冴姫(はぁとの特撮の話についていけない) (24)
冴姫(何を言ってるのか全く分からない)
はぁと「それでねそれでね!! その時てつをが……」
冴姫「う、うん」
はぁと「後ね!! アバレンジャーが釣りバカ日誌とね……」
冴姫「ふ、ふーん……」
はぁと「そうそう!! あとはギャバンが最近……」
冴姫「へ、へえ~……」
冴姫「……」
冴姫(な、何これ……本当にはぁとの喋ってるのは日本語なの?)
冴姫(なんでこんなに特撮ヒーローはいっぱいいるの? 一人じゃダメなの?)
冴姫(ごめんねはぁと……折角楽しく話してるのに……全然分からなくて……)
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はぁと「……冴姫ちゃん?」
冴姫「!! な、何!?」
はぁと「大丈夫? ボーッとしてるけど……?」
冴姫「な、なんでもないわ!! 大丈夫よ!!」
はぁと「本当に?」
冴姫「う、うん!! 心配かけてごめんなさい……大丈夫だから」
はぁと「……だったらいいんだけど……一人で抱え込まないでね?」
冴姫「うん」
はぁと「何かあったら私が相談に乗るからね!!」
冴姫「……ありがとう」
冴姫(はぁと……貴女のそういう優しい所が……私は大好きなの)
冴姫(……はぁと)
冴姫「……」
冴姫(結局今日も何を言ってるのか全く分からなかったわ)
冴姫「……」
冴姫(そうよ!!)
冴姫(分からないんだったら分かればいいじゃない!!)
冴姫(もし私が特撮ヒーローに詳しくなれば……はぁととの会話ももっと弾む!!)
冴姫(はぁとと話していてもっと楽しくなる!!)
冴姫(決めた……私も特撮オタになるわ!!)
冴姫(そうと決まれば……)
冴姫「……」
冴姫(どうすればいいのかしら)
冴姫(そうね……まずはネットで情報収集よ)
冴姫「……」カチカチ
冴姫(特撮ヒーローを代表するのは……仮面ライダーとスーパー戦隊……)
冴姫(この二つのヒーローを基本として抑えればいいのね)
冴姫「……あら?」
冴姫(……『シリーズ』?)
冴姫(嘘……仮面ライダー『シリーズ』……スーパー戦隊『シリーズ』……)
冴姫(仮面ライダーでもいっぱいいるのね……)
冴姫(それにスーパー戦隊も同じぐらいいる……)
冴姫「……」
冴姫(駄目よ冴姫、こんな所で諦めちゃダメ)
冴姫(これも全部……はぁとの為なんだから!!)
冴姫(まずは仮面ライダー……仮面ライダーよ)カチカチ
冴姫(……石ノ森章太郎)
冴姫(……名前は聞いたことあるわ、この人が仮面ライダーを築きあげた張本人なのね)
冴姫(……藤岡弘、……藤岡弘、!?)
冴姫(知らなかったわ……しかもV2なんているのね)
冴姫(とにかく……最初はこの仮面ライダーを見ればいいのね)
冴姫「……」
冴姫「……!?」
冴姫(ぜ、全98話……?)
冴姫(ちょっと待って、こういうのって一つの作品じゃないの!?)
冴姫(一話完結じゃないなんて……)
冴姫(大体一話でどれぐらいなのかしら……)
冴姫(……30分)
冴姫(30×98=2940……)
冴姫(2940÷60=49……)
冴姫「……」
冴姫「49時間!?」
冴姫(思わず声が出ちゃったわ……)
冴姫(私、1日で特撮の全てを理解しようとしてたけど……)
冴姫(そんなの……無理じゃない……)
『冴姫ちゃん!!』
冴姫「!!!」
冴姫(そうよ……そうよねはぁと)
冴姫(こんな所で弱気になっちゃったらダメよね……)
冴姫(愛があれば……なんでもできるんだから!!)
