ヘレン「Dの悲劇」 (17)

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ヘレン「ハッ! ハッ! ここでターン!」




ヘレン「ふぅ。いい汗を流したわ」

七海「ふわぁ~。すごいダンスれすねぇ。キレキレれしたよぉ」

ヘレン「ありがとう七海。世界レベルになったらここまでのダンスくらい容易いものよ」

七海「七海もヘレンさんみたいにダンスがうまくなりたいれすね~」

ヘレン「ならば、一緒にダンスの練習でもする? ダンスの経験者がいれば、自然とダンスにも慣れると思うし」

七海「いいんれすか!」

ヘレン「もちろんよ。共に世界レベルを目指しましょう」

七海「はい! れすぅ!」

モバP「おっ。なんだなんだ。楽しそうだな」

ヘレン「プロデューサー。今から七海とダンスの練習をしようと思ってね」

七海「感激れす~」

モバP「へぇ。そうか」

モバP「……」

モバP「なぁ、できたらなんだけど、俺もそのレッスンに加わってもいいか?」

ヘレン「もちろんよ」

七海「ほへ~。プロデューサーもダンスをするんれすか?」



モバP「ちょっとな」

モバP (あの時できなかったブレイクダンス……今度こそ成功させてみせるぜ!)

七海「ん~。お魚ダンスれす~。どうれすか~?」

ヘレン「グッド! 海に漂う魚らしさを追求したダンス……かなり洗練されているわね」

七海「よかったれす~」

ヘレン「あなたらしさを出していけば、ダンスも自然と上達するはずよ。お互い日々精進しましょうね。七海」

七海「はい! れすぅ!」



ヘレン「そしてあなたはーー」

モバP「くっ……流石に昔みたいにはいかないか」

ヘレン「まさかーーーブレイクダンスを?」

モバP「ええ。昔、できなかったことを今……なんて、くだらないですけど」

ヘレン「……いいえ。くだらないことなんてない。何かを成し遂げようとするのは、素晴らしいことよ」

モバP「ふんっ! ……っ、やっぱりダメか」

ヘレン「そこはもう少しひねりをつけて。勢いが大事よ」

モバP「ヘレンさん……」

ヘレン「大丈夫。あなたならきっとできるわ」

モバP「はいッッ!!」

そして、2時間後ーーー


クルクルクルクルクルクルクルクル


ヘレン「Oh! これこそブレイクダンス! いつもより多く回ってるわよ! プロデューサー!」

モバP「クルクルクルクルクルクルクルクル」

ヘレン「この回転数! 世界のブレイクダンスにも通用するはずよ!」

モバP「クルクルクルクルクルクルクルクル」

ヘレン「グッド!」

モバP「クルクルクルクルクルクルクルクル」

ヘレン「……あら? 回りすぎて床が擦れてきているわ」

モバP「(高速すぎて意識を失う)」

ヘレン「ちょ、ちょっと! 抑えてもPが止まらなくなってるわ! だ、誰かっ!!」



ピーポーピーポー……

そして、月日が経ったーーーー


モバP「おはようございまーす」



ちひろ「あっ! Pさんおはよう、ございま……」

七海「おはようこざいます、れ、す……」

仁奈「あれー? プロデューサー?」

モバP「どうした? 仁奈?」

仁奈「プロデューサー……」






仁奈「まるでカッパのヤロウのようですねー?」

モバP「……」

仁奈「カッパだ! カッパでごぜーますね!? みんなー! プロデューサーが……」

ちひろ「仁奈ちゃん!!」

仁奈「え? どーしましたかちひろさん。そんな剣幕で」

ちひろ「わざとじゃなくてもやめなさい!! この人も、辛いんだから……」

仁奈「え……?」

モバP「いいんですちひろさん!」

ちひろ「Pさん……」

モバP「いいんです(慈英)」

ちひろ「あなたって人は……どこまでもピエロですよ!」

モバP「……」

仁奈「しっかし頭のてっぺんがつるぴかでやがりますね!? まぶしいくらいです!」

モバP「……」

モバP「……そうだ仁奈。俺はカッパになったんだよ」

仁奈「わー。イメチェンにしては、斬新でやがりますね!」

Pはアイドルから背を向けて、一筋の涙を流した

それを誰も咎めることはなかった

ただ、彼の頭だけは光り輝いていた

これも、彼のブレイクダンスを追求しすぎたことにより引き起こされた悲劇であるーーーー

ヘレン「……これも何かが世界レベルに行き着いてしまった者の定め。強く生きましょう。プロデューサー」

ヘレン「そう。あなたの名前はこれからーーーー世界レベルの頭Paよ」

ヘレン「世界レベルになったら、こういうことも、どこかで起こり得るかもしれないから」

ヘレン「困りものなのよね」



世にも世界レベルな物語・Dの悲劇


完結でぃ!
ヘレンさんは世界レベルの女神
つらくても、頑張りましょう

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