THE 3名様 ~穂乃果~疾風伝 (71)

「リング」

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穂乃果「お腹空いたな~」

凛「凛もお腹ぺこぺこにゃ~」

店員「ラーメンセットのお客様」

凛「あっ、はい!凛です!」

店員「オムライスのお客様」

穂乃果「はい!」

店員「イカリング定食のお客様」

希「はい」

穂乃果「イカリング定食?そんなのあるの?」

希「まあ、ここは大抵の物はあるやん?」

穂乃果「そうだけど…イカリングって…珍しいね」

希「そうかな?」

穂乃果「うん。珍しいよ」

凛「なんでイカをわざわざリングにする必要あるのかな?そのまま揚げればいいのに…」

穂乃果「確かに…」

希「まあ、ただ揚げるよりリングにした方がお洒落やん?」

穂乃果「いや、関係ないって。イカリングにお洒落とか関係ないって」

希「だから穂乃果ちゃんはダメなんよ」

穂乃果「え?ダメ?」

希「料理って言うのは五感で楽しむもんなんやからね?だから、見た目にも気を使わなきゃいけないに決まってるやん?」

穂乃果「そ、それは確かに…」

凛「リングと言えば希ちゃんが指につけてるそれは?」

希「ああ、これ?」

凛「………結婚するの?」

希「しないよっ!」

凛「しないの?」

希「だって高校生やし………相手いないし………」

凛「大丈夫にゃ。ね?いつか、ね?」

希「え?なんでウチ慰められてるの?」

凛「可哀想だったから」

希「いや、勝手に可哀想にするのやめて?」

凛「じゃあ、どうすればいいの?」

希「普通に指輪買ったの?とか聞けばええやん?普段してないんやから」

穂乃果「あっ、もしかして指輪に気がついて欲しくてイカリング頼んだの?」

希「いや、ちゃうよ?それは勘繰り過ぎやって」

穂乃果「じゃあ、その指輪どうしたの?」

希「あのね、こないだお母さんがこっちに遊びに来た時にプレゼントしてくれたんよ。えへへ」

「人間観察」

穂乃果「あ~……暇まだね。こう、いざ練習が休みになると暇だよね」

凛「ラーメン美味しいにゃ~」

穂乃果「凛ちゃんはそればっか」

凛「だって、美味しいんだもん」

穂乃果「そうですか」

希「…………」

穂乃果「希ちゃん何してるの?」

希「え?」

穂乃果「何してるんですかー」

希「人間観察」

穂乃果「………人間が人間を観察してどうするのさ?」

希「別に人間が人間を観察してもええやん。って言うか人間以外人間観察なんてしないやん」

穂乃果「まあ…そうだけど。なんか良いイメージないよ?人間観察が趣味なんて」

希「別に趣味とは言ってないやん。ただ、面白い人がいるかなって見てるだけやん」

凛「そんな希ちゃんに良いお知らせが。面白い人が居たよ」

希「え?どれどれ?」

穂乃果「どこ?……あっ!?」

希「これは確かに面白い人を発見したね」

凛「うん。一人で何してるのかな?絵里ちゃん」

希「今日は忙しいって言ってたのに。めっちゃ暇そうやん」

凛「呑気にクレープ食べてるもんね」

希「あんまり食べ歩きは感心しないなぁ」

穂乃果「希ちゃんって所々真面目だよね」

希「まあ、最低限のマナーはね?」

穂乃果「とりあえず絵里ちゃんを呼ぼうか?」

凛「え?とりあえず観察しようよ。絶対に面白い事起こるにゃ」

希「あっ、ごめん。もうラインしちゃったよ」

凛「え~」

穂乃果「あっ、絵里ちゃん気がついたみたいだね」

希「そうやねってえりち…あーあー、クレープ持ったまま下向くからクレープがこぼれてるやん」

