり悲しくなさそうだし」


そのねむりんはスノーホワイトとチャットで話している。残念だけどまとめサイトとかで皆を見守ってるよ的な発言をしているということは、死んでも魔法少女やめたくない組ではなかったということか。きっと自分が脱落してもこうなるのだろう


ファヴ『それじゃあ、ねむりんを消去するぽん!』


それきり、いつもチャットルームに居たアバターの姿は消えて無くなった


ルーラ「私が他の連中とツルむなって言ってるのは、こうして知り合いとか、下手したら友達が脱落していくのは見たくないでしょってことよ」

ブギーポップ「ルーラ……」

ルーラ「分かったら下手に誰かと絡むのはやめなさい。泣きを見るのはどっちもなのよ、そんな思い、アンタだってしたくないでしょ」


ブギーポップ「そうか、ルーラは友を失った悲しみを知ってるんだね……」

ルーラ「は? 知らないわよそんなの。なんで私が誰かと友達にならなくちゃいけないの? 私と友達になれるのは私と同等の存在だけよ。そして私以外の存在はとても同等とは言えないわ」

ブギーポップ「……前言撤回。確かにルーラと同等の人間とかこの世に存在しないわ。誰も自分からチンパンジーの領域に踏み込んでまでこんな奴と友達やりたくないしね」

ルーラ「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」ボカッ

ブギーポップ「ぐうぅぅ……!」ヒリヒリ

ルーラ「来週からは気が抜けないわよ。私のチームから脱落者なんて情けない真似はさせないわ」

ブギーポップ「え、私早めに脱落して魔法少女辞めたいんだけど……」

ルーラ「勝手に脱落したら殺すからね」

ブギーポップ「えぇー……」


ルーラが解散を言い渡す。今日はキャンディー集めは休みだ。英気を養おうとかなんとかうんぬんかんぬん

皆思い思いに散る

ねむりんは残念だが、まぁ本人が別にいいって言うなら無理に感傷に浸るのもやめておこう。自分が脱落する時だって悲しまれるのは嫌だ

それに今生の別れではないかもしれない。どこかで縁があるかもしれないし

ああでも夢にねむりんが現れるという超常現象はちょっと体験してみたかったかも

さて、>>659


 1.帰ろう
 2.誰かと話そう(キャラ名も記載)

スイムスイム


今日はここまで

前は形骸化していた信頼度の新しいロール
もし何か主人公がピンチになったり仲間の助けが必要になった場合、信頼度ロール(コンマ一桁)によっては助けに来てくれるかもしれません

例えばたまの信頼度ロールの場合、現在07ですのでコンマ一桁が07以下なら成功となります

状況によって色々です。戦っている最中なら加勢したり有利に動いてくれたりするかもしれませんし、麻雀ならイカサマに協力してくれます
そうすることにより通常ロール時に+10や+20といった恩恵を受けられるかもしれません


追記
信頼度ロールにクリティカルとファンブルは存在しません

理屈としては「友達を助けたい」「親友の力になりたい」というそれぞれのキャラの思いのロールだと思ってくれれば


ブギーポップ「スイムちゃん、ちょっといい?」

スイムスイム「?」


ルーラとピーキーエンジェルズとたまが帰り、王結寺には2人が残される。まぁスイムスイムの個人的な話だし誰かに聞かせるようなものでもないだろう


ブギーポップ「お姫様はどう?」

スイムスイム「難しい」

ブギーポップ「私も色々調べてみたんだ。こんなのどうかな」

スイムスイム「……あんたって本当に最低の屑ね……どういうこと?」

ブギーポップ「かっこいいお姫様ってこんなかなぁって」

スイムスイム「……」

ブギーポップ「あまりお気に召さない?」

スイムスイム「なんか弱そう」


ブギーポップ「うーん……でもかっこいいお姫様って基本的に戦ってるしなぁ」

スイムスイム「お姫様は戦うものじゃないの?」

ブギーポップ「大体攫われてない? お姫さまって」

スイムスイム「……そうなの?」

ブギーポップ「かっこいいいのってその攫われたお姫様を助けに行く勇者とか王子とかなんだけど」

スイムスイム「お姫様はかっこよくて強いんじゃないの?」

ブギーポップ「ものによるんだよねぇ……」

スイムスイム「私はかっこよくて強いお姫様になりたい。ルーラみたいな」

ブギーポップ「変わらずかぁ……」


なかなか頑固というか、目指すものに一直線だ。そもそも、スイムスイムはとてもルーラにはなれない

人にはそれぞれ向き不向きがある。ルーラは向いてないと個人的に思う


 スイムスイムはどんなお姫様が向いているか……>>679
 

みんなの心の支えになる


ブギーポップ「やっぱりお姫様は前線でドンパチ賑やかに暴れるより、後ろでドッシリと構えて皆の心の支えになるような感じじゃないかなぁ」

スイムスイム「心の支え?」

ブギーポップ「うん。この人のために戦う~とか、絶対守ってみせる~とか、自分じゃなくて誰かを動かすのがお姫様だと思う。ほら、ルーラだって自分では何にもできないツルペタだけど人動かすのだけは上手いでしょ」

スイムスイム「確かに……」

ブギーポップ「それにルーラはスイムちゃんの心の支えじゃない?」

スイムスイム「……なのかなぁ」

ブギーポップ「あ、スイムちゃんがルーラに勝ってる場所あった。胸だよ胸。大きな胸は器量よし」

スイムスイム「胸……動きにくい」

ブギーポップ「それでもルーラより格上だよ。はるかに」


ブギーポップ「これからはその胸をルーラに見せつけていこう」

スイムスイム「なんで?」

ブギーポップ「悔しがるかも。スイムちゃんが羨ましいよ~って」

スイムスイム「…………ルーラ、どう思うのかな」

ブギーポップ「あ、脱線しちゃった。まぁとにかく、ルーラだって完璧じゃないんだから、ルーラ=お姫様でもないんだよ」

スイムスイム「ルーラは完璧」

ブギーポップ「あ、はい」

スイムスイム「でも私は完璧じゃない……」

ブギーポップ「だったらスイムちゃんがスイムちゃんだけのお姫様になる方が早いよ。魔法少女と同じ、十人十色」

スイムスイム「うーん……」

ブギーポップ「……まぁこうやって話してるだけじゃあんまり実感ないよね」

スイムスイム「でも色々知れた。ありがとう」

ブギーポップ「いいえ」


 スイムスイムの信頼度が上がった!
 
