ほたる「夢とちえりちゃん」 (43)

モバマスSSです

人によっては不快に思われる描写などがあるかもしれません、ご注意を

人によって百合要素があると思われるかもしれません、ご注意を

地の文っぽいのが多めです。

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書き忘れ

・最後まで書き溜めがあります

・批判コメント、どしどしお待ちしております。

迷惑にならない程度で書いてね。

私は幸運です。

おみくじは大吉しかしかないですし、何かに躓いてころんだこともなくて、お

仕事で失敗したこともありません。

これらは全部私の幸運体質のおかげなんです。

プロデューサーさんにスカウトされてアイドルになったことも。

全部、全部、私の幸運のおかげ。

「プロデューサーさん、おはようございます」

私はプロデューサーさんにあいさつをします。

しかしプロデューサーさんは。

なにも言ってくれませんでした。

あいさつ、返ってはきませんでした。

私はプロデューサーさんに無視されました。

でもいつものこと。もう慣れました。

もう、慣れました。けど。私の深いところにある心は傷ついているかもしれま

せん。

でも、浅いところに作った偽りの心はまだ傷つい
ていません。いつものことですから。

これくらいで壊れるなんて、ありえません。

私は幸運です。

そのはずなんですけど。

さっきのプロデューサーのさんの反応を見てわかるとおりです。

私だけが幸運なのが恨まれたのでしょうか。

他に何か嫌われる原因があったのでしょうか。

そもそもなんで私はここに来ているのでしょうか。

嫌われているのなら、来なくてもいいのに。

そのほうが、みんな喜ぶのに。

いらないものをわざわざおいておく必要なんてないのに。

そんなにここにいる来るための大きい理由なんて。

「あ、ほたるちゃん、おはようございますっ」

ちえりちゃん。

「…おはようございます」

智絵里ちゃん。

事務所で私を嫌っていない珍しい子。

私にとって事務所は戦場みたいなもの。

智絵里ちゃんは私の安置。

私の唯一の居場所。

「ほたるちゃん…?」

「…っ! はい?」

「どこか具合悪いの…?」

「わ、悪くないですよ…?」

「よかった、ぼーっとしてたからどこか具合が悪いのかなって思って」

体調を気にかけてくれてちょっと嬉しかった。

そういえば結局今日はなんで事務所に来たんだっけ。

…そうだった、智絵里ちゃんとレッスンがあったんだった。

なんで忘れていたんでしょうか。

智絵里ちゃんのことは何一つとも忘れたくないのに。

なんで?

…時間も忘れちゃった。

「智絵里ちゃん、あの…」

「どうしたの?」

「レッスン、いつからだっけ…?」

「えっと、___時だよ」

よく聞こえませんでした。

「…ごめんね智絵里ちゃん、もっかい言ってもらいいもいい?」

「___時だよ」

時間の部分が聞こえない。

聞こえないというより、わかりませんでした。

認識できませんた。

気がついたら、何もわからなくなってきて。

気がついたら、意識が遠のいて―――

…あれ、ここはどこでしょうか?

私はベットの上で寝ているようです。

なんだか薄暗いところ。

ここは夢でしょうか?

…智絵里ちゃんはどこ?

智絵里ちゃんがいない。

私の智絵里ちゃんなら、隣りにいてくれるはず。

…他に隣に誰かいるようです。

誰?

「…プロデューサーさん」

あの私を無視するプロデューサーさんが座って寝ていました。

それは本当でしょうか。

ここが夢なら、無視するプロデューサーさんじゃない、やさしいプロデューサ

ーさんかもしれません。

そんなことをベットの中でもぞもぞしながら考えていたら、プロデューサーを

起こしてしまいました。

「ん? ほたる? おきたのか?」

「…はい」

私はベットの布団から顔を出しました。

プロデューサーさんは心配そうにこっちを見ていました。

「よかった、事務所に来ていきなり倒れたから心配したんだからな!」

そうでしたっけ。

私には、私にはわかりません。

こっちの世界に着たばっかりなので。

「…ほたる」

プロデューサーさんこっちに近づいてきました。

殴られるのでしょうか。

それとも、もっとひどいことを…?

