【艦これ】2本のマフラー (32)
・村雨と時雨の晩秋ボイスを聞いて思い浮かんだお話
※過去作
【艦これ】村雨「村雨の素敵な一日、見せたげる♪」
【艦これ】村雨「村雨の素敵な一日、見せたげる♪」 - SSまとめ速報
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【艦これ】村雨「提督ー!ドッジボールしましょー!」
【艦これ】村雨「提督ー!ドッジボールしましょー!」 - SSまとめ速報
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今回のお話と設定は同じですが、読んでいなくても特に支障はありません。もしよかったらどうぞ!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479392500
- 執務室 -
提督「………」カキカキ プルプル
村雨「………」カキカキ
提督「よしっ!村雨、工廠にいる明石にコレを渡してきてくれ」
提督「建造と装備開発のスケジュールだ」
村雨「はいは~い♪」
提督「ほいっ頼んだぞ」プルプル
村雨「提督ちょっと寒そうね?」
提督「うむ…最近また一段と寒くなってきたからな……」
村雨「村雨がちょっといいマフラー編んであげましょうか?うふふふっ♪」
提督「本当か!?それなら村雨の愛情がこもった、いい感じのマフラーも頼んじゃおっかな?」
村雨「もぅ提督ったら……///」
村雨「わかりました♪期待して待っててね♥」
提督「ああ、楽しみにしてるよ」
・
・
・
トントン
提督「どうぞー」
ガチャ
時雨「失礼します」
提督「おっ、時雨が来たという事は…」
時雨「そろそろ秘書艦交代の時間だよ」
提督「うむ。よろしく、時雨」
時雨「うん」
村雨「あらもうそんな時間?そろそろ出撃の準備しなくっちゃ」
提督「気をつけてな」
時雨「頑張ってね、村雨」
村雨「はいは~い♪」
村雨「時雨姉さんも、提督の事お願いね」
村雨「今日は書類仕事が多いから、あらゆる手でサボろうとするかも…」ジロリ
時雨「ふふ…わかったよ。任せておいて」
提督「んん!?失礼な!俺がそんn」
村雨「あらぁ~?『散歩に行ってくる~』って出てって、お外で加古さんと一緒に昼寝してた事あったわよねぇ~?」
提督「あれはその…気分転換というかつい……あはは…」
村雨「しかも古鷹さんの膝枕でっ!」ギロッ
提督「ああうぅ…」
時雨「金剛型の人達とずーっとティータイムを楽しんでた事もあったよね」
提督「ごめんなさい、僕が悪かったです……」
村雨「ふふふ…」
提督「………」カキカキ
時雨「………」カキカキ
提督(ガタッ)
提督「うぅ~さむさむ」トコトコ
時雨「提督、少し寒くなってきたね」
提督「ああそうだな。時雨もこっち来てストーブにあたらないか」プルプル
時雨「僕は大丈夫。仕事やらないといけないし」
提督「はは、時雨は真面目だな」
時雨「……」
時雨「提督、風邪ひかないように僕、マフラー作ろうか?」
提督「え?」
時雨「あ、ごめん。余計だったかな?」
提督「いやそんな事はないぞ。俺のために作ってくれるなんて嬉しいし」
提督「その時はありがたく使わせてもらうよ」
時雨「そう……」
~ 1週間後 ~
時雨(マフラー、完成したけど……)トコトコ
時雨(提督……喜んでくれるかな……)
ピタッ
時雨(うぅ…少し緊張するな……)
トントン
提督「どうぞー」
ガチャ
時雨「失礼します」
村雨「あっ時雨姉さん!」バッ
提督「おぉ時雨じゃないか。何かあったか?」
時雨「えっと……」モジモジ
時雨「!!?」
提督「……ん?どうした?」
時雨「提督……そのマフラーは………?」
提督「ああこれか?村雨が編んでくれてな。ついさっきもらったんだ」
村雨「ふっふーん♪」ニコッ
提督「どうだほら!似合ってるだろ~?」
時雨(そうだ…そうだった……)
時雨(提督にはケッコン相手の村雨が……)
時雨(僕とした事が…そんな事に気づかなかったなんて……)
時雨「…………」
提督「……ん?時雨?」
時雨「ああ!うん、よく似合ってるよ。さすが村雨だね」
村雨「でしょー」
提督「……?」
提督「ところで時雨、手に持ってるその紙袋は何だい?」
時雨「こ、これはその…」
時雨「春雨に借りてたマフラーだよ。しゅ出撃時の防寒具として欲しかったんだ」
提督「そうか……」
時雨「じゃあ僕これから用事があるからもう行くね、失礼しました」クルッ
提督「ちょ、ちょっと待っ…」
ガチャ バタン
提督「行っちゃったか……」
村雨「………」
時雨「はぁ…」
時雨(僕はいったい……何をしてるんだ……)トボトボ
・
・
・
提督「……」
提督「時雨、ちょっと様子がおかしくなかったか…?」
村雨「ええ……」
提督「それに今何の用でここを訪れたのか…」
提督「何か心当たりある?」
村雨「特に何も……心配だわ……」
提督「うむ……」
提督(あれから3日経つが、時雨への違和感はいまだ拭えずにいた)
提督(違和感というか、いつも明るい娘というワケでもないんだが……何となく元気がないように感じる…)
提督(今のところ仕事はしっかりこなしてくれているが、このままでいいのだろうか…?)