穂乃果「は、ほんとだ。服に付いちゃってるんじゃない?」

希「アホやな~」

ピンポーン

希「あっ、えりちからだ」

穂乃果「なんだって?」

希「すぐ来るって」

穂乃果「え?あのクリームが服に付いたまま来るの?」

「登山」

凛「凛何にしようかな~」

穂乃果「ラーメンでしょ?」

凛「味噌にしようか醤油にしようか悩んでるの!」

穂乃果「の!って言われてもさ」

希「凛ちゃん…穂乃果ちゃんは生徒会長になって変わってしまったんよ」

凛「え?そうなの?」

希「生徒会は穂乃果ちゃんから遊び心を奪ってしまったんよ…おのれ、生徒会めぇ」

凛「それはいちだいじにゃ」

穂乃果「希ちゃんは元副会長でしょ?何言ってるのさ」

希「遊び心と言えば…海未ちゃんから珍しく週末に遊びに行こうって誘われたんよ」

凛「凛も誘われたにゃ」

穂乃果「え?そうなの?穂乃果誘われてないよ?」

希「海未ちゃんが穂乃果ちゃんを誘わないなんて…何かしたん?」

穂乃果「いや…身に覚えが…」

凛「………」

希「どしたん?」

凛「嫌な予感がするにゃ…」

希「え?」

凛「本当に遊びの誘いなのかな?」

希「凛ちゃん…怖い事言うのやめて。薄々勘付いたよ」

穂乃果「え?」

凛「穂乃果ちゃんがいけないんだよ?」

穂乃果「ええ?何が?」

凛「穂乃果ちゃんとことりちゃんが海未ちゃんの山頂アタックに付き合ってあげてれば凛達に被害はなかったのに。凛知ってるよ?穂乃果ちゃんは海未ちゃんの登山に絶対付き合わないって」

穂乃果「そ、そう言うことか。…二人も海未ちゃんの誘い断ればいいじゃん」

凛「それが出来たら苦労しないの」

希「そうやんね?だから、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「な、何?」

希「罰としてパフェ奢ってな」

凛「凛も」

穂乃果「ええ?意味わかんないよ」

「風邪」

いらっしゃいませ~

凛「あの店員さんまたいるにゃ~。暇なのかな?」

穂乃果「バイトしてるんだから暇じゃないでしょ?」

希「そうよ?それを言ったらうちらにブーメランやん」

凛「ブーメラン?」

希「うん。ブーメラン」

凛「へ~」

穂乃果「え?凛ちゃん絶対に理解してないよね?」

凛「まあ、八割くらい理解出来たにゃ」

穂乃果「八割?え?それってどれくらいなの?」

凛「………はあ」

穂乃果「え?ため息ついた?」

希「ふふっ、二人とも元気がええなぁ」

穂乃果「え?そ、そう?」

希「うん」

凛「元気が良いと言えば皆んな大丈夫かな?」

穂乃果「そうだね。まさか、穂乃果達以外に全員風邪を引くなんて思わないもんね」

希「そうやね。最初はえりちとことりちゃんが寝込んで…」

穂乃果「海未ちゃんなんて私は鍛えてますから大丈夫です。なんて言って翌日休んでるし」

凛「でも、凛と穂乃果ちゃんは平気だよね?」

穂乃果「え?何で?」

凛「バカは風邪引かないって言うにゃ」

穂乃果「え?ちょっと待って?納得いかないんだけど?」

凛「え?………そうだよね?」

穂乃果「うん。気づいてくれた?」

凛「うん。だって、にこちゃんも風邪引いてるんだもんね?」

穂乃果「いや、そっちじゃないよ?穂乃果がバカに含まれている事だよ?」

凛「………え?」

穂乃果「………え?」

穂乃果「いやいや、穂乃果の場合はあれだよ?馬鹿だから風邪を引かないんじゃなくて体調管理をしっかりとしてるから風邪を引かないんだよ?むしろ、賢いから風邪を引かないの」

