ありす「桃華さんの脇を舐めたい」 (24)

ありす「どうしましょうか、一度この欲求に気付いてしまうと、もうそれしか考えられません。桃華さんの脇を舐めたい。桃華さんの脇を舐めたい。あぁ、舐めたいです。いやしかし、ここまで舐めたいとなると、もう私、橘 ありすは桃華さんの脇を舐める為に生まれて来たとしか考えられません。きっとそうです。完璧なロジックです。桃華さんの脇を舐める為に生まれて来たのなら、桃華さんの脇を舐める事は何ら不思議ではありません。生存本能です。生存本能ヴァルキュリアです。むしろ自然の摂理とも言えます。舐めない方が不自然です。理に反しています。今日の私は冴えていますね。論破なんてやはり簡単です。私の前では道理すら膝先づくに違いありません。さて、しかし私、橘 ありすは聡い女子ですから知っています。脇を舐めたい、とお願いしても、桃華さんが簡単に頷いてくれない事など知っています。お見通しです。タチバナサーガには朝飯前です。なので、ここは作戦を幾つか用意します。いえ、橘 ありすは桃華さんの脇を舐める為に生まれて来たのですから、もちろん桃華さんの脇を舐める事には舐めるのですが。でないと、私は死んでるいる事と同義ですからね。シンデレラガールではなく死んでるガールになってしまいます。これはいけません。この鼓動が動き続ける限り、私は桃華さんの脇を舐め続けないといけない訳です。我ながら惚れ惚れするロジックですね。では、早速作戦を開始していきましょう、もとい、桃華さんの脇を舐めに行きましょう」

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桃華「お待ちになって、ありすさん」

ありす「なんと、これはこれは桃華さんではありませんか。奇遇ですね。今、丁度桃華さんに会いに行こうと思っていたところです」

桃華「えぇ、もちろん知っていますわ。して、ありすさん、今日は私とありすさん二人で仕事の打ち合わせーーしかも、プロデューサーちゃまが少々遅れるとの連絡が入った為、二人で事務所のソファーに隣り合って座り待機中、という事はご存知でして?」

ありす「はい、もちろん知っています。言われなくとも、そんな事はもちろん知っていますよ」

桃華「あら、ご存知でしたの。隣り合わせに座っているにも関わらず、脇を舐めたいなどといきなり長々と語り始めるものだから、てっきり知らないものだと思っていましたわ」

ありす「そんな訳ありませんよ、あははは」

桃華「ならよろしいの、うふふふ」

ありす「さて、と」

桃華「ありすさん、今すぐこの手を離して下さいまし

ありす「嫌です。どうしてですか? 私の台詞を聞いていたはずです」

桃華「えぇ、聞いていましたわ。頭でも強く打ったのかと心配になりながら、一言一句丁寧に聞いていましたわ」

ありす「だったら話が早くて助かります。早く脇を舐めさせて下さい。桃華さんは私に脇を舐めさせるしかないんです」

桃華「しかない訳ないですの。少々落ち着きになって、ありすさん」

ありす「落ち着いています。私はとても落ち着いています。だから早く私に桃華さんの脇を舐めさせてオチをつけましょう」

桃華「そのようなオチでは終わらせられませんわ」

ありす「どうしてですか? 私のモノローグを聞いていたんでしょう? 私は桃華さんの脇を舐める為に生まれて来たんです。そんな私に脇を舐めさせない気ですか? 桃華さんの脇を舐める為に生まれて来た私に、脇を舐めさせないなんて、パラドックスが生じてしまいますよ? 橘 ありすが存在しないという事になってしまいますよ?」

桃華「そんなお馬鹿なパラドックスは生じませんわ。まず前提から間違えていますの、ありすさん。 ありすさん、あなたは私の脇を舐める為に生まれて来たはずないでしょう?」
ありす「いいえ、桃華さんの脇を舐める為に生まれて来たんです!」

桃華「潔く言い切りますのね」

ありす「なんですか、なんなんですかもう。全て私のモノローグで説明したはずです。ロジックに基づいて、懇切丁寧に私が桃華さんの脇を舐める理由を説いたはずです」

桃華「説かれていたとは驚愕ですわ」

ありす「仕方ありません。分かっていました、分かっていましたとも。これは言うのならぺろぺろ作戦フェーズ1です。これからぺろぺろ作戦フェーズ2に移行します。慎重かつ大胆に作戦を遂行しましょう」

桃華「随分とお喋りな思考回路ですのね」

ありす「くらぁ」

桃華「擬音」

ありす「大変です。緊急事態です桃華さん。私、橘 ありすは熱中症にかかってしまったようです。頭がクラクラして呼吸も荒いようです。これはもう塩分を補給するしかないんです」

桃華「塩が戸棚にありましてよ」

ありす「間違えました、塩分ではありません。桃華さんの脇から分泌されるモモカロズピンの摂取が必要です」

桃華「そんな不可思議成分は私の脇から分泌されませんわ」

ありす「別に桃華さんの脇を舐めたいが為に言っている訳ではありません。モモカロズピンを摂取する為に言っているのです。言ってしまえば、これは医療行為ですよ。熱中症に対する適切な処置として、私は然るべき機関に提唱して行きたいぐらいです」