 スイムスイム:06
 


・・・・・・


「えっ、お姫様になりたいの?」

「うん。なりたい人がいるんだけど、でも友達は私は別人になれないからって」

「なるほど~、確かにそうかもね」

「……なれないのかな、お姫様」

「そんなことないよ。女の子は誰だってお姫様候補なのさ」

「本当?」

「うん。だからきっとなれるよ」

「……>>直下コンマ二桁」ボソッ


 01~70→なれるかな、私だけのお姫様に
 71~00→なれるかな、ルーラに
 


・・・・・・

~翌日~


由良「いったぁ!」

颯太「あっ、ごめん!」

由良「何回目よ!」

颯太「いやぁ……ホント」

由良「……って、あれ。今日はいるんだ」

颯太「えっ?」

由良「おばあちゃん倒れたって聞いてたから」

颯太「? ………………あっ、そ、そうそう! いやぁ大変で」

由良「(? 変なの)」

由良「(っと、今日は>>694だった)」


 1.キャンディー集め
 2.戦闘訓練


・・・・・・

~〇〇海岸~


ブギーポップ「まーたこれですか」

ルーラ「なによ、文句あるの?」

ブギーポップ「いや別に文句は……いやある。キャンディー集めないでこんなことしてたら本当に脱落するよ?」

ルーラ「そうね、本当に死ぬかもしれないわね」

ブギーポップ「?」

ミナエル「あれ、ブギーはまだ知らないんだっけ」

ブギーポップ「なにを?」

ユナエル「この競争で脱落したら死んじゃうかもって噂」

ブギーポップ「はぁ!? なにそれ!」

安価指定ミスでした 直下扱いで進行しています


ミナエル「なんかチャットのログ漁ってたら、スノーホワイトとかリップルとかが話してるの見てさ」

ユナエル「ねむりんが死んじゃったとかなんとか言ってる話だったの」

ブギーポップ「えっ、マジで?」

ミナエル「で、運営に凸しよっかって話があって」

ユナエル「今日あたりしちゃう?」

ミナエル「『ねむりんに関してはウチらも動く。抗議デモだよ』っと」

ユナエル「いいねそれ。幹部3人とか最大派閥のナンバーツーとか魔法少女になってから1度も変身解いてない勇者とかキャンディー2万個の人望の持ち主とか仕事辞めて魔法少女カンストした奴とかで総勢30人超えそう」

ルーラ「とにかくそれは後回しよ。今は戦闘訓練」


 ブギーポップは……>>705
 
 1.黙って組手をした
 2.魔法の研究がしたいとルーラに頼んだ


ブギーポップ「ねぇルーラ」

ルーラ「なに?」

ブギーポップ「私の魔法、もうちょっとよく知りたいんだけど」

ルーラ「自分で調べなさい」

ブギーポップ「えー」

ルーラ「はぁ……仕方ないわね。アンタの魔法は何か勝負事じゃないと意味が無いし、ほとんどピンチの時じゃないと発動しないじゃない」

ブギーポップ「だから発動した時のことが知りたいんだって」

ルーラ「分かったわ。アンタ達は組手ね」

スイムスイム「分かった。たま」

たま「えっ、スイムちゃんと?」

ミナエル「ウチらで組手? 引き分けしかなさそう」

ユナエル「ね~」


ルーラ「まず確認よ。じゃんけんしましょうか」

ブギーポップ「じゃんけん?」

ルーラ「そう。10本勝負よ。アンタが負けたら土下座ね」

ブギーポップ「は!? ちょっとまった」

ルーラ「これで負けられないでしょう?」

ブギーポップ「…………分かったよ。じゃんけん――」

ルーラ「ぽん!」


10本勝負は本当に時間がかかった。魔法は発動している。土下座なんてしたくない、絶対諦めない

何度も何度もあいこを繰り返し、ようやっと勝ったと思ったらまだ4本目だった

とにかくあいこが続いた。が、一応全勝できた。じゃんけんなんて負け以外ならあいこと勝ちしかないからその内勝つのは当たり前だろうか


ブギーポップ「じゃんけんってこんなに疲れるものだったっけ……」

ルーラ「あんた、しつこすぎんのよ……」

ブギーポップ「負けないんだからあいこが続くのは当たり前じゃん」

ルーラ「そう。アンタの魔法は負けない魔法よ」

ブギーポップ「そうだね」

ルーラ「でも勝てもしない魔法だわ。良くて勝ち、悪くて引き分け。しかもじゃんけんみたいな明確に勝ち負けがハッキリしてたら負けの分が引き分けに繰り上がる感じかしら」

ブギーポップ「?」

ルーラ「だから、アンタの魔法は決して自慢できる魔法なわけではないってことよ」

ブギーポップ「ルーラのだってそうじゃん」


 ルーラの信頼度(05)ロール……>>直下コンマ一桁
 
 成功→ブギーポップのために知恵を絞る
 失敗→あとは自分で考えなさい


ルーラ「あとは自分で考えなさい」

ブギーポップ「ええー! いいじゃんもうちょっと考えてくれても!」

ルーラ「うるさいわね! ヒントは与えてやってんでしょ! 『負けない』よ!」

ブギーポップ「ヒントでもなんでもないじゃん! 本当は分からないんだろ! なぁにが『バカ共』よ、よくそんなこと人に言えたな!」

ルーラ「なんですってぇ! バカをバカと言って何が悪いのよ! ほら言ってみなさいよ、ブギーポップがバカか私が聡明か、選ばせてあげるわよ!」

ブギーポップ「ルーラがバカだ!」

ルーラ「うがぁぁぁ!!」ボカッ

ブギーポップ「言い負かされて暴力に走るなんてねぇ! 完全敗北ルーラ!」ヒリヒリ


とはいえルーラが本当に分からなかったとしたら自分で考えるしかない

『負けない』魔法かぁ


ルーラに早く組手しろと言われ、渋々皆のところに行く

どうやらこっちがじゃんけんしたり言い争っている間に一通り終わらせていたようだ


ミナエル「また殴られてたね~」

ブギーポップ「ホント酷いよね、リーダーが部下を殴るんだよ? そりゃ人望も無くすよ」

たま「たんこぶ出来てるけど……」

ブギーポップ「えっ、マジ!? うっわぁついにか!」


 組手の相手……>>721
 

ゆなえる


ユナエル「それじゃ私とやろうよ。ブギー強くないし」

ブギーポップ「言うねぇ」

ユナエル「だってあのたまに負けてんだよ?」

ブギーポップ「面白い奴だ、殺すのは最後にしてやる」

ユナエル「それじゃ、何に変身してやろうかな~」

ブギーポップ「なるべく強いのに変身して。私がピンチになるくらい」

ユナエル「それじゃあ……」


ユナエルはライオンに変身した。なるほど、強いだろうな

人は獣を狩るが、それは道具を使ってのことだ。素手のブギーポップに魔法少女が変身したライオンを倒せるかというと分からない


ユナエル「それじゃ、いくよ!」

ブギーポップ「ッ、うおっ!」


ライオンが飛びかかって来た。速い

これは、勝てるか?

