八幡「一色いろはとの関係」 (80)
12月
いろは「終わった、終わった~、…てこれから生徒会だけど」
いろは「はあ~なんで2年連続で生徒会長になったんだろ…これも先輩のせいだ」
友達「いろは」
いろは「ん?なに~?どしたの」
友達「あ、これから生徒会だっけ?」
いろは「そうだけど、少しなら時間あるけど?」
友達「あ、うん。もうすぐクリスマスパーティあるじゃん?」
いろは「そういえばあるね」
友達「あれって私も行っていいのかな~?」
いろは「わたしが許可することでもないけど…大丈夫だと思うよ」
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友達「そっか~、彼氏と一緒に行ってみようと思ってさ~」
いろは「へ~彼氏いるんだ。うん、いいんじゃない?」
友達「よかった、一応平塚先生に聞いといた方がいいかな?」
いろは「どっちでもいいと思うよ」
たかし君「いろはす~俺もクリスマスパーティ行くぜっ、向こうではよろしくな~」
いろは「あ、たかし君。うん、よろしくねっ!」
友達「…相変わらず、変わり身と言うか…なんというか」
いろは「いやいや、たかし君は大切な友達だし?そういう言い方ないでしょ」
友達A子「え~?荷物持ちなんでしょ?この間もこき使ってたらしいじゃん」
いろは「仕方ないでしょ、わたしと遊びに行きたいってしつこかったから」
A子「それで荷物持ち?ああ…またいろはの毒牙に惑わされた男子が一人…」
いろは「わたしそんなんじゃないし、生徒会長もしてるからそんな暇も少なくなってるし」
A子「たかし君ってバスケ部では甘いマスクって言われてるのに…いろはは…」
いろは「へぇ、そうなんだ」
A子「うわ、メッチャ興味なさそう…まあ、いろはには葉山先輩がいるもんね。あの人に比べたらね」
いろは「まあ、そうなんだけどさ~去年、告白して撃沈したし」
A子「あ、そうだっけ?いろはを振るとかさすが葉山先輩」
いろは「……」
A子「そういえばさ」
いろは「なに~?」
A子「時々教室に来るあの人…上級生の誰だっけ?」
いろは「先輩のことかな」
A子「先輩?そりゃ先輩だとは思うけど…」
いろは「いいの、あの人は先輩で」
A子「そ、そう?あの人は?知り合い?」
いろは「うん、わたしを生徒会長に推薦してくれた先輩」
A子「ふ~ん、けっこう仲良さそうに見えたけど、もしかして彼氏?」
いろは「まさか、ないない」
A子「あ、だよね~やっぱり」
いろは「変な事言わないでよね」
A子「あはは、ごめんごめん。でも、ちょっとだけ噂になってるからさ」
いろは「そうなの?」
A子「あの上級生、いろはすのなんなんだ?とかさ、男子が」
A子「なんであんな変な格好の奴がいろはとしゃべってんの?とかさ」
いろは「……」
A子「ほら、いろはってモテるから」
いろは「ああ~なるほどね」
A子「迷惑なら、あの上級生に来ないよう言ったら?」
いろは「え?いいってそんなの」
A子「え?」
いろは「別に迷惑じゃないし、そんなの言わせておけばいいじゃん」
A子「いろは…」
いろは「どうせ話したって、わたしと先輩のことは理解してもらえないだろうしどうでもいいかな」
A子「なんかいろはってちょっと変わった?前とは違うような」
いろは「まあ、ここ1年でも色々あったし経験したしね」
いろは「変な噂流してる人は、まだ色々経験できてないんだと思うよ」
A子「え…?経験っていろは…まさか…」
いろは「なんでそこで下ネタの方に行くかな…雰囲気台無しじゃん…もう」
けんじ君「いろはす~葉山先輩が呼んでるけど」
いろは「えっ?葉山先輩!?」タタタタタ
けんじ君「あ、うれしそうに駆けていくし…」
A子「いや、まあ葉山先輩だしね…しょうがないよ」
葉山「やあ、いろは」
いろは「葉山先輩っ!どうしたんですか?」
葉山」「悪いね、君も忙しいだろうに」
いろは「これから生徒会ですけど、まだ大丈夫ですよっ」
