P「すまない……春香」 (36)
誰かが何かを叫んでいた
誰かが私の名前を叫んでいた
これで救うことができたと。叫んでいた
誰かは誰かに押し倒されていた
誰かは1人2人と増えていく
その中の一部は私に向かってきていた
誰かが何かを叫んでいた
誰かが私に手を伸ばしていた
誰かが微笑んでいた
誰かは静かに目を閉じた
誰かの色だけ赤かった
「あぁあぁぁあああぁあああぁぁぁ!!!!」
叫んでいたのは。私
「すまない……春香」
瞳を閉じたのは。プロデューサー
幕を閉じたのは――なんだっただろう
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375523964
「おはよう、春香」
「えへへ、おはようございます」
ちょっと頑張ってお洒落をしてみた
叶わない、叶えてはいけない恋だと理解はしているからこそ、
私はちょっと頑張ってしまう
少しでも長く、少しでも広く、少しでも大きく、
プロデューサーさんの記憶に残れるようにと願っていたから。
だからアイドルも頑張った
プロデューサーさんと交わした約束
『絶対にトップアイドルになる』
私は叶えるために頑張った。
その糧としてプロデューサーさんも頑張ってくれた
今日はランクアップのお祝い
「今日はお願いします」
「解ったよ。できれば安いものが嬉しいな」
そう言って笑うプロデューサー
ほしいものを買って欲しい。なんてお願い
そしてお忍びのお買い物
そんな建前に隠された――デートという名の私の恋
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