世界一不幸な少年 (6)
あまり知られていませんが、海の底にも、人が住める村が有りました。
そこに住む一人の少年は、自分を「世界一不幸な少年」だと思っていました。
毎日毎日、いままで受けて来た理不尽な不幸を思い返しては、辛そうに生きていました。
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それに見かねた長老が言いました。
「一度外の世界を見て来なさい、お前より不幸な奴がたくさん居るよ」
少年は長老の言う通りに、海の底を出ました。
海から顔を出すと、そこには幸せそうに暮らす人々が見えました。
皆、自分より幸せそうでした。
少年は実は信じたくなかったので、世界中を旅しました。
けれど、とうとう自分より不幸な人間は見つかりませんでした。
少年は、本当の本当に、
「世界一不幸な少年」でした。
少年が旅を終えて数日後、少年の死体が海の底で見つかりました。
海の一番深い底で、見つかりました。
終わり
以上になります。
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