葉山「今度のクリスマスパーティのことだけど」
いろは「はい」
葉山「平塚先生が会場を提供してくれて…飲み物とかも準備はとくに問題なさそうだよ」
いろは「そうなんですか、よかったです。わたし何もしてませんけど」
葉山「雪ノ下さんや比企谷が手伝ってくれたからね。しかし…」
いろは「どうしたんですか?」
葉山「いや……サンタの服のことなんだが…」
いろは「あれですか、可愛いじゃないですか」
葉山「服自体はいいんだけど…女性の方はなんであんなに露出度が高いんだい?」
いろは「え~?普通ああいうのは女の子はミニスカートのサンタって決まってますよ?」
葉山「そ、そうなのか?あんまりそのあたりはわからないけど…」
いろは「わたしも着る予定ですから、楽しみにしててくださいね?」
葉山「いやまあ…いろはなら似合うとは思うけど、そういうことを言ってるんじゃなくて…」
いろは「それに…葉山先輩」
葉山「?」
いろは「はるさん先輩も着てくれるかもしれませんよ?」
葉山「な、なにを言ってるのかな?いろは……」
いろは「またまた~」
葉山「お、俺は優美子のサンタの格好が見たいかな?あはははは…」
いろは「葉山先輩、いい加減三浦先輩を使うのやめた方がいいです」
葉山「…すまない」
いろは「ふふ、葉山先輩も完璧じゃないですよね。案外穴があります」
葉山「まいったな…はははっ」
いろは「あ、そうだ。そろそろ行かないと。すみません、話の途中ですけど」
葉山「ああ、時間作ってくれてありがとう」
三浦「結衣~、今日一緒に帰らない?ご飯でもどう?」
結衣「ゴメン優美子、今日はヒッキー達と先約があるんだ~」
三浦「そうなん、わかった。んじゃね」
結衣「うん、また明日ね~」
三浦「……」
海老名「ヒキタニ君に、愛しのゆいゆいが取られちゃう…ジェラシー」
三浦「なに人の心代弁しました、みたいになってんのよ」ポカ
海老名「イタ…でも遠からずじゃない?んふふふふふ」
三浦「なんか変な妄想してるし、そんなんじゃないって」
海老名「でも、結衣ってヒキタニ君と一緒に帰ったり行動すること増えたよね」
三浦「確かにね…最初は変な目で見られてたけど」
海老名「だから部活以外では、あんまり話さないようにしてたのかな?」
三浦「それもあるんじゃない?それが3年になってから、結衣の奴積極的になるし」
海老名「なかなか面白い展開になってますな~」
三浦「つーか、来年早々受験なんだけど…浮かれてる暇とかないし」
海老名「だから平塚先生がさ、クリスマスパーティ主催してくれて。鼓舞してくれてるんじゃないかな」
三浦「まあ、ありがたいけど。海老名も出る?」
海老名「もちろん、優美子も行こうね~」
三浦「あんた一人で行かせたら大変そうだし」
海老名「うわ~保護者…」
三浦「だれのせいだし」
校門
結衣「ヒッキー、ゆきのん。お待たせ」
八幡「おう」
雪乃「大丈夫よ、それじゃあ帰りましょうか」
結衣「うんっ!」
雪乃「どうしたの?なんだか楽しそうだけど」
結衣「え?あはは、なんていうかさ…」
八幡「なんだ?」
結衣「こうやってあたし達3人で帰るのってなんかいいよねっ」
雪乃「…ごめんなさい、意味がわからないわ?」
八幡「俺の方を向いて言うなよ…」
結衣「アホの子を見るみたいだよ!?ゆきのん!?」
八幡「ま、つまりこの3人のコミュニティも悪くないってことだろ?」
結衣「うん、そういうことかな」
雪乃「…奉仕部という大枠がなくなっても、こうして共に歩んでると言うのは…そうね…」
八幡「雪ノ下?」
雪乃「ある意味、あなたが欲していた「本物」かしら?」
八幡「ここでそんなこと言うか?」
結衣「あ、あははは…ゆきのんって空気読めない時多いし…」
雪乃「あなたも失礼なことを言うわね…これでも気にしてるのよ」
八幡(3年に上がってから勉強とか忙しくなってきて、正直あまり気にしてられなくなったが…)
八幡(「本物」なんて重い言葉に囚われる必要もなかったんじゃないか?)