いや、負けないようにしなければならない。ユナエルになんか負けたら一生パシリさせられそうだ

とにかく理由を付けて負けたくない欲求を強める。諦めない。諦めない


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ユナエルが砂浜に首を突っ込む
 失敗→ユナエルに組み敷かれる


 50……成功!

 
 
今日は空気が乾いていた。砂浜の砂もだ。乾いた砂は軽く、柔らかい


魔法少女が力を入れて踏ん張ると簡単にズリッといった


ブギーポップ「うわぁぁ!?」ドサッ

ユナエル「ちょ!」


仰向けに倒れたブギーポップの頭上をライオンが飛んでいく。慣れない四足動物の筋力をコントロールしきれないユナエルは勢いそのまま、砂浜に首を突っ込んだ。しかもここの砂は深く、簡単にスッポリくらい入ってしまう


ユナエル「ムグーーーー!!」

ブギーポップ「はぁっ、はぁっ……あ、組み敷かないと」


この魔法は負けない魔法だが、引き分けよりも上――勝つためには魔法ではなく自分自身が重要だ。とりあえず砂浜から顔を出した瞬間のライオンに飛びかかり、背中に乗って首を絞めた


ユナエル「ちょ、ギブギブ!」

ブギーポップ「ふぅ……よし、勝ち!」

ユナエル「うーん、ライオンって強いんだけど慣れないね……」

ブギーポップ「練習したら? ずっとライオンのままでいるとか」

ユナエル「えー……」

ルーラ「どうやら終わったようね。魔法は使った?」

ブギーポップ「うん。使った、はず」

ユナエル「ブギーったらいきなりずっこけるんだもん。そりゃ予想外だよ」

ルーラ「じゃあ次!」


 ルーラの訓練で身体能力が1上がった!(48)
 
 ルーラとユナエルの信頼度が上がった!
 
 ルーラ:06
 ユナエル:05


訓練を終え、チャットルームにログインする。そこにはほとんど全員いて、ねむりんの噂を聞いているようだった


シスターナナ『私はチャットのログを見ました。森の音楽家クラムベリーが質問しているログを……』

ウィンタープリズン『そこには、脱落したら死ぬという会話が残されていたんだが、本当か?』

ファヴ『本当ぽん。魔法少女としての資格を失うということは、生命活動の終わりを意味するぽん』

トップスピード『はぁ!? ふざけんな!』

ファヴ『ふざけてるわけじゃないぽん。事実ぽん』

ラ・ピュセル『じゃあ、来週も……キャンディーが一番少ない魔法少女は――』

ファヴ『死んじゃうぽん』

ミナエル『ざっけんな! 最初に言え!』

ユナエル『クソ運営! 通報してやる!』


ファヴ『えー、言わなかったのはすまないと思ってるぽん。お詫びとして便利な機能を追加するぽん!』

ブギーポップ『便利な機能……?』

ファヴ『今から、魔法少女同士でのキャンディーのやり取りを解禁するぽん。魔法の端末でキャンディーの送り合いができるぽん~』

ルーラ『…………そう』

ファヴ『もしパートナーが少なくて、脱落させたくない時とかに分け合ったりして調整するのもアリぽん。それじゃ、バイバイぽん~!』


ミナエル「はぁー……マジ意味わかんね」

ユナエル「クソ運営だわ」

ブギーポップ「脱落したら、死ぬ……じゃあねむりんは…………」

たま「死んじゃった……?」


友達だったわけじゃない。別段仲が良かったわけでも。だが知っている顔だ。それが死ぬ?