凛「え~」

穂乃果「それにそんな事言ったら希ちゃんだって風邪引いてないしね?」

希「うちの場合は………スピリチュアルやから」

穂乃果「あっ、なるほど」

希「うん」

……………

穂乃果「嫌になるほど健康だね」

凛「ね」

「テスト」

穂乃果「いやぁ、良かったよ」

凛「本当に良かったにゃ」

海未「そんな…大袈裟ですよ」

穂乃果「いや、本当に。あっ、海未ちゃんどうぞ座って?」

凛「そうだよ。病み上がりなんだから無理しちゃダメだよ?」

海未「病み上がり言ってもただの風邪ですし」

穂乃果「何言ってるのさ。海未ちゃんに何かあってからじゃ遅いんだもん。穂乃果にとって…一番大切だから…」

海未「穂乃果…」

凛「それは凛だって同じにゃ」

海未「凛…」

穂乃果「…だから…ね?」

海未「それでは…先に座らせていただきます」

穂乃果「うん。それじゃ、穂乃果は海未ちゃんの隣に」

凛「あっ、ずるいにゃ。海未ちゃんの隣は凛なんだよ?」

穂乃果「なんでさ。海未ちゃんの隣は穂乃果って昔から決まってるんだよ?」

凛「そんなのきまってないにゃ」

海未「え?ふ、二人とも?」

穂乃果「海未ちゃんは穂乃果の方がいいよね?幼馴染だし」

凛「そんな事ないよね?可愛い後輩が隣の方がいいよね?」

穂乃果「μ'sは先輩後輩禁止です~」

海未「ふ、二人ともどうしたのですか?こ、これが噂に聞くモテ期ですか?聞いていたのとはちょっと違いますけど…」

穂乃果「穂乃果は何としても海未ちゃんの隣にいたいの。海未ちゃんの隣は穂乃果がしっくりくるの」

凛「凛の方がしっくりくるにゃ。世間はルパンと次元、ガチャピンとムック、永沢くんと藤木くん、海未ちゃんと凛だもん」

穂乃果「そこは大野君と杉山君でしょ?」

凛「どっちだっていいにゃ」

海未「あ、あの…気持ちは物凄く嬉しいのですが…わ、私の為に争わないでください」

穂乃果「どうせ、凛ちゃんはあれでしょ?明日の英語のテスト休みたいから海未ちゃんに風邪をうつして貰いたいだけでしょ?」

凛「穂乃果ちゃんこそ明日の数学のテストをやりたくないだけのくせに」

海未「………」

穂乃果「凛ちゃんはいいじゃん。一年生なんだからまだ間に合うでしょ?」

凛「なにが間に合うの?意味わからないよ?」

穂乃果「今から勉強すればまだ間に合うって言ってるの」

凛「間に合うわけないでしょ?明日だよ?穂乃果ちゃんこそ二年生なんだからちゃんとしないとまずいんじゃないの?」

穂乃果「もう、手遅れだよ」

海未「なるほど、そう言う事だったのですね」

穂乃果「え?」

凛「あっ」

海未「安心してください。風邪は完治しましたので二人には絶対にうつしません」

穂乃果「あっ、ほんと?」

凛「よ、良かったにゃ~………」

海未「いつまで立ってるのです?早く座りなさい?」

穂乃果「あっ、うん」

凛「はい」

海未「私も二人が心配です。馬鹿につける薬はないと言いますからね?でも、安心して下さい?私が治してあげますから楽しみにしておいて下さいね」

ほのりん「そ、そんなあ」

「名字」

穂乃果「お腹空いたなぁ。何にしようかな?」

凛「凛はラーメン!」

希「うちは焼肉定食!」

穂乃果「二人とも飽きないね」

凛「穂乃果ちゃんだって毎日パンが美味いとか言ってる癖に。よく飽きないよね?」

穂乃果「そ、それは…パンは無敵だから」

希「あっ、うち整った!」

穂乃果「え?何が?」

希「焼肉定食とかけまして夏の始まりと解きます」

穂乃果「………あっ、その心は?」

希「全然あきが来ない」

凛「え?どう言う事?」

穂乃果「あれだよ?あの………ね?」

凛「どれ?」

穂乃果「まあ……ね?」

凛「うん……え?」

希「二人にはレベルが高すぎたんかな?」

いらっしゃいませぇ

凛「あっ、あの店員さんまたいるにゃ」

穂乃果「その台詞もほんと飽きないね」

希「夏の始まりやね」

穂乃果「え?」

希「あっ、もういいや」

凛「あの店員さん、鈴木って言うんだね」

穂乃果「え?そうなの?」

凛「名札に書いてあるにゃ」

希「鈴木かぁ。ありがちな名前やね」