八幡(最近はそう思うようになってきた自分がいる)
八幡(自然に振る舞えばいい。最近はその思いが強くなってきてるな)
八幡(もちろんそれを意識してたら、それは「自然」じゃないんだが…難しい)
雪乃「そういえば、クリスマスパーティだけど」
結衣「あ、もうすぐだねっ!」
八幡「今回は俺達というか…葉山たちもあまり手伝わなくて済んだみたいだな」
雪乃「元々平塚先生の知り合いの方の会場だし、先生が中心で進めてくれたのよ」
結衣「あたし達はあんまり手伝わなくてよかったもんね」
雪乃「勉学の身だからでしょうね」
八幡「それならそもそも、パーティ開かなくてもいいけどな」
結衣「もう、ヒッキーは…」
雪乃「比企谷くんも行くのでしょう?」
八幡「リア充の巣窟のパーティになりそうだけど…ま、息抜きがてら、小町を連れてな」
結衣「いいじゃん!きっと喜ぶと思うよ!」
雪乃「そうね」
八幡(普通にパーティ出席が決まった…まあ、こういう風に自然に振る舞えてるな…不思議と嫌な気分でもない)
八幡(孤独な八幡くんはどこに行った?て感じだが…まあこの際いいか)
すいません、この辺りで。クリスマスまでには完結させます
ピロロロ
雪乃「あら、着信ね」
結衣「ヒッキーじゃない?」
八幡「ああ…て…」
雪乃「どうかしたの?」
八幡「…いや」
ピッ
八幡「もしもし」
いろは「あ、先輩ですか~?」
八幡「俺以外に誰がでるんだよ…」
いろは「それもそうですね、今暇ですよね?」
八幡「なんで決めつけてるんだ?意味わからん」
いろは「あれ?違うんですか?」
八幡「まあ…」
いろは「…雪ノ下先輩や、結衣先輩と一緒ですか~?」
八幡「……」
いろは「あたりですね」
八幡「…用事はなんだよ」
いろは「はぐらかしましたね、まあいいですけど…明日帰りにデートしましょう」
八幡「…なんか急に思いついたかのような言葉じゃね?」
いろは「そんなのはいいんです、明日は一緒に帰ってくださいよ。それじゃあ生徒会で」ピッ
八幡「…俺、生徒会じゃないんだけどな…関係ないし」
結衣「…」
雪乃「…」
八幡「……な、なに?」
結衣「い、いや、いろはちゃんから電話だったのかな~ってさ」
八幡「ま、まあ」
結衣「う、うん…だよね?まあ…ちょっと楽しそうだったかな…とか思ったり」
雪乃「随分楽しそうだったわね、デートの約束かしら?」
八幡「いや…明日生徒会手伝えっていう命令だ」
雪乃「では、その後は一緒に帰るのね?」
八幡「……」
雪乃「一色さんもやるわね」
八幡「なにがだよ」
結衣「…あ、あはは…でもさ、最近いろはちゃんと電話してること多くない?」
八幡「見てたのかよ」
結衣「ヒッキーが電話してるなんてめずらしいからさ」
八幡「悪かったな」
雪乃「この前も遊びに行ったのでしょう?」
八幡「……」
雪乃「無言は肯定と受け取るわ」
八幡「俺は詰問されてるのか?」
雪乃「葉山君ではないのでマイナス5点と言ってたのはどういうことかしら」
八幡「そういえばそんなこと言われてるな…あいつと出かける度に」
雪乃「あまり差がないように見えるのだけれど」
八幡「いや、俺に言われても」
雪乃「……」
結衣「ゆ、ゆきのん…怖いよ…」
八幡(雪ノ下は気にしてるのか?俺と一色の関係を)
雪乃「ごめんなさい、別に責めているわけではないの」
八幡「いや、いいけどよ」
雪乃「帰りましょうか」
八幡「そうだな」
結衣「う、うんいこっか!」
……
三浦「あ~ちょっと食べ過ぎたし…」
海老名「ここのお店、デザートもおいしいしね~」
三浦「太るかも…」
海老名「こんな細い体した人がなに言ってるのかな~?」
三浦「くすぐったいっての…ったく…ん?」
海老名「あれ?ヒキタニくんかな、あれは?」
……
八幡「んじゃ、俺こっちだから」
雪乃「ええ、またね」
結衣「ばいばい、ヒッキー」
雪乃「…少し微妙な空気にしてしまったかしら」
結衣「ヒッキーはそんなの気にしてないとおもうけどな」
雪乃「ならいいのだけれど…クリスマスパーティも近いから」
結衣「あたし達もさ、こうやって一緒に帰ること増えたけどさ」
雪乃「ええ」
結衣「やっぱりまだ、恋愛の話だと微妙になるよね…あはは」
雪乃「…そうね」
結衣「あ、あたしもさ……」
雪乃「由比ヶ浜さん?」
結衣「ヒッキーを誘ったら駄目かな…その…デートに」
雪乃「由比ヶ浜さん?」
