【艦これ】チャンピオンの 大和が 勝負をしかけてきた! (172)

『さぁ!お互いに残る艦娘は1体となりました!』

『エース同士の対決となります!』

大和「私にもチャンピオンとしての意地はありますので、勝たせて貰います」

提督「貴女を……倒す!」

大和「響!」

提督「大鯨!」

『果たして勝利はどちらの手に――』

――――

―――

――



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1486904197

―鹿屋タウン―

日本列島、九州、鹿児島県……に位置する鹿屋タウン。
ここに今日から旅に出る少年が1人――

提督「」zzz

――寝ている。

提督「」zzz

浦風「おどりゃぁ!!!」バァン!

提督「うをぉっ!?」

浦風「はよう起きんか!今何時やと思っとるんじゃ!」

提督「何時って……え?」

言われて時計を見る。

【8:25】

提督「」

集合時間として伝えられているのは8:30。
普通にしていては間に合わない。

提督「なんで起こしてくれなかったんだよ!」

浦風「うちは何回も起こしたわ!それでも起きんあんたがいかんのじゃろ」

提督「くそぉ!」

ここだけ切り取れば、仲の良い親子の朝の一幕……なのだが、彼――提督のことを考えるとそれだけでは済まされない。

提督は今日、旅に出るのだ。

そう……




艦娘マスターを目指して!

提督「俺、提督!」

提督「15歳になったから旅に出ることが許されたんだけど、その旅立ちの日にまさかまさかの大寝坊!」

提督「同じ日に旅立つ幼馴染みと、博士を待たせてしまうことに!」

提督「これから俺の旅はどうなっ――」

浦風「ゴチャゴチャ言っとらんとはよう行かんか!」

提督「あっはいごめんなさい!」

浦風「あ、これは餞別の靴と地図じゃ」

ランニングシューズと タウンマップを 手に入れた!

提督「サンキュー、愛してるよママン」

浦風「はいはい、はよう行ってき」

提督「行ってきます!」タッタッタッ

浦風「はぁ……心配じゃ……」

浦風ママの心労は絶えない。

―大淀研究所―

提督「すいません遅れました!」

大淀「5分遅刻です」

提督「いやほんとごめんなさい」

時雨「そんなに遅れてないし良いんじゃないかな?」

提督「時雨……」

大淀博士は艦娘研究の第一人者である。
そして時雨は提督の幼馴染みであり、今日、艦娘マスターを目指しての旅に出る。

大淀「もう一人前なんですから、しっかりして下さいよ?」

提督「反省してます」

時雨「提督は相変わらずだね」フフッ

提督「仰る通りで……」

大淀「さて、提督も来たことですし早速艦娘を選んでもらいましょうか」

提督「自分の艦娘……」グッ

時雨「あ、提督が先に選んでいいよ。僕は後でいいから」

提督「良いのか?」

時雨「うん」

提督「じゃあお言葉に甘えて」

大淀「こっちです」

大淀に案内された机の上にはボールが3つ。
この中からパートナーとなる初期艦を選ぶのだ。

大淀「まずくさタイプの木曾」キソダ!

大淀「そしてほのおタイプの子日」ネノヒダヨ!

大淀「ラストがみずタイプの敷波」アタシノナハシキナミ!

大淀「どの艦娘にしますか?」

提督「う~ん……」

木曾と言う艦娘の格好には、男として心惹かれる何かがある。
子日は元気っ子のようで一緒にいたら楽しそうだ。
敷波はこう……素直になれなくて奥ゆかしい性格が良い。

提督「迷う……」

どの艦娘を初期艦とするのか、悩む提督の目の端にボールが映る。
そのボールはどこか寂しげで……放っておけない感じがした。

提督「大淀博士、そこのボールは?」

大淀「あぁ、これですか?この娘は最近見つかった新種の艦娘なんです。まだ分からないことが多くて……」

提督「そうなんですか」

大淀「あ、提督がこの娘連れて行きます?なんて、冗談ですけ――」

提督「そうします」

大淀時雨「え?」

提督「その艦娘にします」

時雨「ちょっと提督、その艦娘の名前すら知らないんだよ?」

提督「そうだな」

時雨「ならなんで?」

提督「その艦娘が俺を呼んでいる!……気がしたからだ!」

時雨「……」

大淀「……」

提督「駄目?」

大淀「……提督と一緒に旅に出た方が何か分かるかもしれませんし、そうしましょう」

提督「よしっ!」

大淀「では改めて、この艦娘の名前は大鯨。タイプはみずです。分からないことだらけなので、何か分かったら連絡を下さい」

提督「大鯨……よろしくな」

ボールに話しかけるようにそっと呟く。

時雨「本当にその艦娘にするんだ……」

大淀「時雨ちゃんはどうしますか?」

時雨「んー、僕は木曾にするよ」

大淀「木曾ですね。……はい、どうぞ」

時雨「ありがとう」

大淀「餞別にモンスターボールを5個と、艦娘図鑑をプレゼントします。これで新しい艦娘をゲットして、どんどん図鑑を埋めて言って下さいね」

モンスターボールを 5個 手に入れた!

艦娘図鑑を 手に入れた!

時雨「あ、そうだ提督」

提督「なんだ?」

時雨はニヤリと笑い、提督に提案をする。

時雨「一戦、してみないかい?」

初バトルをしないか、と。

とりあえずここまで

もうお分かりと思いますが艦娘をポケモンに当てはめた世界です。
艦娘の中にも浦風、大淀、時雨のように普通の人間として出てくる艦娘もいます。

>>1はポケモンエンジョイ勢なので何かおかしな所があれば御指摘お願いします。

乙 期待だが最初からならスレタイどうにかなんなかったのかと思った

スレ立て乙

ポケモンのシステムはどのシリーズなのかは知りたい、金銀までなら特性や性格は無いとかそういうの

>>13
スレタイに関しては深く考えてないので……
確かにこれだと大和との戦いだけに見えてしまいますね

>>14
システムは分かりやすくする為に
・物理特殊は技ごと
・特性あり
・タイプは第七世代準拠
です

各艦娘のタイプは名前から
例外的に艦種でタイプを決めています

乙です
ちなみにストーリーはどのシリーズベースかな?

>>19
ストーリー自体は各シリーズをちょこちょこ参考にしつつ、大体はオリジナルです
の予定です

※あと、艦娘は喋ります

続きは明日です

提督「おう、いいぞ」

トレーナーになったからには、勝負は受けて立たねばならない。

時雨「大淀博士、裏庭使っていい?」

大淀「2人とも好戦的ですね……良いですよ」

――

大淀「初めてのバトルということもありますので、私が立ち会い人をします」

提督時雨「お願いします」

大淀「ルールの説明は必要ですか?」

時雨「一応お願い」

大淀「分かりました。ルールは色々ありますが、今関係あるのは『トレーナーを狙って攻撃を仕掛けるのは禁止』『出せる艦娘は1隻まで』の3つですね」

提督「それ以外は?」

大淀「手持ちが複数いる場合は『入れ替え』、バトルで使えるアイテムがある場合は『アイテム使用可』、他にもダブルバトルだと『勝ち抜き』等あります」

提督「了解です」

大淀「では両者、艦娘を出して下さい」

その言葉を聞くや否や、待ってましたとばかりにボールを投げる!

