ゾンビ娘「ゾンビなわたしの、とってもアブない大冒険」 (148)


過激な描写多し 閲覧注意




博士「…… マルガ波40 タイゴウ灯23 それぞれの強さを67に設定……っと」ピッピッ

博士「よし!この設定なら私が開発した『死体生き返らせビーム発射機』で死んだ人間が生き返るはずだ!」

博士「今回は今まで展開してきた理論を根本から見直し、改良に改良を重ねた実験だから、必ずうまくいくだろう……!」

博士「成功すれば今世紀最大の発明であることは間違いない、私の名前はきっと永遠に世に語り継がれてしまうね、ふふふ……」

博士「早速発射機をこのサンプル死体にむけて……」

死体「」

博士「いけ!発射!」


ビィーッ!


博士「さて完了には二時間ほどかかってしまうから成功を楽しみにお茶でも飲んでいよう」

博士「……おや?」

博士「おかしいな…… マルガ波が…… 私が導き出した数値と違うじゃないか」

博士「ああなんてことだ、興奮のあまり発射機に設定する数値を間違えてしまった。これは俗に言う凡ミスと言ったところか」

博士「正しい数値に直してっと……」ピッピッ


ドッカーン!


博士「っ!?」

博士「な、なんだ……爆発!?」


シュウゥ…


博士「どうしたと言うんだ、誤った数値からビーム照射中にいきなり変更したためか……?ひどい爆発だったな」

博士「まあ、もう一度最初から、今度はちゃんと確認して再実験すればいいだけの話だが」

博士「それにしてもサンプルの死体を一体無駄にしてしまったな……やれやれ」


死体「……」


博士「……ん?」


死体「……うげ」


博士「……!!」


ゾンビ娘「げえええええええぇぇ……」


ゲロゲロゲロゲロ


博士「うわっ!?」

ゾンビ娘「げほっ……ごっほ、う、うえ」

ゾンビ娘「げえええええええぇ」

ゲロゲロゲロ

博士「な、なんだ!?何が起こってる!?とにかくやめてくれそれ以上は!研究所がゲロ臭くなってしまうじゃないか!」

ゾンビ娘「う、うえ、うぷ、うぷぷ……」

博士「待ちたまえ!今すぐ洗面器を持ってくるからそれまで我慢するんだ!いいね!」




ゾンビ娘「うげ……」

博士「もう出ないかい?全く驚いたよ、なにが起こったというんだ」

ゾンビ娘「こ、ここどこ……なに、これ……」

博士「喋ってる……まさか成功したというのか」

ゾンビ娘「あなた、だれ……うげ」

博士「そんなはずは……照射し始めの数値は明らかに誤りだったはず……まさか誤った方が偶然正解だったのか……?」

博士「いや待て、私があるタイミングで急に数値を変えたから、それが奇跡的な反応につながったと考えるのが妥当か……!?」

博士「いや、だがしかしとにかく!死体を蘇らせる実験は、私の発明と思わぬ偶然により、ついに成功した!!」

ゾンビ娘「死体……?なんこと……?」

博士「やあ、気分はいかがかな。君は世界で初めて死体から蘇った、記念すべき第一号だよ」

ゾンビ娘「死体から?」

ゾンビ娘「ってわああぁっっ!?なにこれ!?わたしなんで裸なの!?」

博士「説明しよう!まず私はここの研究所でもう何年も死んだ人間を蘇らせる研究をしてるんだ。そしてここは私の研究所だよ」

博士「もう随分長いこと失敗続きだったが、今日なんと偶然方法を誤ったために成功した。それがすなわち君だよ」

ゾンビ娘「わたし……」

博士「蘇っていきなり大量の吐瀉物をぶちまけるとは驚いたが、成功は成功だ!」

博士「これは人類史上初めて、極めて革新的な発見だよ!」

ゾンビ娘「あの……服ください」

博士「それにしても何故いきなりこんな有様になってしまったんだろうねえ……」

博士「私の発明品、超高速床クリーナーが偶然あったから良かったものの、あんな状態から復活するなんて思ってもみなかった」

博士「これはすなわち死体のなかで溜まりに溜まった汚物が活性化により一気に体外に放出されたか……」

博士「あるいは突然の蘇えりに脳がついていけない為におこった症状……名付けるなら蘇えり酔いと言ったところか」

ゾンビ娘「服……」

博士「しかし困ったことになった……変更する前の誤った数値がいくつだったかさっぱり思い出せない」

博士「その数値がわからないと、この世紀の発明もただの偶然の産物で終わってしまうじゃないか」

ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘「……へくちっ」

ゾンビ娘「か、風邪ひく……」

博士「ん、ああすまない……そうか服か……困ったな」

博士「実験前は誰の死体かなんて気にしてなかったが、こうやって見てみると幼い少女とくるじゃないか」

博士「ここは長年私一人でね。君にぴったりのサイズの衣類は手元にないんだ」

ゾンビ娘「そんな……」

博士「まあとりあえず私の白衣でもまとっていてくれ。いくぶんマシだろう」ハラッ

ゾンビ娘「……」ブカブカ

博士「さて君のことを知りたい。何度も言うが君は世界で初めて蘇った死者だ。きっと君の事で世界中大騒ぎになるぞ。どうだい」

ゾンビ娘「どうって言われても……」

博士「まあ焦ることはないから、一つ一つ聞かせてもらうよ」

博士「君、名前は?」

ゾンビ娘「……」

博士「おや、聞こえなかったかい?名前を訊ねたんだ」

ゾンビ娘「……わかりません……」

博士「えっ」

ゾンビ娘「わたしの名前……なんだろう……うーん」

博士「おやおやこれはどうしたことだ。他の事を聞くよ。何歳だい?どこで生まれたんだ。死因とか、覚えてないかい?」

ゾンビ娘「何歳……生まれ……死因……」

博士「……」

ゾンビ娘「……うーん」

博士「ふむ、つまり君は生き返る前の生前の記憶がないと見える」

ゾンビ娘「そ、そうなの、かなあ……」

博士「なにも思い出せないのかい?なにも?」

ゾンビ娘「うーん……何一つ……」

博士「なんてこった、これはつまりどういうことなんだろう」

ゾンビ娘「……どうしよう」

博士「待ちたまえ。私の発明品の一つに記憶取り戻し機というものがある。ちょっとしたことでも思い出せるかもしれない」

ゾンビ娘「な、なにそれ」

博士「確かここに……よしあった。少々ごつくて重い機械だがこれを頭につけるんだ」


ゴトッ

ゾンビ娘「お、重い……」

博士「じゃあいくよ、まずレベル1から……」

博士「ん……あれ、これどうやって動かしたっけ……持ち出したのが久しぶりだから……」ゴソゴソ

博士「あ」


ビビビビビ!!


ゾンビ娘「うひゃああああぁぁぁっっっ!!!」ビリビリビリ

博士「しまった、いきなりレベルマックスの操作になってしまった。えーと……停止の操作はどうやったか……」ゴソゴソ

ゾンビ娘「ちょっ!ちょっ!!ちょっとおおぉぉぉ!!!早く止めて!!止めてください!!!」ビリビリビリ

博士「あれ……おっかしいな……」ゴソゴソ

ゾンビ娘「あああああぁぁぁぁぁっっっ!!」ビリビリ


ボンッ!


ゾンビ娘「あっっつ!!!」

博士「あ、オーバーヒートした」

ゾンビ娘「わああああぁぁぁあぁぁああっっ!!燃えてる!頭が燃えてる!!!」ボーボー

博士「おかしいな、こんな不具合をおこすなんて……あ」

博士「なるほどどうやら間違っていたようだよ。それは完成品じゃなくて実験途中のサンプルの方だったようだ。ごめんごめん」

ゾンビ娘「ごめんじゃないよ!!!熱い!!なんとかして!!なんとかしてええええぇぇ!!」ボーボー

博士「待って、確かどこかに消化器があったはず。どこかな……」キョロキョロ

ゾンビ娘「待てないよ!!ちょっと!!はやく!!消化器ってあれじゃないの!?」

博士「あれ、こんなところに置いてあったかな……どうだったか」

ゾンビ娘「どうでもいいから早く消して!!!」

博士「わかったよ、よっ」


ブシャアアアアァァァッッ!!


ゾンビ娘「うわあああぁぁあqwせdrftgyふじkぉえsdrftfyぐ」

博士「あ、違うこれは家屋などの大火災ように発明した超強力消化器だ」

ゾンビ娘「あwせdrftgycrtvyぶにめ3sdrftgyふじyぶにもl」

博士「すごいだろう?これだけの威力を誇っていながらコンパクトでいつでも持ち運びできるのがうりなんだ」

ゾンビ娘「そんなこときいてなdrtfyぐhじおkvcぶjにkm5r67」

博士「はい、止めたよ」ピタッ

ゾンビ娘「はあっ……はあっ……」

博士「まあ頭の火は消えたんだからよかったじゃないか」

ゾンビ娘「よくな……」


ガシッ!


ゾンビ娘「!?」

博士「あ、それ……」

ゾンビ娘「うわああ、今度はなに!?なんか掴まれた!?」

博士「まずいな、それは全自動人体手術機だ」

ゾンビ娘「!?!?!?!?」

博士「ダメじゃないか。そんなあからさまに危険そうな機械に不用意に近づいたら」

ゾンビ娘「水圧で押されたんだよお!!!」


ウィーン ウィーン


ゾンビ娘「ちょっ、拘束されて……動けないんですけど!?!?」

博士「手術の際に人体を固定してるんだよ」

ゾンビ娘「そんなことわかるよ!!ああなんか機械からアームが出てきてる!止めて!」

博士「そうだねえ。それ本来麻酔打ってから使うものだからねえ。えっと、どうやって止めたっけ……」

ゾンビ娘「なんで忘れてるの!?」


ウィーン…


ゾンビ娘「うわああああ!!なんかアームがお腹に近づいて……」


グチュッ…


ゾンビ娘「お、おおおおお、が……ごへぇ」

博士「おかしい止まらないな」ピッピッ


グチュッ…グチュグチュグチュ


ゾンビ娘「げ……はあっ!が、ごほぉっ……ああああ、あ」

博士「あれ、手術ってそんなんだっけ……いきなりアームがお腹のそんな奥の方に入っていくなんて」


ズプ… ズププ…


ゾンビ娘「げえ、 うぷっ ……があ、!あっ」


グチョッグチョッ ジュポァ


博士「しかもなんか荒っぽいな……お腹が掻き回されてるじゃないか」

博士「なんか勝手に動くし、止まらないし、んー、長年放置だったから壊れてるのかもこれ」

ゾンビ娘「な、なんで … …じょうだんじゃな、がはぁっっ!!う、うげえぇ……おな、おなか があぁ……」



グチュグチュ ジュポッ グチョォ


ゾンビ娘「ああぁあ、 げっ!! ご、ごほっぉ…… あ あああ、あ゛」


ブチ ブチブチィ


ゾンビ娘「あ゛あ゛あ゛、  、あ゛ っ、え゛ え゛」ビクビク

博士「な、なんかありえない音してる……頼む死なないでくれ……君は貴重な成功例なんだ」


グチュグチョォ…… ブチャブチャッ


ゾンビ娘「       」ビクッ ビクッ ビクッ

博士「あれ、返事がない……大丈夫かな。うわ内臓が……」

博士「あ、こうか」ポチ


ピタッ

ゾンビ娘「」

博士「お、おーい、大丈夫?平気?」


ポタポタ…


博士「ち、血が」

博士「困ったな……まさか死んじゃった?おーい」


スー…


博士「?」


スー…


博士「!!」

ゾンビ娘「っ!?!?」ビクッ

ゾンビ娘「はあっ……はあっ……」

博士「す、すごい……どうなってるんだ!?今、なんで……」

ゾンビ娘「ひ、ひどい目に……」

博士「あれだけの外傷が一瞬で元通りに……」

ゾンビ娘「え?」

ゾンビ娘「……ほ、ほんとだ、なんともない……あれ!?」

ゾンビ娘「めちゃくちゃ痛かったのに……なんで???」

博士「ま、まさか……」

博士「ちょ、ちょっと、もう一回手術台に乗ってくれるかい?」

ゾンビ娘「嫌だよ!!!」

博士「」ピッ


ガシッ


ゾンビ娘「あ」


グチャグチャグチャグチャ


ゾンビ娘「くぁwせdrftgyふじ(ry」ビクビクビク

ゾンビ娘「」チーン


スー…


博士「すごい……みるみるうちに損傷が回復していく……」

ゾンビ娘「はあっ!!」ビクッ

博士「見たまえ君の臍、なんともないじゃないか!やはりこれは……」

博士「ちょっとこの消化器で殴ってみてもいいかい?」

ゾンビ娘「なんで!?」


ゴスッ


ゾンビ娘「う゛っ」


スー…


ゾンビ娘「……あれ」

博士「すごい……不死身の力だ!どういう理屈か知らないが、君はどうやら驚異の自然治癒能力を身につけているらしい」

博士「どんな傷でもたちどころに回復してしまうじゃないか!」

ゾンビ娘「いやそれでもめちゃくちゃ痛かったんですけど!?」

博士「まさか死んだ人間を生き返らせるだけでなくこんな副産物つきとは……こりゃますますあの偶然を解析しないと」

博士「死者が蘇っておまけに不死……まるでゾンビだ」

ゾンビ娘「え、ええー……」

博士「喜ぶべきことだよ」

ゾンビ娘「喜ばないよ!なんでこんなに死んだ人の復活と関係ない発明品ばっかり置いてるの!?」

博士「本命一本じゃ食っていけないからね、色々人の為になるようなものも作っているのさ」

ゾンビ娘「や、野蛮だよ!ひどい目にあったよ!」

博士「そんなことないさ、きちんと使用方法を心得て使えばどれも革新的な発明ばかりだよ」

ゾンビ娘「う、うぅ……」

博士「まあどんなことがあっても死なないことがわかったんだからいいじゃないか、ははは」

ゾンビ娘「よくない!!」

博士「話を戻そう、何の話だったか……そうだ君の記憶の話だったね。なにか思い出さなかったかい?今のショックで」

ゾンビ娘「思い出さないよ!」

博士「そうか……サンプルの死体はいつも独自のルートから仕入れてるからなあ……」

博士「私は君がどこのだれなのか見当もつかない」

ゾンビ娘「う……うーん……」

ゾンビ娘(なんかよくわかんないけどいきなり死者から蘇って、というか勝手に蘇らせられて……記憶もなくて)

ゾンビ娘(わたし、一体どこの誰なんだろう)

博士「ま、いいさ。君が誰であろうと実験の成功に変わりはない」

博士「誤った数値が思い出せない以上解明するには君側を研究するしかない。しばらくここにいてもらうよ」

ゾンビ娘「数値が思い出せないんなら博士が記憶取り戻し機使えばいいんじゃ……」

博士「……」

ゾンビ娘「……」

博士「その機械ですごいひどい目にあった人を見たから使いたくない……」

ゾンビ娘「ちょっと!!自分の発明でしょ!?」ガーン

博士「なーんて冗談だよ。あの機械は非常に大まかなことしか思い出せないからね。数字何桁なんて繊細な要望は答えられない」

博士「どんな利器でも万能ではないんだよ」

ゾンビ娘「そ、そういうもんなの……?」

博士「さてまずは全世界へ向けての大々的な発表だ。それが終われば研究、研究、また研究。今まで以上に忙しくなるぞ!!」

ゾンビ娘「はあ……」


パリーンッ!