結衣「いろはちゃんのこと聞いて心がざわついたのは一緒だしさ」
雪乃「…そう、ではこれからは恨みっこなしで行きましょうか」
結衣「ゆきのん…」
雪乃「もう卒業も間近だもの…もう一つ大きなイベントを越えてもいいと思うわ」
結衣「で、でもいいのかな?あたし達で勝手に壊しちゃって」
雪乃「いいのよ、元々彼に権利なんかないでしょ」
結衣「え、ゆきのん…それは」
雪乃「言い方が悪かったかしら?男はこういう時は、黙って女に従うものでしょ」
結衣「そ、それもどうかと思うけど…ま、いっか」
雪乃「それに女の子を3人もキープしてる比企谷君には特に権利なんかないわ、全く」
結衣「それは言えてるかも…それにへたしたら沙希とかも…そうだしさ」
雪乃「川崎さん…そういえば彼女もクリスマスパーティに来るんでしょ?」
結衣「うん、絶対ヒッキーが来るからだと思うよ。じゃないと沙希が来る目的がないもん」
雪乃「彼女は妹さんが出るからというのもあるでしょうけど…確かにそうね」
結衣「こう考えると、腹立ってきた…」
雪乃「そうね、少しなにかしたくなるわね」
結衣「あ、あたしが他の男子とデートしたってなったら、妬いてくれないかな?」
雪乃「どうかしら、そもそも相手はいるの?」
結衣「隼人君にお願いしようかな?」
雪乃「葉山君とデートしても、彼は妬かないと思うけれど…」
結衣「じゃあ、この前デートに誘ってくれた人との方がいいかな」
雪乃「誘われてるなら、その人でいいでしょ。その彼には悪いことをしてるけれど」
結衣「ま、まあ一回くらいのデートだしね」
雪乃「ビッチと言われるかもしれないけどね」
結衣「ゆきのんっ!」
スタスタ
八幡「で、なんか用ですか?」
三浦「いや、別に用なんかないけど。
て発見したし」
海老名「わたしがね~」
八幡「じゃあ、もう俺帰るぞ」
三浦「待ちな、ヒキオ」
八幡「?」
三浦「あんた…結衣のことどうするの?」
八幡「……由比ヶ浜か?」
三浦「そう、まだ付き合ってないの?」
八幡「これから付き合うみたいに言うなよ」
三浦「まさか雪ノ下さんも同じくらい好きとか言う気?」
八幡「怖いから睨むなよ…色々俺も考えてるんだよ」
三浦「考えるな、さっさと結衣と付き合ったらいいでしょ」
八幡「なんですか、その強引さ…」
海老名「要約すると、ヒキタニくんなら任せられるみたいな?」
ポカ
海老名「あう…」
三浦「とにかく付き合えば?」
八幡「勝手に決めんなよ…」
三浦「なに?他に相手いんの?雪ノ下さん?それとも他は…」
海老名「生徒会長のあの子かな?」
八幡「……」
三浦「あいつって隼人狙いじゃなかった?」
海老名「公ではそうなんだけどさ、傍から見てたら比企谷くん狙いに見えるっていうか」
三浦「隼人ダシに使われてる?」
八幡「俺のことより、自分の心配しろよ…葉山は…ライバル多いだろ」
三浦「…あーしは…」
八幡「…」
三浦「ヒキオに言われるとかおしまいだし、クリスマスパーティで勝負してやるし」
八幡「…俺もう帰るぞ」スタスタ
三浦「あ…!」
海老名「んじゃ、まったね~」
八幡(俺と一色か…)
八幡(3年になってからも生徒会色々手伝わされて…他にも葉山を名目に駆り出されて)
八幡(色々あったな、そういえば…)
八幡(そういう意味では、奉仕部の二人よりも密度の深い一年だったか)
次の日
生徒会
八幡「……」
いろは「せんぱ~い、お待たせしました」
八幡「マジで帰るのか?」
いろは「なんでちょっと嫌そうなんですか?」
八幡「いや…こういうの慣れてないんだよ」
いろは「なに言ってるんですか、昨日は結衣先輩や雪ノ下先輩と帰ったくせに」
八幡「あれは…部活仲間だしな」
いろは「またそうやってごまかす…」
八幡「ごまかしてねぇよ」
いろは「それに、わたしとも仲深まったでしょ~?」
八幡「強引に連れ出された記憶しかないが…」
いろは「わたしと出かけられるなんて、学年の男子からしたら勲章ものなんですよ?」
八幡「お前はそうやって世の男子を虜にしてんのね」
いろは「わたし可愛いですから」
八幡「なんか聞いたことある気がする」
八幡「というか、俺はそんな世の男子と同じってことか」
八幡(ちょい残念な感情持つ時点で…変わったか俺も)
八幡(こいつと過ごす時間は…小町と似てたしな…それも最近は違う気がしてたし)
いろは「もう、なに言ってるんですかね先輩は…」
八幡「ん?」