提督「いけっ!大鯨!」

時雨「いけっ!木曾!」

2人の声に反応し、それぞれの艦娘が飛びたした。
提督のボールからは大鯨。

大鯨「頑張ります!」

時雨のボールからは木曾。

木曾「俺に勝負を挑む馬鹿は何奴だぁ?」

提督「大鯨、いきなりで悪いけど戦えるかい?」

大鯨「じ、自信はありませんが……頑張ります!」

時雨「木曾、頼んだよ」

木曾「あいよ」

大淀「艦娘図鑑を見れば、その艦娘のことがある程度分かりますよ」

提督「艦娘図鑑……」ピッ

No.184
【大鯨】
大鯨型潜水母艦 1番艦
タイプ:みず
「最近発見された新種の艦娘。まだまだ分からないことが沢山ある」

提督「短っ!」

大鯨「ご、ごめんなさい……」

大淀「しょうがないですよ」

時雨「こっちは……」ピッ

No.41
【木曾】
球磨型軽巡洋艦 5番艦
タイプ:くさ
「隻眼の艦娘。一人称が"俺"、かつアレな見た目なので厨二病と言われたりする。が、本人は否定している。進化すると重雷装巡洋艦となる」

時雨「……」

木曾「どうした?」

時雨「なんでもない……なんでもないよ、うん」

どちらも大変そうである。

大淀「艦娘図鑑の表示の下を見てください」

提督「下?」

大淀「自分の艦娘であれば、覚えている技や特性が見られます。他人の艦娘や野生の艦娘だと表示されないので気を付けてくださいね」

提督「ふむふむ……特性は――おっ」ニヤッ

大鯨の特性を見て声を上げた提督。
何やら閃いたようだ。

提督「っと、技は"あわ"と"なきごえ"が使えるのか?」

大鯨「えっと……はい」

時雨「木曾は……特性が"かちき"、技は"たいあたり"と――"しっぽをふる"!?」

木曾「そうだな」

時雨「"しっぽをふる"……」

木曾が覚えている技を確認した時雨は、口を抑えて背中を折る。
どうしたのか、木曾が不安気に時雨を見つめ、声をかけようとしたその時――

時雨「木曾が……ぷっ」

我慢出来なかったようだ……

木曾「あ、おい!何笑ってんだよ!」

時雨「いや、ごめん……その姿から想像出来なくて……ふふっ」

木曾「テメェ……覚えてろよ」

大淀「あのぉ……そろそろ良いですか?」

時雨「あぁ、ごめんごめん。木曾、お遊びはここまでだよ」

木曾「ったく……いいけどよぉ」

大淀「それでは、始め!」

大淀の合図で両者は共に指示を出す!

提督「"なきごえ"!」

時雨「"たいあたり"!」

タイミングはほぼ同時。
先に動いたのは――

木曾「おらぁっ!」ドン!

大鯨「きゃっ!」

木曾の"たいあたり"が大鯨にヒット!
対して、大鯨はふらつきながらもお返しと言わんばかりに"なきごえ"を放つ。

大鯨「が、がおー!」

提督時雨大淀「(かわいい)」

か わ い い

時雨「そんなこと言ってる場合じゃない!木曾、もう一回"たいあたり"!」

木曾「おうっ!」ドン!

提督「大鯨!"あわ"で迎え撃て!」

時雨「提督……いくらタイプ一致でも木曾に対しては効果はいまひとつだよ?」

提督「ふっ、なめるな!」

提督「大鯨の特性はな、"すいほう"なんだよ!」

大鯨「すーっ……ふぅぅぅ!」プクプク

大きく息を吸った大鯨は、シャボン玉にも似た泡を吐き出す!

木曾「うをぉっ!?」パチパチ

時雨「"すいほう"……」

特性:すいほう
みずタイプの技の威力が2倍になる。また、ほのおタイプの技を受けた時、ダメージが半減する。さらにやけど状態にならない。

提督「ダメージは1.5倍だ!」

木曾「ぐっ……」

時雨「大丈夫かい?」

木曾「なんのなんの、全然へっちゃらだぜ」

時雨「そう、なら次は"しっぽをふる"!」

木曾「おう!」

提督時雨「(どうするんだろう)」ワクワク

提督と時雨の期待に満ちた目線にさらされ、たじろぎながらも技を放つ。

木曾「ほっ」カチャッ

そして――ベルトを手に取り、クルクル回し始めた。

木曾「……」ブンブン

提督「……」

時雨「……」

大鯨「……」

木曾「なんだよ!」

提督「大鯨!今のうちに"あわ"!」

大鯨「はいっ!」プクプク

時雨「躱して"たいあたり"!」

木曾「任せろっ!」サッ

放射状に広がる"あわ"、その全てを尽く避けていく。

提督「なっ!」

そして大鯨の懐に入り――

木曾「悪いな」ドン!

大鯨「うっ……」ドサッ

大淀「大鯨戦闘不能!そこまで!勝者時雨!」

時雨「よしっ。木曾も良くやってくれたね」

木曾「当然の結果だ」

時雨達が勝利に湧く一方、提督は大鯨に駆け寄る。

提督「大鯨!大丈夫か?」タッタッタッ

大鯨「きゅう……」グルグル

提督「大鯨!?」

大淀「気絶してるだけですから命に別状はありません。後で回復してあげますから今はボールに戻して下さい」

提督「よくやった大鯨、今は休んでくれ」シュイン

時雨「木曾もありがとう」シュイン

大淀「バトルの流れは分かりましたね?」

提督「大体は」

時雨「あれ?提督、何か忘れてるんじゃない?」

提督「何かって……?」

時雨「負けたトレーナーは、勝ったトレーナーにお金を――」

提督「げっ」

大淀「今回は私が代わりに出しますよ」チャリン

提督「感謝しかありません」フカブカー

――

大淀「はい、回復してきましたよ」

提督時雨「ありがとう(ございます)」

大淀「これで憂いはありませんね。野生の艦娘との戦闘で艦娘が傷付いたら、ここまで戻ってくれば治してあげます」

提督「あ、それうちの母さんがやれるって言ってた」

大淀「……あぁ、そう言えばそうでしたね。ではどちらでも良いと言うことで」

大淀「それでは、行ってらっしゃい!」

提督時雨「行ってきます!」

2人の冒険が今、始ま――

提督「あ、ごめん。朝飯食ってないから食ってから行くわ」

時雨大淀「おい」



なんともしまらない主人公である。

ここまでです

大鯨がおーの為だけの"なきごえ"

