実況「まずは爺コーナー！セカンドライフで無数の伝説を築き上げた銀河最強の男！！爺クフリート！！」

レニー・ハート「ジィィィィィク！フrrrrrrrrrrrィィィィト！！」

ﾄﾞｫﾝ！！

老人「やれやれ...。ド派手な演出しよってからに」

「うぉぉぉぉ！」「ステキー！！」ﾜｰﾜｰ

実況「対して婆コーナー！ただ強さを追い求める、冷酷無比の一匹狼！！婆サーカー！！」

レニー・ハート「バァァァァァ↓サァァァァァァ↑カァァァァァ！！」

ﾄﾞｫﾝ！！

老婆「ククク...！"待"ってたよォ、この"瞬間"をねェ！！」

「うぉぉぉぉ！」「やってまえーー！！」ﾜｰﾜｰ

実況「さて、今回解説にお越し頂いたのは！爺クフリート選手のお孫さんです！」

孫「どうぞよろしく」

実況「さて、両選手の手合せはこれが初ではないとのことですが....。お孫さんは何かご存知で？」

孫「僕も婆サーカーさんと祖父がこうして相対するのを見るのは初めてです」

孫「ただ、祖父からやんわりと話は聞いていました」

実況「ほほう、話とはいったいどんな？」

孫「『しつこい婆さんが居る』と」

実況「フム、その言葉を聞く限りでは、戦績は爺クフリート選手が勝ち越しているように感じますが...」

孫「まぁ実際そうでしょうね。ウチの祖父は最強ですから」

実況「おっふ...。これまた信頼に満ち溢れたお言葉で」

孫「ただ、こうしてギャラリーを集めて決闘を挑んできたということは婆サーカーさんにも勝算があるんじゃないですかね」

実況「なるほど、おっしゃるとおりで」

実況「さぁ、リングでは2人の戦士が向かい合っております！！」

老人「久しいのぉ、『婆サーカー』。一体いつぶりじゃ？」

老婆「1年と22日ぶりだねぇ」

老人「気持ち悪いなお前」

老婆「だまらっしゃい！！アンタに負け続け、早10年....！！今日こそ叩きのめしてやるわ！！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

老人「ほーう？やれるモンならやってみぃ」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

実況「すっ、凄まじい気迫です！！実況席にもひしひしと伝わってきます！！」

孫「お腹に響きますね。花火を間近で見るときと同じ感覚がします」

実況「そうですね。さぁ、レフェリーが両者の間に入る！！」

審判「両者、準備はよろしいですか？」

老人「うむ」

老婆「いつでもねぇ」

実況「さぁ、満を持して激突の時！！」

老人「悪いが明日は朝からゲートボール大会なのでな。早く終わらせてワシは帰って寝る」

老婆「そんなにゲートが恋しけりゃあ潜らせてやるよ....。地獄のゲートをねぇ！！」

審判「レディー.....！ファイッ！！」ｶｧﾝ

「ｳｫｫｫｫｫ！！」「ｶﾞﾝﾊﾞﾚｰ！！」

実況「試合開始です！まずは婆サーカー選手が前に出た！！」

老婆「先手必勝！！」ﾎﾞｯ

実況「速い！滑らかな動きで爺クフリート選手に迫る！！何だあの動きはーー！？」

???「アレハ『スクロール婆』...！縦横無尽の動きデ相手ヲ翻弄するワザデース....」

実況「え、誰ですかあんた」

孫「おぉ、マイケル！！来てたんだ」

マイケル「of course」

孫「彼はマイケル。最近祖父に弟子入りしたんです」

実況「あぁ、これはどうも」

孫「さて、婆サーカーさんは虚を突く一撃で勝負を決めるつもりのようですね」

実況「はっ、そうだ実況しないと」

老婆「そりゃあっ！！」ﾊﾞｷｨ

実況「あぁーーーっと！？婆サーカー選手の強烈な蹴りが、爺クフリート選手の右顔面に直撃ぃぃぃぃっ！！」ﾜｧｧｧｧｧｧ

老人「......効かんな」

老婆「何！？」

老人「ホレ、右の頬を蹴ったなら....。左の頬も蹴ってみぃ」ﾁｮﾝﾁｮﾝ

老婆「ちょこざいな！！」ﾊﾞｷｨ

老人「....やっぱり効かんのぉ」ﾆﾀｧ

実況「これは....！？婆サーカー選手の攻撃が爺クフリート選手には全く効いていない！！どういうことだ！？」

孫「あれは祖父の防御技のひとつ。爺クフリート流『岩爺（ガンジー）』です」

実況「ほほう、それはどんな技なんです？」

孫「皮膚を硬化し、攻撃してきた相手へ逆にダメージを与える技ですね」

実況「なるほど、カウンターの一種というワケですか」

孫「ちなみに命名したのは僕です」

実況「そうですか」

老人「進歩の無い婆さんじゃなぁ。馬鹿の一つ覚えとはよく言う」

老婆「ほざきな、この死にぞこないめ！！」

老人「そりゃお前さんもじゃろうが」

老婆「以前のアタシとは違うってこと、見せてやろうじゃないか.....！」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