いろは「他の男子の場合は…」
八幡「んん?」
いろは「葉山先輩じゃないので-50点くらいですかね~」
八幡「……それは」
いろは「あ、たかし君は-20点くらいかな」
八幡「葉山すごいな」
いろは「驚くところそこですか…」
いろは「でも、デートの言動で-40点になる人はいませんけどね~」
八幡「……」
いろは「なにか言うことはありますか?せんぱい?」
八幡「…つまり言動に気をつけろと」
いろは「そういうことです~。ご褒美に3点+して葉山先輩-2点にしてあげます、レベルアップですね」
いろは「言動はまだ-40点から変わってませんけどね~」
八幡「……」
いろは「…な、なにか言うことはないですか?」
八幡「いや…べ、別にない…」スタスタ
いろは「あ!ちょっと、恥ずかしいのはわたしもなんですから!先輩も恥ずかしがってくださいよ!」
八幡「十分に恥ずかしいんだが」
いろは(うう…ちょっと飛ばし過ぎたかな?でも、いいよね?これくらい)
いろは(あせらないと、すぐに結衣先輩たちに取られちゃいそうだし…)
八幡(デートで-40点になる男はいないか)
八幡(多分、他の奴は必死で考えて話してるんだろうな)
八幡(そう考えると、俺の一色に対する言葉は…色々なかったな)
いろは「先輩、どうします?ご飯食べていきます?」
八幡「そうするか」
いろは「はいっ」
八幡(俺が、一色との仲をさらに深めたいと思ってるなら…)
八幡(…俺も少し考えないとな)
それから、クリスマスパーティ当日
小町「おお~~~すごいすごいっ!なんか本格的だね!」
八幡「あんまはしゃぐなよ」
小町「お兄ちゃんにそれ言われるとは…小町、一生の不覚…」
小町「あ、向こうにいいものが…いってきま~~す」
八幡「はしゃいでるじゃねぇか…それにしても」
ガヤガヤ
戸部「海老名さん、めちゃくちゃいいわ~~!イケてるし!」
海老名「ええ…そうかな?このサンタスカート短いし」
戸部「いやいや似合ってるって~~」
八幡「なんか結婚披露宴みたいだな、本格的だ」
平塚「それは私に対する当てつけか?ん?」
八幡「先生…別にそんなつもりじゃないですけどね」
平塚「まあ、婚活はまた失敗したけどな」
八幡(もうなにも言えない…)
平塚「それで?君はどうなんだ?」
八幡「どうって?なにがですか?」
平塚「それを言わせる気か?雪ノ下や由比ヶ浜とのことだ」
八幡「直できましたね…」
平塚「君ははぐらかすのが上手いからな」
八幡「…俺も少しは考えてますよ」
平塚「そうか、君は優しいからな。辛いだろうけど、なんとか答えを出したまえ」
八幡「…はい」
平塚「人生最大のモテ気だろう?」
八幡「なんか色々台無しのセリフですよね、それ…」
平塚「言うな、私も間違えたと今気づいた」
八幡「先生はしばらく独身がいいと思いますよ」
平塚「おかしい…安定性抜群の公務員でこんなに美人なのに…!」
八幡「自分で言わないでくださいよ…」
葉山「盛り上がってるようでよかったよ」
戸部「あ、隼人くん~~!」
海老名「おっは~~」
三浦「隼人…」
葉山「下級生もいるのかな?知らない顔ぶれもちらほらいるね」
戸部「いろはすの知り合いも来てるみたいだよ」
葉山「いろはか、なるほど」
戸部「いんや~、最近こういう集まりってなかったし、いい発散になるわ~~」
葉山「確かに、ストレスは発散しないといけないしな」
三浦「隼人」
葉山「優美子…その格好は」
三浦「いや…あーしは柄じゃないって言ったんだけど…」
葉山「かわいいよ、優美子」
三浦「隼人…!」
葉山「優美子のそんな格好を見られただけでも、今日は来た甲斐があったかな」
三浦「な、な、なに言ってるし…」
戸部「うわ…隼人君落とすのはやい…」
海老名「いや、昔から落ちてるし」
三浦「あんたら、言いたいことはそんだけ?」
戸部「え?あ、いやなんでもないべ?ほ、ほんとに」
海老名「お、おほん…小鳥がきれいだよね~」
三浦「鳥なんか飛んでないし…ったく」
八幡「…」キョロキョロ
たかし君「……」
八幡「…ん?」
たかし君「…」スタスタ
八幡「なんだあれ?」
A子「やっぱこういうパーティいいよね~」
彼氏「まあ、たまにはね」
八幡「一色のクラスメイトか?あんまり見ない顔が」
いろは「そうですよ、特別に呼んだんです」
八幡「一色…」
いろは「どうですか?この格好」
八幡「……えろい」
