久世橋「消灯時間後の話」 (18)
―――修学旅行の夜
穂乃花「消灯時間過ぎてるし、そろそろ戻った方が………」
カレン「大丈夫デス!布団被って静かにしてればバレマセン!
それに先生達、旅行で浮かれてマスのでチェックも甘いハズ………」
久世橋「誰が浮かれてるって?」
穂乃花「ヒッ!」
久世橋「自分の部屋に戻りなさい!
九条さんは罰として先生達の部屋で寝てもらいます!」
カレン「NO―――!!!」
穂乃花「カレンちゃーん!」
――――――――
久世橋「さらに、よっぱらいの相手をしてもらいます!」
烏丸「あっははは~ カレンさんだ~」
カレン「浮かれすぎデス!!」
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カレン「カラスマ先生、酔ってるデス?」
烏丸「あはは~、そうでもありませんよぉ~!」
久世橋「十分に酔っています!もうこれでおしまいにしてください!
ほらっ、生徒に見られてますよ!こんな場面を見られるのは教育者として―――」
烏丸「そんなかたい事言わないで下さいよ~、夜はまだまだ長いんですから~」ぐいっ
カレン「おおっ、グイグイ飲んでマス!カッコいいデス!!」
烏丸「うふふ~、でもカレンさんはマネしちゃ駄目よ~、今は若いんだから~」
カレン「はい、分かっていマス!ハタチになってから、デス!」
烏丸「カレンさんは良い子ね~。
そうだっ、カレンさん、二十歳になったら一緒に飲みましょうよ~」
カレン「良いデスネ!楽しみにしていマス!!」
久世橋「ちょっと、九条さん!!何を勝手に先生と飲む約束なんか……!」
カレン「よっぱらいの相手をしろと言ったのはクゼハシ先生じゃないデスカー」
久世橋「くっ………連れて来た生徒がまずかった………」
烏丸「ほら、久世橋先生も飲みましょうよ~、こういう時の為にお酒こっそり持って来たんですから~」
久世橋「どういう時の為ですか!
生徒に悪影響になりかねません!それに明日に響いたら大変です!」
カレン「明日に?お酒って、『響く』のデスカ?」
久世橋「あまり飲み過ぎると、二日酔いといって、しばらく体調を崩してしまう事があるんです。
九条さん、二十歳になったとしても、決して無闇に飲み過ぎてはいけませんよ!」
烏丸「そうですね~、でも二日酔いするくらい飲んでる時はとても楽しいのよ~。
暇な学生のうちに、一度くらい体験しておいた方がお得よ~」
カレン「ナルホド、学生のうちに二日酔いをしておくべき…!覚えマシタ!」
久世橋「ああっ!!!九条さんに変な事を教えないで下さいっ、先生!!!」
烏丸「あはは~、教育にはこういう付き合いも必要ですよ~?」
カレン「そうデスよ~」
久世橋「くっ、逆によっぱらいを助長してしまっている………」
カレン「先生達は、こうやって飲む事も多いデス?」
烏丸「そうよ~、よくアパートで二人でね~」
久世橋「烏丸先生っ!!! へ、変な事を言わないで下さいっ!」
カレン「ホー、『サシノミ』という奴デスネ!」
久世橋(どこでそんな日本語を!!?)
カレン「カラスマ先生とクゼハシ先生は、仲良しなのデスネ!」
久世橋「なか………!
………お、お世話にはなっています。
烏丸先生にはいつも助けられていますし、同じ教師として、話を聞いて頂く事も多いです。
そういう意味では、確かに、仲が良いとも言うかもしれまs」
烏丸「そう~!久世橋先生大好きなんですよ~!!!」
久世橋「ちょちょちょ先生っっっ!!!?」
烏丸「久世橋先生の作ってくれるお料理が美味しすぎて~!」
カレン「ホホウ………」
久世橋「く、九条さんっ!何をニヤニヤしているのです!!」
烏丸「あっ、すみません、決して料理だけが良いって訳じゃないんですよ?
他にも久世橋先生にはいい所が一杯………」
久世橋「訂正すべきはそこじゃないです!!」
カレン「私もクゼハシ先生好きデス!クゼハシ先生が普段、どんな風なのか、私知りたいデス!!」
烏丸「まぁ~!そうねぇ、カレンさんも先生の事知りたいわよね~。
えっとねぇ、久世橋先生はよくネコちゃんの話をするんですけど」
久世橋「ちょっと!!私生活を暴露するのは!本当に!!」
烏丸「久世橋先生は寂しがり屋でね~、帰るとついネコちゃんに、今日あった事を話しちゃうの~」
カレン「本当デスカ!?」
久世橋「烏丸先生ええええ!!!!!」
カレン「クゼハシ先生!夜デス、静かにしまショウ!」
久世橋「はっ………!くっ、私としたことが!!」
カレン「私も猫好きデス!大丈夫デス、恥ずかしくないデスヨ!」
久世橋「きょ、教師としての………威厳が………」
カレン「それでそれで?他にはどんな事を話すのデス?」
烏丸「あぁ、久世橋先生ったら、酔うと泣き上戸なんですよ?
