サイキック少女「バレた…」 (65)
たまに安価とるかも
事の発端は二週間位前だ。学校帰りにビル街を歩いていると、不意に誰かが悲鳴を上げた。
「逃げろ」とか「上」とか言っていた気がするけど細かくは覚えていない。
私の近くにいたサラリーマン風の男性や、中学生位の女の子、荷物を持ったお婆さん。みんな上に視界を向けた。勿論私も含めて。
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遅すぎた。
もう走った所で絶対に間に合いっこ無い。
ゆっくりした悲鳴。
鉄骨がたくさん落ちてくる。
だから私は、チカラを使った。別に誰かの為じゃない。自分の身を守る為に。
誰だって目の前にいきなりボールが現れたら反射的に体が動いてしまうはずだ。家族以外の誰かにチカラの事を知られてしまうのはマズイとか、考える間もなかった。本当に咄嗟の出来事だったのだ。
…多分一生忘れない。チカラで鉄骨を受けた瞬間の感覚。
おでこ側から脳ミソをバットでフルスイングされたみたいだった。
鉄骨は私の鼻先30センチ位で静止した。
皆唖然としている。でも皆何となく私の方を見ている。脳がズグズグ痛いのに加え、頭の先から尾てい骨までのラインがびりびりしびれる。
目がチカチカする
――ツライ、今にも鉄骨を落としてしまいそう
もう、もたない。一刻も早く鉄骨の落下地点に居る三人に移動してもらう必要が有った
「は、やく…どいてよ…っ!」
絞り出すように叫んだ。
だが駄目だった。聞こえているのか、いないのか。皆へたりこんで動かない。今思えば腰が抜けて居たのかもしれない。
凄まじい耳鳴りに、鼻血が垂れる感覚。チカラを使ってて鼻血が出たの何か初めてだった。
――ヤバイ
直感でそう感じた。もうこの人達が自力で逃げるまで悠長に待っていられない
だからチカラをマットレスの様にまとめて、左手で薙ぐようにして三人を落下地点から押し退けた。
ギリギリだった。
悲鳴、その少し後に鉄骨が地面に激突する鈍い音。
そして暗転
私の記憶はそこまで。次に目が覚めたのは最寄りの市民病院のベッドだった。
以上が二週間前の出来事。
そして最悪な事に、一連の出来事が撮影されていて、更に最悪な事に、それがTwitterにアップされていたのを知るのはそれから一週間後の事になる。
【事故から数時間後、病院】
ピッ ピッ ピッ ピッ ピッ
(…?)
(眩しい…)
(ッ、頭いた…)ズキ
「ぅ…」
聞き覚えのある女性の声「!先生!娘が!」
(あ…お母さん? っ、とりあえず起きなきゃ…)グググ
知らない男の声「まだ起きないで下さい!」
「誰…?」
知らない男の声「目は開きますか?」
「…」コクリ
知らない男
↓
白衣を着た知らない男「私の姿が見えますか?見えていたら私の職業を当ててみてください」
「…医者…?」
白衣を着た知らない男
↓
医者「はい。正解です。では、これは何本ですか?」スッ
「4本…」
医者「いいですね。では、4+4、8+8、16÷4の答を順に教えて下さい。」
「8、16、4」
医者「OKです。では、あなたのお名前を教えて下さい。」
安価↓2 名字
安価↓3 名前
※あんまりにもあんまりな物は流石にずらすよ
(例)
・ゴルバチョフ
・「たかし」等どう考えても男名
・スケルトンブラジャー
・チンポビンビン丸 等
不知火「…不知火澪です」
医者「…はい。大丈夫ですね。」
医者「では体を起こして見ましょう。」
不知火「っ、く」ググ
医者「大丈夫ですか?ゆっくりでいいですよ。」
不知火「大丈夫です。少し体が重かっただけですから。」むくり
医者「他に体が普段と違うと感じる所はありますか?どんな小さな物でも結構ですよ」
不知火「…強い頭痛があります。でも多分すぐ治ります。大分マシになりましたし…」
不知火 (実際、チカラを使い過ぎた後の頭痛なんて以前にもあったし…2、3日は我慢かな)
医者「頭痛ですか…大丈夫だとは思いますが一応、後で脳波とCTの検査をしましょう。」
不知火「はい。わかりました。」
医者「では最後にもうひとつテストをします。」
不知火「?まだ何かあるんですか」
