◆ひなビタ♪SSです
◆倉野川手帳を見てると倉野川は駅と商店街が近くていいなあって思う
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夏陽「え、はんざきってオオサンショウウオなの?」
心菜「うん」
夏陽「ふうん、てっきりそうはいかないのかと……」
心菜「それはかんざき」
夏陽「でもなんでオオサンショウウオがはんざき?名前の原型ないじゃない」
心菜「うーん……」
纒「その質問には私がお答えしましょう!」バッ
夏陽「うわっびっくりした」
心菜「神出鬼没だね、お姉さん」
纒「はんざきは半分に裂いても死なないから、そう呼ばれていたようですよ」
夏陽「え、そうなの?」
纒「いえ、死にますけど」
心菜「死んじゃうんだ」
纒「それくらい生命力が強いと思われていたみたいですね」
夏陽「ふーん」
心菜「でもはんざきさんって、天然記念物でしょ……?」
夏陽「天然記念物ってことは、希少な動物って事じゃないの?」
纒「まあそこら辺は色々……あ、そうだ」
夏陽「?」
心菜「?」
纒「これから行きますか!はんざきセンターに」
夏陽「え」
~はんざきセンター~
纒「着きました」
心菜「はやい」
夏陽「ずっと山道だったわね」
纒「ちなみに岡山県です」
夏陽「お隣」
纒「ついでに近くに温泉街もありますから入って帰りましょうね」
夏陽「それはいいけど」
心菜「なっちゃん、はんざきセンター入場料無料だって」
夏陽「それもいいわね」
纒「入場台帳がありますね」
心菜「『山形まり花 5名 ふぉおおおおおっ!』、って書いてある」
夏陽「いつの間にかちくわバンドの面々で来てたみたい……むう」
纒「一緒に来たかったですか?」
夏陽「いやそういう訳でもないけどー」
心菜「その時は向こうでお仕事だったのかな……?」
纒「まあ、似たような機会は今後もありますよ!」
夏陽「またオオサンショウウオ?」
纒「いえ、今度は甲殻類がいいと思うのですが……」
夏陽「甲殻類ねえ」
心菜(カニ、食べたい……)
夏陽「施設内は結構寒いわね……」
纒「まあ生き物がいますからね」
心菜「……!なっちゃん、はんざきさん……」
夏陽「うわデカっ!」
纒「流石オオが付くだけありますね」
心菜「真っ黒……」
纒「真ん中の標本は白いですけど」
夏陽「それにしても、動かないわねコイツ」
心菜「夜行性って書いてあるよ……」
夏陽「ん、よく見たら水槽に魚いるじゃない」
纒「本当ですね」
夏陽「実は魚も飼育してたり?」
纒「はんざきセンターでしたよねここ」
心菜「……なっちゃん、ここに質問コーナーがあるから」
夏陽「んー?水槽の中の鱒は飼育してるんですか?」
纒「それははんざきの餌ですって」
夏陽「……」
纒「……」
夏陽「そ、それにしてもオオサンショウウオって大きいのね」
纒「飼育されてていたのでも160cmくらいあったみたいです」
心菜「私達より大きいね、なっちゃん」
夏陽「こんなのが近くにいたらやだなあ」
心菜「でも抱きまくらとかよさそう……」
夏陽「そう?すごいぬるぬるしてそうだけど……そういえばオオサンショウウオって言うし
山椒と何か関係があるのかしら」
纒「んーと、ゴムみたいな匂いがするらしいですよ」
心菜「山椒関係ないんだ」
夏陽「じゃあなんでサンショウウオなのよ」
纒「流石にそこまでは……」
夏陽「あら、この丸い水槽のオオサンショウウオはよく動いてるわね」
纒「さっきの水槽、暗くて若干見にくかったですから」
心菜「ごはんとかあげたい……」
夏陽「そういうサービスは無いみたいね、まああんま食べさせるのも悪影響があったりするのよきっと」
心菜「じー……」
夏陽(なんだか熱心に見てるわ)
纒(さっきのはあんまり動かなかったからこっちのを堪能してるんですよ)
夏陽(ナチュラルに脳内に話しかけるのはやめない?)