いろは「うあ…先輩、その発言はひきます…さすがに」
八幡「なんて言えばいいんだよ…」
いろは「それは先輩が考えてくださいよ、歯の浮くようなやつを」
八幡「それもひくだろ…」
いろは「かもしれませんね」
八幡「しかし…スカート短くないか?腹も出てるし寒そうだ」
いろは「そうなんですよ、だから暖房がないと風邪ひきそうです」
八幡「……」
いろは「でも可愛いですよね?ね?」
八幡「ま、まあな」
いろは「もっとちゃんと言ってくださいっ」
八幡「言いにくいだろ…そんなの」
いろは「へえ、じゃあいいですよ。たかし君に見せびらかして言ってもらいますから」
八幡「たかし君って」
いろは「さっきすれ違った子ですよ」
八幡「あいつか、なんか睨まれてたような」
いろは「先輩は敵が多いですから、意外と」
八幡「あいつが-20点男か…」
いろは「あれ~?しっかり覚えてるんですね?気になってました?」
八幡「なに言ってんだ…違う…」
いろは「またまた~、じゃあ行ってきますよ?」
八幡「…やめろ」
いろは「え?」
八幡「見せびらかすのは…困る」
いろは「…じゃあ、なにか言うことないですか?」
八幡「まあその…可愛いんじゃないか?」
いろは「……-40点の発言が-35点になったくらいですかね」
八幡「おいおい」
いろは「でも素直に言ってくれたので、ポイント高いですよ?」
八幡「…そうか」
いろは「つまり先輩は、わたしのエロイ格好を他の男子に見せたくないと言ってるわけですね」
いろは「自分だけがその権利があると」
八幡「まてまて、だれもそんなこと言ってないぞ…」
いろは「さっきの発言はまさにそういうことです。先輩って独占欲強いですよね」
八幡「…」(なんか否定するほど泥沼にはまりそう…一色のペースになってるし)
結衣「やっはろ~、ヒッキー、いろはちゃん」
雪乃「こんにちは」
戸塚「こんにちは、八幡」
いろは「あ、こんにちはです~~」
八幡「おう、戸塚も一緒か」
戸塚「うん、まあね」
結衣「……」
雪乃「……」
八幡「お前らもサンタの格好か…」
戸塚「あはは、可愛いよね?最初は驚いたけどさ」
結衣「や、やっぱり恥ずかしいよ…これ」
雪乃「そうね…あなたはその…胸が強調されてて、とても魅力的だけど」
結衣「ゆきのんだって…華奢なスタイルがかわいいじゃん」
いろは「ですよね~、雪っていうお名前ととっても良く合ってます」
結衣「ヒッキーはどう思う?」
雪乃「そうね…感想を言ってもらえるかしら?」
八幡「どうって…言われてもな」
戸塚「八幡、ここはちゃんと言ってあげなよ?」
八幡「戸塚…」
八幡「…二人ともよく似合ってるな…その綺麗だ」
八幡「由比ヶ浜はその…スタイルは強調されてて…とくに胸とか太ももとか綺麗だな」
八幡「雪ノ下は…脚とか腹まわりとか細いんだなっておもうな…まあ、いいんじゃね?」
結衣「ヒッキー…な、なに言って……も、もう…」
雪乃「綺麗という感想はいいのだけれど…由比ヶ浜さんの方が褒められてない?」
八幡「いや…それはわかんねぇけど…」
戸塚「八幡…口説いてるみたいだよ」
八幡「え?な、なに言ってんだ?」
結衣「…胸と太ももって…生々しいし…」
雪乃「そうね…彼はそういうところ見てるみたいね」
八幡「おいおい…」
戸塚「二人とも顔真っ赤だしさ、一言でこんな風にしちゃうなんて…八幡もやるね」
八幡「いや…別にそんなつもりじゃ…」
いろは「先輩」
八幡「な、なんだ?」
いろは「わたしよりも、ちゃんとした感想ですね」
八幡「べ、別にそんなことは…」
いろは「へぇ~~、先輩は結衣先輩の太ももとかおっぱいが好きなんですね」
いろは「いつもジロジロ見てたんじゃないですか~?」
八幡「変なこと言うなよ」
いろは「もう~~!」
結衣「……ヒッキー」
雪乃「そういえば、由比ヶ浜さん」
結衣「な、なに?」
雪乃「この前のデートは楽しかったの?」
八幡「ん?」
結衣「…あ、うん。楽しかったよ。デートなんて久しぶりだけどさ、面白かった」
雪乃「そう、それはよかったわね」
戸塚「へ~、由比ヶ浜さんがデートか。めずらしいよね」
結衣「う~ん、そうかな?」
八幡「……」
結衣「…ヒッキー?」
八幡「デートしたのか?」
結衣「う、うん…知り合いの人とさ。ヒッキーは知らないかも」
八幡「そ、そっか…」
雪乃「……」
結衣(ヒッキー、意識してるかな?)