博士「? 何事だい?」


巨大ハエ「ウエアアアアァァァァァアァァアッッッッ!!!」ブウゥゥン

巨大セミ「ボエアアアアァァアァアアアァッッッッ!!!!」ブウゥウゥン

巨大ゴキブリ「キエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッッッ!!!!!」ブウゥウン


ゾンビ娘「!?!?!?!?!?」

ゾンビ娘「え!?!?誰ッ!?!?何ッ!?!?どうしたの!?」

博士「なんだこの異常に巨大化した蟲達は……!何者だ!!」

ハエ「イエアァァッッ!!俺らは古今東西渡り歩く傍若無人の昆蟲強盗団よ!!」

セミ「ウホヤアアァッッ!!今のごとく突然民家に押し入って好き放題暴れまわるのさ!!」

ゴキブリ「ドベヤオオオオッ!!俺ら強盗団に目をつけられたが運のつき!
     さあこの六脚でひどい目にあわされたくなければ大人しく金目のもん出しやがれコラアアアアァァッッ!!」

ゾンビ娘「え、ええぇ……」

博士「待て聞いたことがある……そうか……君たちが噂に聞く昆虫の集団か」

博士「とある森林に建てられた科学施設の汚染された物質を浴び、巨大化、人間並の知能と言語能力を手に入れた突然変異種だと……」

ハエ「へへっ、そうさ!!俺らは人間共に恨みがあるんだ!」

セミ「俺らの故郷の森に我が物顔でずかずか入ってきやがって!!」

ゴキブリ「それだけじゃねえ!わけのわからねえ化学物質を垂れ流し、綺麗な森をめちゃくちゃにしちまいやがった!!」

博士「なるほど……それで君たちはその復讐心で、こうやって各地で強盗をして回ってるというわけだね」

ゾンビ娘「ちょっと急展開すぎません……?」

巨大カブトムシ「だが、お前らの不自然なくらい丁寧な自己紹介と、そいつの都合のいい自前知識と理解力で、
        話はスムーズにすすんでいるようだな」

ハエ「ボス!!」

カブト「さあ、ここにあるありったけの金品を差し出せ。でなければ少々手荒なことをすることになる……」

博士「待ってくれ!君たちは何か誤解しているようだがここは民家じゃない!私の研究所だ!」

カブト「ほう?」

博士「金目のものなど到底ありはしない。悪いが他をあたってくれないか」

セミ「ウルセウェエエェェッ!!そう言う奴ほど大体お宝を隠し持ってやがんだよォォォォォッ!!」

ゴキブリ「そんなでまかせでノコノコ帰っていく昆蟲強盗団だとでも思っているのかアアァァアアァ!!!」

博士「……わかった……抵抗はしない。この研究所で好きなものどれでも持って行ってくれて構わない。それで手を打ってくないか」

カブト「悪くない申し出だが……もう一つ条件がある」ニヤ

博士「な、なんだというんだ」

カブト「そっちの娘を我々に差し出せ」

ゾンビ娘「……?」

ゾンビ娘「えっっ!?わたし!?!?」

セミ「ハァッハアハッッ!!!お前以外に誰がいんだよォォォォォォ!!!」

ゴキブリ「こっちこいゴラアアァァアアァッッッ!!!」

ゾンビ娘「ええええええ、なんで!?ちょ、うわあああっっ!!」

ハエ「ヒューッ!見ろよ!こいつ裸だぜ!!」

セミ「なんだあ?俺らのためにスタンバイしておいてくれたのかあ嬢ちゃァん?」

ゾンビ娘「ななななんの話!?」

博士「やめろ!その子をどうするつもりだ!」

カブト「運がなかったな……我が一味は今ちょうど繁殖期なんだ……」

ゾンビ娘「!?」

カブト「ところで俺の交尾器を見てくれ、こいつをどう思う?」プルンッ

ゾンビ娘「何それ!?やめてよ、ちょっ……ちょ」

ハエ「エッヘヘ……流石ボスのはでけえや」プルンッ

セミ「オゥ……お前、チビとはいえ結構イイ体してんじゃねェか……」プルンッ

ゴキブリ「俺ら強盗団の繁殖に使われることを光栄に思うんだなあアハハハハ……」プルンッ

博士「うわあ……」

ゾンビ娘「うわあじゃないよ!博士!!助けて!!!」

カブト「助けを呼んでも無駄だぜ?あいつだって手荒なことはされたくないはずだ。いわばお前は犠牲だ……ハアハア」

ゾンビ娘「そんなこと……博士」

博士「すまない、私の身の安全のために、尊い犠牲になってくれ……」

ゾンビ娘「人でなし!!」

セミ「さあ股開きやがれッッ!!」ガバッ

ゾンビ娘「イヤッ……や、やめ」クパァ

カブト「いくぞォ……そい!!!」ズプッ

ゾンビ娘「ヒイッ!」

カブト「ふッ……ううん……」ズプズプ

ゾンビ娘「あ あ あぁ」ビクビク

カブト「オォオゥ……こいつはなっかなかの、うわたまだぜぇ……」パンパンパンパン

ゾンビ娘「あ゛っ あっ あっ あっ あ゛あっ あぐ 、 あぁ、や め、やめ、で」

ハエ「ノやろう!暴れんじゃねえ!!」

ゴキブリ「ボス!抵抗しないように首でも絞めましょうか!?」

カブト「あ、ああ……おっちんじまわない程度にな……」パンパンパン

ゾンビ娘「あ、あっ  、ぁっ 、あっ ああ゛っ」

ゴキブリ「オラアアァアアッッ!!」ギュウウゥ

ゾンビ娘「え゛っ!! かは、」

ゾンビ娘「っ  っ  っ   ぅっっ っ!!!」ビクンビクンビクン

カブト「オウ……オオウ!いいぞォ……上が絞まると下の方も締まりやがるッ……オォウ」パンパンパン

ゾンビ娘「っ   っ   っ  」ビクッビクッ

カブト「っ、アァ出る!!出るぞォ……オゥ!!孕め!蟲の子を孕めェェッ!!」パンパンパン


ブビュルルルルルルル


ゾンビ娘「~~~~~~~~~ っ っ!!!!!」ビクビクビクビク

カブト「オウ……イエヤァ……ベリィーグッドォ……」

博士「これはひどい」

セミ「ボス!!次は俺ですよね!?!?」

ハエ「何寝言言ってんだ次は俺だァ!!」

ゴキブリ「抜けがけはずるいぞオラヴァ!!」


パンパンパンパンパン


博士「あ~……廻されてる廻されてる」

ゾンビ娘「        」ビクッビクッ




博士「おーい、起きろ。起きたまえ」ユサユサ

ゾンビ娘「―――………?」

博士「おはよう。ホットミルクはいかがかな?」

ゾンビ娘「あれ……わたしどうなって……」

博士「気絶していたのさ。蘇えり早々巨大昆虫共に犯されるなんてツイてないね」

ゾンビ娘「……??」

ゾンビ娘「~~~~~!!!!!」

ゾンビ娘「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛……………」

博士「思い出すのも辛いかい?全くありえないよね」

ゾンビ娘「もうお嫁に行けない……もうお嫁に行けないぃ………」シクシク

博士「結局散々いいようにしたあとこの家の物品ありったけ盗って帰っていったよ。なんて災難だ」

博士「私の研究資金も根こそぎ持って行かれたよ」

ゾンビ娘「うううぅうぅぅぅ……ああぁああぁぁぁ………」

博士「だがしかし昆虫と人間の種を超越した交尾なんてなかなか見応えがあったよ。あれかなり貴重なんじゃないかな」

博士「学会への発表用に映像でも撮っておけばよかった」

ゾンビ娘「冗談じゃないよ!!!」クワッ

博士「さて泣きっ面に蜂だが君にとってもショッキングなニュースだ!!聞きたいかい!?」

ゾンビ娘「なんでちょっと嬉しそうなの!?」

博士「どうやらね、さっきの交尾で卵を産みつけられたみたいなんだ」

ゾンビ娘「え?どこに?」

博士「君の胎内さ」

ゾンビ娘「え……」

ゾンビ娘「ええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!?!?!?」ガーン

博士「そう!今まさに君のお腹の中で四個の卵がすくすくと育っている!!種族繁栄、新しい生命誕生の瞬間のために!!」

ゾンビ娘「まままま、ままま、待ってよ!!おかしくない!?卵を産むのってメスなんじゃないの!?!?オスが産んだってこと!?」

博士「そうだねえ……だが調べてみたらそれが事実なんだ。あいつら突然変異種だし色々とおかしいんだと思う」

ゾンビ娘「おかしすぎる!!!」

博士「あいつ、蟲の子を孕めって言ってたけど、まさか本当に身籠るとは……いやはや」

ゾンビ娘「わ、わたしの……お腹に……卵……」

ゾンビ娘「このままだとどうなっちゃうの!?」

博士「ん?決まってるじゃないか。出産だよ」

博士「君の股から巨大な蟲の幼虫がジュルンッ、って……」

ゾンビ娘「イヤアアアアアアァァァァァァ………!!」

博士「いやあ早くして四児の母だね。子育て頑張ってくれたまえ」

ゾンビ娘「ちょっと!!ちょっと!!何とかしてよ!!ありえない!!ほんとにッ!!!」

博士「そんなこと言ったってもうそうなってしまったんだからしょうがないじゃないか」

博士「いくら頭脳明晰な私でもこればっかりはどうしようもないよ」

ゾンビ娘「そ、そんなあ……」ガクッ

博士「ふむ……まあひとつだけ、方法がなくもないが」

ゾンビ娘「え!?何!?」

博士「胎内の卵を死滅させる薬を作るのさ」

ゾンビ娘「そんな都合のいいものが!?早く言ってよ!」

博士「ただそれが難しんだよ……ひょっとしたら君を茨の道へ送り込むことになるかもしれない」

ゾンビ娘「というと……」

博士「いいかい、中の卵は全部で四つだ。セミ、ハエ、ゴキブリ、それからカブト」

博士「それぞれの卵にそれぞれの薬が必要だ」

ゾンビ娘「うん」

博士「わかってると思うけど、何もないところからいきなり薬が現れるわけじゃない。薬を作るのは材料、必要な素材がある」

博士「薬を作るにはそれぞれの卵と同じ成分がいるんだ。わかるかい?」

博士「つまりセミの卵を殺す薬はセミの成分が必要、ハエの卵にはハエの成分が必要、といった具合さ」

ゾンビ娘「……それで……」

博士「そこまではいいんだけどなにせあいつらは超巨大化した突然変異種……」

博士「そいつらの卵となると、そこらへんの虫を捕まえただけの成分じゃ到底太刀打ちできるものじゃない」

ゾンビ娘「つまり……」

博士「そう、つまりそれぞれの卵の父親、本人の成分が必要なのさ!あの昆蟲強盗団全員分のね!」

ゾンビ娘「はわわ……」

博士「早い話があいつらの死骸が手に入ればなんとかなるって話さ。どう思う」

ゾンビ娘「そんなこと……」

博士「できっこない?そうだよ、だから難しいと言ったんだ。あの横棒で凶悪な強盗団全員分の死骸なんて……」

ゾンビ娘「…………!!!」

ゾンビ娘「わっ、わたしやるよ!!」

博士「おや?」

ゾンビ娘「だってだってだって!蟲なんて、わたし産みたくない!!絶対絶対嫌!!そんなのお断りだよ!!!」

博士「本気かい?あいつら全員を倒して戻ってくるということだよ?」

ゾンビ娘「なんとかするしかない!!なんとかする!!」

博士「レイプから随分時間が経ったからあいつら結構遠くに行ったと思う。たどり着くだけでも相当難しいと思うが……」

ゾンビ娘「やってみせる!!絶対!!」

博士「……決心は固いみたいだね。いいだろう」

博士「どうせ資金がないんじゃ研究も発表もできない。そもそも腹に蟲がついた状態でおおやけにだす訳にもいかない」

博士「私の方は構わないよ。辛く厳しい旅になると思うが、やり遂げる自信があるんだね?」

ゾンビ娘「」コク

博士「ま、君は絶対に死なないんだから何があっても大丈夫だろう」

博士「さっきのレイプも普通の人なら逝ってもおかしくなかっただろうしね」

博士「では。君に二つの役立つ物を授けよう」

博士「一つは情報だ。強盗団はここから東南に向かっていったことを目視で確認した。行くならそっちだね」

ゾンビ娘「なるほど」

博士「もう一つは衣類だ。君が気絶している間に服を取り寄せておいた。簡単なTシャツと短パンだけど構わないよね?」

ゾンビ娘「」キガエキガエ

博士「強盗にあった今となってはこれくらいのことしかできないけど、何かあれば私もできるだけサポートするつもりだ」

博士「幸運を祈るよ」

ゾンビ娘「はい!!」

ゾンビ娘(お腹の中の四つの卵、セミ、ハエ、ゴキブリ、カブトムシ)

ゾンビ娘(こうしてわたしの、とってもとってもアブない大冒険が、幕を開けました)

こんな感じでやっていきます 亀更新な上に無駄に長くなると思いますがよろしくお願いします

道ばた


野良犬「ハッ ハッ ハッ ハッ」パンパンパンパン

ゾンビ娘「あっ あ゛ っっ お、 おっおっ」ビクッビクッ

野良犬「ハッハッハッ ヘエェー ヘエェー ハッハッハッハッハッハッハッ」パンパンパン

ゾンビ娘「あっ、 ぁっああ、 ゛おぉ゛っ」ビクビクビク

野良犬「ヘッ ヘッ  ヘエェッッ!!」


ブビュルルルルルルル


ゾンビ娘「     」ビクッビクッ

野良犬「~♪」スタスタ

ゾンビ娘「」チーン


プルルルルルル…… プルルルルル……


ゾンビ娘「……?」

ゾンビ娘「あれ……服のポケットに……なにこれ、電話?」


ピッ


ゾンビ娘「はいもしもし」

博士『やあ君、昨日ぶりだね。調子はいかがかな?』

ゾンビ娘「博士……なにこれ」

博士『その服に連絡用の携帯端末を入れていたことを言い忘れてたんだ。折角だからかけてみようと思って』

ゾンビ娘「携帯端末?」

博士『そう。それがあればいつでも私と連絡を取ることができる。なにかあったら遠慮なくかけてきてくれて構わないよ』

ゾンビ娘「……はあ」

博士『どうしたんだやけに暗い声じゃないか。何かあったのか』

ゾンビ娘「……昨日出発して東南に歩き続けたんだけど」

博士『うん』

ゾンビ娘「そのうちに特に何もないまま日が暮れちゃって……野宿したの」

博士『それで?』

ゾンビ娘「そしたら野良犬に犯された……中に出された」

博士『またかい?二日連続中出しレイプなんて疫病神にでもとりつかれてるんじゃないか』

ゾンビ娘「もしかしたら本当にそうかも……」

博士『相手はただの野良犬だよね?また中出しされて犬の子を身籠ったり、とかは流石にないよね』

博士『まあそれはそれで面白そうだけど。はははは』

ゾンビ娘「何笑ってるの!?」

博士『冗談さ。それより携帯の位置情報でそのまま東南に進めば港町につくことがわかったよ』

ゾンビ娘「港町?」

博士『そうさ。これが結構栄えてる町らしくてね。きっと人も多いだろう』

博士『人が多いということはそれだけ情報も集まりやすいということだ。行ってみて損はないだろうね』

ゾンビ娘「んーわかった。行ってみる」

博士『じゃ。幸運を祈ってるよ』


ブチッ


ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘「港町かあ……」トコトコ

港町


ワイワイガヤガヤ


ゾンビ娘「おおー……すごい!人だらけ……!!」キョロキョロ

ゾンビ娘「こんなに栄えてるんだ……へえー……!」

ゾンビ娘「ここなら強盗団のこと知ってる人いるかなあ」

ゾンビ娘「……?」クンクン

ゾンビ娘「どこからか美味しそうな匂いが……!」キョロキョロ

ゾンビ娘「お、あそこのパン屋さんからの匂いかー」

ゾンビ娘「いいなー、美味しそうなパンだなー」


グゥゥ…


ゾンビ娘「……そう言えば昨日から何も食べてなかったんだ」

ゾンビ娘「えへへ、パン買っちゃおうかなー……///」

ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘「ってお金持ってないじゃん!」ガーン

ゾンビ娘「そそそ、そうだった、わたし今無一文だ……!」

ゾンビ娘「どっ、どうしよ……これじゃパンどころか何も買えない……!」

ゾンビ娘「もしかしてこのまま餓死!?」

ゾンビ娘「あ、そうか……わたし死なないんだ」

ゾンビ娘「それでもずっとお腹空いたままなんてやだよぉ、なんとかしないと……ていうか無計画すぎた……」

ゾンビ娘「ん、んー、お金、お金かあ……そうだなあ……お金がなくちゃなにもできないしなあ……」

ゾンビ娘「どうしよう……やっぱ働く?うーん、でもなあ……」

お兄さん「もし、お嬢さん」

ゾンビ娘「?」

ゾンビ娘(わ、かっこいいお兄さん……)