『今日も生徒に怖がられちゃってー』ってよく泣いて」
久世橋「ほ、本当に!本当にそれ以上はやめて下さい!!!」
カレン「そうだったのデスカ………クゼハシ先生も、苦労なされているのデスネ………」
烏丸「んー、後は、『生徒が可愛すぎる』という相談をよく………」
久世橋「本当にやめて下さいってばああああ!!!!!」
―――――数十分後
烏丸「………って事があって~!」
カレン「それはそれは!クゼハシ先生、かわいいデス!!!」
久世橋「あぁ………ぁ………もう駄目………」
カレン「クゼハシ先生ー?」
久世橋「ふ、ふふ、ふ………終わった………」
カレン「どうしたのデス?
私、可愛いクゼハシ先生の話が沢山聞けて満足デシタよ?」
久世橋「あああああっ!!!忘れなさい! 今すぐ全て!!!!!」
カレン「どうしまショウ~」
久世橋「忘れないと家庭科の評定を落としますよ!!!」
カレン「!? ヒッ、怖いデス!!
わ、分かりマシタ!頑張って忘れる事にしマス!!!」
久世橋「ふぅ………」
カレン「それにしても、本当に仲良しなのデスね。ちょっと羨ましいかもデス」
烏丸「ふふ~羨ましいでしょう~?
久世橋先生のお料理をパクパクと食べられるのは羨ましいでしょう~~」
久世橋「先生、もう悪ノリは………」
烏丸「あっははは~」
久世橋「………聞こえてないか………」
カレン「羨ましいデス!!
私も、クゼハシ先生のお料理をパクパクしたいデス!!」
烏丸「そうよねぇ~!今度は、カレンさんも呼んで三人でお話しましょう~!」
久世橋「勝手な約束を取り付けないで下さい!!
そ、そもそも、そんな事は………生徒と先生の距離が、近くなりすぎます!!!
生徒に好かれるのは嬉しいですが、こう、節度というものが………」
烏丸「そうかしら~?生徒と近い方が良いと思いますけどね~。こんな風に!」ギュッ
久世橋「!?」
カレン「Wow!」
烏丸「カレンさんも抱き心地が良いですね~、ぎゅー!」
カレン「そうデスカー?それはアリガトデス!」
久世橋「なっ………な、ななっ………!!!」
烏丸「抱きしめの刑~」
カレン「これは刑になるのデスカ?」
久世橋「かっ、烏丸先生、いともたやすく、なんて事を………!」
烏丸「辛い事があったら、可愛い物をぎゅーってするのが、おすすめですよ!」
カレン「あ、前カラスマ先生が、アリスを抱きしめているのを見た事がアリマス」
烏丸「そう、アリスさん、可愛いわよね~。
でも、前からカレンさんもとっても可愛いと思っていたんですよ~~~」
カレン「嬉しいデス!私からもお返しに、ぎゅーってしても良いデスカ?」
烏丸「どうぞ~!ばっちこーい!ですよ!!」
久世橋(ま、まずい………この空間は………!!!
いけないっ、こ、こんなの、頬が緩むのを、抑えきれない………!!!
で、でも駄目っ、負けたら!私は教師で、今は生徒の目の前で………)
カレン「だきしめの刑返しデス~、えいっ」ギュッ
久世橋(負けた―――!!!!!)
烏丸「久世橋先生?」
カレン「頬が緩み切っていマス!とても幸せそうデス!!!」
烏丸「まあまあ♪」
久世橋「はっ、これは、そのっ」
烏丸「久世橋先生もしてみますか~?カレンさんを、ぎゅっと!」
久世橋「そ、そそそんな訳には!!!
そんな事までしてしまったら、私は―――」
カレン「………?」
久世橋「何でもありませんっ!大丈夫です、大丈夫ですから!!」
烏丸「えー、可愛いのに………」
カレン「あっ!そうそう、私、トランプを持って来てたデス!」
久世橋(!? 一体どこに!!?)