纒(申し訳ない)
夏陽「ふと思ったんだけどオオサンショウウオって美味しいの?」
纒「え?随分急な話ですねなつひちゃん」
心菜「はんざきさん、食べちゃだめ……」
夏陽「も、勿論食べないってば!ただほら、どこかでアホトロールの唐翌揚げを提供してる場所とかあったでしょ」
心菜(ウーパールーパー……)
纒「でもオオサンショウウオは天然記念物ですから触るには許可が必要なんですよ」
心菜「しつこく触るとかみつくって書いてある……」
夏陽「ぐぬぬ、最近食費が掛かってるしあれだけ大きければ暫く持つのになーってちょっと考えただけじゃない!」
纒「まあまあ、気持ちはよく分かりますって」
心菜(ウーパールーパー……どんな味なのかな?)
夏陽「まあそれはともかく、割とのんびりしてそうな生き物なのにかみつくんだこれ」
纒「生き物ですから」
心菜「一度噛み付くと雷が鳴るまで離さないんだって……」
纒「しかも外すには許可が」
夏陽「むう、水辺で見かけても近付かない方が良さそうね」
纒(そもそもあんまり見かけないとは思いますが……)
心菜「噛み付くと離さない……なっちゃんみたい?」
夏陽「ちょ、ちょっとここなあ!急にそんな事言わなくてもいいでしょっ!」
心菜「大丈夫だよ、今ここは私となっちゃんとお姉さんしかいないし」
夏陽「そういう問題でもないのっ!」
纒(噛み付くと離さない……なつひちゃんそういうのするんだ)
纒「やっぱこういう保護センターだとホルマリン漬けってありますよね」
心菜「150歳だってー」
夏陽「うう、私ホルマリン漬け苦手」
心菜「さっきから直視してなかったね……」
纒「確かに不気味ではありますね」
夏陽「ま、まあ?これはオオサンショウウオだし?そんなに怖くはないけどね」
纒(あ、強がってる)
夏陽「そうよ、見た目は生きてるのと変わらないし、別に怖がらせようとしてるんじゃないものね!
例えばこれが断面図とかだったら間違いなく見れないとは思うけど」
心菜「なっちゃんなっちゃん、向こうにはんざきさんの内臓のホルマリン漬けが」
夏陽「見ない!見ないからね!」
纒(かわいい)
纒「そう言えばオオサンショウウオにちなんだおみくじもありましたよ」
夏陽「占い?私占いはあんまり……」
心菜「なっちゃん、おみくじ、引きたい……」
夏陽「ようし、引きましょう!」
纒「手のひらの返し方が清々しいですね」
心菜「一回百円」
夏陽「百円……あ」
心菜「どうしたの……?」
夏陽「や、やっぱり二人で一回にしない?」
心菜「……」
纒「……」
纒「まあそう言わずに、私が出してあげますよなつひちゃん」チャリン
夏陽「あ、お、お姉さん」
纒「そう遠慮しないで下さいよ、もうお金入れちゃいましたし、早く早く」
夏陽「あ、ありがとお姉さん、じゃあ」ガチャガチャ
心菜「ガチャガチャポンなんだね」
纒「まぁ専用の機械は高いですから」
夏陽「えーっと……無病息災!はんざきだけに怪我ない、だって」
心菜「はんざきだけに」
纒「オオサンショウウオはぶつぶつお肌で毛がありませんから怪我と毛を合わせた洒落ですね」
夏陽「解説はいらないから!」
心菜「じゃあ次は私……がちゃがちゃ」
纒(擬音を口に出してる)
夏陽(ここなかわいい)
心菜「ころん……えーっとね」
夏陽「うん」
心菜「山椒めいてピリリと辛い!はんざきの年齢めいて続く関係」
纒「ふむ……恋愛運ですか?」
心菜「たぶん」
夏陽「きっと私との関係のことよね、ここなぁ」
心菜「うん」
纒(素直に認めるここなつちゃんかわいい)
夏陽「ん?これで終わり?」
纒「まああんまり大きな施設ではないですね」
心菜「創始者さんの写真や紹介はあるけど……」
纒(見覚えのあるアングル)