――

大鯨「」オロオロ

提督「大鯨、食える時に食っとけ」モグモグ

大鯨「ふぇ!?」

浦風「食べ物を口に含んだ状態で喋るな」ベシッ

提督「う゛」

浦風「大鯨ちゃんも遠慮せんと、どんどん食べてええんよ」

大鯨「あっ、はい……いただきます」

現在、提督と大鯨は浦風の作った朝食を食べている所である。
ライバルである時雨に『僕は先に行ってるから。追いつけるように頑張りなよ』と言われたのにこれだ……

提督「金稼がないとなぁ……」ハァ

浦風から貰った資金は5万ほど。
宿代、飯代、雑貨代、アイテム代……その他諸々を考えると、1ヶ月もつか分からない。
いや、確実にもたないだろう。
宿代を節約する為に野宿するにして、も道具一式が必要になる。

提督「というわけで、食っとけ」

大鯨「はい!」

提督「他のトレーナー倒して金稼ぎ、か……」

浦風「おかわりはゆうてね」

提督「おかわり!」サッ

浦風「……」ハァ

――

野生の艦娘は、普段は木の実を食べて暮らしている。
主に【ネンの実】【ダンの実】【コウの実】【ボーキの実】だ。

ちなみにこの木の実、人間が食べると死ぬ。

トレーナーによって捕まえられた艦娘は、これらの木の実から作られたポロックやポフィン、ポフレを主な食事としている。

これらに調理すると、人間が食べても平気なようだ。
謎過ぎる。

そして、艦娘は人間の摂る食事と同じものを食べることが出来る。
艦娘は人型なので、同じものを食べるトレーナーの方が圧倒的に多いみたいだが。

――

提督「食った食った。大鯨もちゃんと食べたか?」

大鯨「はい、美味しかったです。特にこの、お味噌汁?でしたか、が一番!」

浦風「そう言って貰えると嬉しいなぁ」

大鯨「提督はお味噌汁作れますか?」

提督「……」メソラシ

浦風「提督は料理が出来んのじゃ」

大鯨「えっ……」

提督「すまん……」

浦風「食事はどうするつもりやったんか」

提督「テキトーにエナジーバーとかでいいかなって、はい」

浦風「まったく……料理の練習から逃げてばっかおって」

提督「仰る通りで……」

大鯨「あ、あの!」

提督「?」

大鯨「私に……私に料理を教えて下さい!」

提督浦風「へ?」

大鯨「なんだかやれそうな気がして……。それにちゃんとしたものを食べないと栄養が偏ってしまいます」

提督「艦娘にも栄養の概念はあるのか……」

大鯨「ボーキの実ばっかり食べてる方とかいますよ?」

提督「」

大鯨「だめ……ですか?」ウルウル

浦風「……うちはええけど、そうなるとまた出発が遅れるよ?」

提督「それは大丈夫、飯のほうが優先」

浦風「――と、言っとるから特訓やね」

大鯨「お願いします!」

浦風「とは言ってもそんなに時間は無いけえ、基礎だけ教えようか」

大鯨「はい!」

―数時間後―

浦風「いやぁ、大鯨ちゃんはセンスあるなぁ」

大鯨「あ、ありがとうございます……」

浦風「調理方法は大方大丈夫やね。あとはこの本見ればええよ」スッ

大鯨「良いんですか?」

浦風「ええよええよ。うちはもう中のレシピは覚えとるけえ」

大鯨「大切にしますね」ギュッ

浦風「うんうん」ナデナデ

大鯨「えへへ……」

グゥー

突如鳴り響いた音の正体は――!

提督「腹減った……」

浦風「はぁ……練習で作った料理があるけえ、それ食べていき」

――

浦風「あ、そうそう提督」

提督「うん?」

浦風「これ渡すの忘れとったわ」スッ

提督「……リング?」

浦風「バングルじゃ。それを使えばうちと連絡が取れるけえ、分からんことがあったら使うんよ」

提督「あいよ」

浦風「大鯨ちゃんも、料理のことで分からんことがあったら聞いてええからね」

大鯨「はい」

浦風「さて、もうこれで思い残す所もないな?」

提督「多分」

浦風「多分て……」

提督「それじゃあ改めて、行ってきます」

大鯨「行ってきます」ペコリ

浦風「行ってらっしゃい」フリフリ

提督と大鯨はようやく鹿屋タウンを後にした。
時雨が旅立ってから、実に5時間後のことである。

――

時雨「(提督遅くないかい……?)」

木曾「どうした?」

時雨「いや、なんでも」

――

―クサノの森―

提督「緊張する……」

大鯨「私もです……」

提督「ここの野生の艦娘って何がいるんだろう……」

大鯨「鹿屋タウンの近くですけど、来たことは無いんですか?」

提督「あぁ、来たことはあるけどあまり深くまでは入ったことがないんだよ。危険だって止められてたからね」

大鯨「そ、そうなんですか……」

提督「心配しなくてもそんなに野生の艦娘がいるわけが――」

ガサガサッ

提督「デスヨネー」

期待を裏切らず、きっちりとフラグは回収されていった。
草むらから飛び出したのは、勿論野生の艦娘。
頭の上に何やらプカプカ浮いているが……。
その艦娘はというと――

?「……」ジー

提督「めっちゃ見られてる……」

めっちゃ見ていた。

?「……ふっ」

提督「鼻で笑われた!?」

?「死にたくなかったら立ち去りなさい」サッ

手にしている槍を振るうと、飛び出したのは氷の針!

提督「うをぉぉ!?」

大鯨「きゃぁっ!」

提督と大鯨を氷の針が襲う。

野生の艦娘が使った技は"つららばり"。
氷の針を生み出し、攻撃する技だ。

だが、こおりタイプの技はみずタイプである大鯨には効果はいまひとつ。
すぐに体勢を立て直し指示を出す!

提督「大鯨、"あわ"!」

大鯨「はい!」プクプク

ダメージはほぼ受けてない、が――

パン!パン!

提督「え?」

大鯨の生み出したあわが次々に割れていく。

"つららばり"は連続攻撃が可能なのだ。

大鯨「っ!」

いくら威力が低い、タイプ相性が悪い、と言っても連続で当たればそのダメージは大きい。

?「」サッ

艦娘はその様子を見て、止めだと槍を振り上げ――

提督「大鯨戻れ!」シュイン

?「え?」

提督「そして逃げる!」ダダダ

当てる相手が消えた為、暫く固まっていた。

?「なんなのよー!!」

森の中に叫び声が響き渡る。

ここまで
初陣に続き第2戦も敗退

乙です
大抵は後半なみのり使って行く島辺りに出現なのに序盤の森から氷タイプだと!?