実況「おぉっと！？婆サーカー選手の体が金色のオーラに包まれていくーーっ！！」

マイケル「Shit！！婆サーカーはアレを使うつもりデース！！」

孫「知っているのかマイケル」

マイケル「of course」

老人「ほう、面白い」

老婆「括目しな！！婆サーカー流、『雷撃婆弩(サンダーバード)』！！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

老人「！！」

実況「なぁんと！！婆サーカー選手が放電！！国立競技場でお婆ちゃんが放電しています！！！」

孫「身も蓋もないコト言ってんじゃないよ」

マイケル「アレハ婆サーカー流でもかなりノ難易度ヲ要求される秘技の一つデース」

孫「詳しいねマイケル」

マイケル「師匠ノライバル事ヲ調べるのは当然デース」」

老人「ちぃっ、良い技覚えてきおったのう...！」

老婆「褒めてくれるとは嬉しいねぇ。そのまま死んでくれるともっと嬉しいよ！！」ｽﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ

老人「っ！」

実況「ああーーっ！！婆サーカー選手の電撃が爺クフリート選手に直撃ーーーっ！！これは勝負ありか！？」

???「ソレハチガウナ」

実況「え、どなたですか」

孫「おぉ、セルゲイさん！久しぶり」

セルゲイ「ドモ」

実況「この方も爺クフリート選手のお知り合いで？」

孫「彼はセルゲイさん。祖父の指導でボルシチ嫌いを克服なさった方です」

セルゲイ「ボルシチダイスキ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

実況「飯テロですね」ｺﾞｸﾘﾝｺ

孫「さぁ、それはともかく試合が動きますよ」

実況「はっ、そうだった実況しないと」

老婆「はっ、あっけない決着だったねぇ....。！？」

老人「気付くのが遅かったな」

老婆「しまっ.....！？」

老人「爺クフリート流・『爺-SHOCK』」ｽﾞﾄﾞｫﾝ

老婆「ぐへぇ！？」

実況「なにーーっ！？どういうことだ！？爺クフリート選手ピンピンしておられるーーーーっ！！」

孫「さっき電撃を受けたのは、祖父の創り出したダミーですね」

マイケル「Exactory. アレハ爺クフリート流・『抜け殻のエレ爺』」

実況「ということは....。偽物を攻撃させて婆サーカー選手に無駄な力を使わせ、そのスキを突いたと」

孫「仰る通りです。流石ですね」

実況「恐縮です」

セルゲイ「ボルシチウマイ」ｶﾞﾂｶﾞﾂ

老人「覚えた新技を当てたくてしょうがない....。未熟者の発想じゃな」

老婆「おのれ....！調子に乗るなぁ！！『羅婆魂(ラバーソウル)』！！」ﾎﾞｯ

実況「婆サーカー選手またしても先手を打つ！対して爺クフリート選手、これをいないしていく！！」

老婆「『光ファイ婆』！！」ｼｭﾊﾟｯ

老人「微温いわ」ﾋｮｲｯ

老婆「『婆サークフューラー』！！」ｽﾞﾄﾞｫﾝ

老人「遅いな」ﾋｭﾝｯ

老婆「『婆天打(バーテンダー)』！！」ﾌﾞﾝｯ

老人「おっと」ｽｯ

実況「先ほどから婆サーカー選手の攻撃が全く当たりません！これはどういうことでしょうか、解説の皆さん？」

???「愚問だネ」

実況「えぇ～、また新しいのが来たよ」

ピエール「ソレハ、婆サーカー流が長い歴史を持つ流派、というところニ理由ガあるヨ」

実況「...お孫さん、この方は？」

孫「存じ上げません」

ピエール「」

セルゲイ「ボルシチクウカ？」ｽｯ

マイケル「ソモソモ婆サーカー流ハ、一婆相伝で500年間受け継がれてきた流派デス」

ピエール「ツマリ、それだけ長い歴史ヲ持っていれば一婆相伝といえど少なからず情報源ハ存する」ﾎﾞﾙｼﾁﾑｼｬﾑｼｬ

実況「かつて婆サーカー流と戦った人の残した記録、などですか？」

マイケル「Yes. 師匠ハ婆サーカーと初めて戦って以来、そういったものヲ徹底的に探し調べ上げ、対策を立ててたそうデース」

実況「これはまた....。随分と用意周到なことを」

孫「それだけ婆サーカー流を警戒してるってことじゃないですかね。ああ見えて祖父は用心深いですから」