実感がわかない。もう会うことは無いとは思っていたが、死ぬってどういうことだ


 ブギーポップは……>>直下コンマ一桁

 奇数→ねむりんの死を悲しんだ
 偶数→対岸の火事と似た気分


だがなんだろう。人死にを嫌に思わないわけがないが、ぶっちゃけてしまえば赤の他人だ

大して心は動かされなかった


ルーラ「明日は普通に集まるわよ。キャンディーは集めなくていいわ」

ミナエル「え、いいの?」

ルーラ「ええ」

ユナエル「ついに諦めた……?」

ルーラ「諦めてなんかないわよ。それに、言ったでしょ。私のチームから脱落者は出さないって。まぁ、明日ね」


ルーラはそれきり何も言わずに帰っていった。他の面子も、所謂衝撃の事実に少なからずシリアスムードだ

ブギーポップもそれに倣い、無言で帰宅した


由良「……ねぇ、ファヴ」

ファヴ「なにぽん?」

由良「今すぐにでも退会したいんだけど」

ファヴ「それはできないぽん」

由良「なんで?」

ファヴ「退会したら死んじゃうけどそれでもぽん?」

由良「ッ、そんな説明は無かったじゃない!」

ファヴ「そりゃ聞かれてなかったから仕方ないぽん」

由良「1ヶ月経ったら退会できるっていうのは!?」

ファヴ「事情が変わったぽん。完全に誤算ぽん。いやーすまないぽん」

由良「この……っ!」


魔法の端末を壁に叩きつける。憂さ晴らしにもならない


由良「じゃあなに? 本当に脱落したら死んじゃうの? 私も?」

ファヴ「世の中公平にできてるぽん」

由良「ふざけんな!」


床から拾い上げ、もう1度叩きつける。こんなことをしてもファヴにダメージは無いと分かっているが、やらずにいられない


ファヴ「怒るのも無理はないぽん。でもこっちにも色々事情があったぽん」

由良「事情!? 人を死なせるのに事情がいるの!?」

ファヴ「今はそんなことを考えてる暇があるぽん? 他の魔法少女は皆こぞって今頃キャンディーを集めてるぽん。死にたくないのは同じだからね」

由良「キャンディー……」

由良「(ルーラは集めなくてもいいと言っていた……でも、なんで? 集めなくてもキャンディーを手に入れる方法があるの?)」


・・・・・・

~翌日・王結寺~


ルーラ「集まったわね」

ブギーポップ「そりゃね……」

ルーラ「1日で気持ちの整理はついたかしら? これから私達のキャンディー集めの方針を発表するわ」

ミナエル「今まで通りじゃないの?」

ルーラ「ええ。時にたま、追加された機能……マジカルキャンディーのやりとりについてどう思う?」

たま「ええっ!? わ、分からない……」

ルーラ「0点! ミナエルユナエル」

ミナエル「え、ファヴも言ってたじゃん。少ない仲間に分けて脱落回避っしょ?」

ユナエル「ね」

ルーラ「30点」


ルーラ「ブギーポップは?」

ブギーポップ「えっ、うーん」


考える。キャンディーのやり取り、これは魔法少女同士であって仲間同士とは言っていない

この場に居ない他の魔法少女とも送り合えるということだ


 知力(49+10=59)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→まさか、奪え……?
 失敗→取引の材料?


 97……ファンブル

 
 
ブギーポップ「ごめん、分からない。つかルーラ、そんな質問してばかりじゃないで自分で言いなよ。なにもったいぶってんの? そんなんだから男逃げるんだよ」


ルーラ「男作ったことないわ!」

ブギーポップ「えっ」

ルーラ「あ……」

ブギーポップ「…………ごめん」

ルーラ「……」ワナワナ


ボカッ


ルーラ「このバカ共、こんなことも分からないの?」

ブギーポップ「すんません」ヒリヒリ


ブギーポップ「じゃあなんなのさ」

ルーラ「これは運営からのメッセージよ。『お前らキャンディーを奪い合え』って」

ミナエル「マジ?」

ルーラ「マジよ」

ユナエル「マジクール……」

ブギーポップ「って、ちょっと待って! じゃあ誰かから奪うっての!?」

ルーラ「そうよ。発表前に奪えばソイツが脱落する。簡単ね」

たま「誰かを……」

ルーラ「蹴落とすしかないのよ。アンタ達、死にたくないでしょう?」

ブギーポップ「反対だ。私は――」

ルーラ「まさか『誰かを犠牲にしてまで生きたくない』とか言わないわよね?」

ブギーポップ「っ、そんなこと言わないけど……っ」


ルーラ「使える物は全部使う。それが長生きの秘訣よ」

ブギーポップ「………………」

ルーラ「それじゃ、誰を狙いましょうか。提案あるのいる?」

ミナエル「どいつもこいつもなんか強そうじゃん」

ユナエル「ねー……あ、でもこっちは6人もいるから、数の暴力使えば勝てるんじゃね?」

ブギーポップ「……」

たま「ブギーちゃん?」

ブギーポップ「………………嫌だ」

ルーラ「あっそ。じゃあ出ていっていいわよ。その代わり、キャンディーは全部置いていきなさい」

ブギーポップ「っ、そんなことできるか!」

ルーラ「さもなければ裏切らないことね。いいわね?」

ブギーポップ「………………」


ルーラ「ここは一番キャンディーを持ってるスノーホワイトかしら」

ミナエル「ああ、2万だっけ? そんなにあれば1ヶ月くらい何もしなくても脱落しなさそう」

ユナエル「マジリッチ」

ブギーポップ「ちょ、なんでよ!」

ルーラ「もっとも効率的だからよ。スノーホワイトはラ・ピュセルさえ引き離せばただの弱い魔法少女……騎士のいないお姫様なんて脆いものよ」

ブギーポップ「っ…………」


スノーホワイトは、知らない顔じゃない。少なくとも、実際に会ってるし仮に彼女が脱落したらねむりんよりも悲しむかもしれない

そんなスノーホワイトを襲う……彼女への裏切り行為だ

というか、誰かを蹴落とすなど……


 ブギーポップは……>>758

 1.ルーラ達と袂を分かつ決意をした
 2.ルーラ達についていった


ブギーポップ「………………」

ルーラ「決行はキャンディー発表の前……つまりは週末ね。それまで作戦を考えるわ」

ミナエル「やったね! これでめんどい人助けしなくて済む!」

ユナエル「いやー、助かるわ。クソ運営でもたまには役立つことするね」

ブギーポップ「……私、帰るね」

ルーラ「そう。明日も来なさいよ」

ブギーポップ「…………」

ルーラ「来なかったら……分かってるわね?」

ブギーポップ「…………分かってる」


分かっているが、キャンディーを奪うということは、つまり誰かを脱落させる――殺すということだ。間接的とはいえ、そんなこと、できるはずが……

だがルーラ達はやる気だ。自分達が生き残るために、誰かを殺す。理屈は分かる。どの道魔法少女の半分は死ぬ。けど、それでも、そんなやり方はしたくない

ルーラ達に対して情がないわけではない。なんだかんだ楽しい日々だった。彼女達のやり方も、別に責めるつもりはない

けれど、それでもブギーポップにはできない


・・・・・・

~翌日~


由良「………………」

颯太「危ない!」

由良「ッ、とう!」

「おお、蹴り返してきたぞ! 新しいな!」

颯太「っ……!」

由良「ふぅ…………ん? どしたの?」

颯太「………………なんでも」カァァ

由良「(………………まさか、パンツ見られた、とか? …………………………まさかね」

颯太「(パンツ見えた……)」


重い足取りで王結寺へと向かう

悲しいが、ルーラ達にはこれ以上ついていけない。降りよう


 ブギーポップは……>>777
 
 1.裏切りに気付かれないよう動く
 2.もう王結寺には行かない

2


王結寺についた。門をくぐって寺の中に入ればルーラ達が待っているだろう


由良「……………………」


何故だろう、いつもより門が大きく感じる。押せば開く門なのに、まるで堅牢な城塞に見える。門にかけた手に力が入らない

由良はそのまま、来た道を引き返した


由良「……バカだなぁ、私」


いくらルーラ達のやり方に賛同できないとはいえ、ルーラに気付かれないようにうまく立ち回ればいいじゃないか。冷静な自分がそう諭すが、できない。下手に蝙蝠をやるよりも、キッパリとしよう