ああ、プロデューサーさんの手が私の方に来て、そのまま…

私の、頭の上に乗っけて、そのまま撫でて…


「ふぇ、プロデューサーさん…?」

やさしいプロデューサーさんでした。

そういえば、最初の頃はこんな風にやさしかったのを…やさしかったんでした

っけ…?

わかりません。

「最近、寝不足なんじゃないか? 目のクマがすごいぞ?」

「え、私、いつも遅くまではおきてませんよ?」

いつも気がつくとあの世界にいて、生活している気がする。

「本当だとしてもクマができているのは寝不足の証拠だからな」

「今日みたいに倒れたらみんなが心配するからな、体を大切にしてくれよ?」

みんな。

みんなは私のことを心配している?

嫌いな私を心配するわけない。

どうせ、みんな、私のこと……



「おい、ほたる? 大丈夫か?」

「……あ…はい、大丈夫、です」

「まだぼーっとするか? とりあえず今日のレッスンは休んだほうがいい、俺

から言っとくから」

「…はい」

「じゃあ、俺は仕事に戻るから。 体調が良くなるまで休んでてな」

プロデューサーさんは仕事に戻りました。

ふふ、やさしいプロデューサーさん。

それが味わえただけでも、十分です。

あとは、智絵里ちゃんだけ…

智絵里ちゃんはどこでしょう?

…もうすこし寝ていたら来るでしょうか?

……はい、おやすみなさい、私。

………

……

……ここは何処でしょうか?

見える限りクローバーで埋め尽くされている、どこかの草原みたいです。

こんな場所、私は知りません。

私はどこに来てしまったんでしょうか?

とりあえず少し歩いてみます。

―少し歩いたところに人影が見えました。

誰でしょうか?

…!

あれは、あの子は。

ツインテールの髪型の女の子で、天使のようで。

私の大好きな智絵里ちゃんが、そこにいました。

「ちえりちゃん」

「あ、ほたるちゃん」

「ちえりちゃんはなんでここにいるの?」

「ほたるちゃん、四つ葉のクローバー、探さない?」

「っ…」

「さがそ?」

「うん…」

…違和感。

話が噛み合いません。

「こんなにクローバーあったら、四つ葉たくさん見つけられるね」

目の前の智絵里ちゃんが笑顔になった。

どこかで一度見たことのある、これ以上ない満天の笑顔でした。

どこで見たのかは覚えてませんが、なぜか不安で、嬉しい気持ちになります。

なぜでしょうか?

「ほたるちゃん、みてみて! 四つ葉見つけたよ!」

「あ…おめでとう…」

また、あの笑顔です。

見ているとなんだか幸せな気分になってきて。

本当はここは夢じゃなくて現実なんでしょうか?

と、思えてきて。

そうです、ここは夢じゃなくて現実なんです。

こんな幸せなことが夢なはずありません。

えへへ、私は幸運ですね♪

…幸運の私なら、四つ葉くらいすぐに見つけられるはずです。

しゃがんで探し始めます。

しかし、なかなか四つ葉見つからず、ちえりちゃんだけがどんどん見つけてい

る気がします。

…それどころか、私の周りは二つ葉が多いような。

なぜしょうか?

なんで?

なんでなんで?

私は幸運、幸運のはず。

たまたま運が悪いだけ?

そういえば、今まで幸運なことなんてありましたか?

なぜみんなに嫌われたんでしょうか?

そうです、私が不運だから。

不幸で、不幸で不幸だから。

まわりにいる人みんなに迷惑をかけて。

みんなに邪魔者扱いされて、嫌われて。

いつのまにかプロデューサーさんにも相手にされなくなって。

私は疫病神かなにかと思われているんでしょう。

もういいです。

疫病神になってみんなを祟ってやります。

あいつらみんな…!

「あ」

…見つけた。

四つ葉。

幸運、幸せの四つ葉を、見つけました。

不幸な私でも、疫病神な私でも、四つ葉を見つけられました。

えへへ、嬉しくておかしくなりそうです。

あは、あははは…

「ほたるちゃん…?」

「……」

「ほたるちゃん? どうしたの?」

あは、智絵里ちゃん。

四つ葉が似合うかわいい子。

運はあんまりよくないらしいけど。

私とおそろい、おそろい、ふふ…あは…あは…


「ほたるちゃん…? 大丈夫…?」

「…うん、大丈夫」

「あ、四つ葉、あったんですよ、ほら、ここに…」

私は四つ葉をつまみとって…?