時雨「はい提督、今回の遠征結果だよ」
提督「あぁありがとう。変わった事はなかったか?」
時雨「うん……無事大成功さ」
提督「うむ。ご苦労様」
時雨「じゃあ僕はこれで…」ガチャ
バタン
村雨「……提督、もうズバーっと直接聞いた方いいんじゃない?」
提督「うーん、それもそうだが…」
提督「時雨は賢い娘だからな。しっかりとした根拠を示さないと、ごまかされて解決に繋がらないと思うんだ」
??「ハーッハッハ!ハーッハッハッハッハァ!」
??「それならこの私達に任せてっぽい!」
提督「だ、誰だっ!?」
ガチャ
白露「たった一つの真実見抜く!見た目は一番、頭脳も一番!その名は…」
白露「名探偵白露ッ!」ババーン!
提督「えぇ…」
白露「さらに我ら!白露型艦娘探偵団のぉ~!!」
夕立「サブリーダーの夕立!!」ビシッ!
五月雨「お、同じくメンバーの五月雨!」モジモジ
江風「江風ッ!」ビシッ!
涼風「涼風ェー!」ビシッ!
白露「あたし達がいれば、どんな難事件もあっという間に解決しちゃうんだから!」
白露「期待してね♪」シャキーン!
シーン
村雨「白露姉さん…さすがに恥ずかしいわ……」
提督「あはは…」
白露「というわけで、時雨の事はあたし達に任せて!」ビシッ
夕立「夕立達も時雨がいつもと違う感じがして、気になってたっぽい」
五月雨「本人に聞いても何も答えてくれませんし…心配です……」
江風「ンー、確かにアレはなんか隠してンなー」
涼風「あたいもそう思うよぉー!」
村雨「みんな……」
提督「そうか…お前達も時雨の事を……」
白露「じゃあ早速、村雨!最近の出撃記録を見せてちょうだい!」
村雨「えっ?いいけど……何に使うの?」
白露「名探偵といえど、情報・手がかりがない事には推理も何も出来ないからね!」
涼風「そこで時雨姉と一緒に出撃した娘やー」
五月雨「親交がある艦娘さんに聞き込みをするんです!」
夕立「ぽい!」
提督(あれ?意外とまともだな…)
村雨「わかったわ!ちょっと待ってね!」ガサゴソ
村雨「はいっ、おまたせ!」
白露「うむ!探偵へのご協力感謝いたします!」ビシッ!