夏陽「ふーん、まぁ暇潰しにはなったかしら」
心菜「私は結構、楽しかったよ……?」
夏陽「オオサンショウウオ、目がどこにあったのか分からなかったわ」
纒「意外となつひちゃんも見てますね」
夏陽「折角来たんだし、楽しまなきゃ損じゃない」
心菜「ふふ」
夏陽「もう帰るの?」
纒「いえ、温泉に寄ろうかと」
心菜「なっちゃん、お姉さん」
夏陽「んー?」
心菜「あれ見て、あれ」
夏陽「あれって……オオサンショウウオの山車?」
心菜「大きいねー」
夏陽「まあ大きいけど……必要性は?」
纒「このへんでは8月にはんざきのお祭りがあるらしいので、それに使うのでしょう」
夏陽「ふーん」
夏陽「近くで見ると更にでかいわ」
纒「なかなか気合を入れて作られてますね」
心菜「動く所見てみたい……」
纒「それは8月にならないと……」
心菜「むう」
夏陽「山車と言えば商店街の方でも作ってたわよね?」
纒「ええ、イブ山車ですね」
夏陽「こっちの方がでかいわね」
心菜「いぶき山車ばーさすはんざき山車……」
纒「爬虫類とか苦手な和泉さんはちょっと不利そうですねー」
心菜(両生類……)
夏陽「隣の倉には、えっと、なんて言うんだっけこういうの」
纒「ねぶたですね」
夏陽「そうそれ!オオサンショウウオのねぶたがあるわ」
心菜「柵があって見にくい……」
纒「まあねぶたなので脆いのでしょう」
心菜「やっぱり8月じゃないと見れないの……?」
纒「今度は来ればいいんですよ、ここなちゃん」
心菜「うん……」
夏陽(え、行くの確定なの?)
纒「さて、こんなものでしょうかね」
夏陽「悪くは無かったわね、はんざきセンター」
心菜「はんざきさん好きになった……?」
夏陽「うーん、どうだろ」
纒「触れれば分かりやすいんですけどねー」
夏陽(天然記念物でよかった)
纒「ロンロンにウーパールーパーが入荷したりはしないんですか?」
心菜「しないと思う……」
夏陽(当たり前でしょ!)
纒「じゃあこの後は温泉街に行きますかねー」
夏陽「わあい」
心菜「なっちゃんとお姉さんと一緒にお風呂……♪」
纒「ふふふ、喜んでくれて何よりです」
心菜「私、お姉さんとなっちゃんと3人でどっか出掛けるの、好き……」
纒「あらあら、嬉しい事言ってくれますねえ♪」
夏陽「う、わ、私だって、好きよ」
纒「ふふふ、じゃあまたどっか考えましょうかねー、今度はもっと遠くがいいんじゃないかと思うんですが」
夏陽「遠くねえ」
心菜「……!私、行きたいところがあるの……」
纒「あらここなちゃん、何か候補が?」
夏陽「北海道?」
心菜「うーんとね、逆」
纒「沖縄ですか?でもここなつのお二人なら一回くらい行ったことありそうですが」
夏陽「もー、何言ってるのお姉さん」
心菜「お姉さんも、一緒だよ……?」
纒「あ……え、い、いいんですか?私が一緒でも?」
夏陽「当たり前でしょっ」
心菜「ふふふ」
纒「……分かりました!今から予定を立てますね!まず休暇を確認して、それから回る場所とかも決めたいですね」
夏陽(眼鏡が光ってる)
纒「そうですね、お二人とビーチで遊びたいのは勿論ですが……沖縄名物を食べ歩くのも捨て難く……ううむ」
心菜「沖縄のパイナップルは味が濃くて美味しい……」
纒「ああでも!沖縄と言えば泡盛!これを飲み歩きしたい!嗚呼!」
夏陽「すればいいんじゃないかしら」
心菜「きっとキスがお酒の味だね、なっちゃん」
夏陽「だ、だから明言しなくてもいいってばあ!」
おわり
お疲れ様でした
ここなつの新曲「ヒミツダイヤル」は明日ボルテに追加予定です
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