医者「この鏡を見てください。」スッ
不知火「…」
医者「自分の顔を見て、違和感はありませんか?他人に見えるとか、随分若く見える、またはその逆なんて事はありませんか?」
安価↓1 不知火の髪型
安価↓2 不知火の年齢
安価↓3~6 外見的特徴、矛盾が生じる場合はコンマが高い方を優先
JK1 16歳
不知火「…」
医者「どうですか?おかしく無いですか?」
不知火「別に、おかしな所はありません。いつも通りです。」
不知火 (そう。いつも通りの。不自然な色白。)
――この人に他意は無いんだろうけど、それでも、鏡を向けられて、自分の姿を面と向かって馬鹿にされている様で嫌な気持ちになる。
不知火「まだ、何かありますか」
医者「いえ、大丈夫ですよ。検査の準備がありますので、これで失礼しますね。」
ガラガラ ピシャ
不知火「…」
――白い掛け布団の下でいつの間にか6本指を握りしめていたのに気付く。
恥ずかしかったからか、悔しかったからなのかは、私にもよく解らなかった。
【しばらくして】
不知火「…」ピコピコ
(手持ち無沙汰で自分の髪の毛を念力で動かして遊んでいる)
コンコン ガラガラ
不知火「!」
不知火母「おっはー。目は覚めたかな?寝坊すけさん。」ニコニコ
不知火「あ…お母さん…」ホッ
不知火 (そうだ、…チカラを人前で使っちゃった事、いわなきゃ…)
不知火「あ、のね、お母さん、私、」
不知火母「はいストップ」ピシ
不知火「!」
不知火母「アンタの言いたい事は大体わかってるわ。でもま、こういう事は焦ったって仕方ないのよ。余裕が無いときに考え事すると大抵ロクな事になんないの」ガサガサ
不知火母「ちょっと高いプリン買ってきたけどさぁ、食べる?」スッ ドヤアアア
不知火「…」
不知火「…たべる」
不知火母「ふっふー。そうこなくちゃ。コレ味が四種類あってね、カスタード、キャラメル、かぼちゃ、抹茶…どれがいい?」パカッ
不知火「ん…抹茶がいい」
不知火母「え~?あ~…これはじゃんけんタイムだわ」
不知火「え~?お母さんってば」クスッ
不知火母「先に言っとくけどアンタ、心読んじゃ駄目よ?反則だかんね」スッ
不知火「わかってるよ」スッ
不知火母「フフ、このクイーン・オブ・ジャンケンと呼ばれたアタシに…」
不知火「…」キン
不知火母『チョキチョキチョキチョキィ!!!』
不知火「」クスッ
不知火母「勝てるかしら!?」
不知火母娘「ジャンケン ポン!」バッ
不知火「」パー
不知火母「」チョキ
不知火「あ、負けちゃった」シレッ
不知火母「やりぃ!そんじゃ遠慮なく~」ヒョイ
不知火「私は…かぼちゃにしよ」フワリ
不知火「あ、瓶だコレ。高そう」パシ
不知火母「一箱2500円よ。あ、アタシの一口あげるからカボチャ一口ちょうだい」
不知火「うん、いいよ。」サク
不知火「はい。あーん」スッ
不知火母「あー」パク
不知火母「んー!濃厚!」
不知火「おいしい?」ニコニコ
不知火母「これは大人の味だわ。やさしい甘さ。」
不知火母「ハイ抹茶。あーん」スッ
不知火「あむ」パク
不知火「!」
不知火母「どう?」
不知火「すっごく濃厚。舌の上でとけるみたいだった。」
不知火母「やっぱプッチンプリンとは違うわ。高いだけある」パクパク
不知火「うん」パクリ
不知火母「あ、そうそう。アンタ2、3日入院だってさ。お母さん今日は帰らないでアンタの近くに居るから。」
不知火「え?無理しなくていいよお母さん」
不知火母「アンタ一人じゃ寂しいでしょ?」
不知火「大丈夫だよ」
不知火母「…アタシがそうしたいからここに泊まるのよ」
不知火「…何かあったの?」
不知火母「別に?」
不知火「…」
安価下2
?読まない
②軽く読む
③深く読む
>>37
ミス
正しくは
?読まない
②軽く読む
③深く読む
でした。このレスから下2でお願い
?→?
――お母さんは多分何か隠してる。お母さんがあえて「読むな」と言わない時は大抵本気で隠したい何かを隠してる時。
不知火「…」
不知火母「どしたの?何か欲しい物ある?」
――そう言う時は私も絶対にお母さんの心を読んだりしない。でも今は…!