ルーラ達にとっても、獅子身中の虫を飼うよりもその方がいいだろう

帰る道すがら、スノーホワイトに連絡をとった


ブギーポップ『スノーホワイト、ルーラ達はあなたを狙っている』

スノーホワイト『えっ……?』

ブギーポップ『1度話したい。会えないかな?』

スノーホワイト『……分かった。鉄塔で待つね。ラ・ピュセルと』

ブギーポップ『ありがとう』


由良「…………さて、行きましょうかね」


ちょっと泣いた。由良は昔から泣き虫だ

心がルーラ達との別れを惜しんでいる。だが由良は決めた

人が死ぬ、誰かが死ぬ、知り合いが死ぬ。人を殺す、誰かを殺す、知り合いを殺す

そんな悪に、自分は加担できない。ワガママな自分だ

だけど、諦めない。例えルーラ達と敵対しようとも、嫌われようとも、決めた。自分は正義の味方になる

諦めない


・・・・・・

~鉄塔~


ブギーポップ「お待たせ。今日も可愛いねスノーホワイト」

ラ・ピュセル「何故ルーラ達が私を狙う? それにお前はルーラ達の仲間のはずだろう」

ブギーポップ「挨拶くらいさせてよ。それに私はもうルーラの仲間じゃない」

ラ・ピュセル「信じろと?」

ブギーポップ「もし今ルーラ達と私が出会ったら、あいつらは私を攻撃してくるだろうね」

スノーホワイト「……ブギーポップ、困ってるの?」

ブギーポップ「? ああ、そういえばそういう魔法だっけ…………うん、困ってる」


ルーラ達と敵対しなくちゃいけなくなると困る。モロにそう思っている。だが、結局はそうなるだろうなぁ。困った


 >>793訂正
 ×→ラ・ピュセル「何故ルーラ達が私を狙う? それにお前はルーラ達の仲間のはずだろう」
 〇→ラ・ピュセル「何故ルーラ達がスノーホワイトを狙う? それにお前はルーラ達の仲間のはずだろう」

 
 
ブギーポップ「ごめん、ルーラ達にスノーホワイトが沢山キャンディーを持ってるって教えちゃって……でもまさか、キャンディーのやり取りが可能になるとか、ルーラが誰かから奪うって言い出すとか思わなくて……言い訳でしかないけど、ごめん」


スノーホワイト「ううん……」

ラ・ピュセル「話が本当なら、どうする? ルーラ達は週末に襲ってくるんだろ?」

ブギーポップ「そう。だからスノーホワイトは身を隠した方がいい」

ラ・ピュセル「ふん、連中が束になってかかってきても払ってやる」

ブギーポップ「悪いけどルーラ達は結構強いよ? ルーラは目の前の相手になんでも命令できる魔法持ってるし、たまは風穴開けられるし」

ラ・ピュセル「…………」

ブギーポップ「正直なところ、襲われたらラ・ピュセル1人じゃ守れないよ」
 


ラ・ピュセル「……言うじゃないか」

ブギーポップ「事実だよ。そんなことも分からずに無鉄砲に誰彼構わず立ち向かうと早死にするよ?」

ラ・ピュセル「なんだと……!」

スノーホワイト「ラ・ピュセル、ブギーポップの言う通りだよ……ラ・ピュセルまで死んじゃったら……私……」

ラ・ピュセル「っ……くっ」

スノーホワイト「私はどうすればいいの?」

ブギーポップ「>>803


 1.今言ったように今週はおとなしくしてて
 2.私とラ・ピュセルで守ろう
 3.誰かに協力を申し出よう
 4.私がルーラと話し合う
 


ブギーポップ「私がルーラと話をする。それ次第、かな」

ラ・ピュセル「できるのか?」

ブギーポップ「やるんだよ」

スノーホワイト「でも、なんで私のために……」

ブギーポップ「スノーホワイトのためじゃないよ。確かにあなたは可愛いけど」

スノーホワイト「じゃあなんで――」

ブギーポップ「私自身の正義のためだよ」


翌日、ルーラに連絡をとった。怒っているだろうな

場所は〇〇海岸。そんなに昔の話ではないが思い出の場所だ

指定した時間に行くとルーラが1人だけでいた


ルーラ「…………」

ブギーポップ「……怒ってる?」

ルーラ「ええ。言ったわよね? 明日も来いって……なんで来なかったの?」

ブギーポップ「分かるでしょ」

ルーラ「………………そう、そういうつもりなのね」

ブギーポップ「私は誰かを殺すルーラのやり方には賛同できない」

ルーラ「あらそう。じゃあやめるわ。これからは地道にキャンディー集めるから戻って来て。お願い」

ブギーポップ「えっ?」

ルーラ「――とでも言えば満足? 悪いけど、私は私達の最大利益のために動いているわ。どの道誰かが死ぬしかない。私は身内から死人は出さない。そのために誰かを死なせる。悪いかしら?」


ブギーポップ「でも……!」

ルーラ「アンタがなんと言おうと、私はやめないわ」

ブギーポップ「(……だよね。ルーラはそういう奴だ。合理的で、ずる賢い……)」


お互いの意見は聞き合った。ここからは交渉の時間だ

スノーホワイトを襲わせないために……>>817
 
 1.ルーラ自身を脅す
 2.自分のキャンディーを全部あげる
 3.誰か人質を取る

2


ブギーポップ「私のキャンディー全部あげるから、スノーホワイトを狙うのはやめて」

ルーラ「……なんでそこまでスノーホワイトにこだわるの? 実は現実でも友達だったとか?」

ブギーポップ「いや、会ったばかり」

ルーラ「……ますます解せないわね」

ブギーポップ「別にスノーホワイトのためじゃないよ」

ルーラ「じゃあなんのためよ」

ブギーポップ「私のためよ」

ルーラ「はぁ?」

ブギーポップ「私は、私の中の正義を押し通したいだけ」

ルーラ「……ますます意味わかんない。バカだアホだとは思っていたけどこれほどとはね……そのせいでアンタは死ぬのよ?」

ブギーポップ「大丈夫、私は死なない。多分」

ルーラ「……負けない魔法?」

ブギーポップ「うん。で、どう? 見逃してくれる?」

ルーラ「………………」


 ルーラの信頼度(06)ロール……>>直下コンマ一桁
 
 成功→見逃してくれる
 失敗→いいわよ(いいとは言っていない)


