【SS】宝探し μ's (27)
穂乃果「この間見つけちゃったんだよ」
海未「何をですか?」
穂乃果「近所のいかにも古そうな屋敷があるんだけど…」
海未「え?そんな所ありました?」
穂乃果「あるんだよ。穂乃果ん家のすぐ近くに」
海未「…そうですか」
穂乃果「で、その屋敷に遊びに行った時にね」
海未「え?遊びに行ったんですか?どういう経緯で?」
穂乃果「…海未ちゃんが呼んだんじゃん」
海未「私が?」
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穂乃果「宿題をやろうってさ」
海未「待ってください…その古そうな屋敷って私の家の事ですか?」
穂乃果「うん、そうだけど?」
海未「なぜそのような言い回しをするのですか?古そうって失礼ですよ?」
穂乃果「それは私と園田家の仲じゃ~ん」
海未「園田家?園田家全体ですか?」
穂乃果「うん。まあ、それはいいじゃん。話が進まないよ」
海未「過去に穂乃果と会話がスムーズに進んだ事のが少ないですよね?」
穂乃果「でね、」
海未「私の話しはスルーと」
穂乃果「海未ちゃんがトイレに行ってる間なかなか帰って来ないからさ」
海未「…穂乃果?この先は言葉を選んで話して下さいね?選択を間違えるとあなたは明日、御天道様を拝めなくなりますから」
穂乃果「え?穂乃果、強迫されてるの?」
海未「はい。続けて?」
穂乃果「う、うん。やっぱり、やめようか」
海未「続けて?」
穂乃果「あのね、海未ちゃんがなかなか帰って来ないから暇でさ…まあその暇だったからね…見つけちゃったんだよ」
海未「色々誤魔化そうとしているのは伝わりますが何を見つけたのですか?私の部屋ですよね?」
穂乃果「海未ちゃんの部屋じゃないよ?海未ちゃん家の離れの倉だよ」
海未「人ん家で何をしてるんですか、勝手に」
穂乃果「おばさんがいいって。海未ちゃんの部屋では昔のポエムノートしか見つけてないよ」
海未「結局人の部屋も勝手に…ポエムノート見たのですか?」
穂乃果「中学の頃も見たし…今更じゃない?」
海未「そうですけど…思い出すと恥ずかしい」
穂乃果「捨てれば」
海未「そうですね」
穂乃果「まあ、穂乃果はもPDF化してあるから」
海未「P…なんですか?」
穂乃果「ううん。こっちの話し!」
穂乃果「そんな事より」
海未「そんな事?私の黒歴史はそんな事なんですか?黒歴史を掘り返された上にそんな事って」
穂乃果「倉で見つけたのは宝の地図なんだよ」
海未「は?宝の地図?」
穂乃果「うん。これはもう探しに行くしかないじゃん」
海未「宝を?」
穂乃果「うん。おばさんもいいっていうからさ」
海未「探しに行ったんですか?」
穂乃果「うん」
海未「私は?」
穂乃果「…あなたは海未ちゃんだよ?」
海未「自分の名前を訪ねた訳ではありません。急に記憶喪失になるわけないでしょう。私は誘わなかったのですか?」
穂乃果「…うん」
海未「普通誘いますよね?私の家で見つかって私を誘わないとはどういう了見ですか?」
穂乃果「アハハ、まあね。でね、」
海未「誤魔化さないでください」
穂乃果「もう、うるさいなぁ。うるさい、うるさい。」
海未「逆ギレ?まさかの逆ギレですか?私、驚いちゃいますよ?」
穂乃果「そう言うのは後で聞くからさ先ずは穂乃果の話を聞いてよ」
穂乃果「で、次の日探しに行ったんだけど」
海未「はい。どこに行ったんですか?」
穂乃果「森だよ」
海未「森?森ってどこですか?あります?東京に森なんて?」
穂乃果「あるの。あるったらあるの」
海未「そうですか」
穂乃果「うん。でね、もういかにもお宝が眠ってるぞって感じなの」
海未「本当ですか?」
穂乃果「うん。雰囲気がね」
海未「でました、雰囲気。穂乃果の得意技の雰囲気」
穂乃果「で、とりあえず地図の通りに行こうと思ったんだけどなんて書いてあるかわからなくってさ」
海未「古くなってしまったんですね」
穂乃果「やっぱりライトを持ってくるべきだったよ。暗くて見えないね」