桃華「然るべき機関に叱られて来てくださいまし」

ありす「ぐぬぬ、これでもまだ駄目ですか。ぺろぺろ作戦はフェーズ3に移行します。次こそ桃華さんの脇を堪能したいです」

桃華「正直と言えば聞こえはいいですけれど」

ありす「報酬を出します」

桃華「あら、いきなり驚く程に生々しいお話ですわ」

ありす「確かに私だけ得をする今の状況はフェアとは言えません。したがって、私は桃華さんに報酬をお支払いします」

桃華「と言いますと?」

ありす「1ぺろにつき300円をお支払いします」

桃華「まぁ、リアル」

ありす「300円というと少なく感じるかもしれません。しかし、私が1ぺろ如きで終わるはずがありません。10ぺろは固いでしょう。つまり300円×10、3000円は約束されていると考えていただければ安心してもらえるのではないでしょうか?」

桃華「安心してもらえると何故思ってしまったのでしょうか」

ありす「ふふふ、12歳にとって3000円は大金。桃華さんもすんなり頷いてしまうはず。私のお年玉貯金が猛威を振るう時がやってきたようですね」

桃華「あの、自分でこんな事を言うのは非常におこがましい気がしますけど……お金を対価にするのなら、お相手を間違えてましてよ」

ありす「はっ…………! そういえば櫻井桃華と言えばかの有名な櫻井財閥のお嬢様……庶民たる橘 ありすの3000円など虚無に等しい……」

桃華「虚無とは言いませんけれど、丁寧な解説ありがとうございますわ」

ありす「何故ですか、何故そこまで拒むんですか? 脇を舐めさせてくれる、それだけでいいんですよ?」

桃華「それだけが無理難題でしてよ」

ありす「わかりましたわかりました。私も大人です」

桃華「大人ではありません」

ありす「フェーズ4、譲歩作戦です。そこまで言うのならば、脇を舐めさせて貰えなくてもいいです。眼球を舐めさせて下さい」

桃華「譲歩どころか特攻して来ましたのね」

ありす「別に眼球を舐めたい訳じゃありません。桃華さんの眼球から分泌されるロリモモカ酸を摂取したいだけです」

桃華「言い訳の為に人を超常人間にしないでくださいまし。モモカロズピンもロリモモカ酸も私は分泌しませんわ」

ありす「そんな……脇も眼球も駄目だなんて……」

桃華「涙目になる程の事かしら……はぁ、わかりました」

ありす「ありがとうございます。それでは失礼します」

桃華「違います違いますわ。それは分かっていませんの。そこまで言うのならば、私も譲歩してあげてもよろしいと申しておりますの」

ありす「と言うと?」

桃華「百歩譲って、私がありすさんの脇を舐めるというのはいかがでして?」

ありす「開いた口が塞がりません」

桃華「実は私も前々から、ありすさんの脇を舐めてみたい衝動が少しありましたの。ですから、私の脇を舐められるのは嫌ですけれど、その代わり私がありすさんの脇を舐めて差し上げようかと思いまして」

ありす「思いまして、じゃないですよ。なんなんですかその物語を根本から覆しかねない突然のカミングアウト。革命家ですかあなたは」

桃華「あら、何か問題がありまして?」

ありす「問題しかありません。私は桃華さんの脇を舐めたいのであって、桃華さんに脇を舐めてもらいたい訳じゃありません。受動ではなく自発なんです。おかしな事言わないでください」

桃華「くらぁ」

ありす「擬音」

桃華「大変ですわ。私、インフルエンザにかかってしまったみたいですの」

ありす「それはもう普通に病院に行ってください」

桃華「ありすさんの脇から分泌されるアリストロベリンを摂取しなければ長くはなさそうですわ」

ありす「私の脇からそんな成分は分泌されません」

桃華「今すぐ私に脇を舐めさせなさい」

ありす「今までにないキャラですね」

桃華「とにかく、舐めるのは良いですけど、舐められるのは嫌ですわ。ぷいっ」

ありす「ぷいっ、て、キャラがブレブレですね……はぁ、わかりましたわかりました」

桃華「あら、それでは失礼いたしますわ」

ありす「違います。それはわかっていません。名案が浮かんだんです。ロジカルシンキングと言えば、この私、橘 ありすですから。あの、つまり、脇を舐め合えばいいんですよ」

桃華「ふむ、続けてください」

ありす「お互い、脇を舐めたいけれど舐められるのは嫌だ。ということは、舐めるというプラスと舐められるというマイナスを同時に行えば、あら不思議、差し引きプラスマイナスゼロになるのです。はぁ……ロジカル過ぎて自分が怖いですね。ロジカルモンスターありすですね。略してロリス」