――

提督「はぁっはぁっ……」ドサッ

鹿屋タウンまで止まらずに走って逃げて来た提督は足を投げ出して座り込んだ。

手持ちの艦娘は大鯨のみ。
大鯨がやられてしまえば、野生の艦娘からフルボッコにされてしまうだろう。

それはもう完膚なきまでに。


提督「なんだよあの技……卑怯だろ」

なにやら文句を言っているが、全然卑怯ではない。
そういう技だ。

暫くして、思い出したように大鯨をボールから出して問いかける。

提督「大鯨、大丈夫か?」

大鯨「はい……ごめんなさい、私が弱いせいで……」

提督「いや、的確な指示が出来なかった俺が悪い。まさか連続攻撃だとは……」

大鯨「……」

提督「……」

浦風「2人とももう戻ってきたんか。しかもお通夜モードで」スタスタ

提督「やられて無様に逃げ帰って来たとこだよ」

浦風「それはそれは……」

浦風「どんな艦娘にやられたん?名前は?」

提督「分からん」

浦風「あんた……図鑑は」

提督「あ゛」

浦風「やと思ったわ」ハァ

提督「いや、そんな暇無かったと言うかなんというか……」

浦風「ま、頑張るしかないなぁ」

提督「だよなぁ……」

浦風「あ、大鯨ちゃんはダメージ大丈夫?」

大鯨「……」

浦風が話しかけてもどこか上の空だ。
ぼんやりと虚空を見つめている。

浦風「大鯨ちゃん?」

大鯨「――っ!なんでしょうか」

浦風「……大丈夫やないね」ボソッ

浦風「提督」

提督「ん?」

浦風「艦娘の気持ちの管理もトレーナーとして必要なことじゃ」

提督「わかってるよ……」

浦風「ならいい」

大鯨「あの~」オズオズ

浦風「あぁ!ごめんね。大鯨ちゃんの回復は何回でもしてやるけえ」

大鯨「ありがとうございます……」ペコリ

―再びクサノの森―

提督「大鯨」

大鯨「は、はい!」

提督「何回負けても良い」

大鯨「――!」

提督「負けても心が挫けないことが大切なんだ」

大鯨「…………」

提督「有名な言葉がある。『諦めたらそこで試合終了』だ」


絶対に諦めず

何度でも立ち上がり

最終的に立っていた方が勝者だ

提督「その過程が何であれ、な」


提督「だから、あの艦娘に絶対に勝つぞ。勿論木曽にもな」

大鯨「はい!!」

ガサガサ

提督「早速お出ましか」

?「また来たのね」

提督「この先に進まなきゃならんからな」ピッ

?「ふぅん……」

No.15
【叢雲】
特型駆逐艦 5番艦
タイプ:こおり・くさ
「クールな一匹狼。自分の容姿と実力にプライドを持つ艦娘。常に上から目線だが、優しい一面もある。気持ちによって頭の上の艦装の色が変わる」

提督「複数タイプな上にくさタイプもかよ!相性悪すぎんなぁ!おい!」

叢雲「なによ」

提督「なんでもねぇよ。大鯨、いくぞ!」

大鯨「はい!」



提督「うをぉぁぁぁ!」ダダダ

2敗目

――

提督「次だ!」

叢雲「またぁ!?」



提督「めっちゃ足が鍛えられるな……」ダダダ

3敗目

――

提督「次こそ!」

叢雲「あぁもうっ!」



提督「もう少し……もう少しだ!」ダダダ

4敗目

――

提督「よし、これで……」ダダダ

5敗目

浦風「あんた……いくらなんでも負けすぎじゃ」

提督「それは分かってるよ」

浦風「無謀な特攻に意味は無い。それは分かっとるはず」

提督「無謀なんかじゃない」

浦風「?」

提督「勝ち方はもう見つけた」

浦風「ほぉ……」

提督「次で仕留める」

浦風「随分と大口叩くなぁ」

提督「事実だからな」

―クサノの森―

提督「大鯨、次でラストだ。準備は良いな?」

大鯨「が、頑張ります!」グッ

ガサガサ

叢雲「またあんたらね!」

提督「悪いが、次は負けんぞ」

叢雲「どうせ勝てるわけないでしょ」

提督「いいや、負けて俺のもの(手持ち)になって貰う」

叢雲「えっ」ヒキッ

大鯨「提督……」ヒキッ

提督「あ、いや!違うぞ!?」アセアセ

叢雲「帰れ変態!」ブンッ

叢雲の"つららばり"が大鯨に迫る!
最初に大鯨に大ダメージを与えた技だ。

実は一度目だけでなく、その戦闘の全てがこの技によって終わらせられている。
なぜなら――

提督「その技しか使えねぇもんなぁ!」

叢雲「っ!」

提督「避けろ大鯨!」

提督はただ負け続けていた訳ではない。
普通に戦っては勝ち目がないと判断し、先程までは情報収集戦と割り切って戦っていたのだ。

意味が無い?
確かに、こんな手は普通の戦闘では通用しないだろう。
だが今に限って言えばそれは間違っている!

叢雲「ちょこまかと逃げ回って……!」ブンッ

何発かは当たりながらも大鯨は逃げ回る。

そして――





提督「ラスト……」ボソッ

提督「よし大鯨、こっちのターンだ」

大鯨「はい!」

叢雲「くそっ……」

提督「大鯨"あわ"!」

大鯨「ふぅぅ」プクプク

叢雲「またそれね!」ブンッ

シーン

叢雲「あ、あれ?」アセアセ

提督「だろうな」

叢雲「え、何で!?」ブンブンッ

シーン

さて、ここで艦娘が使う"技"についての説明をしよう。
"技"は、各艦娘と同様にタイプに分けられている。
その"技"一つ一つに特徴があり、数多の種類が存在する。

当たりやすい"技"
当たりにくい"技"

相手の能力を一時的に下げる"技"
自分の能力を一時的に上げる"技"

威力が高い"技"
威力が低い"技"

エトセトラ……

様々な種類に分けられる。

そんな"技"にも共通している部分が幾つかある。
その中の一つが――

提督「使用回数、俗称"PP"だ」

叢雲「……」

提督「何も考え無しに逃げ回って時間稼いでたわけじゃねぇ」

提督「"あわ"」

大鯨「はいっ!」プクプク

叢雲「――!こうなりゃヤケよ!」ダッ

提督「……当然"わるあがき"するしかないよなぁ」ニヤリ

遠距離攻撃手段の"つららばり"を、使用回数上限まで使い切ってしまった。
これが意味することは、自らが敵に向かわなければならないということ。

提督「ここでお披露目といこうか」





提督「"うずしお"」

叢雲「なっ――」

大鯨「はぁっ!」

艦娘は戦闘によって経験を得ることで成長していく。
勿論、相手を倒した方が多くの経験値を得ることが出来る――



提督「戦闘すりゃあ経験値って溜まるもんだろ」

だそうだ。

提督「"あわ"で逃げ道をふさげ!」

叢雲「くっ!」

大鯨「」プクプク

叢雲「ぁ」

経験値を得て、成長した大鯨が覚えたのは"うずしお"。
"あわ"よりも威力は低いが、一定時間ごとにダメージを与えていくものだ。

その渦に呑み込まれたが最後、抜け出せない!