村雨「ふふ…どういたしまして♪」
江風「おっ提督、マフラーしてるんだ。だいぶ寒くなってきたしなー」
提督「おう、いいだろ?村雨の手作りだぞ~」
江風「ふ~ん……」
・
・
・
白露「ふむふむ…」メモメモ
五月雨「なるほど…」メモメモ
白露「よーし!じゃあ二手に分かれて聞き込みね!」
涼風「がってんだ!」
江風「いっくぜー!」ピュー
提督「こうしちゃいられないな」ガタッ
提督「俺も協力するぞ!」バッ
夕立「えっ?提督さんも来るっぽい?」
ガシッ
提督「んっ…?」
村雨「逃がしませんよ、提督。まだ仕事が残ってますから」
提督「で、でも時雨が…」
村雨「時雨姉さんの事は村雨も心配だけど…」
村雨「ここは探偵団のみんなに任せましょ♪」ニコッ
提督「………」
提督「あぁ、そうだな…」
提督「みんな、時雨の事頼んだぞ」
白露「あいあいさー!」
扶桑「時雨が……?」
扶桑「ごめんなさい。思い当たる事は何も……」
扶桑「山城、あなたはどう?」
山城「すみません姉様…。私もわかりません……」
白露「そうですか…」
夕立「ぽい~…」
・
・
・
雲龍「時雨に何か変わった事?」
白露「はい、その……なんでも!細かい事でもいいので!」
雲龍「…………」
雲龍「いつもどおりの様子だったと思うけど」
白露「ん~、そうですかぁ」
雲龍「力になれなくてごめんね…」
白露「いえいえそんな!」
夕立「ご、ご協力ありがとうございましたっぽい!」
・
・
・
長門「何?時雨が?」
夕立「元気がないみたいっぽい…」
白露「そうなんです。悩みでもあるのかなーって……」
長門「ふむ……時雨は感情をあまり表に出さないからな」
陸奥「それに悩みは自分一人で抱え込みそうな感じするわよねぇ」
夕立「ぽい…」
長門「わかった。私達からも他の艦娘に声を掛けてみよう」
陸奥「そうね…このままほっとく訳にもいかないわ」
白露「本当ですか!?」
白露&夕立「ありがとうございます!(っぽい!)」
・
・
・
青葉「んー時雨ちゃんですかぁ~…」メモ帳パラパラ
白露「艦娘事情に詳しい青葉さんなら何か知ってるかなと思って…」
夕立「どうですか……?」
青葉「彼女に関するネタは今のところありませんね…」
白露「うぅ…」
夕立「困ったっぽ~い…」
青葉「役に立てなくてごめんなさい…」
青葉「でも皆さんがいればきっと大丈夫です!応援してますよ!」
白露「はい!ありがとうございます!」
夕立「時雨のためなら夕立、もっと頑張れるっぽい!」
白露「それでは失礼します!」ピュー
スタタタター
青葉「………むふふっ」ニヤッ
青葉(これはいい記事になりそうですっ!)ササッ
川内「時雨がー?ん~最近会ってないしなぁ……」
江風「なんかないっすかねェ~?川内さん」
五月雨「那珂ちゃんさんも思い当たる事ありませんか?」
那珂「えっとぉ~……」
那珂「って『さん』はいらないよ!五月雨ちゃん!」
五月雨「あっ!すみません!」
川内「1週間前かなー?その時の夜戦演習では普通な感じだったけど」
那珂「時雨ちゃん、いつから元気ないの~?」
涼風「3日くらい前からだよ~」
神通「心配ですね……」
神通「ここはやはり本人に直接話を聞いた方がいいのでは…?」
川内「そうかもねー。もしアレだったらウチの神通を使ってもいいけど?」ニヤリ
神通「姉さん、それはどういう意味ですか?」ゴゴゴ
川内「ひ~怖い怖い!」
那珂「神通ちゃん落ち着いて!」
江風「あはは……」
五月雨&涼風(ひえ~……)ビクビク
- 執務室 -
ガチャ
五月雨「ただいま戻りましたぁ~…」
提督「おー、おかえりー」
村雨「ちょうどみんな戻って来たわね、お疲れ様♪」
村雨「でもその様子じゃ五月雨達もダメだったみたいね…」
涼風「えぇー!?それじゃあ白露姉の方も!?」
白露「今のところはね…」
夕立「でも長門さんと陸奥さんも、みんなに声を掛けて協力してくれてるっぽい!」
涼風「おお~!それは心強いなぁー!」
江風「江風達は川内型の人らや駆逐艦を中心に聞いたンだけど」
五月雨「特にこれといった事は何も……」
村雨「そう……」
提督「ん~こうなったら本人に聞くしかないか~?」
涼風「神通さんも同じ事言ってたなぁ~」
白露「………!」
白露「そういえば!!」ドンッ!