 07……失敗
 

ルーラ「いいわよ」

ブギーポップ「本当!?」

ルーラ「ええ。スノーホワイトは来週にしましょう」

ブギーポップ「……えっ?」

ルーラ「今週はアンタよ。私の名のもと――動くな!」

ブギーポップ「チッ、これくらい!」

ルーラ「スイムスイム!」


砂浜の中から手が出てきた。次いで頭が顔を出す。両足を掴まれた


ブギーポップ「なっ……!」

ルーラ「私が1人でここに来たと思う? どうせなにかしらあるとは思っていたけど……ここまで愚かだとはね。私を裏切った罰は受けてもらうわ」


ルーラ「ミナエル、コイツを縛りなさい!」


砂浜の石に変身していたミナエルが、カニに変身していたユナエルが、ブギーポップに飛来する

ミナエルが鎖に変身し、がんじがらめにされた


ミナエル「いやーまさか裏切るなんてねぇ……」

ユナエル「マジアホ」

ブギーポップ「(クソッ、魔法と相まって動けない……!)」

ルーラ「さーて、何しようかしらね」

ブギーポップ「っ……!」

ルーラ「魔法を使ってみなさい。使っても二重三重とアンタを追い詰めてやる、わっ!」


王笏で頬を思い切り殴られた。いつものツッコミではない、本気の……

頬が切れ、血が飛んだ。歯も折れたかもしれない


ルーラ「とりあえずキャンディーを貰ってあげるわ。スイムスイム、コイツの魔法の端末を」

スイムスイム「うん」

ブギーポップ「スイムちゃん、助けて。ルーラがいじめる」

スイムスイム「……ルーラに逆らったブギーポップが悪い」

ブギーポップ「ちょっとーミナエル、ほどいてよ。ルーラに一発クーデター起こそうよー」

ミナエル「悪いけど、今ブギーに寝返っても負けそうだしぃ」

ブギーポップ「ユナエル~」

ユナエル「ブギーマジロックだったよ」

ブギーポップ「過去形!?」

ルーラ「そうよ。アンタは今週で終わり」

ブギーポップ「っ、終われるか!」


そうだ、終われない。ここで終わったら、ただのロックな狂人で終わる

そんなのは流石に不名誉すぎる。なにより、正義を貫いていない

もうルーラ達は友達ではない、敵なんだ


ブギーポップ「…………」ポロポロ

ルーラ「今更泣いて謝ろうっての? 土下座したら許してあげてもいいけど?」

ブギーポップ「違う……私が悲しいのは…………」


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔法発動
 失敗→キャンディーを奪われボコ殴り


 44……成功!

 
 
ブギーポップ「――友達と、戦わなくちゃいけないからだよ……」



ここでキャンディーを奪われ、脱落するのは負けだろう。確実に

負けられるか。ここでコイツらにやられて、無様に死んでたまるか

諦めない

諦めない

諦めない

まだ私は、諦めていない


ふと、ミナエルの鎖が緩んだ。ブギーポップから力が抜けていくのを感じ、油断したのだ

それを見逃す手は無い

鎖を掴み、思い切り引っ張った


ミナエル「いたたたたたた!! くっ、なにを……!」

ブギーポップ「ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 身体能力(47+10=57)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→鎖を引き千切る
 失敗→鎖をほどく


 91……ファンブル

 
 
ミナエル「くっ、このぉ!!」



ミナエルが鎖状態を解き、槍へと変化した

それをユナエルが持ち、深々とブギーポップの腹に突き刺す


ブギーポップ「う……ごほっ……!」

ミナエル「信じられない、コイツ私を殺そうとした!」

ユナエル「お姉ちゃんマジ怒り心頭」

ルーラ「どうやら負けないその魔法も大したことはないようね」


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→まだだ!
 失敗→スイムスイムから命からがら端末を奪い逃走


 85……失敗


ブギーポップ「ぁ……くっ……!」

ユナエル「ちょ、まだ動けるの!?」


ここで死んでしまえば負けという魔法はまだ生きている。が、コイツらに勝ちたいという魔法は発動しなかった。痛みで集中できなかった

槍を引き抜き、スイムスイムの手を弾く。魔法の端末が砂浜に落ち、震える手でそれを取った


スイムスイム「っ!」

ルーラ「チッ、逃がすか! 私の名のもとに、動くな!」

ブギーポップ「いいや、っ、動く……!」


動けなくなったら死ぬ。死んだら負け。負けられない。いや、負けない


逃げる。逃げる。逃げる

砂を蹴り、時に掴んで後ろに投げ、追って来るルーラ達から逃げる


ブギーポップ「(そういえば、たまがいない……)」


いなくてよかったと思う。こんな血まみれな姿で会えない

痛みが強い。手で腹を抑える。うまい具合に血の放出を塞げている。これも魔法故か


 たまの信頼度(07)ロール……直下コンマ一桁
 
 成功→逃がしてくれる
 失敗→たまはこの場にいない


 08……失敗

 
 
ルーラ「クソッ、たまも連れてくるべきだったわ……まぁ置いてきたのは私だけど」


ユナエル「仕方ないよ。たま、ブギーと仲良かったみたいだし」

ルーラ「とにかく逃がすな! スイムスイム、キャンディーは奪ったんでしょうね?」

スイムスイム「奪った」

ルーラ「よくやったわ。あとはアイツを捕まえてどこかに閉じ込めれば……!」

ユナエル「命乞いしてくるかも」

ミナエル「いいや、許してやらないから! 私殺されそうになったし!」

ブギーポップ「(逃げないと負け、逃げないと負け、逃げないと負け……!)」


街中に入った。路地裏を選んで逃げる。追いかけて来る足音が聞こえる


ユナエル「待てー!」


ユナエルが鳥に変身して空中から追いかけて来ていた。これでは隠れようがない

とにかく、逃げる。どこまででも。どこへ向かっているかは分からないけど、逃げる

最初の魔法はまだ切れていないはずだ。なら、諦めない限り逃げられる


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→他の魔法少女の担当地区にたどり着く
 失敗→ひとり、どこかにたどり着く


 29……成功!