これ…

このクローバー…

「智絵里ちゃん、これ…五つ葉です…!」

「五つ葉…!? ほんと…?」

智絵里ちゃんに五つ葉を見せようとしました。

見せようとした瞬間、智絵里ちゃんが消えて、クローバーもすべて枯れて、真

上にあった太陽は沈んで、あたり一面荒廃して。

驚きで声が出ません。

辺り一面にあったクローバーは?

さっきまで明るかったのに、太陽は? 今の時間は?

智絵里ちゃんは?

あの楽しかった智絵里ちゃんとの空間はどこに行ってしまったのでしょうか?

もうわけがわかりません。

意識が遠のいてきました……

………ここは?

夢…?

なんだか焦点が合いません。

ぼーっとします。

体を動かす気にはなれません。

…?

私の上に誰か乗っている感覚がします。

でも、焦点が合わなくて、誰かわかりません。

…頭もよく回りません。

私はどうすればいいのでしょう?

…何もできずに、ただぼーっとしつづけて。

…?

…ぼやけて誰かわからない人が大きくなっている気がします。

誰の顔でしょうか…?

頭があまり回らなくて、わかりません。

…いつのまにか目の前はその顔だけになっていて。

怖くなって私は目をつぶりました。

目をつぶった瞬間、私の唇に何かに触れられて。

目の焦点が合って。

前にいる人が、上にいる人がわかりました。

「おはようございますっ、ほたるちゃんっ」



…ちえりちゃん。

「ほたるちゃん、五つ葉、取っちゃったんですね?」

「四つ葉も、三つ葉も、全部枯らしちゃったんですね?」

「私の暗示、解いちゃったんですね?」

「…ほたるちゃんは私のことが嫌いなんですか?」

「受け入れてくれないんですか?」

ちえりちゃんの言っていることがよくわからない。

暗示?

私に暗示がかかっていた?

受け入れる、どういうこと?

私は智絵里ちゃんを受け入れてるはず。

わかりません。

混乱してきました。

「わからなくていいんですよ、私がわかるようにしてあげます」

「ほたるちゃん、こっちを見てください」

…ちえりちゃんの顔を見ました。

口は笑っていましたが、目に光はなく、濁っています。

なのになぜでしょうか、見つめてしまいます。

「そのまま見ていてくださいね?」

ちえりちゃんがこっちに近づいてきて。

また私の唇にちえりちゃんの唇をが触れにきて。

…私の意識が遠のいて…

「…ぁ」

いつのまにか事務所で寝てしまっていたようです。

…外が暗くなっています。

そこそこ長く寝てしまっていたようですね。

そしてかなり長く夢を見ていた気がします。

内容は…ぼんやりとしか覚えてません。

でもなぜか智絵里ちゃんがでてきたことははっきり覚えてます。



…えへへ、智絵里ちゃん。

智絵里ちゃんのことを考えるとぽかぽかしてきます。

幸せな気分になります。

…智絵里ちゃんはどこでしょうか?

智絵里ちゃんに会いたいです。

合わせてください、はやく…



…ガチャ、と事務所のドアが合いた音がしました。

「ほたるちゃん? 起きたの?」

「あ…」

智絵里ちゃんだ。

私の好きな智絵里ちゃん。

智絵里ちゃんを見て、智絵里ちゃんの匂いで、智絵里ちゃんの声で…

私の頭はとろけていく。

えへへ、智絵里ちゃん………

「ほたるちゃん」

「えへへ、なんですか? ちえりちゃん?」

「いま、幸せですか?」

「はい、とっても…」

おわり

長いと思ったら長くなくて
怖いかなと思ったら全然怖くできませんでした、はい。
変なノリでごめんね
まともな文章をかけるようになりたいです。
それでは最後にひとつ。

寝不足には気をつけよう!

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