提督「おぉ!どうしたいきなり!?」
夕立「びっくりしたっぽい」
白露「まだ提督と村雨に詳しく話、聞いてないよ!」
一同「!!!」
提督「あぁ確かに…」
村雨「そうね…」
五月雨「今お話を伺ってもいいですか!?」
提督「おぉ構わんよ。書類仕事も一段落ついたとこだし」
白露「そもそも提督と村雨はいつから時雨の異変に気づいたの?」
提督「3日前だな。村雨からこのマフラーをもらった後の事だからよく覚えてるぞ」
村雨「時雨姉さんが一人でここに来たんだけど、マフラーの話をちょっとして~」
提督「そこらへんからなんか様子がおかしくなったんだよな、すぐ出て行っちゃったし」
白露「ふむふむ……」メモメモ
五月雨「マフラーの話をして様子がおかしくなった……?」
江風「ンー、他になんかあるかい?」
提督「あとはそうだなぁ~」
村雨「そういえばあの時、時雨姉さんもマフラーを持ってたわよね」
村雨「春雨から借りてたみたいなんだけど、紙袋に入ってたから実物は見てないわ」
夕立「むむむっ!これはマフラーが鍵を握ってるっぽい!?」
白露「そうだね、春雨からも話を聞きたいけど今遠征中だっけ?」
提督「ああ、それに海風も一緒だったな。もうそろそろ帰ってくると思うぞ」
トントン
一同「!?」
提督「お?どうぞー」
ガチャ
春雨「失礼します」
春雨「作戦完了。艦隊帰投です、はい」
春雨「……ってあれ?どうしてみんな揃って…?」
村雨「さっすが春雨だよ~!ナイスタイミング♪」ナデナデ
春雨「ふぇ……?な、何が起きてるんでしょうか…?」
・
・
・
春雨「私が時雨姉さんに…マフラーを……?」
村雨「ええ、本人がそう言ってたんだけど…?」
春雨「?」
春雨「いえ…時雨姉さんに貸した記憶はないです、はい……」
涼風「なんだってぇー!?」
江風「じゃあ時雨の姉貴は二人に嘘をついたって事かい……?」
五月雨「なぜそんな嘘を…?」
夕立「怪しいっぽい!」
白露「時雨が持ってたっていう紙袋の中身が気になるね~…」
白露「おそらくそこに今回の事件解決に繋がる何かが隠されているのよ!!」バンッ!
村雨「提督!」
提督「ああっ!」
トントン
シーン…
時雨「あれ?反応がない。入っていいのかな…」
時雨(執務室に緊急の呼び出しっていったい何だろう…)
時雨(でもちょうど良かった……コレはやっぱり提督にちゃんと渡さないと…)ギュッ
時雨(緊張する……)
ガチャ
時雨「うわっ真っ暗だ。まだそんな時間じゃないのに」
時雨(おかしいな。呼び出しておいて、提督も村雨もいないの……?)
時雨「とりあえず灯りを……」トコトコ
ドアバタン! ロックカチャ
時雨「えっ!?」
探照灯 パッ
時雨「うわっ!」
白露「ふっふっふ!来たわね、時雨!」
時雨「ね、姉さん?」
白露「時雨が隠してる事、この白露型艦娘探偵団に洗いざらい喋ってもらうわよ!」バーンッ!
時雨「えっ?探偵…?」
村雨「時雨姉さんにちょっとお話があるの。そこの椅子にかけてちょうだい♪」
時雨「村雨……」
夕立「このカツ丼食べて楽になるっぽい!」ドンッ!