不知火「お母さん、あの、」
不知火母「ん?言ってみ?」
不知火「ごめんね」キィィィン
【数時間前、不知火 澪が事故に巻き込まれた少し後】
prrrrrrr
事務の女性『はい、不知火弁護士事務所です。』
事務の女性『えっ!?は…はい。少々お待ち頂けますか?』
事務の女性『不知火さん!』
不知火母『ん、どしたの~?』カリカリ
事務の女性『たった今救急隊の方から連絡が…!』
不知火『…電話、回線ちょうだい。』
事務の女性『は、はい、一番です』
不知火『…』カチ
不知火『お電話替わりました。不知火です。』
救急隊員『不知火澪さんのお母さんですか?』
不知火母『はい。娘がどうかしたんですか?』
救急隊員『落ち着いて聞いてください。先程、ビルの建設作業中に鉄骨数本が落下する事故があり、澪さんはそれに巻き込まれました。』
不知火母『そんな、娘は、』サーッ
救急隊員『現在病院に搬送中ですが、意識は戻って居ません。すぐに○○病院に来れますか?』
不知火母『ええと…』チラ
秘書 ≪OKです≫ジェスチャー
不知火母『わかりました。すぐに向かいます。』
救急隊員『お願い致します』
事務の女性『ど、どうでしたか?』
不知火母『…鉄骨が落下した事故に巻き込まれて意識がないみたい。今から病院に行ってくるわ。』
事務の女性『そ、そんな…大丈夫なんでしょうか…』
不知火『わからない、わからないけど、とにかく病院に行かないと』
秘書『お気をつけて…今お車を手配します』
不知火母『大丈夫、私の車で行くわ。ありがとう。』
――――
――
―
【病院、病室】
ピッ ピッ ピッ
不知火『』
不知火母(見た感じ、怪我は無いみたいだけど…)
不知火母『…』
不知火母『それで、娘は大丈夫なんでしょうか』
医者『恐らく、今日中には意識が戻ると思われます。見ておわかりのように、外傷はありません。少し前までは鼻から出血がありましたが、今は止まりました。きっと鉄骨を避けた際転んでしまったのでしょう。』
不知火母『そうですか…』
不知火母(…多分違う…この子は鉄骨に気付いたんだ、それで念力で… 超能力って使いすぎると気絶しちゃうのかしら…)
不知火母(大事にならなければいいんだけど…)
不知火『ぅ…」
不知火母『!先生!娘が!』
医者『不知火さん、一度病室の外に出ていて下さい。』
不知火母『えっ?でも…』
医者『検査等ありますので、夕方まで面会は出来ません。ご退室願います』
不知火母『…っ~! …わかりました』
不知火『っ』グググ
医者『まだ起きないで下さい!』
――――
――
―
【不知火の病室前】
不知火母『…』
不知火母『澪…』
不知火母『フー… 大丈夫よ…大丈夫。鉄骨が直接ブチあたった訳じゃないんだから…』
不知火母『…』ソワソワ
不知火母『夕方まで結構あるわね…何かしてないと気が狂いそうだわ…』
安価下2
1.学校に連絡しなきゃ
2.事故現場に行ってみましょう
3.待合室で時間を潰すか…
不知火母(とりあえず学校に電話しないと…)
【携帯使用可能エリア】
prrrrrrr
『はい、○○高校です。』
不知火母『わたくし三年二組の不知火澪の母なのですか…』
『ああ、はい。いかがされましたか?』
不知火母『ええと、娘が鉄骨の落下事故に巻き込まれてしまって…』
『事故!?鉄骨!?ご無事なんですか!?あ、す、すぐに担任の者に替わります!』ガチャ
♪~~~♪~~~~(保留音)
>>51
ミス
ちゃんみおJK3じゃなくてJC2だったわ
不知火母(とりあえず学校に電話しないと…)
【携帯使用可能エリア】
prrrrrrr
『はい、○○中学校です。』
不知火母『わたくし二年二組の不知火澪の母なのですか…』
『ああ、はい。いかがされましたか?』
不知火母『ええと、娘が鉄骨の落下事故に巻き込まれてしまって…』
『事故!?鉄骨!?ご無事なんですか!?あ、す、すぐに担任の者に替わります!』ガチャ
♪~~~♪~~~~(保留音)
不知火母『…』
ガチャ
担任の教師『…お電話替わりました不知火さんの担任の端仁京志郎です』
端仁『あ~えっと、事故と言う事で…』
不知火母『…はい、どうやら意識は戻った様なんですが、まだ面会が許されておらず今後どうなるかはまだわかりません。とにかくご連絡をと思いまして…』
