キーンコーンカーンコーン
糸色「突然ですが、今日はテストですね」
木津「先生、何を言っているんですか?前から知っていますけど」
糸色「何を言っているのですか木津さん!いきなりテストの描写に入ってしまっては世間様から罵倒を浴びてしまいます!そんなことになったら先生、思わず首を吊ってしまいそうです」
あびる「吊らないくせに」
糸色「さて、そういうわけで、テストです」
日嗒「あーどうしよう!全然勉強してないよ!」
糸色「む、日嗒さん。それはセルフハンディキャップですね」
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日嗒「セルフハンディキャップ?」
糸色「簡単に言えば悪い結果に言い訳をするために前もって言い訳の根拠を作っておくことです」
糸色「今の日嗒さんのようにテストで悪い点を取った時のために勉強をしないというようなこともそれです。どうせ部屋の掃除なんかをしていたのではないですか?」
日嗒「よくわかりましたね…」
芽留『普通だな』
日嗒「普通ってゆーな!」
糸色「さて、みなさん。最近、よくそう言ったものを見かけるのではないでしょうか」
糸色「というわけで、今日のテストはセルフハンディキャップテストです!」
木津「ちょっと先生!きちんと勉強していた私たちはどうなるんですか!」
糸色「さあ。次回にでもその成果を出してください」
カエレ「ちょっと…テストの内容が変わるだなんて…。訴えるわよ!」
日嗒「そうですよ!せっかく勉強してたのに…」
あびる「奈美ちゃん、勉強してないんじゃなかったの」
日嗒「あ」
糸色「ふむ、日嗒さんのセルフハンディキャップは自分の外面を保つためのもの、すなわち『セルフさせるハンディキャップ』でもあったようですね!」
藤吉「セルフさせるハンディキャップ?」
糸色「はい、その名の通り相手にこいつはハンディキャップを背負っていると思わせるための行為のことです」
糸色「日嗒さんを例にあげれば、掃除をしたというのはセルフハンディキャップ、そして勉強もして、しかし勉強はしていないと言いふらす、これがセルフさせるハンディキャップにあたります」
糸色「そうすることで日嗒さんは悪い点を取っても周りに勉強してなかったらしいからそんなもんだろう、と思わせることができるのです!」
あびる「確かにそういうことってよく見かけます」
芽留『やってないのにできる俺カッケーって言いたいだけの奴もいるけどな』
あびる「授業で予習やってないとか言っておいて当てられたらスラスラ答える人とか、セルフさせるハンディキャップしてますよね」
糸色「セルフさせるハンディキャップです」
あびる「あと、あまり家に帰って来なくて離婚気がついたら離婚していたっていうのはのはセルフさせるハンディキャップでしょうか」
糸色「それは…どうなんでしょう」
糸色「とにかく!世間にはセルフハンディキャップ、セルフさせるハンディキャップが溢れているのです!」
セルフハンディキャップ
・やったらできないからやらないで自分はやればできると思うニート
・普通の絵が上手くないから普通じゃない絵だけを描くクラスメイト
・自称鬱
・特に忙しくないけど忙しいふりをして仕事が出来ないのは仕方ないと思い込む会社員
セルフさせるハンディキャップ
・自称精神病
・体に違和感がある気がすると言いふらす
・授業中の睡眠を言いふらす
糸色「リストカットのように両方の効果を持つ行為もありますね。まあ、先生はそうする人の言い分に手首なんかより首を切った方が血が見えますよと言いたいですけど」
芽留『てめえの自殺願望はセルフさせるハンディキャップか?』
あびる「っていうか、ただのかまってちゃんよね」
糸色「このように、世間にはセルフハンディキャップ、セルフさせるハンディキャップが溢れかえっているのです!」
糸色「絶望した!ハンディキャップを乱用する人々に絶望した!」
風浦「何をおっしゃいますか、先生」
糸色「これは風浦さん」
風浦「彼らは言い訳するための根拠を作っているわけじゃないですよ」
糸色「では彼らは何のためにあのようなことを言うと言うのですか!」
風浦「そんなの、前向きに生きるために決まっているじゃないですか!」
糸色「は?」
風浦「掃除をしていた奈美ちゃんは今回悪くても落ち込んで勉強へのやる気をなくさないために、周りに言いふらした奈美ちゃんはこれまた周囲の目を気にして勉強へのやる気をなくさないためにやった行為だったのです」
糸色「では、何もやらないニートたちもやる気をなくさないために何もやらないのですか。矛盾してやいませんか」
風浦「はい、もちろんです!」
ガラガラ
ニート「何かやって失敗して、もう二度とやる気が起きないのは人間としてダメでしょ」
風浦「ほら」
糸色「彼はニート状態を人間としてダメだとは思わないのでしょうか…」
ガラガラ
総理「何かおかしなことをやって責められて、議員のやる気が無くなっては困るのです」
ガラガラ
大草「夫の浮気を責めて、二度と逆らう気が起きないような目にあうのは困ります」
糸色「大草さん…」
糸色「ですが、なるほど。その考えは良さそうですね」
ーーー小森の教室ーーー
糸色「失礼します」
小森「あ、糸色先生」
糸色「これから私はここでゴロゴロします」
小森「え?先生、授業は?」
木津「そうです!先生!きっちり授業中は教室にいてください!」
糸色「何を言うんですか木津さん。生徒さんたちと関わって傷ついて、二度と授業をしたくなくなったらどうするつもりですか!」
木津「いいから、やれ」
糸色「ひいぃ!また猟奇落ちですか⁉そんなことをしてこいついつも猟奇落ちだなと非難されたらどうするんですか⁉」
糸色「あ」
糸色「オチに文句をつけられるのを避けるために、オチをつけないことにしました」
マ太郎「いつも通りじゃないか」
常月「私が三コマだけ出ています。探してみてくださいね」
マ太郎「これ、漫画じゃないよ」
カエレ「終わりよ。非難したら訴えるわよ!」
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