穂乃果「そうだね。全国トップクラスだよね?」

凛「羨ましいにゃ」

穂乃果「え?そう?」

凛「うん。だって、名字が鈴木だったら校内放送で呼び出しくらってもバレにくいにゃ。星空なんて一発で凛だってバレちゃうもん」

穂乃果「いや、呼ばれる様な事しなきゃいいじゃん」

凛「そんな事言っても…呼ばれるんだから仕方ないにゃ」

希「高坂はそんなに少なくなさそうやからそう言った事で困らんやろ?」

穂乃果「そんな事ないよ。中学の時に呼び出しくらって雪穂に恥ずかしかったって怒られたんだから」

希「穂乃果ちゃんも呼び出しくらってるやん………」

凛「凛だって小学生の頃しかないのに…」

「制服」

いらっしゃいませ~

わいわいがやがや

希「お~、部活帰りの野球少年達やね」

凛「中学生かな?」

希「そうやろうね。一年生かな?」

凛「そうだね。学ラン姿が初々しいにゃ」

希「凛ちゃんだってこの間まで中学生やったやん」

凛「そんな事ないよ」

希「いや、そんな事はあるやん」

穂乃果「学ランって良いよね?」

希「え?」

穂乃果「だから…学ランって良いよね?」

希「ああ、穂乃果ちゃんは学ラン男子がお好みなん?まあ、ウチらは女子校やから珍しいもんね」

穂乃果「そうじゃなくってさ、学ランっていいよね?」

希「え?何が言いたいんかな?」

凛「穂乃果ちゃん、いつもより輪をかけて意味わからないよ?」

穂乃果「だから、学ランってかっこいいよねって」

希「だから、学ランを着てる男の子が好みなん?」

穂乃果「違うよ。穂乃果も学ランを着たいって言ってるの」

希「え?そっち?」

穂乃果「だって、かっこいいじゃん。いいよね、男の子はさ。穂乃果だって学ラン着てみたいよ。ズルイよ男の子は。学ランとかブレザーとか色々種類があってさ」

希「いや、女の子だって種類多いやん」

凛「穂乃果ちゃんってそう言うところあるよね」

穂乃果「ことりちゃんに頼んで次の衣装を学ランにしてもらおうよ」

凛「あっ、それは面白そうにゃ」

希「確かに…それはそれでウケるかもしれんね」

穂乃果「でしょ?どうせならサラシを巻いて長ランしてもうとか?」

希「あー、でもウチや穂乃果ちゃんはサラシ巻くと苦しいと思うよ?」

凛「なんで、凛は入ってないの?」

希「凛ちゃんやにこっちはサラシを巻く必要ないやん?」

凛「失礼にゃー」

穂乃果「海未ちゃんも必要ないよね~アハハ」

希「………いや、それは…」

穂乃果「え?急にどうしたの?」

希「穂乃果ちゃん…うしろ?」

穂乃果「え?」

「ドッキリ」

穂乃果「暇だねぇ~」

凛「暇だにゃ~」

希「穂乃果ちゃんは店番よかったん?」

穂乃果「まぁね。雪穂がいるから大丈夫」

凛「いいなぁ。出来の良い妹がいて羨ましいにゃ」

希「ほんまやなぁ。ウチは一人っ子やから羨ましいなぁ」

穂乃果「そう?」

希「うん」

穂乃果「………」

凛「暇だにゃ~」

希「いい事思いついた!」

穂乃果「え?何?」

希「ドッキリや」

凛「ドッキリ?」

希「うん。例えば…ウチがえりちに好きなテイで愛の告白を…」

穂乃果「え?そうだったの?」

凛「希ちゃんは絵里ちゃんをそう言う目で見てたの?これは確かにドッキリしたにゃ」

希「いや、違う違う。そう言うテイでやって」

穂乃果「え?違うの?」

希「うん」

凛「じゃあ、希ちゃんは絵里ちゃんの事が好きじゃないの?」

希「いや、それだと語弊が…」

穂乃果「あんなに仲良く見えるのに?」

希「いや、好きやよ?」

穂乃果「え?やっぱり希ちゃんってそっち…」

希「ちゃうちゃう。だからテイやって」

凛「え?どっちなの?」

希「どっちも何もないやん。テイなんやから」

凛「そんな事言われたって凛分からないよ」

希「え?なんで分からんの?だから、テイやって」

穂乃果「じゃあ、はっきり言ってよ?」

希「だから、えりちに対して愛はあるよ?でも、それは友愛やん?そりゃそうやん?えりちは親友やもん。愛はあるにきまってるやん?それを踏まえてドッキリとして恋愛感情があるテイでって話やん。テイやで?テ・イ!」