冴姫(近所に大きなレンタル屋さんがあってよかったわ……)
冴姫(1日で全部を見るのは無理だから……ちょっとずつ見ればいいわね)
冴姫「……」
冴姫(改造人間だなんて知らなかったわ)
冴姫(役者さんの演技……アクション……設定……)
冴姫(色んな所に魅力を感じるわ)
冴姫(はぁとが好きになるのも……頷けるわ)
冴姫「はぁ……はぁ……」
冴姫(半分まで観たわ)
はぁと「冴姫ちゃんおはよー……ってうわあっ!!?」
冴姫「……」
はぁと「ど、どうしたの!? 凄い顔色悪いよ!!?」
冴姫「……寝不足よ」
はぁと「寝不足?」
冴姫「ええ」
はぁと「ほ、本当に!? 本当に寝不足なの!?」
冴姫「ええ」
はぁと「ど、どうして眠れなかったの?」
冴姫「それは仮面……」
冴姫「……!!」
冴姫(待って……もしここで私が仮面ライダーの話をしたら……)
『冴姫ちゃんは頑張る必要はないよ!! 私はね、冴姫ちゃんが話を聞いてるだけでいいの!!』
冴姫(はぁとを心配させることになる……!!)
冴姫(それに私の今までの苦労が水の泡になる……!!)
冴姫「大丈夫、本当に大丈夫だから」
はぁと「冴姫ちゃん……」
冴姫「……」
冴姫(逆に心配させてるかしら)
その後
冴姫(そうね……だったら……寝不足にならない程度に観るしかないわね)
冴姫(ちゃんと寝る時間を決めて観るわ……決して無理はしない)
冴姫「……」
冴姫(やっと……やっと観終わったわ……仮面ライダー……)
冴姫(次は……V3……)
冴姫(……仮面ライダー程じゃないけど……これも話数が多いわね……)
冴姫(……待って……)
冴姫(これ以外にも……仮面ライダーBLACK……仮面ライダー555……仮面ライダーG……)
冴姫(そしてそこにスーパー戦隊……)
冴姫「……」
冴姫(私……死ぬまで全部観れるの?)
廿楽冴姫は絶望した。そして理解した。
特撮ヒーローの全てを理解するには余りにも膨大な量の映像がある事を。膨大な時間を消費することを。
死ぬまでに観れたとしてもその全てを理解した時には既に成人しているんじゃないか。その時にははぁとは特撮ヒーローにはもう興味がないんじゃないのか。 はぁとと会えなくなっているんじゃないか。
根拠は全くないが何故か嫌な予感が頭をよぎった。
もうやめよう、時間の無駄だ。
はぁとが特撮ヒーローの話をした時は適当に相槌を打とう。 そして大人しく今まで仮面ライダーを観てたと打ち明けよう。
そうだ、そうしよう。
冴姫「……違う!!!」
廿楽冴姫の愛は尋常じゃない程の大きさだった。
冴姫「はぁと……はぁと……」
冴姫「私ははぁとの全てが知りたい……はぁとに関係することは何でも調べたい」
彼女の行動原理は愛乃はぁとの全てを理解しようとすることだった。
冴姫「……」
少しでも時間を短縮しようと1.5倍のスピードで映像を再生させた。
更にそれだけじゃない。二画面同時再生も実行した。
片方は仮面ライダー、もう片方はスーパー戦隊。
両方とも1.5倍のスピードで理解しようとした。
冴姫「ヴァンリー!!」
更に大事な部分をアルカナにメモをさせた。
ヴァンリーは瞬時に手を動かしメモをしていた。
冴姫「この後はシャイダー……後はGAROも……」
そう、全ては愛。
愛が彼女を動かしたのだ。
そして廿楽冴姫は
三か月で神となった。
冴姫「宇宙キター!!」
はぁと「キター!! おはよう冴姫ちゃん!!」
冴姫「ええ、おはよう」
はぁと「ねぇねぇ!! 今日は何のシーンのごっこする!!?」
冴姫「この間はブラック対シャドームーンをやったわね」
はぁと「そうそう!!」
冴姫「そうね……じゃあ今日は……」
冴姫「ジェットマンの竜とマリアのキスシーン……なんてどうかしら?」ニヤッ
はぁと「ええっ!?」
舞織「あの二人はいつも何を……」
リリカ「分かんね」
~終わり~
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