実況「なるほど」

セルゲイ「ボルシチクエヨ」ｽｯ

実況「お前もう帰れよ」

老人「爺クフリート流・『万々爺(バンバンジー)』！！」ﾄﾞﾝｯ

老婆「ぐはっ....」ｶﾞｸｯ

実況「あぁっと！？婆サーカー選手、膝を突いてしまったぁーー！！」

「ﾜｧｧｧｧｧｧ！！」「ｶﾞﾝﾊﾞﾚｰ！！」

老人「...もう終いか？お前さん、やっぱり衰えたのう」

老婆「.....何勘違いしてるんだい」

老人「む？」

老婆「アタシのバトルフェイズは終了してないよ！秘技・『婆戦士の魂(バーサーカーソウル)』！！」ｶｯ

実況「これは！？婆サーカー選手、隠し玉を残していた模様！！」

老婆「こいつを発動している間、財布から抜き出したカードがバスカードだった場合、追加攻撃ができる！！」

老人「.....何言っとるんじゃコイツ」

老婆「まず一枚目！！ドロー！！バスカード！！」ﾊﾞｺﾞｫﾝ

老人「なんじゃと！？」ﾄﾞｫﾝ

実況「な、なななな何とぉーっ！爺クフリート選手が吹っ飛んだぁぁぁ！！」

老婆「二枚目！ドロー！！バスカード！！」ﾊﾞｺﾞｫﾝ

老人「ちぃぃぃぃっ！！」ｶﾞｷｨﾝ

実況「爺クフリート選手、二撃目は辛うじて防御！しかし更に吹っ飛ぶ！！」

老婆「三枚目！！バスカード！！」ﾊﾞｺﾞｫﾝ

実況「婆サーカー選手のラッシュが止まらなぁーーい！！理屈はよく分からんが凄いぞぉーーーっ！！」

マイケル「amazing...！」

ピエール「トンダ秘密兵器持ってやがったナ」

孫「これは認めざるを得ませんね...！婆サーカーさんこそ、地上最強の婆です」

実況「...しかし野暮なツッコミですが、婆サーカー選手は随分と沢山バスカードを持っておられるようで」

孫「ご老体ですからね。足腰を気遣ってバスを利用するのは大事かと」

実況「なるほど」

セルゲイ「ボルシチクエヨ」ｽｯ

実況「帰れっつってんだろボケ」

老婆「ハッハァー！！今度こそ終わりだねぇクソじじい！！」

実況「これは！？爺クフリート選手倒れたまま動かない！！審判が駆け寄るーーーッ！！」

審判「爺クフリート選手、立てますか！」

老人「...無論じゃ」ﾑｸﾘﾝｺ

老婆「ならばもう一度倒れなぁ！！」ｺﾞｯ

実況「婆サーカー選手、容赦なく追い討ちをかけに行くーーーッ！！」

審判「ちょっ、私もいるんですけど！？」

老婆「石ころはだあってな！！」

実況「婆サーカー選手一切の躊躇なし！！審判ごと血祭るつもりだーーーっ！！！」

孫「鬼ですね」

老婆「審判もろとも死ねぇ！！『王婆王道(オーバーロード)』！！」ﾄﾞｼｭｩｩｩ

実況「婆サーカー選手がもの凄い速さで突っ込んでいく！！まさに人間ロケットだァーーーッ！！」

審判「避けらんねぇ」

実況「審判選手、死を受け入れたか！？あきらめんなよ！！」

孫「いや審判選手ってあんた」

セルゲイ「ボルシチクエヨ！！」

孫「まだ居たんすかセルゲイさん」

老人「.....爺クフリート流」

老人「『3爺(スリージー)』」ｶﾞｷｨﾝ

老婆「がっ...！？」

実況「おぉっとこれは！？爺クフリート選手と審判選手を、防壁が護る！！」

審判「死ぬかと思った」

孫「頑丈で強情なガード....。略して3G(爺)」

実況「またお孫さんが命名なさった技ですか」

孫「というか祖父の技は全て僕の命名です」

実況「はい」

これ男とかがメインのやつの番外編？

老婆「くそが...！！バカにして...！！」

老人「お前さん、肩肘張り過ぎじゃよ。老体にはキツいじゃろうに」

老婆「....もういい。次の一撃で、全てのケリをつけようじゃないかえ！！」ﾋﾞｭﾝｯ

実況「婆サーカー選手、上空へ跳んだ！」

老婆「はぁぁぁぁぁ....！！」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

ピエール「何ダ、この力ハ...！！」

実況「す、凄まじい気迫！！どうやら婆サーカー選手、とっておきの一撃を披露する模様！！」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