凛「あっ、すいません!ドリンクバーお願いします」

穂乃果「あっ、私も」

希「………」

「三年生」

希「ウチは焼肉定食!」

絵里「希は本当に焼肉好きなのね」

にこ「あんまり焼肉ばっかり食べてると太るわよ?」

希「大丈夫。ウチの場合は全部胸にいくみたいやから。にこっちこそ無理なダイエットしてると出るとか出ないよ?」

にこ「無理なんかしてないわよっ」

希「ほんとに~?」

絵里「ふふふ」

にこ「何あんたまで笑ってるのよ」

絵里「ごめんなさい。何だか…こうして3人でファミレスで食事なんて一年生の頃は全く想像もしてなかったから」

にこ「そりゃそうでしょ?仲良くもなかったんだから」

ーーーーーーーーーーー

いらっしゃいませー

希「あの…絢瀬さんは…ファミレスとかよく来るの?」

絵里「クラスメイトとこうして来るのは初めてね」

希「クラスメイト…」

絵里「東條さんは?よく来るのかしら?」

希「私…ウチは…友達とかいた事ないし…両親も忙しいから…」

絵里「そうなの…」

希「うん」

絵里「…」

希「あの…」

絵里「何?」

希「いや…」

絵里「そう」

希「………」

絵里「ごめんなさい」

希「え?」

絵里「私と居てもつまらないでしょ?」

希「そんな事はたんたんたん」

絵里「私も…分からないの」

希「え?」

絵里「こう言う時どう言う話をしていいか…」

希「絢瀬さん…」

絵里「だから…」

希「だったら」

絵里「え?」

希「少しずつ。二人のペースでゆっくりでええから…ね、えりち?」

絵里「えりち?」

希「うん」

絵里「そうね。ありがとう、希」



にこ「あれ?あの派手な金髪…ウチの学校の…まっ、喋った事もないしこれからも喋る事もないだろうから。そんな事より明日のライブは絶対に成功させなくちゃ」

ーーーーーーーーーーーーーーー

にこ「たくっ、ふざけんじゃないわよって何人のケーキ食べてんのよ」

希「ん~甘い」

絵里「ふふ」

希「ん?…これから穂乃果ちゃん達も来るって」

にこ「今から?」

希「うん。ってえりち?アイス溶けてるやん?」

絵里「え?あ、あ~」

「アイスクリーム消失事件」

凛「ん~美味しいにゃ~」

希「ほんまやね。ここのアイスクリームは絶品や」

凛「でも、量が少ないのがね…」

希「 どうして美味しい物に限って量が少ないんやろ?」

凛「ね?不公平だよね?」

希「不公平かどうかは分からんけど…あと少し量があればね」

店員「空いてる器をお下げしてよろしいでしょうか?」

希「あっ、はい」

店員「…」テキパキ

凛「持っていっちゃったね」

希「ね」

穂乃果「いやあ、トイレ混んでたよ。お客さんそんなにいないのにさ」

希「あっ…お帰り」

穂乃果「さてと、楽しみにしてたアイスを…あれ?穂乃果のアイスは?」

凛「今、店員さんが…」

穂乃果「食べたでしょ?穂乃果のアイス食べたでしょ?」

希「いやいや、だから店員さんがね?」

穂乃果「店員さんが食べたの?」

希「違うよ。持っていっちゃったんよ」

穂乃果「ええ?嘘だよ。だって、中身まだあったじゃん。なのに持っていくわけないじゃん」

希「いや、それはね?」

穂乃果「どっちかが食べたんでしょ?」

凛「凛じゃないってば」

希「いや、凛ちゃん。その言い方だとうちが食べたみたいやん。二人とも食べてないでしょ?」

穂乃果「怪しい。希ちゃんが怪しいよ」

希「ええ?ウチ疑われとるの?」

穂乃果「………」

希「え?何?」

穂乃果「犯人が分かったよ。凛ちゃん、関係者を集めて?」

凛「うん」

希「いや、関係者はもう集まってるやん。いや、店員さんが居ないけど」

穂乃果「犯人は希ちゃん。あなたですね?」

凛「ええ?」

希「ええって凛ちゃんは真相をしってるやん」

穂乃果「希ちゃんは自分のアイスを食べたけどそれだけじゃ足りなかった。だから、穂乃果のアイスも食べてしまった。違うかな?」

希「違うよ!推理にすらなってないやん」

穂乃果「証拠はあるよ?」

希「ええ?」

穂乃果「希ちゃんのその胸が証拠だよ。牛乳をいっぱい飲まなきゃそんなに大きくはならない。アイスの原料は牛乳だよ?」

希「いや…あのね?」

穂乃果「何か弁解があるかな?」

希「いや、穂乃果ちゃんがトイレからなかなか帰って来ないからアイスが溶けてしまったんよ。それを見て店員さんが持って行っちゃったの。まさか、ウチ等も店員さんが持って行くとは思わんから…」