海未「え?夜に行ったんですか?暗くて見えなかったのですか?バカなんですか?いえ、聞くまでもなくバカですね」
穂乃果「…海未ちゃん感じ悪いよ」
海未「誰でも同じリアクションをとります」
穂乃果「で、まあ地図見えないから勘で行こうと思ってさ」
海未「は?地図の意味は?スマホの明かりとかで見ればいいじゃないですか」
穂乃果「はっ!」
海未「その手があったって顔をしないでください」
穂乃果「ス、スマホは電池が切れてたんだよ」
海未「…へえ」
穂乃果「で、とりあえず進もうとしたらさ急に物音が…」
海未「はい」ゴクリ
穂乃果「にゃあーってね。ビックリしたよ」
海未「暗闇の中ではね」
穂乃果「だから、言ってやったんだ。凛ちゃん、急に大声を出さないでってさ。ミーアキャットだと思うでしょって」
海未「一つずつ処理していきますね?凛も一緒だったんですね、やっぱり。そう来ると思いましたよ。あと、なぜ、ミーアキャットなのですか?キャットでいいでしょう?いや、猫でいいでしょう?ミーアキャットは猫じゃないですからね?」
穂乃果「そんなのは知ってるよ」
海未「では、なぜミーアキャットだと思ったのですか?」
穂乃果「いや、上野動物園から逃げ出して来たのかなと」
海未「えっと…冷静に対処していきたいと思いますが…上野動物園?え?森ですよね?」
穂乃果「うん。上野公園」
海未「森じゃないじゃないですか」
穂乃果「木がいっぱいあるじゃん。上野の森美術館もあるじゃん」
海未「まあ、でも上野公園でまだよかったです。これが六本木とか言い出したらツッコミきれませんからね」
穂乃果「え?六本木?どういう事?」
海未「時分で考えてください。」
穂乃果「海未ちゃんの言ってることはよくわからん」
海未「…で、ミーアキャットが猫じゃないのは知ってると言いましたがではなぜ凛がにゃーと泣いてミーアキャットだと言ったのですか?」
穂乃果「…海未ちゃん。あんまり、人のあげ足ばっかり取ってると嫌われちゃうよ?」
海未「ああ、そうですか。どうせ私は誘われてませんしね」
穂乃果「うわ、根に持ってるな~」
海未「当たり前でしょう」
穂乃果「…話を進めるよ?」
海未「どうぞ、ご勝手に」
穂乃果「で、とりあえず宝は奥の方を探すのが定石でしょ?」
海未「まあ、上野公園の奥の方はいったい何処を指しているんだと言うツッコミは一旦置いておきます」
穂乃果「で、進もうとしたんだけどなかなか進めないんだよ」
海未「え?どういうことですか?まさか、宝が宝を守っている不思議な力が…なんて非現実的な事はないでしょうし」
穂乃果「もう、引っ張るのはやめてって絵理ちゃんに言ってやったよ」
海未「絵理。絵理ですか。絵理もいたんですか」
穂乃果「怖いなら来なきゃいいのにね」
穂乃果「で、まあ地図も読めないし」
海未「スマホの明かりで照らせばいいだけなのに…上野公園って外灯ありませんでしたっけ?」
穂乃果「読めないし、あてもなく探してもいつまでも見つからないかさ」
海未「ビックリするほど綺麗に無視しますね」
穂乃果「人に聞こうと思って」
海未「人に聞いてわかるくらいなら地図に残す必要ないですね」
穂乃果「ランニングウェアの人に聞いたの」
海未「わざわざランニングしてる人に聞く意味がわかりません」
穂乃果「その人はランニングウェアを着てるだけでランニングはしてなかったよ」
海未「では、ランニングウェアはいらない情報でしたね」
穂乃果「で、その人に聞いてもわからないって」
海未「でしょうね」
穂乃果「何度聞いてもわからないしか言わないの」
海未「なぜ一度で諦めなかったのですか?」
穂乃果「まあ、ドラクエとかやってても通行人って同じ事しか言わないしね。ある意味当たり前か」
海未「ゲームの世界と一緒にしないでください」
穂乃果「で、まあもう歩くしかないじゃん」
海未「ないじゃんと言われましても」
穂乃果「公園を歩いてたらさ…コートを着てハアハア言ってる人が近づいてきて」
