Twitterで募集したお題3つでSSを書いていきます。
今回は、「野球」「人形」「大航海」です。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1477578210
モバP(以下P)「ふう、仕事も終わったし、一息入れるかな」
姫川友紀(以下友紀)「プロデューサー!あたしちょっと旅に出てくる!」ドタドタ
P「はぁ?!いきなり何言ってんだ!」
友紀「あたし思ったんだ!キャッツが2年も頂点から遠ざかってるのは、助っ人外国人が不甲斐ないからだって!」
P「それとこれとなんの関係があるんだ」
友紀「わかんないかな?!あたしが選手を直接スカウトに行って、キャッツに入ってもらうんだよ!」
P「はぁ?!」
友紀「これで来年は、キャッツの優勝間違いなし!やったね!」
P「待て待て落ち着け!急に海外って、お前いつの間に飛行機のチケット取ったんだよ?」
友紀「取ってないよ?」
P「お前何言ってんだ?」
友紀「いかだで行くんだよ!」
P「イカダ?!お前何言ってんだ?!」
友紀「アメリカにキューバにドミニカに…視察に行きたい国はいっぱいあるからね!」
P「太平洋を股にかけて?!」
友紀「というわけで、あたしそろそろ行くね!近くの川に停泊してる『ゴーイングねこっぴー号』で!」
P「似た名前の船、途中で沈んだよな?!」
友紀「いやぁ、あの本数のペットボトル集めるのはほんと大変だったよー」
P「ペットボトル?!しかも買ってすらいない!」
友紀「先立つものがなくって…」
P「お前それなりに給料貰ってるだろ?!全部酒と野球に使ったのか?!あそうだ仕事!お前仕事どうするつもりだ?!」
晶葉「それについては私が説明しよう」ガラガラガラガラ
P「晶葉?なんでお前が?っていうかその台車なに?」
晶葉「それはだな…これだ!」バサッ
晶葉「完成したぞ!1/1スケール、姫川友紀ロボだ!」
P「なんだこれ?!」
友紀ロボ(以下ロボ)「キドウシマス」
晶葉「ふふふ、どうだ助手、友紀にそっくりだろう?」
友紀「うわー!晶葉ちゃんすごい!ありがとう!」
P「は?え、どういうこと?」
晶葉「つまりだ、友紀は今までの仕事で得た貯蓄のほぼ全額を、このロボの制作費用に充てたんだ」
P「マジで?っていうかこれいつから作り始めたの?」
晶葉「確かキャッツがCSでスターの球団に敗れてからだから…今月に入ってからだな」
P「すげえなおい」
ロボ「キョウシュクデス」
P「カタコトだな」
晶葉「まだ初期状態に近いからな。周りの人間から学習して、それをフィードバックさせれば、流暢にしゃべるようになる」
P「マジかよ」
晶葉「マジだ。泉とマキノにだいぶ協力してもらったがな」
P「で、このロボがなんなんだ?」
晶葉「まぁ見ていろ。ミュージックスタート!」ピッ
ロボ「ダンスモードキドウ。キモチイイヨネイットウショウ、カイシシマス」
P「うわすげえ!ダンスキレッキレじゃないか!」
晶葉「そうだろうそうだろう。ウサミン科学を取り入れたロボのデータから制作した最新型バランサーの姿勢制御は完璧だからな」
P「半端ねえなウサミン科学。これ本物の友紀と変わらないパフォーマンスじゃないか」
晶葉「へへん♪そう、この本物と見紛うロボが、友紀の不在の間、代役を務めるのだ!」
P「なんだと?!あ、そうだよあいつ!本物の友紀はどこ行った?!さっきから静かだと思ったら!」
晶葉「それなら助手がロボのダンスに見蕩れている間に出て行ったぞ」
P「ちくしょうあの野郎!」
友紀「…ごめんねプロデューサー。これもキャッツのためなんだ。じゃあ、しゅっぱーつ!」
それからの友紀の旅は過酷を極めた。
友紀『うわぁなにこの港町…。すっごく生臭いよ。なんて名前なんだろう?』
友紀『イン…スマ…?聞いたことないなぁ』
友紀『今度は南の島に着いたよ!アローハー!』
子供『アローハじゃないよ、アローラだよ』
友紀『うわーすっごい!真っ赤なクジラだ!…でもなにあれ、レゴかなにかでできてるのかな?ずいぶん角ばってるなぁ』