穂乃果「え?そうなの?」

希「うん。なんなら店員さんに聞こうか?」

穂乃果「いや、いいよ」

希「まあ、穂乃果ちゃん。あんまり証拠もないのに人を疑っちゃダメよ?」

穂乃果「はい」

希「罰としてドリンク持ってきて」

穂乃果「うん」

希「………」

凛「………」

希「なんで途中で裏切ったん?」

凛「希ちゃん一人のせいに出来るかなって」

希「感謝してな?ウチのお陰で完全犯罪に出来たんやから」

凛「うん」

「エリーチカ」

絵里「食べたのよね?」

凛「食べてないもん」

絵里「嘘つきなさい?私のアイス食べたでしょ?」

凛「食べてないもん」

絵里「じゃあ、なんで私の分のアイスがなくなってるのかしら?」

凛「…悪い人が…来て…勝手に食べた…」

絵里「そうなの?」

凛「うん」

絵里「どうなのかし、希?」

希「さ、さあ?」

凛「凛、食べてないもん」

絵里「あのね?トイレから出てきた時私のアイスを食べてる凛が見てたの」

凛「それ、凛じゃないもん」

絵里「いや、無理があるでしょ?」

凛「でも、凛じゃない」

絵里「凛?流石の私も怒るわよ?」

凛「違うもん…凛じゃないもん」ジワ

絵里「え?ちょ、泣く事ないじゃない」

凛「凛じゃ…ないもん」

絵里「ちょ、凛?ね?泣かないで?あっ、ジュース飲む?」

凛「………」

絵里「ね?そうしましょ?持ってきてあげるから。ね?だから、泣かないで?凛が泣いたら私まで悲しくなっちゃうから。ね?」

凛「…」コクッ

絵里「何飲む?カルピス?コーラ?りんごジュース?」

凛「…メロンソーダ」

絵里「うん。わかったわ、今持ってきてあげるから、ね?」

凛「うん」

凛「……」

希「……凛ちゃんのお陰やね。ウチも助かったよ」

凛「絵里ちゃんが怒りそうだ怖かったにゃ」グスッ

希「えりちもまだまだ甘いなぁ」

凛「………」グスッ

「園田式」

凛「………」

希「………」

海未「どう言う事でしょう?お手洗いから帰ったら私のアイスクリームが綺麗になくなってるのですが?」

希「…」

凛「…」

海未「食べたのでしょう?どうなのです?」

希「いや…」

凛「違くて」

海未「…最近」

希「え?」

凛「何?」

海未「最近、剣道の稽古の方が疎かになっていまして。練習相手を探している所なのですが…」

希「えっと?」

凛「なんで急に?」

海未「私が言いたい事…分かりますよね?」

希「いや、あの」

海未「10」

凛「え?」

海未「9」

希「な、なんのカウントダウン?」

海未「8…7…6」

凛「う、海未ちゃん?」

海未「5…4…3…」

希「うち、うち食べました。凛ちゃんと二人で!申し訳ありませんでした」

凛「あっ、希ちゃん。ズルいにゃ」

希「早い者勝ちやって」

海未「2……」

凛「え?」

希「凛ちゃんも謝って」

凛「う、海未ちゃんごめんなさい」

海未「1…」

希「え?」

凛「な、なんで?」

海未「0」

凛「う、海未ちゃん?」

希「あの?」

海未「やはり、あなた達でしたね?最初に嘘を吐こうとしたし事が気に入りません。明日、家で待ってますので」

希「え?」

凛「な、何するの?」

「母からの電話」

穂乃果「さてと、穂乃果は何にしようかな~」

凛「凛はね~」

穂乃果「ラーメンでしょ?」

凛「うん」

希「ウチは…」

プルル

穂乃果「あれ?電話?」

希「あっ、ウチや。もしもし?」

希「あっ、お母さん?え?うん。元気だよ?うん、うん。え?本当に?うん、のんちゃんも楽しみにしてるね?うん。絶対だよ?うん。じゃあね」ピッ

穂乃果「……」

凛「……」

希「どしたん?」

穂乃果「いや…あの?お母さんから?」

希「うん」

穂乃果「希ちゃんってお母さんの前だとあんななの?」

希「え?」

穂乃果「のんちゃん」

希「え?」

穂乃果「いや、自分の事のんちゃんって」

凛「喋り方も変わってたよ?」

希「いや…気のせいとちゃう?」

穂乃果「いやいや」

希「バリバリ関西弁やし。ごっつ関西弁やし」

凛「それはそれでいつもと違うよ、のんちゃん?」

希「なっ」

穂乃果「無理する事ないって、のんちゃん」

希「本当にやめて?ウチ、そう言ういじられ方なれてないんやって」

凛「じゃあ、少しずつ慣れていこう?のんちゃん」

穂乃果「ファイトだよ!のんちゃん」

希「だから、やめてって」

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