提督「いや、それはちょっと違うと思うぞ夕立……」
夕立「ぽい?」
提督「さて、もういいだろ。部屋の灯りつけるぞー」
パァー
時雨「み、みんな…!?」
涼風「時雨姉、ここ最近元気ないよなぁー!」
江風「きひひー!時雨姉貴~、江風達に隠し事したってムダだぜ!?」
海風「お体の具合でも悪いのですか……?」
五月雨「その……私達にできる事があればなんでも言ってください!」
一同(ウンウン)
時雨「………」
時雨「ごめんみんな、心配かけて…」
時雨「でも本当に大した事じゃないんだ」
村雨「それはどうかしらねぇ~?」
時雨「えっ!?」
夕立「時雨は苦しくても無理するとこ、あるっぽい!」
時雨「……」
時雨(み、みんなの前でなんて恥ずかしくて言いたくない…)カァー
白露(提督、時雨が持ってる紙袋って…)ヒソヒソ
提督(ああ、あの時と同じものだ。中身もそうかはわからんがな)ヒソヒソ
提督「すまんな時雨、俺もほっておけなくてな」
時雨「提督…」
白露「いい?時雨が3日前にここに来た時の事、覚えてる?」
時雨「うん…」
白露「そこでその紙袋について提督が尋ねたら、時雨は『春雨から借りたマフラー』と答えた」
時雨「……」
白露「でも春雨に聞いてみると、そうじゃないみたいね?」
時雨「うん…」
春雨「時雨姉さん…」
白露「あたし達はその紙袋の中身が大いに関係してると思ってるんだけど……」
村雨「時雨姉さんから、話してもらえるかしら…?」
時雨「……」
時雨「うん…わかったよ……」
白露「本当!?」
時雨「でもその…恥ずかしいから、笑わないで…ね……?」
一同(ゴクリッ…)
時雨「まずこれの中身はね…」ガサゴソ
スー
白露「えっ!?」
村雨「マ、マフラー…?」
時雨「うん…その……」
時雨「て、提督のために作ったマフラーなんだ……///」
一同「!?」
提督「時雨もマフラー…作ってくれてたのか……!」
時雨「ま、まぁあの時期はちょうど暇だったからね」
村雨「えぇ~?ほんとぉ~?」コノコノー
夕立「んふっ♪時雨嘘つきっぽい!」
江風「素直じゃないねェ~」
白露「いつの間に……時雨と一緒の部屋だけど、全く気づかなかったなー」
春雨「そうですね…」
夕立「ぽい!」
時雨「こっそり作ってたからね」
白露「どして?」
時雨「恥ずかしいから……///」
提督「フフフ…」
時雨「ちょっと提督、笑わないでって言ったじゃないか!」ムスー
提督「いやすまん、時雨があまりにも可愛くてな」
時雨「もぅ……」
村雨「ふふふっ♪」
提督「その時雨が作ってくれたマフラー、ちゃんと見せてくれないか?」
時雨「別にいいけど…」ハイ
提督「いやぁ実は時雨のも密かに楽しみにしてたんだ♪」
海風「提督はこの事をご存知だったのですか…?」
涼風「あたいらは知らなかったのにっ!」
提督「ははは、時雨が寒さに震える俺を気遣ってくれてな」
提督「強要するのもアレだし、作ってくれたらありがたく受け取るってね」
村雨「そうだったの…」
提督「うむ……よく出来てるじゃないか。ありがとう時雨、大切に使うよ」
時雨「ダメだよ!提督にはすでに村雨からもらったマフラーがあるじゃないか」
時雨「それに村雨のほうがお洒落で明るい感じがして」
時雨「提督によく似合ってるよ」
白露「もしかして……!」
時雨「僕のは…もらってくれるだけでいいから……」
提督「時雨……」
白露「3日前、時雨はここでマフラーを提督に渡そうとしたけど」
村雨「村雨が作ったマフラーを巻いてる提督を見て遠慮しちゃったのかしら……?」
時雨「……」
時雨「そうだね…。提督には特別な関係……ケッコンカッコカリで強い絆を結んだ村雨がいる……」
時雨「僕なんかが邪魔をしてはいけない…ってあの時、咄嗟に思ってね」
提督「そうだったのか……」
提督「申し訳ない、時雨。その…時雨への配慮が足りなかったよ……」
時雨「いいんだ。僕が…心を塞ぎ込んでしまったのが悪いんだ」
時雨「おかげでみんなに迷惑かけちゃったみたいだし…」
時雨「ごめんなさい」
白露「大丈夫だよ、時雨!こんなの迷惑かけたうちに入らないって!」
村雨「そうそう!普段の夕立と比べると全っ然大したことないわ♪」
夕立「むー!ひどいっぽい!」プンスカ
時雨「ふふっ…」