友紀「うわ、空飛んだ?!それから変形した?!』
幾度もの出会いと別れ、冒険と困難を乗り越え、友紀は助っ人外国人を探した。
しかし、彼女の眼鏡にかなう選手は現れなかった。
すっかり消沈した彼女が長い船旅を終え、日本の事務所に戻った時、すでに3か月もの月日が経過していた…。
ナレーション:大塚明夫
友紀「はぁ…ただいまぁ」ガチャ
P「お、おはよう。今日もよろしく頼むぞロボユッキ」
友紀「…?プロデューサー、何言ってるの?私ロボじゃないよ?」
P「…!お前本物の友紀か?!ちょっとこっちこい!」グイッ
友紀「え、なに?!ちょっ、プロデューサー?!」
会議室
友紀「もー!いきなりなんなのさ!あたしとロボを間違えるなんて!そこは『無事でよかった!』とか『怪我はないか?』とかじゃないのー?!」
P「お前の無事は知ってたからな。小梅の友達のあの子がお前に憑いてってたらしくて、逐一小梅経由で連絡が入ってたから」
友紀「なにそれこわい」
P「そんなことよりだ、ちょっとこの映像を観ろ」
友紀「何?キャッツのキャンプの様子?」
P「違うわ」ピッ
薫『ユッキおねーちゃん!あそんでー!』
仁奈『仁奈も混ぜてくだせー!』
みりあ『みりあもー!』
雪美『友紀……ぺロも……一緒……ね……?』
こずえ『ふわぁ~……友紀……こずえと……おひるね……』
ロボ『ふふ、順番ですよ』
友紀「ロボめっちゃちびっこ達に懐かれてるー?!」
音楽番組の司会者『今週の第1位はこちら!なんとリリースから12週連続1位!高峯のあ&姫川友紀!』
ファン『うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』
ロボ『……ついてきなさい。私たちはここにいる……」
ファン『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!』
のあ『あなたたちの目にしっかり刻みなさい。……私達の存在を……!』
ファン『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!』
友紀「芸風がめちゃくちゃ変わってるー?!」
実況『どうですか解説の姫川さん!』
ロボ『厳しい時間帯ですが、バイタルエリアへの侵入は阻止しなければなりません。ボランチを中心に早いチェックを仕掛けていきたいですね』
友紀「サッカーの解説してるー?!」
ロボ『ここで隠し味に味噌を小さじ一杯入れます』
友紀「料理してるー?!」
友紀「え、ちょっとどういうこと?!あたしそっくりに作ったはずじゃないの?!」
P「いやそれなんだがな、ロボユッキのAIは、周りの人間からデータを取って進化するんだよ」
友紀「それがどうしたの?」
P「その『周りの人間』の中にさ、お前いなかったじゃん」
友紀「あ」
P「まぁそんなわけでだ、うちの事務所のみんなのハイスペックな部分全部吸収した結果、ロボユッキは多方面で高い能力を発揮するスーパーアイドルになった」
友紀「科学の力ってすごいんだねー」
P「他人事みたいに言うな。これからお前にもああなってもらうんだからな」
友紀「えぇ?!なんで?!」
P「当たり前だろう、世間ではアレが本物の姫川友紀なんだから。本人が返ってきた以上、ロボユッキはお役御免だし」
友紀「ええ……」
P「そんなわけで、これからお前がロボユッキに追いつくまで、マストレさんを中心とした特別チームで、お前に特訓を施す」
友紀「……(絶句)」
P「あ、特訓が完了するまで、ビールも野球も禁止だからな」
友紀「そんなー!!」
P「つべこべいうな、自分で蒔いた種だ。ほら行くぞ!」
友紀「うわー!!」ズルズル
友紀「うう……頭の中が後悔(航海)でいっぱいだよ……」
P「紫色の落語家か」
おあとがよろしいようで。
難しいと思いましたが、書いていて楽しかったです。
また機会があればやりたいと思います。
以上です、ありがとうございました。
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