 
 
ユナエル「ちょ、これやばくね? 他の奴の担当地区に逃げようとしてるんですけど」


ミナエル「他の奴の地区に逃げ込まれるって!」

ルーラ「チッ、アイツ……!」

スイムスイム「どうする?」

ルーラ「流石に事を起こすわけにはいかないわ……これもアイツの魔法かしら」

スイムスイム「多分……」

ルーラ「ホント、雑魚いくせに厄介ね」


ここはどのあたりだろうか。中学生の行動範囲なんてたかが知れている。同じN市といっても、知らない土地の方が多いくらいだ

間違いなく言えるのは、ここは自宅の近所などではない


ブギーポップ「はぁっ、はぁっ…………追いかけて、来ない……」ドサッ

ブギーポップ「う…………」

ブギーポップ「キャンディー……奪われた……ちくしょ……」


 スイムスイムの信頼度(06)ロール……>>直下コンマ一桁
 
 成功→キャンディーが奪われていない
 失敗→ひとつ残さず奪われた


 03……成功!

 
 
魔法の端末を見る。あ、血が付いた。あとで拭かなきゃ



ブギーポップ「……えっ、なんで…………」


キャンディーの数は、ルーラに会いに行く前とひとつも変わっていなかった


ブギーポップ「……スイムちゃん、やり方分からなかったのかな……」

ブギーポップ「うっ……やば、逃げ切ったから……魔法、が……」


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→誰かが助けてくれる
 失敗→路地裏に誰かが通りかかるわけない


 93……ファンブル

 
 
意識が掠れていく


ミナエルめ、随分深々とやってくれた。血が止まらない


ブギーポップ「――――」


言葉が出ない。体から力が抜けていくのが分かる

こんなところで終わるのか。結局自分は何もできないままだ

いやだ、死にたくない


 幸運(76)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔法が進化
 失敗→死亡
 
 前シリーズでもうお気づきの方もいるかもしれませんが、主人公が死にそうなとき、幸運ロールでワンチャンあります
 ですので幸運値が低いと、こうなったらもう希望はありません


 76……成功!
 
・・・・・・


「おい、なぁおいあんた」

ブギーポップ「…………?」

「おお目が覚めたかい。どうしたんだいこんなとこで。飲み過ぎたかい」

ブギーポップ「…………ここは……」


明るい。太陽の光だ。お昼?

周りを見る。ここは、最後に倒れた場所だ。移動していない

目の前にはホームレスらしきおじさんがいる。酔っぱらってここで寝たと思われているのだろうか


ブギーポップ「なんで私……」


地面を見る。血痕がある。確かにここで血まみれになって倒れていたはずだ

起き上がるとホームレスは驚いた顔をしていた


「ひっ! あ、あんたそういう職業かい? ご、ごめんよ! 忘れてくれー!」ダッ

ブギーポップ「えっ? あ……」


服も血まみれだった。荒事をやるヤバい職業の人だと思われたのか

でも、なんで生きているんだろう。確かに死にたくない、死んだら負けだと思ったがもう助からないはずだった

傷口を見る。生々しく痛々しい治りかけの傷だ

…………ん? 治りかけ?