お兄さん「どうしたの?困り事?」

ゾンビ娘「い、いやその……えへへ、ちょっとだけ……」

お兄さん「さっきからひどく顔色が悪いみたいだけど、僕でよければ力になろうか。お腹がすいているの?」

ゾンビ娘「まあ……そうです、おはずかし……」テレテレ

お兄さん「そう。じゃあおいで。僕がなにか食べさせてあげるよ」

ゾンビ娘「え、いいんですか!?」

お兄さん「うん。もうなにも食べられなくなるくらいにね」ニコッ

ゾンビ娘「わあぁ……ありがとうございます!!」

お兄さん「さ、こっちだよ」

ゾンビ娘「はい!!」トコトコ

路地裏

屈強な男「オラアッッ!!」


ドップゥッ


ゾンビ娘「え゛ぇっ!!」

屈強「ぐっへへ……やっぱりムカついた時は適当な女に腹パンするに限るぜ。オラッ!!」


ドポォッ


ゾンビ娘「ぅええ゛ぁ っ ………」

屈強「ほう、なかなかいい腹してんじゃねえか……毎回いい女を捕まえてくる。相変わらずいい仕事だ。受けとっときなァ」ポン

お兄さん「まいどどうも。じゃ、僕はこれで」スタスタ

屈強「おらおら……」カミツカミ

ゾンビ娘「ぁぇ……」ヒクヒク

屈強「いいかチビ。いいこと教えといてやるよ……確かにこの町は表向きは人が多いよく栄えた明るい町だ」

屈強「だがなァ、光あるところ必ず闇がある。裏のここは政府の目が行き届いていない裏路地社会さ」

屈強「知らない奴ァついていっちゃダメじゃねえか……じゃねえとこういう『アブないところ』に来るハメになるぜェッ!?」


ゴプゥッ


ゾンビ娘「お゛が ぁっっっ!! げ、」

屈強「おらおらどうしたどうした!?もうおしめえか!?ちょっとは楽しませてくれよォ、なあ!?!?」


ドポン ドポンッ ズド ドプンッ


ゾンビ娘「あ゛あぁッ!!お゛、 … が、は、 う゛っ!?げほっ …… ぐふッ!!」

屈強「ほうらほうら……内臓すりつぶしてやんよほうら……」ゴリゴリゴリゴリ


グチュッ グチュチュ… ゴポポポポ


ゾンビ娘「ぁあぁぁああ゛… … げえぇ、ぐえええ゛え゛え゛ぇぇええぇえ…… … …」

屈強「ふへぇ……いいねえその悲鳴、その表情よォ……殴った感触と中の水の音がたまんねェぜ……」


ドプッ ズプゥッ ドポ ドポォ


ゾンビ娘「ご、ごへぇ っ あ゛ あぁ゛ …… かは … …」

ゾンビ娘「は …… … …… ぁ 、 … ぁ゛  ………   」

ゾンビ娘「  」ガクッ

屈強「あん?なんだァ……都合良く気絶しやがって。つまんねえなあ オイッ!!」ガスッ

ゾンビ娘「  」ビクンッ

屈強「チッ……まあこんなもんか……」

屈強「おいおめえら!!結構いいのが手に入ったぜ。殴りてえやつは俺のお古を使わせてやるよ」ポイッ

ゾンビ娘「」ドサッ

下っぱ達「フェーイ!!流石お頭!!」


ガスッ ゴスッ ドスッ ボコォッ


ゾンビ娘「     」ビクッビクッビクッ

下っぱ達「あー殴った殴った。今日のはすげえいいサンドバックだったなあ!」

下っぱ達「ああ、腹の弾力がほどよくいい感じだったぜ!」

屈強「ようしおまえら、いっちょ酒でも浴びに行くか!!」


ガハハハ…… ドタドタドタ


ゾンビ娘「」

ゾンビ娘「 …… ん ……」

ゾンビ娘「お゛、げほっ、げほっ!かは、げほぉっ!!」

ゾンビ娘「ぁ、はあっ……はあ……」


スー…


ゾンビ娘「傷が治った……」

ゾンビ娘「うえぇ……ひどい目にあったぁ……」シクシク

ゾンビ娘「折角素敵な町だと思ったのにぃ……」シクシク

ゾンビ娘「なんでこんなことばっかなの……ひどい……」シクシク

ゾンビ娘「ん……ぐす、あれ」

ゾンビ娘「ここどこ……?」

ゾンビ娘「なんかすっごい薄暗くて不気味な場所……え、なにここ……」キョロキョロ

ゾンビ娘「こ、ここもあんなに賑やかだった港町の一部だっていうの……?」

ゾンビ娘「……」


屈強『だがなァ、光あるところ必ず闇がある。裏のここは政府の目が行き届いていない裏路地社会さ』


ゾンビ娘「う、裏路地社会………」

ゾンビ娘「絶対アブない場所だぁ……もうこれ以上ひどい目にあいたくない、早く出よ……」

ゾンビ娘「でもどこから出ればいいんだろう……知らないうちに結構奥まで連れてこられちゃったみたい……」

ゾンビ娘「…………」

ゾンビ娘「ど、どうしよう……」

ゾンビ娘「このままじゃまたあの人達みたいな変な人に会っちゃうかもしれない……」

ゾンビ娘「早く出たいのに……出口わからない……」

ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘「そ、そうだ、博士に相談してみよう」ピッピッピッ


プルルルル プルルルル


博士『はいはいもしもし』

ゾンビ娘「博士!あの、すごく困ったことになったんだけど」

博士『どうしたんだい?』

ゾンビ娘「えっと……なんか、港町についたらね、路地裏に連れて行かれて……お腹いっぱい殴られたの」

博士『またそんな目にあったのかい?全くの不幸続きだね君は』

ゾンビ娘「そ、それで、気づいたらかなり奥の方に来ちゃってて……どこから出ればいいかわからないの」

ゾンビ娘「このままここにいたらまたなにかひどい目にあっちゃうかも……」

博士『港町の路地裏から続くエリアなら私も知ってるよ。ならず者たちがはびこる危険な場所さ』

博士『こう見えて私は昔旅人でね。世界中いろんな場所を旅して回っていたのさ』

博士『港町は何度も訪れてるからよく知ってるよ。路地裏のこともね。君にはちょっと言い忘れちゃったけど』

ゾンビ娘「言い忘れないでそんな大事なことを……」

博士『ただ出口については私もちょっとわからないなあ。そこは政府の目をあざむくためにかなりいりくんだつくりになってるんだ』

ゾンビ娘「でもこのままじゃわたし……」

博士『そうだね。じゃあ安全のために一時的に避難できる場所を私が提供してあげよう』

博士『実はそこに私の古い知り合いがいるんだよ。その人には私から連絡しておくから匿ってもらいなさい』

博士『もしかしたら出口も知ってるかも』

ゾンビ娘「わ、わかった」

博士『その人はあるお店を経営しててね。今から向かってほしい。場所は……』

とあるバーの前


ゾンビ娘「ここかな……」

ゾンビ娘「ご、ごめんくださーい」ガチャ

マスター「……おぉ、いらっしゃいませ」

ゾンビ娘「えっと、博士のお知り合いの方ですか」

マスター「そうですよ。話は聞いてます。迷ってしまったそうですねえそれは大変だ」

マスター「こんなアブない場所に女の子一人じゃ何されても文句は言えませんからねえ」

ゾンビ娘「出口、知ってますか?」

マスター「ええ、もちろん」

ゾンビ娘「ほんとですか!?」

マスター「ですが致し方問題がありまして。ここから出口までは少し距離があるんです」

マスター「あなたをそこまで案内したいのは山々ですが、ちょうど今から店を開ける時間でして」

マスター「閉店までここを空けるわけにいきませんからねえ」

ゾンビ娘「はあ」

マスター「申し訳ありませんが閉店の時間までここにいてもらうことになりますが、それでもよろしいですか」

マスター「店が終われば出口までご案内いたします」

ゾンビ娘「わかりました、えっと、よろしくお願いします」

マスター「ええ、それではお入りください」

マスター「今日はどちらから」

ゾンビ娘「えっと、博士の研究所からです」

マスター「ほう、研究所からねえ……あの人ももう子を持ったのか」

ゾンビ娘「い、いえ、娘じゃないです」

マスター「おっと、これは失礼。では一体どんなご用で」

ゾンビ娘「ええあの……ちょっと……」

ゾンビ娘(お腹の卵を殺すために来たなんて言えない……)

マスター「……ちょっといりくんだ用事ですか。無理には聞きませんよ」

ゾンビ娘「はい、えっと」


グウウ……


ゾンビ娘「あ……」

マスター「お腹、空いてるんですか」

ゾンビ娘「は、恥ずかしい……」

マスター「よろしければ軽い食事でも用意しましょうか」

ゾンビ娘「い、いいんですか!?」

マスター「構いませんよ。ちょっとしたものですから」

ゾンビ娘「すいません……ありがとうございます!」

ゾンビ娘「」パクパク

ゾンビ娘「おいひい」モグモグ

マスター「喜んでいただけたのなら幸いです」

ゾンビ娘「んっく、ここに来てから気づいたんですけど、わたしお金を持ってなくて……」

マスター「ほう。それは一銭も、ということですか」

ゾンビ娘「うん、それで、わたしこれからもっと遠くに行かなくちゃいけないのに、どうしよう……って」

ゾンビ娘「いやその前に食べるものすらなかったんです、昨日からなにも食べてなくって」

マスター「なるほど」

ゾンビ娘「だから、すっごく助かりました、ありがとうございます……」

ゾンビ娘「んく、ごちそうさまでした」

マスター「いえいえ。そんなことより、急な話になってしまって申し訳ないのですが」

ゾンビ娘「はい」

マスター「あなた、ここでしばらく働きませんか?」

ゾンビ娘「えっ?」

マスター「このバーは前からかなりの人手不足でしてねえ……この店の人間は私と、ウェイトレスの娘が一人いるだけなのです」

ゾンビ娘「そうなんですか?」

マスター「ええ。経営者は私ですが、ほとんどがウェイトレス君、彼女一人の力でもっているような状態でして」

マスター「このままではあまりよろしくないと常日頃から思っていたんですよ」

ゾンビ娘「はあ」

マスター「そういう訳であなたに働いていただけるとすごく助かるのです」

マスター「もちろん無理にとは言いませんが、お給料の方は弾ませていただきますよ。お金に困っているのでしょう?」

ゾンビ娘「そ、それはそうですけど」

マスター「あなたを歓迎いたしますよ」

ゾンビ娘「ですけど……うーん……」



ガチャ


マスター「お客さんが入ってきたようですね。いらっしゃいませ」

ウェイトレス「いらっしゃいませー」

客「やあ、ウェイトレスちゃん今日も可愛いね。いつものを頼むよ」

ウェイトレス「かしこまりましたー」ニコッ

ゾンビ娘「……あのウェイトレスさん、すごく愛想がいいですね」

マスター「ええ。彼女自身この仕事にやりがいをもっていただいてるようで、すごく助かっていますよ」

マスター「彼女がいなくてはこのバーはやっていけません。お客さんはみな彼女目当てにやってくるんですよ」

ゾンビ娘「そうなんですか……」

ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘(確かに旅の終わりはいつになるかわからない……お金がなくちゃなにもできない)

ゾンビ娘(食べ物も、泊まる場所だって必要なわけだし、無一文じゃきっとやり遂げられない……)

ゾンビ娘「……!」

ゾンビ娘「わ、わたしやります!」

マスター「おや」

ゾンビ娘「ここでしばらく働かせてくださいっ!」

マスター「話を受けてくださいますか。ありがとうございます……では早速今日から働いていただけますか」

ゾンビ娘「ぜひ!」

マスター「それでは仕事のやり方はウェイトレス君に教わってください。彼女なら色々なことを知っているはずです」

ゾンビ娘「はい!」

ウェイトレス「あなた、ここで働くの?わぁー、ほんとに!?嬉しい!ずっと一人だったから、仲間ができるなんて」

ゾンビ娘「え、えっと、よろしくね」

ウェイトレス「もちろん!じゃあまずこの制服に着替えて。きっと似合うと思うわ」

ゾンビ娘「おおー、すごいかわいい制服だよね」

ウェイトレス「そう思う?ふふ、私もそう思ってるわ」

ゾンビ娘「」キガエキガエ

ゾンビ娘「ど、どうかな」

ウェイトレス「可愛いわ!グッド!お似合いね!」

ゾンビ娘「えへへ……ありがと」テレテレ

ウェイトレス「じゃあ仕事の話ね。と言っても難しいことは言わないわ。最初のうちは簡単なことから。それともちろん……」


ガヤガヤガヤ


ゾンビ娘「なんか急にお客さん増えてきたね」

ウェイトレス「そう、今からまさにパフォーマンスの時間だから。あなたもやるのよ?」

ゾンビ娘「パフォーマンス?」

ウェイトレス「あれ?知らないの?まさかここがどういう場所か知らずに入ってきたの?」

ゾンビ娘「え……どういう場所って、バーなんじゃないの?」

ウェイトレス「そりゃバーだけど。でも普通のバーとは違うのよ?ここは……」

客「ウェイトレスちゃん、そろそろ時間じゃないかい?早くステージに上がっておくれよ」

ウェイトレス「あ、はーいただいま!聞くより見るほうが早いわ。しっかり見ててね」

ゾンビ娘「?」

ウェイトレス「それでは今回もパフォーマンスの方、始めさせていただきます!是非心ゆくまでお楽しみください!!」


パチパチパチパチ


ウェイトレス「ではまず『スモール』から……」ヌギ

ゾンビ娘「!?」

ウェイトレス「どうぞご覧下さい……」マタヒラキ

ウェイトレス「んっ……」プシッ


ジョロロロロ……


ゾンビ娘「……………!?!?!?」

客A「いいねえウェイトレスちゃん……今日もよくでる」

客B「最高に美しい、輝くような黄金水だ」

客C「まるで芸術品のような光景だ……神秘的だよ」

客D「ああ喉が渇いてきた……その天然水を早くもらえないか」

ウェイトレス「お褒めにあずかり光栄です、ドリンクは後ほど単品の方でご注文いただけますので……んん……///」


プシャアアアァァ ジョロロ……


客E「こんな素晴らしい店を知ってるなんて、僕達は本当にツイているな」

客F「ああ、可愛い娘の排泄姿を拝みながら酒が飲める店なんてここぐらいだよ」

ゾンビ娘「マッ……マスター!マスター!!マスター!!!」

マスター「知らなかった?本当ですか」

ゾンビ娘「当たり前じゃないですか!!こんないかがわしいお店だったんですか!?」

マスター「いかがわしい、と言われてしまうと少し心外ですねえ。確かに一般には受け入れがたいことをしている自覚はありますが」

マスター「しかしここは女性の排泄姿を一種の芸術のように捉え、少々のお酒とパフォーマンスで、
     その魅力をわかち、探求するために営業している大変知的で文化的なお店なのです」