いろは「……わたし、ちょっと行ってきますね~」
八幡「あ、おい…!」
結衣「いろはちゃん…行っちゃったね」
雪乃「そうね、確か知り合いの人呼んでたんでしょ」
いろは「たかし君」
たかし君「あ、いろはす?うわ、すげぇ!」
いろは「えへへ、どうかな~?」
たかし君「めちゃくちゃかわいいっていろはす!」
いろは「ホント?ありがと~~!」
たかし君「いろはすのこんな可愛い格好見れるとか…俺は幸せ者だ…!」
いろは「またまた、うまいんだから」
今日はここまで、次で終わります
結衣「ね、ねえ、ヒッキー」
八幡「ん?なんだ?」
雪乃「実はクリスマスプレゼントを用意してたのだけれど」
八幡「…マジか、そんなの用意すんのか?」
結衣「多分ほとんどの人は用意してないと思うよ、このパーティ自体いきなり決まったみたいなところあるし」
雪乃「ええ、だから…その、大した物ではないけど」
八幡「…俺にくれるのか?」
結衣「うん、嫌かな?」
八幡「そんなことねぇよ…その、ありがとな」
結衣「はい、これ」
八幡「いや、十分過ぎるけど…」
雪乃「私は食べ物でごめんなさいね」
八幡「こっちは?」
雪乃「大した物ではないわ、ただのクッキーよ」
八幡「そっか…ありがとな」
雪乃「ええ」
戸塚「八幡、これはお返しが大変だね」
結衣「え?お、お返しなんていいよ…」
雪乃「そ、そうね…別にそういうのが目的ではないから…でも強いて言うなら…」
雪乃「今度、本を買うのを手伝ってくれてもいいのよ?」
八幡「そんなことでいいのか?」
雪乃「え、ええ。所詮クッキーだもの」
結衣「ゆきのん…デートの約束するなんて…」
雪乃「恨みっこなしね、由比ヶ浜さん?」
結衣「うう…い、いいよ!あ、あたしも負けないし!」
雪乃「ふふふっ」
八幡「な、なんの話してるんだろうな」
戸塚「八幡、本気で言ってないよね?八幡はどうするの?」
八幡「俺か?……俺は」
八幡「……」
たかし君「だからさ、いろはす…!」
いろは「うんうん、じゃあまたデートしよっか?」
たかし君「おう!荷物は任せてくれよな!」
八幡「……」
結衣(ヒッキーがいろはちゃんの方見てる…よ、よ~し)
結衣「でさ、ヒッキー!」
八幡「え?な、なに?」
結衣「あ、あたしもデートしたんだけどさ…!」
八幡「お、おう…さっき言ってたな」
結衣「うん!楽しかったよ!」
八幡「そうか」
結衣(気にかけてくれてるかな?どうかな?)
八幡「まあ、ちょっと微妙だけどな…」
結衣「ヒッキー?それって…」
雪乃「比企谷くん?」
八幡「ま、そいつと仲良くな。応援するからな」
結衣「え、ええ~~?」
雪乃「あら…これは」
戸塚「八幡?」
八幡(生徒会で色々…マジで色々振り回されたが…心地よくもあった)
八幡(やっぱりああいう一色は見たくないな)
八幡(由比ヶ浜のその…あれも気になるけど…ちょっと)
八幡「……」
雪乃「どうするの?比企谷くん?」
八幡「…そうだな」
雪乃「女性はいつまでも待ってくれないわよ?おそらくあなたが思ってるよりもずっと」
八幡「……そうか、そうだよな」
結衣「ヒッキー…あ、あたしならさ…え、えと…待てるよ?」
八幡「由比ヶ浜」
結衣「あ、あたしはさ…大丈夫だよ…ホントに」
八幡「お前…」
結衣「……行かないでほしいかな…なんて」
雪乃「由比ヶ浜さん…」
八幡「……」
雪乃「比企谷くん、どうするのかしら?」
八幡「どうって…」
雪乃「できれば、私もここに留まってほしいと思ってるわ」
八幡「雪ノ下……」
たかし君「俺、いろはすの為にデートコースとかも完璧にしとくなっ!」
いろは「う、うん、楽しみにしとくね~」
たかし君「あ、あのさ…いろはす…えと、俺さ…」
いろは「たかし君?なに?」
たかし君「俺…いろはすと釣り合うなんて思ってないけどさ…やっぱさ…」
いろは「………」
八幡「」
八幡「すまん…行ってくる」
結衣「…うん、いってらっしゃい、ヒッキー」
雪乃「…止めても駄目なのね」
戸塚「行っておいでよ」
八幡「ああ」スタスタ
たかし君「いろはす…!俺…!」
八幡「一色」
いろは「先輩?なにか用ですか?」
八幡「外に付き合ってくれないか?」
いろは「今じゃなきゃ駄目ですか?」
たかし君「…え」
八幡「そうだな」
いろは「しょうがないですね…先輩には生徒会を手伝ってもらってますし」
いろは「たかし君、ごめん話中断しちゃって!ちょっと出てくるねっ」
たかし君「ええ…いろはす~~~!」
いろは「ごめ~~ん!今度絶対埋め合わせするからさっ!」