提督「ここでボールを――」ビュン

"うずしお"で身動きが取れない叢雲にモンスターボールが当たる。
ボールの中に吸い込まれる叢雲。

ブォンブォンとボールが点滅しながら一度、二度と揺れ……。

遂に……

カチッ

提督「叢雲ゲットだぜ!」

大鯨「お、終わりました~」ペタン

提督「大鯨、よく頑張ってくれたな」ナデナデ

大鯨「えへへ……」

提督「さて、回復する為に一回戻るか」

大鯨「はい」

提督「あ、そうそう」

大鯨「?」





提督「俺たちの、勝ちだ」

大鯨「…………はい!」

―その頃の時雨―

時雨「(え、一日かからずに行ける距離じゃなかった!?)」ソワソワ

時雨「まさか何か事故に……」

木曽「どうした?」

時雨「木曽ぉ!」ダキッ

木曽「うをぉっ!?」タジッ

あわ→みずでっぽう
の予定だったけどいつの間にあわの威力上がってんだ……

あ、XYからなんすね……

>>52
タイプ二つ持ちかつこおりタイプは正直やり過ぎだと思いながら書いてました

艦娘を捕まえるなら艦娘ボールじゃないのか?

>>71
悩んだんですがこれはそのままです
艦娘ボールだとなんだかしっくりこなかったので

これを機に説明します

(今の段階で)元の名前のまま
トレーナー、モンスターボール、各アイテム(クリティカッターとか)、技、特性など

名前変更
ポケモン→艦娘
ポケモン図鑑→艦娘図鑑

だいたいは「ポケモン→艦娘」となります

だけど
ポケモンセンターはそのまま艦娘センターでいいのか
フレンドリィショップの名前をどうするか
悩み中……

フレンドリィショップ明石

違う
なんだしっくりこなかったって
本当の理由思い出した

スーパーボールとかハイパーボールとかのモンスターボール以外のボールの名前がめっちゃ長くなりそうだったから
です

>>73
最初に考えたんですがとある事情で無理なんです……

敵ポケモンのPPは減るようになったのか

ポケセンを泊地、ショップを酒保でどうだろう

>>75
減らないのは初代だけみたいですね
どれだけ鬼畜なのか

>>76
ポケセンは「艦艇修理施設」
ショップは「酒保」
でいきたいと思います

―シブシタウン―

提督「やって来たぜシブシタウン!」

ここはシブシタウン。
クサノの森を抜けた先にある町だ。

提督「次の街は……二時間もかからないのか、じゃあここはスルーして――」

「ちょっとお時間宜しいですか?」トントン

提督「はい?」

「貴方、トレーナーですよね?」

提督「えぇまぁ」

「そんな貴方にプレゼント!」

提督「いきなり!?」

「修復材です」スッ

提督「これ受け取ったら変な契約とかさせられたり……」

「しません」

提督「法外な値段をふっかけたり……」

「しません」

提督「……なら有難く頂戴します」

「はい、どうぞ」テワタシ

提督「どうも」ペコリ

「これを安く売ってる場所、知りたくないですか?」

提督「…………知りたいですね」

「着いてきてください」スタスタ

提督「そうやって路地裏に連れ込んで……」

「しませんから!」

提督「冗談ですよ」

――

「ここです」

提督「『みんなの酒保』?」

「そうです」

提督「まともな所なんですね」

「酷い……」

提督「あはは!それで、アイテム買う……って言いたい所だけど……」

「が?」

提督「節約中なんで、またの機会ということで」

「……今なら半額」ボソッ

提督「」ピクッ

「どうですか?」

提督「………………行きましょう」

「ありがとうございます。あ、私の名前は――」

鳳翔「鳳翔と申します」

―酒保―

提督「へぇ~、いっぱいあるんだな」

鳳翔「お役立ちアイテムから生活雑貨まで、なんでも揃いますよ」

提督「もし欲しいのが無ければ?」

鳳翔「取り寄せます」

提督「その頃違う町にいたら?」

鳳翔「色んな町にありますので、配達致します」

提督「すげぇ」

鳳翔「お褒めいただき光栄です。何か買われますか?」

提督「う~ん、修復材あと4個と……あ、そうだ」シュイン

提督「大鯨と叢雲はなにか欲しいのはあるか?」

大鯨「調理器具は浦風さんから貰いましたし……今は大丈夫です」

叢雲「そうやって私を懐柔しようとしても無駄よ」

提督「だから誤解だって……」

未だに信頼が得られていないようだ。

提督「いいから、欲しいのは?」

叢雲「む……それなら私用の食器とか欲しいわ。て言うかなんで買って無いのよ!」

提督「まさか早くに人数が増えると思ってなかったからな」

叢雲「……」

鳳翔「ではこちらにしますか?」スッ

提督「あらお洒落」

大鯨「良いですねぇ……」

鳳翔「叢雲さんは?」

叢雲「……悪くないわね」

提督「じゃあこれください」

鳳翔「かしこまりました」

――

鳳翔「またのご利用お待ちしております」ペコリ

提督「次にここに来るのだいぶ先だと思うんだけどな……」テクテク

提督「時間は……まだ大丈夫だな。次の街に行くか」

次の街は岩屋タウン。
提督が最初に挑むジムがある場所だ。

提督「叢雲もゲットしたし、この調子で倒すぞ!」

提督はまだ何も知らない。

岩屋ジムについて……

そして時雨は――

―岩屋タウン―

提督「よし、着いた!」

歩くこと約二時間、旅が始まってから三日目のことである。

提督「今日はもう休むか」テクテク

時刻は既に8時、もう夜だ。

提督「安くてそこそこのランク……あるか?」

「提督……」トントン

提督「ん?――って時雨じゃないか」

時雨「宿探してるの?」

提督「まぁな。今来たばかりだから」

時雨「それなら僕が使ってる所を紹介するよ」

提督「お、サンキュー」

時雨「まぁ客を連れてくると僕の料金が安くなるんだけどね」

提督「上手く使われただけじゃねぇかよ」

時雨「でも安いのは確かだよ。設備もそれなりに良いし」

提督「あまり期待しないでおこう」

時雨「ふふっ……」

―宿―

時雨「なかなか良い所でしょ?」

提督「これであの値段かよ……驚きだ」

時雨「副業で稼いでるかららしいよ」

提督「副業?」

時雨「なんだったかな……株?」

提督「すごっ!」

――

提督「時雨は今ここが拠点なのか?」

時雨「そうだね、今は木曽たちと一緒に経験を積んでるよ」

提督「俺もバトルしないとなぁ……」

時雨「うん……」

提督「けど時雨と木曽だったらすぐに勝てそうだけどな」

時雨「もしかしてここのジムのタイプ知らないのかい?」

提督「うん」

時雨「僕、物凄いショックだったんだけどね――」












時雨「ほのおタイプなんだって」

提督「それなら大鯨で――」





提督「って叢雲ぉぉぉぉ!!!」

叢雲の出番は無さそうだ……。

修復材について

キズぐすり→修復材
いいキズぐすり→高速修復材
すごいキズぐすり→超高速修復材
まんたんのくすり→完全修復材
かいふくのくすり→超完全修復材
げんきのかけら→応急処理要員
げんきのかたまり→応急処理女神