マスター「そのため性的な行為や欲求の発散を目的とした場所では断じてありません。スタッフの安全も私が保証します」

マスター「お客さん達もマナーとモラルを守って来店してくださる非常に紳士的な方々ばかりですよ」

マスター「まあ表で営業するわけにはいかないので、こんな奥地に店をかまえることになってしまいましたが……」

ゾンビ娘「ええぇ……」

マスター「すいませんねえ……私は博士の方から、この店の趣向はすでに聞いてもらっているとばかり……」

ウェイトレス「それではフリードリンクタイムとなります。ご注文の方……」

客A「いただこう」

客B「もちろん頼むさ」

客C「私はこの酒を君の聖水で割ることにするよ」

ウェイトレス「お待ちくださいお客様、順番に……まずはこちらのお客様から」

ウェイトレス「んん……んっ……」プシャ


ジョロロロォ……


客A「Oh……喉が疼く……」

ウェイトレス「んっ、お待たせいたしました、フリードリンクの単品になります」

客A「ありがとう、君の最高のパフォーマンスに乾杯」

客A「」ゴクゴク

ゾンビ娘「の、飲んでる…………」

ウェイトレス「あ、そうだわ。おーい新人ちゃん!」

ゾンビ娘「!?」

客G「新人だって?」

客H「まさかこの店に新人なんて……」


ザワザワザワ


ゾンビ娘「………!!」

ウェイトレス「さ、初舞台よ、頑張って!」

ゾンビ娘「ちょ、ちょちょちょちょちょ!!勘弁してよ!!」

ウェイトレス「大丈夫!初めはちょっと恥ずかしいけど、やってけば気持ちいいくらいになってくるわ!」

ゾンビ娘「それはそれでダメなんじゃ!?」

ウェイトレス「ほらビクビクしない!これ飲んで!」

ゾンビ娘「んぐ!」ゴックン

ゾンビ娘「な、なに今の薬みたいなの……」

ウェイトレス「はーい紹介します!今日からこの店の新しいスタッフになった新人ちゃんです!みなさん拍手を!」

客C「ほんとに新人だ!なんてサプライズだ!」

客D「しかも初日か、こんな日に居合わせるなんてなんてラッキーなんだ!」

客E「しかもなかなか可愛らしいじゃないか、いいね。実にいい」


パチパチパチパチ


ゾンビ娘「はわわ……」

ウェイトレス「さ、スモール……あ、おしっこね。みんなの前で出すだけでいいから」

ゾンビ娘「むむむ無理無理無理無理!!絶対無理だって!」

ウェイトレス「平気平気!それに今飲んだ薬、利尿利便作用の超強力な薬だから、嫌でもドバドバでるわよ」

ゾンビ娘「へ……?」

ゾンビ娘「うっ……」

ゾンビ娘「お……おしっこしたい……」モジモジ

ウェイトレス「思い切って!恥ずかしいのは最初だけよ、ほら、頑張れ!」

ゾンビ娘「うううぅぅぅ………」モジモジ

客F「新入りさん、焦る必要はない。自分のペースで構わないさ。僕らはいくらだって待ってる」

客G「そうさ。初めは誰だって素人。少しずつ慣らしていくんだよ」

客H「それにこうやって、モジモジと一生懸命我慢してる、あどけない仕草を堪能するのもまた一興だしね、ははは」

ゾンビ娘「うええ……我慢できないぃ……」モジモジ

ウェイトレス「ほら、しっかりお股開いて!お客さんに見えるようにやるのよ!」

ゾンビ娘「……………!!」

ゾンビ娘「……」モジ…

ゾンビ娘「…………」カパ…

ゾンビ娘「んっ……」

ゾンビ娘「んんん………っ」


ジョロ…


客達「…………!!」


ジョロロロロロォォ………


ゾンビ娘「ん、にゃ……あぁ………///」


プシャアアァァァ……


ゾンビ娘「は、はあっ…………///」


プシャアアアアァァ………


ゾンビ娘「ぁぁ………んん………///」


プシ… プシシ……


ジョロ……


ゾンビ娘「んっ……」

ゾンビ娘「…………///」

客達「……………!!」

客A「……ブ」

客A「ブラボー!ブラボー!!素晴らしい……初日にしてこのクオリティ!」

客B「なんて美しい放尿なんだ……!目を奪われてしまった……!」

客C「これは期待の新人だ……!百人に一人の逸材だよ!!」


パチパチパチパチ


ゾンビ娘「う……嬉しくない………」

ウェイトレス「あなたすごいわ!よく頑張った!絶対ここでうまくやっていけるわよ!」

ゾンビ娘「そんなこと言われても……」

ウェイトレス「じゃあ、次ね」

ゾンビ娘「次?」

ウェイトレス「お客様、それでは続いて『ビッグ』の方にうつさせていただきます、少々お待ちを……」

ゾンビ娘「ビ、ビッグってまさか……」

ウェイトレス「それではご覧下さい、どうぞ……」

ウェイトレス「んっ……んん……」


ムリ…


ゾンビ娘「わあああ!やっぱり!!」

客A「静かに!ここからは神聖な領域だ。騒ぐのはマナー違反だよ」

ウェイトレス「んっ……はぁ………///」


ムリムリムリ……


ウェイトレス「んんん………///」


ブリ ブリリリ ブリリリリリリ


ウェイトレス「……は………///」


ブリュ… ブリ…


客B「はあ……素晴らしい……何度見ても最高だよ」

客C「これほどまでに美しい光景が今まであっただろうか、いや、ない」

客D「活発で健康的な一本だ。しかもあれだけも量を一度を途切らすことなく全て出し切っている」

客E「長年ここに勤めてきた彼女だからこそ魅せれる技だね」

ゾンビ娘「この人たちほんとに頭おかしい……!」

ウェイトレス「まあざっとこんなもんかしら。次はあなたよ」

ゾンビ娘「やっぱり私もやるの!?」

ウェイトレス「当然よ。みんな期待してるわよ!」

ゾンビ娘「えええ、で、でも……」


グギュルルルル


ゾンビ娘「うっ」

ウェイトレス「さあ!勇気を出して!」

ゾンビ娘「無理……絶対無理だよお……うぅぅ………」

ウェイトレス「どんなに我慢したって薬の効果はもうそこまで来てるわよ」

ゾンビ娘「でも、だって、人前で、そんな、ううぅぅ!!」


ギュルルルル


ゾンビ娘「あああぁ、駄目だ、出ちゃうぅうぅぅぅ………!」

ウェイトレス「ほら後ろ向いて!見えるように!」



ブリュ…


ゾンビ娘「あ………あ… … …」

ゾンビ娘「あああああああぁぁぁ!、ぁ、ぁぁああぁあああ!!///」


ブリュリュリュリュリュリュ!! ブリリリリリリブチャアブチャブチャ


客F「すごい……なんて野性的なパフォーマンスだ」

客G「先ほどの彼女のような静かでおしとやかな排泄もいいが……こちらの躍動感溢れる排泄もまた一種の芸術か……」

客H「心奪われてしまうよ……」

ゾンビ娘「ああああ、だめ、っ、だめ、でるっでる、ああぁああぁあぁぁぁぁああっっっ!!///」


ブチャアアブリブリブリブリ ブリュリュリュリュリュ


ゾンビ娘「はあああぁぁ、っっ 、あああぁぁ、 …… ぁぁっ!!///」


ブリリリリリリ ブリリリリ…


ゾンビ娘「あああ、あ、 っ、 ぁ、ぁぁ…… ぁ… … んああ……… っ///」


ブチャッ ブリィ… ポタポタ…


ゾンビ娘「んっ あぁっ………///」

ゾンビ娘「ぁ………///」

ゾンビ娘「………///」


パチパチパチパチ


客達「ブラボー!ブラボー!!」パチパチパチ


フゥーッ! ヒューヒューッ!


ウェイトレス「なんかすごいワイルドなパフォーマンスになっちゃったわね。でも拍手喝采よ!やったわね!」

ゾンビ娘「んああ……もうだめ……足に力入らない……」クタッ

ウェイトレス「無理に我慢するからこんな風になるのよ。溜まったのが一気に出ちゃったわね」

ウェイトレス「まあそれが逆に好評だったみたいだけど!」

ゾンビ娘「もうやだぁ………」

ゾンビ娘「も、もしかしてまだ何かあったりする……?」

ウェイトレス「ん、あなたは今日はもう終わり。よく頑張ったわ。ここから先はちょっと上級者向けだから、初日では流石に重たいかな」

ウェイトレス「どんなのか聞きたい?」

ゾンビ娘「聞かないでおきます!!!!」

ウェイトレス「そう、じゃあ今日はお疲れ様!ゆっくり休んでね」

ゾンビ娘「辞゛め゛ま゛す゛!!!!!!!」ドカッ

マスター「おや、随分お早い退職ですねえ」

ゾンビ娘「だって聞いてなかったんですもん!!こんなの毎日できません!!!とても!!」

マスター「そうですか……残念ですねえ……あなたならきっとこの店のお仲間になれると思っていたのに……」

ゾンビ娘「なれませんよ!!」

マスター「お給料も少し無理をしてでもそれなりに多めにと見繕っていたのですが……」

ゾンビ娘「はあ……」

マスター「まあ今日の分だけでも」スッ

ゾンビ娘「あ、封筒……」

ゾンビ娘「」チラ

ゾンビ娘「!? えっ!?!?こんなに!?」

マスター「ええ。人手不足のこの店ではあなたを必要としているんです。それくらいは出しますよ」

ゾンビ娘「す、すごい……こんなにたくさん……!しかもこれが一日分……!?」

ゾンビ娘(もしこのまま働いたらこの金額が毎日………!?!?)

ゾンビ娘「……………!!!」クラクラ

トンデモ設定が非常に多いので細かい設定の粗、矛盾等は自分の力不足もありこれからもたびたび出てくると思います
誤字脱字も同様です 申し訳ありません
気がついた場合指摘or目をつむる等していただけると幸いです

しばらくして


客I「おーい、フリードリンクをひとついいかな」

ゾンビ娘「あ、はいっ、かしこまりました」

ゾンビ娘「よいしょ……んっ……」


ジョロロロロロ……


ゾンビ娘「お待たせしました、フリードリンクです」

客I「いつもありがとう。いただくよ」ゴクゴク

客I「うん……ウェイトレスちゃんのはキレがあって、後味が爽やかなすっきりとした感じだけど、
   君のは実に上品でクリーミーだ。まろやかで奥深いコクと味わいがあるよ。僕はどっちも好きだな」

ゾンビ娘「あ、ありがとうございます」

客B「おお、相変わらず絶好調だね。こっちもひとつたのもう」

ゾンビ娘「かしこまりました、少々お待ちください。んん……」ジョロロロ

客D「ねえ、今日はパフォーマンスはないのかい?」

ゾンビ娘「えっと、一時間後に……」

客D「そうか。楽しみにしてるよ。僕にも一杯おくれ」

ゾンビ娘「はい、ん……」ジョロロロ

ウェイトレス「お疲れ様!どう調子は」

ゾンビ娘「う、うーん……結構働いたし、それなりになれてはきたけど、でもまだちょっと恥ずかしいかも……」

ウェイトレス「でもすごいじゃない。もうすっかりこの店の一員よ。人気も高いみたいだし」

ウェイトレス「よく働いてくれるおかげでも私も楽させてもらってるわ。ずっと一人だったからすごくありがたいのよ!ありがとね」

ゾンビ娘「あ、うん……どういたしまして」

ウェイトレス「じゃあ引き続きよろしくね。私も頑張るから」

ゾンビ娘「わかった、わたしもがんばる」


ガチャ


ゾンビ娘(あ、新しいお客さんだ)

ゾンビ娘「いらっしゃいま……」

ハエ「ウッヘヘッヘ。邪魔するぜ。この店も久しぶりだなァ」

ゾンビ娘「!?」

ゾンビ娘「あ、あれっ……?なんで……!?」

ハエ「オォ?見ねえ顔だなあ新人か?」

ゾンビ娘「え……は、はい、最近ここで働かせてもらっていて……」

ゾンビ娘(気づかれてない……)

ウェイトレス「……! ちょっと。このお客さんは私が対応するから下がってて」

ゾンビ娘「あ、うん……」

ウェイトレス「……いらっしゃいませーお客様……」

ハエ「ウヘッヘエヘ君かあ。今日もいい体つきしてんなあオオ?」

ウェイトレス「お客様、困ります、そういうのは」

ハエ「なんだって?いっつも人前で股晒してんだから構うことじゃあねえだろお?ウヘヘウッヘッヘヘ」

ハエ「ほ~れほ~れ、ヒャヒャヒャ」サワサワ

ウェイトレス「お、おやめください……ここはそういうお店じゃないんです」

客B「やめたまえ、ウェイトレスちゃんは嫌がってるじゃないか」

ハエ「んだとォ?」

客I「そうだそうだ、君は何か勘違いしているようだがここはわいせつな行為をする場所じゃない、マナーを守るべき紳士の社交場だよ」

客D「全くだ。よそへ行ってくれないか、折角の聖水がまずくなる」

ハエ「うるせえんだよクソ共!!どういう楽しみかたしようが客の勝手だロォがオオォン!?!?」

ハエ「酒だあ!酒持ってこい!!この店にあるありったけの酒をなア!!ウッヘッヘウヘヘッヘエヘウウヘ」ドカッ

客I「なんなんだあいつは……」

客B「知っているよ。イカレた汚い蠅だよ。時たまこの店に来るんだ」

客D「なんてこった、とてもこの店に来るべき人間とは思えない!」

ハエ「ほーらウェイトレスちゃんこっちへおいで~、おじさんが可愛がってあげまチュよ~ウッヘウヘウヘヘ」

ウェイトレス「おやめください……!ここはそういうサービスをするお店じゃ……」

ゾンビ娘「マ、マスター……!」

マスター「ああまたあの方ですか……困りましたねえ」

ゾンビ娘「またって……初めてじゃないんですか?」

マスター「ええ。頻繁にではないですが、時々やってくるんです。最初はとても驚きましたよ」

マスター「見ての通り、来てくれて嬉しい客ではございません。彼は傲慢でとても迷惑してます」

マスター「どうもこのお店の趣旨を履き違えているらしくて……」

マスター「出される酒をかぶるように飲み、スタッフにわいせつな行為を強要するのです」

マスター「ですが来店される以上お客様であることには変わりありませんので、無粋に追い返すわけにもいかず……」

ゾンビ娘「なんとかできないんでしょうか」

マスター「そうですねえ……彼が気を済まして帰っていくまでジッと我慢するしか……」


ハエ「ウッヘヘヘ!酒が足りねえぞォ!!もっともってこォい!!」バンバン

客I「…………」イライラ

客B「チッ……僕らの憩いの時間が台無しだ……」


ゾンビ娘(なんて迷惑な客……!)

