ちっ　ちっ　ちっ



李衣菜「…………ん」


李衣菜「んぅ……？」

P「……zzz」

李衣菜「(……あー、そっか)」

李衣菜「(ライブ成功したご褒美に、無理言ってPさんの家に連れてきてもらったんだった)」


李衣菜「……へへぇ」にまぁ

李衣菜「(ここがPさんの部屋なんだなー……今更だけど)」

李衣菜「(ちょっと殺風景だけど、綺麗に整ってる)」

李衣菜「(でも、女の子の部屋とはやっぱり違くて、しかも)」

李衣菜「(Pさんの、に、匂い……)」


李衣菜「～～……！」もぞもぞもぞ


P「……何してんのお前」

李衣菜「ぴぃっ！？」びくん

P「なんだぴぃって」もぞもぞ

李衣菜「ぷ、プロデューサー！急になんてことするんですか！」

P「声かけただけじゃねーか。ふぁあ……まだ夜中じゃん……」

李衣菜「(もう……ほんっとにビックリした……)」どきどき

P「次の日が休みって分かってるときに貪る惰眠こそ最上の喜びよな……」

李衣菜「……」

P「まあ、李衣菜もライブで疲れてるだろうし、体は休めて「プロデューサー」……何すか」

李衣菜「あ、あの……」



李衣菜「……い、一緒に！ベッドで……寝ま、せんか」

P「……はぁ……？」

李衣菜「あっ、いや別に私は！そんな、そんな何かこう、何か考えてたりなんてことは！」

P「……はあ」

P「いや、別にいいけどさ」

李衣菜「えっ、本当ですか」

P「んー……ちょっと奥詰めて」もぞもぞ

李衣菜「あぇっ？　あっ、ちょ」

P「眠い……」ごろん

李衣菜「……」ぽかーん

P「……zzz」

李衣菜「…………え、ぷ、プロデューサー？」

李衣菜「ね、寝ちゃった……」

李衣菜「(本当に疲れてるんだなぁ……私がいてもお構いなしだ)」

李衣菜「(いつも頑張ってるんだし、これくらい…………)」



李衣菜「(…………いや、よく考えるとむかむかするぞ)」

李衣菜「(私が勇気を振り絞って誘ってみれば、寝ぼけてるみたいとはいえ、何の反応もなしに潜り込んできて、おまけに寝ちゃうなんて)」

李衣菜「(……うん、Pさんが悪いんだ。そうだ、そういうことにしておこう)」


李衣菜「よーし……」

ぎゅう


李衣菜「…………」


李衣菜「(……だ、抱きついちゃった)」

李衣菜「(あったかい……し、しかもPさんの匂いが)」

李衣菜「(起きてない？起きてないよね？　あぁぁあヤバい、すっごい心音早くなってる)」どきどきどき

李衣菜「(な、なんかくらくらしてくる……大丈夫かな、私)」どきどき

李衣菜「(Pさんのベッドで、Pさんの匂いに包まれて、Pさんを抱きしめて)」


李衣菜「(す、すごい……も、もっと、何かしてみたい)」

李衣菜「(……どうせ抱きつくなら、首元に腕をかけて……と)」

李衣菜「(わ、こうするとPさんの顔が近い……匂いもすごく近くて)」

李衣菜「すぅ……はぁ……」

李衣菜「(あは、なんか変態みたいだ、私……)」ぞく

李衣菜「(すごい……周り、もう全部、Pさんだらけ)」