の、予定

あと、提督が大鯨と叢雲になんの説明も無しに聞いていたのは「ボールの中からは、ある程度周りの状況が分かる」からです
これは元からの設定ですね

乙です
最初のジムリーダーは大抵いわタイプだけどほのおタイプときたか

名前だけでいくと水、氷が結構な数になるな

>>90
応急処理じゃない応急修理

>>91
ジムのタイプは好き勝手してます
特に三つ目とかやばいです

>>97
一番多いのは実はひこうタイプです

再開は明日になるかも

>>96
ねっとうで代用出来るな

>>98
空母部隊と航巡航戦は飛行タイプとプラスαかな?

>>99
空母にはひこうタイプは付けてませんね


う~ん、タイプの振り分け方って公開した方がいいんでしょうか
あと明日(今日)出来るか分かりません

マジか…空母ひこう付かないのね…

勝手に予想するのも面白いし自分が描きたいようにするのが1番良いと思う。
予測とか書いちゃうと荒れる原因になりかねないからもう書かないようにするが

>>101,103
タイプ公開は止めにします
今後タイプ考察についてのレスには返信しませんが、やって頂いても構いません

>>58訂正
×艦装→○艤装

どうすればこんな間違いが起きるんだ

あとねっとうネタはどこかでぶち込みたい

――

提督「……」

叢雲「」ズーン

大鯨「……」アワアワ

大鯨「て、提督!」

提督「なんだ……?」

大鯨「今日はもうご飯にして、お休みしましょう!」

提督「……そうだな。叢雲もいるだろ?」

叢雲「………………貰っておくわ」

大鯨「(空気が重いよぉぉぉ!!)」

今後の方針を決めようとボールから出したところ、ずっとこれだ。

叢雲の纏う空気が重い。

いや、重過ぎる!

――

提督「しっかしほのおタイプか……」モグモグ

叢雲「私の存在意義……」モグモグ

大鯨「(やめてぇぇ!叢雲ちゃんそんな虚ろな目をしないで……)」モグモグ

提督「ま、解決策と言えばあれだな」

叢雲「解決策があるって言うの?」

提督「ある。それは――」

大鯨叢雲「それは?」







提督「レベルを上げて物理で殴ればいい」





大鯨「な、なるほど!」

叢雲「なるほどじゃないわよ!」

『レベルを上げて物理で殴ればいい』
有名な言葉だが、この言葉の意味は「わざわざ工夫をし、苦労して敵を倒すよりも、レベルを上げて殴れば簡単に倒せる」である。

……最もらしく説明してみせたが、つまりはそのままだ。

叢雲「私に対してほのお技は効果は抜群なんてものじゃないのよ!?しかもこっちからの攻撃も相性最悪!」

提督「だからタイプ不利を受けない技で先に倒す」

叢雲「無理でしょ……」

提督「それをどうにかするのがトレーナーの役目だからな」

叢雲「ま、せいぜい頑張りなさい」

提督「お前も頑張るんだよ!」

叢雲「はいはい。ったく、なんでこんな奴の指示に従わなくちゃいけないのよ」ブツブツ

提督「教えてやろうか?それはお前が負けたからだよ!HAHAHA☆」

叢雲「"つららばり"」ヒュンッ

提督「痛っ!」ドスドスドス!

大鯨「じゃれ合ってないで早く食べてください」

提督叢雲「「じゃれ合ってない!」」

大鯨「仲良いですね」クスクス

叢雲「はぁ……」

提督「ま、ウジウジ悩んでも仕方ないし、暫くはバトルしまくって成長しないとな」

叢雲「……」

―次の日―

提督「暇なトレーナーはいねぇがぁ!」バァン!

叢雲「口調が変よ?」

提督「この口調か?これは秋田のなまはげと言ってな、泣き叫ぶ子供たちを『悪い子はいねぇがぁ!』って大声で叫びながら追いかけ回す化け物の口調だ」

叢雲「なにその怪物!?」

提督「ま、実際は厄祓いや怠け者を諭したりしてくれる神の使いらしいけどな」

叢雲「さっきの説明からは想像つかないわね」

提督「だろうな。時間が経つにつれて鬼化したらしいぞ」

叢雲「へぇー」

大鯨「へぇー……じゃ、ないですよ!バトルするんですよね?」

提督「ごめんごめん」

大鯨「しっかりしてください」

叢雲「ほんとよ」

提督「おい」

大鯨「それで、これからどうしますか?」

提督「んー……歩いてたら見つかるんじゃね?って考えてるんだけど」

大鯨「ではそうしましょうか」

提督「おう」

――

提督「どっかにいねぇかなぁ……暇なトレーナー」

暇なトレーナーを探して歩き始めた提督。
"暇な"そして出来れば"自分と同レベル"のトレーナーがいれば最高なのだが、そう簡単に見つかるわけがない。

提督「そんな簡単に見つかったら苦労しない……か」

地道に探すしかないか……と肩を落とし、ションボリと歩き始めた提督の背後から伸びる何か。
それは提督の肩まで届き――

「ちょっといいですかぁ?」トントン

提督「ん?」クルッ

「トレーナーを探してるんですか?」

提督「そうだけど、君は?」

睦月「私は睦月!睦月もトレーナーなんですよぉ。だからぁ……バトルするにゃ!」

どうやら対戦相手を無事に見つけられたようだ。

提督「良いのか?」

睦月「勿論!貴方も駆け出しでしょ?」

提督「まぁ……"も"ってことはそっちも?」

睦月「そうにゃしぃ!」

提督「なら良かった。その勝負受けて立つ!」

睦月「おー!それなら早速移動しますよぉー」テクテク

提督「どこか専用の場所でもあるのか?」

睦月「この街の外にひらけた場所があるので、そこでしましょー」

提督「おう」

――

睦月「ここだよ!」

提督「おぉー」

街を出て歩くこと数分、そこには草原が広がっていた。
地面に生えている草も数cmのもので、運動をするのに支障を来す程ではない。
そして、辺りを見回すとそこかしこでバトルが繰り広げられている。

「"なきごえ"!」

「"はっぱカッター"!」

睦月「皆さんやってますねぇー」

提督「街の中じゃ出来ないからここでってことか。それにしても良い場所だなぁ」

睦月「でしょでしょー?貴方も気に入って……ところで名前は?」

提督「あ、言ってなかったっけ。俺の名前は提督、宜しく」

睦月「宜しくにゃしぃ!」

――

睦月「お互い自己紹介もしたところでバトルですよぉ!」

提督「よし来た!」

その言葉を合図に二人ともボールを投げる!