しばらくして


ハエ「ウイェエエッエッェエエ!!ヒック!うぇ~、がっははは!!や~酔っちまったよ~ん、ゲエェッ!」フラフラ

客D「駄目だ耐えられない……悪いが出直すよ、すまないね」

ゾンビ娘「はい、またお越しくださいませ……」

ガチャ

ゾンビ娘「他のお客さんみんな帰っちゃったね……」

ウェイトレス「当たり前よ……!あんな下品な奴がいたら誰だって帰りたくなるわ、全く腹が立つ」

マスター「どうにかこらえてください……彼が帰るまでの辛抱ですから」

ハエ「お?オォイ酒が切れてるじゃねえか!!どうした!?ヒック、じゃんじゃんもってこいや!!!」

ウェイトレス「お客様、当店のお酒はただいまお出ししましたので最後となります」

ウェイトレス「この店にもうお酒はございません……どうか今日のところはお引取りを……」

ハエ「アァッ!?!?なんだァ、酒場のくせに酒もろくに出せねえのかあこの店は!!どうなってんだオォ!?」

ウェイトレス「ですからお客様が全部飲み干してしまって……」

ハエ「ええなんだ口答えするのかこのマンコ!!スケベな淫乱ボディしやがって!!!」

ハエ「なんだぁ、そんなに犯してほしいのかよ……エッヘヘヘ ヒック」ジリジリ

ウェイトレス「やめ、やめてください……!!」

ハエ「おらぁ、こちとら客だぞ!!しっかり接客しろやあ!!全くこの店はどいつもこいつも……」


フラフラフラ


ゾンビ娘「!」

ゾンビ娘「ひゃっ!」ドカッ


ベチャァッ!


ハエ「うぎゃあああああっっ!!テメエなにしやがんだァァァァ!!!!こぼしたのがかかったじゃねえかよォォォッォォオ!?!?」

ゾンビ娘「もももも申し訳ございません!!」

ハエ「もうしわけございませんじゃねえよゴラアアアァァァッッ!?!?舐めてんのかワレエエェェェェ!!!!」クワァァ

ゾンビ娘「ごっ、ごめんなさい!ごめんなさいっ!」ペコペコ

ウェイトレス「………!!」

ウェイトレス「もう我慢できないわ!なによ、この子は悪くないわ!!あんたが飲んだくれてこの子にぶつかっただけじゃない!!」

ハエ「ああなんだ腐れマンコビッチがァ!!もうあったまきたぞ!!おい小娘ェ!!!」

ゾンビ娘「へっ?」

ハエ「ちょっと表こいやァァ!!!」ガシッ

ゾンビ娘「わあああああああ!?!?なんで!?」ピューッ

ウェイトレス「ああ、ちょっと!!」

裏街の中心部

ゾンビ娘「うげっ」ドサッ

ハエ「いいねえここなら思う存分暴れられるぜェ!ヒューッ!!」

ウェイトレス「はあ、はあ……ちょっと!その子に何する気よ!」

ハエ「決まってるだろォ!?ここなら通行人も多いし、そいつらに向かってサイッコウのパフォーマンスよ!!」

ハエ「気分が晴れ晴れするまで思いっきりボコしつくして、息の根が止まったらそのまま犯してやろうぞ!!光栄に思え!!!」

ゾンビ娘「そそそ、そんな……!」

ウェイトレス「やめて!!なんでそんなひどいことするのよ!!」

ハエ「うるせえこいつが舐めたことしやがるからだぜ!?ウッヘヘウヘヘッヘヘッヘヘ」


ザワザワザワ ナンダナンダ…? ザワザワ


ウェイトレス「ひ、人が集まりはじめた……!」

ハエ「よく聞けえお前らァ!!今からこの娘を使った残忍で無慈悲なショータイムの開幕だ!!目に焼き付けろィ!!!」

ゾンビ娘「ひ……ひぃ……」

ゾンビ娘(ま、またこういう展開……??またグチャグチャにされて犯されるの……??)

ウェイトレス「ふざけないでよ!その子はなにも悪くないわ!早く離して!」

カチンコ「そうだそうだ!早く解放しろ!」

ハエ「黙ってろォ!小うるさいアバズレだ、ショーの邪魔すんなよなあ!!」

カチンコ「全くだぜ!グチグチうるせえんだよ!!」

ウェイトレス「この汚いハエ!!キモ蟲!!ド変態!!何とか言ってみなさいよ!!」

カチンコ「さーぁここでウェイトレスの少女からの罵詈雑言!!」

ハエ「ウヘッヘッヘヘヘ、テメエがどう言ったところでこの娘の運命に変わりはな……」

カチンコ「おっと全く意に介さない極悪昆虫!捕らえられた娘さん、最大のピンチ!!」

ウェイトレス「そもそもその子はあんたにぶつかってなんか……」

カチンコ「諦めないウェイトレスさん!あの巨大蟲に対峙しても決して臆すことがない!」

ハエ「黙れこの……」

カチンコ「さあさあ盛り上がってまいりました裏路地中心部!野次馬がどんどん集まってきておりますこの舞台!!」

ウェイレス「…………」

カチンコ「捕まったいたいけな少女、極悪非道の巨大昆虫!!さあ一体全体どうなってしまうのか!気になる気になる!!」

ハエ「……………」

ゾンビ娘「…………………」

カチンコ「緊張感漂う現場です!!いつ何が起こってもおかしくないこの状況、危険な香りがプンップンの今この時!
     これはシコミでもヤラセでもない完全リアルの裏街の事件なのだ!!さあさあ両者見合って見合って………!!」

ハエ(誰だコイツ……)

ウェイトレス(誰よコイツ……)

ゾンビ娘(誰なのコイツ……)

カチンコ「お?どうしたどうした、ここからが面白くなるところジャン!?何故か静まりかえっちまたぜ、ファッツ!?」

ハエ「いやお前誰だよ!?!?」

カチンコ「俺?ヘェローゥ、俺はこの自慢のハンディカメラ片手にスリリングでエレガントな映像を追い求めている、」

カチンコ「人呼んでカチンコキングと申す!!!!」

ゾンビ娘(なんか唐突にキャラ濃い人出てきた……)

ウェイトレス(なんでこのタイミングで……?)

ハエ(今じゃなきゃ駄目だったのか……?)

カチンコ「俺は裏ネットワークTVで番組を作ってるんだ!!放送開始から今まで、高視聴率をキープしてきた俺の番組!」

カチンコ「合言葉は リアル! スリリング! そして ショッキング!!」

カチンコ「番組の為に世界中の超危険な場所を撮り歩いて早十年!!数々の衝撃映像をこのカメラに収めてきたのさ!」

カチンコ「今日は政府の目が行き届かないマジヤバオニコワの裏社会に侵入ということで……」

カチンコ「いやー!でもいざ来てみると意外と大したことないね!」

カチンコ「中々視聴者が食いつくようなハンパナイ映像が撮れずに四苦八苦していたところで……事件の香りがしてネエ!!」

ゾンビ娘(ヤバイ人だ……)

カチンコ「ヘイ!それより聞いてくれないか君タチ!確かにこのままショーを進行しても中々の映像が撮れると思うが……」

カチンコ「どうダイ?もっと情熱的で最強にアツいパーフェクトなショーにしてみないかい?」

ハエ「どういうことだよ」

カチンコ「その子が一方的にやられてるんじゃ面白くない……ドラマな展開を呼び寄せるには常に両者対等じゃないと!!」

カチンコ「つまりダヨ!?ここからは勝負形式といこうじゃないか!」

ハエ「はあ?」

カチンコ「簡単さ、ここで二人が戦って敗者は勝者の言うことを聞く!!うーん、わかりやすい!」

ハエ「オォイ!勝手に決めんじゃねえ!!なんだテメエ突然入ってきやがって!なにが勝負形式だ、舐めてんのかァ!!」

カチンコ「エー、なんだ面白くないな。そんなんじゃ視聴率とれないだろう」

ハエ「知ったことか!!」

カチンコ「折角盛り上がるように賞金の一千万も用意してるノニ……」

ハエ「うるせえそんなの……」

ハエ「……は?いっせんま……何?」

カチンコ「ん?一千万さ。賞金。勝った方に贈呈するやつぅ」

ハエ「一千万……?それが勝った方に……?」

カチンコ「イェース」

ハエ「んなアホな……ちょ、ちょっと待ってくれェ」

ハエ(このチビと俺が勝負して勝ったら一千万……?一千万だぜ……??)

ハエ(こんな娘相手に俺が負けるはずないだろ……だとしたら……)

ハエ(こんなおいしい話はないんじゃ……)



ワアアァァァ……!!


マスター「おやおやこれは一体どうしたことですか、随分と盛り上がってますねえ」

ウェイトレス「あ、マスター……お店は大丈夫なんですか?」

マスター「ええ。もうそれどころじゃないので今日は臨時休業ということに……それよりこれは……」

ウェイトレス「なんか急展開すぎてよくわかんないんですけど……」

ウェイトレス「あの蟲が暴れかけてたところになぜかテレビ屋が絡んできて……」

ウェイトレス「蟲の方も賞金の一千万に釣られたみたいで、話を飲んじゃって……」

マスター「はあ、すっかり大衆娯楽の為に利用されてしまったというわけですか」

カチンコ「さあ時は満ちたり!!巨大蟲VS少女の残忍残虐な超ガチバトルの開幕ダ!!世紀の一戦の火蓋が切られる!!」

カチンコ「観客のみなさん、盛り上がってるかい!?!?」


ワアアアァァ……!!


マスター「適度に野次馬も煽りつつ……妙な熱気ですねえ」

ウェイトレス「あんなキモ蟲と戦って平気でしょうか……」

マスター「ええそれはいいんですけど……私ひとつ疑問が……」

カチンコ「さあさあ盛り上がってまいりまいた決戦会場!!」

カチンコ「そして!両選手の前に大量のホットドックが並べられていきます!!」

カチンコ「注文した瞬間にホットドッグがでてくることで裏路地街で話題沸騰!
     ここから近場の有名ホットドッグ店の提供でお送りしています!」

カチンコ「今回の対決は制限時間内にこのホットドッグをより多くたいらげた方が優勝ダァ~ッ!!」

マスター「何故勝負が大食い対決なんでしょう……」

ウェイトレス「さあ……?」

ハエ「おい話と違うぞ!!どういうことだこれは!!ふざけてんのかオオォン!?!?」

カチンコ「フッ……勝負の行方をなるべく可視化してわかりやすくしたほうが視聴者にはウケるノサ」

ハエ「なにがホットドッグだ!!戦って勝負するんじゃねえのかよォ!!」

カチンコ「もちろん戦うさ……このフードファイトという名の真剣勝負でね!!」

ハエ「馬鹿なのかア!?!?」

カチンコ「さあ開始目前ということで双方の意気込みを聞いていきましょう!」

カチンコ「まずはなんか異常にでかいハエ選手!!どうぞ!!」

ハエ「ええいこうなったらヤケだぜェ!!絶対勝って一千万は俺がいただく!!!」

カチンコ「負けたら勝った方の言うことを聞くというルールですが」

ハエ「まあ賞金をもらえればそれでいいが……そうだな、憂さ晴らしに予定通りボッコボコに殴ってそれから犯させてもらうぜ」

ゾンビ娘「ヒッ……」

カチンコ「それではえっと、完全に巻き込まれた少女さん、意気込みを」

ゾンビ娘「えっ……え、その……が、がんばります?ちがうか、えっと……」

カチンコ「もし勝ったら?」

ゾンビ娘「え、あの、そ、そうだな……ええ……」

ウェイトレス「あの頭ウジ蟲に二度とうちの店に出入りしないことを誓ってもらうわ!!それでいいでしょ!?」

ゾンビ娘「あ、えっと……そうします」

カチンコ「さあお互いの主張が出揃いました!!共に意地とプライドをかけたガチンコフードバトル!!準備はいいでしょうか!?!?」

カチンコ「それではいってみましょう!レディ~……」

カチンコ「フ゛ァ゛イ゛ト゛オ゛オ゛ォ゛ォ゛!!!」パァン

ハエ「ウオオオオオオオオオオォォォォオォオォ!!!」バクバクバク

ゾンビ娘「………」

カチンコ「これはすごい!ご覧下さい、巨大ハエ選手、フードファイター顔負けのすさまじい食べっぷりです!!」

カチンコ「目の前のホットドッグがみるみるうちに消えていきます!」

カチンコ「一方の少女選手……あっとこれはどうしたことだ!?その場から棒立ちで一歩も動かない!」

カチンコ「ホットドッグに手を伸ばす様子も見られません!!」

ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘(なんで……こんなことに……)

ウェイトレス「なにやってるのちょっと!負けちゃうわよ!?いいの!?」

ゾンビ娘「ほ、ほんとにやらなきゃだめ……?」

ウェイトレス「確かに馬鹿げた話ではあるけど……それでもあなたの命と私達の店の未来が懸かってるのよ!?」

ゾンビ娘「大げさじゃない?」

ウェイトレス「いいからとにかく食べないと!!ほら!」

ゾンビ娘「ん……うーん……」

ゾンビ娘「」モグモグ

カチンコ「おっとここでウェイトレスの説得により渋々食べ始めました!この企画に対するやる気が全く感じられない!!」

野次馬A「おーぉい!しっかりしろよー!!」

野次馬B「そんなんじゃ面白くネエだろうがー!!」

野次馬C「もっといい勝負見せてくれよーー!!」


ブーブー


カチンコ「ここぞとばかりに野次馬からクレームが飛び交う!!少女選手果たして耐えられるか!?」

ゾンビ娘「そっ……そんなこと言われても……」モグモグ

カチンコ「さあ少女選手懸命に食べ進めていますがその差は歴然!!ハエ選手の猛スピードになすすべがありません!」

カチンコ「このままハエ選手のリードで決着がついてしまうのか!?!?」

ハエ「うっ」ピタッ

カチンコ「おおっと!?ここでハエ選手、手が止まってしまった!!これはトラブル発生か!?」

ハエ「じ、実は……俺こう見えて意外と少食なんだ……」

カチンコ「なんか言ってます!!ここへきてまさかのカミングアウト!!」

ハエ「普段は蜜や果汁なんかを飲んで生きてるから……人間の食べ物は重たすぎる……!」

カチンコ「なんということでしょう!極悪な巨大蟲に意外な一面が!!」

ハエ「クソ……やっぱ気合だけじゃどうにもならねえのか……だ、だがこんな小娘に負けるわけには……」モグモグ

カチンコ「ハエ選手食べるのを再開しましたがこれは見るからにペースが落ちている!!ホットドッグを掴む手が重い!!」

ゾンビ娘「」モグモグモグ

カチンコ「一方少女選手スピードこそ早くないもののペースが全く落ちていない!!黙々と食べ続けています!」

カチンコ「このままでは抜かれてしまうのも時間の問題か!?」

マスター「意外といい勝負ですねえ」

カチンコ「さあ、さあ!来てます来てます!追いついております!怒涛の追い上げだ!」

カチンコ「一心不乱に食べ続ける少女選手、ここに来てむしろスピードが上がっている!!」

ゾンビ娘「」モグモグモグモグ

カチンコ「な、なんと……まさか、ついに……!?」

カチンコ「来ました!!やりました!!ここでついに少女選手、ハエ選手の数を抜かしたァァァッッ!!」


ワアアアアァァァァ……!!!


カチンコ「なんということでしょう!!まさかの展開に会場は今日一番の盛り上がり!!」

野次馬D「アッヒャヒャ、いいぞいいぞォォー!!もっとダァ!!」

野次馬E「面白くなってきやがったァ!!」


ワアアアアアアアァァァァ………!!!!