桃華「何故そう略してしまったのかしら……」

ありす「とにかく脇を舐め合いましょう。善は急げと言いますし」

桃華「間違いなく善ではありませんわ。でも、そうですわね。脇を舐め合う正当性は十分に理解出来ましたわ。むしろ舐め合うしかないですわね、この状況」

ありす「分かっていただけたようで何よりです。何ならその脇でおにぎりを握って下さい」

桃華「おにぎりは握りませんわ」

ありす「では、ぺろります」

桃華「私も、容赦はしません事よ」

ゴゴゴゴゴゴ

芳乃「ほー」

ありす、桃華「「!!!?」」

芳乃「やはりー、ここでしたかー」

桃華「よ、芳乃さん、ど、何処から現れましたの!?」

芳乃「邪悪な穢れを感じたゆえにー、急いで舞い戻ってきたのでしてー、多少の歪みは仕方ないのでしてー」

ありす「言っている事が何一つわからないのですが……」

芳乃「ほー?」

桃華「こちらがはてなですのよ、芳乃さん」

芳乃「ぶおおー、ぶおおー」

ありす「何故このタイミングで法螺貝を吹くんですか? じゃじゃ馬さんですかあなたは」

芳乃「ありす殿ー、桃華殿ー、そなた達は穢れに取り憑かれているのでしてー、それを祓うのがわたくしー、依田は芳乃の役目でしてー」

ありす「毛ガニ?」

桃華「随分と器用な聞き間違え」

芳乃「『サマカニ!!』とはー、随分と心地よい音の流れでしてー」

桃華「宣伝を挟まない。して、穢れとは? 芳乃さん?」

芳乃「ほー、とても淫靡なー、色欲の穢れが見えまするー」

ありす「淫靡? 色欲? 芳乃さん、何を言っているのでしょうか? 私は確かに年齢の割にはアダルトな色気も醸し出していますが……」

桃華「ありすさんに色気を見出すお方は、また特別な人種だと思いますけれど」

芳乃「ぶおおー、ぶおおー」

ありす「だからどうして法螺貝を吹くんですか? 突然の法螺貝禁止です。ボッシュートです」

芳乃「むー。声でぶおるのは、よいのでしてー?」

ありす「声でぶおるのも駄目です。どれだけ法螺貝を吹きたいんですか? そんなに法螺貝に執着するようなキャラでしたっけ芳乃さん?」

芳乃「ぶおるゆえにー、依田はありー、芳乃がゆえにー、ぶおるのでしてー」

桃華「納得……しませんわよ?」

芳乃「まじでー、うけるー」

ありす「まじでー、うけるー!?」

芳乃「美嘉殿にー、教えを乞いた言の葉でしてー」

ありす「何故教えを乞いてしまったんですか……」

芳乃「とにかくー、穢れを祓うのでしてー」

桃華「あ、あぁ、そうでしたわね。まぁ、穢れを祓って頂けるのならば、それに越した事はないと思いますけれど」

ありす「その穢れとは、どのように祓うのでしょうか?」

芳乃「膝裏を舐めるのですー」

桃華「絶句」

芳乃「ほー? 脇を舐めたくなるならばー、膝裏を舐めるのは決まりでしてー。この世の理でしてー」

ありす「滅びて下さい。そんな世界は今すぐ
に滅びて下さい。そんな理はお断りです」

桃華「今のでオチませんの、これ?」

芳乃「舐めたいのでしてー、幼き者達の膝裏をー、ぺろりたいのでしてー」

ありす「一番穢れているのはあなたじゃないですか芳乃さん」

芳乃「むー、ぶおらないのでー、芳乃にぺろさせましょー」

ありす「ぶおるのもぺろるのも駄目ですってば。というか当たり前のように使っていましたが、ぶおるって、ぶおるって」

芳乃「まじでー、ふけるー」

桃華「まじでー!? ふけるー!?」

芳乃「菜々殿に教えを乞いた言の葉でしてー、ではー」

ありす「……あぁ、ふけるってその場からいなくなるという意味のふけるですか。博識な私でなければ伝わりにくい言葉ですね」

桃華「ありていに言えば死語、ですわ。安部菜々さんは女子高生なのに、何故そんなワードをチョイスしたのかしら……」

ありす「それは触れてはいけないと橘の本能が告げています。……しかし、なんだったんでしょうか芳乃さん……」

桃華「さぁ……? そこにも触れてはいけない気がしますわ。 して、どうしますの、これ。オチも行く末も見失っていますわ」

ありす「あぁ、まぁ、それなら問題はないです……はい……」

桃華「というと?」

ありす「桃華さん、頬を出して下さい」

桃華「えっ?」

ありす「ちゅっ」

桃華「まぁっ……」

ありす「……えへへ、最初から、オチてます、から……」

ではでは!
ももありもっと、ということでHTML依頼してきます!
失礼いたしました!

書きました!
なんだか嬉しいですね!
ありがとうございます!

ねー、絶対美味しいんですよ
ありすになりたい
ありがとうございます!

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