カレン「昨日、ホノカ達とも遊んでいたんデスよ~。
でも、どうしてかホノカは自分から負けを宣言してしまうのデス」
烏丸「あら~、トランプ~?いいわね~先生トランプなんて久しぶりだわ~」
カレン「先生達もどうデス?」
久世橋「こ、こんな夜遅くに、教師が生徒とトランプ遊びなんて」
烏丸「やりましょ~!修学旅行の夜に遊ぶなんて、青春じゃないですか~!」
カレン「Yes!先生達も、レッツ青春デス!!!」
久世橋「………はぁ、烏丸先生まで………
そんな、子供の遊びなんて………一回だけですからね?」
――――――――
―――30分後
カレン「アハハッ、また勝ちまシタ!!ババ抜き、私が一番デス!!」
烏丸「ん~、勝てないわねぇ。トランプみたいな遊びは向いていないのかしら~」
カレン「ふあぁ……… ………面白かったー、そろそろ寝マスー?」
久世橋「もう一回!もう一回やらせて下さい!!!」
カレン「!? こ、怖いデス………!」
久世橋「このままでは引き下がれない………!」ゴゴゴゴゴ
烏丸「うふふ、久世橋先生が燃えてるようだから再戦ね~」
カレン「うう、眠たいデス………やらなきゃダメデスカ?」
―――――更に30分後
久世橋「やった!遂に………!!!」
烏丸「はぁ~、ようやく勝てましたね、先生!それでは、そろそろ寝ましょうか~」
カレン「ね、眠いデス………」カクンッ
久世橋「………はっ!
わ、私とした事が、生徒を引っ張って、こんな時間まで起こして………!
教師失格です………っ」
カレン「あ、でも大丈夫デスよ、すごーく楽しかったデス!」
久世橋「それに………
九条さんをこんな部屋まで連れて来てしまって、結局寝るのが遅くなって………
完全に私の判断ミスでした………すみません………」
カレン「あっ、クゼハシ先生が落ち込んでしまったデス!」
烏丸「大丈夫ですよっ!気を落とさないで下さい!」
久世橋「烏丸先生………」
烏丸「久世橋先生のおかげで、カレンさんと仲良くなれて、楽しかったですよ~?」
カレン「そうデス!今日カラスマ先生と仲良くなれたのは、クゼハシ先生のおかげデス!!
先生と生徒の仲を取り持つ、教師の鑑デス!!」
久世橋「烏丸先生………九条さん………」
カレン「それに私は、クゼハシ先生の普段の姿を知れて、とても楽しかったデス♪」
久世橋「………忘れないと、どうするって言いましたっけ………」
カレン「アアッ何でも無いデス!忘れマシター!!!」
烏丸「ふふふっ、それでは、寝ましょうか。おやすみなさい………♪」
久世橋「そうですね!明日もある事ですし、今度こそ眠りましょう。おやすみなさい!」
カレン「Good night………」
―――翌日、帰りのバス
久世橋「みんな、眠ってる………
………行きは騒がしかったですけど、帰りはさすがに静かですね。」
烏丸「楽しかったですね、修学旅行」
久世橋「………はい!」
カレン「アリス達は行きもぐっすり眠ってマシタけどー」
久世橋「何で一人だけ元気なんですか!」
カレン「お菓子食べマスー?」
久世橋「結構です!それに、平然と先生達のいる席に座って………」
カレン「皆寝ちゃってヒマだったので、遊びに来マシタ!………嫌デシタカ?」
久世橋「っ………!ま、まあ、良いでしょう!」
カレン「ワーイ!」
烏丸「カレンさんなら歓迎するわよ~。
でも、私の隣でいいの~?久世橋先生じゃなくて?」
カレン「? もちろんデスよ?
昨日の夜は、カラスマ先生と仲良くなれて嬉しかったノデ!」
烏丸「昨日の夜? 何の事?」
久世橋「えっ、先生、まさか、記憶が………」
烏丸「?? 何かあったのかしら~?」
久世橋「酔っ払った末に全部忘れてるー!!」
カレン「昨日は色々と楽しかったデスよ!
あっ、でも言うと評定を下げられるので、やめときマス………」
久世橋「あの!評定下げませんから、お願いですから忘れてくれませんかそれ!!!?」
烏丸「あらあら、何があったのかしら、気になるわね~。
それはそうと、お菓子いただけるかしら~?」
カレン「はい、どうぞデス!
あ、またトランプ持って来たので、もう一度やりまショウ!
今日は手加減はしマセンよ!!」
久世橋「て、手加減していたのですか!?」
カレン「だって、早く寝たかったデスから………」
久世橋「う………そ、それはすみません………」
烏丸(このお菓子美味しいわぁ)ポリポリ
久世橋「き、昨日のが手加減だったならば!
今度こそ、真剣勝負で、勝たせてもらいますよ!!!」
カレン「望むところデス!!」
烏丸「………うふふ、久世橋先生とカレンさんのおかげで、
最後まで楽しい旅行になりそうだわ~。ありがとうございます♪」
おしまい
短かったですが、7巻の修学旅行回が良すぎて、あの4コマの後にこんな事が起こってるといいなと思って書きました。
烏丸先生、アリス以外にカレンの事もアリスみたいに可愛がってるといいなという勝手な妄想があり、それに大分引っ張られています………
きんモザssがもっと増える事を願って!
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