ゾンビ娘(あれ、意外と勝てそう……?)モグモグモグ

カチンコ「さあ果たしてどうなってしまうのか!?」

ハエ「んだと、ちっ……チクショォォ~……!!こんなことあってたまるかァ……こっちだってプライドがあるんじゃァ……」

ハエ「負けるなど、そんな屈辱的なことを……」

ハエ「ぐ……」

ハエ「ウガアアアアアァァアァァァァアアァァッッッ!!!」バクバクバクバク

カチンコ「おおっと!?ここでハエ選手がペースを取り戻しました!!抜かれた屈辱がよほどこたえたのでしょうか!!」

カチンコ「しかしこれではスピード自体は決して早くない少女選手、大ピンチ!!再びハエ選手にリードを許してしまいました!!」

ゾンビ娘「……!」モグモグ

ハエ「ウガゴジャアアアアアァァァアァァアァァァアァァ!!!!」バクバクバクバク

カチンコ「ハエ選手凄まじい気合だ!!雄叫びがこだまする!!」

カチンコ「しかし大丈夫なのでしょうか、先ほどあれだけ満腹に喘いでいたハエ選手、どこまで粘れるのか……」

ハエ「」ブクブクブク

カチンコ「おや?」

ハエ「」ブクブクブク

カチンコ「こ、これは……!どういうことでしょう、ありえません!!」

カチンコ「ハエ選手、なんと食べるたびに徐々に体が大きくなっている!いや、膨らんでいると言ったほうが正しいか!?」

カチンコ「まるで風船のように肥大化していっています!!」

ゾンビ娘「ええぇぇ……!?」

ハエ「俺が勝つんじゃアアァァアアァァアアッッッッ!!!!」バクバクバクバク

ハエ「」ブクブクブク

カチンコ「どうやら相当体に負担をかけているようです、まさに勝ちへの執念!!巨大化が止まらない!!」

カチンコ「これには少女選手、観客達も思わず目を見開いています!!」

ウェイトレス「怯んじゃダメ!食べ続けて!!」

ゾンビ娘「で、でもっ、私そろそろお腹いっぱい……」

カチンコ「なんとここで少女選手から満腹宣言!淡々と差が広がる中、これはもうハエ選手の勝ちが決定か!?」

ハエ「ダアアアアアァアアアァアァァァァアアアァッッッッ!!!」バクバクブクブク

ウェイトレス「このままじゃ負けちゃう!!」

ゾンビ娘「それでもわたしもう食べられないよ……!」

ウェイトレス「そんな……じゃあこのままアイツがリードしていくのを指をくわえて見てろってわけ!?」

カチンコ「さあ満身創痍!!なすすべなしか!?勝負はもう決定してしまったのか!?」

野次馬F「おいガキィ!!底力見せろォ!!」

野次馬G「お前の力はそんなもんじゃねえだろォ!!」

野次馬H「食って食って食いまくれェ!!」

カチンコ「観客から応援も飛びますが、少女選手、動ける気配がありません!!」

ゾンビ娘「うう……」

ウェイトレス「…………!」

ウェイトレス「ねえ聞いて!作戦があるわ!これなら勝てる!!」

ゾンビ娘「?」

ウェイトレス「今までやってきたことを思い出すのよ!!あなたにしかできない!!」

ゾンビ娘「な、なんのこと……?」

ウェイトレス「考えて!!うちの店の特徴はなに!?あなたはうちの立派なスタッフよ!!あなたにしかできないのよ!!」

ゾンビ娘「えっ!?ま、まさか……!!」

ウェイトレス「そのまさかよ!!今までを思い出して!!さあ!!」

ゾンビ娘「で、でも……」

ウェイトレス「このままじゃ負けるのよ!?あなた、ぐっちょぐちょにされるのよ!?それでもいいの!?」

ゾンビ娘「………!!」

カチンコ「制限時間残りわずか!終わりか!?本当に終わりか!?このままハエ選手が勝ってしまうのか~~~ッ!?!?」

ハエ「ウッヘウヘエッヘヘヘウヘヘェェェェ!!!俺の勝ちだァァァァァァァッッ!!!」バクバクブクブク

ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘「」モグ

ゾンビ娘「」モグモグ

ゾンビ娘「」モグモグモグモグモグモグモグモグ

ハエ「………!? 馬鹿なッ!?」

カチンコ「ご覧下さい少女選手、まさかの劇的なスピードアップ!!まさかまだ力が残っていたというのか!?!?」

ハエ「そんなはずはッ……!!奴はもう腹一杯のはず、何故……!!!」


ブリッ…


ハエ「……!!! なっ……!!!」



ブリブリブリブリブリィィィ!!!


会場全体「ナアァニイイィィィィィィィィッッッッ!?!?!?」

カチンコ「こっ、これは脱糞だ!!紛れもなく脱糞だ!!少女選手、まさかの試合中に脱糞をはじめるという暴挙にでました!!!」

野次馬I「み、見ろよォ!!あいつ、食べながら出してやがるぜ!?!?」

野次馬J「どういうことだ!?!?そんなこと……!!!」

野次馬K「いや、どうやらその通りらしい!!食べながら出す!!!食ったホットドッグを即座に体外へ排出している!!」

野次馬L「なんてこった!!この脱糞戦術で、容量無限の底なし胃袋を手に入れたというわけかぁぁ!!!」


ワアアアアァァァァァ…………!!!!


ゾンビ娘「っ……っ……」モグモグモグモグモグモグ


ブリブリブリブリブリィィィッ!!!


カチンコ「驚異的なスピードアップだ!!ホットドッグが次々と食べられ、そして大便になって出てきている!!」

カチンコ「まるで全自動大便製造機のように食べ進めています!!!」

カチンコ「おっと!?少女選手、泣いている!!泣いています!!食べながら涙と糞を垂れ流しています!!!」


ブリブリブリブリブリブリブリブリィィィィィィッッッ!!!!


ゾンビ娘「っ……………っ…………」モグモグモグモグモグモグ

ハエ「バカガアアアアアァァァッッッ!!!認めん!!認めんぞおおおおおッッ!!!」

ハエ「この俺がこんな大便晒しに負けるなどォォォォォォッッッ!!!!」

ハエ「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァッッッッ!!!!」ブクブクブクブクブク

カチンコ「食べながら膨れ上がって巨大化していく昆虫!!食べながらこれでもかと糞を撒き散らす少女!!!」

カチンコ「カオスです!!これがカオスです!!!まさに混沌としています!!!凄まじい絵面だ!!!」

カチンコ「果たして勝負の行方はあああああああっっ!?!?」

ゾンビ娘「っ………………っ…………」


ブチブチブリリリリブチャブチブチチチブリリリブリィブリィィィィィ!!!!


ハエ「ガアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァッッッ!!!」


ブクブクブクブクブクブク


ハエ「っ!?!?」

ハエ「う…………が…………」

カチンコ「おっと!?ハエ選手、動きが止まって……」

ハエ「くっ……くいすぎた……が、だ、だめだ……あああ」


ミチミチミチ…


カチンコ「様子がおかしい!?こっ、これは……??」


ミチミチミチミチ……


ハエ「ぁ………は、れつ …   するぅ……」


ミチッ!


ハエ「うぇzsxrdtcfyヴびのpじふgyfってrytyにうtアアああアあアあああアァアアアァァァァァァッッッッッッ!!!」


ッパアァァンッ!!!


野次馬達「うぎゃあああああああああぁぁぁぁっっ!?!?」

カチンコ「おおおおおっっとおお!!ハエ選手、食べ過ぎでまさかの内側から爆発四散!!!」


ベチャベチャベチャベチャ…… ポタッ… ポタッ…


ゾンビ娘「ヒッ……」


ピーッ!


カチンコ「ここでタイムアップッ!!」

ゾンビ娘「っ、あ、ぁ、ああああ、あっぁぁあ、っ、うんち、うんちとまんない、あああああ」ブリブリブリブリ

カチンコ「勝負が終了したのにもかかわらずうんこが止まっていません!!」

カチンコ「さあかなりの激戦模様となりましたこの試合、一方の選手はうんこストリーム、一方の選手は大爆発ときます」

カチンコ「果たして結果は!?」

カチンコ「集計がでました!!おおぉっと!!」

カチンコ「少女選手です!!勝ったのは少女選手です!!わずかホットドッグ三個の差でみごと勝利を掴み取りましたあああああ!!!」


ワアアアアアアアァァァァァッッッ!!!


野次馬M「なんてアツい試合だったんだ!!手に汗握っちまった!!」

野次馬N「お互いありえない戦法で、全く頭おかしいぜこいつら!!!最高だ!!!」

野次馬O「まさに名勝負だ!!!この戦いは歴史に残る!!俺感動しちゃったよ!!」

野次馬P「ガキィ!!!うんこのガキィ!!!よく頑張ったぜ!!!おめでとおおお!!!」


ワアアアアアアアァァァァァッッッ!!!


ゾンビ娘「は、はは……かっ、かった……ううぅ、うう、ああ、」ブリブリブリ

ウェイトレス「良かった……本当によかった……!!」

マスター「すごい試合でしたねえ……いやはや全く……」

カチンコ「勝った少女選手には賞金一千万と、セミ選手に一生店に出入りできなくさせる権利を……」

カチンコ「ってこの有様じゃどっちにしろ出入りは不可能ですネエ」

ハエの生首「」チーン

ハエ「負けた……俺は負けたのか……しかも、こんな状態に……」

ハエ「ああ……意識が、遠のいて来やがった……俺、死ぬのか……?こんな馬鹿げたことで……」

ゾンビ娘「お、おい、こら、おまえぇ」ブリブリ

ハエ「なんだ……」

ゾンビ娘「お、おこって、おこってるんだぞわたしは、うっ、うう、あ」ブリブリ

ハエ「うんこ止めろよ……」

ゾンビ娘「わたしのおなかに、たまごうんで、へいきなかお、う、して、」ブリッ

ハエ「卵……?なんのことだ……」

ゾンビ娘「わすれっ!わすれたとはいわさらい、わたし、けんきゅうじょ、で、おかされて……」ブリィ

ハエ「研究所……犯された……?」

ハエ「ま、まさか……あんときのガキか、お前……!」

ゾンビ娘「おもい、だしたかあ」ブリッ

ゾンビ娘「たいへんなんだぞ、みんなのたまご、なんとかしなくちゃいけなくて、さがしてたんだぞ、こらぁ」ブリブリ

ハエ「ハハッ、そうかよ……まんまと復讐されたわけか、全く馬鹿げてる……」

ゾンビ娘「ほかのやつら、どこだ」ブリ

ハエ「強盗団は今それぞれ別行動だ……休暇に入ったんでね、みんな思い思いの場所に行っているはずだ……」

ゾンビ娘「きゅうかって、そんなのあるの」ブリッ

ハエ「ああ……俺が行き先を知ってるのはメンバーのセミだけだ、ボスとゴキブリは知らない……」

ハエ「教えてやってもいいぜ?どうせ死んでいく俺には関係のないことだ……よく聞けよ」

ゾンビ娘「うん」ブリブリ

ハエ「糞止めろよ……いいか、ここから東にいくと街があるんだ……別段特徴のない平凡な町だが……」

ハエ「セミの野郎は……その場所に用事があるような感じだった……よくは知らんが……」

ハエ「俺が言えるのは……それだけだ……」

ハエ「あ……ちくしょ、なにも見えなくなって……」

ハエ「ぐ……ふ……」

ハエ「」

ゾンビ娘「んっ……んん」

ゾンビ娘「や、やっと止まった」

ゾンビ娘「……博士に伝えよう」


プルルルルルル…… プルルルルル……


博士『ハエを倒した?本当かい!?随分と早いじゃないか』

ゾンビ娘「なりゆきだけどね」

博士『死骸のほうは私が独自に回収しておくから心配はいらない。薬の開発は少し時間がかかるから待っていてくれ』

博士『お疲れ様。今日はゆっくり休みたまえ』

ゾンビ娘「うん、そうする」

カチンコ「ふーぅっ!ベリーぃグッド!つい実況に熱くなっちまっタゼ!!」

カチンコ「それにしても超ド級の衝撃映像が撮れた!これはとびっきりだァ!!」

カチンコ「これは歴史的高視聴率を叩き出すに違いねえっすワ!!早速帰って編集だ!!」

カチンコ「ミラクル映像追い求めェ~♪ 世界どこでも現れるゥ~♪」

カチンコ「あ~♪ その名もカチンコキング~ 誰が呼んだか、カチンコ~キングゥゥ~~ッ♪」フラフラ

カチンコ「」ピューッ

ゾンビ娘「あ、あの人結局なんだったの……?」

しばらくして


マスター「時間ですね。今日は閉店です。お二人共お疲れ様でした」

マスター「特に……」

ゾンビ娘「はいっ」

マスター「今日が最終日でしたねえ」

ウェイトレス「そうね……ありがとう、今まで。短かったけど、すごく、楽しかったわ」ギュ

ゾンビ娘「うんっ、こちらこそ」

ウェイトレス「遠くに行っても、時々でいいから、このお店のこと思い出してね。お願いよ」

ゾンビ娘「ありがと、わたしも、なんだかんだ言いながら楽しかったかも。えへへ」

マスター「寂しくなりますねえ……是非もう少しでもいてほしかったのですが……」

ゾンビ娘「え、ええ。だけど、この前の一件で賞金もでたし、もうお金に困ることはないので」

ゾンビ娘「それに、本来の目的を忘れるわけにいかなくって。旅の途中ですから」



ガチャ


ゾンビ娘「あれ、お店閉めたのに、お客さん……?」

客A「聞いたよ!今日が最終日なんだって!?」

客B「それならそうと言ってくれよ!寂しくなってしまうじゃないか!」

客C「そのことを聞いて駆けつけたよ!それもみんなで!!」

客D「最後にここにいる全員で、見送りをさせてくれたまえ!なあみんな!!」

客E~I「そうともさ!!」

ゾンビ娘「み、みんなぁ……」ウルッ

マスター「良かったですねえ……見てください、みんなあなたのこと、大好きなんですよ」

ウェイトレス「そうよ。あなたがここに来てくれた時から、みんな楽しかった」

客A「君のパフォーマンスの素晴らしさをみなで語り合ったさ」

客B「君の聖水の味わいを忘れた事は片時もないよ」

客C「いなくなってしまうなんて残念で仕方がないが、最後にみんな言いに来たのさ!ありがとう、ってな!」

マスター「私からも、お礼を言わせてもらいますよ」

マスター「今まで、本当に、ありがとうございました」

ゾンビ娘「うう、ぐすっ……はいっ!」

ゾンビ娘「それじゃ……行きます。ありがとう、ございました……!!」

ウェイトレス「ありがとう!頑張ってね!!」

客D「心から幸運を祈ってるよ!」

客E「シーユーアゲイン!またいつか!!」

ゾンビ娘「えへへ……ありがと」

マスター「辛くなったら戻ってきてくださっても構いませんよ?」

ウェイトレス「そうそう。そしたら上級のお客さん相手のメニューもこなせるように私が育ててあげるから」

客F「君の黄金水を樽で購入するよ」

客G「僕なんか君の大便風呂にだって入れるぞ」

客H「いつでも戻ってきてくれよ」

客I「戻ってこいよ!!!!」

ゾンビ娘「それは絶対に嫌!!!!!!」

スカ要素は多分今回で終わりです

道中

ゾンビ娘「ふうー……結構歩いたなあ」

ゾンビ娘「セミがいるっていう街、まだ着かないのかな」

ゾンビ娘「アイツは東に行けばいいって言ってたけど……」トコトコ


カァー カァー カァー


ゾンビ娘「?」

カラス「カァー カァー カァー」

ゾンビ娘「あれ?カラスがこっちにくる……」

カラス「カァーッ!」


ポトッ


ゾンビ娘「ひゃっ!?何!?フン!?」

ゾンビ娘「あれ、違う……なにこれ?小さい……カプセル……?」

ゾンビ娘「あ、まさか……」

博士『もう届いたか。やはり私のマックロカラスクン一号は仕事が早いね』

ゾンビ娘「前から思ってたけど博士のネーミングセンス……」

ゾンビ娘「それよりこれは、例の薬?」

博士『そのとおり。君が倒したハエの死骸の成分から作った卵撃退カプセル。飲めばひとたび頑固な卵もノックアウト』

博士『どうだい。約束通りだろう?』

ゾンビ娘「す、すごい博士!見直したよ!!」

博士『これで一つ目の卵はオッケーだね。私の天才っぷりに感謝したまえ』

ゾンビ娘「うんっ、それじゃあいただきます」

ゾンビ娘「んく」ゴックン

ゾンビ娘「……これでいいの?」

博士『ああ。わかりづらいかもしれないけど効果は確実だよ。だから安心してくれていい』

博士『さ、残り三つだ。旅を続けてくれたまえ』

ゾンビ娘「う、うんっ、がんばるね」

しばらくして


ゾンビ娘「……」トコトコ

ゾンビ娘「………??」

ゾンビ娘(なんだろう……なにか……なにかがおかしい……)

ゾンビ娘(どこかに違和感がある……体の様子が少しおかしい……?)