マイケル「あれハ根岸の百八式波動球より危険デース！！みんな伏せてくだサーイ！！！」

実況「根岸って誰」

セルゲイ「ボルシチ」

実況「うるせぇよ」

>>29
たぶんそうだよ

老婆「消えてなくなれ！！婆サーカー流奥義！！『滅びの婆ストストリーム』！！！！！」ｽﾞｷﾞｭｩｩｩｩｩﾝ

実況「凄まじいエネルギー弾！！国立競技場でお婆ちゃんが口からエネルギー弾を放出しましたーーーーっ！！！」

孫「ゲロビームってやつですね。おぞましい」

老婆「ブラジルまで沈みなーーっ！！」

実況「どうやって喋ってんすかあれ！！」

孫「わかりません」

老人「....生憎、ブラジルにはこないだ行ってきたばかりなんでな。お断りじゃ」ﾎﾞｯ

実況「ほげぇ！？爺クフリート選手も大技を繰り出すというのかーーっ！！！」

マイケル「出ますヨ！！師匠の奥義ガ！！」

老人「爺クフリート選手・秘伝」

老人「『爺・拳・道（ジー・クン・ドー）』」ｽﾞﾄﾞｫｫｫﾝ

老婆「！！」

実況「.....えー、何だかよく分かりませんがとりあえず生きてます」

孫「婆サーカーさんと祖父の技が互いを打ち消し合ったようですね」

マイケル「Yes. ソシテ、勝負ありデス」

実況「えっ？」

老人「......今回もワシの勝ちじゃのう」

老婆「....おのれぇ」ﾄﾞｻｯ

審判「......婆サーカー選手、試合続行不能」

審判「勝者！！爺クフリート選手！！」

ﾜｧｧｧｧｧｧ！！！

実況「決まったーーーー！！勝ったのは爺クフリート選手！！またしても伝説を刻んだーーーーっ！！」

マイケル「師匠...！流石デス」

ピエール「フッ...。やはりあの御方こそ最強に相応しい」

セルゲイ「じゃ俺帰るわ」

実況「ではお孫さん！試合の総評をお願い致します」

孫「はい。とにかく、婆サーカー選手の気迫が凄まじかったです。あれほど祖父に喰らい付ける『人間』はまず居ないでしょう」

孫「それでも最強は爺ちゃんですけどね！！」

実況「はい」

老婆「また勝てなかった...。何故....」

老人「だから言うとるじゃろ。お前さん、肩肘張り過ぎなんじゃよ」

老婆「....知った風なことを」

老人「純粋に強さだけを求めるのが悪いとは言わんがな...。それじゃあ疲れるばかりじゃろうて」

老人「とりあえずこいつをくれてやろう」ﾋﾟﾗｯ

老婆「....何だいこりゃあ」

老人「明日のゲートボール大会の開催要項じゃ。飛び入り大歓迎らしいぞ」

老婆「.......」

老人「まぁ、またワシに負けるのが怖いなら無理強いはせんがな」

老婆「言ったなクソじじい！！ギタンギタンにしてやろうじゃないかええ！？」

実況「煽り耐性皆無ですかあの人」

孫「まぁ、いい感じに話がまとまって良かったじゃないですか」

実況「はい」

孫「ちなみに今のように、祖父がデレたときの状態を『良爺形態(イージーモード)』と言います」

実況「はい」

-- そして翌日、ゲートボール場

老婆「ククク...！"待"ってたよォ、この"瞬間"をねェ！！」

老人「それ昨日も言っとらんかったか」

老婆「13時間と22分ぶりだねぇ、クソじじい！」

老人「やっぱ気持ち悪いなお前」

老婆「だまらっしゃい！今日こそアンタを八つ裂きの蜂の巣の消しクズにしてくれるわ！！」

老人「ゲートボールでそりゃあ無理じゃろ」

爺友「お～い爺クフリートさん、そろそろ始めるぞーい」

老婆「覚悟しときな！！今日こそはあたしが勝つ！！」

老人「望むところじゃ。全力で叩き潰してやるわい.....！」


その日、ゲートボール場にブラジルまで繋がる穴ができましたとさ

完

最近は高性能じいちゃんと言われるとワールドトリガーのヴィザ、
高性能ばあちゃんと言われるとファフナーの西尾のばあちゃんを思い浮かべます

読んでくれた人サンクス