海未「へ、変質者ですよ、それ」
穂乃果「うん、穂乃果もビックリしたよ。秋なのにコートは早いよね?」
海未「コートの種類にもよりますが…大丈夫だったのですか?」
穂乃果「あの、海未ちゃん?大丈夫じゃなきゃ穂乃果はここにいないよ?」
海未「まさか、穂乃果にツッコまれるとは…一生の不覚です」
穂乃果「物凄い失礼だね。海未ちゃんも普段結構ツッコミ所満載だからね?」
海未「なっ!?…で、どうしたのですか?警察を呼んだとか?」
穂乃果「警察?」
海未「変質者の件ですよ。コートを着てハアハア言ってる」
穂乃果「ああ、それはね絵理ちゃんなの。穂乃果達が歩くの早くて絵理ちゃんを置き去りにしたから怖くて走ってきたんだよ。」
海未「なぜ、最初から絵理と言わないのですか?と言うかさっきのやり取りはなんだったんですか?わざと?わざとなのですか?」
穂乃果「海未ちゃんも早とちりだよね」
海未「ラブアロパーンチ」
穂乃果「グハッ…殴ったよ、この人女の子を殴ったよ」
海未「あなたのせいで軽くキャラ崩壊してしまいました」
穂乃果「穂乃果のせいなの!?」
海未「他に要因がありますか?」
穂乃果「2日目とか?」
海未「言葉には気を付けろと最初に言いましたよね?」
穂乃果「冗談…冗談だから」
海未「さあ、言葉には気をつけて話して下さい」
穂乃果「う、うん。どこまで話したっけ…絵理ちゃんか。絵理ちゃんが急にガッとくるから凛ちゃんが驚いちゃって絵理ちゃんに猫だましをしたんだ」
海未「驚いちゃって猫だましをするのですか凛は」
穂乃果「うん。絵理ちゃん驚いて気絶しちゃったよ。そのあと、ファンファーレなったからね。テレテレッテッテーって」
海未「凛がレベルアップしてるじゃないですか」
穂乃果「で、ことりちゃんがもしもしって」
海未「ことり?ことりもいたのですか?と言うか何故電話に」
穂乃果「ファンファーレはことりちゃんの着信音なの」
海未「なの!って言われても知るわけないでしょう?事前情報が少なすぎます」
穂乃果「で、仕方ないからさ絵理ちゃんはその場に置いて」
海未「夜の公園に気を失ってる女子校生を置いて行ったんですか?」
穂乃果「大丈夫!希ちゃんが絵理ちゃんの額にお札を貼っておいたから。不思議な力で守ってくれるんだって」
海未「色々言いたいことはありますがとりあえず…キョンシーみたいになってるじゃないですか」
穂乃果「うん。皆怖がって近寄って来ないね」
海未「不思議な力は関係ないじゃないですか…て言うか通報されたらどうするんですか」
穂乃果「ね!実際お巡りさんは来たんだよね。巡視してるんだね、深夜って。あやうく歩道されるところだったよ」
海未「何をやっているんです」
穂乃果「絵理ちゃんはされたけどね。おかげで、私達は見つからなかったよ。気絶した絵理ちゃんに感謝」
海未「…あなた達最低ですね」
穂乃果「まあ、結局お宝は見つからなかったよね。お巡りさんの邪魔が入ったから」
海未「仕事をしているだけでしょうに」
穂乃果「まあ、あんな宝の地図じゃあね」
海未「そう言えばどんな地図だったのですか?」
穂乃果「…覚えてないの?」
海未「は?」
穂乃果「その宝の地図って海未ちゃんが小さい頃書いたやつだよ?」
海未「…は?私が小さい頃に書いた宝の地図?」
穂乃果「うん」
海未「そんな子供が描いた地図を本気にして探しに行ったんですか、お宝を?バカなんですか?いや、バカですね」
穂乃果「うん、まあ…お宝というか…黒歴史が埋まってないかなと…ポエムノートに匹敵する奴ね」
海未「…やはり穂乃果は明日の陽を拝むことは出来そうにないですね」
穂乃果「で、でもさ何も見つからなかったんだしね」
海未「ですが、最初に見つけちゃったと言いましたね?」
穂乃果「ああ、それは見つけちゃったのはね、絵理ちゃんの怒るポイントを見つけちゃったの」
ー完ー
過去に他所で書いてた物の続編きでした
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