端仁『そうですかー。わかりました。とりあえず暫く休学と言う事でよろしいでしょうか?』
不知火母『そうですね。詳しい事が決まりましたらまたご連絡させて頂きます。』イラッ
端仁『わかりました。では失礼しまーす』ガチャ ツーツーツ
不知火母『…家庭訪問の時から思ってたけどやっぱコイツ嫌いだわ』
医者『あぁ、不知火さん、ここに居らっしゃいましたか。』ツカツカ
不知火母『!娘はどうでしたか?』
医者『いくつか質問をしましたが、いずれも受け答えはしっかりした物でした。頭痛があると言っていましたので、一応これから検査をしますが、まぁ恐らく問題ないでしょう。』ニッコリ
不知火母『そうですか。よかった…!』ホッ
医者『ですがまぁ一応経過を見たいので二、三日は入院して頂くと言う形になると思います。』
不知火母『はい。わかりました』
医者『では、検査の準備がありますので、私はこれで。失礼いたします。』
不知火母『はい、どうもありがとうございました』フカブカ
不知火母『まったくもう…あの子は心配ばっかりかけさせて…』
不知火母『とりあえず会社に電話して、何かお見舞いに甘い物でも買ってやりますか!』
――――
――
―
【病院、廊下】
不知火母『…』テクテク
不知火母(外で念力使ったって事は当然、不特定多数の人間に見られてしまったと考えるべきよね…ただでさえあの子の容姿は人目を引くし…)
不知火母(まぁとにかく今は色々不安だろうし、安心させてあげるのが先決かな)
不知火母『ん?』
――廊下の角を曲がると澪の病室(事情が事情なので個室にしてもらった)の前にハンディビデオカメラを構えた今風の男が、何やら一人でぶつぶつ喋っていると言うおぞましい光景があった。最早変質者としか言いようが無い。思わず手に持っていたプリンの箱が入った袋を落としそうになる。
不知火母(ちょっ、何アレ…)ゾッ
――ネームプレートを舐めるように撮影している。何を言っているのか迄は判らなかったが…その姿に恐怖を覚える。どう考えても普通じゃない。異常な行動だ。そして何よりも問題なのはその行為の矛先が澪に向いていると言う事だ。 …男が病室の扉にゆっくりと手を伸ばす。
不知火母『!』
不知火母『ちょっ、ちょっと!』
変質者『!』ビクッ
変質者『』ダダダダダダダダ
不知火母『に、げた…?』
不知火母『!お、追いかけっ、うわ!?』ガッ
――足がもつれて前につんのめり、危うく転びそうになる。…多分今から追いかけても遅い。
不知火母(何アレ…何であの子の居る病室に…?)
不知火母(やっぱり事故の瞬間を人に見られて…いや、そもそも何で病室を…)
不知火母『…事故現場からつけて来た…?』サーッ
――警察に電話する…?いや、駄目だ。「娘の超能力がバレてストーカーが出ました」とでも言うつもり?そもそも直接被害が出てない以上取り合ってもらえない
不知火母『…』
不知火母(とにかく、今はあの子にこれ以上心理的な負担はかけたくない…)
不知火母(とりあえず今日一晩は絶対あの子のそばに居ないと…いっくらエスパーでも寝込みを襲われたらひとたまりもないわ)
不知火母(読心には気を付けないとね…出来るだけ別の事を考えて置けば軽く読まれたとしても躱せる、でも問題は深く読まれた時…あの子は記憶ごと読んでくるから逃げようが無い。不審がられないように振舞わないと…)
コンコン ガラガラ
不知火『!』
不知火母『おっはー。目は覚めたかな?寝坊すけさん。』ニコニコ
不知火『あ…お母さん…』ホッ
――――
――
―
不知火母『アンタ一人じゃ寂しいでしょ?』
不知火『大丈夫だよ』
不知火母(あ、コレは嘘ね。アンタ嘘つくと目が右に動くのよ)
不知火母『…アタシがそうしたいからここに泊まるのよ』
不知火『…何かあったの?』
不知火母(しくじったわね…もっと茶化すべきだったわ)
不知火母『別に?』
不知火母(…ちょっと強引だったかしら)ドキドキ
不知火『…』
不知火母『どしたの?何か欲しい物ある?』
不知火母(嫌な沈黙ね…ちょっとやばいかも…)
不知火『お母さん、あの、』
不知火母『ん?言ってみ?』
不知火『ごめんね』
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