睦月「もっちー宜しく!」

「……だるい」ゴロン

提督「大鯨頼んだ!」

大鯨「頑張ります!」

睦月「見たことない艦娘だぁ!」キラキラ

提督「ん?……あぁ、大鯨は最近見つかった新種の艦娘らしいからな」

睦月「へぇー、大鯨ちゃんって言うんですねぇ」

提督「さてそっちの艦娘は……」ピッ

No.38
【望月】
睦月型駆逐艦 11番艦
タイプ:エスパー
「とにかくだらけるのが好きな引きこもりの艦娘。いつも本気を出さないが、ゲームをする時は人が変わったの如く豹変する。似たような艦娘に初雪がいる」

提督「エスパーか」

睦月「ってもっちー!起きてよぉ!」

望月「めんどい」ダラー

提督「大丈夫なのか?」

睦月「むぅ……もっちー、起きないとゲームぼっしゅ――」

望月「さぁやろうか!」サッ

提督「現金な艦娘だな」

睦月「むっふぅ!もっちーは起きれば強いんだにゃ!」ドヤァ

提督「なら気を引き締めないとな」

大鯨「はい!」

睦月「いきますよぉ~、"たいあたり"!」

望月「あーい」ダッ

対する提督も指示を出す。

提督「一回受けてから"あわ"」

睦月「いけぇ~」

望月「らぁっ」ドン!

大鯨「ぅ――まだまだです!」プクプク

望月「っ!」

睦月「ほぉ~、みずタイプですかぁ」

提督「続けて"うずしお"」

大鯨「はぁっ!」

睦月「おっと、もっちー避けて~」

望月「ほっ……めんどい相手だねぇ」

お互いに駆け出しのトレーナー、やはり実力は拮抗している。

提督「もういっちょ"うずしお"」

睦月「また避けて~」

大鯨「今度こそっ」

望月「当たらないって」サッ

提督「む……」

睦月「いきますよぉ、"あくび"」

望月「ふわぁーあ」

提督「マジかよ……!」

大鯨「うぅ……なんか眠くなってきました」ウツラウツラ

"あくび"、それは欠伸をすることによって相手の眠気を誘う技。
その睡魔からは逃れることは出来ない。
いや、逃れる手段はいくつかある。

その一つが――

提督「大鯨戻れ。叢雲!」シュイン

艦娘の入れ替えだ。

睦月「あぁ~!ずるいですよぉ!睦月まだもっちーしかいないのに!」

提督「そうなのか」

提督「だが知らん!勝負を仕掛けてきたのはそっちだ!」

睦月「そうですけどぉ~」

叢雲「……」

提督「叢雲、"つららばり"」

叢雲「はいは――いっ!」ブンッ

望月「ちょ、待っ、痛っ、痛いって!」

睦月「うわぁ……4回も当たるとかツイてないにゃあ……」

提督「ナイス!もっかい"つららばり"でトドメだ」

叢雲「ふんっ」ブンッ

睦月「もっちー避け――」

望月「いやムリ……」ドスドスドス

望月「」チーン

提督「よっしゃ!」

睦月「あちゃー、負けちゃいましたぁ。もっちーお疲れ」シュイン

提督「叢雲お疲れ」シュイン

提督「なかなか良い勝負だったな。特に"あくび"は焦ったぞ」

睦月「まさか提督が艦娘二人も持ってるなんて思わなかったにゃぁ」

提督「正直叢雲がいなかったら負けてたな……」

睦月「だよねぇ……負けた方は素直に賞金を払って引き下がるとします」チャリン

提督「お、サンキュー」

睦月「ここには睦月たちと同じ駆け出しトレーナーがいっぱいいるから、話し掛けてバトルをするといいのです!それでは」フリフリ

提督「またいつか!」フリフリ

提督「よぉーし、バトルしまくるぞ!」

その後様々なトレーナーと戦い、勝って負けてを繰り返した。
かなりの数をこなしたので、それなりの経験値にはなっているだろう。

―夜―

提督「はぁー、戦った戦ったぁ」

叢雲「実際に戦ってるのは私達なんですけど」

提督「分かってるよ。だけど支持出すのもなかなか骨が折れるんだぞ?」

大鯨「まぁまぁ、その話はそこまでにして、ご飯出来ましたよ~」

提督「おぉっ!旨そう!」

叢雲「ほんとね……」

提督「それじゃあ――」

提督大鯨叢雲「いただきます」

ここまで
睦月はアニメ睦月にどうしても引っ張られますね
違和感あったら言ってください

一応
※トレーナーは姉妹艦しか持ってないなどの縛りはありません

あとレベルを上げて~って七年前なんですね
もっと経ってる気がしてました

そこから更に一週間……

ある日は朝から晩までバトルをし、別の日には宿でダラダラし、またバトルをし……といった生活を繰り返していた。

提督「さぁて、そろそろ挑戦といくか!」

大鯨「いよいよですね」グッ

叢雲「勝てるんでしょうねぇ」

提督「策が嵌れば、な。だけどジムリーダーはやり手だから通じるかどうか……」

叢雲「そんな弱気でどうすんのよ。やるからには勝つ、それだけでしょ」

提督「そうだな。やってみてダメだった時はそのと――」

叢雲「そのダメだった時って考えをやめなさい」ビシッ

提督「いてっ……そうは言ってもトライアンドエラーが俺の戦い方だし……」

叢雲「そうなの…でも私は嫌いだから。私を使う時は必ず勝つ気で戦いなさい。いい?」

提督「………分かったよ」

提督「(時雨にも追いつかないといけないし、無駄な時間は無い……か)」

時雨は、既に数日前にジムリーダーを倒してバッジを受け取っていた。
そして報告に来たあと、その足で次の街へと向かったのだった。
『早くしないと僕がチャンピオンになっちゃうよ?』と煽ってから……。