ゾンビ娘(むずがゆいような、もどかしいような、不思議な感覚が……)

ゾンビ娘(まるで自分が自分でなくなってしまったような……)

ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘(むずむず……むずむず……)

ゾンビ娘(なにこれ……どこから?どこからするのかな)

ゾンビ娘(……)

ゾンビ娘(……! お股、お股から?)

ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘「」ノゾキ

ゾンビ娘「!?!?!?!??!?!?」

ゾンビ娘「な、な、なにこれなにこれなにこれなにこれええええぇぇ!?!?」


プルンッ


ゾンビ娘「お、おちんちんが生えてる!!!!」ドーン

ゾンビ娘「博士!博士!!博士ええ!!!」ピポパピ

博士『もしもし。どうしたんだいそんなに慌てて』

ゾンビ娘「おおお、お、おちんちんが生えてるんですけど!?」

博士『は?おちんち……男性器のことかい?』

ゾンビ娘「ほかになにがあるの!?」

博士『ああ副作用だよ。さっき薬を飲んだろう?』

ゾンビ娘「副作用って、だからといってこうはならないと思うんだけど!」

博士『実は薬に含んだ成分はかなり強烈な物だったんだ。したがってどう人体に影響を及ぶすかわからない』

博士『君の体に突然おちんちんが生えるようなこともあるかもしれないが、それでも卵を確実に殺すためには仕方なかったんだ』

ゾンビ娘「ええぇぇ……!?」

博士『ま、それも一時的な作用だよ。一日もすれば消えてなくなるだろう』

博士『別にあって困るようなモノでもないし、問題なく旅を続けてくれたまえ』

ゾンビ娘「困るけど!?」

ゾンビ娘「ううぅ、なにこれぇ、おかしいよぉ……正気じゃないよ……」

ゾンビ娘「いくら卵を処理するためだったとは言え、こんなの恥ずかしいし気持ち悪い……///」

ゾンビ娘「う、うわあ……男の人のココって、こんな風になってるんだ……な、なんか……なんか……///」

ゾンビ娘「って何考えてるの……いけないいけない、そうだよ、気にしなければいい話」

ゾンビ娘「博士が言うにはちょっと経てば元に戻るらしいし」

ゾンビ娘「気にしない気にしない」

ゾンビ娘「」トコトコ

ゾンビ娘「」ムズムズ

ゾンビ娘「や……やっぱ気になる……!」

ゾンビ娘「……あ」

ゾンビ娘「街が見えてきた……!」

ゾンビ娘「アイツが言ってたのってこの街かな……大丈夫だよね、嘘だったりしないかな」

ゾンビ娘「行ってみよう」トコトコ

とある街


ゾンビ娘「……おー」

ゾンビ娘「うん、見たとこ普通の街だなあ……特に変わったところは……」

ゾンビ娘「こんな場所に本当にセミいるのかな」

ゾンビ娘「……」


チンピラ「なーなーいいじゃねーかよーねぇーちゃぁーん」

巨乳「なんだお前は、よせっ、触るなっ!」


ゾンビ娘「!」


チンピラ「おぉう……ナイスバデーでねえか姉チャン、いぃい乳だぜ……」

巨乳「やめろ!!ぶっとばされたいのか!!」

チンピラ「げへへ、強気な女だなあ、そういうのも好きだぜ?さ、俺と一緒にちょっくら遊ぼうや」

巨乳「引っ張るな!クソ、離せこの変態男……!!」ズリズリ

チンピラ「げっへへ、まあまあまあ」


ゾンビ娘「……!」

ゾンビ娘(あの人、このままじゃ連れて行かれちゃう……)

ゾンビ娘「まっ、待て!!」

チンピラ「あぁん?」クルッ

ゾンビ娘「その人にひどいことするつもりでしょ!そういうの、えっと、やめたほうがいいと思う、というか、やめたまえ!」

チンピラ「なんだぁこいつは。姉チャンの知り合いか?」

巨乳「……?」

チンピラ「なんだ知らねえのか。じゃあただの通りすがりか?おお?」

ゾンビ娘「そ、そうだ!通りすがりだ!とにかくその、離してあげて!」

チンピラ「チッ、うっせえなあ餓鬼が。ヒーローごっこかあ?ちょっっと遊びに誘っただけなのに邪魔してきやがって」

チンピラ「こちとらテメエにそんなこと言われる筋合いねえんだよ!!」

チンピラ「それともなにか?あんたちゃんがこの姉チャンのかわりに俺と遊んでくれるとでも言うのか?あ?」

ゾンビ娘「それでいい」

チンピラ「はっ?」

ゾンビ娘「その人にひどいことをするくらいだったらわたしにひどいことをしろ!!」

巨乳「……!?」

チンピラ「言いやがったな、ムカつく餓鬼があ……」

巨乳「お前、何言ってるんだ!正気か!なんのつもりか知らないが、私の身代わりなるなど、そんな……」

チンピラ「おらぁっ!!」


ゴスッ


ゾンビ娘「っ…… … !!」

巨乳「ああ……!!」

チンピラ「げっへへ、テメエが自分で言ったことだ、責任持ってもらおう」

チンピラ「お望み通りひどいことをしてやるぜ!おっらぁ!!」


ドスゥ


ゾンビ娘「うげっ…… !!」

巨乳「……!!」

チンピラ「ハッ、雑魚が。マヌケな面晒しやがって。どうだ?もっとやってほしいか?お?」

ゾンビ娘「……」

チンピラ「……?」


スー…


チンピラ「!?」

巨乳「!?」

チンピラ「バッ、馬鹿な、そんな、何故……今、傷が、一瞬で元通りに……」

ゾンビ娘「……」

チンピラ「ど……どういうことだ……」

ゾンビ娘「わたし、死なないから、えっと、不死身だから」

ゾンビ娘「そういうこと」

チンピラ「……」

チンピラ「……オッ……」

チンピラ「オバケ!!!」ガーン

ゾンビ娘「がおー!!」

チンピラ「わああぁあぁあ~~~っっ!!オバケこわいいぃいぃぃ!!!」

チンピラ「おかあちゃああぁぁあぁ~~~~ん!!!」


ピューッ


ゾンビ娘「あ、あはは、なんか意外とチキンなやつだった」

巨乳「……!?」

ゾンビ娘「えっと、大丈夫?おせっかいだった?」

巨乳「あ、ああ、その、いや……ありがとう。助けてもらって……礼を言う」

ゾンビ娘「いえいえ」

巨乳「それより今のは……」

ゾンビ娘「えっと。ワケありで。死んだりしないっていうか、ゾンビみたいな」

ゾンビ娘「あ、ガラスの破片が……ちょうどいい、これで」

ゾンビ娘「ほらこんなふうに」スッ

ゾンビ娘「っ……切って、血が出ても、見てて?」


スー…


ゾンビ娘「ほら」

巨乳「す……すごい……」

ゾンビ娘「えへへ、そう?」

巨乳「一体、どういう原理なんだ……」

ゾンビ娘「それはわたしもよくわかんない……なんでだろうね」

巨乳「……」

ゾンビ娘「じゃあ用事があるからこれで」

巨乳「ま、待ってくれ!!」

ゾンビ娘「?」

巨乳「実は、あまり大きな声では言えないんだが、私は政府警察の特殊捜査員だ!こんなナリをしているが、これは潜入のためで……」

ゾンビ娘「す、すごい大きい声で言ってるけど」

巨乳「ああ……すまない、政府警察と言っても元、なんだ。事情があって今はもう辞めてしまった」

ゾンビ娘「ほんとに?チンピラ一人もロクに相手できない特殊捜査員って……」

巨乳「う、うっさい!!今のはその、たまたま調子が悪かっただけで、武器もないし!武器さえあればあんなやつ……!!」

ゾンビ娘「はあ……」

巨乳「とにかく君を見込んで頼みがあるんだ。聞いてくれるか?」

ゾンビ娘「まあ……いいけど……」

巨乳「ありがとう。早速だがここからは極秘の重大事項となる。つまり他の人間に漏らしたりするのは困る。わかったか?」

ゾンビ娘「う……うん……」

ゾンビ娘(その重大事項を、初対面のわたしに、しかもこんな外で話しちゃっていいのかな……)

巨乳「実は今この街は狙われているんだ……!!」

ゾンビ娘「え?」

巨乳「驚くのも無理はない。情報は極秘だからな。話は一般には出回っていないんだ。私しか知らない」

ゾンビ娘「どういうこと?」

巨乳「これを見てくれ。インターネット上のある裏掲示板サイトだ」

巨乳「本来は会員式でパスワードがないと入れないようになっているが、私の特殊工作により限定的な閲覧が可能になっている」

ゾンビ娘「これは……?」

巨乳「この掲示板は犯罪行為を目的とした反社会的組織が運営、利用している」

巨乳「彼らは掲示板上でリーダーと名乗る人物を筆頭に場所を決めて集まり、下劣な犯罪を繰り返している許しがたい連中だ」

巨乳「実際に奴らに関係した被害届がいくつか提出されている」

ゾンビ娘「その人たちはどんな悪いことをしてるの?」

巨乳「普段の活動は落書き、置石、ゴミのポイ捨てなどだ」

ゾンビ娘「軽くない!?」

巨乳「焦るな。話はここからだ」

巨乳「奴らははじめこそごく小規模なグループで活動していたものの、その人数をじわじわと増やしていき、
   今となってはとても無視できないほどの勢力に膨れ上がっている」

巨乳「と、私は判断した」

ゾンビ娘「はあ」

巨乳「そしてこれだ。リーダーによって立てられたスレッドで、利用者内で大いに盛り上がりを見せている」

ゾンビ娘「某日にて……街に集結……一般市民を大量殺戮……??」

巨乳「そう。このスレッドは今私達のいるこの街に集まり、設定した日時にて全市民を無差別に殺害するという旨のものだった」

巨乳「書き込まれてからグループ内で着々と計画が進行している様がこのスレッドからわかるだろう」

巨乳「さっきのチンピラも恐らく一員だろう。一気に入っては怪しまれるから少しずつこの街に集まってきているんだな」

巨乳「早く手をうたないとなんの罪もない善良な市民達が理不尽な被害にあってしまう」

ゾンビ娘「それならもっと大騒ぎになっているはずじゃ」

巨乳「そうだな……話が変わってしまうがお前は政府警察についてどういうイメージを持っている」

ゾンビ娘「え……わたしは別に……あー、でも」

ゾンビ娘「あんまりちゃんとした仕事してくれないとか聞くよね……」

ゾンビ娘「機関は全て形だけで、ろくに治安も守ってくれない税金泥棒って」

巨乳「そう。内部にいた私だから詳しくわかる」

巨乳「あそこは不必要な理屈、凝り固まったエゴ、莫大な金に溺れて本当に必要な時に柔軟な対応ができない腐った国家の犬だ!!」

ゾンビ娘「そ、そこまで言わなくても」

巨乳「いーや!私がこの掲示板を見せて、どれだけ街の危機を訴えてもだーれも耳をかさなかった!信じてくれなかったんだ!」

ゾンビ娘「そりゃあ……ねえ……」

巨乳「私はそんな内部の有様に嫌気がさしてな。私は捜査員を辞めた」

巨乳「というわけで今では私単独でこの件について動いている。この街に潜入したというわけだ」

ゾンビ娘「その人たちが動き出す日っていつなの」

巨乳「明日だ」

ゾンビ娘「明日ッ!?」

巨乳「そうだ。だからこうやってわざわざ来たんじゃないか」

ゾンビ娘「ええぇ、それ、それって間に合うの!?今からどうこうできるの!?」

巨乳「それが問題なんだよ。私一人じゃ避難を促しても意味をなさないからな。もう奴らと直接戦う意外方法がない」

ゾンビ娘「戦うって……!?」

巨乳「それで今ちょうど一人だけじゃ戦力不足だと思っていたところだったんだ!」

巨乳「前置きが長くなってしまったな、君への頼みというのは……」

ゾンビ娘「まさか……」

巨乳「そう、私に協力してほしい。明日被害を最小限にとどめるために荒くれ者は片っ端からなぎ倒す」

巨乳「お前は不死身なんだろ?
   不死身の戦士がこちら側にいるとなれば街に集まった連中全員を倒すことだって夢じゃないかもしれない!」

ゾンビ娘「そっ、そんな!飛躍しすぎだよ!」

巨乳「そんなことない!お前に来てもらえば百人力だ!頼む!私と一緒に来てくれ!」

ゾンビ娘「ええぇ……!?」

ゾンビ娘「急にそんなこと言われても……!わたし、犯罪するような人達相手に戦ったりできないよ!」

巨乳「結局死なないんだからいいじゃないか!不死身という存在自体が奴らにプレッシャーを与えることにもなりえる」

ゾンビ娘「ていうか、そもそもどうやって戦うの?あなた、さっき武器がないって言ってたけど」

巨乳「あ、ああ……それも一つ問題なんだ……武器がなければ戦えない……」

ゾンビ娘「まさか丸腰で来たっていうの!?」

巨乳「違う!事情があるんだ!もちろん私も戦いに備えてあらかじめ銃器等用意していた!」

巨乳「ただ……それがな、その……えっと……」

巨乳「………」

ゾンビ娘「?」

巨乳「……ぬ、盗まれて……」

ゾンビ娘「えっ」

巨乳「置き引き、されたんだ……あれは完全に油断していた……ここを訪れてすぐのことだ、気がついたらなくなっていた……」

ゾンビ娘「えええ、どうなのそれって!?大事なものでしかも危険な武器なのに、厳重に管理しておくべきなんじゃないの!?」

巨乳「これも間違いなくあいつらの仕業だ!汚らしい組織共、私は絶対に許さん!!」

ゾンビ娘「そ、そういう問題じゃ……」

ゾンビ娘(ひょっとして自分から辞めたんじゃなくて、この人が無能だから外されただけなんじゃ……)