A子「ああ~、たかし君負けちゃったか」
彼氏「青春かな」
会場の外
八幡「さむ…!」
いろは「せんぱ~~い、わたしこんな格好だと風邪ひいちゃいます」
八幡「ああ…まあ、そうだな」
いろは「なにジロジロ見てるんですか?エッチ」
八幡「……」
いろは「スケベ、変態」
八幡「これ」
いろは「え?手袋ですか…?いいんですか?」
八幡「おう…」
いろは「えへへ、ありがとうございます」
八幡「まあ、由比ヶ浜からのもらい物だけどな」
いろは「それ、すっごい微妙なんですけど……結衣先輩からのプレゼント品って」
いろは「しかも手袋だけだと、寒さ変わらないですし…」
八幡「じゃあ返してくれよ、俺がつける」
いろは「ダメです~~!わたしがつけます」
八幡「なんだよそれは……」
いろは「先輩が来るの遅いから、たかし君とデートすることになっちゃいました」
八幡「それ俺のせい?お前から誘ってなかったか?」
いろは「デートしたそうにしてましたし」
八幡「行くのか?」
いろは「誠実さ欠けたら、人間としての魅力落ちちゃいますし。ちゃんと行きますよ」
いろは「たかし君、先輩よりデート上手ですし楽しんできます」
八幡「……」
いろは「怒りました?」
八幡「…別に」
いろは「でも…デートとかへたでも…一緒に居て楽しいって思えるのは、今の所先輩だけです」
八幡「…一色」
いろは「これってすごいことなんですよ?」
八幡「確かに、学年のアイドルにそこまで言わせれば上出来か」
いろは「はい、そうですねっ」
八幡「少し否定しろよ…」
いろは「だから、今度デートに連れて行ってくださいね?楽しみにしてます」
八幡「おう、わかった…ただ、あいつとは行くのな…」
いろは「先輩、どれだけ独占欲強いんですか…ヤキモチですか~?」
八幡「ち、ちげぇよ…!」
いろは「結衣先輩たちにリードできてるかな?」ボソ
八幡「ん?」
いろは「いえいえ、ところではるさん先輩は不参加みたいですね~」
八幡「なんであの人の名前が出てくるんだ?」
いろは「え~?先輩ってけっこう鈍いですよね、ほら~」
八幡「??」
葉山「来てないか…まあ期待してなかったが、神出鬼没だしね」
三浦「隼人どしたん?」
葉山「いや、なんでもないさ。とてもきれいだね優美子、写真でもとらないか?」
三浦「え?い、いいけどさ…うん」
いろは「う~~ん、がっかりしてるかはここからでは判断できないですね」
八幡「なんの話だ?さっきから」
いろは「いえいえ、また話します、長くなりそうだから」
八幡「そうか?」
いろは「ていうかホントに寒い…中入りましょう先輩」
八幡「おう」
いろは「あれ…雪」
八幡「本当にな、寒いわけだ」
いろは「あの…もうちょっと雰囲気作ってください」
八幡「俺に求めるか?」
いろは「求めます、思いっきり求めます~」
八幡「理不尽だ…」
いろは「千葉にも降るんですね~」
八幡「まあそりゃ…少しくらいは」
雪乃「あら、雪ね」
結衣「え?どこどこ?ほんとだ~積もったら雪合戦できるかな~?」
戸塚「さすがにすぐ溶けると思うけどね」
結衣「残念、ヒッキーといろはちゃんも見上げてるね」
雪乃「…なんだか絵になってるのが腹立たしいわね」た
結衣「雪合戦で、雪ぶつけちゃおうか」
雪乃「いいわね、そうしましょう」
戸塚「いや…多分微塵も積もらないと思うよ…残念だけど」
八幡「すぐやみそうだな」
いろは「でもいいじゃないですか、風情って感じで好きです、こういうの」
八幡「ふ~ん」
いろは「先輩」
八幡「なんだ?」
いろは「遅れましたけど、メリークリスマスです!」
八幡「お、おう…メリークリスマス…」
いろは「プレゼントは……わたしです!…なんちゃって」
八幡「…それでいいけどな…」
いろは「な、なに言ってるんですか先輩!」
八幡「お前が言ったんだろ…」
いろは「も、もう気が早いです…えと…と、とりあえず改めて…メリークリスマス!」
おしまい
おしまいです、ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
選ばない八幡、選べない八幡、結局手遅れになる八幡。
他の男とデートする女には八幡は一歩引くだろうな。
いろはと由依は一歩後退かな。
雪乃は傍観するのみで進まず。
サキはじりじりと確実に詰めていきそうだね。
由比ヶ浜から貰ったプレゼントを恋敵に上げるとか最低すぎるだろ八幡
たかしって誰だよ、いろはとデートしていいのは八幡だけって決まってんだよ