ブギーポップ「……なんで治ってるの……」


ミナエルの変身した槍は間違いなく自分の腹を貫き、腸やらなんとか臓やらをザシュッとやってくれたはずだ

なのに、何故治っている


ブギーポップ「いっつ……気持ち悪い……」


妙に吐き気がする。お腹の中がグルグルグルグル

ブギーポップの体は魔法の影響を受けていた。死んだら負け。死ぬ間際の強い思いはブギーポップの魔法を少しだけ変化させた

負けないための偶然を引き寄せる幸運とも呼ぶべき魔法は、負けないために奇跡を引き起こす魔法に変わっていた

生存本能によるブギーポップの体は魔法の力で一時的な超回復を行い、1ヶ月分の自然治癒を一晩で行っていたのだ


ブギーポップ「…………とにかく、帰ろう……スノーホワイトにも……っ」


まだ本調子じゃない。こんな体でまたルーラに会いに行ってもゾンビとビビられてから攻撃されてそこでおしまいだろう

ブギーポップは自分の魔法に気付いていない


ブギーポップ「……でも、魔法が無かったら…………確実に死んでた……」

ブギーポップ「…………死にたくない。あんなに強く思うものだったんだ」

ブギーポップ「もう、こんな思いは御免よ……」


下手をしたら死ぬ。魔法少女というものはこんなにも恐ろしい

死にたくない。死なないために……>>915


 1.体を鍛えないと
 2.魔法を完全にコントロールしないと


ブギーポップ「私の魔法、使えない……わけじゃないのかな……」


ミナエルの拘束を破ったのも、ルーラ達から逃げられたのも魔法の力だろう

油断、都合、偶然、それらのすべてが重なってブギーポップを負けないようにしてくれるこの魔法は、今までは受動的な魔法だと思っていた

けど、コントロールできるかもしれない

可能性はある


ブギーポップ「………………あとで、やってみよう」


今はスノーホワイトに交渉決裂を告げねば


・・・・・・


スノーホワイト『そうだったんだ……大丈夫?』

ブギーポップ『うん。今のとこは……でも、ルーラとは完全に決別した』

スノーホワイト『……ごめんなさい、私のせいで』

ブギーポップ『言ったでしょ。私は私の正義のためにやるだけだって。別にスノーホワイトのためじゃない』

スノーホワイト『それでも、ありがとう……』

ブギーポップ『今度一緒にお風呂に入ろう』

スノーホワイト『ええぇっ!?』

ラ・ピュセル『おい』

ブギーポップ『え、いたの? これ私とスノーホワイトのチャットじゃないの? 会議なの?』

ラ・ピュセル『いたわ!』

【ブギーポップがラ・ピュセルを退出させました】

【スノーホワイトがラ・ピュセルを入室させました】


・・・・・・


ルーラ「はぁ!? キャンディーの転送のやり方が分からなかったぁ!?」

スイムスイム「ごめんなさい」

ミナエル「あー……ブギーがいなくなってルーラのウザさに対抗する奴がいなくなった」

ユナエル「マジそれ」

ルーラ「うるさい!」

たま「珍しいね、スイムちゃんがミスなんて」

スイムスイム「……友達、だから」ボソッ

たま「え?」

スイムスイム「……」フルフル

たま「でも……ブギーちゃん…………やっぱり、戻って来てくれないのかなぁ」


さて、キャンディーが奪われずに済んだおかげで現在所持数は3000弱だ

ルーラ組の中でも中の下あたりだから最悪脱落は無いだろう

今日はキャンディー集めはお休みし、魔法の研究をする


ブギーポップ「………………」ゴクリ


立つのは貨物列車用の線路。普通の電車はまず通らないから止まっても問題は無い、はず

ここを使う人間には悪いが、泣いてもらおう

列車を待つ。やってきた。よし、轢かれよう

とはいえ普通に轢かれれば魔法少女と言えど死ぬ。もしくは大けがだ。だがこれくらいやらないと分かりやすく発動してくれない


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→魔法発動
 失敗→轢かれる
 


魔法の発動を感じる

今までは発動してるのかどうか分からなかったが、どうやら自分が負けないために色々運命を変えようとすると強く発動するらしい

と、目の前で路線変更のため、線路が動いた。貨物列車はブギーポップの目の前を逸れ、横へと路線変更する

今日はたまたま行き先が急遽変更になったようだった


ブギーポップ「…………」


何もなし。次


これくらいは分かっていたことだ。死んだら負け。なら死なないようにする


ブギーポップ「…………うーーーーん……」


他にどう研究しようか

勝負事、勝負事……


 知力(49+10=59)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→そもそも負けってなんだ?
 失敗→ラ・ピュセルにでも頼むか


 43……成功!

 
 
ふと、そもそも負けない魔法という言葉に違和感を覚える


負けない……つまり、引き分け以上だ。だが勝ちと負けしかない勝負……例えば、サッカーなどは同点で後半終了した場合延長戦、それでも決着がつかなかったらPK戦と意地でも勝ち負けを決める場合がある

じゃんけんもそうだ。ルーラとのじゃんけんも勝ちが出るまではあいこだけだった

というか、最初に魔法を使ったとき、「ルーラの魔法から逃げられなかったら負けだろう」という曖昧な思いを諦めなかったからこそ、逃げられた。負けとはなんだ?


ブギーポップ「…………もしかして」


急いでラ・ピュセルに連絡をとった


ブギーポップ『ラ・ピュセル、今すぐ会いたい』

ラ・ピュセル『はぁ? なんで。というか今昼だぞ』

ブギーポップ『だからなによ、会え』

ラ・ピュセル『私にも色々と生活というものがある!』

ブギーポップ『会ってくれるまで諦めないぞ』

ラ・ピュセル『いやだよ。諦めろ』


自分は今日学校を休んでまで来たんだぞ。ここでラ・ピュセルが会ってくれなきゃ負けだ。諦めるか。しつこく誘いまくる


ラ・ピュセル『…………分かった』

ブギーポップ『お、マジ?』

ラ・ピュセル『なんか急に時間が出来た』


ブギーポップ「やった」


すると友達からメールが来た

文面は「なんか学校に爆破予告があったんだって! おかげで皆今日は早退だよ~」

マジかよ


ブギーポップ「ええぇぇ……なんでウチの学校に?」


まぁいいや。どうせ今日は休んでいた身だし、ラ・ピュセルに会おう

鉄塔へと向かった


鉄塔に向かうとラ・ピュセルがいた

不承不承ながらも来たという感じの顔だ


ブギーポップ「ありがとう」

ラ・ピュセル「別に。それで、なんで私に? スノーホワイトじゃないのか?」

ブギーポップ「今日はちょっとラ・ピュセルと戦ってみたくて」

ラ・ピュセル「は?」

ブギーポップ「ああ別に殺し合いとかそういうのじゃなくて、普通に参ったって言うまで」

ラ・ピュセル「……」

ブギーポップ「どう? 逃げるなら今の内だけど」

ラ・ピュセル「まぁいいだろう。相手になろう」


ブギーポップ「ほら来なよ! 剣を持つ手が震えてるよ? ビビッてんの?」

ラ・ピュセル「そんな安い挑発には乗らない。お前こそいつでもかかってこい」

ブギーポップ「そういえばスノーホワイトってかわいいよねぇ。この前個人的に会ってチューしたんだけどさ、唇柔らかくて」

ラ・ピュセル「は、はぁ!?」


勿論嘘だ。だが、隙が出来た

それを見逃さない


ラ・ピュセル「くっ、この! 卑怯者め!」

ブギーポップ「負けたら土下座ね!」

ラ・ピュセル「はぁ!? ふざけるな!」

ブギーポップ「なに? ああ、どうせラ・ピュセルが負けるから土下座だもんね!」

ラ・ピュセル「するか! 土下座はお前がするんだぁぁ!」


ラ・ピュセルは見た目通り剣を使う。しかも結構強い

荒々しい太刀筋を避けるので精いっぱいだ


ブギーポップ「うわぁっ!」

ラ・ピュセル「なんだ、大口叩いてその程度か!」

ブギーポップ「ぐっ……!」


掠った。次は多分受けるだろう。来るぞ来るぞ、来た。避けられない

鉄塔の上をゴロゴロと転がる羽目になる

強い。確実に自分より強い。だが、だからこそ、諦めない。土下座させる。ラ・ピュセルに勝てなきゃ負けなんだ


 精神力(80)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ラ・ピュセルに勝つ
 失敗→そうちゃんのそうちゃんは強い


 22……成功!

 
 
ブギーポップ「まだだ!」


ラ・ピュセル「ふんっ、でももう限界じゃないか。もう降参したらどうだ?」

ブギーポップ「へっ、んなこと言って。絶対土下座させるから」

ラ・ピュセル「言ってろ! はぁぁぁぁっ!」


その時、鉄塔を揺らすほどの突風が吹いた

グラグラと揺れ、風に煽られ。ラ・ピュセルがよろめく

ブギーポップは偶然鉄塔の中心の柱に守られて風の影響を受けていない


ブギーポップ「もらった!」


ラ・ピュセル「はぁぁ!」


ラ・ピュセルが剣を伸ばす。マジかそういう魔法なのかよ

あの長さなら確かにブギーポップを斬れるだろう


ラ・ピュセル「っ、え!?」


と、剣を伸ばした先には偶然鉄塔のフェンスがあった。伸ばしすぎた県は骨組みだけのそのフェンスにうまいこと阻まれ、剣を振る動作が止まる

それを見逃さずブギーポップはラ・ピュセルに飛びかかり、組み敷き搦手をとった


ラ・ピュセル「いだだだだだ!」

ブギーポップ「ほらどう? 降参する? それとも腕を折られる!?」

ラ・ピュセル「分かった分かった! 降参! 参った!」


今日はここまで
トットポップとブギーポップのツインポップドライブによりGN粒子の出力は二乗される

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