一同「あはははははっ!」
提督「それじゃあ早速時雨のも…」マキマキ
時雨「本当に無理して使う必要ないからね…?」
五月雨「えぇ!?2本とも一緒に巻くんですか!?」
提督「当然!2人分の愛情でこの体を温めるのさ!」
村雨「ふふふっ。嬉しいわね、時雨姉さん♪」
時雨「あ、愛情なんて…そういう意味で作ったんじゃないよっ!///」
白露「照れてる時雨、可愛い~♪」
時雨「もう!姉さんまで…」
春雨「司令官…それだと口のあたりがもこもこしそうです…」
提督「ほぅか?あぃじょぶあぃじょぶ」モフモフ
涼風「てやんでい!ちゃんと喋んなよ提督ぅ!」
江風「んあ!これ片方だけぐるぐる巻きにして、マフラーに違いをつけるとオシャレになるんじゃねェか~?」ニヤニヤ
提督「あっコラ!やめろ江風!俺は中○彬か!?」
海風「あらあら…」ウフフ
ワイワイ ガヤガヤ
夕立「あっそうだ!夕立、いい事思いついた!」
提督「んん?」グイッ
村雨「えっ?なになに?」グイッ
時雨「?」グイッ
夕立「提督さんが真ん中、その横に時雨と村雨。みんなまとめてマフラーでこう巻いて~」グルグルー
時雨「ちょっと夕立…///」
夕立「ほらっ!これでさらにあったかくなるっぽい!」
一同「お~!」
提督「さすがだ夕立。君は出来る娘だと信じてた」
夕立「でしょ~!?もっと褒めて褒めて~!」
提督「これで今年の冬もなんとか乗り越えられそうだ!」ンフフ
村雨「いい感じいい感じ♪ねぇ?時雨姉さ~ん?」ニヤッ
時雨「うぅ……///」
時雨「て、提督……近いからもうちょっとそっち行ってよ…///」ググッ
提督「いやだ!」ドン!
時雨「えぇ…」
白露「……ヘッ…ヘックシュン!」
白露「うぅさぶい!提督、あたしが入るからそこどいて!」
提督「ここは譲れません」キリッ
白露「えぇ…」
春雨「ふふふっ…」クスクス
サササッ バッ
パシャ!
青葉「いただきぃっ!」
一同「!!?」
提督「あ、青葉!?」
青葉「ども、恐縮です、青葉ですぅ!」
海風「あれ…?私ちゃんと鍵閉めたのに…」
江風「……最初から執務室を張ってたのか?」
涼風「張り込むったって、ど…どこにいたんだぁ…?」キョロキョロ
五月雨「謎が多すぎて怖いです…」プルプル
青葉「お三方から今の気持ちを一言ずつお願いします!」
提督「今なら間違いなく、この俺が世界一の幸せ者だと断言できるね」ニヤニヤ
村雨「ふふふっ…提督に喜んでもらえて、村雨も幸せで~す♪」ピースピース!
時雨「僕からは特にないよ……。ノーコメントで」
青葉「なるほどぉ~。お、村雨ちゃんいいね~!」パシャ! パシャ!
時雨「ちょ、ちょっと青葉さん!まさか記事にするつもりじゃ…」
青葉「ん?しないしない~!絶対しないから何か一言ない?」ニヤリ
一同(あっ…これ絶対するパターンだ…)
時雨「いい加減にしないと僕、怒りますよ…!」ゴゴゴ
春雨(はわわわわ…)
青葉「あははー、時雨ちゃんの怒った顔も是非1枚撮っておきたいですねぇ~!」
ワイワイ ガヤガヤ
白露「時雨、もう大丈夫みたいね。よかったよかった!」
白露「やっぱり元気がいっちばんだよ!」
夕立「ぽい!」
夕立「お姉ちゃん、はいっ!」マフラー クルクルー
白露「おぉ~?」
夕立「風邪ひくと大変だから、夕立のマフラー貸してあげるっぽい!」
白露「えぇ!?いいの?」
夕立「うん!名探偵白露殿!お疲れ様でしたっぽい!」ビシッ!
白露「ありがと夕立♪」
時雨「!」
ササッ スッ
青葉「うわあっ!!?」
白露「あっ…」
夕立「青葉さんのカメラが時雨に盗られたっぽ~い…」
白露「こりゃあ青葉さん、記事書けそうにないね~」
青葉「うわああんっ!青葉のカメラ返してくださいよぉ~!」
おしまい
以上で終了です。最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
秋のワインボイスと聞いた時は『村雨だろこれ!?ハァハァ…!』と思ったのですが、違ったみたいですね。
ちょっと残念でしたがマフラーを編んでくれたし、何よりいつも通り可愛らしいボイスだったので大満足です。
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