―岩屋ジム―

提督「緊張する……」

大鯨「はい……」

叢雲「はぁ……さっさと行くわよ」ガチャッ

提督「あ、おいっ!」

叢雲「誰かいる?」スタスタ

「はいはーい、ちょっと待ってねー!」

叢雲「居たわね」

提督「おま……もうちょっと躊躇えよ」

叢雲「サクッと終わらせればいいのよこんなの」

提督「こんなのって……」

「お待たせ!挑戦者の方かな?」ヒョコッ

提督「あ、そうです。今からお願い出来ますか?」

「大丈夫よ」

提督「良かった」ホッ

「じゃあ早速対戦といきましょうか!こっちだよ~」テクテク

提督「はい」テクテク

―バトル場―

「改めて……ようこそ岩屋ジムへ!」







陽炎「私は岩屋ジムのジムリーダー、陽炎よ!」

おぉう……寝落ちしてたうえ内容が……
書きだめしてから書けば良かった
休みだからって夜更かしはダメ

ああああああああ!
岩屋じゃなくて岩川です
最初から間違ってるし……
メモ帳じゃ岩川って書いてたのに何故……
多分鹿屋タウンの鹿"屋"が混じったんだと思われます
脳内変換して下さい

お気付きの方が殆どだと思いますが、ジムのある街の名前は、各サーバーの名前です
場所もリンクしてます
そしてそれ以外の地名も実際の地図から地名を拝借しています
例えば
草野丘→クサノの森
志布志市→シブシタウン

鹿屋→岩川と来たら次は……?
出して欲しい地名とか場所とかあれば、展開に無理がない程度で入れることは出来る……かも

そして今書き溜め中……

すいませんもう少し待って……

http://i.imgur.com/zqI2Qlo.jpg
先原直樹・ゴンベッサ

都道府県SSの痛いコピペ「で、無視...と。」の作者。

2013年、人気ss「涼宮ハルヒの微笑」の作者を詐称し、
売名を目論むも炎上。そのあまりに身勝手なナルシズムに
パー速、2chにヲチを立てられるにいたる。

以来、ヲチに逆恨みを起こし、2017年現在に至るまでヲチスレを毎日監視。
バレバレの自演に明け暮れ、それが原因で騒動の鎮火を遅らせる。

しかし、自分はヲチスレで自演などしていない、別人の仕業だ、
などと、3年以上にわたって稚拙な芝居でスレに降臨し続けてきたが、
とうとう先日ヲチに顔写真を押さえられ、言い訳ができなくなった。

2011年に女子大生を手錠で監禁する事件を起こし、
警察に逮捕されていたことが判明している。

先原直樹・ゴンベッサ まとめwiki
http://www64.atwiki.jp/ranzers/

長い間放置してました……ごめんなさい……
新しく出た艦娘たちも少しは話に組み込んでちょっとずつですが再開していきたいと思います……

一応上げときます

やるとしてもまだ先になるんですけど、オリジナルの特性とかってどう思われますか?
持たせたい子が何人かいるのですが……
それはちょっと…という方がいれば控えます

ありがとうございます

陽炎「君は初めましてだよね。名前は?」

提督「鹿屋タウンの提督です!」

陽炎「バッジは何個?」

提督「まだ持っていません。ここが初めてです」

陽炎「お、初挑戦かぁ!じゃあこっちが使う艦娘は2隻までだね」

何故バッジの数を聞いたのか、それはトレーナーはどのジムから回っても良いからだ。バッジの所持数によって、バトルに使う艦娘の数が変わり、レベルも変わる。
どの地域に住んでいるトレーナーでもジムを回れるようにする為だ。岩川ジムからスタートしなければならないのなら、北に住んでいたトレーナーには不利すぎる。

提督「よろしくお願いします」

ジャッジ「お二人とも準備は宜しいですか?」

陽炎提督「うん(はい)」

ジャッジ「これより!ジムリーダー・陽炎と、チャレンジャー・鹿屋タウンの提督による岩川ジム・ジム戦を始めます!」

ジャッジ「使用艦娘は2隻。どちらかの艦娘が全て戦闘不能になればバトル終了です」

ジャッジ「なお、バトル中の艦娘交代はチャレンジャーのみ認められます」

陽炎「分からないところはあった?」

提督「いえ、大丈夫です」

陽炎「オッケー!じゃあ私からいくよ。暁、お願い!」

暁「暁の出番ね、見てなさい!」

No.71
【暁】
暁型駆逐艦 1番艦
タイプ:ほのお
「一人前のレディーに憧れる艦娘。お子様呼ばわりされると怒る。面倒見が良く、お姉さん振ろうとするが、失敗することが多い。その姿が可愛いとの評判も」

提督「大鯨!」

大鯨「頑張ります!」

陽炎「ん~、見た事ない艦娘だ……」

ジャッジ「それでは、バトル開始!」

提督「大鯨"あわ"!」

大鯨「はい!」プクプク

陽炎「みずタイプかな?避けて!」

暁「簡単よ!」

提督「ま、そう簡単に当たってはくれないか」

陽炎「当たったらやばいしねぇ。回り込んで"ひのこ"!」

暁「やぁ!」ポポポ

大鯨「っ!」

暁の放った"ひのこ"が大鯨に命中する。だがダメージは微々たるもの。タイプ相性とは戦術にかなりの影響を及ぼすのだ。

提督「"あわ"で押し切れ!」

大鯨「当たって下さい!」プクプク

陽炎「また避けてから"ひのこ"!」

暁「やぁ!」ポポポ

提督「避け……られないか」

大鯨「――大丈夫です!」

提督「よし、"うずしお"で閉じ込めるんだ」

大鯨「はぁっ!」

陽炎「あっ――」

暁「きゃあ!」

提督「よし」グッ

大鯨が発生させた"うずしお"に暁が閉じ込められる。

陽炎「まずいね……"かえんぐるま"!」

暁「――!」グルグル

暁が炎を身に纏い、回転を始める!

提督「"うずしお"をキープしろ!」

大鯨「はい……あっ」

"かえんぐるま"の回転力で水を弾き飛ばし"うずしお"から抜け出す!だが効果が抜群のタイプ技を受けたことで満身創痍だ。

陽炎「そのまま当たって!」

暁「突撃するんだから!」ドン!

大鯨「っ」

提督「"あわ"でトドメだ!」

大鯨「今度こそ!」プクプク

暁「――」

大鯨に当たったことで動きが止まった暁に対し"あわ"がぶつかっていく。果たして……

暁「きゅぅ……」バタリ

ジャッジ「暁、戦闘不能!よって大鯨の勝ち!」

暁との勝負は大鯨の勝ちで終わった。しかし――

陽炎「お疲れ様」シュイン

提督「ナイスだ大鯨!」

大鯨「は、はい……」ボウッ

提督「まさか……」

陽炎「狙い通り」






陽炎「"やけど"になったみたいだね」ニッ



――状態異常"やけど"に侵されてしまった。

ここまでです

あぁぁぁぁぁぁ!!!!!
>>29で書いてたくせにぃ!!!
うわぁぁぁ…………どうしよ……
>>165から書き直しますね……はい……

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