巨乳「しかしもうこうなってしまっては仕方がない、今から流暢に武器を取りに戻ることもできない!」

巨乳「丸腰でも戦うんだ!」

ゾンビ娘「無謀すぎるよ!考え直したほうがいいんじゃ」

巨乳「く……しかし……」

ゾンビ娘「……」

巨乳「……」

ゾンビ娘「……しょうがないなあ……」

巨乳「? なにかあてがあるのか」

ゾンビ娘「わたしの知り合いにね?変な研究所で変な発明ばっかしてる変な博士がいるんだけど、その人にあたってみる」

巨乳「変な、って三回言ったけど、大丈夫なのか」

ゾンビ娘「よくわかんない変な人だし……変な化学武器のひとつやふたつ持ってるかも。連絡してみるね」

巨乳「そんなに変なのか」

ゾンビ娘「もしもし変な博士」

博士『誰が変な博士だ。どうしたんだい?』

ゾンビ娘「また成り行きでおかしなことに巻き込まれちゃって」

博士『まあそんなことだろうと思っていたよ。今回はどんな件だい?」

ゾンビ娘「かくかくしかじか」

博士『うーんなんだかトンデモな話だね。本当にその人が言っていることは信用できるのかい?』

ゾンビ娘「わかんないけど……でもとりあえず困ってるみたいだから」

博士『お人好しだねえ君も。まあわかったよ、武器が欲しくて私に頼ったというわけだね』

ゾンビ娘「なんとかできそう?」

博士『ああ、そんなこともあろうかと今ちょうど画期的な銃の開発が終わったところさ。二丁あればいいんだね?』

博士『すぐにカラスクン一号が届けに行くから期待して待っていてくれたまえ』

ゾンビ娘「画期的な銃、って……なんか不安なんだけど」

巨乳「どうだ」

ゾンビ娘「銃を二丁用意してくれるって」

巨乳「助かる!ありがとう!お前に出会えて本当に良かった!」

ゾンビ娘「ただ……その銃が博士の発明品らしくて……どうなんだろ……」

巨乳「構わないぞ、なんだって丸腰よりかマシだろう」

ゾンビ娘「そうだといいんだけど」

巨乳「よし早速行動に移ろう。明日について色々と話があるからな、まずは場所を変えよう」

巨乳「近くにホテルをかりているからそこに」

ゾンビ娘「う、うん……」

巨乳「こっちだ」スタスタ

ゾンビ娘「……」トコトコ

巨乳「」ボインボイン

ゾンビ娘「………」チラ

巨乳「」ユサユサユサ

ゾンビ娘「…………」

巨乳「……どうした、なにかあったか」

ゾンビ娘「おっぱいおっきいね……」

巨乳「ん、ああ……別に好きでこうなったわけじゃないんだがな」

ゾンビ娘「ふーん……」

巨乳「重くて肩はこるし、動く時非常にうっとうしい。正直邪魔なだけだ。いっそのこと切除しようかとも考えている」

ゾンビ娘「え、そこまでしなくても」

巨乳「いや、一般の女ならいいセックスアピールになるのかも知れないが、私は違う」

巨乳「常に市民の安全の為に動かなければならないからだ。うつつを抜かしている暇などない」

巨乳「本来子に母乳を与えるものだと考えても、私は子なんてつくらないし」

巨乳「こんなもの、なんの役にも立たない」

ゾンビ娘「はあ……」

巨乳「思えばこの体のせいで色々と不憫な目にあってきた……」

巨乳「さっきみたいにチンピラによく絡まれるし、内部にいたときはよく頭の禿げた上司にセクハラされたものだ……」

ゾンビ娘「……」

巨乳「あ、ついたぞ。ここだ」

しばらくして


巨乳「~というわけだ、わかったか?」

ゾンビ娘「いや全然わかんない」

巨乳「なんでだ!さっきから何度も説明してるんだろう!一体どこが解せないというんだ!」

ゾンビ娘「どうも犯罪者達を目に付く限り撃ち殺すって言う風に聞こえるんだけど……」

巨乳「なんだわかってるんじゃないか。何度も言わせないでくれ」

ゾンビ娘「どっちが犯罪者なの!?」

巨乳「わかってくれ、もうこうするしか方法がないんだ!」

巨乳「時間がない、流暢に回りくどい捜査を繰り返す政府警察のようなやり方じゃなにもかも間に合わない!」

巨乳「このままじゃ善良な市民が死んでしまうんだぞ!同じ死なら悪人の死のほうがよっぽど……」


カァー カァー


ゾンビ娘「あ……」

巨乳「な、なんだ、窓にカラスが……不吉だな、あっちいけ、しっしっ」

ゾンビ娘「ちょっと待って、そのカラス……」

巨乳「うわっ!?銃を持ってる!?」

巨乳「もしかしてこれがその、変な博士とか言う人からの……」

ゾンビ娘「じ、実銃を裸で持ってくるとは……」

カラス「カァー」バサバサ

巨乳「これが博士の発明品なのか?」

ゾンビ娘「わかんない……わたしこういうのあんまり詳しくないから……」

巨乳「ふむ……見たところ普通の……」

巨乳「ん、待てよ、弾がないじゃないか。困ったな、つけわすれたのか?」

巨乳「それにマガジンが特異な形をしている……どうやって使うんだ」

ゾンビ娘「あ、よくみたら紙が……説明が書いてある」

巨乳「どれだ、読んでみろ」

ゾンビ娘「えっと、これが天才博士の画期的発明、名をスパーム・ライフル……」

ゾンビ娘「通常のように弾をこめることはせず、マガジンに精液をため、抽出しエネルギー弾として射撃する……」

ゾンビ娘「えっ」

巨乳「は?精液?」

ゾンビ娘「ちょっと博士これどういうこと!?」

博士『届いたかい?副作用で現れた君の男性器をなにか有効利用できないかと考えた結果だよ』

ゾンビ娘「どうしてこうなった!?」

博士『解説しよう!スパームライフルはこれまでの銃と違って弾を必要としない、画期的な仕様となっている!』

博士『こめるのは弾ではなく、君の精子だ!射精によってマガジンに精液をため、抽出する!』

博士『抽出したエネルギーは強い殺傷力をもった弾丸へと変換され、射撃するというわけさ』

ゾンビ娘「解説聞いてもよくわからない!!」

博士『かすっただけでも致命傷を負わせるほどの力を持ち、それでいて煩わしい装填からの解放を実現した斬新な……』

ゾンビ娘「いちいち射精するほうが煩わしいと思うけど!?」

博士『ははは。実のところほぼ思いつきで作ったから実用性はまだ立証してないんだ』

博士『でもうちに戦闘用の武器なんてそれしかなかったからね。まあないよりマシだろう』

博士『仕組みは奇怪だがすぐに扱えるはずだ。頑張ってくれたまえ。じゃ』ブチッ

ゾンビ娘「あっ!ちょっと……」

ゾンビ娘「……」

巨乳「な、なんて?」

巨乳「そんなふざけた武器で私達は戦うのか……」

ゾンビ娘「うう、でもないよりマシだろうって……」

巨乳「まあそう言われればそうだが……どうするんだ?」

ゾンビ娘「え?」

巨乳「装填するのは精液なんだろ?私達は二人共女性じゃないか」

ゾンビ娘「あ、その、えっと……」

巨乳「困ったな……銃があっても弾が撃てないんじゃ意味がない……」

ゾンビ娘「あっと……そのことに関しては問題ないというか……」

巨乳「なぜだ?」

ゾンビ娘「……」

巨乳「……?」

ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘「」チラ

巨乳「っ!?!?」

巨乳「あ、あれ!?そんな、お前男性だったのか!?ここ、これは失礼した。私はてっきり……」

ゾンビ娘「いや女性です」

巨乳「ええっ!?だが、しかし……いまはっきりと……その、男性器が……」

ゾンビ娘「ちょっと訳あってこんな感じになっちゃって……具体的に言うと薬の副作用っていうか、まあ色々あって……」

巨乳「え、ええ……どんな副作用でもそうはならないだろ……」

ゾンビ娘「そうだよね、わたしもそう思う……」

巨乳「全く不死能力といい、その男性器といい……どうなってるんだお前の体は」

ゾンビ娘(あとお腹の中に蟲の卵があったりするしね……)

巨乳「つ、つまりその男性器で射精も可能というわけだな」

ゾンビ娘「そういうことになるね……」

巨乳「ところで武器の試し撃ちがしたいんだが」

ゾンビ娘「えええ、つまり……」

巨乳「よろしく頼む」

ゾンビ娘「うへえ……どうすれば……」

巨乳「その男性器が一般の物と同じなら、勃起させたのち刺激を繰り返せば射精まで至ると思うぞ」

ゾンビ娘「やっぱりそうかあ……」

巨乳「あと自らに性的興奮を促すような妄想や外部からの視覚情報があればさらに捗るかもな」

ゾンビ娘「そんなこと言われたって……」

巨乳「まあとりあえずやってみるんだ」

ゾンビ娘「……うん……」

巨乳「……」

ゾンビ娘「……」

巨乳「……」

ゾンビ娘「見ないでよ!!!!」

巨乳「あっ、すまん、私は部屋を出ていよう。終わったら教えてくれ」ガチャバタン

ゾンビ娘「………」ヌギ


プルンッ


ゾンビ娘(……どうすればいいんだろう)

ゾンビ娘(よくわかんないけど……手で、こうやって……触ればいいのかな?)


スリスリ


ゾンビ娘(……だめだ、勃たない……)

ゾンビ娘(……もっと激しく)


スリスリスリスリ


ゾンビ娘「ん……っ」


ムク…


ゾンビ娘(あ、ちょっとかたくなってきた……こんな感じでいいのかな)

ゾンビ娘(あと……ちょっと変な感じ)


スリスリスリスリ


ゾンビ娘「ん……んん……」

ゾンビ娘(な、なんか、ちょっと、ぴりぴりって。ぞくぞくってする)


ムクムクムク


ゾンビ娘(わ、勃った……)


ビンッ


ゾンビ娘「……」


ヘナヘナ…


ゾンビ娘(あ、ああ、戻っちゃう、だめ戻っちゃ)


スリスリスリスリ


ムクムクムク


ゾンビ娘「っ……は……」



ビンビン


ゾンビ娘(わあ……か、完全に勃ってる……すごい……)

ゾンビ娘(ピクピクしてる……うわあ……)チョンチョン

ゾンビ娘「っ……」

ゾンビ娘(敏感になってるのかな……)


スリスリスリスリ


ゾンビ娘(ちゃんと射精までイけるかな……)


スリスリスリスリ


ゾンビ娘「ん、ん……んっ」

ゾンビ娘(なんか、すごい、伝わってくる、おちんちんから、背中に)

ゾンビ娘(あたまが、ふわふわしてくる……)


スリスリスリスリ


ゾンビ娘「ん……あっ、あぁ……は……んん……///」

ゾンビ娘(こんなかんじかな、ああ……なんか変な気分になってきちゃう……///)

ゾンビ娘(もやもやして、ぐにゅぐにゅして、切ないよお……///)

ゾンビ娘(もっと、もっとつよく……そうすれば)

ゾンビ娘(触るんじゃなくて、ちゃんと握って、棒をしごく感じで……)


シコシコシコシコ


ゾンビ娘「ああっ! …… あ、あぁ、ん、ん、 …… はあっ………////」ハアハア

ゾンビ娘(これ、これすごい、ぴりぴり背中にいっぱい流れてくる、あたまがとろとろ……////)

ゾンビ娘(どんどんいけないきぶんになっちゃう、おちんちんもからだもぴくぴくするぅ……////)



シコシコシコシコ


ゾンビ娘「ああ、んっ! んん、……は、 はあっ、はあっ、… あ、あ、あ/////」ピクピク

ゾンビ娘(すごい、おちんちんすごい……こんなに……こんなに……/////)

ゾンビ娘(おとこのこって、みんな、こういうこと、してるのかな)

ゾンビ娘(わたしも、おなじこと……してる……)

ゾンビ娘「んんっ!/////」ピクンッ


シコシコシコシコシコシコ


ゾンビ娘「あ、あ、 、 あ、 ん、 はあ、 はあっ…… ん、ああ、ぁ、 ぁあ……あっ!/////」ピクンピクン

ゾンビ娘(ああ、だめ、げんかい、すごいぴくぴくしてぞくぞくする、ふわふわする/////)

ゾンビ娘(あ、あ、なんかくる、でる、そうだ、まがじんにださなきゃ……あああ////)

ゾンビ娘「ん、ん、んん、… あ、 あっ!あっ!//////」ピクンピクンピクン


ドピュッ!


ゾンビ娘「んっ!////んんっ!!/////あ、 あっ、」


ドピュッ ドピュッ


ゾンビ娘「ああ、あああ、んっ……ふ… … にゃあ…////」


ドピュ… ピュ…


ゾンビ娘「んん…… あ…… はあ…… … はあ ……///」

ゾンビ娘「んっ ………///」


トクントクン…


ゾンビ娘「……///」

ゾンビ娘「で……でたあ……///」

ゾンビ娘「……」

ゾンビ娘「……はあー……」

ゾンビ娘(なんか……急に虚しい……)

ゾンビ娘「…………」

ゾンビ娘「そ、それよりこれでいいのかな」

ゾンビ娘「お、終わりましたー……」ガチャ

巨乳「ん、終わったか。顔が赤いな、捗ったか?」

ゾンビ娘「う、うん、まあ……はいマガジン」

巨乳「よし、これで本当に弾がでるのか……早速試し撃ちだ」

ゾンビ娘「あれ、でもどこで試すの?」

巨乳「あ、そうかそうだな……この街に射撃場なんてないだろうし、どうするか……」

ゾンビ娘「……」

巨乳「……」

ゾンビ娘「……」

巨乳「……なあ、ちょっとお前に向かって」

ゾンビ娘「絶対嫌!!!!!」

巨乳「どうせ死なないんだからいいじゃないか!一発試すだけだ、我慢してくれ!」

ゾンビ娘「すぐ治るにしても痛みはともなうんですけど!?」

巨乳「よし、いくぞ」カチャ

ゾンビ娘「うわあぁ、ほんとに撃つのっ!?ねえちょっと!!」

巨乳「3… 2… 1…」

ゾンビ娘「っ………!!」


ッパーンッ!!


ブシャアアアァアァアッッ!!!


ゾンビ娘「っ!?」

巨乳「!? うわああああぁぁ、体がはじけた!!」

ゾンビ娘生首「ふぇ……?え、そんな……」ゴトッ


パラパラパラパラ……

ペチャ… ペチャ…


ゾンビ娘生首「ひゃああああぁぁ!!わたしの体があああぁぁっっ!!!」ガーン

巨乳「ままま、ま、まさかこれほどの威力とは……全て木っ端微塵に……!!!」

巨乳「どど、どうすれば、流石にこれは治らないのでは……!?」


スー…


ゾンビ娘「治った」

巨乳「はっ!?いやいやおかしいだろ!!『スー…』の効果音一つでどうにかなるレベルじゃないだろ今の!!」

ゾンビ娘「ごめん……そこんとこあんまり細かくつっこまないで……」

巨乳「ま、まあ治ったんならよかった、取り返しのつかないことをしてしまったと思った」

ゾンビ娘「もう撃たないでね……」

巨乳「軽率な行動で悪かった……反省する」

巨乳「それよりこの銃はすごいぞ!なんという破壊力だ!!人間の体があんなにもたやすく……」

ゾンビ娘「危険だなあ……」

巨乳「いいやこれは大きい戦力だ!不死身の戦士と最強の武器、もう怖いものなしだぞ!!」

巨乳「ありがとう、心から感謝する!!何もかもお前のおかげだ!ありがとう!!」アクシュ

ゾンビ娘「いやあ……その銃ほんとに明日使うんだね……」

巨乳「当然だ!さ、きたる時間に備えて今は休んでいよう。深夜になればここも戦場だ」

巨乳「体の調子を整え、武器をしっかりと手入れし、ベストコンディションにしておこう」

ゾンビ娘「……あのさ、わたしきづいたんだけど……」

巨乳「なんだ?」

ゾンビ娘「……銃ってもう一丁あったよね?」

巨乳「あ……」

ゾンビ娘「……」

巨乳「……」

巨乳「……よろしく頼む」

ゾンビ娘「ううぅぅ………」

今日はここまで

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